JPH0669198A - 絶縁膜形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成方法

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JPH0669198A
JPH0669198A JP21782492A JP21782492A JPH0669198A JP H0669198 A JPH0669198 A JP H0669198A JP 21782492 A JP21782492 A JP 21782492A JP 21782492 A JP21782492 A JP 21782492A JP H0669198 A JPH0669198 A JP H0669198A
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Hisashi Fukuda
永 福田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁耐性に優れた絶縁膜を短い時間でかつ膜
厚制御を精確に行なって形成する。 【構成】 Si基板18を炉に入れ、これを酸素ガス中
で約100℃/秒の昇温速度で加熱し、1000〜12
00℃の温度T1に保持してSi酸化膜60を成膜す
る。次に、この温度T1に保持して、N2 Oガスに切り
換えてこのガス中でSi酸化膜形成済の基板に対して第
1回目の酸窒化処理を行なってSi酸化膜をSi酸窒化
膜62に変える。次に、この加熱温度を800〜950
℃の温度T2に下げて、第2回目の酸窒化処理を行なっ
て先のSi酸窒化膜とは膜が変わらないが、窒素の取り
込み量が多い、最終のSi酸窒化膜64を絶縁膜として
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、絶縁膜形成方法、特
に膜厚が薄く特性の優れた絶縁膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超LSIの発展、特にデバイスの微細化
は、薄くて熱的に安定な絶縁膜を形成出来るか否かに負
うところが大である。デバイスの信頼性および動作特性
は、絶縁膜の特性によって大きく左右される。この絶縁
膜としてシリコン熱酸化膜(SiO2 膜)がその安定性
によって依然として主要な材料であり、今後もその特性
の改善等が期待される。
【0003】この酸化膜の形成方法については、文献:
「徳山 たかしおよび橋本 哲一編者 MOS LSI
製造技術、日本マグロウヒル社、1985 p.65」
に開示されている。この発明の説明に先たち、この従来
の酸化膜形成技術につき簡単に説明する。
【0004】先ず、抵抗加熱炉(成膜炉または反応炉と
も言う)内の石英管内に清浄化したシリコン基板(Si
基板)を設置する。この石英管を800−1200℃の
範囲内の適当な温度に加熱する。この加熱下において、
石英管内に酸化性ガス、例えば酸素ガス(O2 ガス)ま
たは酸素と水素の混合ガスを流入させて、基板上に酸化
膜の成膜を行なう。
【0005】この従来方法であると、基板を800−1
200℃の範囲内の温度という高温状態にしておいて酸
化性ガスを用いた熱酸化処理によって酸化膜の成膜を行
なっているため、膜の成長速度が速い。このため、特に
10nm以下というような半導体薄膜を成長させたい場
合、膜厚の制御を精確に行なえず、従って、酸化膜を再
現性良く形成するのが困難であった。
【0006】そこで、このような薄膜を再現性良く形成
するためには、酸化温度を800℃以下に下げること、
酸素を不活性ガス例えばアルゴン(Ar)ガスや窒素
(N)ガスで希釈する等の工夫を行なって酸化速度を遅
くすることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな低温による酸化法では、酸化膜中に発生する応力の
ため、Si基板と酸化膜との界面の平坦性が損なわれ、
その結果、膜質が良くない。
【0008】また、希釈法による酸化を行なうと、高温
での長時間に亙る酸化過程に起因して、基板中の不純物
が酸化膜中に取り込まれてしまうため、膜質が良くな
く、従って、取り込まれた不純物が核となって絶縁破壊
が生じる恐れがあった。
【0009】また、上述の低温酸化法および希釈酸化法
のいずれの方法によって形成された酸化膜も、この酸化
膜とSi基板との境界面近傍には、多数のSi原子の不
対結合や、歪んだSi−O結合が存在する。このような
Si原子やO原子の不対結合や弱い結合が多数含まれて
いると、電子注入のストレスによってこれら結合が切断
されたり、或いは、電子注入によるインパクトイオン化
で生じた正孔がトラップされるなどにより絶縁破壊、従
って、リーク電流の増大およびまたは高電界ストレス耐
性の低下をもたらすという問題があった。
【0010】従って、この発明の目的は、膜厚の制御が
容易であり、しかも、より短い時間で絶縁膜を形成する
方法を提供することにある。
【0011】この発明の他の目的は、膜質が優れ、しか
も、絶縁耐性に優れた絶縁膜の形成方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明の絶縁膜形成方法によれば、シリコンの下
地上に酸化膜を形成した後、この酸化膜を酸窒化して酸
窒化膜としての絶縁膜を形成するに当たり、酸窒化処理
を、第1および第2酸窒化処理とに分け、第1酸窒化処
理を酸化膜の形成のときの下地の加熱温度と同一の第1
温度で行い、および第2酸窒化処理を酸窒化膜の膜厚が
増加しないとともに、形成途中の酸窒化膜への窒素元素
の導入を維持する第2温度で行うことを特徴とする。
【0013】この発明の実施に当たり、好ましくは、上
述した酸化膜を、窒素非含有の酸化性ガス雰囲気中で数
十オングストローム程度の膜厚に形成し、および、前述
の第1酸窒化処理を窒素含有の酸化性ガス雰囲気中で行
って、前述の酸化膜を50−100オングストロームの
範囲内のいずれかの値の膜厚の酸窒化膜に置換するのが
良い。
【0014】また、この発明の好適実施例によれば、前
述の窒素非含有の酸化性ガスを、酸素(O2 )ガスまた
はオゾン(O3 )ガスとするのが良い。
【0015】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前述の窒素含有の酸化性ガスを、一酸化窒素(N
O)ガス、一酸化二窒素(N2 O)および二酸化窒素
(NO2)ガスの群から選ばれた一種類のガス又は二種
類以上の混合ガスとするのが良い。
【0016】
【作用】このように、この発明の絶縁膜形成方法によれ
ば、酸化膜の形成後、この酸化膜形成のための処理温度
と同一の第1温度で第1酸窒化処理を行なって酸化膜を
酸窒化膜に変えている。このため、酸化膜の形成と酸窒
化膜の形成との間に処理温度を上下させることがないの
で、より効果的に絶縁膜中の不対結合や弱い結合の数を
減少させ、しかも、処理工程中に成膜しつつある酸窒化
膜中に侵入する水分量を抑えることが出来る。また、処
理時間全体の短縮化が可能となる。
【0017】また、この発明によれば、第1酸窒化処理
に続けて、この第1温度よりも低い第2温度で第2酸窒
化処理を行なう。この第2温度としては、酸窒化膜の膜
厚が第1酸窒化処理で形成されたときの膜厚からは増加
しない温度であって、しかも、形成しつつある酸窒化膜
への窒素原子の取り込みが停止せずに行なわれる温度で
行なう。従って、この第2酸窒化処理により、形成中の
酸窒化膜の膜厚を増加させることなく、この酸窒化膜へ
の窒素量を全体的に増加させることができるので、両極
性における高電界ストレス耐性を向上させることが出来
る。
【0018】また、上述した酸化膜を数十オングストロ
ーム程度の膜厚に形成し、および、酸化膜を50−10
0オングストロームの範囲内のいずれかの値の膜厚の酸
窒化膜に置換することにより、この酸窒化膜のデバイス
への適用が可能となる。
【0019】また、窒素非含有の酸化性ガスを、酸素
(O2 )ガスまたはオゾン(O3 )ガスとすることによ
り、シリコンの下地を効率良くしかも膜質を損なうこと
なく酸化させることが出来る。
【0020】また、窒素含有の酸化性ガスを、一酸化窒
素(NO)ガス、一酸化二窒素(N2 O)および二酸化
窒素(NO2 )ガスの群から選ばれた一種類のガス又は
二種類以上の混合ガスとすることにより、酸化膜を酸窒
化膜へと、効率良くしかも膜質を損なうことなく、変え
ることが出来るとともに、酸窒化膜への窒素の導入も効
率よく行なえる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
き説明する。なお、図は、この発明が理解出来る程度に
各構成成分の形状、配置および寸法を概略的に示してい
るにすぎない。また、以下説明する実施例は単なる好適
例にすぎず、従ってこの発明は以下説明する実施例のみ
に何ら限定されるものではないことを理解されたい。
【0022】先ず、この発明の絶縁膜形成方法を実施す
るために用いる絶縁膜形成装置について、図2および図
3を参照して簡単に説明する。
【0023】この装置の反応炉10は、ステンレス製の
本体10aおよび昇降部材10cと、石英製の蓋部材1
0bおよび下地(ここでは一例として基板18の)支持
体20とを具えている。
【0024】反応炉10内への基板18の出し入れは、
昇降装置22による昇降部材10cの昇降により行なわ
れる。本体10a、蓋部材10bおよび昇降部材10c
間には機密保持部材24、例えば、バイトンパッキンを
設けている。従って、反応炉10内の真空引きを行なっ
た際に、機密保持部材24を介して炉内の機密状態を保
持できるようになっている。
【0025】また、温度測定器26、例えば、オプチカ
ルパイロメータは凹部10aの基板近傍位置に取り付け
てあり、基板18の表面温度18を測定するために用い
る。加熱部16には、赤外線照射手段として赤外線ラン
プ16aを用い、これを支持部材16bにより支持して
設けてある。この赤外線ランプ16aには、例えば、タ
ングステンハロゲンランプを用いる。反応炉10の蓋部
材10bを赤外線透過材で形成してあるので、赤外線は
反応炉10内へと透過する。
【0026】このランプへのパワー供給装置のコントロ
ール部(図示せず)は、温度測定装置とクローズドルー
プを構成しているものとする。すなわち、温度測定装置
により測定された基板18の温度はランプパワーのコン
トロール部にフィードバックされ、基板温度が目標とす
る値に一定に保たれるようにランプパワーが制御される
ような構造となっている。
【0027】ガス供給管28は、反応炉10とガス供給
部14(図3)との間に設けられている。また、排気管
30には真空排気装置が接続されている。
【0028】次に、図3を参照して、この実施例のガス
供給系について説明する。この実施例において、ガス供
給部14を、窒素非含有の酸化性ガス源14a、窒素含
有の酸化性ガス源14b、不活性ガス源14cで構成し
てある。図3において、42はガス供給系、44はバル
ブ、46a〜46cは自動開閉バルブ、50はガス供給
部14から反応炉へ導入されるガス流量のモニタであ
る。バルブ44および46a〜46cを適当量開閉する
ことによって所望の流量のガスを反応炉内へと導入する
ことが出来る。
【0029】次に、この発明における絶縁膜形成方法の
具体的実施例につき説明する。
【0030】この発明では、シリコンの下地上に酸化膜
を形成する。然る後、この酸化膜を酸窒化処理を行なっ
て酸窒化膜としての絶縁膜を形成する。
【0031】このため、先ず、反応炉10内に膜形成の
下地となるSi基板、好ましくは、Si単結晶基板を導
入する。この基板は必要に応じて表面の清浄化処理を行
なったものとする。
【0032】次に、第1の絶縁膜を形成する。図1は、
絶縁膜形成にあたっての加熱処理およびガス制御サイク
ルを説明するための図であり、図の左の縦軸に処理温度
を℃の単位で取ってあり、また、右の縦軸に圧力をTo
rrの単位でとって示してある。そして、実線は温度プ
ロファイルを示しており、破線は反応炉内における各種
ガスの圧力を表す。
【0033】先ず、この酸窒化膜としての絶縁膜を形成
する前にSi基板18上に酸化膜、従って、この場合に
はシリコン酸化膜(SiO2 膜)60を成膜する(図4
の(A))。そのため、まず、反応炉10内を例えば、
10-3−10-5Torrの範囲内の適当な高真空度とな
るように排気する(図1にVIで示す期間)。
【0034】次に、バルブ44、46aを開き、反応炉
10内に窒素非含有の酸化性ガス、例えば、酸素
(O2 )ガスを導入する(図1にO2 で示す期間)。こ
の実施例では、炉内の圧力を大気圧(760Torr)
まで上昇させているが、100Torr程度までの適当
な圧力での減圧状態に維持しても良い。
【0035】次に、加熱部16によって基板18を加熱
し、Si基板18の表面にSi酸化膜を成膜する。この
場合、基板18の加熱は、基板表面の温度を温度測定手
段26で測定しながら、100−200℃/秒の範囲内
の適当な昇温速度、好ましくは、100℃/秒で行な
う。このような範囲内の昇温速度とするのは、酸窒化膜
の成長速度を一定にして膜質の向上を図るためである。
加熱第1温度すなわち加熱のピーク温度T1を、好まし
くは、1000−1200℃の範囲内の適当な温度とす
る。このような加熱温度および反応性ガスの雰囲気維持
時間(図1中にO1で示す期間)を適当に制御すること
によって数十オングストローム(A°)オーダ以上の任
意の厚さの酸化膜60を形成することが出来る。
【0036】次に、酸窒化処理を行なって、この酸化膜
60を窒化膜に変える。そのため、先ず、この発明では
酸窒化処理を、第1及び第2酸窒化処理とに分け、第1
酸窒化処理を酸化膜の形成のときの下地の加熱温度と同
一の第1温度T1で行い、続けて、第2酸窒化処理を、
酸窒化膜の膜厚が増加しないとともに、形成途中の酸窒
化膜への窒素原子の導入を維持する第2温度T2で行
う。
【0037】先ず、第1酸窒化処理を行なうに当たり、
一旦、O2 ガスを排気した(図1のV2で示す期間)
後、バルブ44および46bを開いて窒素含有の酸化性
ガス、例えば、N2 Oガスを反応炉10内へ導入する
(図1にN2 Oで示す時間期間の一部の期間)。この
時、基板の加熱温度、すなわち、処理温度を先の酸化膜
60を成膜したときの温度である第1温度T1に維持し
ておく。このように加熱処理温度を維持する(図1にO
N1で示す時間期間)ことにより、ガス導入後、直ち
に、酸窒化過程が始まり、その結果、Si酸化膜60が
Si酸窒化膜(オキシニトライド(oxynitrid
e)膜)62に置換される。ここでは、このSi酸窒化
膜をSi−O−N(x,yを組成比とすると、SiOx
Nyとも表せるが、x,yの値は定かではない。)膜と
表す。この場合にも、酸化膜形成のときと同様に、反応
炉10内の圧力を700−100Torrまでの適当な
減圧状態としてもよい。また、雰囲気維持時間(図1に
ON1で示す時間期間)を適当に設定しておくことによ
り、絶縁膜の膜厚増加量を数〜数十オングストロームと
することが出来る。なお、この酸窒化膜の膜厚を予め設
計段階で定めておけば、最初に成膜した酸化膜の膜厚に
応じて、この膜厚に適った雰囲気維持時間を設定すれば
良い。
【0038】次に、この第1酸窒化処理に続けて、第2
酸窒化処理を行なう。このため、反応炉10内には、N
2 Oガスを流入し続けるとともに、熱処理温度すなわち
基板18の加熱温度を第2温度T2へ下げてその温度に
維持する。この第2加熱温度T2として、成膜中の酸窒
化膜60の膜厚を増大せずに、この成膜中の酸窒化膜6
0への窒素原子の導入が停止しないような温度を設定す
る。この第2加熱温度T2を、好ましくは、例えば、8
00〜950℃の範囲内の適当な温度とするのが良い。
この場合、確実に成膜中のSi酸窒化膜中に窒素を充分
に導入(又は侵入とも言う。)するようにするために、
適当な時間期間だけこの温度に維持する。図1にこの時
間期間をON2で示してある。この時間期間経過後に充
分な量の窒素原子が導入されている最終の酸窒化膜64
が得られる(図4の(C))。
【0039】最後に、炉内の真空排気を行ない(図1に
V3で示す時間期間)、続いてバルブ44および46c
を開いて不活性ガス、例えば窒素ガスを反応炉10内に
導入しながら(図1にN2 で示す時間期間)、基板18
を室温まで冷却する。以上により、この発明の実施例で
得ようとしている絶縁膜としての酸窒化膜の成膜工程を
終了する。
【0040】上述したこの発明の方法により成膜した絶
縁膜はSi酸窒化膜であるが、この酸窒化膜において
は、これらの結合部分に窒素原子(N)が侵入又は置換
しているため、Si(シリコン)とN(窒素)との結合
の安定性によって絶縁耐性が向上する。また、酸窒化膜
は酸化膜に比べて、緻密な構造をしており、従って、不
純物拡散に対する抑制効果を持っている。さらに、窒素
の導入による誘電率の向上が期待出来るとともに、Si
−O−N膜/Si基板の界面のバリアハイトの低下も期
待出来る。
【0041】さらに、この発明の絶縁膜形成方法におい
ては、加熱処理温度を反応停止温度にまで低下せずに反
応性ガスの導入/置換を繰り返すので、従来のような反
応炉内へのガス導入サイクル毎に処理温度を上下する場
合に比べて、より効果的に絶縁膜中の不対結合や弱い結
合の数を減少させることが出来ると共に、処理温度を上
下させることにより発生する結露に起因して生ずる水分
が膜中に取り込まれることもない。また、酸窒化膜形成
に要する処理時間全体の短縮化を図ることが出来る。
【0042】次に、この発明の方法に従って形成した酸
窒化膜の窒素の分布を測定した。
【0043】図5は、酸窒化膜中での窒素分布曲線図で
ある。この分布は、二次イオン質量分析法(SIMS)
で測定した結果である。この図の縦軸は窒素(N)の濃
度分布(単位:原子/cm2 )であり、横軸は酸窒化膜
の表面から基板面側への深さ(単位:nm)をとって示
してある。第1酸窒化処理によって酸窒化膜を膜厚10
nmに形成する点までは同一の条件で形成下2つの酸窒
化膜に対して、その後に、この発明の第2酸窒化処理を
行なって酸窒化膜を得たこの発明の場合(曲線Iで示
す。)と、この第2酸窒化処理を行なわずして酸窒化膜
を得たこの発明とは異なる場合(曲線IIで示す。)と
につき、測定を行なった。なお、第2加熱温度T2を9
50℃とし、ON2の時間期間を60秒とした。このO
N2の時間期間は、種々の条件によって異なるが、この
実施例の場合には、好ましくは、最大でも200秒程度
とするのが良い。
【0044】この測定結果からも理解出来るように、第
2酸窒化処理を行なわない酸窒化膜の(曲線II)場合
には、窒素はSiとの界面近傍に速やかに偏析し、この
界面構造を強化している。従って、第1酸窒化処理によ
ってSi側での絶縁耐性は充分に確保できることは理解
出来るが、表面側での窒素濃度は1018原子/cm2
ーダの濃度であり、不十分である。
【0045】図6は、この発明に従って形成した酸窒化
膜を用いてMOSキャパシタを構成した例を説明するた
めの図である。この構成ではSi基板70上にSi酸窒
化膜72を形成した後、この上にゲート電極74をパタ
ーニングして設けた構造である。この場合、第2酸窒化
処理の後にはこのゲート電極74と酸窒化膜72との界
面での窒素濃度が高まるので、ゲート電極側の界面も強
化される。従って、ゲート電極74を負極性にとった高
電界ストレス(ゲートからの電子注入)に対する耐性も
向上する。
【0046】実際に形成したMOSキャパシタについて
その電気的特性を測定したところ図7および図8図に示
すような結果を得た。この場合のキャパシタを、面積:
2×10-4cm2 とした。
【0047】図7はリーク電流特性を示し、縦軸にSi
基板とゲート電極間に流れるリーク電流(単位:アンペ
ア)を取り、また、横軸にSi基板とゲート電極間の電
界強度(単位:MV/cm)をとって示してある。この
測定では、Si酸化膜(破線曲線I1 )、第1酸窒化処
理まで行なって得られたSi酸窒化膜(曲線I2 )、第
2酸窒化処理を30秒間行なって得たSi酸窒化膜(曲
線I3 )および第2酸窒化処理を60秒間行なって得た
Si酸窒化膜(曲線I4 )のそれぞれにつき測定した。
この測定は、被測定膜の膜厚をいずれも6nmとし、n
+ −ポリSiゲート74から−100mA/cm2 の電
流密度で5C/cm2 の電子注入を行なった結果を第2
酸窒化処理時間をパラメータとして示したものである。
また、このときの第2温度T2を950℃とした。この
結果からも理解出来るように、第2酸窒化処理時間を6
0秒とした場合(曲線I4 )のリーク電流の発生は、酸
化膜の場合(曲線I1 )およびこの処理時間を0秒とし
た場合(曲線I2 )に比べて、大幅に抑制されているこ
とが判る。なお、デバイスの作製上の観点から、この電
界強度は、8−10MV/cm2 の範囲内の値とするの
が好適であるが、この点からも、この発明に従って作製
した絶縁膜は、リーク電流が抑制されるので、有利であ
るといえる。
【0048】また、図8は、図6に示した構造のMOS
キャパシタについて絶縁破壊電荷量(Qbd)を測定し
た結果を示す特性曲線図である。この測定は、被測定膜
の膜厚を6nmとし、電流注入密度を−100mA/c
2 として測定した。図8の縦軸には絶縁破壊電荷量
(Qbd)(単位:C/cm2 )を取り、また、横軸に
は酸窒化処理時間(ON2)(単位:秒)をとって示し
てある。図中、Si酸化膜をII1 とし、第2酸窒化処
理時間を0秒とした酸窒化膜をII2 とし、第2酸窒化
処理時間を30秒とした酸窒化膜をII3 としおよび第
2酸窒化処理時間を60秒とした酸窒化膜をII4 とし
て結果を示してある。この結果からも理解出来るよう
に、Qbdは第2酸窒化処理時間(ON2)に応じて増
加関数となっている。すなわち、第2酸窒化処理を行な
うことで、酸窒化膜の、ゲート電極からの電子注入に対
する絶縁耐性が向上することが判る。
【0049】さらに、ここでは実験結果を示していない
が、第2酸窒化処理により酸窒化膜中にトラップされる
電荷量が減少することも判っている。
【0050】上述した実験結果からも理解出来るよう
に、この発明に従って形成した、絶縁膜としての酸窒化
膜を例えばEEPROMのトンネル酸化膜として用いた
場合には、エンジュランス(endurance)特性
およびリテンション(retention)特性ともに
向上することが期待される。
【0051】この発明は、上述した実施例にのみ限定さ
れるものではなく、多くの変形または変更を行ない得る
こと明らかである。例えば、上述した実施例では窒素非
含有の酸化性ガスとして酸素(O2 )ガスを使用した
が、オゾン(O3 )ガスとすることも出来る。また、窒
素含有の酸化性ガスとして、一酸化二窒素(N2 O)を
使用した例につき説明したが、一酸化窒素(NO)ガス
または二酸化窒素(NO2 )ガスを使用してもよく、或
いは、一酸化二窒素(N2 O)、一酸化窒素(NO)ガ
スおよび二酸化窒素(NO2 )ガスの群から選ばれた二
種類以上の混合ガスを使用しても良い。
【0052】また、上述した実施例では、シリコンの下
地として好ましくはSi単結晶基板を用いるのが良い
が、場合によってはSi多結晶基板を用いることも出来
る。
【0053】
【発明の効果】上述したこの発明の絶縁膜形成方法によ
れば、最初に形成した酸化膜と同一の温度で第1回目の
酸窒化処理を行なってこの酸化膜を酸窒化膜に変える。
このため、反応炉内へのガス導入サイクル毎に処理温度
を上下させる、従来方法によって形成した絶縁膜に比べ
て、この発明に従って形成した絶縁膜の方がより効果的
に絶縁膜中の不対結合や弱い結合の数を減少させること
が出来るとともに、成膜しつつある膜中に侵入する水分
量を抑えることが出来る。また、絶縁膜を成膜する全体
の処理時間も従来よりも短縮することができる。
【0054】さらに、第1回目の酸窒化処理により得ら
れた膜の膜厚を変えない温度であって、しかも、この膜
中への窒素の取り込み量を全体的に増加させる温度で、
第2回目の酸窒化処理を行なうので、予め設計した膜厚
の絶縁膜であるが、窒素を多く含んだ絶縁膜を形成する
ことができ、従って、この絶縁膜の、両極性における高
電界ストレス耐性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の絶縁膜形成方法の説明に供する処理
温度および圧力のサイクル図である。
【図2】この発明の絶縁膜形成方法を実施する装置の反
応炉の概略的構成を主として示す図である。
【図3】この発明の絶縁膜形成方法を実施する装置のガ
ス供給系の概略的構成を主として示す図である。
【図4】(A)〜(C)は、この発明の絶縁膜形成方法
の説明に供する形成工程図である。
【図5】この発明の絶縁膜形成方法の説明に供する酸窒
化膜中での窒素分布を示す曲線図である
【図6】この発明の絶縁膜形成方法に従って形成した絶
縁膜を用いて形成したMOSキャパシタの構造を示す図
である。
【図7】図6の構造のMOSキャパシタに組み込む各種
の絶縁膜に応じたリーク電流特性の説明に供する測定図
である。
【図8】図6の構造のMOSキャパシタに組み込む各種
の絶縁膜に応じた絶縁破壊電荷量の説明に供する測定図
である。
【符号の説明】
18,70:Si基板、 60,72:S
i酸化膜 62:Si酸窒化膜、 64,74:最
終のSi酸窒化膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンの下地上に酸化膜を形成した
    後、該酸化膜を酸窒化して酸窒化膜としての絶縁膜を形
    成するに当たり、 酸窒化処理を、第1および第2酸窒化処理とに分け、 該第1酸窒化処理を酸化膜の形成のときの下地の加熱温
    度と同一の第1温度で行い、および前記第2酸窒化処理
    を酸窒化膜の膜厚が増加しないとともに、形成途中の酸
    窒化膜への窒素元素の導入を維持する第2温度で行うこ
    とを特徴とする絶縁膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の絶縁膜形成方法におい
    て、 前記酸化膜を、窒素非含有の酸化性ガス雰囲気中で数十
    オングストローム程度の膜厚に形成し、および前記第1
    酸窒化処理を窒素含有の酸化性ガス雰囲気中で行って、
    前記酸化膜を50−100オングストロームの範囲内の
    いずれかの値の膜厚の酸窒化膜に置換することを特徴と
    する絶縁膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の絶縁膜形成方法におい
    て、 前記窒素非含有の酸化性ガスを、酸素(O2 )ガスまた
    はオゾン(O3 )ガスとすることを特徴とする絶縁膜形
    成方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の絶縁膜形成方法におい
    て、 前記窒素含有の酸化性ガスを、一酸化窒素(NO)ガ
    ス、一酸化二窒素(N2O)および二酸化窒素(N
    2 )ガスの群から選ばれた一種類のガス又は二種類以
    上の混合ガスとすることを特徴とする絶縁膜形成方法。
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