JP3800788B2 - シリコン酸化膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体装置の製造におけるシリコン酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばMOS型半導体装置の製造においては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜トランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシリコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているといっても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には、常に、高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】
例えばMOS型半導体装置を製造する場合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去する。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度のシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を単に酸化膜と呼ぶ)が形成される。かかる酸化膜の膜厚は不均一であり、しかも、酸化膜中には洗浄液成分が残留する。そこで、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板を浸漬して、かかる酸化膜を除去し、更に純水で薬液成分を除去する。これによって、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の表面を得ることができる。尚、このような工程によって、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の表面を得ることを、本明細書では、シリコン半導体基板の表面を露出させると表現する。その後、かかるシリコン半導体基板をシリコン酸化膜形成装置の処理室(酸化炉)に搬入して、シリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する。
【0004】
シリコン酸化膜形成装置としては、ゲート酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保持した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置への移行が進んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置の方が、横型方式のシリコン酸化膜形成装置よりも、基板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を自然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからである。しかしながら、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリコン半導体基板の表面に形成されてしまう。自然酸化膜には大気中の不純物が多く含まれており、ゲート酸化膜の薄膜化においては自然酸化膜の存在を無視することができない。そのため、(1)シリコン酸化膜形成装置に配設された基板搬入出部に大量の窒素ガスを流して窒素ガス雰囲気とする方法(窒素ガスパージ方式)、(2)一旦、基板搬入出部内を真空とした後、窒素ガス等の不活性ガスで基板搬入出部内を置換して大気を排除する方法(真空ロードロック方式)等を採用し、出来る限り自然酸化膜の形成を抑制する方法が提案されている。
【0005】
そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理することでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成には、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化する方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の乾燥酸素ガスによってシリコン半導体基板表面を酸化する方法(乾式酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形成することができる。この湿式酸化法の1つに、水素ガスを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させることによって生成した水蒸気をシリコン酸化膜の形成に用いるパイロジェニック酸化法(水素ガス燃焼酸化法とも呼ばれる)があり、多く採用されている。通常、このパイロジェニック酸化法においては、処理室(酸化炉)の外部に設けられ、そして700〜900゜Cに保持された燃焼室内に酸素ガスを供給し、その後、燃焼室内に水素ガスを供給して、高温中で水素ガスを燃焼させる。これによって得られた水蒸気を酸化種として用いる。
【0006】
パイロジェニック酸化法によってシリコン酸化膜を形成するための縦型方式のシリコン酸化膜形成装置の概念図を図1に示す。この縦型方式のシリコン酸化膜形成装置は、垂直方向に保持された石英製の二重管構造の処理室10と、処理室10へ水蒸気及び/又はガスを導入するためのガス導入部12と、処理室10から水蒸気及び/又はガスを排気するガス排気部13と、SiCから成る円筒状の均熱管16を介して処理室10内を所定の雰囲気温度に保持するためのヒータ14と、基板搬入出部20と、基板搬入出部20へ窒素ガス等の不活性ガスを導入するためのガス導入部21と、基板搬入出部20からガスを排気するガス排気部22と、処理室10と基板搬入出部20とを仕切るシャッター15と、シリコン半導体基板を処理室10内に搬入出するためのエレベータ機構23から構成されている。エレベータ機構23には、シリコン半導体基板を載置するための石英ボート24が取り付けられている。また、燃焼室30に供給された水素ガスを酸素ガスと、燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼させることによって、水蒸気を生成させる。かかる水蒸気は、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内に導入される。尚、ガス流路11は、二重管構造の処理室10の内壁及び外壁の間の空間に相当する。
【0007】
図1に示した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく従来のシリコン酸化膜の形成方法の概要を、図1、図19〜図21を参照して、以下、説明する。
【0008】
[工程−10]
配管32、燃焼室30、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10へ窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャッター15は閉じておく(図19の(A)参照)。基板搬入出部20は大気に解放された状態である。
【0009】
[工程−20]
そして、複数の基板搬入出部20にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート24にシリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出部20へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図19の(B)参照)。
【0010】
[工程−30]
基板搬入出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開き(図20の(B)参照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板40を処理室10内に搬入する(図21の(A)参照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくなる。
【0011】
シャッター15を開く前に、処理室10内を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生じる。即ち、フッ化水素酸水溶液及び純水による洗浄によって表面を露出させたシリコン半導体基板を高温の窒素ガス雰囲気中に搬入すると、シリコン半導体基板40の表面に荒れが生じる。この現象は、フッ化水素酸水溶液及び純水での洗浄によってシリコン半導体基板40の表面に形成されたSi−H結合の一部やSi−F結合の一部が、水素やフッ素の昇温脱離によって失われ、シリコン半導体基板40の表面にエッチング現象が生じることに起因すると考えられている。例えば、アルゴンガス中でシリコン半導体基板を600゜C以上に昇温するとシリコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生じることが、培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULSI技術」、第21頁に記載されている。このような現象を抑制するために、シャッター15を開く前に、例えば、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気とする(図20の(A)参照)。
【0012】
[工程−40]
その後、処理室10内の雰囲気温度を800〜900゜Cとする。そして、配管32,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、水素ガスを酸素ガスと燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼させることによって生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10へ導入し、ガス排気部13から排気する(図21の(B)参照)。これによって、シリコン半導体基板40の表面にシリコン酸化膜が形成される。尚、水蒸気を処理室10へ導入する前に不完全燃焼した水素ガスが処理室10内に流入することによって爆鳴気反応が生じることを防止するために、配管33から燃焼室30に水素ガスを供給する前に、配管32を介して燃焼室30に酸素ガスを供給する。この結果、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して酸素ガスが処理室10内に流入する。尚、燃焼室30内の温度を、例えばヒータ(図示せず)によって700〜900゜Cに保持する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
シャッター15を開く前に、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気とすることによって(図20の(A)参照)、シリコン半導体基板の表面に凹凸が形成される現象を抑制することができる。あるいは又、培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULSI技術」、第21頁には、水素終端したシリコン半導体基板を、終端水素が安定に存在する300゜Cで乾式酸化を行い、これによって形成されたシリコン酸化膜を保護膜とすれば、シリコン半導体基板の表面に凹凸が形成される問題を回避できると報告されている。
【0014】
しかしながら、シリコン半導体基板の表面に凹凸が形成される現象を抑制するために処理室10内に酸素ガスを含んだ窒素ガスが導入されるが故に、処理室10内に搬入されたシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜が形成される。かかるシリコン酸化膜は、本質的には、所謂、乾式酸化によって形成されたシリコン酸化膜(ドライ酸化膜と呼ぶ)であり、湿式酸化法にて形成されたシリコン酸化膜(ウェット酸化膜と呼ぶ)よりも特性が劣る。例えば、処理室10内を800゜Cに保持し、0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に導入した状態でシリコン半導体基板を処理室10内に搬入すると、シリコン半導体基板の表面には2nm以上のドライ酸化膜が形成される。ゲート長0.18〜0.13μmの半導体装置においては、4〜3nm厚さのゲート酸化膜が用いられることが予想されている。このように、例えば4nm厚さのゲート酸化膜を形成しようとした場合、厚さの5割以上がドライ酸化膜で占められることになる。
【0015】
このような問題を解決する手段が、特開平6−291112号公報に開示されている。即ち、フッ化水素酸水溶液でシリコン半導体基板を洗浄した後、過酸化水素水にシリコン半導体基板を浸漬することによってシリコン半導体基板の表面に保護膜としてのシリコン酸化膜を形成する技術が、この特許公開公報には開示されている。しかしながら、この方法では、過酸化水素水の濃度制御等によってシリコン半導体基板の表面に均一なシリコン酸化膜を再現性良く形成することは困難である。また、過酸化水素水中の不純物がシリコン酸化膜中に取り込まれるという問題もある。
【0016】
長期安定性に優れ、絶縁耐圧が高く、且つ膜厚の薄いシリコン酸化膜を形成する方法が、例えば、特開平6−318588号公報に開示されている。この方法は、シリコン半導体の表面に熱酸化法により極薄熱酸化シリコン膜を形成した後、この極薄熱酸化シリコン膜上に気相成長法(CVD法)によりシリコン酸化膜を堆積させ、次いで、酸化雰囲気中で熱処理を行う方法である。この方法は、気相成長法(CVD法)によりシリコン酸化膜を堆積させるので、シリコン酸化膜の形成プロセスが複雑になるという問題を有する。
【0017】
尚、以上の問題は、シリコン半導体基板の表面において生じるだけでなく、絶縁性基板や絶縁層等の上に設けられたシリコン層の表面においても生じる問題である。
【0018】
従って、本発明の目的は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する際のシリコン層の表面に荒れ(凹凸)が発生することを防止でき、且つ、シリコン層の表面にドライ酸化膜を形成することなく、特性の優れたシリコン酸化膜を形成することができ、しかも、比較的厚いシリコン酸化膜を短い時間で形成することを可能にするシリコン酸化膜の形成方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する工程から成り、湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える圧力とすることを特徴とする。
【0020】
本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を形成するための雰囲気温度の制御範囲を狭くするといった観点あるいは係る雰囲気温度制御の高精度化の観点から、所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲気温度は、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲を越えないことが好ましい。
【0021】
本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端している原子とシリコン原子との結合が切断されない温度であることが好ましい。この場合、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない温度は、シリコン層表面のSi−H結合が切断されない温度、若しくは、シリコン層表面のSi−F結合が切断されない温度であることが望ましい。面方位が(100)のシリコン半導体基板を用いる場合、シリコン半導体基板の表面における水素原子の大半がシリコン原子の2本の結合手のそれぞれに1つずつ結合しており、H−Si−Hの終端構造を有する。然るに、シリコン半導体基板の表面状態が崩れた部分(例えばステップ形成箇所)には、シリコン原子の1本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水素原子が結合した状態の終端構造が存在する。尚、通常、シリコン原子の残りの結合手は結晶内部のシリコン原子と結合している。本明細書における「Si−H結合」という表現には、シリコン原子の2本の結合手のそれぞれに水素原子が結合した状態の終端構造、シリコン原子の1本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水素原子が結合した状態の終端構造の全てが包含される。シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始するときの雰囲気温度は、より具体的には、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、好ましくは200゜C以上、より好ましくは300゜C以上、500゜C以下、好ましくは450゜C以下、より好ましくは400゜C以下とすることが、スループットの面から望ましい。
【0022】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下、好ましくは450゜C以下、一層好ましくは400゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する工程から成り、湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える圧力とすることを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲気温度は500゜C以下、好ましくは450゜C以下、一層好ましくは400゜C以下であることが望ましい。
【0024】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法において、湿式ガスの圧力は、▲1▼シリコン酸化膜の形成の全工程中、1.013×105Paを越える圧力としてもよいし、▲2▼シリコン酸化膜の形成の開始から或る膜厚のシリコン酸化膜が形成される迄の間、1.013×105Paを越える圧力としてもよいし、▲3▼或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点から所望の厚さのシリコン酸化膜が形成された時点迄の間、1.013×105Paを越える圧力としてもよいし、▲4▼或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点から、それよりも厚い或る膜厚のシリコン酸化膜が形成される時点迄の間、1.013×105Paを越える圧力としてもよい。1.013×105Paを越える湿式ガスの圧力は、一定としてもよいし、階段状に増加あるいは減少させてもよいし、連続的に増加あるいは減少させてもよい。湿式ガスを構成するガス成分としては、水蒸気及び酸素ガスの組み合わせ、あるいは又、水蒸気、酸素ガス及び不活性ガスの組み合わせを挙げることができる。ここで、不活性ガスとして、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示することができる。また、1.013×105Paを越える圧力でないときの湿式ガスの圧力は、1.013×105Paあるいはそれ以下の圧力とすることができる。
【0025】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生した水蒸気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法であることが好ましい。湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン酸化膜を形成するので、優れた経時絶縁破壊(TDDB)特性を有するシリコン酸化膜を得ることができる。
【0026】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度と同じとしてもよいし、高くしてもよい。後者の場合、雰囲気温度を段階的に上昇させてもよいし、連続的に上昇させてもよい。
【0027】
形成されたシリコン酸化膜の特性を一層向上させるために、本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すことが好ましい。
【0028】
この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン酸化膜を熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得ることができる。熱処理における不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示することができる。また、ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩素であることが望ましい。不活性ガス中に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
【0029】
尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、熱処理を、枚葉処理とすることもできるが、炉アニール処理とすることが好ましい。熱処理の雰囲気温度は、700〜1200゜C、好ましくは700〜1000゜C、更に好ましくは700〜950゜Cである。また、熱処理を炉アニール処理とする場合の熱処理の時間は、5〜60分、好ましくは10〜40分、更に好ましくは20〜30分である。一方、熱処理を枚葉処理とする場合の熱処理の時間は、1〜10分とすることが好ましい。
【0030】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施す際の雰囲気温度を、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度よりも高くすることが望ましい。シリコン酸化膜の形成と熱処理とを同じ処理室内で行う場合、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了した後、雰囲気を不活性ガス雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度まで昇温してもよいが、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度まで昇温することが好ましい。ここで、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示することができる。また、不活性ガス中に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
【0031】
熱処理を、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行ってもよい。
【0032】
尚、熱処理後、シリコン酸化膜を窒化処理してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガス、NOガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、中でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望ましい。あるいは又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒドラジン誘導体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2雰囲気中でアニール処理を行うことが望ましい。窒化処理を700乃至1200゜C、好ましくは800乃至1150゜C、更に好ましくは900乃至1100゜Cの温度で行うことが望ましく、この場合、シリコン層の加熱を赤外線照射や炉アニールによって行うことが好ましい。
【0033】
あるいは又、熱処理の雰囲気を、窒素系ガス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとして、N2、NH3、N2O、NO2、NOを例示することができる。
【0034】
尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスにハロゲン元素が含有されていてもよい。これによって、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得ることができる。尚、ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩素であることが望ましい。湿式ガス中に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げることができる。湿式ガス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、湿式ガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
【0035】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を形成する前の雰囲気を、湿式ガスに基づくシリコン酸化膜の形成の前に不所望のシリコン酸化膜の形成を抑制するために、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気、あるいは減圧雰囲気とすることが望ましい。
【0036】
通常、シリコン層にシリコン酸化膜を形成する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシリコン層の表面を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去した後、フッ化水素酸水溶液及び純水によってシリコン層の表面を洗浄する。ところが、その後、シリコン層が大気に曝されると、シリコン層の表面が汚染され、水分や有機物がシリコン層の表面に付着し、あるいは又、シリコン層表面のSi原子が水酸基(OH)と結合する虞がある(例えば、文献 "Highly-reliable Gate Oxide Formation for Giga-Scale LSIs by using Closed Wet Cleaning System and Wet Oxidation with Ultra-Dry Unloading", J. Yugami, et al., International Electron Device Meeting Technical Digest 95, pp 855-858 参照)。このような場合、そのままの状態でシリコン酸化膜の形成を開始すると、形成されたシリコン酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あるいは欠陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部分とは、シリコンダングリングボンド(Si・)やSi−H結合といった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部分、あるいは又、Si−O−Si結合が応力によって圧縮され若しくはSi−O−Si結合の角度が厚い若しくはバルクのシリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角度と異なるといったSi−O−Si結合が含まれたシリコン酸化膜の部分を意味する。それ故、このような問題の発生を回避するために、本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を形成する前に、シリコン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン層を大気に曝すことなく(即ち、例えば、シリコン層表面の洗浄からシリコン酸化膜の形成開始までの雰囲気を不活性ガス雰囲気若しくは真空雰囲気とし)、シリコン酸化膜の形成を行うことが好ましい。これによって、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端された表面を有するシリコン層にシリコン酸化膜を形成することができ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あるいは欠陥部分の発生を防止することができる。尚、シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する前のシリコン層の表面を、液体又は気体状のフッ化水素酸、あるいは又、塩化水素ガスによって洗浄処理しておくことが好ましい。
【0037】
本発明のシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルを、図2〜図5に模式的に例示するが、これらに限定されるものではない。尚、図中、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する時の雰囲気温度の下限値をT1で示し、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度の上限値をT2で示す。また、熱処理における雰囲気温度をT3で示す。図中、実線はシリコン酸化膜が形成されている状態を表し、一点鎖線は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する雰囲気温度まで雰囲気温度を昇温する過程、シリコン酸化膜の形成完了後、室温まで雰囲気温度を降温させる過程、あるいは又、シリコン酸化膜の形成完了後、熱処理を行う温度まで雰囲気温度を昇温させる過程を表す。また、二重線は熱処理工程を表し、「RT」は室温(常温)を意味し、「AP」は、1.013×105Pa(1気圧)を意味する。
【0038】
図2の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルの例においては、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。そして、湿式ガスを用いた酸化法によって、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成するが、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度と同じであるか(図2の(A)参照)、あるいは、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度よりも高いがシリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度の範囲内にある(図2の(B)参照)。尚、図2の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルにおける圧力プロファイルの例を図2の(C)に示すが、この場合、シリコン酸化膜の全形成工程において、湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える一定の圧力としている。
【0039】
図3の(A)及び(B)、図4の(A)及び(B)、並びに図5の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルの例においては図2の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルと同じであるが、図3、図4及び図5のそれぞれの(C)に示す圧力プロファイルが相違する。即ち、図3の(C)に示す圧力プロファイルにおいては、或る程度の厚さを有するシリコン酸化膜を形成するまでの湿式ガスの圧力を1.013×105Pa(1気圧)(あるいはそれ以下の圧力)とし、それ以降の湿式ガスの圧力を1.013×105Pa(1気圧)を越える圧力としている。図4の(C)に示す圧力プロファイルにおいては、或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点から所望の厚さのシリコン酸化膜が形成された時点迄の間、1.013×105Paを越える圧力としている。更には、図5の(C)に示す圧力プロファイルにおいては、或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点から、それよりも厚い或る膜厚のシリコン酸化膜が形成される時点迄の間、1.013×105Paを越える圧力としている。尚、湿式ガスの圧力は一定としたが、圧力を階段状あるいは連続的に変化(増加あるいは減少)させてもよい。図6の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルの例においては、図3の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルに熱処理工程を加えている。尚、シリコン酸化膜の形成工程と熱処理工程を連続的に行う。一方、図7の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルの例においては、シリコン酸化膜の形成工程と熱処理工程を連続的には行っていない。即ち、シリコン酸化膜の形成工程と熱処理工程とを異なる装置で実行する。
【0040】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法において、シリコン層とは、シリコン半導体基板等の基板そのものだけでなく、基板の上に形成されたエピタキシャルシリコン層(選択エピタキシャル成長法にて形成されたエピタキシャルシリコン層を含む)、半導体基板や絶縁性基板あるいは絶縁層上に形成された多結晶シリコン層、あるいは非晶質シリコン層、所謂張り合わせ法やSIMOX法に基づき製造されたSOI構造におけるシリコン層、更には、基板やこれらの層に半導体素子や半導体素子の構成要素が形成されたもの等、シリコン酸化膜を形成すべきシリコン層を意味する。シリコン半導体基板の作製方法は、CZ法、MCZ法、DLCZ法、FZ法等、如何なる方法であってもよいし、また、予め高温の水素アニール処理を行い結晶欠陥を除去したものでもよい。
【0041】
本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトムゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができるが、比較的厚さの厚いトンネル酸化膜(膜厚:例えば7〜9nm)の形成の形成に本発明のシリコン酸化膜の形成方法を適用することが特に好ましい。
【0042】
本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。また、本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。シリコン酸化膜の形成開始時の雰囲気温度をこのような温度とすることによって、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることを防止し得る。また、シリコン原子の酸化は、シリコン層の最表面からではなく、1層内部のシリコン原子から始まる。即ち、所謂バックボンドから始まり、所謂レイヤー・バイ・レイヤー(Layer-By-Layer)酸化となる。従って、シリコン層とシリコン酸化膜との間の界面の平滑性が原子レベルで保たれるので、最終的に形成されるシリコン酸化膜の特性は優れたものとなる。しかも、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成するので、最終的に形成されるシリコン酸化膜中にドライ酸化膜が含まれず、優れた特性を有するシリコン酸化膜を形成することができる。
【0043】
本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える圧力とするので、酸化種であるH2Oの増加により酸化レートの増加を図ることができ、たとえ、シリコン酸化膜の形成雰囲気温度が、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲といった従来のシリコン酸化膜の形成における雰囲気温度よりも低い場合にあっても、例えば7〜9nmといった膜厚が比較的厚いシリコン酸化膜を形成するために要する時間が延長することがない。
【0044】
【実施例】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【0045】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1及び第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例1においては、図1に示した従来の縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いた。また、実施例1においては、シリコン層をシリコン半導体基板から構成した。形成されたシリコン酸化膜はトンネル酸化膜として機能する。実施例1においては、シリコン酸化膜の形成工程における湿式ガスを用いた酸化法として、パイロジェニック酸化法を採用した。尚、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成した後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気(塩化水素ガスを含む窒素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施した。以下、シリコン半導体基板等の模式的な一部断面図である図8、及び、シリコン酸化膜形成装置等の概念図である図10〜図12を参照して、実施例1のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。また、実施例1における雰囲気温度・圧力プロファイルを模式的に図9に示す。
【0046】
[工程−100]
先ず、リンをドープした直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)であるシリコン半導体基板40に、公知の方法でLOCOS構造を有する素子分離領域41を形成し、次いでウエルイオン注入、チャネルストップイオン注入、閾値調整イオン注入を行った。尚、素子分離領域はトレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組み合わせであってもよい。その後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板40の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行い、シリコン半導体基板40の表面を露出させた(図8の(A)参照)。尚、シリコン半導体基板40の表面は大半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終端されている。
【0047】
[工程−110]
次に、複数のシリコン半導体基板40を、図1に示したシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート24に載置した(図10の(A)参照)。尚、処理室10へガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であってもよい)、且つ、均熱管16を介してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を300゜Cに保持した。尚、この状態においては、シャッター15は閉じておく。
【0048】
[工程−120]
そして、基板搬入出部20へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板搬入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬入出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断する。その後、シャッター15を開き(図10の(B)参照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を上昇させ(上昇速度:250mm/分)、シリコン半導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10内に搬入した(図11の(A)参照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくなる。処理室10内の雰囲気温度はヒータ14によって300゜Cに保持されているので、即ち、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度に処理室10内が保持されているので、シリコン半導体基板40の表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0049】
[工程−130]
処理室10内の雰囲気温度が300゜Cにて安定した後、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。具体的には、シリコン層(実施例1においては、シリコン半導体基板40)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気温度を保持した状態で(実施例1においては、具体的には、雰囲気温度を300゜Cに設定)、圧力1.013×105Pa(1気圧)の湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜42の形成を開始した。実施例1においては、配管32,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜42を形成した(図11の(B)参照)。このシリコン酸化膜の厚さはSiO2の数分子層に相当する厚さであり、シリコン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保護膜として機能するのに十分な厚さである。
【0050】
[工程−140]
その後、処理室10内への湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(窒素ガス)を、配管32、燃焼室30、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内に導入しながら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14によって450゜Cまで昇温した(図12の(A)参照)。尚、昇温速度を10゜C/分とした。
【0051】
[工程−150]
シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度である450゜Cにて処理室10内の雰囲気温度が安定した後、この温度に雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成した。具体的には、再び、配管32,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に総厚7.5nmのシリコン酸化膜42を形成した(図12の(B)参照)。尚、湿式ガスの圧力を10×1.013×105Pa(10気圧)とした。また、湿式ガス中の水蒸気分圧を6×1.013×105Paとした。
【0052】
以上により、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0053】
[工程−160]
即ち、その後、シリコン半導体基板40を図13に模式的な断面図を示す炉アニール装置内に搬入する。尚、図13に示す炉アニール装置の構造は、燃焼室30が無いことを除き、図1に示したシリコン酸化膜形成装置と同様の構造を有する。尚、シリコン酸化膜形成装置を構成する要素と同じ炉アニール装置を構成する要素には、下2桁が同じ参照番号を付した。
【0054】
即ち、複数のシリコン半導体基板40を、図13に示した炉アニールの基板搬入出部120に図示しない扉から搬入し、石英ボート124に載置した。尚、処理室110へガス導入部112から窒素ガスを導入し、処理室110内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、且つ、均熱管116を介してヒータ114によって処理室110内の雰囲気温度を850゜Cに保持した。尚、この状態においては、シャッター115は閉じておく。そして、基板搬入出部120へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示しない扉を閉め、基板搬入出部120にガス導入部121から窒素ガスを導入し、ガス排気部122から排出し、基板搬入出部120内を窒素ガス雰囲気とした。その後、シャッター115を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボート124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製の二重管構造の処理室110内に搬入した。そして、処理室110内の雰囲気温度が850゜Cにて安定した後、塩化水素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部112から処理室110内に導入し、30分間、熱処理を行った。以上により、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、以降、処理室110内を窒素ガス雰囲気とし、エレベータ機構123を動作させて石英ボート124を下降させ、次いで、基板搬入出部120からシリコン半導体基板40を搬出した。
【0055】
[工程−180]
実施例1においては、こうしてシリコン酸化膜が形成されたシリコン半導体基板を用いて、公知のCVD技術、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、シリコン酸化膜42の上にポリシリコン及びタングステンシリサイドから成るポリサイド構造のゲート電極43を形成し、MOSキャパシタを作製した(図8の(C)参照)。
【0056】
(比較例1)
比較例1においては、従来のシリコン酸化膜の形成方法に基づき、シリコン半導体基板の表面に厚さ4.0nmのシリコン酸化膜を形成した。即ち、[工程−10]〜[工程−40]に基づき、シリコン酸化膜を形成した。尚、[工程−20]において、シャッター15を開く前に、0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10内を0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気(雰囲気温度:800゜C)とした。また、処理室10内の温度を800゜Cとし、パイロジェニック酸化法にて、シリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成した。こうしてシリコン酸化膜が形成されたシリコン半導体基板から、実施例1と同様に、MOSキャパシタを作製した。尚、パイロジェニック酸化法にてシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する前に、0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気の処理室10内にシリコン半導体基板を搬入した結果、シリコン半導体基板の表面には厚さ2.3nmのドライ酸化膜が形成されていた。
【0057】
実施例1及び比較例1により作製されたMOSキャパシタに対して、シリコン酸化膜の長期信頼性を評価するために、シリコン酸化膜のストレスリーク特性の評価を行った。このストレスリーク特性を以下の方法で評価した。1枚のシリコン半導体基板40に50個のMOSキャパシタを作製した。また、MOSキャパシタのゲート面積を0.1mm2とした。そして、評価には2枚のシリコン半導体基板を使用した。図14に模式的に図示する回路を作り、ゲート電極43に定電流(J=0.1A/cm2)ストレスを印加する前のリーク電流密度を求めた。次に、ゲート電極43に定電流(J=0.1A/cm2)ストレスを50秒間、印加した。そして、以下の式に基づき、ストレス誘起リーク電流密度増加率を求めた。リーク電流密度増加率を表1に示す。
【0058】
【数1】
Figure 0003800788
【0059】
【表1】
リーク電流密度増加率
実施例1 129%
比較例1 1430%
【0060】
リーク電流密度増加率の比較から、実施例1にて得られたシリコン酸化膜は、比較例1にて得られたシリコン酸化膜よりもリーク電流密度が大幅に低減していることが判る。
【0061】
(実施例2)
実施例2は実施例1の変形である。実施例1においては、シリコン酸化膜の形成をバッチ方式の縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いて行った。一方、実施例2においては、シリコン酸化膜の形成を枚葉方式の横型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いて行った。実施例2においては、処理室には、その外側に配設され、且つ、シリコン層の表面と略平行に配設された、シリコン層を加熱するための加熱手段が備えられている。
【0062】
実施例2の実施に適した横型方式のシリコン酸化膜形成装置の一例の模式図を、図15に示す。このシリコン酸化膜形成装置は、処理室50と、シリコン層を加熱するための加熱手段である抵抗加熱ヒータ51とを備えている。処理室50は石英炉心管から成り、シリコン層にシリコン酸化膜を形成するためにその内部にシリコン層(具体的には、例えばシリコン半導体基板40)を収納する。加熱手段である抵抗加熱ヒータ51は、処理室50の外側に配設されており、且つ、シリコン層の表面と略平行に配設されている。シリコン層(例えばシリコン半導体基板40)は、ウエハ台52に載置され、処理室50の一端に設けられたゲートバルブ53を介して、処理室50内に搬入出される。シリコン酸化膜形成装置には、処理室50へ水蒸気等を導入するためのガス導入部54と、処理室50からガスを排気するガス排気部55が更に備えられている。シリコン層(具体的には、例えばシリコン半導体基板)の温度は、図示しない熱電対によって測定することができる。尚、実施例1と同様に、燃焼室に供給された水素ガスを酸素ガスと、燃焼室内で高温にて混合し、燃焼させることによって、水蒸気を生成させる。かかる水蒸気は、配管及びガス導入部54を介して処理室50内に導入される。燃焼室及び配管の図示は省略した。
【0063】
あるいは又、図16に模式図を示す形式の横型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いることもできる。この図16に示した横型方式のシリコン酸化膜形成装置においては、加熱手段は、赤外線若しくは可視光を発する複数のランプ51Aから構成されている。また、図示しないパイロメータによってシリコン半導体基板の温度を測定する。その他の構造は、基本的には、図15に示したシリコン酸化膜形成装置と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
以下、実施例2のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。尚、実施例2における雰囲気温度・圧力プロファイルを図17に模式的に示す。
【0065】
[工程−200]
先ず、シリコン半導体基板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させた。
【0066】
[工程−210]
次に、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体基板40を、図15若しくは図16に示したシリコン酸化膜形成装置のゲートバルブ53を開いて、処理室50内に搬入した後、ゲートバルブ53を閉じた。このとき、処理室50内の雰囲気を、予め、加熱手段によって300゜C程度に加熱された不活性ガス雰囲気としておいた。処理室50内の雰囲気をこのような条件とすることによって、シリコン半導体基板40の表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0067】
[工程−220]
処理室50内の雰囲気温度が300゜Cにて安定した後、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。具体的には、シリコン層(実施例2においても、シリコン半導体基板40)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気温度を保持した状態で(実施例2においては、具体的には、雰囲気温度を300゜Cに設定)、圧力1.013×105Pa(1気圧)の湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜42の形成を開始した。実施例2においても、図示しない配管を介して燃焼室内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼室内で生成した水蒸気を配管及びガス導入部54を介して処理室50内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜42を形成した。このシリコン酸化膜の厚さはSiO2の数分子層に相当する厚さであり、シリコン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保護膜として機能するのに十分な厚さである。
【0068】
[工程−230]
その後、処理室50内への湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(窒素ガス)を、ガス導入部54を介して処理室50内に導入しながら、シリコン酸化膜形成装置の処理室50内の雰囲気温度を、加熱手段によって450゜Cまで昇温した。[工程−230]にてシリコン層の表面には保護膜としても機能するシリコン酸化膜が既に形成されているので、この[工程−240]において、シリコン層(シリコン半導体基板40)の表面に荒れが発生することはない。尚、実施例2においては、加熱手段がシリコン層の表面と略平行に配設されているので、例えばシリコン半導体基板の昇温時のシリコン半導体基板の面内温度ばらつきの発生を抑制することができる結果、たとえ、昇温中にシリコン酸化膜が形成される場合であっても、シリコン酸化膜の面内膜厚ばらつきの発生を効果的に抑制することができる。
【0069】
[工程−240]
シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度である450゜Cにて処理室50内の雰囲気温度が安定した後、この温度に雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成した。具体的には、再び、図示しない配管を介して燃焼室(図示せず)内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼室内で生成した水蒸気を配管及びガス導入部54を介して処理室50内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に総厚7.5nmのシリコン酸化膜42を形成した。尚、湿式ガスの圧力を10×1.013×105Pa(10気圧)とした。また、湿式ガス中の水蒸気分圧を6×1.013×105Paとした。
【0070】
以上により、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、以降、処理室50内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体基板40を処理室50から搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0071】
[工程−250]
即ち、その後、湿式ガスの導入を中止し、窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導入しつつ、処理室50の雰囲気温度を加熱手段によって850゜Cまで昇温した。次いで、塩化水素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導入し、5分間、熱処理を行った。
【0072】
[工程−260]
以上により、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了する。以降、処理室50内を窒素ガス雰囲気とし、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体基板40を処理室50から搬出した。
【0073】
尚、実施例2の[工程−250]の代わりに、実施例1の[工程−160]にて説明したと同様に、炉アニール装置を用いてバッチ方式にてシリコン半導体基板に熱処理を施してもよい。
【0074】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した各種の条件やシリコン酸化膜形成装置の構造は例示であり、適宜変更することができる。シリコン酸化膜の成膜は、パイロジェニック酸化法だけでなく、純水の加熱により発生した水蒸気による酸化法、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生した水蒸気による酸化法、あるいはこれらの酸化法を併用した方法とすることができる。実施例にて説明した雰囲気温度プロファイルにおいて、雰囲気温度300゜Cにおけるシリコン酸化膜の形成での酸化法と、雰囲気温度450゜Cにおけるシリコン酸化膜の形成での酸化法とは、異なる酸化法であってもよい。
【0075】
例えば、実施例1の[工程−130]や[工程−150]において、あるいは又、実施例2の[工程−220]や[工程−240]において、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガスを用いてシリコン酸化膜を形成してもよい。また、実施例1の[工程−160]において、処理室10内で熱処理を行ってもよい。更には、実施例2の[工程−250]において、窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導入する代わりに、例えば塩化水素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導入しつつ、処理室50の雰囲気温度を加熱手段によって850゜Cまで昇温してもよい。
【0076】
実施例においては、専らシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成したが、基板の上に成膜されたエピタキシャルシリコン層にシリコン酸化膜を形成してもよいし、半導体装置の製造工程においてシリコン半導体基板表面に形成された選択エピタキシャル成長法にて形成されたエピタキシャルシリコン層、基板の上に形成された絶縁層の上に成膜された多結晶シリコン層あるいは非晶質シリコン層等の表面にシリコン酸化膜を形成することもできる。あるいは又、SOI構造におけるシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成してもよいし、半導体素子や半導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの上に成膜されたシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成してもよい。更には、半導体素子や半導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの上に成膜された下地絶縁層の上に形成されたシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成してもよい。シリコン酸化膜形成後の熱処理は必須ではなく、場合によっては省略することができる。
【0077】
あるいは又、実施例において0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン層の表面洗浄を行った後、シリコン層をシリコン酸化膜形成装置に搬入したが、シリコン層の表面洗浄からシリコン酸化膜形成装置への搬入までの雰囲気を、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気としてもよい。尚、このような雰囲気は、例えば、シリコン層の表面洗浄装置の雰囲気を不活性ガス雰囲気とし、且つ、不活性ガスが充填された搬送用ボックス内にシリコン層を納めてシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20や処理室50に搬入する方法や、図18に模式図を示すように、表面洗浄装置、シリコン酸化膜形成装置、搬送路、ローダー及びアンローダーから構成されたクラスターツール装置を用い、シリコン層の表面洗浄装置からシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは処理室50までを搬送路で結び、かかる表面洗浄装置及び搬送路の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする方法によって達成することができる。
【0078】
あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン層の表面洗浄を行う代わりに、表2に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用いた気相洗浄法によってシリコン層の表面洗浄を行ってもよい。尚、パーティクルの発生防止のためにメタノールを添加する。あるいは又、表3に例示する条件にて、塩化水素ガスを用いた気相洗浄法によってシリコン層の表面洗浄を行ってもよい。尚、シリコン層の表面洗浄開始前あるいは表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲気や搬送路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としてもよいし、例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度の真空雰囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を真空雰囲気とする場合には、シリコン層を搬入する際のシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは処理室50の雰囲気を例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度の真空雰囲気としておき、シリコン層の搬入完了後、基板搬入出部20あるいは処理室50の雰囲気を大気圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気とすればよい。
【0079】
【表2】
無水フッ化水素ガス:300sccm
メタノール蒸気 :80sccm
窒素ガス :1000sccm
圧力 :0.3Pa
温度 :60゜C
【0080】
【表3】
塩化水素ガス/窒素ガス:1容量%
温度 :800゜C
【0081】
尚、これらの場合のシリコン酸化膜形成装置としては、図1、図15あるいは図16に示したシリコン酸化膜形成装置を用いることができる。これにより、シリコン酸化膜の形成前に水素やフッ素で終端されたシリコン層の表面を汚染等の無い状態に保つことができる結果、形成されたシリコン酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性が低下しあるいは欠陥部分が発生することを、効果的に防ぐことができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明のシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上500゜C以下の雰囲気温度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始するので、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることを防止し得る。しかも、最終的に形成されるシリコン酸化膜中には信頼性の劣るドライ酸化膜が含まれず、優れた特性を有するシリコン酸化膜を形成することができる。それ故、チャネル移動度の低下を防止でき、MOS型トランジスタ素子の駆動電流の劣化が生じ難く、また、フラッシュメモリ等でデータリテンション特性の劣化を引き起こすストレスリーク現象の発生を抑制することができ、長期信頼性に優れた例えばゲート酸化膜やトンネル酸化膜の形成が可能となる。
【0083】
また、本発明のシリコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える圧力とするので、酸化種であるH2Oの増加により酸化レートの増加を図ることができ、例えば7〜9nmといった膜厚が比較的厚いシリコン酸化膜を形成するために要する時間の短縮化を図ることができる。しかも、所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲気温度を、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲を越えず、あるいは又、500゜C以下とすれば、シリコン酸化膜形成装置における雰囲気温度の制御範囲を狭くすることができる結果、高い精度で雰囲気温度の制御を行うことができるばかりか、高温から低温まで処理室を冷却する必要がなくなり、シリコン酸化膜の形成に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦型方式のシリコン酸化膜形成装置(熱酸化炉)の模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図3】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図4】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図5】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図6】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度プロファイルである。
【図7】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度プロファイルである。
【図8】実施例1のシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図である。
【図9】実施例1のシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図10】実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図11】図10に引き続き、実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図12】図11に引き続き、実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図13】炉アニール装置の模式的な断面図である。
【図14】ストレスリーク特性を評価するための回路の模式図である。
【図15】実施例2の形成方法の実施に適した横型方式のシリコン酸化膜形成装置の模式的な断面図である。
【図16】図15とは若干構造が異なる横型方式のシリコン酸化膜形成装置の模式的な断面図である。
【図17】実施例2のシリコン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図18】クラスターツール装置の模式図である。
【図19】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図20】図19に引き続き、従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図21】図20に引き続き、従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,110・・・処理室、11,111・・・ガス流路、12,112・・・ガス導入部、13,113・・・ガス排気部、14,114・・・ヒータ、15,115・・・シャッター、16,116・・・均熱管、20・・・基板搬入出部、21,121・・・ガス導入部、22,122・・・ガス排気部、23,123・・・エレベータ機構、24,124・・・石英ボート、30・・・燃焼室、31,131・・・配管、40・・・シリコン半導体基板、41・・・素子分離領域、42・・・シリコン酸化膜、43・・・ゲート電極、50・・・処理室、51・・・抵抗加熱ヒータ、51A・・・ランプ、52・・・ウエハ台、53・・・ゲートバルブ、54・・・ガス導入部、55・・・ガス排気部

Claims (19)

  1. 湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する工程から成るシリコン酸化膜の形成方法であって、
    湿式ガスにはハロゲン元素が含有されており、
    シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度よりも、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を高くし、
    シリコン酸化膜の形成の開始から或る膜厚のシリコン酸化膜が形成される迄の間の湿式ガスの圧力よりも、該或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点から所望の厚さのシリコン酸化膜が形成される迄の湿式ガスの圧力を高くし、
    少なくとも、該或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点から所望の厚さのシリコン酸化膜が形成される迄の湿式ガスの圧力を1.013×10 5 Paを越える圧力とすることを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  2. 湿式ガス中に含有されるハロゲン元素は塩素であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  3. 塩素は塩化水素の形態であり、湿式ガス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容量%であることを特徴とする請求項2に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  4. 湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、450゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始することを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  5. 湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上、400゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始することを特徴とする請求項4に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲気温度は500゜C以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  7. 所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲気温度は450゜C以下であることを特徴とする請求項6に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  8. 所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲気温度は400゜C以下であることを特徴とする請求項7に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  9. 湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバブリングすることにより発生した水蒸気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  10. 所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  11. 熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  12. 不活性ガス雰囲気中に含有されるハロゲン元素は塩素であることを特徴とする請求項11に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  13. 塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容量%であることを特徴とする請求項12に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  14. 熱処理は700乃至950゜Cの温度で行われることを特徴とする請求項10に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  15. 熱処理は炉アニール処理であることを特徴とする請求項14に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  16. 形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施す際の雰囲気温度は、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度よりも高いことを特徴とする 求項10に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  17. シリコン酸化膜を形成する前のシリコン層の表面は、液体又は気体状のフッ化水素酸、あるいは又、塩化水素ガスによって洗浄処理されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  18. シリコン酸化膜を形成する前に、シリコン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン層を大気に曝すことなく、シリコン酸化膜の形成を行うことを特徴とする請求項17に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  19. シリコン層は、基板上に形成されたエピタキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
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