JP3041078B2 - 絶縁膜形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成方法

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JP3041078B2
JP3041078B2 JP3111963A JP11196391A JP3041078B2 JP 3041078 B2 JP3041078 B2 JP 3041078B2 JP 3111963 A JP3111963 A JP 3111963A JP 11196391 A JP11196391 A JP 11196391A JP 3041078 B2 JP3041078 B2 JP 3041078B2
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安田  真
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、絶縁膜形成方法、特
に膜厚が薄くかつ特性の優れた絶縁膜の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超LSIの発展、特にデバイスの微細化
は、薄くかつ熱的に安定な絶縁膜の形成技術の進歩に負
うところが大きい。デバイスの信頼性及び動作能力は、
この絶縁膜の機械的、電気的及び物理的な特性によって
大きく左右される。
【0003】絶縁膜としてはシリコン酸化膜(Si
2 )がその安定性によって依然として主要な材料であ
る。代表的な超LSIであるダイナミック・ランダム・
アクセス・メモリ(DRAM)では、微細化にともな
い、ゲート絶縁膜やメモリセルキャパシタ絶縁膜として
の酸化膜の膜厚も着実に減少し続けている。また、不揮
発性メモリ、例えば、薄い酸化膜のファウラー・ノルド
ハイム(Fowler−Nordheim)トンネル電
流を利用したEEPROMの酸化膜は、薄く、かつ、高
品質であることが望まれる。
【0004】しかし、これらの酸化膜には、場合によっ
てはMV/cmオーダの高電界が印加されるため、高電
界ストレスやホットエレクトロンなどによるデバイスの
劣化が問題となる。
【0005】また、ゲート絶縁膜が薄くなると、ゲート
不純物拡散の促進や膜厚制御が難しくなるという問題が
生じる。
【0006】将来的にゲート長の加工幅がハーフミクロ
ン程度にまで微細化すると、これに対応して絶縁膜も1
0nm程度という極めて薄い膜厚を有することが予想さ
れ、従って、上述した問題が更に深刻になるおそれがあ
る。このように、酸化膜の薄膜化は限界に近づいている
といえる。
【0007】ところで、文献:「次世代超LSIプロセ
ス技術〜応用編〜,広瀬 全孝編,リアライズ社,19
88,第75頁」に、このような酸化膜の限界を克服す
るには、一般に、酸化膜をアンモニア(NH3 )雰囲気
中で加熱して得た窒化酸化膜が有効であることが開示さ
れている。この方法を絶縁膜形成に適用すると、酸化膜
よりも緻密な構造の絶縁膜が得られるため、高ストレス
耐性や、膜中への不純物拡散の抑制効果といった膜質の
改善効果が見られる。また、窒化酸化膜の誘電率は酸化
膜の誘電率よりも大きいので、膜にかかる実効的な電界
強度も緩和されるなど、超LSIデバイスへの応用が期
待されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
酸化膜は、膜中にSi原子やO原子の不対結合や弱い結
合を多数含んでいるため、電子注入のストレスによっ
て、これら結合が切断されてしまったり、あるいは、電
子注入によるインパクトイオン化で生じた正孔がトラッ
プされることなどが絶縁破壊をもたらす。また、アンモ
ニア(NH3 )を用いて窒化を行うと、窒素(N)と共
に、多量の水素(H)が酸化膜中に侵入し、そのため、
この窒素や水素が反応副生成物としての−NH、−O
H、−Hなどの化学種を形成してしまう。従って、これ
らの化学種が電子トラップの核となって、例えば、MO
S型電界効果トランジスタ(MOSFET)におけるし
きい値電圧の変動や耐圧の劣化を引き起こすことがしば
しば問題となっていた。
【0009】この発明の目的は、上述した従来の問題点
にかんがみ、絶縁破壊耐性の高い絶縁膜の形成方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明によれば、下地としての、酸化シリコン膜
から成る第1絶縁膜を、窒素含有酸化性ガス中で熱処理
を行って第2絶縁膜に置換する工程と、この第2絶縁膜
形成により得られた構造体を不活性ガス中で熱処理する
工程とを含むことを特徴とする。
【0011】この発明の好適実施例によれば、窒素含有
酸化性ガスを一酸化窒素、一酸化二窒素および二酸化窒
素のガス群から選ばれた一種または二種以上のガスとす
るのが良い。
【0012】また、この発明の他の好適実施例によれ
ば、第2絶縁膜の膜厚を最大でも10nmとするのが良
い。
【0013】
【作用】このように構成すると、まず、窒素含有酸化性
ガス中で熱処理によって、第1絶縁膜としての酸化シリ
コン膜を第2絶縁膜としての酸窒化膜に変える。この酸
窒化膜では、膜中の結合部分に窒素原子が侵入し、また
は、その結合部分が窒素原子で置換されるので、不対結
合、弱い結合の数が減少し、その結果、絶縁耐性の向上
が図れる。しかし、シリコン(Si)と酸窒化膜との界
面近傍には、依然として、窒素原子がパイルアップして
窒素密度の高い領域が存在するので、この第2絶縁膜の
形成後に、この第2絶縁膜を備えた構造体に対して不活
性ガス中で熱処理を行うと、前述したシリコンと酸窒化
膜との界面付近での領域で原子の再配列が起こる。その
結果、その領域における圧縮ストレスが緩和される。よ
って、界面準位の生成が抑制される。従って、不活性ガ
ス中での熱処理後に得られた、第2絶縁膜からなる絶縁
膜は、この熱処理前の絶縁膜よりも更に絶縁耐性が向上
する。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
つき説明する。
【0015】尚、図面は発明が理解出来る程度に、各構
成成分の寸法、形状および配設位置を概略的に示してい
るにすぎない。また、以下の説明では、特定の材料およ
び特定の数値的条件を挙げて説明するが、これら材料お
よび条件は単なる好適例にすぎず、従ってこれらに何ら
限定されるものではない。
【0016】先ず、この発明の方法の説明に入る前に、
この発明を実施するための装置につき説明する。
【0017】<この発明の実施のために使用して好適な
酸化膜形成装置の構造の実施例の説明>図2はこの発明
の方法を実施するための酸化膜形成装置の主要部(主と
して反応炉および加熱部の構成)を概略的に示す断面図
である。尚、図2では反応炉内に基板を設置した状態を
示す。
【0018】図2にも示すように、この酸化膜形成装置
は、基板が設置される反応炉10と、反応炉10内の真
空排気を行なうための排気手段(図示せず)と、ガス供
給部(図示せず)と、加熱処理を行なうための加熱部1
6とを備えて成る。以下、この装置の構造の実施例につ
き説明する。
【0019】図2にも示すようにこの実施例では、反応
炉(チャンバー)10を例えば本体10a、蓋部材10
bおよび昇降部材10cから構成する。本体10aおよ
び昇降部材10cの形成材料としては、例えばステンレ
スを、また蓋部材10bおよび後述の支持体20の形成
材料としては、例えば石英を用いる。
【0020】本体10aおよび昇降部材10cは分離可
能に一体となって凹部aを形成するものであり、昇降部
材10cの凹部aの側に基板18を載せるための支持体
20を設けて昇降部材10cの昇降によって支持体20
にのせられた基板18を反応炉10内へ入れ或は反応炉
10外へ取り出せるようにする。図示例では昇降部材1
0cを例えば機械的に昇降させるための昇降装置22と
連結させている。
【0021】また蓋部材10bを着脱自在に本体10a
に取り付ける。本体10aと蓋部材10bおよび昇降部
材10cとの間には気密保持部材24例えばバイトンパ
ッキンが設けられている。従って反応炉10内の真空引
きを行なった際に気密保持部材24を介し、反応炉10
内の気密状態を形成することができる。
【0022】また凹部aの基板近傍位置に基板18の表
面温度を測定するための温度測定手段26例えばオプテ
ィカルパイロメータを設ける。
【0023】さらにこの実施例では加熱部16を任意好
適な構成の赤外線照射手段、例えば赤外線ランプ16a
とこの手段16aを支持するための支持部材16bとを
以って構成する。赤外線ランプ16aとしては基板18
を効率良く加熱できる波長域の光を発するランプとする
のが良く、基板材料に応じた任意好適なランプで構成す
る。この実施例では、タングステンハロゲンランプその
他の任意好適なランプを用いる。好ましくは、複数個の
赤外線ランプ16aを反応炉10内の加熱を均一に行な
えるように配置する。
【0024】通常、赤外線ランプ16aは、反応炉10
外に配置する。この際、反応炉10の一部を赤外線を透
過する材料を以って構成し、赤外線を反応炉10外から
反応炉10内に透過させるようにする。既に説明したよう
に、この実施例では、蓋部材10bを石英で構成してあ
るので、赤外線を透過させることができる。
【0025】加熱部16の構成および配設位置は後述す
る加熱処理を行なえる任意好適な構成および配設位置と
して良く、例えば加熱部16をヒーターを以って構成
し、このヒーターを反応炉10内に設けるようにしても
良い。
【0026】支持部材16bの配設位置をこれに限定す
るものではないが、図示例では支持部材16bを支持部
材16bと本体10aとの間に蓋部材10bおよび本体
10aの当接部を閉じ込めるように、本体10aに着脱
自在に取り付け、さらに支持部材16bと本体10との
間に気密保持部材24を設ける。このように支持部材1
6bを設けることによって反応炉10内の真空気密性の
向上が図れる。
【0027】尚、図2において符号28は反応炉10お
よびガス供給部の間に設けたガス供給管、また30は反
応炉10および排気手段の間に設けた排気管を示す。
【0028】次に、この発明の絶縁膜の形成方法の実施
例につき、図1、図2及び図3を参照しながら説明す
る。
【0029】図1は、この発明の実施例の説明に供す
る、熱処理工程の、熱サイクルを説明するための図であ
る。同図において、横軸に処理時間を取り、縦軸に温度
を取って示してある。図3は、この熱サイクルで成膜工
程の説明図で、各工程段階で得られる構造体の断面図で
示してある。
【0030】この発明では、下地18としての、酸化シ
リコン膜から成る第1絶縁膜100上に、窒素含有酸化
性ガス中で熱処理を行って第2絶縁膜200を形成す
る。
【0031】そのため、第1絶縁膜100の形成工程に
つき、まず、説明する。反応炉10内に基板18を設置
した後、この反応炉10内を、例えば、10-3〜10-5
トール(Torr)の範囲内の適当な真空度にまで排気
する(図1のS1)。次に窒素を含まない(すなわち窒
素非含有)酸化性ガス雰囲気中で、加熱処理を行って、
シリコン(Si)基板18上に、第1絶縁膜となるシリ
コン(Si)酸化膜100を形成する。そのため、この
窒素非含有酸化性ガスとして、例えば、酸素(O2 )ガ
スを反応炉10内に導入する(図1のS2)。この時、
反応炉内の圧力は、例えば常圧(760Torr)とす
る。
【0032】次に、加熱部16を用いて、基板18を加
熱して基板表面にSi酸化膜100を形成する。基板1
8の加熱は、基板表面温度を温度測定手段26で測定し
ながら一定の昇温速度、例えば、100℃/秒で行う。
これは、酸化膜の成長速度を一定にして、膜質の向上を
図るためである。この加熱のピーク温度Tを、例えば、
1000℃〜1200℃の範囲内の適当な温度として、
適当な一定の酸化時間だけ保持する(図1にIで示
す。)。この第1酸化膜としてのSi酸化膜100の膜
厚を、上述した酸化時間とピーク温度とを制御すること
によって、数10オングストローム(A°)以上とする
ことができる。このようにして得られた構造体を図3の
(A)に示す。この第1絶縁膜の形成後、一旦、基板1
8を酸化が進行しない温度まで冷却する。
【0033】次に、このようにして成膜された、酸化シ
リコン膜から成る第1絶縁膜100上に、窒素含有酸化
性ガス中で熱処理を行って第2絶縁膜200として酸窒
化膜を形成する(図3の(B))。この成膜は、第1絶
縁膜100の電気的絶縁破壊耐性の向上を図るために形
成する。
【0034】ここで、この第2絶縁膜の形成につき説明
する。反応炉10内の基板温度が酸化が進行しない温度
となっている状態で、再び、反応炉10内を、例えば、
10-3〜10-5Torrの高真空に排気する(図1の処
理S3)。そして、この実施例では、窒素含有酸化性ガ
スとして、例えば、一酸化二窒素(N2 O)ガスを反応
炉10中に導入する(図1の処理S4)。この時の炉内
の圧力を例えば常圧とする。
【0035】次に、加熱部16を用いた加熱処理によっ
て、Si酸化膜100が酸窒化膜200に置換される。
この場合の加熱処理は、すでに説明した、第1絶縁膜の
形成の条件と同様な条件で行うのが好適である。この場
合の加熱時間(酸窒化時間)を図中IIで示してある。
もちろん、この第2絶縁膜の、昇温速度、ピーク温度
(加熱温度)、酸窒化時間等といった、成膜条件を第1
絶縁膜の場合の成膜条件と一部分または全部変えても良
い。この場合にも、加熱温度及び時間を適当に制御する
ことによって第2酸化膜としての酸窒化膜の膜厚を数A
°〜数十A°とすることができる。この実施例では、こ
の酸窒化膜はSiOxNy(但し、x≧0、及びy≧
0)である。この第2絶縁膜の形成後、一旦、基板18
を酸窒化が進行しない温度まで冷却する。
【0036】次に、第2絶縁膜200が形成されて得ら
れた構造体(図3の(B))を不活性ガス中で熱処理す
る。そのため、まず、反応炉10内を、再度、10-3
10-5Torr程度の高真空に排気する(図1の処理S
5)。続いて、不活性ガス例えばアルゴン(Ar)ガス
を反応炉10内に供給する(図1の処理S6)。この場
合にも、炉内の圧力を例えば常圧とする。
【0037】そして、この場合にも、加熱処理を行う
が、この加熱処理の条件は、第1及び第2絶縁膜の成膜
時の条件と同一条件とするのが好適である。この場合、
ピーク加熱温度の好適範囲を、例えば、900℃〜11
00℃とするのが良い。この不活性ガス雰囲気中での加
熱処理は、第2絶縁膜200の電気的絶縁破壊耐性を更
に向上させるために行うので、上述した温度範囲以外の
加熱温度であるとその効果を十分に期待できなくなる。
また、この場合の加熱時間を図中IIIで示してある。
この加熱時間は、加熱温度を1100℃とする場合に
は、膜厚等によって異なってくるが、数十秒程度とする
のが適当であると考えられる。
【0038】この処理によって、Si基板18上に、A
rガス雰囲気中での加熱処理済の酸窒化膜200からな
る、絶縁膜300が形成される(図3の(C))。この
絶縁膜300の膜厚は最大でも10nmとするのが良
い。この膜厚を越えると、工程の複雑性に照らして膜質
の向上性が期待できない。
【0039】上述した絶縁膜300が設計に応じた適当
な膜厚で形成された後、最終的に、基板18を室温まで
冷却することにより、この発明の実施例の絶縁膜形成工
程は終了する。
【0040】次に、この絶縁膜の特性を測定するため、
この絶縁膜上に多結晶シリコン(Si)のゲート電極4
00を設けて、MOSキャパシタを作成した(図3の
(C))。このゲート電極400は、公知のリソグラフ
ィ及びエッチング技術を用いて形成した。その時の注入
不純物をリン(P)とし、注入濃度を4×1020cm-3
とした。
【0041】このようにして作成したキャパシタにつ
き、絶縁破壊電荷(Qbd)の測定と電気的変動につい
て測定を行った。
【0042】Qbdの測定は、このキャパシタのゲート
電極側から一定の電流密度で電子を絶縁膜300が絶縁
破壊に至るまで注入して行った。なお、周知のとおり、
定電流の場合、Qbdは注入開始時から、絶縁破壊に至
るまでの時間と注入電流密度との積として定義される。
【0043】図4は、面積が0.002mm2 のキャパ
シタに、−100mA/cm2 の電流密度で電子を注入
した場合のQbd(絶縁破壊電荷)の測定結果を示す、
絶縁破壊電荷の説明図である。なお、測定に使用した各
絶縁膜の膜厚はすべて10nmである。同図において、
横軸は、破壊に至るまでの注入電荷密度(C/cm2
をとって示してある。図中、符号Aは、Si酸化膜の試
料の場合、BはNH3窒化酸化膜の試料の場合、CはS
i酸化膜のN2 O酸窒化膜の試料の場合、およびDは不
活性ガス中で熱処理済の、Si酸化膜のN2 O酸窒化膜
の試料の場合の実験データをそれぞれ示す。
【0044】図4から理解できるように、Si酸化膜の
2 O酸窒化膜系の絶縁膜(試料C及びD)が、Si酸
化膜(試料A)やNH3 酸窒化膜系の絶縁膜(試料B)
よりも絶縁耐性が優れていることがわかる。また、この
絶縁耐性は、不活性ガス中での熱処理により更に向上す
ることがわかる(試料D)。
【0045】次に、キャパシタの電気的変動の抑制効果
の実験結果につき図5を参照して説明する。図5は、上
述した各試料A、B、C、Dのすべてを同一の面積0.
002mm2 とした場合に、それぞれのキャパシタに一
定電流密度で総電荷量30C(クーロン)/cm2 の電
子をゲート電極側から注入した場合の、ゲート電極(図
3に400で示してある。)と基板(図3に18で示し
てある。)の間の電位差(Vgs)の測定結果を示して
いる。図5中、横軸に電荷注入前に比べた時の電位差の
変動を−ΔVgsで表して示してある。
【0046】図5の実験結果から理解できるように、試
料A、Bに比べて、この試料Cの方が電気的変動が相当
少なく、試料Dは試料Cよりも電気的変動がさらに小さ
いことがわかる。ゲート電極400と基板18との間の
電位差Vgsの負の変動は、酸化窒化(SiOxNy)
膜中の電子トラップの発生量に関係しているため、−Δ
Vgsの値が大きいほど、電子トラップの発生量が多く
なる。この電気的変動量は、例えば、MOSトランジス
タとしてみた場合には、しきい値電圧Vthの変動とし
て現れる。従って、この実験結果から、この発明に従っ
て形成した絶縁膜を用いると、従来方法によって形成し
た絶縁膜を用いた場合よりも、しきい値電圧の変動が小
さくなるという効果がある。そして、その効果は、不活
性ガス雰囲気中での加熱処理によってさらに向上するこ
とがわかる。すなわち、この実施例の場合には、不活性
ガス雰囲気中での加熱処理によって、SiOxNy膜の
電気的な安定性がさらに向上することがわかる。
【0047】上述した2つの効果が得られる理由は、す
でに説明したように、Si酸化膜中に存在していた不対
結合や弱い結合が窒素原子の侵入または窒素原子による
置換によってその数が少なくなると共に、更に不活性ガ
ス雰囲気中での加熱処理によって、Siと酸化膜との界
面近傍の窒素パイルアップ領域で原子の再配列が起こ
り、そのためこの領域での圧縮ストレスが緩和されるか
らである。
【0048】また、酸窒化(SiOx y )膜は、酸化
(SiO2 )膜に比べて緻密な構造をしているので、不
純物拡散に対するバリア効果を持っている。更に、窒素
の導入により、この酸窒化膜からなる絶縁膜自体の誘電
率の向上も図れる。
【0049】上述したシリコン酸化膜の膜質改善として
の酸窒化の効果は、基本的には、Siの下地18上に設
けた、第1絶縁膜100としてのSi酸化膜自体の形成
過程の相違によって失われることはない。従って、この
発明の絶縁膜形成方法は、Si基板の型や、面方位、酸
化膜の形成時の酸化温度、酸素分圧、さらには、酸化膜
の膜厚にも関係なく実施することができる。
【0050】また、上述した実施例では、この発明の第
1絶縁膜の形成方法として窒素非含有酸化性ガスを用い
て加熱処理を行って成膜する例につき説明したが、それ
以外の方法、例えば、従来周知のCVD法等の化学的堆
積法によって第1絶縁膜を成膜しても良いし、あるい
は、従来周知の多結晶Siを、例えば窒素を含まない酸
化性ガス中で加熱処理して、酸化して第1絶縁膜を成膜
する方法であっても良い。
【0051】また、上述した実施例においては、窒素含
有酸化性ガスとしてN2 Oを用いた例につき説明した
が、これに限定されるものではなく、一酸化窒素(N
O)、二酸化窒素(NO2 )を用いることはもとより、
これらの各ガスの任意の種類を適当に混合したガスであ
っても良い。
【0052】また、不活性ガスとしてアルゴンガスを用
いた例につき説明したが、もし利用できるならばアルゴ
ン以外の他の不活性ガスであっても良い。
【0053】
【発明の効果】上述したこの発明の絶縁膜形成方法によ
れば、Si基板上に設けたSi酸化膜の第1絶縁膜を、
窒素含有酸化性ガス中で加熱処理を行って第2絶縁膜に
置換した後、更に、第2絶縁膜を形成した後に得られた
構造体に対して、不活性ガス雰囲気中で加熱処理(ポス
トアニール)を行うので、このポストアニール後の第2
絶縁膜からなる絶縁膜は、従来の酸化膜やNH3 窒化酸
化膜と同等の薄い膜厚であっても、これら従来の絶縁膜
に比べて、電気的特性が安定し、かつ絶縁破壊耐性が優
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の絶縁膜形成方法の説明に供する、熱
サイクルの説明に供する図である。
【図2】この発明の方法の実施に用いる装置の説明図で
ある。
【図3】この発明の絶縁膜形成方法の一実施例の説明に
供する工程図である。
【図4】この発明の方法に従って得られた絶縁膜の効果
の説明に供する説明図であって、この絶縁膜を用いて作
成したMOSキャパシタの絶縁破壊電荷の実験結果の説
明図である。
【図5】この発明の方法に従って得られた絶縁膜の効果
の説明に供する説明図であって、この絶縁膜を用いて作
成したMOSキャパシタのゲート電極及び基板間の電気
的変動の実験結果の説明図である。
【符号の説明】
18:Si基板 100:第1絶縁膜(Si酸化膜) 200:第2絶縁膜(酸窒化膜) 300:絶縁膜 400:ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−18934(JP,A) 特開 平2−246334(JP,A) 特開 平4−196587(JP,A) 特開 昭61−128535(JP,A) 特開 昭60−229372(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/318

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地としての、酸化シリコン膜から成る
    第1絶縁膜を、窒素含有酸化性ガス中で熱処理を行って
    第2絶縁膜に置換する工程と、 該第2絶縁膜形成により得られた構造体を不活性ガス中
    で熱処理する工程とを含むことを特徴とする絶縁膜形成
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の窒素含有酸化性ガスを一酸化
    窒素、一酸化二窒素および二酸化窒素のガス群から選ば
    れた一種または二種以上のガスとすることを特徴とする
    絶縁膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の第2絶縁膜の膜厚を最
    大でも10nmとすることを特徴とする絶縁膜形成方
    法。
JP3111963A 1991-05-16 1991-05-16 絶縁膜形成方法 Expired - Lifetime JP3041078B2 (ja)

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JP3111963A JP3041078B2 (ja) 1991-05-16 1991-05-16 絶縁膜形成方法

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