JPH0673023B2 - 熱定着型電子写真用現像材 - Google Patents

熱定着型電子写真用現像材

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JPH0673023B2
JPH0673023B2 JP59259393A JP25939384A JPH0673023B2 JP H0673023 B2 JPH0673023 B2 JP H0673023B2 JP 59259393 A JP59259393 A JP 59259393A JP 25939384 A JP25939384 A JP 25939384A JP H0673023 B2 JPH0673023 B2 JP H0673023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱定着型電子写真用現像材(トナー)に関す
る。更に詳しくは定着時の離型性に優れ、さらに保存時
および複写作動時の凝集性が小さく、感光ドラムの汚染
が少なく(現像性良好)、かつ定着時の耐折り曲げ性に
優れたトナーに関するものである。
〔従来の技術〕
電子写真用現像材、いわゆる静電トナー(以下単にトナ
ーともいう。)は静電的的電子写真の帯電露光のつぎの
段階のときの画像形成材料であり、樹脂の中にカーボン
ブラツクや顔料を分散させた帯電微粉末である。一般に
静電トナーは、鉄粉、ガラス粒子等のキヤリアーと共に
用いられる乾式二成分系、イソパラフインなどの有機溶
媒を用いた分散栄 系の湿式トナー、さらにはそれ自体に磁性微粉末が分散
されてなる乾式一成分系トナーに分類される。
静電トナーにより感光板に現像されて得られる像は紙に
転写後、感光層をコートした紙に直接現像された画像は
そのまま熱または溶媒蒸気で定着される。中でも加熱ロ
ーラーによる定着は接触型の定着法であるため熱効率が
高く、比較的低温の熱源により確実に画像を定着せしめ
ることができ、更に高速複写にも適しているので好まし
い。
しかしながら加熱ローラー等の加熱体を接触して画像を
定着する場合は、加熱体に静電トナーの一部が付着して
後続の画像部分に転写される所謂オフセツト現像が生ず
る虞れがあつた。とくに高速複写において定着効果及び
定着速度を上げる為の加熱体を高温にすることはオフセ
ツト現象をよりひき起こし易くする結果となる。その為
例えば一成分系の静電トナーにより形成された画像を加
熱ローラー等により定着する場合には、ローラー表面に
シリコーンオイルを含浸させたりシリコーンオイルをロ
ーラー表面に供給したりしてオフセツト現象の解消をは
かつているが、逆にロールに汚れ等の問題が生じる結果
となる。
一方、静電トナーの主材である熱可塑性樹脂としては、
低分子量ポリスチレンなどのスチレン系重合体、ケトン
樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン樹脂、フエノール樹
脂、エポキシ樹脂、テルペン樹脂、スチレン・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体、ポリビニルブチラール、
ポリブチルメタアクリレート等が挙げられるが、中でも
低分子量のスチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重
合体は、帯電性がよい、適当な軟化点(100℃前後)を
もち定着性がよい、感光体の洗浄が容易で汚染が少な
い、吸湿性が少ない、着色材であるカーボンブラツクと
の混和性がよい、粉砕し易い等の特徴を有しているので
最も多く使用されている。しかしながらかかる特徴を有
する低分子量のスチレン・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体も前記の如く、高速複写においてはオフセツト
現象を生じ易いことから、オフセツト現象を起こさな
い、すなわち離型性のよい静電トナーの開発が望まれて
いる。
上記のような問題を解決するため、スチレン系重合体に
ポリオレフインワツクスを離型材として加える技術が例
えば特公昭52−3304、同52−3305、同57−52574、同58
−58664、特開昭58−59455などに提案されている。しか
し、このような技術においても、ポリオレフインワツク
スとスチレン系重合体成分との相溶性がいまだだ不十分
であるため、ポリオレフインワツクスの離型材としての
性能が十分に発揮されていないばかりでなく、保存中あ
るいは複写作動中にトナーが凝集しやすく、またトナー
よりワツクスが遊離しやすいために感光ドラム等の汚染
につながりやすく、さらに定着後の定着画像の耐折り曲
げ性にも乏しいという欠点があつた。
本発明者らはトナー中に離型材として添加するワツクス
について種々検討し、上記の欠点のない優れたトナーを
得ることができた。
〔発明の概要〕
すなわち、本発明はカルボキシル基含有ポリオレフイン
ワツクスであつてもその骨格たる構成単位が炭素数3な
いし10のα−オレフインであり、その極限粘度〔η〕が
0.06ないし0.6dl/gの範囲にありかつその酸価が6ない
し200mg−KOH/gの範囲にあるもの(A)、結着剤樹脂
(B)、および着色剤(C)とを含んでなることを特徴
とする熱定着型電子写真用現像材をその要旨とするもの
である。なお本発明にいうカルボキシル基含有ポリオレ
フインワツクスには、酸酸無水物基含有ポリオレフイン
ワツクスも含まれる。
〔カルボキシル基含有ポリオレフインワツクス(A)〕
本発明に使用するカルボキシル基含有ポリオレフインワ
ツクス(A)はその骨格の主たる構成単位が炭素数ない
し10、好ましくは3ないし6のα−オレフインであるも
のである。ここで「主たる」とは、骨格に占める該α−
オレフインが50モル以上であり、好ましくは60モル%以
上であり、残余の骨格はエチレン又は炭素数10以上のα
−オレフイン、ジエン類、スチレン系モノマーなどから
成ることを意味する。骨格の主たる構成単位となる炭素
数3ないし10のα−オレフインとしては、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、
3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、2−メチル
−1−ペンテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ヘキ
セン、1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、1−
デセンなどをあげることができる。これらのα−オレフ
インの中では、前述の如く炭素数3ないし6のα−オレ
フインが好ましくは、中でもプロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテンンがさらに好ましい。
エチレンを骨格の主たる構成単位とするものは、比較例
7に示すごとく電気特性においてトナーの一成分として
好ましい特性を示さず、本発明の効果を発揮し得ない。
また炭素数が10を越えるα−オレフインを骨格の主たる
構成単位とするものはワツクス自体が粘着性を帯びるよ
うになり、これまた本発明の効果を発揮し得ない。
また該カルボキシル基含有ポリオレフインワツクス
(A)の極限粘度〔η〕〔デカリン溶媒中で135℃で測
定したもの]は0.06ないし0.6dl/gの範囲にあることが
必要であり、0.07ないし .5dl/gであることが好まし
い。〔η〕が上記下限より小さくなると溶融粘度が低く
なりすぎ、得らるトナーにおいて充分な離型効果が得ら
ず、またトナーの凝集や感光体の汚染を起し易くなる。
また〔η〕が上記上限より大きくなると、トナー原料と
して使用しても後述のスチレン系重合体等との相溶性に
欠けるようになり、また溶融粘度が高すぎるために充分
な離型効果を示さなくなる。
また該カルボキシル基含有ポリオレフインワツクス
(A)の酸価は6ないし200mg−KOH/gの範囲にあること
が必要であり、好ましくは8ないし180mg−KOH/gの範囲
である。酸価が上記必須範囲の下限よりも少なくなる
と、スチレン系樹脂等の結着材樹脂との相溶性に乏しく
なり、相溶性の向上に伴って改善される離型性、耐凝集
性、耐ドラム汚染性、耐折り曲げ性等の効果が小さくな
り、また、必須範囲の上限を越えると変性ポリオレフイ
ンワツクスと結着材樹脂との相溶性が大きく成りすぎ、
定着時にトナー中の該変性ポリオレフインワツクスが溶
融液の表面に遊離することが困難となり、同じく離型剤
としての効果が劣るようになる。
また本発明でもちいるグラフト変性ポリオレフインワツ
クスはスチレン系重合体等の結着材樹脂との相溶性に優
れているばかりでなく、種々の添加剤、例えば顔料や染
料、電荷制御剤、可塑剤等との相溶性あるいは親和性に
も優れている。したがつて、こらの結着材樹脂への分散
性を高め、荷電制御性等のトナーの物理的均一性を高
め、現像剤としての性能を向上させる作用をも有する。
〔カルボキシル基含有ポリオレフインワツクスの製法〕
本発明のトナーを構成するカルボキシル基含有ポリオレ
フインワツクスは次の方法によつて製造することができ
る。たとえば〔1〕(i)チーグラー型触媒による炭素
数3ないし10のα−オレフインの単独重合、またはα−
オレフインとそれ以外の前記した他のオレフイン等との
共重合により、直接得られるポリオレフインワツクスを
原料とするか、(ii)組成が(i)のワツクスと同様の
ポリオレフインを熱分解して得たポリオレフインワツク
スをこれらに例えば特願昭58−90798に記載の方法によ
り不飽和カルボン酸若しくはその無水物をグラフトする
方法、〔2〕上記ポリオレフインワツクス又は該ワツク
スと同様の組成を有する高圧法または中低圧法等により
重合した高分子量ポリオレフインを熱分解しながら不飽
和カルボン酸若しくはその無水物をグラフト反応させる
方法、などを採用することができる。
この場合において、まず前者〔1〕の場合に、(i)原
料となるポリオレフインワツクスとしてチーグラー型触
媒によりモノマーから直接重合したワツクスを用いる場
合は、その極限粘度は0.08ないし.8dl/gの範囲にあるも
のが、また、(ii)上記(i)のポリオレフインワツク
スよりも高分子量であるポリマーを熱分解して得たワツ
クスを用いる場合は、該ワツクスの極限粘度は0.06ない
し0.6dl/gの範囲にあるものがそれぞれ好ましい。ま
た、後者〔2〕の方法では、原料となるポリオレフイン
の極限粘度としては0.2dl/g以上であることが好まし
い。
カルボキシル基含有ポリオレフインワツクス(A)は、
原料ポリオレフイン若しくはポリオレフインワツクスを
ラジカル開始剤の存在下に不飽和カルボン酸等で変性
(熱分解が同時に起こることもある)する方法にしたが
って得ることができ、この方法として、例えば特願昭58
−90798に記載に準ずる方法を採用することが好まし
い。不飽和カルボン酸若しくはその無水物としては具体
的には、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸などの
不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グ
ルタコン酸、エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−
2−エン−5,6−ジカルボン酸(ナジツク )、メチル
エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6
−ジカルボン酸(メチルナジツク酸 )、テトラヒドロ
フタール酸、メチルヘキサヒドロキフタル酸などの不飽
和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無
水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン
酸、無水ナジツク酸、無水メチルナジツク酸、無水テト
ラヒドロフタール酸、無水メチルテトラヒドロフタール
酸などの不飽和ジカルボン酸無水物等があげられ、これ
らの2成分以上の混合成分であつても差しつかえない。
こらの不飽和カルボン酸等の成分単位のうちでは、マレ
イン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、ナジツク酸また
は無水ナジツク酸であることが好ましい。
上記反応に用いるラジカル開始剤としては有機ペルオキ
シド、有機ベルエステル、たとえばベンゾイルペルオキ
シド、ジクロロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペ
ルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシ
ン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチ
ルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン−3、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチル
ペルフエニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレ
ート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−
ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびte
rt−ブチルペルジエチルアセテート、その他のアゾ化合
物、たとえばアゾビス−イソブチルニトリル、ジメチル
アゾイソブチレートがある。こらのうちではジクミルペ
ルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、11,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好まし
い。反応の際の温度は通常130ないし350℃、好ましくは
135ないし300℃の範囲である。
〔結着剤樹脂〕
本発明のトナーに使用するスチレン系重合体等の結着剤
(熱可塑性)樹脂(B)としては例えば特開昭50−2754
6に記載されている如きスチレン系樹脂、つまりスチレ
ン系単量体のみからなる重合体又はスチレン系単量体と
他のビニル系単量体との共重合をそのまま用いることが
できる。すなわち共重合体を形成するための単量体とし
てはp−クロルスチレン、ビニルナフタレン、たとえば
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどの
エチレン不飽和モノオレフイン類、たとえば塩化ビニ
ル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾ
エ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、たと
えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−クロル−
エチル、アクリル酸フエニル、α−クロルアクリル酸メ
チル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、
メタアクリル酸ブチルなどのα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸のエステル類、アクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル、アクリルアミド、たとえばビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テルなどのビニルエーテル類、たとえばビニルメチルケ
トン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケ
トンなどのビニルケトン類、たとえばN−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドロー
ル、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物など
があり、こらの1種または2種以上をスチレン単量体と
共重合させることができる。適当なスチレン系重合体は
約2000以上、とくに好ましくは3000ないし30,000の数平
均分子量を有しており、そのスチレン成分含有量はスチ
レン系重合体の全重量を基礎にして重量で少なくとも約
25%であることが好ましい。
また他の熱可塑性樹脂としては、例えばポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリ
エステル系樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマロ
ン樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂、テルペン樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリブチルメタクリレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー
等が挙げられる。
以上の中ではスチレン系重合体およびポリエステル系樹
脂が好ましい。
〔着色剤〕
本発明の静電トナーに用いる着色剤(C)はカーボンブ
ラツク、フタロシアニンブルー、アニリンブルー、アル
コオイルブルー、クロームイエロー、ウルトラマリンブ
ルー、キノリンイエロー、ランプブラツク、ローズベン
ガル、ジアゾイエロー、ローダミンBレーキ、カーミン
6B、キナクリドン誘導体等の顔料あるいは染料の一種又
は二種以上から成る。又必要に応じて補色や荷電制御の
目的でアジン系ニグロシン、インジユリン、アゾ系、ア
ントラキノン系、トリフエニルメタン系、キサンテン
系、フタロシアニン系などの油溶性染料を併用してもよ
い。
〔他の成分〕
本発明のトナーには上記(A)、(B)および(C)成
分のほかに本発明の効果を害さない範囲で他の成分を配
合してもよい。例えば荷電制御剤、可塑剤などその他の
トナー添加剤を含有せしめることができる。これら添加
量は任意適宜量である。
〔本発明のトナーの調製方法〕
本発明の静電トナーを二成分系静電トナーとして用いる
場合には、前記グラフト変性ポリオレフインワツクス
(A)、結着剤樹脂(B)および着色剤(C)とを公知
の方法例えばボールミル、アトライタ等で混合した後、
加熱二本ロール、加熱ニーダー、押出機等で混練し、冷
却固化し、ハンマーミル、クラツシヤー等で粗砕し次に
ジエツトミル、振動ミルもしくは水を加えてボールミ
ル、アトライタ等で微粉砕し、平均粒径約5〜35μのも
のを静電トナーとして用いる。二成分系静電トナーを現
像材として用いるには、キヤリアーと併用して用いる。
キヤリアーは公知のもの例えば直径200〜700μの硅砂、
ガラスビーズ、鉄球あるいは鉄、ニツケル、コバルト等
の磁性材料粉末等が使用できる。一成分系静電トナーに
おける変性ポリオレフインワツクス(A)の量は、結着
剤樹脂(B)を含めた熱可塑性樹脂100重量部に対して
1ないし20重量部好ましくは2ないし10重量部添加され
る。
又、本発明の静電トナーを一成分系静電トナーとして用
いる場合には、前記必須三成分(A)、(B)および
(C)のほか、必要に応じて加えられる添加剤や他の熱
可塑性樹脂及磁性材料粉末とを前記一成分系静電トナー
を調製するのと同様な方法で調製することができる。こ
の場合にも、変性ポリオレフインワツクス(A)の量は
結着剤熱可塑性樹脂(B)を100重量部とした場合、1
ないし25重量部、好ましくは1ないし20重量部添加され
る。一成分系静電トナーに添加する磁性材料粉末として
通常1μ以下のマグネタイト微粉末が用られるが、コバ
ルト、鉄、ニツケル等の金属、それらの合金、化物、フ
エライト及びそれらの混合物等の粉末も使用できる。一
成分系静電トナーにおける各成分の量は通常結着剤熱可
塑性樹脂と磁性材料の合計量を100重量部として磁性材
料を40〜70重量部の割合で配合すればよい。磁性材料の
量が多過ぎると静電トナーの電気抵抗が下がり、静電ト
ナーの電荷保持性が悪くなり、画像が滲む場合がある。
さらに静電トナーの軟化点が高くなり、好適な定着が困
難となる場合がある。一方磁性材料の量が少な過ぎる場
合は静電トナーとしての機能が失なわれるようになつて
所要の帯電能が得られなくなり、又、飛散し易くなる。
又一成分系静電トナーあるいは二成分系静電トナーには
必要に応じじて公知の荷電制御剤を添加してもよい。
本発明の熱定着型電子写真用現像材は従来の温度は勿論
のこと高温においても加熱ロール等との剥離性に優れる
ので、加熱ロール等を高温にして定着速度を上げてもオ
フセツト現象が生じ難いので高速複写に最適である。ま
た凝集性が小さく、現像特性にも優れ、定着後の耐折り
曲げ性にも優れている。
以下実施例により本発明の効果を更に具体的に説明す
る。
〔実施例〕
実施例1 (カルボキシル基含有ポリプロピレレンワツクスの調
製) チーグラー型触媒にて重合されたポリプロピレンワツク
ス(ホモ重合体、極限粘度〔η〕=0.27dl/g)500gを1.
5のガラス製反応器に仕込み、170℃にて溶解した。次
いで、無水マレイン26.3gおよびジ−tert−ブチルペル
オキシド(以下DTBPOと略す)2.63gとを添加し、5時間
加熱反応させた後、溶融状態のまま5mmHg真空中で1時
間脱気処理して揮発分を除去し、その後冷却した。得ら
れた無水マレイン酸グラフトポリプロピレンワツクスは
無水マレイン酸のグラフト量が100gの中に、2.6gであり
酸価29.6mg−KOH/g、〔η〕0.17dl/gであつた。該変性
ポリプロピレンワツクスをMW−1と称す。
(トナーの調製および複写テスト) スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体(三洋化
成工業製ハイマーSBM−600)85重量部、MW−1 4重量
部、カーボンブラツク(三菱化成工業製ダイヤブラツク
SH)9重量部、含金染料(BASF製ザボンフアーストブラ
ツクB)2重量部とを24時間ボールミルにて混合した後
熱ロールで混練し冷却後粉砕分級して13〜15μの静電ト
ナーを作製した。次いで平均粒径50〜80μの鉄粉をキヤ
リアーとしてキヤリアー100重量部に対して静電トナー
2重量部の割合で混合し、セレン感光体上に従来公知の
電子写真法により現像し、転写紙上に転写して、200℃
の加熱ロールで加熱定着した。その結果5000回複写後に
おいても初期と同様に鮮明で且つオフセツト現像、汚染
等のない複写画像が得られ、熱ロールおよび感光体ドラ
ムの汚染も殆んど認められなかつた。
さらに、トナーの流動性の温度変化を調べた。該トナー
をシヤーレ上にとり、その流動性を目視にて判定した。
その結果、50℃にて48時間保持したものと、室温にて保
持したものとの流動性はほとんど変わらず、高温の環境
下においても流動性に優れることがわかつた。
実施例2 実施例1と同様の方法で、無水マレイン酸75gおよびDTB
PO18gを添加して、無水マレイン酸のグラフト量11.3重
量%の無水マレイン酸グラフトポリプロピレンワツクス
(MW−2)を得た。酸価は126mg−KOH/g、〔η〕は0.23
dl/gであつた。
ついで、該MW−2を7重量部、ハイマーSBM−600を82重
量部、ダイヤブラツクSH9重量部、ザボンフアーストブ
ラツク 2重量部を用い、実施例1と同様にトナーを調
製し、複写テストを行なつた。その結果10,000回複写後
においても初期と同様に鮮明で且つオフセツト現像、汚
染等のない複写画像が得られ、熱ロールおよび感光体ド
ラムの汚染も殆んど認められなかつた。
さらに、耐折り曲げ性のテストを行なつた。定着後のベ
タ黒画像部に対し、5000回の折り曲げを繰り返し、その
前後の定着度をセロテープ剥離前後のの目視で判定し
た。その結果、折り曲げテスト後も定着度はほとんど変
わらず、耐折り曲げ性にも優れていることがわかつた。
実施例3 実施例1と同様の方法で、クロトン酸100gおよびDTBPO1
0gを添加して、クロトン酸のグラフト量10.2wt%のクロ
トン酸グラフトポリプロピレンワツクス(MW−3)を得
た。酸価は57.0mg−KOH/g、〔η〕は0.21dl/gであつ
た。
実施例1において、MW−1を用いた代りに該MW−3を用
いた他は実施例1と同様にしてトナーを調製し、複写テ
ストを行つた。
その結果、5000回複写後においても初期と同様に鮮明で
且つオフセツト現象、汚染等のない複写像が得られ、熱
ロールおよび感光体ドラムの汚染も殆んど認められなか
つた。
さらに、トナーの流動性の温度変化を調べた。該トナー
をシヤーレ上にとり、その流動性を目視にて判定した。
その結果、50℃にて48時間保持したものと、室温にて保
持したものとの流動性はほとんど変わらず、高温の環境
下においても流動性に優れることがわかつた。
実施例4 極限粘度〔η〕1.36、エチレンを3.2mol%含有するポリ
プロピレン300gに、無水マイン酸5.0gおよびDTBPO7gを
混合し、20mmφの押出機にて260℃の温度で反応させ
た。得られた無水マレイン酸グラフトポリオレフインワ
ツクス(MW−4)は、無水マレイン酸のグラフト量1.3w
t%、酸価14.8mg−KOH/g、〔η〕0.41dl/gであつた。
実施例1において、MW−1を用いた代りに該MW−4を用
いた他は実施例1と同様にしてトナーを調製し、複写テ
ストを行なつた。
その結果、2000回複写後ににおいても初期と同様に鮮明
で且つオフセツト現象、汚染等のない複写画像が得ら
れ、熱ロールおよび感光体ドラムの汚染も殆んど認めら
れなかつた。
実施例5 実施例4と同様の方法で、極限粘度〔η〕=4.86dl/gの
ポリブテン300gに対し、無水5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸9gおよび2,5−ジメチル−,5−t−ブチル
パーオキシルヘキシル−39gを混合して反応させ、グラ
フト量2,1wt%、酸価14.0mg−KOH/g、〔η〕0.27dl/gの
無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸グラフトポ
リブテンワツクス(MW−5)を得た。
次に、実施例1においてMW−1を用いた代りに該MW−5
を用いた他は実施例1とと同様にしてトナーを調製し、
複写テストを行なつた。
その結果、2000回複写後においても初期と同様に鮮明で
且つオフセツト現象、汚染等のない複写画像が得られ、
熱ロールおよび感光体ドラムの汚染み殆んど認められな
かつた。
さらに、実施例2と同様にして折り曲げテストを行つた
結果、実施例2の場合に比べやや劣るが実用上問題ない
レベルにあることを確認した。
実施例6 チーグラー型触媒にて重合された4−メチル−1−ペン
テン・1−ヘキセン共重合ワツクス(1−ヘキセン35mo
l%、極限粘度〔η〕=0.222dl/g)500g、無水マレイン
酸20.0g、DTBPO2.0gを用い、実施例1と同様の方法で反
応させ、無水マレイン酸のグラフト量3.1wt%、価35.3m
g−KOH/g、〔η〕0.23の無水マレイン酸グラフト4−メ
チル−1−ペンテン・1−ヘキセン・共重合ワツクス
(MW−8)を得た。
スチレン・n−ブチルアクリレート共重合体(三洋化成
工業製ハイマーSBM700)48重量部、カーボンブラツク
(三菱化成工業製MA−100)2重量部、磁性粉(チタン
工業製マビコブラツクBL−500)48重量部、該MW−82重
量部とをボールミルで24時間混合して加熱ロールで1時
間混練し、その後ジエツトミルで微粉砕後スプレードラ
イヤーで熱処理し、ジグザグ分級機で平均粒径15μの磁
性トナーを得た。該磁性トナーを用いて、セレン感光体
上に従来公知の電子写真法により現像し、転写紙上に転
写し加熱ロール温度を200℃に設定した5000回複写の耐
久試験を行った。その結果、加熱ロールの汚れもなく良
好な画像が得られた。
比較例1 実施例4と同様の方法で、無水マレイン酸1.6g、DTBPO6
gを混合し、無水マレイン酸のグラフト量0.35wt%、酸
価4.1mg−KOH/g、〔η〕0.39dl/gの無水マレイン酸グラ
フトポリプロピレンワツクス(MW−9)を得た。
次いで、、実施例1において、MW−1を用いた代りに該
MW−9を用いた他は実施例1と同様にしてトナーを調製
し、複写テストを行なつた。
その結果、複写4000回目あたりから画像の鮮明度が低下
しはじめた。同時に感光体ドラムや鉄粉キヤリヤー表面
に、部分的にポリプロピレンワツクスの被膜(フイルミ
ング現象)が認められた。
比較例2 実施例1と同様の方法で、無水マレイン酸150gおよびDT
BPO31gを添加して、無水マレイン酸のグラフト量18.2wt
%、酸価207mg−KOH/g、〔η〕0.26の無水マレイン酸グ
ラフトポリプロピレンワツクス(MW−10)を得た。
次いで、実施例2において、MW−2を用いた代りに該MW
−10を用いた他は実施例2と同様にしてトナーを調製
し、1000回複写テストを行なつた結果、熱ロールからの
剥離性が劣り、オフセツト現象および複写紙の汚染が認
められた。
比較例3 実施例4と同様の方法で、無水マレイン酸5.6g、DTBPO
5gを混合し、220℃の温度で反応させ、無水マレイン
のグラフト量1.0wt%、酸価11.2mg−KOH/g、〔η〕0.66
の無水マレイン酸グラフトポリプロピレンワツクス(MW
−12)を得た。
次に、実施例1においてMW−1を用いた代りに該MW−12
を用いた他は実施例1と同様にしてトナーを調製し、10
00回の複写テストを行なつた。
その結果、熱ロールからの剥離性が劣り、オフセツト現
象および複写紙の汚染が認められた。
比較例4 実施例2のMW−2を用いた代りに、MW−2を調製するの
に用いた原料ポリプロピレンワツクス(〔η〕=0.27dl
/g)をそのまま用いた他は実施例2と同様にしてトナー
を調製し、複写テストを行なつた。
その結果、複写3500回目あたりから画像の鮮明度が低下
しだした。同時に、感光体ドラムや鉄粉キヤリヤー表面
に、部分的にポリプロピレンワツクスの被膜(フイルミ
ング現像)が認められた。
さらに、実施例2と同様にして、耐折り曲げテストを実
施したところ、折り曲げ線に沿つてトナーの剥離が見ら
れ実施例2に比べおとる結果となつた。
比較例5 実施例4のMW−4を調製するのに用いたポリプロピレン
300gを内容積1のオートクレーブに仕込み、微量の窒
素を流通させながら340℃で2.2時間熱分解を行つた。得
られたポリプロピレンワツクスの〔η〕は0.10dl/gであ
つた。
次いで、実施例2において、MW−2を用いた代りに上記
のポリプロピレンワツクスを用いた他は実施例2と同様
にしてトナーを調製し、複写テストを行つた。
その結果、複写3500回目あたりから画像の鮮明度が低下
しだした。同時に、感光体ドラムや鉄粉キヤリヤー表面
に、部分的にポリプロピレンワツクスの被膜(フイルミ
ング現像)が認められた。
さらに、実施例1と同様にして、トナーの流動性の温度
変化を調べたところ、50℃保持後のものは、約5mm角以
上の塊りを生じた上に、流動性も極めて悪く、実用上問
題があることを示唆する結果となつた。
比較例6 実施例1と同様の方法で、チーグラー型触媒より重合さ
れた極限粘度〔η〕=0.10のポリエチレンワツクス(ホ
モ重合体)600g、無水マレイン酸28.0g、DTBPO3.0gを用
い、無水マレインのグラフト量4.0wt%、酸価45.6mg−K
OH/g、〔η〕0.11の無水マレインン酸グラフトポリエチ
レンワツクス(MW−13)を得た。
実施例1において、MW−1を用いた代りに該MW−13を用
いた他は実施例1と同様にしてトナーを調整し、複写テ
ストを行つた。
その結果、ベタ黒画像部分にはけすり現象(ブラシマー
ク)が多量に認めら、実用上問題であることがわかつ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸でグラフト変性されたポ
    リオレフインワツクスであってその骨格の主たる構成単
    位が炭素数3ないし6のα−オレフインであり、その極
    限粘度〔η〕が0.06ないし0.6dl/gの範囲にありかつそ
    の酸価が6ないし200mg−KOH/gの範囲にあるもの
    (A)、スチレン系重合体からなる結着剤樹脂(B)お
    よび着色剤(C)を含んでなることを特徴とする熱定着
    型電子写真用現像材。
  2. 【請求項2】(A)の骨格の主たる構成単位がプロピレ
    ン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンである特
    許請求の範囲第(1)記載の熱定着型電子写真用現像
    材。
  3. 【請求項3】(A)がポリオレフインワツクスにα、β
    −不飽和カルボン酸もしくはα、β−不飽和カルボン酸
    無水物をグラフトさせたものである特許請求の範囲第
    (1)又は第(2)記載の熱定着型電子写真用現像材。
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