JP2001097546A

JP2001097546A - ハイブリッド搬送台車用クイックトラバース機構

Info

Publication number: JP2001097546A
Application number: JP28218499A
Authority: JP
Inventors: Akira Morikiyo; 晟森清; Kenji Umezawa; 研二梅沢; Hideo Takahata; 英生高畑; Yoshifumi Sueishi; 義史居石; Manabu Osawa; 学大沢; Masahiko Yoshida; 雅彦吉田
Original assignee: Tsubakimoto Chain Co
Current assignee: Tsubakimoto Chain Co
Priority date: 1999-10-01
Filing date: 1999-10-01
Publication date: 2001-04-10
Anticipated expiration: 2019-10-01
Also published as: JP3642510B2

Abstract

(57)【要約】【課題】ハイブリッド搬送台車Ａ３を搬入ライン２上
に滞留することなく、搬入ライン２と搬出ライン３との
間のトラバースに要するサイクルタイムを短縮して移載
処理効率を向上させるとともに確実かつ円滑に移送する
ことができ、しかも、トラバースラインにおける作業環
境の安全性と簡便な保守メンテナンスを確保することが
できるハイブリッド搬送台車用クイックトラバース機構
を提供する。【解決手段】ハイブリッド搬送台車Ａ３を搭乗エリア
１ａと下乗エリア１ｂを有するトラバースライン１を介
して搬入ライン２から搬出ライン３へ移載制御するハイ
ブリッド搬送台車用クイックトラバース機構であって、
前記搭乗エリア１ａに搬送スキッドＡ１を誘導案内する
昇降式搭乗ローラ７とハイブリッド搬送台車Ａ３を搭乗
完了直前位置で搭乗待機させる一時停止ストッパー９と
が設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工場において自動
車のボディー等のワークを搭載したハイブリッド搬送台
車を、トラバースラインを介して搬入ラインから搬出ラ
インへ移載するためのハイブリッド搬送台車用トラバー
ス機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ハイブリッド搬送台車を搬入ライ
ンから搬出ラインへ移載するハイブリッド搬送台車用ト
ラバース機構として、図９に示すような、搬入ラインに
敷設されたお互いに平行な搬入レールＢ１と搬出ライン
に敷設されたお互いに平行な搬出レールＢ２との端部間
をチェーン駆動によって往復移動する一対の移送用台板
Ｃ，Ｃを備え、搬入レールＢ１上を走行してきたハイブ
リッド搬送台車Ａ３の走行車輪Ａ２を前記移送用台板
Ｃ，Ｃ上に搭載して搬入レールＢ１側から搬出レールＢ
２側へトラバースラインに沿って移送する移送用台板式
トラバーサが採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来のような
移送用台板式トラバーサにおいては、ハイブリッド搬送
台車Ａ３を搬入ラインの搬入レールＢ１から搬出ライン
の搬出レールＢ２へ移載する場合、先行するハイブリッ
ド搬送台車Ａ３を搬出ラインの搬出レールＢ２へ移載し
た移送用台板Ｃ，Ｃがトラバースラインの搬入側に戻る
まで、次のハイブリッド搬送台車Ａ３をトラバースライ
ンの搬入側に送り込むことができず、搬入レールＢ１の
終端領域で一旦停止させて乗り継ぎ待機する必要があ
り、後続するハイブリッド搬送台車Ａ３が搬入ライン上
に複数台滞留することになるため、搬出ラインに余分な
滞留領域を確保しなければならず、搬出ラインの設計レ
イアウトの自由度を著しく低下させるという問題があっ
た。

【０００４】また、従来のような移送用台板式トラバー
サにおいては、ハイブリッド搬送台車Ａ３を順次トラバ
ースするためのサイクルタイムが移送用台板Ｃ，Ｃが戻
るために要する時間だけ余分に長くなるので、移載処理
効率を向上させることができないという問題があった。

【０００５】さらに、従来のような移送用台板式トラバ
ーサでは、トラバースラインの搬入側および搬出側にハ
イブリッド搬送台車Ａ３の走行車輪Ａ２を走行させて搬
入もしくは搬出するための軌道板Ｄを固設しなければな
らず、この軌道板Ｄがチェーン駆動部などの保守メンテ
ナンスの障害となるという問題があった。

【０００６】そこで、本発明の目的は、前述したような
従来技術の問題を解決し、ハイブリッド搬送台車を搬入
ライン上に滞留することなく、搬入ラインと搬出ライン
との間のトラバースに要するサイクルタイムを短縮して
移載処理効率を向上させるとともに確実かつ円滑に移送
することができ、しかも、トラバースラインにおける作
業環境の安全性と簡便な保守メンテナンスを確保するこ
とができるハイブリッド搬送台車用クイックトラバース
機構を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本請求項１に係る発明の
ハイブリッド搬送台車用クイックトラバース機構は、左
右一対の搬送スキッドと前後左右の走行車輪を備えたハ
イブリッド搬送台車を搭乗エリアと下乗エリアを有する
トラバースラインを介して搬入ラインから搬出ラインへ
移載制御するハイブリッド搬送台車用クイックトラバー
ス機構であって、前記搬入ラインの終端部に前記搬送ス
キッドを前記搭乗エリアに送り込む昇降式搬入ローラが
設けられ、前記トラバースラインの搭乗エリアと下乗エ
リアとの間に敷設された一対のトラバース用移送レール
に前記ハイブリッド搬送台車の走行車輪を搭載して下乗
エリアに移送する前輪用移載プレートと後輪用移載プレ
ートが連杆部材を介して往復動自在に設けられ、前記ト
ラバースラインの搭乗エリアに前記搬入ラインから送り
込まれた前記搬送スキッドを誘導案内する昇降式搭乗ロ
ーラと前記搬入ラインから送り込まれた前記走行車輪を
誘導案内する搭乗用案内レールが設けられるとともに前
記前輪用移載プレートと後輪用移載プレートが前記搭乗
エリアに戻ってくるまで前記ハイブリッド搬送台車を搭
乗完了直前位置で搭乗待機させる一時停止ストッパーが
設けられ、前記トラバースラインの下乗エリア、若しく
は、搬出ラインに、前記ハイブリッド搬送台車を下乗搬
出するための下乗搬出手段が設けられていることによっ
て、前記課題を解決したものである。

【０００８】また、本請求項２に係る発明のハイブリッ
ド搬送台車用クイックトラバース機構は、本請求項１に
係る発明に加えて、前記一対のトラバース用移送レール
の間に、床板が着脱自在に多数跨設されており、さら
に、前記トラバースラインの搭乗エリアに跨設されてい
る床板には、前記昇降式搭乗ローラと前記一時停止スト
ッパーを出没させる開口部が設けられていることによっ
て、前記課題を更に解決したものである。

【０００９】なお、本発明のハイブリッド搬送台車用ク
イックトラバース機構で搬送させるハイブリッド搬送台
車の搬送スキッドとは、搬送ラインに沿って多数配設さ
れた搬送ローラ、搬入ラインの昇降式搬入ローラ、トラ
バースラインにおける昇降式搭乗ローラや昇降式下乗ロ
ーラ、搬出ラインの昇降式搬出ローラなどに摺接して台
車本体を搬送させるために、台車本体の下底面に搬送方
向に細長く延設された左右一対のローラ当接部位のこと
であって、ハイブリッド搬送台車に搭載して搬送される
ワークの搬送方向の長さよりやや長いか、同程度の長さ
を有している。

【００１０】また、本発明のハイブリッド搬送台車用ク
イックトラバース機構における下乗搬出手段としては、
トラバースラインの下乗エリアに設けられた搬送スキッ
ドを誘導案内するための昇降式下乗ローラと走行車輪を
誘導案内するための下乗案内レールと、搬出ラインの始
端部に設けられた搬送スキッドを搬出するための昇降式
搬出ローラからなるローラ方式を採用することができる
が、このローラ方式以外に、例えば、トラバースライン
の下乗エリアに設けられた出没自在のプッシャロッドを
有するエアプッシャ装置によってハイブリッド搬送台車
の後方部を搬出ラインに押し出すエアプッシャ方式、搬
出ラインに敷設されたプッシャドッグ型コンベヤによっ
てハイブリッド搬送台車の車底のトウピンを引っ掛けて
搬出ラインに引き出す方式などを採用しても何ら差し支
えない。

【００１１】

【作用】本発明のハイブリッド搬送台車用クイックトラ
バース機構は、本発明に特有のトラバース機構を備えて
いるので、先行するハイブリッド搬送台車を搬出ライン
に移載した前輪用移載プレートと後輪用移載プレートが
トラバースラインの搭乗エリアに戻るまでの間に、次に
後続する搬入ラインのハイブリッド搬送台車をトラバー
スラインの搭乗完了直前位置に送り込んで搭乗待機させ
る、所謂、クイックトラバース機能を奏する。

【００１２】このクイックトラバース機能についてその
作動状態を詳説すると、以下のような一連の作動サイク
ルとなる。

【００１３】（１）まず、先行するハイブリッド搬送台
車は、搬入ラインの終端部に設けられた昇降式搬入ロー
ラによってトラバースラインの搭乗エリアに送り込まれ
ると同時に搭乗エリアに設けられた昇降式搭乗ローラと
搭乗用案内レールとに誘導案内されて、ハイブリッド搬
送台車の走行車輪が前輪用移載プレートと後輪用移載プ
レートに搭載される。この時、ハイブリッド搬送台車の
搬送スキッドは昇降式搬入ローラと昇降式搭乗ローラが
上昇し作動位置で転動することによって移動し、ハイブ
リッド搬送台車の走行車輪は搭乗用案内レール上を走行
する。

【００１４】（２）次に、先行するハイブリッド搬送台
車は、前輪用移載プレートと後輪用移載プレートがトラ
バースラインの搭乗エリアから下乗エリアに移動するこ
とによって移送される。この時、昇降式搬入ローラと昇
降式搭乗ローラは、作動位置から下降して搬送スキッド
から離れ、前輪用移載プレートと後輪用移載プレート
は、連杆部材を介して同期駆動されてトラバースライン
を併走する。

【００１５】（３）そして、先行するハイブリッド搬送
台車が移送されている間に、次に後続するハイブリッド
搬送台車は、先行するハイブリッド搬送台車と同様に、
トラバースラインの搭乗エリアに送り込まれ、先行する
ハイブリッド搬送台車を下乗エリアで下乗させた前輪用
移載プレートと後輪用移載プレートが搭乗エリアに戻っ
てくるまで搭乗完了直前位置で搭乗待機する。この時、
搭乗エリアに設けられた一時停止ストッパーは、後続す
るハイブリッド搬送台車の車底に設けられているトウピ
ンなどを係止して搭乗完了位置への送り込みを一時的に
停止する。

【００１６】（４）その後、先行するハイブリッド搬送
台車は、下乗エリア、若しくは、搬出ラインに設けられ
ている下乗搬出手段によって搬出ラインに送り出され、
他方、搭乗待機しているハイブリッド搬送台車は、前輪
用移載プレートと後輪用移載プレートが搭乗エリアに戻
ってきた時、搭乗エリアの搭乗完了直前位置から搭乗完
了位置へわずかに移動して、前輪用移載プレートと後輪
用移載プレートに搭載される。すなわち、一時停止スト
ッパーとの係止が解除され、搬送スキッドが昇降式搬入
ローラによって再び移動することによって、ハイブリッ
ド搬送台車は、搭乗完了位置に送り込むことができる。

【００１７】（５）そして、後続するハイブリッド搬送
台車は、上記（２）と同様に、前輪用移載プレートと後
輪用移載プレートがトラバースラインの搭乗エリアから
下乗エリアに移動することによって移送される。この
時、昇降式搬入ローラと昇降式搭乗ローラは、作動位置
から下降して搬送スキッドから離れる。

【００１８】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例であ
るハイブリッド搬送台車用クイックトラバース機構を説
明する。ここで、図１は、本発明の一実施例であるハイ
ブリッド搬送台車用クイックトラバース機構を示す平面
図であり、図２は、図１の側面図であり、図３は、昇降
式搬入ローラの側面図であり、図４は、昇降式搭乗ロー
ラの側面図であり、図５は、一時停止ストッパーの側面
図であり、図６は、本実施例のハイブリッド搬送台車用
クイックトラバース機構に床板を跨設した状態の平面図
であり、図７は、本実施例のハイブリッド搬送台車用ク
イックトラバース機構における移載サイクルを示した図
である。

【００１９】まず、図１に示すように、本実施例のハイ
ブリッド搬送台車用クイックトラバース機構は、左右一
対の搬送スキッドＡ１と前後左右の走行車輪Ａ２を備え
たハイブリッド搬送台車Ａ３に適用するものであって、
自動車の組立工程、塗装工程等において自動車ボディー
からなるワークＷを搭載したハイブリッド搬送台車Ａ３
を、搭乗エリア１ａと下乗エリア１ｂを有するトラバー
スライン１を介して搬入ライン２から搬出ライン３へ移
載制御するためのものであり、その具体的な機構を以下
に詳説する。

【００２０】そこで、ハイブリッド搬送台車Ａ３を搬入
ライン２からトラバースライン１の搭乗エリア１ａに送
り込むための昇降式搬入ローラ４が搬入ライン２の終端
部に設けられ、搬入時に搬入ラインの作動位置に上昇し
てハイブリッド搬送台車Ａ３の搬送スキッドＡ１を摺動
するようになっており、図３に示すように、この昇降式
搬入ローラ４の具体的な装置構造は、搬送スキッドＡ１
に当接して摩擦駆動するポリウレタン製ローラ４ａと搬
送スキッドＡ１に対してポリウレタン製ローラ４ａの外
周面が近接離間自在となるように搬入ラインの機枠４ｂ
に取り付けられた浮動支持枠４ｃとポリウレタン製ロー
ラ４ａの外周面を搬送スキッドＡ１に押し付けるように
浮動支持枠４ｃを付勢する付勢手段４ｄとを備えてい
る。

【００２１】つぎに、図１および図２に示すように、ト
ラバースライン１の搭乗エリア１ａと下乗エリア１ｂと
の間には、一対のトラバース用移送レール５ａが敷設さ
れ、この一対のトラバース用移送レール５ａには、ハイ
ブリッド搬送台車Ａ３の走行車輪Ａ２を搭載して下乗エ
リア１ｂに移送するための前輪用移載プレート６ａと後
輪用移載プレート６ｂが往復動自在に設けられている。
そして、前記前輪用移載プレート６ａと後輪用移載プレ
ート６ｂは、一対のトラバース用移送レール５ａに沿っ
てそれぞれ巻回配置された正逆転自在の駆動ベルト５ｂ
によって駆動されるとともに、ユニバーサルジョイント
からなる連杆部材５ｃを介して同期連動するようになっ
ている。

【００２２】また、前記トラバースライン１の搭乗エリ
ア１ａには、搬入ライン２から送り込まれたハイブリッ
ド搬送台車Ａ３を誘導案内するためのフリーローラから
なる昇降式搭乗ローラ７と搭乗用案内レール８と設けら
れているとともに、ハイブリッド搬送台車Ａ３を搭乗完
了直前位置で搭乗待機させるための一時停止ストッパー
９が設けられている。

【００２３】そして、前記昇降式搭乗ローラ７は、搬入
時に搭乗エリア１ａの作動位置に上昇してハイブリッド
搬送台車Ａ３の搬送スキッドＡ１を誘導案内するように
なっており、図４に示すように、その具体的な装置構造
は、搬送スキッドＡ１に当接して従動するポリウレタン
製フリーローラ７ａと搬送スキッドＡ１に対してポリウ
レタン製フリーローラ７ａの外周面が近接離間自在とな
るように搭乗エリア１ａの機枠に取り付けられたエア式
ベローズ７ｂとを備えている。

【００２４】また、前記搭乗用案内レール８は、図１に
示すように、ハイブリッド搬送台車Ａ３の走行車輪Ａ２
を誘導案内するようになっている。

【００２５】また、前記一時停止ストッパー９は、前記
前輪用移載プレート６ａと後輪用移載プレート６ｂが搭
乗エリア１ａに戻ってくるまでハイブリッド搬送台車Ａ
３の車底に設けられているトウピンＡ４などを係止して
搭乗完了直前位置で搭乗待機させるようになっており、
図５に示すように、この具体的装置構造は、図示しない
トラバース制御系の制御指令に基づいて作動するエア圧
式回動レバー９ａとこのエア圧式回動レバー９ａの先端
に設けられたフリーローラからなる台車停止部材９ｂと
を備えている。

【００２６】さらに、前記トラバースライン１の下乗エ
リア１ｂには、搬出ライン３へ送り出すハイブリッド搬
送台車Ａ３を誘導案内するための下乗搬出手段の一部を
構成するフリーローラからなる昇降式下乗ローラ１０と
下乗用案内レール１１が設けられている。

【００２７】そして、前記昇降式下乗ローラ１０は、搬
出時に下乗エリア１ｂの作動位置に上昇してハイブリッ
ド搬送台車Ａ３の搬送スキッドＡ１を誘導案内するよう
になっており、この昇降式下乗ローラ１０の具体的な装
置構造は、図４に示したような昇降式搭乗ローラ７と同
様な装置構造を備えている。

【００２８】また、前記下乗用案内レール１１は、図１
に示すように、ハイブリッド搬送台車Ａ３の走行車輪Ａ
２を誘導案内するようになっている。

【００２９】また、ハイブリッド搬送台車Ａ３をトラバ
ースライン１の下乗エリア１ｂから搬出ライン３に送り
込むための下乗搬出手段の一部を構成する昇降式搬出ロ
ーラ１２が搬出ライン３の始端部に設けられており、こ
の昇降式搬出ローラ１２の具体的な装置構造としては、
図３に示したような昇降式搬入ローラ４と同様な装置構
造を備えており、搬出時に搬出ライン３の作動位置に上
昇してハイブリッド搬送台車Ａ３の搬送スキッドＡ１を
摺動するようになっている。

【００３０】ここで、前記昇降式搬入ローラ４、昇降式
搭乗ローラ７、一時停止ストッパー９、昇降式下乗ロー
ラ１０、昇降式搬出ローラ１２、前輪用移載プレート６
ａ、後輪用移載プレート６ｂなどの作動タイミングは、
少なくとも、先行するハイブリッド搬送台車Ａ３を搬出
ライン３に移載した前輪用移載プレート６ａと後輪用移
載プレート６ｂがトラバースライン１の搭乗エリア１ａ
に戻るまでの間に、次に後続する搬入ライン２のハイブ
リッド搬送台車Ａ３をトラバースライン１の搭乗完了直
前位置に送り込んで搭乗待機させるように作動するシー
ケンシャル制御プログラムによって、これらの昇降動
作、係脱動作、往復動作、回転駆動などが制御されてい
る。

【００３１】さらに、図６に示すように、前記一対のト
ラバース用移送レール５ａの間には、床板１３が着脱自
在に多数跨設されており、さらに、トラバースライン１
の搭乗エリア１ａに跨設されている床板１３には、昇降
式搭乗ローラ７と一時停止ストッパー９、昇降式下乗ロ
ーラ１０を出没させる開口部１３ａが設けられている。
この床板１３が、移載作業領域と搬送駆動制御領域とに
上下分画してフラットな作業床面を創出するとともに保
守メンテナンス時に簡便な給油、修理などができるよう
取り外し自在になっている。

【００３２】このようにして得られた、本発明の一実施
例であるハイブリッド搬送台車用クイックトラバース機
構は、図７の（ａ）から（ｇ）に示すように、先行する
ハイブリッド搬送台車Ａ３を搬出ライン３に移載した前
輪用移載プレート６ａと後輪用移載プレート６ｂがトラ
バースライン１の搭乗エリア１ａに戻るまでの間に、次
に後続する搬入ライン２のハイブリッド搬送台車Ａ３を
トラバースライン１の搭乗完了直前位置に送り込んで搭
乗待機させるクイックトラバース機能を発揮する。

【００３３】すなわち、先行するハイブリッド搬送台車
Ａ３は、搬入ライン２の終端部に設けられた昇降式搬入
ローラ４によってトラバースライン１の搭乗エリア１ａ
に送り込まれる［図７の（ａ）参照。］と同時に搭乗エ
リア１ａに設けられた昇降式搭乗ローラ７と搭乗用案内
レール８とに誘導案内されて、ハイブリッド搬送台車Ａ
３の走行車輪Ａ２が前輪用移載プレート６ａと後輪用移
載プレート６ｂに搭載される。この時、ハイブリッド搬
送台車Ａ３の搬送スキッドＡ１は昇降式搬入ローラ４と
昇降式搭乗ローラ７が作動位置に上昇することによって
摺動され、ハイブリッド搬送台車Ａ３の走行車輪Ａ２は
搭乗用案内レール８上を走行案内される［図７の（ｂ）
参照。］。

【００３４】次に、先行するハイブリッド搬送台車Ａ３
は、前輪用移載プレート６ａと後輪用移載プレート６ｂ
がトラバースライン１の搭乗エリア１ａから下乗エリア
１ｂに移動することによって移送される。この時、昇降
式搬入ローラ４と昇降式搭乗ローラ７は、作動位置から
下降して搬送スキッドＡ１から離れ、前輪用移載プレー
ト６ａと後輪用移載プレート６ｂは、連杆部材５ｃを介
して同期駆動されてトラバースライン１を併走する［図
７の（ｃ）参照。］。

【００３５】そして、先行するハイブリッド搬送台車Ａ
３が移送されている間に、次に後続するハイブリッド搬
送台車Ａ３は、先行するハイブリッド搬送台車Ａ３と同
様に、トラバースライン１の搭乗エリア１ａに送り込ま
れ、先行するハイブリッド搬送台車Ａ３を下乗エリア１
ｂで下乗させた前輪用移載プレート６ａと後輪用移載プ
レート６ｂが搭乗エリア１ａに戻ってくるまで搭乗完了
直前位置で搭乗待機する。この時、搭乗エリア１ａに設
けられた一時停止ストッパー９は、後続するハイブリッ
ド搬送台車Ａ３の車底に設けられているトウピンＡ４な
どを係止して搭乗完了位置への送り込みを一時的に停止
する［図７の（ｄ）参照。］。

【００３６】その後、先行するハイブリッド搬送台車
は、トラバースライン１の下乗エリアから昇降式下乗ロ
ーラ１０と昇降式搬出ローラ１２によって搬出ライン３
に送り出され［図７の（ｅ）参照。］、他方、搭乗待機
しているハイブリッド搬送台車Ａ３は、前輪用移載プレ
ート６ａと後輪用移載プレート６ｂが搭乗エリア１ａに
戻ってきた時［図７の（ｆ）参照。］、搭乗エリア１ａ
の搭乗完了直前位置から搭乗完了位置へわずかに移動し
て、前輪用移載プレート６ａと後輪用移載プレート６ｂ
に搭載される。すなわち、一時停止ストッパー９との係
止が解除され、搬送スキッドＡ１が昇降式搬入ローラ４
によって再び移動することによって、搭乗待機している
ハイブリッド搬送台車Ａ３を搭乗完了位置に送り込むこ
とができる［図７の（ｇ）参照。］。

【００３７】そして、後続するハイブリッド搬送台車Ａ
３は、図７の（ｂ）に示す作動状態と同様に、前輪用移
載プレート６ａと後輪用移載プレート６ｂがトラバース
ライン１の搭乗エリア１ａから下乗エリア１ｂに移動す
ることによって移送される。この時、昇降式搬入ローラ
４と昇降式搭乗ローラ７は、作動位置から下降して搬送
スキッドＡ１から離れる。

【００３８】以上のようにして、本実施例のハイブリッ
ド搬送台車用クイックトラバース機構は、一連の作動状
態を繰り返すことになる。

【００３９】さらに、具体的には、トラバースライン１
の移載距離を１０ｍ、移載速度を３０ｍ／分、返送速度
を５０ｍ／分とした場合、本実施例のハイブリッド搬送
台車用クイックトラバース機構が一台のハイブリッド搬
送台車を移載するための所要時間となるサイクルタイム
は、５８秒であり、図９に示した従来のようなハイブリ
ッド搬送台車Ａ３を搬入ラインの終端部で搭乗待機させ
る方式のトラバース機構が必要とするサイクルタイム７
１秒に比較すると短縮されている。すなわち、このよう
なサイクルタイムの時間短縮は、搭乗待機位置をトラバ
ースライン１の搭乗完了直前位置とすることができるト
ラバース機構を採用したことによって達成したものであ
る。

【００４０】また、本実施例のハイブリッド搬送台車用
クイックトラバース機構は、床板１３が移載作業領域と
搬送駆動制御領域とに上下分画するので、搬送駆動制御
領域内の電気系配線、油圧系配線、エア圧系配線などに
生じがちな断線等を防止できるとともにその保守メンテ
ナンス時に床板を適宜数除去して給油、修理などを簡便
に行うことができ、また、移載作業領域にフラットな作
業床面が創出されて安全性と作業性の向上を図ることが
できる。

【００４１】なお、本実施例のハイブリッド搬送台車用
クイックトラバース機構における下乗搬出手段として
は、上述したように、トラバースライン１の下乗エリア
１ｂに設けられた搬送スキッドＡ１を誘導案内するため
の昇降式下乗ローラ１０と走行車輪Ａ２を誘導案内する
ための下乗案内レール１１と、搬出ライン３の始端部に
設けられた搬送スキッドＡ１を搬出するための昇降式搬
出ローラ１２からなるローラ方式を採用したが、このロ
ーラ方式以外に、例えば、トラバースライン１の下乗エ
リア１ｂに設けられた出没自在のプッシャロッドを有す
るエアプッシャ装置（図示せず）によってハイブリッド
搬送台車Ａ３の後方部を押圧して搬出ライン３に押し出
すエアプッシャ方式、搬出ライン３に敷設されたプッシ
ャドッグ型コンベヤ（図示せず）によってハイブリッド
搬送台車Ａ３の車底のトウピンＡ４を引っ掛けて搬出ラ
イン３に引き出す方式などを採用することもできる。

【００４２】

【発明の効果】このようにして得られた本発明のハイブ
リッド搬送台車用クイックトラバース機構は、本発明に
特有のトラバース構造を有しているので、以下のような
効果を奏することができる。すなわち、本請求項１記載
のハイブリッド搬送台車用クイックトラバース機構は、
先行するハイブリッド搬送台車を搬出ラインに移載した
前輪用移載プレートと後輪用移載プレートがトラバース
ラインの搭乗エリアに戻るまでの間に、次に後続する搬
入ラインのハイブリッド搬送台車をトラバースラインの
搭乗完了直前位置に送り込んで搭乗待機させるクイック
トラバース機能を発揮するので、ハイブリッド搬送台車
を搬入ライン上に滞留することなく、搬入ラインと搬出
ラインとの間のトラバースに要するサイクルタイムを短
縮して移載処理効率を向上させることができる。

【００４３】そして、本請求項１記載のハイブリッド搬
送台車用クイックトラバース機構は、昇降式搬入ロー
ラ、昇降式搭乗ローラを備えたことによって、搬送スキ
ッドとの摺動を利用して相互のライン間を乗り継ぐため
の搬送力を確保することができるので、搭乗エリアへの
搬入時に、騒音の少ない円滑な搬送を達成することがで
きる。

【００４４】さらに、本請求項１記載のハイブリッド搬
送台車用クイックトラバース機構は、トラバースライン
の搭乗エリアに敷設された搭乗用案内レールを備えたこ
とによって、ハイブリッド搬送台車の走行車輪を搭乗エ
リアの搭乗完了位置へ円滑に誘導案内することができる
ので、搬入ラインからトラバースラインの搭乗エリアへ
の搬入を脱線することなく確実に行うことができる。

【００４５】また、本請求項２の発明であるハイブリッ
ド搬送台車用クイックトラバース機構は、一対のトラバ
ース用移送レールの間に床板が着脱自在に多数跨設され
ており、さらに、搭乗エリアに跨設されている床板に昇
降式搭乗ローラと一時停止ストッパーを出没させる開口
部が設けられていることによって、床板が移載作業領域
と搬送駆動制御領域とに上下分画するので、搬送駆動制
御領域内の駆動制御系配線に生じがちな断線等を防止で
きるとともにその保守メンテナンス時に床板を適宜数除
去して給油、修理などを簡便に行うことができ、また、
移載作業領域にフラットな作業床面が創出されて安全性
と作業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるハイブリッド搬送台
車用クイックトラバース機構の平面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】昇降式搬入ローラの側面図。

【図４】昇降式搭乗ローラの側面図。

【図５】一時停止ストッパーの側面図。

【図６】本実施例のハイブリッド搬送台車用クイック
トラバース機構に床板を跨設した状態の平面図。

【図７】本実施例のハイブリッド搬送台車用クイック
トラバース機構における移載サイクルを示した図。

【図８】従来のハイブリッド搬送台車用トラバース機
構の平面図。

【図９】従来のハイブリッド搬送台車用トラバース機
構における移載サイクルを示した図。

【符号の説明】

１・・・トラバースライン１ａ・・・搭乗エリア１ｂ・・・下乗エリア２・・・搬入ライン３・・・搬出ライン４・・・昇降式搬入ローラ４ａ・・・ポリウレタン製ローラ４ｂ・・・機枠４ｃ・・・浮動支持枠４ｄ・・・付勢手段５ａ・・・トラバース用移送レール５ｂ・・・駆動ベルト５ｃ・・・連杆部材（ユニバーサルジョイント）６ａ・・・前輪用移載プレート６ｂ・・・後輪用移載プレート７・・・昇降式搭乗ローラ７ａ・・・ポリウレタン製フリーローラ７ｂ・・・エア式ベローズ８・・・搭乗用案内用レール９・・・一時停止用ストッパー９ａ・・・エア圧式回動レバー９ｂ・・・台車停止部材１０・・・昇降式下乗ローラ１１・・・下乗用案内レール１２・・・昇降式搬出ローラ１３・・・床板１３ａ・・・開口部Ａ１・・・搬送スキッドＡ２・・・走行車輪Ａ３・・・ハイブリッド搬送台車Ａ４・・・トウピンＢ１・・・搬入レールＢ２・・・搬出レールＣ・・・移送用台板Ｄ・・・軌道板Ｗ・・・ワーク（自動車ボディ）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者高畑英生大阪府大阪市鶴見区鶴見４丁目17番96号株式会社椿本チエイン内 (72)発明者居石義史大阪府大阪市鶴見区鶴見４丁目17番96号株式会社椿本チエイン内 (72)発明者大沢学大阪府大阪市鶴見区鶴見４丁目17番96号株式会社椿本チエイン内 (72)発明者吉田雅彦大阪府大阪市鶴見区鶴見４丁目17番96号株式会社椿本チエイン内Ｆターム(参考） 3F044 AA01 AB11 AB23 AB37 CE02 CE04 CE08

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】左右一対の搬送スキッドと前後左右の走
行車輪を備えたハイブリッド搬送台車を、搭乗エリアと
下乗エリアを有するトラバースラインを介して搬入ライ
ンから搬出ラインへ移載制御するハイブリッド搬送台車
用クイックトラバース機構であって、前記搬入ラインの終端部に、前記搬送スキッドを前記搭
乗エリアに送り込む昇降式搬入ローラが設けられ、前記トラバースラインの搭乗エリアと下乗エリアとの間
に敷設された一対のトラバース用移送レールに、前記ハ
イブリッド搬送台車の走行車輪を搭載して下乗エリアに
移送する前輪用移載プレートと後輪用移載プレートが連
杆部材を介して往復動自在に設けられ、前記トラバースラインの搭乗エリアに、前記搬入ライン
から送り込まれた前記搬送スキッドを誘導案内する昇降
式搭乗ローラと、前記搬入ラインから送り込まれた前記
走行車輪を誘導案内する搭乗用案内レールと、前記前輪
用移載プレートと後輪用移載プレートが前記搭乗エリア
に戻ってくるまで前記ハイブリッド搬送台車を搭乗完了
直前位置で搭乗待機させる一時停止ストッパーとが設け
られ、前記トラバースラインの下乗エリア、若しくは、搬出ラ
インに、前記ハイブリッド搬送台車を下乗搬出するため
の下乗搬出手段が設けられていることを特徴とするハイ
ブリッド搬送台車用クイックトラバース機構。
【請求項２】前記一対のトラバース用移送レールの間
に、床板が着脱自在に多数跨設されており、さらに、前
記トラバースラインの搭乗エリアに跨設されている床板
には、前記昇降式搭乗ローラと前記一時停止ストッパー
を出没させる開口部が設けられていることを特徴とする
請求項１記載のハイブリッド搬送台車用クイックトラバ
ース機構。