JPS6348755B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、完成した自動車の検査ラインや、内
装品の取付けライン等に好適な自動車搬送装置、
特に、自動車の左右一側方の車輪は床面上を転動
させ、他側方の車輪のみを、平面上の無端循環経
路上を循環移動する移動台車で支持して搬送する
ようにした搬送装置を提供するものである。

以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於て、１は
地下又は階下に設けられた自動車搬送路であつ
て、両端に昇降搬送装置２，３が配設されてい
る。前記自動車搬送路１は、自動車４の左右一側
方の車輪４ａを転動自在に支持する床面５と、自
動車４の他側方の車輪４ｂを支持する移動台車６
の往行経路７と、この往行経路７と前記床面５と
の間に配置された前記移動台車６の復行経路８と
を備えている。又、これ等往復両経路７，８の両
端には、移動台車６の経路間移載装置９，１０が
配設されている。

第２図及び第３図に示すように、前記移動台車
６は、左右両側に支持用水平軸車輪１１と振れ止
め用垂直軸ローラー１２、及び底部の長さ方向前
後２箇所に被動ローラー１３，１４を備え、前後
両端にはバンパー１５，１６が設けられている。
一方、前記往復両経路７，８及び経路間移載載置
９，１０には、第２図及び第５図に示すように前
記支持用水平軸車輪１１を介して移動台車６を支
持すると共に前記振れ止め用垂直軸ローラー１２
を介して移動台車６を直進させる左右一対のガイ
ドレール１７〜１９と、前記被動ローラー１３，
１４が圧接する駆動軸２０〜２２とが移動台車移
動方向と平行に設けられている。

第４図に示すように前記被動ローラー１３，１
４は、夫々垂直軸２３，２４によつて支承された
可動体２５，２６に水平軸により軸支され、スプ
リング２７，２８によつて、駆動軸２０〜２２に
対して斜めに当接する被動姿勢に保持されてい
る。又、両被動ローラー１３，１４は、可動体２
５，２６を連結する連動杆２９により互いに連動
連結されており、可動体２６に軸支された前進用
カム従動ローラー３０又は可動体２５に軸支され
た後進用カム従動ローラー３１を介して何れか一
方の被動ローラー１４又は１３が駆動軸２０〜２
２と平行な遊転姿勢に切り替えられると、連動杆
２９を介して他方の被動ローラー１３又は１４も
同様の遊転姿勢に切り替えられる。

バンパー１５，１６はスプリング３２，３３に
よつて突出方向に付勢され、前端側のバンパー１
５は、可動体２５と連動する連動杆３４に遊嵌す
るプツシヤー３５を備え、このプツシヤー３５が
連動杆３４に固定の被動部材３６を介して連動杆
３４を押すことにより、可動体２５を介して被動
ローラー１３が遊転姿勢に切り替えられる。後端
側のバンパー１６は、可動体２６と連動する連動
杆３７に遊嵌するプツシヤー３８を備え、このプ
ツシヤー３８が連動杆３７に固定の被動部材３９
を介して連動杆３７を押すことにより、可動体２
６を介して被動ローラー１４が遊転姿勢に切り替
えられる。

経路間移載装置９，１０は、第５図に示す如く
前記のガイドレール１９と駆動軸２２とを備える
と共に、駆動軸２２を正逆任意の方向に駆動する
モーター４０を備え、ガイドレール４１によつて
横動可能に支持され、シリンダー・ピストンユニ
ツト４２によつて、往行経路７に接続する位置と
復行経路８に接続する位置とに切り替えられる。
又、これ等経路間移載装置９，１０には、図示省
略しているが、進入してくる移動台車６を、その
被動ローラー１３，１４をカム従動ローラー３１
又は３０を介して遊転姿勢に切り替えて自動停止
させる停止用可動カムと、このカムを作用位置と
非作用位置とに切り替える駆動手段とが設けられ
ている。

更に、往行経路７及び復行経路８の終端部に
も、前記のような停止用可動カムと、このカムを
作用位置と非作用位置とに切り替える駆動手段と
が設けられている。

使用方法を説明すると、昇降搬送装置２への自
動車搬入路面４３上に位置させた自動車４を、こ
の昇降搬送装置２の昇降台２ａの昇降運動と当該
昇降台２ａ上に設けられたランニングフオーク２
ｂ（自動車４の一部に係合する係合部を有する）
の出退運動とにより、昇降台２ａ上に引き込むと
共に自動車搬送路１の始端位置に送り出す。この
とき１台の移動台車６は、経路間移載装置９上に
あつて且つ往行経路７に接続する位置にある。従
つて、昇降搬送装置２によつて自動車搬送路１に
送り出される自動車４は、その一側方の車輪４ａ
が床面５上に送り出されると共に他側方の車輪４
ｂが前記経路間移載装置９上の移動台車６上に送
り出される。移動台車６には、第３図に示すよう
に支持する前後の車輪４ｂの内、一方の車輪を前
後から挾むストツパー４４を出退自在に設けてお
くことが出来る。

上記のように自動車４の車輪４ｂが移動台車６
に所定位置に支持されたならば、経路間移載装置
９上の駆動軸２２を、移動台車６を往行経路７へ
送り出す方向、即ち第４図に矢印４５ａで示す方
向に駆動すると共に、カム従動ローラー３１に作
用していた停止用加動カムを非作用位置に戻し
て、前後両被動ローラー１３，１４を駆動軸２２
に対して斜めの被動姿勢に戻すことにより、自動
車４の車輪４ｂを支持する移動台車６は、経路間
移載装置９上のガイドレール１９から往行経路７
のガイドレール１７へ乗り移るように矢印４５ｂ
方向へ前進移動せしめられる。

往行経路７の駆動軸２０は第４図の矢印４５ａ
方向に駆動されており、従つて移動台車６は、そ
の被動ローラー１３，１４がこの駆動軸２０上に
圧接することにより、引き続いて矢印４５ｂ方向
へ往行経路７を前進移動することになる。このよ
うに自動車４の車輪４ｂを支持する移動台車６が
往行経路７を前進移動することによつて、当該自
動車４は、一方の車輪４ａが床面５上を転動する
状態で移動台車６に引つ張られて自動車搬送路１
を移動する。

往行経路７の終端に達した移動台車６は、停止
用可動カムが前進用カム従動ローラー３０を介し
て前後の被動ローラー１３，１４を遊転姿勢に切
り替えるので、駆動軸２０の回転に関係なく自動
停止する。このように往行経路７の終端で停止し
た移動台車６に後続の移動台車６が衝突すると、
その後続移動台車６の前端バンパー１５がスプリ
ング３２に抗して後退移動し、連動杆３４，２９
を介して前後両被動ローラー１３，１４を遊転姿
勢に切り替えるので、この後続移動台車６も自動
停止することになる。このような作用により、
夫々自動車４を片側の車輪４ｂを介して牽引搬送
する各移動台車６を往行経路７に於て自動的にス
トレージすることが出来る。

往行経路７の終端で停止している移動台車６
は、経路間移載装置１０が往行経路７に接続する
位置にある状態に於て、当該移動台車６を停止さ
せている停止用可動カムを非作用位置に切り替え
て被動ローラー１３，１４を元の被動姿勢に戻す
ことにより、当該経路間移載装置１０のガイドレ
ール１９上へ移載させることが出来る。このと
き、経路間移載装置１０の駆動軸２２は矢印４５
ａ方向に駆動されている。

自動車４が経路間移載装置１０上の位置まで送
り出されたならば、当該装置１０上の停止用可動
カムにより前進用カム従動ローラー３０を介して
被動ローラー１３，１４を遊転姿勢に切り替え、
移動台車６をこの経路間移載装置１０上の所定位
置で自動停止させる。次に昇降搬送装置３の昇降
台３ａの昇降運動と、この昇降台３ａ上に設けら
れたランニングフオーク３ｂ（自動車４の一部に
係合する係合部を有する）の出退運動とにより、
経路間移載装置１０上の移動台車６に片側の車輪
４ｂを支持されている自動車４を昇降台３ａ上に
引き込むと共に自動車搬出路４６上へ送り出すこ
とが出来る。

自動車４を送り出して空になつた移動台車６
は、経路間移載装置１０を復行経路８に接続する
位置に横動させた後、駆動軸２２の回転方向を矢
印４７ａで示すように逆転させると共に前進用カ
ム従動ローラー３０に作用していた停止用可動カ
ムを非作用位置に切り替えて被動ローラー１３，
１４を被動姿勢に戻すことにより、矢印４７ｂ方
向に後進移動し、経路間移載装置１０のガイドレ
ール１９上から復行経路８のガイドレール１８上
へ乗り移る。復行経路８の駆動軸２１は矢印４７
ａ方向に駆動されているので、当該移動台車６は
その被動ローラー１３，１４が駆動軸２１に圧接
することにより、この復行経路８を矢印４７ｂ方
向に後進移動する。

このように復行経路８を後進移動する空の移動
台車６は、この復行経路８の終端位置に於て、停
止用可動カムが後進用カム従動ローラー３１を介
して被動ローラー１３，１４を遊転姿勢に切り替
えることにより、自動停止する。又、後続の移動
台車６は、停止移動台車６との衝突によりバンパ
ー１６がスプリング３３に抗して後退移動し、こ
の結果、連動杆３７，２９を介して被動ローラー
１３，１４が遊転姿勢に切り替えられるので自動
停止し、ストレージされる。

復行経路８に於て上記のようにストレージされ
る移動台車６は、経路間移載装置９を復行経路８
に接続する位置に横動させると共に駆動軸２２を
矢印４７ａ方向に回転させた状態に於て、先頭の
移動台車６を停止させている停止用可動カムを非
作用位置に切り替え、当該移動台車６の被動ロー
ラー１３，１４を元の被動姿勢に戻すことによ
り、当該移動台車６を経路間移載装置９のガイド
レール１９上へ乗り移すことが出来る。この経路
間移載装置９上に乗り移つた移動台車６は、当該
装置９上の停止用可動カムが後進用カム従動ロー
ラー３１を介して被動ローラー１３，１４を遊転
姿勢に切り替えることにより、所定位置に停止せ
しめられる。そして、最初に説明したように、昇
降搬送装置２から送り出される自動車４を受け取
る時期に至つたとき、経路間移載装置９によつて
往行経路７に乗り移り得る位置に横動せしめられ
る。

尚、往行経路７の途中にも、必要に応じて移動
台車６を停止させるための停止用可動カムを配設
することが出来る。又、自動車搬送路１を地下又
は階下に設け、自動車の積み降ろし場所に昇降搬
送装置２，３を配設した実施例を示したが、本発
明装置は昇降搬送装置２，３を使用しないレイア
ウトにも利用出来る。

本発明の自動車搬送装置は上記実施例のように
実施し且つ使用し得るものであつて、自動車の左
右一側方の車輪を転動自在に支持する床面と、当
該自動車の他側方の車輪を支持して自動車を牽引
する移動台車とを備え、この移動台車は、自動車
搬送方向の往行経路と、この往行経路と前記床面
との間に配置された復行経路、及び両経路の両端
部に配設された移動台車経路間移載装置によつて
形成される平面上の無端循環径路に於て、移動経
路側に支承された駆動軸に移動台車側の被動ロー
ラーが斜めに圧接することによつて付与される推
進力で自走し、且つストレージ可能に構成されて
いる点に特徴を有する。

このような本発明の搬送装置によれば、前記移
動台車の代りにスラツトコンベヤを使用する従来
の搬送装置のように、自動車搬送路の入口及び出
口に於ける自動車の積み降ろしのタイミングをコ
ンベヤ側と同期させる必要がなく、自由なタイミ
ングで自動車の積み降ろしが行えるばかりでな
く、移動台車を停止させた状態で自動車の積み降
ろしが行えるので、安全性にも優れている。

又、必要な場所に於て搬送自動車を停止させる
ようにすることも容易であり、且つストレージ機
能を備えるので、自動車搬送路中に於ける自動車
に対する各種作業を、機械能力に作業者が振り回
されることなく容易に行える。

更に、移動台車の往行経路と搬送自動車の片側
車輪を支持する床面との間の空間を利用して、空
の移動台車を復行させるように構成したので、装
置全体をコンパクトに構成出来、工事も簡単で安
価に実施し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の概略平面図、第２図は同縦断背
面図、第３図は要部の側面図、第４図は移動台車
上の被動ローラー及びバンパーの連動構造を示す
平面図、第５図は経路間移載装置の平面図であ
る。 １……自動車搬送路、２，３……昇降搬送装
置、４……自動車、５……車輪４ａを支持する床
面、６……車輪４ｂを支持搬送する移動台車、７
……移動台車６の往行経路、８……移動台車６の
復行経路、９，１０……経路間移載装置、１３，
１４……被動ローラー、１５，１６……被動ロー
ラーと連動するバンパー、１７〜１９，４１……
ガイドレール、２０〜２２……駆動軸、２９，３
４，３７……連動杆、３０……前進用カム従動ロ
ーラー、３１……後進用カム従動ローラー、３
５，３８……プツシヤー、４２……経路間移載装
置横動用シリンダー・ピストンユニツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動車の左右一側方の車輪を転動自在に支持
   する床面と、当該自動車の他側方の車輪を支持し
   て自動車を牽引する移動台車とを備え、この移動
   台車は、自動車搬送方向の往行経路と、この往行
   経路と前記床面との間に配置された復行経路、及
   び両径路の両端部に配設された移動台車経路間移
   載装置によつて形成される平面上の無端循環経路
   に於て、移動経路側に支承された駆動軸に移動台
   車側の被動ローラーが斜めに圧接することによつ
   て付与される推進力で自走し、且つストレージ可
   能に構成されている自動車搬送装置。