JPH0672965U - トラバーサを有する有軌道台車の搬送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軌道Ｆ１・Ｆ２を走行する走行台車Ｃがトラ
バーサＴにより走行方向を変更し、トラバーサ近傍に移
載ステーションＥを設ける構成において、移載ステーシ
ョンＥの配置を改善して搬送効率の向上を図る。 【構成】 トラバーサＴ稼動率の低い搬送システムでは
トラバーサＴの始端又は終端に移載ステーションＥを配
置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はトラバーサを有する軌道上を走行する台車に荷の受け渡しをするため の移載ステーションの配置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から倉庫や工場等で荷物やワークの搬送のために軌道を敷設し、台車が所 定の走行路を走行するようにし、該台車に操向機能が備えられていない場合や別 の走行路へ移る場合には、一旦台車をトラバーサにより他の走行路へ移動させて 搬送を続行させるような搬送システムは公知となっている。このようなトラバー サを有する搬送システムにおいては図３に示すように、ワークの受け渡しを行う 移載ステーションＥはトラバーサＴの手前側に配設されていたのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように移載ステーションＥ’がトラバーサＴの走行方向手前に配置される のは、トラバーサＴが走行台車を移送している間に、後続の走行台車については 、トラバーサＴ手前で荷の受け渡しを終えた方がサイクルタイムを短く出来ると 考えられていたからである。しかしながら、これは走行台車がトラバーサＴに次 々とやってくる場合に言えることであって、走行台車がトラバーサＴに連続して やってこない場合には、走行台車がトラバーサＴ上で停止する際についでに荷の 受け渡しを行ったほうが、走行台車を移載ステーションＥとトラバーサＴの２箇 所で停止させる場合よりも効率が良くなることを本考案者は発見し、本考案を完 成した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記のような課題を解決するために次のように構成したものである。 即ち、軌道上を走行する台車の走行路をトラバーサにより変更する構成において 、トラバーサの始端または終端に移載ステーションを配置したものである。

【０００５】

【作用】

このような構成とすることにより、走行台車はトラバーサの手前では停止する ことなくトラバーサに乗り込み、トラバーサ上で停止した際に、トラバーサの始 端または終端に配置された移載ステーションで荷の受け渡しを行う。

【０００６】

【実施例】

本考案の解決しようとする課題及び解決手段は以上の如くであり、添付した図 面に従い実施例の構成を説明する。図１はトラバーサと移載ステーションを有す る搬送路の平面図、図２は本考案の搬送システムと従来の搬送システムの搬送時 間とトラバーサの稼動率の関係を示す図、図３は従来のトラバーサと移載ステー ションを有する搬送路の平面図である。

【０００７】 図１、図３において、走行台車Ｃは有軌道台車であって、荷台２下面中央の前 後に走行用従動ディスク１・１が水平より傾斜して回転自在に配設され、該荷台 ２下面両側にレールガイドが設けられ後述するレール３・３上に載置される。走 行路Ｆ１・Ｆ２は平行に配設され、進行方向中央に駆動シャフト４が配設され、 その両側にレール３・３が平行に配置され、この駆動シャフト４とレール３・３ 上に走行台車Ｃを載置して駆動シャフト４を回転させると、前記走行用従動ディ スク１・１の円周部が接して回転され、その反作用でレール３・３上を走行し、 走行用従動ディスク１・１と駆動シャフト４の接する位置が左右方向の中央の位 置となると、走行台車Ｃに作用する力が走行方向と直角方向となってその場で停 止する。但し、軌道と走行台車は限定するものではなく、軌道上を走行するもの であればよい。

【０００８】 そして、二つの走行路Ｆ１・Ｆ２端部に両者を繋ぐようにトラバーサＴが配設 され、該トラバーサＴは走行路Ｆ１・Ｆ２と直角方向にレール６・６を配設し、 該レール６・６上を横移動台車５がモーター等の駆動により往復走行可能とし、 走行台車Ｃが走行路Ｆ１端部に至ると、横移動台車５上に走行台車Ｃが載せられ てレール６・６上を横移動台車５が走行路Ｆ２端部へ走行して停止し、走行台車 Ｃは横移動台車５より降ろされて走行路Ｆ２へ移動されて、走行路Ｆ２上を走行 し、平面視でコ字状に走行するようにしている。

【０００９】 このような構成において、本考案は走行台車Ｃの荷台２にワークＷの受け渡し をするための移載ステーションＥをトラバーサＴの始端側（終端側であってもよ い）に設けている。つまり、従来の搬送システムでは図３に示すように、トラバ ーサＴ部に先行する走行台車Ｃがあっても、後続の走行台車Ｃが停止することが 可能なトラバーサＴ手前位置に移載ステーションＥ’が設けられ、トラバーサＴ で走行台車Ｃを走行路Ｆ１から走行路Ｆ２へ移動させている間に移載ステーショ ンＥ’でワークＷの受け渡しを行い、トラバーサＴの横移動台車５が走行路Ｆ１ 端へ戻ってくると即座に次ぎの走行台車Ｃを横移動台車５に載せて走行路Ｆ２へ 移動するようにしていたのである。この図３におけるＡ地点からＢ地点まで走行 台車ＣがワークＷを搬送する時間とトラバーサＴの稼動率の関係が図２に示すａ であり、トラバーサＴの稼動率が高くなる程搬送時間も短くなるのである。尚、 この稼動率は、トラバーサＴにおいて、走行台車Ｃを搬送する時に、トラバーサ Ｔ始端と終端の間を往復した時に、始端部において次ぎの走行台車Ｃを待たずに 直ぐに次ぎの走行台車Ｃを載せて移動する状態がトラバーサＴの稼動率が１００ ％であり、この始端において走行台車Ｃを待つ時間が増加する程稼動率が下がり 搬送時間も長くなるのである。

【００１０】 ところが、従来の構成で稼動率が低い場合、即ち、ワークＷの搬送量が少なく 走行台車Ｃと次ぎの走行台車Ｃとの間隔（搬送サイクル）が長い場合には、従来 と同様に搬送作業を行うと、走行台車Ｃは移載ステーションＥ’で停止してワー クＷの受け渡しを行い、トラバーサＴまで移動して再び停止し、この停止の後、 横移動台車５に載せられて走行路Ｆ２まで搬送して走行台車Ｃを下ろし、横移動 台車５は走行路Ｆ１端まで戻り、ここで次ぎの走行台車Ｃを待つ。つまり、二度 も停止する必要はなく一度停止するだけで移載して搬送は可能であり、移載ステ ーションＥが移動可能であれば、走行台車ＡがトラバーサＴで停止する位置に移 載ステーションＥを配置した方が搬送速度も速くなるし、走行台車Ｃの走行効率 も向上することになるのである。

【００１１】 そこで、図１のように、移載ステーションＥをトラバーサＴ始端側に設けると 、走行路Ｆ１での停止時間がなくなるので、トラバーサＴで停止したときにワー クＷの受け渡しが行なわれ搬送時間の短縮が図れる。この搬送時間は前記よりも 短くなり図２におけるｂのような曲線となり、トラバーサＴの稼動率が低い場合 には従来よりも搬送効率が向上するのである。故に、この曲線ａとｂの交点ｐよ りも低い稼動率では図１のように移載ステーションＥをトラバーサＴ側に設け、 交点ｐより高い稼動率では図３に示す移載ステーションＥ’をトラバーサＴ手前 に設けて効率良く搬送できることになるのである。この交点Ｐは本実施例では約 ８０％程度であるが、走行台車Ｃ及び横移動台車５の走行速度やワークＷの受け 渡しにかかる時間等により、その値は変動するものである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成したので次のような効果を奏するものである。即ち 、トラバーサの稼動率が低い場合には、走行台車はトラバーサの始端及び終端以 外で停止することがなくなり、走行台車の停止回数が減り、走行台車の搬送時間 を短縮することができ、走行台車の停止用マーカー等も省くことができ、エネル ギーロスも少なくなり、搬送効率を向上することができたのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】トラバーサと移載ステーションを有する搬送路
の平面図である。

【図２】本考案の搬送システムと従来の搬送システムの
搬送時間とトラバーサの稼動率の関係を示す図である。

【図３】従来のトラバーサと移載ステーションを有する
搬送路の平面図である。

【符号の説明】

Ｃ 走行台車 Ｅ 移載ステーション Ｆ１・Ｆ２ 走行路 Ｔ トラバーサ ５ 横移動台車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軌道上を走行する台車の走行路をトラバ
   ーサにより変更する構成において、トラバーサの始端ま
   たは終端に移載ステーションを配置したことを特徴とす
   るトラバーサを有する有軌道台車の搬送システム。