JP2010139648A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のトナーは、(A)極性基含有ビニル重合体(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテル樹脂(a3)、シリコーン樹脂(a4)、ポリウレタン樹脂(a5)、ポリアミド樹脂(a6)、フラン樹脂(a7)およびエポキシ樹脂(a8)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むトナー用バインダー樹脂100質量部に対し、(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体を0.1〜40質量部を含み、かつ前記(B
)4−メチル−1−ペンテン系重合体が、(b1)デカリン溶媒中で135℃で測定した
極限粘度[η]が、0.01dl/g以上3.0dl/g未満の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
Copy法)PPC複写機やプリンターに於ける電子写真用法は光感光体上に静電気的潜像を形成し、ついで該潜像を、トナーを用いて現像し、紙等の被定着シート上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱定着する方法が行われている。この方法は加熱加圧下で定着が行うので、定着が迅速でしかも熱効率が極めて良好であり、従って定着効率が非常に良い。しかしながら、この熱ロール方式に於いては熱効率が良い反面、熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナーが熱ロール表面に付着転移し、次の被定着シートにこれが再転移して汚す(オフセット現象)という問題がある。
また、エチレン系ワックス、プロピレン系ワックスなどの各種ワックスを、トナーに含有させ、オフセット現象を防止する方法も知られている(例えば、特許文献1〜8参照)。
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1](A)極性基含有ビニル重合体(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテル樹脂(a3)、シリコーン樹脂(a4)、ポリウレタン樹脂(a5)、ポリアミド樹脂(a6)、フラン樹脂(a7)およびエポキシ樹脂(a8)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むトナー用バインダー樹脂100質量部に対し、
(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体を0.1〜40質量部を含み、かつ
前記(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体が、
(b1)デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度[η]が、0.01dl/g以上3.0dl/g未満の範囲にあることを特徴とするトナー。
[2]前記(B)4-メチル-1-ペンテン系重合体が、
(b1)デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度[η]が、0.01dl/g以上
0.5dl/g未満の範囲にあることを特徴とする[1]に記載のトナー。
[3]前記(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体が、
(b2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が50〜100質量%であり、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数が2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のオレフィンから導かれる構成単位の合計が0〜50質量%であり、
(b3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜15.0の範囲にあり、
(b4)示差走査熱量計で測定した融点(Tm)が120〜245℃の範囲にあり、かつ(b5)臨界表面張力が、22〜28mN/mの範囲にあることを特徴とする[1]に記載のトナー。
[4]前記極性基含有ビニル重合体(a1)が、スチレンアクリル系樹脂である[1]に記載のトナー。
ら選ばれる少なくとも1種を含むトナー用バインダー樹脂100質量部に対し、(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体を0.1〜40質量部を含み、かつ前記(B)4−メチ
ル−1−ペンテン系重合体が、(b1)デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度[
η]が、0.01dl/g以上3.0dl/g未満の範囲にあることを特徴とする。尚、本発明において、重合とは共重合の意味を含むことがあり、重合体とは共重合体の意味を含むことがある。
(A)トナー用バインダー樹脂
本発明に(A)トナー用バインダー樹脂は,極性基含有ビニル重合体(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテル樹脂(a3)、シリコーン樹脂(a4)、ポリウレタン樹脂(a5)、ポリアミド樹脂(a6)、フラン樹脂(a7)およびエポキシ樹脂(a8)からなる群から選ばれる少なくとも1種を制限無く用いることができる。
リール基含有ポリエーテル樹脂や特開平11-292999号公報に記載のポリアリール
エーテルケトンなどのアリール基含有ポリエーテル化合物が好ましい例として挙げられる。
オール等のポリオールとを主原料とし、両者を混合、反応させた樹脂である。
るものが挙げられる。例えば、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類とを主成分として、重縮合して得られるものである。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、フルフラール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することができる。
記載される(メタ)アクリル酸エステル系重合体、スチレンアクリル系樹脂および特開2004−62168号公報に記載されるポリエチレンテレフタレート、いわゆるPET樹脂を代表例とするポリエステル樹脂等を例示することができる。
ンプル管の上澄み液5gを150℃、1時間乾燥させた後の重量を秤量し(Xg)、以下の式に従って計算する。
(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体
[(b1)極限粘度]
本発明に用いられる(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体は、デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.01dl/g以上3.0dl/g未満である。好ましい下限値は、0.05dl/g、より好ましくは0.1dl/gである。一方、好ましい上限値は2.5dl/g未満、より好ましくは2.0dl/g未満、さらに好ましくは1.5dl/g未満、特に好ましくは1.0dl/g未満、最も好ましくは0.5dl/g未満である。極限粘度[η]がこの範囲にあると、後述するトナーの耐オフセット性、安定性に優れた効果を発現し易い。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質
量%、さらに好ましくは70〜100質量%であり、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数が2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のオレフィンから導かれる構成単位の合計が好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜40質量%、さらに好ましくは0〜30質量%である4-メチル-1-ペンテン系重合体である。
ル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−
エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。
−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノまたはポリアルキルスチレンが挙げられる。
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエンなどの炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10のものが挙げられる。
−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、
1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタ
ジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエ
ン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−
イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンなど
の炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10のものが挙げられる。
コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物および上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸無水物基に置き換えた化合物などの不
飽和酸無水物類、上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸ハライド基に置き換えた化合物などの不飽和カルボン酸ハライド類、4-エポ
キシ-1-ブテン、5-エポキシ-1-ペンテン、6-エポキシ-1-ヘキセン、7-エポキシ-1-ヘプテン、8-エポキシ-1-オクテン、9-エポキシ-1-ノネン、10-エポキシ-1-デセン、11-エポキシ-1-ウンデセンなどの不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル
−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状の水酸化α−オレフィンが挙げられる。
セン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘ
キセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状のハロゲン化α−オレフィンが挙げられる。
、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。4−メチル−1−ペンテンとともに用いられる上記オレフィン類として特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン、スチレン等が好適に用いられる。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常1.0〜15.0であり、より好ましくは1.0〜10.0、次に好ましくは1.0〜8.0、更に好ましくは1.0〜5.0、特に好ましくは1.0〜4.0、最も好ましくは1.0〜3.0である。
より得ることができる。
また、本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、その分子量と極限粘度との間に、下記式(I)で示される関係があることが好ましい。
A≦0.2×[η](-1.5) ・・・(I)
(上記式(I)中、Aは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した場合の、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体中のポリスチレン換算の分子量が1,000以下となる成分の含有割合(質量%)であり、[η]は上記4−メチル−1−ペンテン系重合体のデカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度(dl/g)である。)
上記(I)式の条件を満たす4−メチル−1−ペンテン系重合体を用いた場合には、トナーの離型性、すなわち耐オフセット性を高めることができ、また保存安定性に優れる。(I)式の様な関係式を満たす重合体は、例えば溶媒分別により主に分子量1,000以下の成分を除去することによって得られる。その他、後述するメタロセン触媒を用いると、分子量分布の狭い重合体が得やすい傾向にあるので、溶媒分別無しでも(I)式を満たす重合体が得られることが多い。
子量1,000以下の成分含有率の許容値を規定した式である。
[(b4)融点]
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、示差走査熱量計で測定される融点(Tm)の下限は、120℃が好ましく、より好ましくは140℃であり、さらに好ましくは160℃であり、特に好ましくは180℃であり、最も好ましくは200℃である。また融点(Tm)の上限は245℃であることが好ましく、より好ましくは240℃であり、さらに好ましくは235℃であり、特に好ましくは230℃であり、最も好ましくは220℃である。融点(Tm)がこの範囲にあると、トナーの低温定着性と、保存時の耐ブロッキング性のバランスに優れる。4−メチル−1−ペンテン系重合体の融点は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体である場合には、数平均分子量(Mn)に依存する。例えば、4−メチル−1−ペンテン単独重合体の分子量を低くすれば、得られる重合体の融点を低く制御できる。4−メチル−1−ペンテン系重合体が4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数2〜20のオレフィンとの共重合体である場合には、4−メチル−1−ペンテン系重合体の融点は、数平均分子量(Mn)の大きさに依存するとともに、重合時の4−メチル−1−ペンテンに対する炭素原子数2〜20のオレフィンの使用量、およびその種類により制御できる。例えば、4−メチル−1−ペンテンに対するオレフィンの使用量を増加すると、得られる重合体の融点を低くできる。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、臨界表面張力が好ましくは22〜28mN/m,より好ましくは、23〜27.5mN/m、さらに好ましくは24〜27.5mN/m、特に好ましくは24.5〜27.5mN/mである。臨界表面張力がこの範囲にあると、耐オフセット性に必要な離型性に加え保存安定性に優れたトナーが得られると考えられる。このような臨界表面張力は、4−メチル−1−ペンテン系重合体における、4−メチル−1−ペンテンの構成単位に依存し、前記好適な臨界表面張力を得るには、4−メチル−1−ペンテン構成単位の量は、50〜100質量%、好ましくは、60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%である。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、末端二重結合量が、1000炭素あたり0.001個以上100個以下であることが好ましいが、より好ましくは、1000炭素あたり0.001個以上0.5個以下、更に好ましくは0.001個以上0.4個以下、特に好ましくは0.001個以上0.3個以下である。本発明での4−メチル−1−ペンテン系重合体が有する末端二重結合は、ビニル型、ビニリデン型、2置換内
部オレフィン型および3置換内部オレフィン型の二重結合に分類され、その総量は1H−NMRにより測定される。
このような末端二重結合量は、高分子量4-メチル-1-ペンテン系重合体の熱分解による
製造により得ることも可能であるが、好ましくはチーグラー触媒、より好ましくは後述するメタロセン触媒を用い4−メチル−1−ペンテン系重合体を製造することで得られる。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、ヨウ素価が0.001g/100g以上180g/100g以下が好ましく、0.001g/100g以上0.9g/100g以下がより好ましく、さらに好ましくは0.001g/100g以上0.7g/100g以下、最も好ましくは0.001g/100g以上0.5g/100g以下である。このようなヨウ素価を有する重合体は、高分子量の4-メチル-1-ペンテン重合体
の熱分解により得られる場合もあるが、より好ましくは後述するメタロセン触媒を用いた4−メチル−1−ペンテンの重合により得られる。
解し、50℃になるまで室温放置後、1mmolの一塩化ヨウ素の溶解した20mlの酢酸を添加する。時々撹拌しながら30分暗所に放置後、10%ヨウ化カリウム水溶液を20ml添加し、0.1Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定した。100gの試料に付加したヨウ素のg数を示すヨウ素価を次式で計算した。
ここで、AとBはそれぞれ試料と空実験で滴定に要したチオ硫酸ナトリウムのml数、Cは試料のg数である。
合が多いと大気中の酸素などにより変質しやすいことが予想される。分子量が低ければその傾向は更に増すと考えられる。従って、上記の範囲にヨウ素価が入る重合体であることが好ましい。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、10℃でのn−デカン可溶分量が0.01質量%以上99質量%以下(前記4−メチル−1−ペンテン系重合体を100質量%とする)が好ましい。より好ましくは0.01質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上40質量%以下である。このようなn-デカン可溶分量とするためには、高分子量4-メチル-1-ペンテン系重合体の熱分解法に、必要に応じて
溶媒による洗浄の組みあわせによる製造も可能であるが、好ましくは、後述するメタロセン触媒で製造する。なお、n-デカン可溶分量は、4−メチル−1−ペンテン系重合体約3gをn-デカン450mlに加え、145℃で溶解後10℃まで冷却し、濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液よりn-デカン可溶部を回収することにより測定した。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、13C-NMRにより算出し
たアイソダイアドタクティシティーが70%〜99%が好ましく、より好ましくは80〜99%、さらに好ましくは90〜99%、特に好ましくは93〜99%である。このようなアイソダイアドタクティシティーを有する重合体は、高分子量の4-メチル-1-ペンテ
ン重合体の熱分解法による製造も可能であるが、好ましくはマグネシウム化合物担持型チタン触媒等のチーグラー型触媒、より好ましくは後述するメタロセン触媒を用い4−メチル−1−ペンテン系重合体を製造することで得られる。本発明におけるアイソダイアドタクティシティーは、以下の方法で測定される。
現した時、そのイソブチル分岐の方向が同一である割合と定義し、13C-NMRスペクト
ルから下記式により求めた。
式中、m、rは下記式
13C-NMRスペクトルは、1H共鳴周波数400MHzの核磁気共鳴装置を用い、試料をNMRサンプル管(5mmφ)中でヘキサクロロブタジエン、o-ジクロロベンゼンまたは1,2,4-トリクロロベンゼン約0.5mlに、ロック溶媒である重水素化ベンゼンを約0.05ml加えた溶媒中で完全に溶解させた後、120℃でプロトン完全デカップリン
グ法で測定した。測定条件は、フリップアングル45°、パルス間隔5sec以上を選択する。ケミカルシフトは、ベンゼンを127.7ppmとして設定し、他の炭素ピークのケミカルシフトはこれを基準とした。
がるメチレンのピークも重なるため、上記の第1領域から34.5〜35.5ppmのコモノマー由来のピーク面積を2倍したものを引いた積算値を「m」とした。
共鳴し、その積算値を「r」とした。
具体的なNMR測定は、例えば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体の製造方法について説明する。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、オレフィン類を直接重合して得られるものであってもよく、また高分子量の4−メチル−1−ペンテン系重合体を熱分解して得られるものであってもよく、またそれら4−メチル−1−ペンテン系重合体を溶媒に対する溶解度の差で分別する溶媒分別、あるいは沸点の差で分取する分子蒸留などの方法を用いて精製したものであっても良い。
193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中に記載のメタロセン触媒な
どが好適に用いられる。マグネシウム担持型チタン触媒としては、電子供与体成分としてポリエーテルを含む触媒が、分子量分布の比較的狭い重合体が得られる傾向があるため特に好ましい。メタロセン触媒としては、下記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物を用いたオレフィン重合触媒が好適に用いられる。
てもよく、R1からR4までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R5
からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)または(2)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、そ
れぞれ同一でも異なっていてもよい。
チルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘ
キシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル
、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。
もよい。そのような置換フルオレニル基として、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
わちR5=R12、R6=R11、R7=R10、R8=R9であることが好ましく、無置換フルオ
レン、3,6−二置換フルオレン、2,7−二置換フルオレンまたは2,3,6,7−四置換
フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
ン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチルtert-ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシ
リレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン等を挙げることができる。
Qはハロゲン、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブ
トキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート
基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であるのが好ましい。
本発明における4−メチル−1−ペンテン系重合体の製造が、メタロセン触媒を用いて行われる場合、触媒成分は
(i)上記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物と、
(ii)(ii-1) 有機金属化合物、
(ii-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(ii-3) メタロセン化合物(i)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物、
さらに必要に応じて、
(iii)微粒子状担体
から構成される、一般に公知の方法で重合触媒として用いることができ、例えばWO01/27124記載の方法を採用することができる。
自身を溶媒として用いることもできる。
ル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。
成分(ii-1) は、成分(ii-1) と、成分(i)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(ii-1) /M〕が、通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。成分(ii-2) は、成分(ii-2) 中のアルミニウム原子と、成分(i)中の遷移
金属原子(M)とのモル比〔(ii-2) /M〕が、通常10〜5000、好ましくは20〜
2000となるような量で用いられる。成分(ii-3) は、成分(ii-3) と、成分(i)中の
遷移金属原子(M)とのモル比〔(ii-3) /M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5と
なるような量で用いられる。
400℃、好ましくは10〜300℃、より好ましくは10〜250℃の範囲である。重合温度が低すぎると単位触媒あたりの重合活性が低下してしまい、工業的に好ましくない。
条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
4−メチル−1−ペンテンおよび炭素原子数2〜20のオレフィンの仕込量、重合触媒の種類、重合温度、重合時の水素添加量などを調整することにより、融点、立体規則性および分子量、極限粘度[η]等を制御することで作り分けることができる。また、熱分解品については、ベースとなる熱分解前の4-メチル-1-ペンテン系重合体を熱分解する際の
分解温度、分解時間を制御することで、所望の分子量、極限粘度[η]等を得ることができる。
<トナー>
本発明におけるトナーは、(A)トナー用バインダー樹脂、(B)4-メチル-1-ペン
テン系重合体および公知の着色剤を含み、さらに必要に応じて帯電制御剤、離型剤、顔料分散剤等とを含む。
B)成分の下限値は0.5質量部、より好ましくは1.0質量部、更に好ましくは2.0質量部、特に好ましくは3.0質量部である。好ましい上限値は35質量部、より好ましくは32質量部、更に好ましくは30質量部、特に好ましくは28質量部である。(B)4-メチル-1-ペンテン系重合体が上記の下限値を下回るとトナーの耐オフセット性や保
存安定性が不十分になることがある。一方、その上限値を越えると定着性や特に印字後の経時的な定着安定性が不十分となり、即ち紙面から文字部が剥がれ易くなり、情報保存の用をなさなくなることがある。
、ポリエステル、ポリビニールブチラール、ポリウレタン、ポリアミド、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(本発明の4-メチル-1-ペンテン系重合体を除く)
、脂肪酸アミドワックス、塩ビ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、クロマン−インデン樹脂、メラミン樹脂等の従来公知の離型剤を一部添加使用してもよい。その量は通常トナー用バインダー樹脂 100質量部に対して0.1〜 40質量部である。
0質量部に対し、通常用いられる0.1〜10質量部である。
剤等を予めプレミックスした後、2軸混練機を用い加熱溶融状態で混練し、冷却後微粉砕機を用いて微粉砕し、更に空気式分級器により分級し、通常8〜20μの範囲の粒子を集めてトナーとする。上記2軸混錬機での加熱溶融条件は、トナー用バインダー樹脂の融点等の物性によって異なる。例えばスチレンアクリル系樹脂などの極性基含有ビニル重合体の場合、2軸混錬機吐出部の樹脂温度は190℃未満で、滞留時間180秒未満であることが好ましい。また、冷却方法はスチールベルトクーラー等を使用して急冷することが好ましい。
が高い条件で、(B)4-メチル-1-ペンテン系重合体を(A)トナー用バインダー樹脂
と混練したマスターバッチを作成しておき、これを更に(A)トナー用バインダー樹脂や着色剤などの他の成分と混練する方法もある。(A)、(B)両成分が比較的混ざり難い組み合わせである場合にこの方法は効果的である。
オフセット性と印刷の定着性、耐ブロッキング性、現像耐久性および低温印刷性に優れる理由については、明らかではないが、本発明に用いられる4-メチル-1-ペンテン系重合
体は極性基を持たないため吸湿し難く、表面張力が低い上にバインダー樹脂中に適度に分散することから優れた耐ブロッキング性、現像耐久性、耐オフセット性の効果を与えると考えられる。また、分子量分布の狭い4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた場合、4-メチル-1-ペンテン系重合体自身のベタツキがより低減されることが予想される。この特性は、耐ブロッキング性、現像耐久性、耐オフセット性を高める上でより好ましい場合がある。
本発明および実施例において、性状は以下のように測定した。
[組成]
13C−NMRスペクトルの解析により求めた。
[極限粘度]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追
加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、
濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた。
[η]= lim(ηsp/C) (C→0[分子量])
[分子量分布]
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、GPC測定から求めた。測定は以下の条件で行った。また、重量平均分子量と数平均分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置 : ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤 : o−ジクロロベンゼン
カラム: TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速 : 1.0 ml/分
試料 : 0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度 : 140℃
分子量換算 : PS換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数:KPS=1.38×10-4,aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数:KPE=5.06×10-4,aPE=0.70
[融点]
示差走査型熱量計(DSC)を用いて、試料約5mgをアルミパンに詰めて280℃まで昇温し、280℃で5分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却し、30℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温する際の吸熱ピークを融点とした。
[臨界表面張力]
画像処理式・固液界面解析システム(協和界面科学社製Dropmaster500)を用いて、2
3℃、50%RHの雰囲気下で、試験サンプル表面に表面張力の判明している4種類のぬれ張力試験用混合液(エチレングリコールモノエチルエーテル/ホルムアミド、表面張力各31、34、37、40mN/m)を滴下し、接触角を測定した。測定は5枚の試験サンプルについて行い、その平均値を求めた。この接触角θから算出されるcosθ(Y軸)と、試験用混合液の表面張力(X軸)とから得られる点(5個以上)をX−Y座標にプロットし、これらの点の最小二乗法より得られる直線と、cosθ=1との交点に対応する表面張力(X軸)を臨界表面張力(mN/m)とした。
4−メチル−1−ペンテン系重合体については、SUSプレート上に4−メチル−1−ペンテン系重合体をキャスティングした。キャスティングは、窒素雰囲気下、250℃×5分の条件にて、4−メチル−1−ペンテン系重合体をSUSプレート上に加熱溶融し、その後、常温に戻し固化させる方法とした。本試験サンプルの表面について、臨界表面張力を測定した。
[グリシジル基含有ビニル樹脂(A1)の製造例]
<製造例A−1>
キシレン75質量部を窒素置換したフラスコに仕込み昇温し、キシレン還流下において、予め混合溶解しておいたスチレン65質量部、アクリル酸n-ブチル30質量部、メタアクリル酸グリシジル5質量部、ジ-t- ブチルパーオキサイド1質量部を5時間かけて連続添加し、さらに1時間還流を継続する。その後内温 130℃に保ち、ジ-t- ブチルパーオキサイド0.5質量部を加えて2時間反応を継続した。その後更にジ-t- ブチルパーオキサイドを前記スチレン、アクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸グリシジルの合計量の0.5質量%加えて2時間保持を行うことにより、反応を完結して、重合液を得た。これを190℃、10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤等を留去した。
[COOH基含有ビニル樹脂(A2)の製造例]
<製造例A−2>
スチレン82質量部、アクリル酸n-ブチル17質量部、メタアクリル酸1.0 質量部とキシレン溶媒75質量部からなる溶液に、スチレン100 質量部に対し、9.5質量部のジ-t- ブチル
パーオキサイドを均一に溶解したものを、内温190 ℃内圧 6kg/cm2に保持した5l の反応器に750cc/hrで連続的に供給して重合し低分子量重合液(L)を得た。
た。この時の重合率は51%であった。ついで、キシレン50質量部を加え、予め混合溶解しておいたジブチルパーオキサイドの0.1質量部とキシレン 50質量部を130℃に保ちながら
8時間かけて前記バルク重合後の溶液に連続添加した。更に1,1−ビス(t- ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5トリメチルシクロヘキサンを前記バルク重合に用いたスチレン、アクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸の合計量の0.2質量%加えて2時間反応を継続した。その後更に1,1−ビス(t- ブチルパーオキシ)−3,3,5トリメチルシクロヘ
キサンを用いたスチレン、アクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸の合計量の0.5質量%加えて2時間保持を行うことにより、反応を完結し、高分子量重合液(H-1)を得た。
1−ビス(t- ブチルパーオキシ)−3,3,5トリメチルシクロヘキサンを前記バルク
重合に用いたスチレン、アクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸の合計量の0.2質量%加えて2時間反応を継続した。その後更に1,1−ビス(t- ブチルパーオキシ)−3,3
,5トリメチルシクロヘキサンを前記バルク重合に用いたスチレン、アクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸の合計量の0.5質量%加えて2時間保持を行うことにより、反応完結し、高分子量重合液(H-2)を得た。
[4-メチル-1-ペンテン系重合体の製造例]
<製造例B−1>
固体状チタン触媒は特開2008−144155号公報記載の実施例1の方法で調製した。乾燥窒素気流下で内容積1.5リットルの攪拌機付きステンレス製耐圧オートクレーブに、室温でノルマルヘキサン320ml、4−メチル−1−ペンテン350ml、1−ヘキセン80ml、2.25mmolのトリエチルアルミニウム(東ソー・ファインケム社製)、0.5625mmolの2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキ
シプロパンを装入した。装入後、水素125mlを導入し60℃に保った。ついで固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.0225mmolを加え、オートクレーブ内を60℃に保ちながら0.5時間重合を行った。メタノールをオートクレーブ内に導入して重合を終了し、重合液をメタノール中に注ぎ込みポリマーを析出させ回収した。得られたポリマーを減圧下130℃で10時間乾燥し、表1に示す4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−1)を得た。
<製造例B−2>
充分に窒素置換したガラス製フラスコにイソプロピル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.5μmolを加え、そこへ東ソー・ファインケム社製MMAO(製品名MMAO−3A)のヘキサン溶液をAl原子換算で0.25mmolを添加することにより触媒溶液を得た。次いで、撹拌器、温度計、ガス吹き込み口、ベントラインを備え、充分に窒素置換した内容積1リットルのガラス製オートクレーブにデカン400ml、4−メチル−1−ペンテン100mlを装入し、これに水素を6リットル/時間の速度で流通させ、30℃で10分間放置した。その後、トリイソブチルアルミニウム0.25mmol、引き続き、上記で調製した触媒溶液を加え重合を開始した。水素を6リットル/時間の速度でを連続的に供給し、常圧下、30℃で1時間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。重合液を4リットルのメタノール/アセトン混合液(体積比4/1)に注ぎ込み、濾過により重合体を回収した。得られた重合体を減圧下80℃で10時間乾燥し、表1に示す4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−2)を得た。
<製造例B−3>
イソプロピル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを1μmol用い,東ソー・ファインケム社製MMAO(製品名MMAO−3A)のヘキサン溶液をAl原子換算で0.5mmol用いた以外は製造例B−2と同様にして触媒溶液を得た。次いで、デカン567ml、4−メチル−1−ペンテン180ml、1−デセン3ml、トリイソブチルアルミニウム0.375mmolを用いた以外は製造例B−2と同様にして、表1に示す4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−3)を得た。結果を表1に示した。
<製造例B−4>
デカンを561ml、デセンの代わりに高純度のヘキサデセンとオクタデセンとの混合物である三菱化学社製ダイアレンD168(登録商標)9mlを装入した以外は製造例B−3と同様にして4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−4)を得た。結果を表1に示し
た。
<製造例B−5>
窒素雰囲気下、攪拌機を付したステンレス製耐圧オートクレーブに4-メチル-1−ペンテン400ミリリットル、1−デセン4ミリリットルおよび水素1500ミリリットルを装入した。ついで特開2003−105022号公報の実施例4に記載の予備重合触媒をチタン原子換算で0.004ミリモルとトリエチルアルミニウムを0.5ミリモルとからなるオレフィン重合用触媒を装入し重合を行った。重合温度は40℃、重合時間は2時間とした。
得られた重合体の135℃デカリン中で測定した極限粘度([η])は2.2dl/gであった
。
上記白色粉末150gを500mlの枝付重合フラスコに仕込み、窒素を流通させながら、サンドバスを用い360℃に加熱した。フラスコ壁面の重合体が融解したことを確認した後、温度を保ったまま2時間撹拌を続けることにより、4-メチル-1-ペンテン系ポ
リマーを熱分解した。その後、常温まで冷却することにより、表1に示す4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−5)を得た。
<製造例B−6>
攪拌装置、窒素導入管、コンデンサーを備えた1.5Lステンレス製熱分解装置に製造例(B−1)で得た4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−1)を200g入れ、系内を
充分に窒素置換した。次に、窒素を流入したまま熱分解装置を362℃まで昇温し樹脂を溶融した後、攪拌を開始した。系内の樹脂温度が所定温度に達してから2時間加熱し熱分解を実施した。その後、熱分解装置をその後、常温まで冷却することにより、表1に示す
4-メチル-1-ペンテン系重合体(B−6)を得た。
[ポリエチレンワックスの製造例]
<ポリエチレンワックスC−1>
エチレン−ブテン共重合体である三井化学株式会社製エクセレックス30050Bを用いた。
[ポリプロピレンワックスの製造例]
<ポリプロピレンワックスC−2>
ポリプロピレンの熱分解品である三井化学株式会社製ハイワックスNP105を用いた。
<トナーの評価方法>
1)定着性
5℃刻みで定着ロールの温度を替えて72枚/分のコピースピードで市販のコピー用紙にコピーした。このコピーしたベタ黒部分と白地の間を砂消しゴム(トンボ鉛筆社製プラスチック砂消しゴム"MONO")により、1kgfの力で10回往復させた。その結果の消しゴム処理したベタ黒部分の黒度をインキ濃度計で測定し、コピーしたのみで消しゴム処理をしていないベタ黒部分との濃度比でトナーの残存比率を表し、トナー残存比率が60%
以上となる定着ロールの最低温度で評価をした。
2)耐オフセット性
市販のコピー用紙にコピーした際にオフセットが発生する場合の定着ロールの温度により評価した。
3)粉砕性
トナー製造時、2軸混練冷却したものを一部採取して粉砕し、10メッシュアンダー16メッ
シュオンの粒度に揃えてジェットミルにて粉砕した。コールカウンターにて粒度分布を測定、5〜20μmの粒度の割合を求めた。
4)現像耐久性
市販の複写機(東芝製、プレシオ5560)により連続して100,000枚にわたる実写テストを行った後、画像濃度、画質が劣化し始める枚数により評価した。
5)耐ブロッキング性(保存性)
温度50℃、相対湿度50%の環境条件下に48時間放置後、150メッシュのふるいに5gのせ、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の目盛りを3にして、1分間振動を加える。振動後の150メッシュのふるいの上に残った重量を測定し、残存重量比を求めた。
[実施例1]
製造例A−1で得られたビニル樹脂7質量部、製造例A−2で得られたビニル樹脂93質
量部をヘンシェルミキサーにて混合後、2軸混練機(KEXN S-40型、栗本鉄工所製)にて2
軸混錬機吐出部樹脂温度185℃、滞留時間90秒で混練反応させた。その後、冷却および粉砕し、トナー用バインダー樹脂とした。冷却方法としては、スチールベルトクーラーを使用し、冷却水温10℃、冷却水量は樹脂1kgあたり20L、熱伝導率0.08kcal/mhrsの装置を用いて急冷した。
スピロンブラックTRH1質量部添加し、再度ヘンシェルミキサーにて混合後、2軸混練機(PCM-30型、池貝機械製)にて 2軸混錬機吐出部樹脂温度180℃、滞留時間30秒で混練させた。ついで冷却、粉砕および分級して約 7ミクロンのトナーを得た。この冷却もバインダー樹脂と同様の方法で急冷させた。得られたトナー3 質量部とキャリヤ97質量部とを混合して現像剤とし、この現像剤を用いて市販の高速複写機を改造して画像を書かせた。上記評価方法で評価したところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに優れる結果を得た。
[実施例2]
実施例1において、重合体B−1をB−2とした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに優れる結果を得た。
[実施例3]
実施例1において、重合体B−1をB−3とした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに優れる結果を得た。
[実施例4]
実施例1において、重合体B−1をB−4とした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに優れる結果を得た。
[実施例5]
実施例1において、重合体B−1をB−5とした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに優れる結果を得た。
[実施例6]
実施例1において、重合体B−1をB−6とした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに優れる結果を得た。
[比較例1]
実施例1において、重合体B−1をポリエチレンワックスC−1とした以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに劣る結果となった。
[比較例2]
実施例1において、重合体B−1をポリプロピレンワックスC−2とした以外は、実施
例1と同様にしてトナーを作成し、評価を行ったところ、定着性、オフセット性、粉砕性
、現像耐久性、耐ブロッキング性のバランスに劣る結果となった。
Claims (4)
- (A)極性基含有ビニル重合体(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテル樹脂(a3)、シリコーン樹脂(a4)、ポリウレタン樹脂(a5)、ポリアミド樹脂(a6)、フラン樹脂(a7)およびエポキシ樹脂(a8)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むトナー用バインダー樹脂100質量部に対し、
(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体を0.1〜40質量部を含み、かつ
前記(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体が、
(b1)デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度[η]が、0.01dl/g以上3.0dl/g未満の範囲にあることを特徴とするトナー。 - 前記(B)4-メチル-1-ペンテン系重合体が、
(b1)デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度[η]が、0.01dl/g以上
0.5dl/g未満の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のトナー。 - 前記(B)4−メチル−1−ペンテン系重合体が、
(b2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が50〜100質量%であり、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数が2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のオレフィンから導かれる構成単位の合計が0〜50質量%であり、
(b3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜15.0の範囲にあり、
(b4)示差走査熱量計で測定した融点(Tm)が120〜245℃の範囲にあり、かつ(b5)臨界表面張力が、22〜28mN/mの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のトナー。 - 前記極性基含有ビニル重合体(a1)が、スチレンアクリル系樹脂である請求項1に記載のトナー。
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