JP3324236B2 - 織機の緯入れ装置 - Google Patents

織機の緯入れ装置

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JP3324236B2 JP28150993A JP28150993A JP3324236B2 JP 3324236 B2 JP3324236 B2 JP 3324236B2 JP 28150993 A JP28150993 A JP 28150993A JP 28150993 A JP28150993 A JP 28150993A JP 3324236 B2 JP3324236 B2 JP 3324236B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織機の緯入れ装置に関
し、さらに詳しくは測長貯留装置と流体を噴射して緯糸
を飛走させる姿勢制御ノズルとの間に回転ローラにより
緯糸を牽引する緯糸牽引装置を設けた織機の緯入れ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】織機にはノズルから流体を噴射して緯糸
を飛走させ、緯入れを行う緯入れ装置を備えたものがあ
る。この緯入れ装置は、流体により高速で緯入れを行え
ることから生産性の向上という点では、極めて優れた効
果を奏しているが、例えば空気を噴射して緯糸を飛走さ
せる場合は、空気と緯糸との摩擦力により緯糸を牽引し
て行くので、空気の消費量が大きく、エネルギー消費量
の面で解決すべき課題が残されている。
【0003】そこで、空気の消費を節減した緯入れ装置
として、例えば特開昭57−199841号公報に記載
された発明がある。この発明は、測長貯留装置と姿勢制
御ノズル(流体噴射ノズル)との間に、回転する一対の
ローラを互いに接離自在に設け、両ローラで緯糸を挟持
して牽引し、緯入れ初期の、特に空気の消費の多い時期
に、空気の消費を大幅に節減するようになっている。こ
のような、回転ローラで緯糸を牽引して緯入れを行う緯
糸牽引装置は、直接ローラにて緯糸を積極的に牽引して
送り出し、牽引抵抗を受け持つので、姿勢制御ノズル
は、緯糸の姿勢を制御するだけでよく、そのため空気消
費量が節減され、エネルギー消費量を小さくできる点で
非常に優れている。
【0004】ところが、上述のローラで緯糸を牽引する
緯入れ装置は、緯入れ時に高速回転しているローラで、
緯糸を挟持して牽引するようになっているので、緯入れ
初期においては、挟持したときのローラによる牽引速度
は、姿勢制御ノズルによる牽引速度より速く、この牽引
速度の違いにより緯糸に屈曲部が連続した形の、いわゆ
るたるみが生じ、これが姿勢制御ノズルの入り口で詰ま
って緯入れ不良を発生するとか、ノズルを通過して筬打
ちされた場合は、緯糸たるみ部がそのまま織布に残り、
布傷の原因となるのである。特に、撚りの強い緯糸で
は、そのたるみ部の屈曲を助長して、緯糸が絡み合った
状態となり、これが織布に残って傷となり、いわゆるび
りが生じることになる。
【0005】この不良発生の原因につき説明すると、緯
入れに際しては最初に姿勢制御ノズルが牽引を始め、続
いてローラによる牽引が始まる。図22において、横軸
に時間tをとり、縦軸に牽引速度vを取り、姿勢制御ノ
ズルの牽引速度を曲線aで、ローラの牽引速度を曲線b
で示すと図示のような関係になる。
【0006】すなわち、ローラと姿勢制御ノズルとの間
隔が十分の長さに設定されている場合を前提として説明
すると、まず、姿勢制御ノズルが、空気噴射を始め(t
1 )、徐々に牽引速度を上げながら緯糸を牽引して行
く、続いてローラによる牽引が始まる(t2 )。ローラ
は高速回転したまま緯糸を挟持するので、牽引速度は瞬
時に上り、姿勢制御ノズルの牽引速度より速い一定の速
度に保たれて牽引を続け、姿勢制御ノズルの牽引速度が
ローラの牽引速度に達するまでは、緯糸たるみ部が形成
され、これは増大する。その後、両牽引速度が同じにな
ると(t3 )緯糸たるみ部の増加は止まり、姿勢制御ノ
ズルの牽引速度がローラの牽引速度を超えるにつれ緯糸
たるみ部は変形減衰し消滅する。上述したようにローラ
と姿勢制御ノズルの間隔が長い場合は、緯糸弛み部は姿
勢制御ノズルに到達する前に減衰解消するのである。
【0007】このように、ローラと姿勢制御ノズルとの
間隔が十分長いと、緯糸たるみ部が姿勢制御ノズルに到
達することはないが、織機全体のコンパクト性を考慮す
ると、この様な間隔を設けることはできないので、緯糸
たるみ部が消滅しないうちに姿勢制御ノズルに達し、緯
入れ不良や傷などの問題が起こる。なお、図23
(A),(B),(C)に示すように、緯糸たるみ部Y
zは撚りが増大したような形、Z形、波形などが緯糸の
長手方向に連続する。この形は緯入れごとに変化する
が、緯糸の種類によって異なっている。
【0008】一方、上記特開昭57−199841号公
報に記載された発明とは別に、空気の消費を節減した緯
入れ装置として、特開平4−136237号公報に記載
された発明が知られている。この発明は、上記従来例と
同様に、測長貯留装置と流体噴射を行うノズルとの間
に、回転するローラにより緯糸を挟持牽引する緯糸牽引
装置を設けたものであるが、このローラの回転をサーボ
モータを用いて行い、主軸の回転に同期して制御するこ
とにより、緯糸を最初は低速で挟持し、緯入れ途中は高
速で飛走させ、解放時には再び低速に戻すように構成さ
れている。従って、適切に牽引速度を設定することによ
り、上述した緯糸たるみ部の形成は確実に防止できるよ
うになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したローラの回転
速度を制御して緯入れを行う特開平4−136237号
記載の緯入れ装置は、緯糸たるみ部による緯入れ不良や
布傷不良の発生を防止できる。しかし、サーボモータを
用いてローラの速度制御を行う必要があり、織機主軸の
回転速度を高速にした場合は、緯入れごとにローラの回
転速度を大きく変化させるといった制御が追従できなく
なり、実用化が難しい。実用化できたとしても高度な応
答性と精度を備えた非常に高価な制御装置や急激に大ト
ルクを発生するといったモータを必要とするので採用し
難い。
【0010】そこで、本発明の目的は、ローラによる緯
糸牽引装置を備えたものにおいて、織機を高速化しても
安価な装置で緯糸たるみ部による緯入れ不良や織り傷が
確実に防止できる緯入れ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、測長貯留装置と、この測長貯留装置から
の緯糸を常時回転するローラで牽引する緯糸牽引装置
と、この緯糸牽引装置の前記牽引または非牽引を切り換
える切り換え装置と、この切り換え装置の作動により牽
引された緯糸を流体噴射により経糸開口内に飛走させて
緯入れを行う姿勢制御ノズルとを有する織機の緯入れ装
置であって、前記緯糸牽引装置と姿勢制御ノズルとの間
に、該両者による緯糸の牽引速度差により生じる緯糸た
るみ部を変形させるたるみ変形手段を設けたことを特徴
としている。
【0012】
【作用】本発明は、緯糸牽引装置と姿勢制御ノズルとの
間に、緯糸たるみ部を変形させるたるみ変形手段を設け
て構成したので、緯糸たるみ部は姿勢制御ノズルに直行
することなく変形され、ローラの回転を常時高速回転に
保ったままで緯糸牽引装置の牽引、非牽引を操作して
も、緯入れ不良や布傷が発生することはない。従って、
生産性の高い織機を得ることができる。また、ローラの
回転速度を緯入れごとに高速で制御する必要がないの
で、極めて安価に構成することができる。なお、たるみ
変形とは、緯糸の屈曲状態を変更させ、たるみ部を実用
上支障の無い程度になだらかにすることである。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面を参照しながら実施例に
より説明する。図1は本発明の実施例の構成を示す平面
視説明図、図2は同じく構成を示す斜視説明図、図3は
同じく要部(緯糸牽引装置)の側面視説明図、図4は同
じく図2の矢印A方向から見た要部(緯糸牽引装置と切
り換え装置)の平面視説明図、図5は同じく要部(たる
み変形手段と緯糸ブレーキ装置)の斜視説明図、図6は
同じく要部(たるみ変形手段)の作用説明図、図7は同
じく要部(たるみ変形手段)の変形例の作用説明図、図
8は同じく要部(緯糸ブレーキ装置)の作用説明図、図
9は本発明の第2の実施例の要部(たるみ変形手段)の
平面視説明図、図10は本発明の第3の実施例の要部
(たるみ変形手段)の斜視説明図、図11は同じく断面
説明図、図12は同じく第4の実施例の要部(たるみ変
形手段)の斜視説明図、図13ないし図18は同じく要
部の作用を説明する側面斜視説明図、図19は織機運転
中の各アクチュエータの作動タイムチャート、図20は
同じく織機始動時の各アクチュエータの作動タイムチャ
ート、図21は同じく織機が停止状態から始動するまで
の各アクチュエータの作動を説明するフローチャート、
図22は緯糸たるみ部の発生の説明線図、図23
(A)、同図(B)、同図(C)は緯糸たるみ部の形状
例の説明図である。
【0014】本実施例からなる織機の緯入れ装置Eは、
測長貯留装置10と、この測長貯留装置10からの緯糸
Yを回転するローラ33,35で牽引する緯糸牽引装置
30と、この緯糸牽引装置30の前記牽引または非牽引
を切り換える切り換え装置50と、この切り換え装置5
0の作動により牽引された緯糸Yを流体噴射により経糸
開口内に飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズル71と
を有する織機の緯入れ装置である。そして前記緯糸牽引
装置30と姿勢制御ノズル71との間に、緯糸牽引装置
30と姿勢制御ノズル71の牽引速度の差により生じる
緯糸たるみ部Yzを変形させるたるみ変形手段20を設
け、緯入れ不良や布傷不良の発生を防止するようになっ
ている。
【0015】まず、本実施例の構成、作用につき説明す
る。本実施例はA色とB色の緯入れ装置を備えている
が、両緯入れ装置は同様な構成なので、主としてA色の
緯入れ装置につき説明する。なお、符号は同一部分には
同一符号を付してある。
【0016】本緯入れ装置Eは、給糸体1から供給され
る緯糸Yを測長して貯留する緯糸測長貯留装置10と、
ここからの緯糸Yを案内するヤーンガイド18と、ヤー
ンガイド18からの緯糸Yを挟持牽引および解放する緯
糸牽引装置30と、この緯糸牽引装置30とヤーンガイ
ド18との間に設けられて、緯糸牽引装置30の緯糸Y
の牽引、非牽引を切り換える切り換え装置50と、この
切り換え装置50の切り換えにより、この緯糸牽引装置
30で牽引された緯糸Yをヤーンガイドとして案内する
と共に、上記緯糸たるみ部Yzを変形変形させるたるみ
減衰手段20と、このたるみ変形手段20からの緯糸Y
に接離自在で、緯糸Yに走行抵抗を付与する緯糸ブレー
キ装置60と、この緯糸ブレーキ装置60からの緯糸Y
を、空気噴射により姿勢を制御しつつ飛走させる流体噴
射装置70と、この流体噴射装置70に近接して設けら
れたカッター装置80と、反緯入れ側に設けられた緯糸
到達センサ100と、制御装置120とから構成されて
いる。
【0017】各装置につき詳述すると、緯糸測長貯留装
置10はドラム11を有する本体12を備えている。こ
の本体12には巻き付けアーム13が回転自在に支持さ
れており、本体12内のモータにより回転駆動される。
緯糸Yは、この巻き付けアーム13中を通り、巻き付け
アーム13の回転により、ドラム11の周囲に巻き付き
貯留される。この貯留された緯糸Yは、ドラム11外周
に挿入された係止爪14に係止されつつ、ヤーンガイド
18の方に延在している。係止爪14は電磁駆動自己復
帰型の緯入れソレノイド15に取り付けられており、通
電付勢により後退して緯糸Yの係止を解舒し、消勢によ
り、ばね力で前進して緯糸Yの解舒を阻止し、緯入れを
終了させる。なお、この付勢消勢は、制御装置120か
らの信号により操作される。以下に述べるヤーンガイド
18からブレーキ装置60までは、図2に示すように、
サイドフレーム45から外側に延びる固定ベース46に
取り付けられている。
【0018】ヤーンガイド18は、測長貯留装置10側
が大径で、緯糸Yの走行する下流に向かって次第に小径
になるように形成されており、下流側に設けた装置の所
定の位置に緯糸Yを案内するようになっている。
【0019】緯糸牽引装置30は、図2に示すように、
上記固定ベース46の縦壁47に取り付けられている。
すなわち、緯糸牽引装置30のモータ31が縦壁47に
固定されており、このモータ31の出力軸には、縦壁4
7の図2の手前側に突出する駆動軸32を連結してあ
る。この駆動軸32には、大径な円筒形なる金属製の2
個のローラ33を駆動軸32の軸心方向に所定間隔を以
て、ねじ34で固定的に取り付けてある。各ローラ33
の上方には、小径なるゴム製のローラ35がそれぞれ配
置されている。小径なローラ35は、基端部が縦壁47
に上下方向に揺動可能に取り付けられたアーム36の自
由端部に回転自在に取り付けられた金属円筒形の心体3
7と、心体37の周面に接合されたゴム層38とで構成
されており、縦壁47とアーム36とに跨設された引張
りばね39により、大径なローラ33側に付勢されてい
る。そして、緯糸Yが両ローラ33,35間に挟持され
ることにより緯糸Yは牽引され、解放されることによ
り、非牽引状態となる。
【0020】図3は、緯糸牽引装置30における一対の
ローラ33,35の動力伝達を示している。緯糸牽引装
置30の一対のローラ33,35は、大径なローラ33
の周面と小径なローラ35の周面とが圧接することによ
り、モータ31で回転駆動するローラ33の駆動力がロ
ーラ35に伝達され、同一周速度で互いに逆方向に回転
されるようになっている。小径ローラ35の緯糸Yと接
続する部分の緯糸接触ゴム層40は、例えば、ウレタン
ゴムのような軟質ゴムで緯糸Yとの摩擦力を高めるよう
に構成してある。また、後述する切り換え装置50によ
りローラ33,35の間に緯糸Yが出入しやすいよう
に、出入側にはテーパが形成されている。なお、2個の
ローラ33は本実施例では1個のモータ31で駆動する
ように構成したが、2個のモータを用いて別個に回転駆
動するように構成してもよい。また、ローラ33,35
をそれぞれ別個に回転駆動させてもよい。各ローラ3
3,35の外径も緯糸Yに合わせてそれぞれ異なった外
径に構成してもよい。
【0021】切り換え装置50は、ロータリソレノイド
からなる切り換えソレノイド51を備えている。切り換
えソレノイド51は、図示しないソレノイドに供給され
る電力により付勢され、出力軸を一方向に回転駆動し、
消勢されるとばね55により、出力軸を逆方向に弾性力
により回動して自己復帰する電磁駆動自己復帰型になっ
ており、固定ベース46の底壁48に取り付けられてい
る。なお、切り換えソレノイドとして復帰側も電磁力を
用いる型式を使用してもよい。切り換えソレノイド51
の上方に位置する出力軸には、トラバースレバー52を
固定的に取り付けてある。トラバースレバー52の先端
部は、ローラ33,35の接触面近傍に延設されてい
る。トラバースレバー52の延設端部は上方の折り曲げ
られている。この上方に折り曲げられたトラバースレバ
ー52の延設端部には、緯糸Yが挿通される導糸孔53
が設けられている。
【0022】図4は、給糸体1側からの緯糸Yが、切り
換え装置50のトラバースレバー52の動作で、緯糸牽
引装置30の一対のローラ33,35の間に引込まれた
り、一対のローラ33,35の間から引き抜かれたりす
る状態を示している。図4において、切り換え装置50
のトラバースレバー52が、切り換えソレノイド51の
ばね55による自己復帰により、実線示の解放位置に停
止している場合には、緯糸Yは、経路から変位した変位
経路にあってローラ33,35間から引き抜かれて、非
牽引状態となる。また、切り換えソレノイド51の付勢
により、解放位置から仮想線示の引込み位置に移動する
と、緯糸Yは経路に戻り、ローラ33,35間に引込ま
れて、牽引状態となる。また、両ローラ33,35に緯
糸Yが出入する端面側は上述したようにテーパ状に形成
されており、緯糸Yの切り換えを容易にしている。な
お、緯糸Yが引込まれた位置を経路Y1 と称し、解放位
置を変位経路Y2 と称する。なお、緯入れ不良等が発生
し停止信号が発せられると、切り換えソレノイド51へ
の通電が停止し、切り換えソレノイド51は消勢され、
そのばね55の弾性力により自己復帰し、切り換え装置
50のトラバースレバー52は緯糸Yを変位経路Y2 に
移動させ、ローラ33,35から緯糸Yを解放してトラ
バースレバ−52は解放位置を保持するようになってい
る。これにより織機停止時の緯糸切れを防止し、また緯
糸修復が容易に行なえる。
【0023】次に、本発明の重要構成要件であるたるみ
減衰手段20につき説明する。たるみ変形手段20は、
上記固定ベース46に設けられたスタンド46aの起立
壁46bに取り付けられた当接部材21から構成されて
いる。この当接部材21は、円錐筒状に形成されたヤー
ンガイドから構成されており、径大側22aがローラ3
3,35に対向し、径小側22bが後述する姿勢制御ノ
ズル71に対向すると共に、図6に示すように、径大側
22aが上向くように円錐の軸線が水平方向に対して傾
斜をなすように設けられ、ローラ33,35により緯糸
が送られる方向に対し傾斜している。この傾斜によりロ
ーラ33,35から破線24で示す水平方向に送り出さ
れた緯糸Yの緯糸たるみ部Yzが、内周面に当接するよ
うに取り付けられており、この内周面は緯糸を一時貯留
する当接貯留面23を形成している。この当接貯留面2
3と牽引方向24とのなす当接角度θは、鋭角過ぎて
も、また、鈍角でも後述する作用を伴わず、適宜な手段
で設定するのがよい。
【0024】当接部材21は、上述したように配設され
ているが、緯入れ開始と同時に、まず、緯糸Yが姿勢制
御ノズル71により牽引され、続いて高速回転している
ローラ33,35による水平方向(破線24で示す)の
牽引が開始されると、牽引速度の差により緯糸たるみ部
Yzが発生する。この緯糸たるみ部Yzは、常に上から
下に向かって屈曲した形状をしている。そして、緯糸た
るみ部Yzは、水平方向に走行し、当接貯留面23に当
接する。この当接により、緯糸たるみ部Yzは、3次元
的形態から変形して、当接貯留面23上に沿って、なだ
らかな曲線の形態に展開し、当接貯留面23に貯留され
る。この当接貯留面23上の緯糸たるみ部Yzに対し、
ローラ33,35からの緯糸Yが送り込まれて来るが、
一方、姿勢制御ノズル71に牽引される緯糸Yが径小側
22bから牽引されて出て行く。このとき、径小側22
bの端縁で緯糸Yは、摺動により、しごかれて変形減衰
し、ほぼ直線状になって牽引されて行く。その後、姿勢
制御ノズル71の牽引速度が、ローラ33,35の牽引
速度を超えるようになると、緯糸たるみ部Yzは変形減
衰して消滅し、緯糸Yはローラ33,35から直接径小
側22bに至り、ここから姿勢制御ノズル71に牽引さ
れて行く。
【0025】また、上記図6の実施例とは反対に、図7
に示すように、当接部材21の軸線を水平方向に配置
し、ローラ33,35の緯糸Yの牽引方向を、当接貯留
面23に対し上記実施例と同じ当接角度θをなすように
設定しても、上述の図6に示す場合と同様な効果が得ら
れる。なお、当接部材21はヤーンガイドとしても機能
している。
【0026】次に緯糸ブレーキ装置60は、たるみ変形
手段20の下流側に近接して設けられており、固定ベー
ス46の上記スタンド46a上に取り付けられている。
そして、ブラケット62と、このブラケット62に取り
付けられた電磁駆動自己復帰型のロータリソレノイドか
らなるブレーキソレノイド63と、このブレーキソレノ
イド63の出力軸に取り付けられた棒状の作動子64
と、この作動子64に近接して設けられている上記当接
部材21とから構成されている。なお、ブラケット6
2、ブレーキソレノイド63、作動子64でブレーキ作
動手段61を構成しており、当接部材21は被圧接体を
構成している。
【0027】そして、ブレーキソレノイド63が制御装
置120からの信号を受けないとき、すなわち電磁駆動
されないときは、図8に示すように、作動子64が、図
示しないばねにより回動し、緯糸Yを経路Y1 から変位
経路Y2 に変位させ、緯糸Yを被圧接体としての当接部
材21の径小側22bの周縁に圧接摺動させることによ
り、緯糸Yに走行抵抗を付与する。また、制御装置12
0からの信号によりブレーキソレノイド63が付勢され
て回動すると、作動子64は緯糸Yから離間し、緯糸Y
は解放される。なお、緯糸ブレーキ装置60は、当接部
材21の上流側に近接して設けてもよい。
【0028】流体噴射装置70は、姿勢制御ノズル71
と、筬3に沿って設けた複数のサブノズル群72とを備
えている。姿勢制御ノズル71の空気供給経路73は、
加圧空気供給源74に減圧弁75を介して接続された主
圧力タンク76を備えている。主圧力タンク76の吐出
側には、電磁駆動自己復帰型の開閉弁77を介して姿勢
制御ノズル71が接続されている。そして、制御装置1
20からの信号により開閉弁77が開閉し、空気の噴
射、停止が行われる。この噴射により、緯糸牽引装置3
0から牽引された緯糸Yは、姿勢を制御されながら反緯
入れ側に飛走する。
【0029】また、織機の筬3の織り前側には、緯入れ
用の複数のサブノズル群72を配設してある。サブノズ
ル群72の空気供給経路は、図示は省略するが、前記加
圧空気供給源74側から複数のサブノズル群72に、リ
リーフ弁と定圧タンクとサブノズル群72に対応する複
数の電磁駆動自己復帰型の開閉弁とを順に設けてある。
このサブノズル群72の空気供給経路中の複数の開閉弁
は、制御装置120からの出力信号により、緯入れ側か
ら反緯入れ側へと所定の開閉期間をもって順次開弁す
る。この複数の開閉弁の開閉により、複数のサブノズル
群72が、緯糸Yの飛走先端部を追いかけるように加圧
空気をリレー噴射し、このサブノズル群72からの加圧
空気の緯入れ側から反緯入れ側へのリレー噴射により、
緯糸Yが筬3に形成された図示しないエアーガイドを通
って経糸開口内を飛走し、緯入れされるようになってい
る。
【0030】カッター装置80は、緯入れ側の織前側に
固定して設けられて前後方向に延在して取り付けられた
カッター81と、このカッター81の下刃を回動駆動す
るロータリソレノイド82とからなっており、筬打ちさ
れた緯糸を切断する。
【0031】緯糸除去装置85は、緯入れ不良の際に、
不良緯糸Yを自動で取り除く装置であるが、本発明とは
直接関係がないので、詳細な説明は省略する。
【0032】一方、経糸列(図示省略)の反緯入れ側に
は、緯入れされた緯糸Yの到達タイミングを検出する検
出手段としての緯糸到達センサ100を設けてある。緯
糸到達センサ100の出力信号と、織機主軸5の回転角
度位置を検出する角度センサ6の出力信号とが、制御装
置120に入力される。制御装置120は、緯糸到達セ
ンサ100の出力信号入力時刻を角度センサ6からの回
転角度位置に置換し、この置換した回転角度位置なる検
出到達タイミングと、予め基準値として制御装置120
に設定された設定到達タイミングとの差を演算し、その
差を切り換え装置50におけるトラバースレバー52の
揺動タイミング(トラバースタイミング)に補正し、こ
の補正指令なる補正揺動タイミングを、織機運転の準備
作業で作業者から入力された織機回転数と織り幅とによ
り求められたトラバースレバー52の設定揺動タイミン
グにフィードバックし、図示しない電源から切り換えソ
レノイド51への電力供給時間(時間)を制御し、トラ
バースレバー52の牽引位置での停止時間を制御するよ
うになっている。
【0033】制御装置120は、織機本体制御装置12
1と、緯糸選択指令装置122と、アクチュエータ駆動
指令発生装置123と、インバータ装置124とから構
成されている。各装置121,122,123は相互に
電気的に接続されており、織機主軸5に取り付けられた
角度センサ6の角度信号が直接、織機本体制御装置12
1と、緯糸選択指令装置122と、アクチュエータ駆動
指令発生装置123に入力されるようになっているの
で、これら各織機本体制御装置121と、緯糸選択指令
装置122と、アクチュエータ駆動指令発生装置123
は、角度センサ6の角度信号により独立して順次作動を
行う。
【0034】織機本体制御装置121は、図示を省略し
てあるが、制御部、演算部、記憶部、その他設定値など
手動で入力するための入力部などを備えて構成されてお
り、図示しない複数の織機を管理するホストコンピュー
タに接続されている。そして、織機運転信号を発して織
機メインモータ7、緯糸牽引装置30のモータ31のイ
ンバータ124の始動、停止を制御するが、詳細はタイ
ムチャートで説明する。
【0035】また、準備ボタン121aは織機始動に際
し最初に押すもので、上記制御部に接続されており、こ
れを押すことにより、上記制御部は、緯糸牽引装置30
のモータ31のインバータ124の始動を指令し、後述
するタイマー121dの作動開始を指示する。始動ボタ
ン121bは、上記制御部に接続されており、モータ3
1が正規の回転に達し、織機始動の準備完了の信号が出
て図示しない表示器に表示されてから押すボタンで、こ
のボタン121bを押すことにより織機メインモータ7
が始動する。なお、この始動ボタン121bはモータ3
1が正規の回転に達していないときに押されても、前記
タイマー121dにより、所定時間が経過するまで始動
しない。停止ボタン121cは、織機を停止させる時に
押すボタンで、必要に応じて適時押すことができる。
【0036】また、図示しない上記制御部とメインモー
タ7のドライバ7aとの間には、上記タイマー121d
が介装されている。このタイマー121dは、設定時間
が0の位置ではスイッチ閉の状態で、時間設定後および
設定時間が過ぎるまではスイッチ開の状態となる。準備
ボタン121aが押された場合は、制御部はインバータ
124に指令してモータ31を駆動開始させ、同時に予
め所定時間が設定されているタイマー121dの作動を
開始させる。そして、所定の時間が経過すると、タイマ
ー121dはスイッチ閉となる。そこで始動ボタン12
1bを押すことにより、制御部からの始動信号がドライ
バ7aに入力された織機は始動すると共に、緯糸選択指
令装置122およびアクチュエータ駆動指令発生装置1
23にも運転信号が入力される。
【0037】なお、上記所定時間とは、ローラ33が緯
入れに最適な回転速度に達するまでに必要な時間で例え
ば10秒〜30秒程度である。また、上記準備ボタン1
21aと、織機本体制御装置121の図示しない制御部
と、タイマー121dとでローラ先行駆動手段を構成し
ており、上記タイマー121dは始動一時阻止手段を構
成している。
【0038】緯糸選択指令装置122は、多色織りある
いは一越あるいは二越換え製織の際に予めプログラムさ
れた順序に従って、次の緯入れに用いる緯糸をアクチュ
エータ駆動指令発生装置123に指示するもので、い
ま、一方の色をA側、他方の色をB側とすると、アクチ
ュエータ駆動指令発生装置123に、次の緯入れは例え
ばA色であることを指示する。このA色の指示は、主軸
角度で前のサイクルの約300度あたりから既に先行出
力されており、続いて300度になると、次のサイクル
の緯糸として例えばB色の指定が出力される。この色の
順序は、ABB,ABB,…とか、AAB,AAB,…
…のように、いろいろな順序がある。なお、上記先行出
力は、緯糸が選択されてから各アクチュエータが作動す
るまでの応答遅れにより、誤動作するのを防止するため
である。
【0039】アクチュエータ駆動指令発生装置123は
角度センサの信号に従って、順次各アクチュエータをド
ライバを介して作動させるものである。主なアクチュエ
ータを示すと、ドライバ15aは、A側の係止爪14作
動用であり、ドライバ15bは、B側の係止爪14作動
用である。以下同様にしてドライバ51aはA側のトラ
バースレバー52作動用、ドライバ51bはB側のトラ
バースレバー52作動用、ドライバ77aはA側の開閉
弁77作動用、ドライバ77bはB側の開閉弁77作動
用、ドライバ82aはカッタ−81作動用である。多色
織りの場合は、前もって入力されている選択された緯糸
に従って各ドライバを選択作動させるようになってい
る。
【0040】次ぎに、第2の実施例を図9を参照して説
明する。本実施例においては、たるみ減衰手段20を空
気を噴射する流体噴射ノズル25で構成してある。すな
わち、圧縮空気を緯糸Yの経路と交差する方向である側
方から吹き付け、緯糸Yの走行距離を延長することによ
り、緯糸たるみ部Yzを変形させてなだらかにすると共
に、貯留し、姿勢制御ノズル71の牽引速度がローラ3
3,35の牽引速度を超えるに伴い、元の経路に復帰す
るようにしたものである。本実施例は構成が極めて簡単
で、安価である。
【0041】第3の実施例を図10,11を参照して説
明する。本実施例においては、たるみ減衰手段20を円
環状の緯糸案内部材からなる当接部材21で構成してお
り、中心部に緯糸導入部26が形成されている。そし
て、案内部材はローラ33,35による緯糸送り出し方
向に対し変位して設けられており、正面の円環状の平坦
部は、緯糸たるみ部Yzが当接し、貯留される当接貯留
面27を形成している。破線矢印はローラ33,35の
牽引方向を示す。本実施例はヤーンガイドを兼用でき
る。
【0042】第4実施例を図12ないし図18を参照し
て説明する。本実施例においては、たるみ変形手段20
を緯糸案内部材28と、これに対向して緯糸Yを介して
設けた第2の案内部材29とから構成している。
【0043】緯糸案内部材28は角板状の部材から形成
されており、牽引ローラ33に対向した面は蒲鉾状の凸
面からなる凸状案内面28aに形成されている。また、
この凸状案内面28aの下部には、緯糸導入部28bが
設けられている。
【0044】また、第2の案内部材29の板状部材を折
曲形成して平板状に構成されており、凸状案内面28a
に対向して設けられている。
【0045】このたるみ変形手段20は、図12に示す
ように取り付けられている。すなわち、緯糸案内部材2
8は、凸状案内面28aを牽引ローラ33に対向させる
と共に、緯糸導入部28bを姿勢制御ノズル71に対向
させ、牽引ローラ33から緯糸を送り出す方向に対して
緯糸導入部28bが変位して位置するように設けられて
いる。
【0046】また、第2の案内部材29は、凸状案内面
28aに対して牽引ローラ33の一部を覆うように取り
付けられている。
【0047】本実施例は、緯糸のたるみを緯糸導入部2
8bに激突させることなく、空間に放出して貯留し、そ
の間に、姿勢制御ノズルの牽引速度が上昇して緯糸Yを
引き込むことで、緯糸の激突による毛羽立ちの発生を防
止するようにしたものである。
【0048】また、第2の案内部材29は、緯糸Yの跳
ね上がりが順次縮小し、最終の段階で姿勢制御ノズルで
緯糸Yを引き込むときに緯糸Yがローラ33側に波打つ
が、これを第2の案内部材29で、案内し,緯糸の導入
を円滑にするとともに、ローラ33などへの接触を防止
する。
【0049】作用を説明すると、図13、図14に示す
ように、ローラ33による牽引が開始されると、図13
に記号a,b,cで示すように、緯糸YはZ字状のもの
が除々に小さくなるように空間に貯留されて行くが、ノ
ズル71の牽引速度がローラ33の牽引速度より速くな
るにつれ、図14に示すように貯留が縮小する。このと
き、特に図13cに示すように、緯糸はZ字状のものが
最大となり、案内面28bに位置するが、このとき凸状
案内面28bが緯糸Yの形状に沿った形状をしているの
で、円滑に緯糸導入部28bへ導かれる。
【0050】また、凸状案内面28bに沿って緯糸導入
部28bに導かれるので、この部位で緯糸Yが案内され
つつしごかれて、緯糸Yのたるみが更になだらかにされ
ることになる。
【0051】なお、図13、図14の説明においては、
理解を容易にするため、緯糸Yのたるみ形状を略してあ
るが、実際には図15ないし図18に示すような変化を
示し、特にZ字状の緯糸Yが小さく絡み合っている状態
から除々に絡みがとれてZ字が大きくなって行くのがわ
かる。。
【0052】次に、各実施例の全体を通しての作動につ
き、図19のタイムチャートを参照して説明する。本図
は、本実施例が設けられた織機が、定常運転を行ってい
る場合の各アクチュエータの作動状態を示すもので、横
軸に主軸5の回転角度をとり、縦軸に作動内容をとった
線図である。なお、本実施例の説明では、A側とB側の
緯糸を交互に緯入れする一越換え織機について示してあ
るが、基本的には両側A,Bとも作動は同様なので、片
側Aのみ説明する。
【0053】主な作動内容につき説明すると、織機始動
準備信号は、上記準備ボタン121aを押した時出力さ
れ、織機運転中はONとなる。織機運転信号は始動ボタ
ン121bを押した時に出力され、織機運転中はONと
なる。ローラ回転指令信号は、上記準備ボタン121a
を押したときに出力され、ローラ33が回転駆動され、
運転中はONとなる。織機始動許可信号は、織機始動阻
止中、すなわちタイマー121dが作動中で開のとき
は、OFFとなり、タイマー121dが開となり導通し
たとき、すなわち、始動準備が整ったときONとなるも
ので、織機運転中はONとなる。
【0054】また、緯糸係止爪14は、信号がOFFは
緯糸係止でONは解放、姿勢制御ノズル71は、ONは
噴射中で、OFFは停止(微風噴射のみ)、カッター8
1はONが切断、OFFが開、トラバースレバーは、O
Nが牽引で、OFFは非牽引、緯糸ブレーキは、ONが
解放で、OFFが制動、カラー指令はONが指令中、O
FFが指令停止である。
【0055】主軸5の回転角が本図左端の0度の筬打ち
する時点に達するわずか手前の状態では、緯糸Yの先端
部は反緯入れ側に到達しており、この時点では、緯糸係
止爪14は、緯糸Yを係止した状態で、姿勢制御ノズル
71は、噴射していない(微風噴射のみ)。また、緯糸
牽引装置30のローラ33,35は回転しているが、緯
糸Yは変位経路Y2 にあって解放されている(非牽引状
態)。一方、ブレーキ装置としての緯糸ブレーキ60は
制動している。そして、主軸5の回転角が0度を過ぎて
筬打ちが終わった直後、緯入れ側のカッター装置80が
作動し、緯糸Yを切断する。
【0056】主軸5の回転角度が60度になると、姿勢
制御ノズル71が噴射を始めるが、緯糸Yは飛走しな
い。続いて係止爪14が緯糸Yを解放し、緯糸Yが飛走
を始めると、ただちに緯糸ブレーキ60が解放され、お
おむね同時に切り換え装置50のトラバースレバー52
が作動して緯糸Yは飛走経路Y1 に移動され、ローラ3
3,35に挟持されて、所定の飛走速度で反緯入れ側に
飛走する(牽引状態)。このとき、緯糸に緯糸たるみ部
Yzが発生するが、たるみ変形手段20により緯糸たる
み部Yzはなだらかにされた状態で姿勢制御ノズルに牽
引される。そして、緯糸Yは姿勢制御ノズル71および
サブノズル72のリレー噴射に姿勢を制御されながら反
緯入れ側に送られる。そして、係止爪14の近傍に設け
られた解舒センサが所定解舒巻き数を検出すると、係止
爪14は、ただちに係止位置に入る。そして、係止位置
に入ってから、ほぼ1巻き後に緯糸Yは実質的に係止さ
れ、緯入れが終了するようになっている。
【0057】実際に緯糸Yが係止される前に、トラバー
スレバー52が緯糸Yを変位経路Y2 に切り換えて解放
し非牽引状態となり、同時に緯糸ブレーキ60が作動状
態に入る。そして緯糸Yが実際に係止爪14により係止
されると、ピーク張力が発生するが、所定の飛走速度に
対して最適に調整されたブレーキ装置60の作動によ
り、このピーク張力は大幅に低い張力に抑えられる。一
方、緯糸Yの到達は緯糸到達センサ100により検出さ
れ、制御装置120に検出信号が入力されるようになっ
ている。
【0058】次に図20により始動時の作動状態の説明
をする。本図は横軸に時間をとり、縦軸に作動内容を取
ったもので、織機停止から始動までの動作を示す。始動
させる場合は、まず、織機始動準備ボタン121aを押
し、織機始動準備信号をOFFからONにする。このボ
タンを押した時間をt1 とすると、制御部の指令により
同時にローラ回転指令信号がOFFからONに変り、ロ
ーラ33(インバータ124)が先行駆動されて回転を
始め、また、織機始動許可信号がONからOFF(不許
可・始動阻止)に変り、タイマー121dが作動を開始
(開状態)する。すなわちローラ33が所定の回転速度
に達するまで、始動ボタン121bを誤って押しても織
機の始動を許可しないようになっており、織機始動に先
行してローラ33,35が回転を開始するようになって
いる。これはローラ33の回転速度が設定値より低い
と、緯入れ不良となるからである。時間t1 から所定時
間経過してタイマー121dが閉となり導通すると、織
機始動許可信号がt2 でONになる。そこで、例えば時
間t3 で手動により始動ボタン121bを押すと織機は
始動する。
【0059】次に、上述の織機始動のステップを、図2
1のフローチャートにより示すと、準備ボタン121a
を押す(ステップP1 )。ローラ33,35が回転を開
始する(ステップP2 )。所定時間経過したか否かを判
断する(ステップP3 )。NOの場合は、ステップP3
に戻る。YESの場合は、ステップP4 に行き始動ボタ
ン121bを押し織機を始動させる。なお、ステップP
2 の後、ただちにステップP3 の始動ボタン121bを
押しても(図14の点線)、所定時間経過するまで始動
しない。
【0060】
【発明の効果】本発明は、緯糸牽引装置と姿勢制御ノズ
ルとの間に、緯糸たるみ部を変形させるたるみ変形手段
を設けて構成したので、緯糸たるみ部は姿勢制御ノズル
に直行することなく減衰され、ローラの回転を定常高速
回転に保ったままで緯糸牽引装置の牽引、非牽引を操作
しても、緯入れ不良や布傷が発生することはない。従っ
て、生産性の高い織機を得ることができる。また、ロー
ラの回転を緯入れごとに高速で制御する必要がないの
で、極めて安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す平面視説明図。
【図2】同じく構成を示す斜視説明図。
【図3】同じく要部(緯糸牽引装置)の側面視説明図。
【図4】同じく図2の矢印A方向から見た要部(切り換
え装置)の平面視説明図。
【図5】同じく要部(たるみ変形手段と緯糸ブレーキ装
置)の斜視説明図。
【図6】同じく要部(たるみ変形手段)の作用説明図。
【図7】同じく要部(たるみ変形手段)の変形例の作用
説明図。
【図8】同じく要部(緯糸ブレーキ装置)の作用説明
図。
【図9】本発明の第2の実施例の要部(たるみ変形手
段)の平面視説明図。
【図10】本発明の第3の実施例の要部(たるみ変形手
段)の斜視説明図。
【図11】同じく断面説明図。
【図12】同じく第4の実施例の要部(たるみ変形手
段)の斜視説明図。
【図13】同じく要部の作用を説明する側面視説明図。
【図14】同じく要部の作用を説明する側面視説明図。
【図15】同じく要部の作用を説明する側面視説明図。
【図16】同じく要部の作用を説明する側面視説明図。
【図17】同じく要部の作用を説明する側面視説明図。
【図18】同じく要部の作用を説明する側面視説明図。
【図19】各実施例の織機運転中の各アクチュエータの
作動タイムチャート。
【図20】同じく織機始動時の各アクチュエータの作動
タイムチャート。
【図21】同じく織機が停止状態から始動するまでの各
アクチュエータの作動を説明するフローチャート。
【図22】緯糸たるみ部の発生の説明線図。
【図23】緯糸たるみ部の形状例の説明図。
【符号の説明】
Y 緯糸 Yz 緯糸たるみ部 10 測長貯留装置 20 たるみ変形手段 21 当接部材(緯糸案内部材) 25 流体噴射ノズル 28 緯糸案内部材 28a 凸状案内面 28b 緯糸導入部 29 第2の緯糸案内部材 30 緯糸牽引装置 33,35 ローラ 50 切り換え装置 71 姿勢制御ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯沢 亮三 東京都三鷹市下連雀5丁目3番1号 日 産テクシス株式会社内 (72)発明者 西島 政市 東京都三鷹市下連雀5丁目3番1号 日 産テクシス株式会社内 (72)発明者 加藤 雄司 東京都三鷹市下連雀5丁目3番1号 日 産テクシス株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−53936(JP,A) 特開 平2−175952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 47/34 D03D 47/30 D03D 47/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測長貯留装置と、この測長貯留装置から
    の緯糸を常時回転するローラで牽引する緯糸牽引装置
    と、この緯糸牽引装置の前記牽引または非牽引を切り換
    える切り換え装置と、この切り換え装置の作動により牽
    引された緯糸を流体噴射により経糸開口内に飛走させて
    緯入れを行う姿勢制御ノズルとを有する織機の緯入れ装
    置であって、 前記緯糸牽引装置と姿勢制御ノズルとの間に、該両者に
    よる緯糸の牽引速度差により生じる緯糸たるみ部を変形
    させるたるみ変形手段を設けたことを特徴とする織機の
    緯入れ装置。
  2. 【請求項2】 前記たるみ変形手段は、緯糸牽引装置に
    より牽引される緯糸のたるみ部を当接させて変形させる
    当接部材であることを特徴とした請求項1記載の織機の
    緯入れ装置。
  3. 【請求項3】 前記たるみ変形手段は、緯糸牽引装置と
    姿勢制御ノズルの間の緯糸経路に対し交差する方向に流
    体を噴射して緯糸のたるみ部を変形させる流体噴射ノズ
    ルであることを特徴とした請求項1記載の織機の緯入れ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記たるみ変形手段は、緯糸牽引装置の
    ローラにより緯糸が送られる方向に対して変位した位置
    に緯糸導入部が形成された緯糸案内部材であることを特
    徴とした請求項1記載の織機の緯入れ装置。
  5. 【請求項5】 ローラ牽引装置から緯糸が送り出される
    方向に対して変位した位置にノズル側への緯糸導入部を
    設けると共に、この緯糸導入部のローラ牽引装置側に凸
    状に湾曲した凸状案内面を連設した緯糸案内部材を有す
    ることを特徴とした請求項4記載の織機の緯入れ装置。
  6. 【請求項6】 緯糸経路を挟んで前記凸状案内面と対向
    する位置に緯糸経路の下方を覆うように第2の緯糸案内
    部材を設けたことを特徴とする請求項5記載の織機の緯
    入れ装置。
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