JPH11186248A - シリコン酸化膜の形成方法及びシリコン酸化膜形成装置 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法及びシリコン酸化膜形成装置

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JPH11186248A
JPH11186248A JP35336297A JP35336297A JPH11186248A JP H11186248 A JPH11186248 A JP H11186248A JP 35336297 A JP35336297 A JP 35336297A JP 35336297 A JP35336297 A JP 35336297A JP H11186248 A JPH11186248 A JP H11186248A
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oxide film
silicon oxide
gas
silicon
processing chamber
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JP35336297A
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Nobufumi Tanaka
伸史 田中
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン層にドライ酸化膜が形成されることを
低減することができ、しかも、特性の優れたシリコン酸
化膜を形成することができるシリコン酸化膜形成方法を
提供する。 【解決手段】シリコン酸化膜の形成方法は、(A)燃焼
室30、(B)処理室10、(C)配管系31,36、
(D)ガス流切替手段34,35、(E)冷却手段37
を備えたシリコン酸化膜形成装置を用い、少なくとも、
燃焼室30への酸素ガスの供給開始後、燃焼室30への
水素ガスの供給により水蒸気が燃焼室30内で生成する
までの間、燃焼室30を系外との連通状態として燃焼室
30内のガスを配管系31,36を介して系外に排気
し、次いで、燃焼室30を処理室10との連通状態とし
て燃焼室30にて生成した水蒸気を配管系31を介して
処理室10内に導入し、シリコン層の表面にシリコン酸
化膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置
の製造におけるシリコン酸化膜の形成方法、及び係るシ
リコン酸化膜の形成方法の実施に適したシリコン酸化膜
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばMOS型半導体装置の製造におい
ては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン
半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜ト
ランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の
上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から
成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシ
リコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているとい
っても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には、常
に、高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばMOS型半導体装置を製造する場
合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/
22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄
するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去す
る。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基
板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度の
シリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を単に酸
化膜と呼ぶ)が形成される。かかる酸化膜の膜厚は不均
一であり、しかも、酸化膜中には洗浄液成分が残留す
る。そこで、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板
を浸漬して、かかる酸化膜を除去し、更に純水で薬液成
分を除去する。これによって、大部分が水素で終端さ
れ、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の
表面を得ることができる。尚、このような工程によっ
て、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端さ
れたシリコン半導体基板の表面を得ることを、本明細書
では、シリコン半導体基板の表面を露出させると表現す
る。その後、かかるシリコン半導体基板をシリコン酸化
膜形成装置の処理室(酸化炉)に搬入して、シリコン半
導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する。
【0004】シリコン酸化膜形成装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜形成装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成
するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を自
然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからである。
しかしながら、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリ
コン半導体基板の表面に形成されてしまう。自然酸化膜
には大気中の不純物が多く含まれており、ゲート酸化膜
の薄膜化においては自然酸化膜の存在を無視することが
できない。そのため、(1)シリコン酸化膜形成装置に
配設された基板搬入出部に大量の窒素ガスを流して窒素
ガス雰囲気とする方法(窒素ガスパージ方式)、(2)
一旦、基板搬入出部内を真空とした後、窒素ガス等の不
活性ガスで基板搬入出部内を置換して大気を排除する方
法(真空ロードロック方式)等を採用し、出来る限り自
然酸化膜の形成を抑制する方法が提案されている。
【0005】そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス
雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸
化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性
雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理するこ
とでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成に
は、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入
することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化す
る方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の乾燥
酸素ガスによってシリコン半導体基板表面を酸化する方
法(乾式酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸
化膜を形成することができる。この湿式酸化法の1つ
に、水素ガスを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させるこ
とによって生成した水蒸気をシリコン酸化膜の形成に用
いるパイロジェニック酸化法(水素ガス燃焼酸化法とも
呼ばれる)があり、多く採用されている。通常、このパ
イロジェニック酸化法においては、処理室(酸化炉)の
外部に設けられ、そして700〜900゜Cに保持され
た燃焼室内に酸素ガスを供給し、その後、燃焼室内に水
素ガスを供給して、高温中で水素ガスを燃焼させる。こ
れによって得られた水蒸気を酸化種として用いる。
【0006】パイロジェニック酸化法に基づきシリコン
酸化膜を形成するための縦型方式のシリコン酸化膜形成
装置の概念図を図61に示す。この縦型方式のシリコン
酸化膜形成装置は、垂直方向に保持された石英製の二重
管構造の処理室10と、処理室10へ水蒸気及び/ガス
を導入するためのガス導入部12と、処理室10から水
蒸気及び/ガスを排気するガス排気部13と、SiCか
ら成る円筒状の均熱管16を介して処理室10内を所定
の雰囲気温度に保持するためのヒータ14と、基板搬入
出部20と、基板搬入出部20へ窒素ガス等の不活性ガ
スを導入するためのガス導入部21と、基板搬入出部2
0からガスを排気するガス排気部22と、処理室10と
基板搬入出部20とを仕切るシャッター15と、シリコ
ン半導体基板を処理室10内に搬入出するためのエレベ
ータ機構23から構成されている。エレベータ機構23
には、シリコン半導体基板を載置するための石英ボート
24が取り付けられている。また、配管33及び配管3
2から燃焼室30に水素ガス及び酸素ガスを供給し、燃
焼室30内でこれらを高温にて混合し、水素ガスを燃焼
させることによって、水蒸気を生成させる。かかる水蒸
気は、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介
して処理室10内に導入される。尚、ガス流路11は、
二重管構造の処理室10の内壁及び外壁の間の空間に相
当する。
【0007】図61に示した縦型方式のシリコン酸化膜
形成装置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく
従来のシリコン酸化膜の形成方法の概要を、図61、図
62〜図65を参照して、以下、説明する。
【0008】[工程−10]配管32、燃焼室30、配
管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理
室10へ窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰
囲気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によっ
て処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに保
持する。尚、この状態においては、シャッター15は閉
じておく(図62の(A)参照)。基板搬入出部20は
大気に解放された状態である。
【0009】[工程−20]そして、基板搬入出部20
にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート24に
シリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出部20
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示
しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21か
ら窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板
搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図62の
(B)参照)。
【0010】[工程−30]基板搬入出部20内が十分
に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開
き(図63の(B)参照)、エレベータ機構23を作動
させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板
40を処理室10内に搬入する(図64の(A)参
照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、
石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出
部20との間は連通しなくなる。
【0011】シャッター15を開く前に、処理室10内
を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生
じる。即ち、フッ化水素酸水溶液及び純水による洗浄に
よって表面を露出させたシリコン半導体基板を高温の窒
素ガス雰囲気中に搬入すると、シリコン半導体基板40
の表面に荒れが生じる。この現象は、フッ化水素酸水溶
液及び純水での洗浄によってシリコン半導体基板40の
表面に形成されたSi−H結合の一部やSi−F結合の
一部が、水素やフッ素の昇温脱離によって失われ、シリ
コン半導体基板40の表面にエッチング現象が生じるこ
とに起因すると考えられている。例えば、アルゴンガス
中でシリコン半導体基板を600゜C以上に昇温すると
シリコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生じること
が、培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULS
I技術」、第21頁に記載されている。このような現象
を抑制するために、シャッター15を開く前に、例え
ば、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10内
を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気
とする(図63の(A)参照)。
【0012】[工程−40]その後、処理室10内の雰
囲気温度を800〜900゜Cとする。そして、水蒸気
を処理室10へ導入する前に、配管32、燃焼室30、
配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介しての
窒素ガスの導入を停止し、配管32から燃焼室30に酸
素ガスを導入し、燃焼室30内を酸素ガスで満たす。こ
うして、不完全燃焼した水素ガスが処理室10内に導入
されることによって爆鳴気反応が生じることを防止す
る。この結果、燃焼室30、配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に酸素ガスが流
入する(図64の(B)参照)。尚、燃焼室30内の温
度を、例えばヒータ(図示せず)によって700〜90
0゜Cに保持する。
【0013】[工程−50]次いで、配管32から酸素
ガスを燃焼室30に供給し続けながら、配管33から水
素ガスを燃焼室30内に供給し、水素ガスと酸素ガスと
を燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼させる。こうし
て生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及びガス
導入部12を介して処理室10へ導入し、ガス排気部1
3から排気する(図65参照)。これによって、シリコ
ン半導体基板40の表面にシリコン酸化膜が形成され
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、水素
ガスを燃焼させる前に、爆鳴気反応を防止するために水
素ガスが導入される領域を予め酸素ガスで十分に満たし
ておく必要がある。ところが、図61に示した縦型方式
のシリコン酸化膜形成装置においては、[工程−40]
においてガス導入部12から酸素ガスが処理室10内に
流入するので、パイロジェニック酸化法によりシリコン
酸化膜を形成する前に、乾燥酸素ガスを用いた所謂乾式
酸化によってシリコン酸化膜(ドライ酸化膜)が形成さ
れてしまう。例えば、処理室10内の雰囲気温度を80
0゜Cとし、燃焼室30に水素ガスを供給する前に処理
室10内に酸素ガスを1分間流すと、膜厚が1〜1.5
nmのドライ酸化膜が形成されてしまう。
【0015】また、シリコン半導体基板40の表面にシ
リコン酸化膜を形成した後、爆鳴気反応を防止するため
に、燃焼室30への水素ガスの供給を中止し、次いで、
酸素ガスを燃焼室30に或る程度の時間、供給し続け
る。この酸素ガスは処理室10内に流入し、その結果、
形成されたシリコン酸化膜とシリコン半導体基板の界面
にドライ酸化膜が形成される虞がある。
【0016】従来の半導体装置においては、最終的に形
成されるシリコン酸化膜の膜厚に対するドライ酸化膜の
膜厚の比率が十分に小さかったので、半導体装置の電気
的信頼性に与えるドライ酸化膜の影響を無視することが
できた。しかしながら、半導体装置の微細化及び高集積
化に伴い、ゲート酸化膜の薄膜化が進行しており、ゲー
ト長が0.18〜0.13μmの半導体装置では、膜厚
が4〜3nmのゲート酸化膜を用いることが予想され
る。それ故、シリコン酸化膜におけるドライ酸化膜の膜
厚の比率が増大し、ドライ酸化膜の半導体装置の電気的
信頼性への影響を無視することができなくなってきてい
る。従って、図61に示した従来のシリコン酸化膜形成
装置を用いた従来のシリコン酸化膜の形成方法では、電
気的信頼性に優れたシリコン酸化膜を有する半導体装置
を製造することが困難である。
【0017】尚、以上の問題は、シリコン半導体基板の
表面において生じるだけでなく、絶縁性基板等の上に設
けられたシリコン層の表面においても生じる問題であ
る。
【0018】爆鳴気反応を防止するために水素ガスが導
入される領域を予め酸素ガスで十分に満たし、かかる酸
素ガスを処理室10内に導入することなく、系外に排気
すれば、上述の問題を回避することが可能である。即
ち、配管31の途中に例えば三方向弁を配設し、この三
方向弁から系外へと延びる排気用配管を設け、あるいは
又、配管31の途中に例えば閉止弁を配設し、この閉止
弁の上流(燃焼室30側)に排気用配管を設け、排気用
配管の途中にも更に閉止弁を設ければ、上述の問題を回
避することが可能である。しかしながら、通常、処理室
10は800゜C前後に保たれ、しかも、燃焼室30内
の温度は700〜900゜Cに保持されているため、配
管31の途中に三方向弁や閉止弁を配設した場合、三方
向弁や閉止弁も高温となり、三方向弁や閉止弁の安定し
た動作を得ることが困難である。
【0019】従って、本発明の目的は、シリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成する際、シリコン層にドライ
酸化膜が形成されることを低減することができ、しか
も、特性の優れたシリコン酸化膜を形成することができ
るシリコン酸化膜形成方法、及び係るシリコン酸化膜の
形成方法の実施に適したシリコン酸化膜形成装置を提供
することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のシリコン酸化膜形成装置は、(A)酸素ガ
スによる水素ガスの燃焼によって水蒸気を生成させるた
めの燃焼室、(B)燃焼室にて生成した水蒸気によって
シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する処理室、
(C)処理室と燃焼室とを接続する配管、及び、燃焼室
若しくは配管から系外に延びる排気用配管から構成され
た配管系、(D)配管系に配設され、配管系を介して燃
焼室を処理室との連通状態あるいは系外との連通状態に
切り替えるためのガス流切替手段、(E)配管系、ガス
流切替手段、又は、配管系及びガス流切替手段を冷却す
るための冷却手段、を備えていることを特徴とする。
【0021】本発明のシリコン酸化膜形成装置、あるい
は後述する本発明のシリコン酸化膜の形成方法における
処理室として、シリコン酸化膜をバッチ方式にて形成す
るための周知の縦型方式の処理室、あるいは又、シリコ
ン酸化膜を枚葉方式にて形成するための横型方式の処理
室を例示することができる。また、燃焼室も周知の構造
を有する従来の燃焼室(例えば、パイロジェニック酸化
法にて使用される燃焼室)とすればよい。
【0022】配管系を構成する配管及び排気用配管は、
例えばステンレススチール等の金属から作製すればよ
い。配管系としては、処理室と燃焼室とを接続する配管
の途中で排気用配管を分岐させる形態、あるいは、処理
室と燃焼室とを接続する配管と、燃焼室から直接系外に
延びる排気用配管から構成された形態を例示することが
できる。ガス流切替手段としては、内部を流れる気体を
二方向の流れに切り替え得る公知の三方向弁、あるい
は、ガス流を遮断し得る2つの閉止弁の組み合わせを挙
げることができる。例えば、配管系を、処理室と燃焼室
とを接続する配管の途中で排気用配管を分岐させる形態
とする場合には、配管の途中に閉止弁を配設し、この閉
止弁の上流(燃焼室側)に設けられた排気用配管の途中
にも更に閉止弁を設ければよい。また、配管と排気用配
管が分岐するところに、三方向弁を設けてもよい。更に
は、配管系を、燃焼室から直接系外に延びる排気用配管
から構成する場合には、配管及び排気用配管のそれぞれ
の途中に閉止弁を配設すればよい。
【0023】冷却手段は、ガス流切替手段が確実に動作
する温度にガス流切替手段を冷却し得る手段であれば如
何なる手段とすることもでき、(1)配管系(配管及び
/又は排気用配管)に取り付けられた冷却用フィン、
(2)配管系(配管及び/又は排気用配管)及び/又は
ガス流切替手段に取り付けられ、温度制御用媒体を流す
冷却用配管、及び温度制御用媒体、(3)配管(配管及
び/又は排気用配管)及び/又はガス流切替手段を空冷
するための冷却用ファンを例示することができる。ある
いは又、処理室あるいは燃焼室から配管や排気用配管を
介して伝わってきた熱によってガス流切替手段が加熱さ
れたとき、ガス流切替手段が確実に動作する温度となる
ように配管や排気用配管を適当な長さとすることも、本
発明における冷却手段に包含される。更には、処理室あ
るいは燃焼室から配管や排気用配管を介して伝わってき
た熱がガス流切替手段に伝わらないように配管や排気用
配管に配設された断熱部材も、本発明における冷却手段
に包含される。尚、配管や排気用配管、あるいはガス流
切替手段内を流れる水蒸気が、配管や排気用配管内、あ
るいはガス流切替手段内で結露しないような温度に配管
や排気用配管及びガス流切替手段を保持する必要があ
る。そのために、配管系(配管及び/又は排気用配
管)、ガス流切替手段、又は配管系(配管及び/又は排
気用配管)及びガス流切替手段に、必要に応じてヒータ
等の加熱手段あるいは温度制御手段を配してもよい。冷
却手段によってどの程度配管あるいはガス流切替手段を
冷却するかは、使用するガス流切替手段(例えば、三方
向弁や閉止弁)の使用温度範囲の上限に基づき決定すれ
ばよい。尚、通常、冷却手段によって配管系を冷却する
場合、配管系(配管及び/又は排気用配管)の一部分を
冷却すれば十分である。
【0024】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、上述の本発
明のシリコン酸化膜形成方法を用い、即ち、(A)酸素
ガスによる水素ガスの燃焼によって水蒸気を生成させる
ための燃焼室、(B)燃焼室にて生成した水蒸気によっ
てシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する処理
室、(C)処理室と燃焼室とを接続する配管、及び、燃
焼室若しくは配管から系外に延びる排気用配管から構成
された配管系、(D)配管系に配設され、配管系を介し
て燃焼室を処理室との連通状態あるいは系外との連通状
態に切り替えるためのガス流切替手段、(E)配管系、
ガス流切替手段、又は、配管系及びガス流切替手段を冷
却するための冷却手段、を備えたシリコン酸化膜形成装
置を用いて、シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成
する方法であって、少なくとも、燃焼室への酸素ガスの
供給開始後、燃焼室への水素ガスの供給により水蒸気が
燃焼室内で生成するまでの間、燃焼室を系外との連通状
態として燃焼室内のガスを配管系を介して系外に排気
し、次いで、燃焼室を処理室との連通状態として燃焼室
にて生成した水蒸気を配管系を介して処理室内に導入
し、シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成すること
を特徴とする。尚、以下、少なくとも、燃焼室への酸素
ガスの供給開始後、燃焼室への水素ガスの供給により水
蒸気が燃焼室内で生成するまでの間、燃焼室を系外との
連通状態として燃焼室内のガスを配管系を介して系外
(具体的には、処理室の外部)に排気する処理を、便宜
上、酸素ガス先出し処理と呼ぶ場合がある。燃焼室内の
ガスを系外に排気する経路としては、配管系にも依る
が、燃焼室、並びにガス流切替手段を含む配管及び排気
用配管を経由する経路、燃焼室、及びガス流切替手段を
含む排気用配管を挙げることができる。
【0025】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、燃焼室を処理室との連通状態と
して燃焼室にて生成した水蒸気によって処理室内でシリ
コン層の表面にシリコン酸化膜を形成した後、燃焼室を
系外との連通状態とし、次いで、燃焼室への水素ガスの
供給を停止し、燃焼室へ酸素ガスを供給し続け、配管系
を介して系外に排気してもよい。尚、このような態様
を、本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法と呼ぶ場合がある。また、以下、燃焼室への水素ガス
の供給を停止し、燃焼室へ酸素ガスを供給し続け、配管
系を介して系外に排気する処理を、便宜上、酸素ガス後
出し処理と呼ぶ場合がある。尚、燃焼室への水素ガスの
供給停止後、燃焼室へ酸素ガスを供給し続ける期間(時
間)は、爆鳴気反応を防止するために水素ガスが導入さ
れる領域を酸素ガスで十分に置換できる期間(時間)で
あればよい。以下においても同様である。尚、燃焼室内
の酸素ガスを系外に排気する経路としては、配管系にも
依るが、燃焼室、並びにガス流切替手段を含む配管及び
排気用配管を経由する経路、燃焼室、及びガス流切替手
段を含む排気用配管を挙げることができる。
【0026】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、上述の本発
明のシリコン酸化膜形成方法を用い、即ち、(A)酸素
ガスによる水素ガスの燃焼によって水蒸気を生成させる
ための燃焼室、(B)燃焼室にて生成した水蒸気によっ
てシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する処理
室、(C)処理室と燃焼室とを接続する配管、及び、燃
焼室若しくは配管から系外に延びる排気用配管から構成
された配管系、(D)配管系に配設され、配管系を介し
て燃焼室を処理室との連通状態あるいは系外との連通状
態に切り替えるためのガス流切替手段、(E)配管系、
ガス流切替手段、又は、配管系及びガス流切替手段を冷
却するための冷却手段、を備えたシリコン酸化膜形成装
置を用いて、シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成
する方法であって、燃焼室を処理室との連通状態として
燃焼室にて生成した水蒸気によって処理室内でシリコン
層の表面にシリコン酸化膜を形成した後、燃焼室を系外
との連通状態とし、次いで、燃焼室への水素ガスの供給
を停止し、燃焼室へ酸素ガスを供給し続け、配管系を介
して系外に排気することを特徴とする。即ち、処理室内
でシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成した後、酸
素ガス後出し処理を行うことを特徴とする。尚、燃焼室
を系外との連通状態とすると同時に燃焼室への水素ガス
の供給を停止することも、本発明のシリコン酸化膜の形
成方法に包含される。
【0027】本発明のシリコン酸化膜形成装置において
は、配管系及び/又はガス流切替手段を冷却するための
冷却手段を備え、また、本発明のシリコン酸化膜の形成
方法においては、配管系及び/又はガス流切替手段を冷
却するための冷却手段を備えたシリコン酸化膜形成装置
を用いるので、ガス流切替手段の安定した動作を得るこ
とができる。それ故、水蒸気ガス生成前、あるいは又、
水蒸気生成中止後、爆鳴気反応が生じることを防止する
ための酸素ガスを系外に排気することができる結果、酸
素ガスによってシリコン層にドライ酸化膜が形成される
ことを確実に防止することができる。尚、酸素ガス先出
し処理を行うことによって、シリコン酸化膜が形成され
始めるシリコン層の表面にドライ酸化膜が形成されるこ
とを確実に防止することができる。また、酸素ガス後出
し処理を行うことによって、シリコン酸化膜とシリコン
層との界面にドライ酸化膜が形成されることを確実に防
止することができる。しかも、水蒸気を用いた酸化法に
よってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成するの
で、優れた特性(例えば、経時絶縁破壊(TDDB)特
性)を有するシリコン酸化膜を形成することができる。
【0028】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におい
ては、シリコン酸化膜を形成するための酸化種である水
蒸気を、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不
活性ガスで希釈してもよい。これによって急激なシリコ
ン酸化膜の形成を抑制することが可能となり、シリコン
酸化膜の膜厚制御性を高めることができ、一層確実に極
薄のシリコン酸化膜を形成することが可能となる。ま
た、酸素ガスが過剰の状態で水素ガスを燃焼してもよ
い。尚、この場合には、水蒸気を含んだ酸素ガスが処理
室内に導入され、シリコン酸化膜の形成に供される。
尚、水蒸気と不活性ガスの混合ガス、水蒸気と酸素ガス
の混合ガス、あるいは、水蒸気と酸素ガスと不活性ガス
の混合ガスを総称して、湿式ガスと呼ぶ場合がある。
【0029】本発明の第1、第2若しくは第3の態様に
係るシリコン酸化膜の形成方法においては、処理室内に
おいて、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しな
い雰囲気温度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の
形成を開始し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を
形成する態様とすることができる。尚、このような態様
を、本発明の第4の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法と呼ぶ場合がある。
【0030】本発明の第4の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端
している原子とシリコン原子との結合が切断されない温
度であることが好ましい。この場合、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない温度は、シリコン層表面
のSi−H結合が切断されない温度、若しくは、シリコ
ン層表面のSi−F結合が切断されない温度であること
が望ましい。面方位が(100)のシリコン半導体基板
を用いる場合、シリコン半導体基板の表面における水素
原子の大半がシリコン原子の2本の結合手のそれぞれに
1つずつ結合しており、H−Si−Hの終端構造を有す
る。然るに、シリコン半導体基板の表面状態が崩れた部
分(例えばステップ形成箇所)には、シリコン原子の1
本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、
あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水
素原子が結合した状態の終端構造が存在する。尚、通
常、シリコン原子の残りの結合手は結晶内部のシリコン
原子と結合している。本明細書における「Si−H結
合」という表現には、シリコン原子の2本の結合手のそ
れぞれに水素原子が結合した状態の終端構造、シリコン
原子の1本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終
端構造、あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれ
ぞれに水素原子が結合した状態の終端構造の全てが包含
される。シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開
始するときの雰囲気温度は、より具体的には、水蒸気が
シリコン層表面で結露しない温度以上、好ましくは20
0゜C以上、より好ましくは300゜C以上とすること
が、スループットの面から望ましい。
【0031】あるいは又、本発明の第1、第2若しくは
第3の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法において
は、処理室内において、水蒸気がシリコン層表面で結露
しない温度以上、500゜C以下、好ましくは450゜
C以下、より好ましくは400゜C以下の雰囲気温度に
て、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する態
様とすることもできる。尚、このような態様を、本発明
の第5の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法と呼ぶ場
合がある。
【0032】本発明の第4の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態にて、ま
た、本発明の第5の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法は、水蒸気がシリコン層表面で結露しない温度以上、
500゜C以下の雰囲気温度にて、シリコン層の表面に
シリコン酸化膜の形成を開始する。シリコン酸化膜の形
成開始時の雰囲気温度をこのような温度とすることによ
って、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることを
防止し得る。また、シリコン原子の酸化は、シリコン層
の最表面からではなく、1層内部のシリコン原子から始
まる。即ち、所謂バックボンドから始まり、所謂レイヤ
ー・バイ・レイヤー(Layer-By-Layer)酸化となる。従
って、シリコン層とシリコン酸化膜との間の界面の平滑
性が原子レベルで保たれるので、最終的に形成されるシ
リコン酸化膜の特性は優れたものとなる。
【0033】本発明の第1の態様〜第5の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、形成されたシリコ
ン酸化膜の特性を一層向上させるために、所望の厚さの
シリコン酸化膜の形成が完了した後、形成されたシリコ
ン酸化膜に熱処理を施すことが好ましい。
【0034】この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン
酸化膜を熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に
優れたシリコン酸化膜を得ることができる。熱処理にお
ける不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘ
リウムガスを例示することができる。また、ハロゲン元
素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることができる
が、なかでも塩素であることが望ましい。不活性ガス中
に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩
化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HB
r、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロ
ゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準とし
て、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜
10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%であ
る。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の
塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であること
が望ましい。
【0035】尚、熱処理を、枚葉処理とすることもでき
るが、炉アニール処理とすることが好ましい。熱処理の
雰囲気温度は、700〜1200゜C、好ましくは70
0〜1000゜C、更に好ましくは700〜950゜C
である。また、熱処理を炉アニール処理とする場合の熱
処理の時間は、5〜60分、好ましくは10〜40分、
更に好ましくは20〜30分である。一方、熱処理を枚
葉処理とする場合の熱処理の時間は、1〜10分とする
ことが好ましい。
【0036】また、形成されたシリコン酸化膜に熱処理
を施す際の雰囲気温度を、所望の厚さのシリコン酸化膜
の形成が完了したときの雰囲気温度よりも高くすること
が望ましい。この場合、所望の厚さのシリコン酸化膜の
形成が完了した後、雰囲気を不活性ガス雰囲気に切り替
え、次いで、熱処理を施すための雰囲気温度まで昇温し
てもよいが、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガ
ス雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温
度まで昇温することが好ましい。ここで、不活性ガスと
しては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示
することができる。また、不活性ガス中に含有されるハ
ロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HC
l)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3
挙げることができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含
有率は、分子又は化合物の形態を基準として、0.00
1〜10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、
更に好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩
化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の塩化水素ガス
含有率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
【0037】熱処理を、ハロゲン元素を含有する不活性
ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行ってもよ
い。
【0038】尚、熱処理後、シリコン酸化膜を窒化処理
してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガス、NO
ガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、中
でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望ましい。あるい
は又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒドラジン誘導
体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2雰囲気中で
アニール処理を行うことが望ましい。窒化処理を700
乃至1200゜C、好ましくは800乃至1150゜
C、更に好ましくは900乃至1100゜Cの温度で行
うことが望ましく、この場合、シリコン層の加熱を赤外
線照射や炉アニールによって行うことが好ましい。
【0039】あるいは又、熱処理の雰囲気を、窒素系ガ
ス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとして、
2、NH3、N2O、NO2、NOを例示することができ
る。
【0040】本発明の第4の態様又は第5の態様に係る
シリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシ
リコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、シ
リコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温
度範囲内とし、あるいは又、500゜C以下、好ましく
は450゜C以下としてもよい。このような温度範囲に
おいてシリコン酸化膜を形成すれば、シリコン酸化膜形
成装置における雰囲気温度の制御範囲を狭くすることが
でき、高い精度で雰囲気温度の制御を行うことができる
ばかりか、高温から低温まで処理室を冷却する必要がな
くなり、シリコン酸化膜の形成に要する時間の短縮化を
図ることができる。尚、シリコン酸化膜の形成レートは
低下するが、デザインルールが0.13μm以降のMO
S型LSIに用いられる膜厚3nm以下のゲート酸化膜
の形成に対しては、生産上、問題は殆ど生じない。尚、
処理室の雰囲気温度が従来よりも低い温度であるが故
に、処理室内へのシリコン層の搬入出速度を上げること
ができる。従って、シリコン酸化膜の形成全体に要する
時間は、従来技術によるシリコン酸化膜の形成に要する
時間と殆ど変わらない。
【0041】あるいは又、本発明の第4の態様又は第5
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、所
望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲
気温度を、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離し
ない雰囲気温度範囲を越える温度としてもよい。この場
合、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したとき
の雰囲気温度は、具体的には、600乃至1200゜
C、好ましくは700乃至1000゜C、更に好ましく
は750乃至900゜Cとすることができるが、このよ
うな温度に限定するものではない。尚、雰囲気温度を段
階的に上昇させてもよいし、連続的に上昇させてもよ
く、これによって、スループットの増加を図ることがで
きる。
【0042】本発明の第4の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコ
ン原子が脱離しない雰囲気温度にてシリコン層の表面に
シリコン酸化膜の形成を開始した後、所定の期間、シリ
コン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度
範囲に雰囲気を保持してシリコン酸化膜を形成する第1
のシリコン酸化膜形成工程と、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲よりも高い雰
囲気温度にて、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を
更に形成する第2のシリコン酸化膜形成工程を含むこと
ができる。尚、このような態様を、本発明の第4Aの態
様に係るシリコン酸化膜の形成方法と呼ぶ場合がある。
このように、シリコン酸化膜の形成工程を2段階とし、
シリコン層の表面に既に保護膜としても機能するシリコ
ン酸化膜が形成された状態で第2のシリコン酸化膜形成
工程を実行するので、第2のシリコン酸化膜形成工程に
要求される雰囲気温度まで昇温するときの雰囲気が非酸
化性雰囲気の場合においてもシリコン層の表面に凹凸
(荒れ)が生じることがない。また、ゲート酸化膜とし
て要求される特性を十分に満足し得る、優れた特性を有
するシリコン酸化膜を短い期間で形成することができ
る。しかも、第1のシリコン酸化膜形成工程において酸
素ガス先出し処理を行えば、シリコン酸化膜が形成され
始めるシリコン層の表面にドライ酸化膜が形成されるこ
とを確実に防止することができる。また、第1のシリコ
ン酸化膜形成工程において酸素ガス後出し処理を行え
ば、あるいは又、第2のシリコン酸化膜形成工程におい
て酸素ガス先出し処理及び/又は酸素ガス後出し処理を
行えば、シリコン酸化膜とシリコン層との界面にドライ
酸化膜が形成されることを確実に防止することができ
る。
【0043】この本発明の第4Aの態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法においても、シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度は、シリコン層表面
を終端している原子とシリコン原子との結合が切断され
ない温度であることが好ましい。この場合、シリコン層
の表面からシリコン原子が脱離しない温度は、シリコン
層表面のSi−H結合が切断されない温度、若しくは、
シリコン層表面のSi−F結合が切断されない温度であ
ることが好ましい。シリコン層の表面にシリコン酸化膜
の形成を開始するときの雰囲気温度は、より具体的に
は、水蒸気がシリコン層表面で結露しない温度以上、好
ましくは200゜C以上、より好ましくは300゜C以
上とすることが、スループットの面から望ましい。ま
た、第2のシリコン酸化膜形成工程におけるシリコン酸
化膜の形成温度は、600乃至1200゜C、好ましく
は700乃至1000゜C、更に好ましくは750乃至
900゜Cであることが望ましい。
【0044】尚、第1のシリコン酸化膜形成工程、第2
のシリコン酸化膜形成工程、又は、第1のシリコン酸化
膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における
シリコン酸化膜形成雰囲気中(例えば、湿式ガス中)に
はハロゲン元素が含有されていてもよい。これによっ
て、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁
破壊(TDDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得るこ
とができる。尚、ハロゲン元素として、塩素、臭素、フ
ッ素を挙げることができるが、なかでも塩素であること
が望ましい。シリコン酸化膜形成雰囲気に含まれるハロ
ゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HC
l)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3
挙げることができる。シリコン酸化膜形成雰囲気中(例
えば、湿式ガス中)のハロゲン元素の含有率は、分子又
は化合物の形態を基準として、0.001〜10容量
%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好ましく
は0.02〜10容量%である。例えば塩化水素ガスを
用いる場合、シリコン酸化膜形成雰囲気中(例えば、湿
式ガス中)の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量
%であることが望ましい。
【0045】本発明の第4Aの態様に係るシリコン酸化
膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を形成するた
めの1つの処理室を備えたシリコン酸化膜形成装置を用
い、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン
酸化膜形成工程をこの処理室内で行うことができる。こ
の場合、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリ
コン酸化膜形成工程をバッチ式にて行うことでき、この
ような態様を本発明の第4A−1の態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法と呼ぶ場合がある。
【0046】あるいは又、本発明の第4Aの態様に係る
シリコン酸化膜の形成方法においては、処理室の外側に
配設され、且つ、シリコン層の表面と略平行に配設され
た、シリコン層を加熱するための加熱手段を有する処理
室を備えたシリコン酸化膜形成装置を用い、第1のシリ
コン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程
を枚葉式にて行うことができる。尚、このような態様を
本発明の第4A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形成
方法と呼ぶ場合がある。
【0047】本発明の第4A−1の態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法においては、従来の石英製の処理室
(酸化炉)を垂直に保持した抵抗加熱の縦型方式のシリ
コン酸化膜形成装置を用いることができる。ところで、
縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いた場合、例え
ばシリコン半導体基板の外周方向の外側にヒータが配設
されているため、昇温中、常に、シリコン半導体基板の
周辺部の方が中心部よりも温度が高くなる。その結果、
昇温中にもシリコン酸化膜が形成されると、シリコン半
導体基板の周辺部の方が中心部よりもシリコン酸化膜の
膜厚が厚くなる傾向にある。一方、本発明の第4A−2
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シ
リコン層の表面と略平行に配設された加熱手段によって
シリコン層を加熱するため、シリコン層の面内の温度ば
らつきを少なくすることができる。その結果、昇温中に
シリコン酸化膜が形成される場合であっても、形成され
るシリコン酸化膜の面内膜厚ばらつき発生を抑制するこ
とができる。
【0048】本発明の第4Aの態様に係るシリコン酸化
膜の形成方法においては、第1のシリコン酸化膜形成工
程と第2のシリコン酸化膜形成工程との間に昇温工程を
含むことが好ましい。この場合、昇温工程における雰囲
気を、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気とするか、
あるいは又、水蒸気を含む酸化雰囲気とすることが望ま
しい。ここで、不活性ガスとして、窒素ガス、アルゴン
ガス、ヘリウムガスを例示することができる。尚、昇温
工程における雰囲気中の不活性ガス若しくは酸化雰囲気
には、ハロゲン元素が含有されていてもよい。これによ
って、第1のシリコン酸化膜形成工程にて形成されたシ
リコン酸化膜の特性の一層の向上を図ることができる。
即ち、第1のシリコン酸化膜形成工程において生じ得る
欠陥であるシリコンダングリングボンド(Si・)やS
iOHが昇温工程においてハロゲン元素と反応し、シリ
コンダングリングボンドが終端しあるいは脱水反応を生
じる結果、信頼性劣化因子であるこれらの欠陥が排除さ
れる。特に、これらの欠陥の排除は、第1のシリコン酸
化膜形成工程において形成された初期のシリコン酸化膜
に対して効果的である。ハロゲン元素として、塩素、臭
素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩素であ
ることが望ましい。不活性ガス若しくは酸化雰囲気中に
含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化
水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HB
r、NF3を挙げることができる。不活性ガス若しくは
酸化雰囲気中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合
物の形態を基準として、0.001〜10容量%、好ま
しくは0.005〜10容量%、更に好ましくは0.0
2〜10容量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場
合、不活性ガス若しくは酸化雰囲気中の塩化水素ガス含
有率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
尚、昇温工程における雰囲気を、不活性ガスで希釈され
た水蒸気を含む酸化雰囲気とすることもできる。
【0049】あるいは又、本発明の第4Aの態様に係る
シリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜
を形成するための第1の処理室及び第2の処理室、並び
に、第1の処理室と第2の処理室とを結ぶ搬送路を備え
たシリコン酸化膜形成装置を用い、第1のシリコン酸化
膜形成工程を第1の処理室内にて行い、その後、シリコ
ン層を第1の処理室から搬送路を介して第2の処理室に
搬入し、次いで、第2のシリコン酸化膜形成工程を第2
の処理室にて行うこともできる。尚、このような態様を
本発明の第4A−3の態様に係るシリコン酸化膜の形成
方法と呼ぶ場合がある。
【0050】2段階のシリコン酸化膜の形成を1つの処
理室内で行う場合には、処理室内の雰囲気温度制御を広
い範囲に亙って行わなければならず、処理室内の雰囲気
温度を正確に制御することが困難となる場合がある。ま
た、処理室内の雰囲気温度を昇温させる必要があるた
め、スループットの低下を招き易い。本発明の第4A−
3の態様においては、第1の処理室及び第2の処理室に
おいてシリコン酸化膜を形成するので、各処理室内の雰
囲気温度を所定の狭い範囲の一定温度に保持すればよ
く、各処理室内の雰囲気温度制御を一層正確に行うこと
ができるばかりか、処置室内の温度安定性に優れる。従
って、シリコン酸化膜の膜厚制御性に優れる。しかも、
2段階のシリコン酸化膜の形成を1つの処理室内で行う
場合のように第1のシリコン酸化膜形成工程における雰
囲気温度から第2のシリコン酸化膜形成工程における雰
囲気温度まで広い温度範囲に亙って雰囲気温度を変化さ
せる必要がないため、スループットの低下を招くことも
ない。
【0051】本発明の第4A−3の態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法においては、シリコン層を第1の処理
室から大気に曝すことなく搬送路を介して第2の処理室
に搬送することが、形成されたシリコン酸化膜の表面の
汚染発生を防止する観点から、好ましい。尚、具体的に
は、シリコン層の搬送中における搬送路内の雰囲気を、
不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気とすることが好ま
しい。ここで、不活性ガスとして、窒素ガス、アルゴン
ガス、ヘリウムガスを例示することができる。この場
合、シリコン層を第1の処理室から搬送路を介して第2
の処理室に搬入する際の搬送路内の雰囲気温度を、例え
ば室温(常温)としてもよいが、シリコン層表面にシリ
コン酸化膜を形成するときの第1の処理室内の雰囲気温
度と略等しくすることが、スループットの向上の観点か
ら、好ましい。
【0052】本発明の第4A−3の態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法においては、第1のシリコン酸化膜形
成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式に
て行うことができる。あるいは又、第1のシリコン酸化
膜形成工程を枚葉式にて行い、第2のシリコン酸化膜形
成工程をバッチ式にて行うことができる。更には、第1
のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形
成工程を枚葉式にて行うことができる。
【0053】尚、本発明の第4A−3の態様に係るシリ
コン酸化膜の形成方法においては、第1の処理室に連通
する搬送路の部分と第2の処理室に連通する搬送路の部
分との間にシャッターが配設されたシリコン酸化膜形成
装置を用いることができる。これによって、第1のシリ
コン酸化膜形成工程と第2のシリコン酸化膜形成工程と
を、それぞれ、独立して行うことが可能となり、スルー
プットを一層向上させることができる。
【0054】本発明の第4Aの態様に係るシリコン酸化
膜の形成方法においても、第2のシリコン酸化膜形成工
程の完了後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施す
ことが望ましい。尚、第2のシリコン酸化膜形成工程と
熱処理とを、同じ処理室内で実行してもよいし、異なる
処理室内で実行してもよい。第1のシリコン酸化膜形成
工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における好まし
い処理方式、並びに熱処理の方式の組み合わせを以下の
表1に例示するが、これらに限定するものではない。
尚、表1及び後述する表2中、第1のシリコン酸化膜形
成工程、第2のシリコン酸化膜形成工程のそれぞれを、
第1の形成工程、第2の形成工程と表現する。
【0055】
【表1】 第1の形成工程 第2の形成工程 熱処理 バッチ式 バッチ式 バッチ式 枚葉式 バッチ式 バッチ式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 バッチ式
【0056】本発明の第4Aの態様に係るシリコン酸化
膜の形成方法においては、第2のシリコン酸化膜形成工
程を経た後の最終的なシリコン酸化膜の膜厚は、半導体
装置に要求される所定の厚さとすればよい。一方、第1
のシリコン酸化膜形成工程を経た後のシリコン酸化膜の
膜厚は、出来る限り薄いことが好ましい。但し、現在、
半導体装置の製造に用いられているシリコン半導体基板
の面方位は殆どの場合(100)であり、如何にシリコ
ン半導体基板の表面を平滑化しても(100)シリコン
半導体基板の表面には必ずステップと呼ばれる段差が形
成される。このステップは通常シリコン原子1層分であ
るが、場合によっては2〜3層分の段差が形成されるこ
とがある。従って、第1のシリコン酸化膜形成工程を経
た後のシリコン酸化膜の膜厚は、シリコン層として(1
00)シリコン半導体基板を用いる場合、1nm以上と
することが好ましいが、これに限定するものではない。
【0057】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におい
ては、シリコン酸化膜を形成する前の雰囲気を、シリコ
ン酸化膜の形成の前の不所望のシリコン酸化膜の形成を
抑制するために、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
ス等の不活性ガス雰囲気、あるいは減圧雰囲気とするこ
とが望ましい。
【0058】通常、シリコン層にシリコン酸化膜を形成
する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHC
l/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシ
リコン層の表面を洗浄し、その表面から微粒子や金属不
純物を除去した後、フッ化水素酸水溶液及び純水による
シリコン層の表面洗浄を行う。ところが、その後、シリ
コン層が大気に曝されると、シリコン層の表面が汚染さ
れ、水分や有機物がシリコン層の表面に付着し、あるい
は又、シリコン層表面のSi原子が水酸基(OH)と結
合する虞がある(例えば、文献 "Highly-reliable Gate
Oxide Formation for Giga-Scale LSIs by using Clos
ed Wet Cleaning System and Wet Oxidation with Ultr
a-Dry Unloading", J. Yugami, et al., International
Electron Device Meeting Technical Digest 95, pp 8
55-858 参照)。このような場合、そのままの状態でシ
リコン酸化膜の形成を開始すると、形成されたシリコン
酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取
り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あるい
は欠陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部分と
は、シリコンダングリングボンド(Si・)やSi−H
結合といった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部分、あ
るいは又、Si−O−Si結合が応力によって圧縮され
若しくはSi−O−Si結合の角度が厚い若しくはバル
クのシリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角度と異
なるといったSi−O−Si結合が含まれたシリコン酸
化膜の部分を意味する。それ故、このような問題の発生
を回避するためには、本発明のシリコン酸化膜の形成方
法において、シリコン酸化膜の形成開始以前にシリコン
層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン層
を大気に曝すことなく(即ち、例えば、シリコン層表面
の洗浄からシリコン酸化膜の形成開始までの雰囲気を不
活性ガス雰囲気若しくは真空雰囲気とし)、シリコン酸
化膜の形成を開始すればよい。これによって、大部分が
水素で終端され、極一部がフッ素で終端された表面を有
するシリコン層にシリコン酸化膜を形成することがで
き、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あるいは欠陥
部分の発生を防止することができる。
【0059】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への供給、及
び水蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度
プロファイルを模式的に図5〜図14に示す。シリコン
酸化膜の形成雰囲気温度も併せて表示する。尚、図にお
いて、酸素ガス及び水素ガスのそれぞれの「ON」、
「OFF」の表示は、燃焼室へのこれらのガスの供給、
不供給を示す。また、水蒸気の「ON」、「OFF」の
表示は、水蒸気の生成、不生成を示す。更に、「系外
へ」、「処理室へ」の表示は、ガス流切替手段の切り替
えによって、水蒸気等が系外に排気され、水蒸気等が処
理室内へ導入されることを示す。また、図において、
「先出し処理」及び「後出し処理」は、酸素ガス先出し
処理及び酸素ガス後出し処理を意味する。
【0060】また、雰囲気温度プロファイル中、シリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する時の雰囲
気温度の下限値をT1で示し、シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度の上限値をT2で示
す。更には、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了
したときの雰囲気温度あるいは第2のシリコン酸化膜形
成工程における雰囲気温度をT3で示し、熱処理におけ
る雰囲気温度をT4で示す。図中、実線はシリコン酸化
膜が形成されている状態を表し、一点鎖線は、シリコン
層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する雰囲気温度
まで雰囲気温度を昇温する過程、あるいは又、シリコン
酸化膜の形成完了後、室温まで雰囲気温度を降温させる
過程、あるいは又、搬送工程から第2のシリコン酸化膜
形成工程における雰囲気温度まで雰囲気温度を昇温する
過程を表す。また、点線は搬送路における搬送工程を示
し、二重線は熱処理工程を表す。昇温工程を実線にて示
した雰囲気温度プロファイルにおいては、昇温工程にお
いてもシリコン酸化膜の形成が行われることを示し、昇
温工程を鎖線にて示した雰囲気温度プロファイルにおい
ては、昇温工程においてシリコン酸化膜の形成が行われ
ないことを示す。また、図中、「RT」は室温(常温)
を意味する。
【0061】図5及び図6に示す導入シークエンスにお
いては、酸素ガス先出し処理のみを行う。一方、図7及
び図8に示す導入シークエンスにおいては、酸素ガス後
出し処理のみを行う。更には、図9及び図10に示す導
入シークエンスにおいては、酸素ガス前出し処理及び酸
素ガス後出し処理を行う。尚、図5、図7及び図9にお
いては、処理室内において、シリコン層の表面からシリ
コン原子が脱離しない雰囲気温度にてシリコン層の表面
にシリコン酸化膜の形成を開始し、あるいは又、水蒸気
がシリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以
下の雰囲気温度にて、シリコン層の表面にシリコン酸化
膜の形成を開始する。そして、所望の厚さのシリコン酸
化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、シリコン層
の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲内
とし、あるいは又、500゜C以下とする。一方、図
6、図8及び図10においては、処理室内において、シ
リコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温
度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
し、あるいは又、水蒸気がシリコン層表面で結露しない
温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、シリコン
層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。そして、
所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰
囲気温度(T3)を、シリコン層の表面からシリコン原
子が脱離しない雰囲気温度範囲(T1〜T2)を越える温
度としている。図6、図8及び図10におけるシリコン
酸化膜形成雰囲気温度の昇温パターンは例示であり、か
かる昇温パターンに限定するものではない。また、以下
の図における昇温パターンも例示である。
【0062】図11及び図12には、本発明の第4A−
1若しくは第4A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形
成方法における導入シークエンス及び雰囲気温度プロフ
ァイルを示す。また、図13及び図14には、本発明の
第4A−3の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法にお
ける導入シークエンス及び雰囲気温度プロファイルを示
す。図11、図13及び図14に示す例においては、第
1のシリコン酸化膜形成工程において、酸素ガス先出し
処理及び酸素ガス後出し処理を行い、更には、第2のシ
リコン酸化膜形成工程においても、酸素ガス先出し処理
及び酸素ガス後出し処理を行う。ここで、図11に示し
た例においては、昇温工程を不活性ガス雰囲気とし、昇
温工程においてシリコン酸化膜の形成を行っていない。
一方、図12に示した例においては、昇温工程を湿式ガ
スを含む酸化雰囲気とし、昇温工程においてもシリコン
酸化膜の形成を行っている。従って、第1のシリコン酸
化膜形成工程の開始前に酸素ガス先出し処理を行い、第
2のシリコン酸化膜形成工程の完了後に酸素ガス後出し
処理を行う。また、図13に示した例においては、搬送
工程における搬送路内の雰囲気温度は、例えば室温(常
温)である。一方、図14に示した例においては、搬送
工程における搬送路内の雰囲気温度は、例えば、第1の
シリコン酸化膜形成工程における第1の処理室内の雰囲
気温度と略等しい。
【0063】以下の表2に、第1のシリコン酸化膜形成
工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における酸素ガ
ス先出し処理及び酸素ガス後出し処理の組み合わせを示
す。表2中、「○」印は酸素ガス先出し処理あるいは酸
素ガス後出し処理を実行することを意味し、「×」印は
酸素ガス先出し処理あるいは酸素ガス後出し処理を実行
しないことを意味する。また、表2中、酸素ガス先出し
処理及び酸素ガス後出し処理のそれぞれを、「先出し」
及び「後出し」と表現する。
【0064】
【表2】 第1の形成工程 第2のシリコン酸化膜 先出し 後出し 先出し 後出し ケース−01 ○ × × × ケース−02 × ○ × × ケース−03 × × ○ × ケース−04 × × × ○ ケース−05 ○ ○ × × ケース−06 ○ × ○ × ケース−07 ○ × × ○ ケース−08 × ○ ○ × ケース−09 × ○ × ○ ケース−10 × × ○ ○ ケース−11 ○ ○ ○ × ケース−12 ○ ○ × ○ ケース−13 ○ × ○ ○ ケース−14 × ○ ○ ○ ケース−15 ○ ○ ○ ○
【0065】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におい
て、シリコン層とは、シリコン半導体基板等の基板その
ものだけでなく、基板の上に形成されたエピタキシャル
シリコン層(選択エピタキシャル成長法にて形成された
エピタキシャルシリコン層を含む)、多結晶シリコン
層、あるいは非晶質シリコン層、所謂張り合わせ法やS
IMOX法に基づき製造されたSOI構造におけるシリ
コン層、更には、基板やこれらの層に半導体素子や半導
体素子の構成要素が形成されたもの等、シリコン酸化膜
を形成すべきシリコン層を意味する。シリコン半導体基
板の作製方法は、CZ法、MCZ法、DLCZ法、FZ
法等、如何なる方法であってもよいし、また、予め高温
の水素アニール処理を行い結晶欠陥を除去したものでも
よい。
【0066】本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例
えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜
や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトム
ゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラ
ッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装
置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができ
る。
【0067】あるいは又、本発明のシリコン酸化膜の形
成方法においては、シリコン酸化膜はゲート酸化膜やト
ンネル酸化膜である態様だけでなく、シリコン酸化膜
を、シリコン半導体基板(シリコン層に相当する)の表
面にゲート酸化膜形成以前にシリコン半導体基板(シリ
コン層に相当する)に形成される酸化膜とする態様とす
ることもできる。後者の場合、シリコン半導体基板の表
面にゲート酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成
される酸化膜を、素子分離領域を形成するための酸化膜
(即ち、LOCOS構造やトレンチ構造の素子分離領域
形成工程において、シリコン窒化膜を堆積させるための
下地としての酸化膜)とすることができ、あるいは又、
犠牲酸化膜とすることができる。尚、素子分離領域は、
LOCOS構造を有し、あるいは、トレンチ構造を有
し、あるいは又、LOCOS構造及びトレンチ構造を有
する形態とすることができる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0069】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
のシリコン酸化膜の形成方法に関し、具体的には、本発
明の第4及び第5の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法に関し、より具体的には、本発明の第4A−1及び第
5の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実
施の形態1においては、シリコン酸化膜を形成するため
の1つの処理室を備えたシリコン酸化膜形成装置を用
い、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン
酸化膜形成工程をこの処理室内で行う。更には、第1の
シリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成
工程をバッチ式にて行う。また、第1のシリコン酸化膜
形成工程と第2のシリコン酸化膜形成工程との間に昇温
工程(昇温工程の雰囲気は不活性ガス雰囲気)を含む。
具体的には、実施の形態1においては、図1に示した縦
型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いる。また、実施
の形態1においては、シリコン層をシリコン半導体基板
から構成する。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化
膜として機能する。尚、第2のシリコン酸化膜形成工程
において所望の厚さになるまで更にシリコン酸化膜を形
成した後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲ
ン元素を含有する不活性ガス雰囲気(塩化水素ガスを含
む窒素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施
す。
【0070】実施の形態1の実施に適した本発明のシリ
コン酸化膜形成装置の模式図を図1に示す。このシリコ
ン酸化膜形成装置は、酸素ガスによる水素ガスの燃焼に
よって水蒸気を生成させるための燃焼室30と、燃焼室
30にて生成した水蒸気によってシリコン層の表面にシ
リコン酸化膜を形成する処理室10と、配管系31,3
6と、配管系に配設されそして配管系を介して燃焼室3
0を処理室10との連通状態あるいは系外(処理室10
の外部)との連通状態に切り替えるためのガス流切替手
段34,35と、冷却手段37を備えている。処理室1
0及びそれに付属する装置は、図61に示した縦型方式
のシリコン酸化膜形成装置と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。尚、参照番号38は、ガス
流路11及びガス導入部12を介して処理室10へ窒素
ガス等の不活性ガスを導入するための配管である。配管
38にも閉止弁が配設されているが、かかる閉止弁の図
示は省略した。
【0071】配管系は、処理室10と燃焼室30とを接
続する配管31、及び、配管31から系外へと延びる排
気用配管36から構成されている。具体的には、排気用
配管36は、配管31の途中から分岐して系外(処理室
10の外部)へと延びている。ガス流切替手段は、第1
の閉止弁34及び第2の閉止弁35から構成されてい
る。第1の閉止弁34は、処理室10と燃焼室30とを
接続する配管31の途中に配設されている。また、第2
の閉止弁35は、第1の閉止弁34の上流(燃焼室30
側)に設けられた排気用配管36の途中に配設されてい
る。冷却手段は、配管31の一部分、排気用配管36の
一部分、及びガス流切替手段である2つの閉止弁34,
35を取り囲むように取り付けられ、そして温度制御用
媒体を流す冷却用配管、及び温度制御用媒体から構成さ
れている。そして、冷却手段37によって、配管系であ
る配管31、排気用配管36の一部分並びにガス流切替
手段34,35が冷却される。尚、図1中、「IN」
は、冷却用配管に温度制御用媒体が流入することを示
し、「OUT」は、冷却用配管から温度制御用媒体が流
出することを示す。冷却用配管から流出した温度制御用
媒体を、図示しないチラー等によって所定の温度とし、
再び冷却用配管に流入させる。
【0072】尚、図2の(A)に模式的に示すように、
配管31の一部と、配管31に配設された第1の閉止弁
34を冷却手段37Aによって冷却し、排気用配管36
の一部と、排気用配管36に配設された第2の閉止弁3
5を冷却手段37Bによって冷却してもよい。また、図
2の(B)に模式的に示すように、配管31の一部(第
1の閉止弁34より上流の配管31の部分)及び排気用
配管36の一部(第2の閉止弁35より上流の排気用配
管35の部分)を冷却手段37Cによって冷却し、配管
31の一部(第1の閉止弁34より下流の配管31の部
分)を冷却手段37Dによって冷却してもよい。
【0073】更には、図3の(A)に模式的に示すよう
に、配管31の一部(第1の閉止弁34より上流の配管
31の部分)及び配管31の一部(第1の閉止弁34よ
り下流の配管31の部分)を冷却手段37E,37Fに
よって冷却してもよい。また、図3の(B)に模式的に
示すように、冷却手段37E,37Fによって冷却され
る配管31の部分を複数の配管に分岐させ、再び集合さ
せる構造とすることもできる。また、図4の(A)に模
式的に示すように、配管31の一部分の長さを延長し、
処理室10あるいは燃焼室30から配管31を介して伝
わってきた熱によってガス流切替手段34,35が加熱
されたとき、ガス流切替手段34,35が確実に動作す
る温度となるような構成とすることもできる。尚、例え
ばコイル状に巻かれた配管31の部分の近傍に温度制御
手段37G,37Hを配設することが好ましい。尚、図
4の(A)においては、配管31、排気用配管36を線
にて示した。更には、図4の(B)に示すように、ガス
流切替手段として三方向弁34Aを使用し、三方向弁3
4A及びその近傍の配管31、排気用配管36のみを冷
却手段37Iによって冷却してもよい。また、配管系及
び冷却手段として、以上に説明した構成を組み合わせて
もよい。
【0074】以下、図1、図15、図17〜図19を参
照して、実施の形態1のシリコン酸化膜の形成方法を説
明する。また、実施の形態1における雰囲気温度プロフ
ァイルを模式的に図16に示す。
【0075】[工程−100]先ず、リンをドープした
直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)
であるシリコン半導体基板40に、公知の方法でLOC
OS構造を有する素子分離領域41を形成し、次いでウ
エルイオン注入、チャネルストップイオン注入、閾値調
整イオン注入を行う。尚、素子分離領域はトレンチ構造
を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造
の組み合わせであってもよい。その後、RCA洗浄によ
りシリコン半導体基板40の表面の微粒子や金属不純物
を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純
水によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行い、シ
リコン半導体基板40の表面を露出させる(図15の
(A)参照)。尚、シリコン半導体基板40の表面は大
半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終端されて
いる。
【0076】[工程−110]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図1に示したシリコン酸化膜形成装置
の基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボ
ート24に載置する(図17の(A)参照)。尚、配管
38、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室
10へ窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス等の
不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であってもよい)、
且つ、均熱管16を介してヒータ14によって処理室1
0内の雰囲気温度を400゜Cに保持する。尚、この状
態においては、シャッター15は閉じておく。
【0077】[工程−120]一方、酸素ガス先出し処
理を行う。即ち、第1の閉止弁34を閉じそして第2の
閉止弁35を開いた状態で、配管32から燃焼室30へ
の酸素ガスの供給を開始する。そして、燃焼室30内の
ガス(即ち、酸素ガス)を、配管31、第2の閉止弁3
5及び排気用配管36を介して系外に排気する。尚、閉
止弁34,35の動作が安定する温度であって、閉止弁
34,35内及び配管31、排気用配管36内で水蒸気
が結露しない温度、例えば150゜Cに、冷却手段37
によって配管31、排気用配管36及び閉止弁34,3
5を保持する。尚、以下の説明においても同様とする。
【0078】[工程−130]基板搬入出部20へのシ
リコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示しない
扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から窒素
ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬入出
部20内を窒素ガス雰囲気とする。尚、基板搬入出部2
0内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度が例え
ば100ppm以下となったならば、基板搬入出部20
内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断する。尚、以
下の実施の形態においても同様とする。その後、シャッ
ター15を開き(図17の(B)参照)、エレベータ機
構23を作動させて石英ボート24を上昇させ(上昇速
度:250mm/分)、シリコン半導体基板40を石英
製の二重管構造の処理室10内に搬入する(図18の
(A)参照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り
着くと、石英ボート24の基部によって処理室10と基
板搬入出部20との間は連通しなくなる。処理室10内
の雰囲気温度はヒータ14によって400゜Cに保持さ
れているので、即ち、シリコン層の表面からシリコン原
子が脱離しない雰囲気温度に処理室10内が保持されて
いるので、シリコン半導体基板40の表面に荒れが発生
することを抑制することができる。
【0079】[工程−140]次いで、酸素ガス先出し
処理を続行する。即ち、配管33から水素ガスの燃焼室
30への供給を開始し、燃焼室30内で水蒸気(具体的
には、水蒸気と酸素ガスの混合ガスである湿式ガス)を
生成させる。この水蒸気は、配管31、第2の閉止弁3
5及び排気用配管36を介して系外に排気される。
【0080】[工程−150]燃焼室30内での水蒸気
の生成が安定した後、配管38から処理室10への窒素
ガスの供給を中断し、次いで、あるいはこれと同時に、
第1の閉止弁34を開き、第2の閉止弁35を閉じる。
これによって、燃焼室30内で生成した水蒸気(具体的
には、水蒸気と酸素ガスの混合ガスである湿式ガス)
が、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介し
て処理室10へ導入される。尚、処理室10内の雰囲気
温度を400゜Cに保持する。
【0081】こうして、シリコン層の表面においてシリ
コン酸化膜の形成が開始される。即ち、シリコン層の表
面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、シリ
コン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。ある
いは又、水蒸気がシリコン層表面で結露しない温度以
上、500゜C以下の雰囲気温度にて、シリコン層の表
面にシリコン酸化膜の形成を開始する。そして、シリコ
ン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度に
て、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面
にシリコン酸化膜の形成を開始した後、所定の期間、シ
リコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温
度範囲に雰囲気を保持してシリコン酸化膜を形成する第
1のシリコン酸化膜形成工程を実行する。具体的には、
シリコン層(実施の形態1においては、シリコン半導体
基板40)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気温度を保持した状態で(実施の形態1において
は、具体的には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、パ
イロジェニック法によってシリコン層の表面に厚さ1.
2nmのシリコン酸化膜42を形成する(図15の
(B)及び図18の(B)参照)。このシリコン酸化膜
の厚さはSiO2の数分子層に相当する厚さであり、シ
リコン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保護
膜として機能するのに十分な厚さである。
【0082】[工程−160]厚さ1.2nmのシリコ
ン酸化膜を形成した後、酸素ガス後出し処理を実行す
る。即ち、第2の閉止弁35を開き、第1の閉止弁34
を閉じる。これによって、燃焼室30内で生成した水蒸
気は、配管31、第2の閉止弁35及び排気用配管36
を介して系外に排気される。一方、配管38、ガス流路
11及びガス導入部12を介して処理室10へ窒素ガス
を導入する。その後、水素ガスの燃焼室30への供給を
中断し、酸素ガスのみを燃焼室30、配管31、第2の
閉止弁35及び排気用配管36を介して系外に排気す
る。尚、第2の閉止弁35を開き、第1の閉止弁34を
閉じると同時に、水素ガスの燃焼室30への供給を中断
し、酸素ガスのみを燃焼室30、配管31、第2の閉止
弁35及び排気用配管36を介して系外に排気してもよ
い。以下の酸素ガス後出し処理においても同様すること
ができる。燃焼室30内が十分に酸素ガス雰囲気となっ
たならば、燃焼室30への酸素ガスの供給を中断する
(図19の(A)参照)。
【0083】[工程−170]配管38から処理室10
への窒素ガスの導入を続けながら、シリコン酸化膜形成
装置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介し
てヒータ14によって800゜Cまで昇温する(図19
の(B)参照)。尚、昇温速度を10゜C/分とする。
[工程−150]にてシリコン層の表面には保護膜とし
ても機能するシリコン酸化膜が既に形成されているの
で、この[工程−170]において、シリコン層(シリ
コン半導体基板40)の表面に荒れが発生することはな
い。
【0084】[工程−180]シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲よりも高い雰囲
気温度(実施の形態1においては800゜C)に処理室
10内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保
持した状態にて、更にシリコン酸化膜を形成する第2の
シリコン酸化膜形成工程を実行するが、それに先立ち、
酸素ガス先出し処理を行う。具体的には、配管32から
燃焼室30への酸素ガスの供給を再開する。そして、燃
焼室30内のガス(即ち、酸素ガス)を配管31、第2
の閉止弁35及び排気用配管36を介して系外に排気す
る。尚、閉止弁34,35の動作が安定する温度であっ
て、閉止弁34,35内及び配管31、排気用配管36
内で水蒸気が結露しない温度、例えば150゜Cに、冷
却手段37によって配管31、排気用配管36、及び閉
止弁34,35を保持しておく。そして、配管33から
燃焼室30への水素ガスの供給を開始し、燃焼室30内
で水蒸気を生成させる。この水蒸気は、配管31、第2
の閉止弁35及び排気用配管36を介して系外に排気さ
れる。燃焼室30内での水蒸気の生成が安定した後、配
管38から燃焼室30への窒素ガスの供給を中止し、次
いで、あるいはそれと同時に、第1の閉止弁34を開
き、第2の閉止弁35を閉じる。こうして、燃焼室30
内で生成した水蒸気は、配管31、ガス流路11及びガ
ス導入部12を介して処理室10へ導入される。尚、処
理室10内の雰囲気温度を800゜Cに保持する。これ
によって、パイロジェニック酸化法に基づきシリコン半
導体基板40の表面に総厚4.0nmのシリコン酸化膜
42を形成する(図15の(C)及び図20参照)。
尚、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したとき
の雰囲気温度(実施の形態1においては800゜C)
は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始す
る際の雰囲気温度(実施の形態1においては400゜
C)よりも高い。
【0085】厚さ4.0nmのシリコン酸化膜を形成し
た後、酸素ガス後出し処理を実行する。即ち、第2の閉
止弁35を開き、第1の閉止弁34を閉じる。こうし
て、燃焼室30内で生成した水蒸気を、配管31、第2
の閉止弁35及び排気用配管36を介して系外に排気す
る。一方、配管38、ガス流路11及びガス導入部12
を介して処理室10へ窒素ガスを導入する。その後、水
素ガスの燃焼室30への供給を中止し、酸素ガスのみを
燃焼室30、配管31、第2の閉止弁35及び排気用配
管36を介して系外に排気する。燃焼室30内が十分に
酸素ガス雰囲気となったならば、燃焼室30への酸素ガ
スの供給を中止し、燃焼室30内、配管31内、第2の
閉止弁35内、排気用配管36内を不活性ガスでパージ
する。
【0086】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24
を下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半
導体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有す
るシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説
明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0087】[工程−190]即ち、その後、窒素ガス
のガス導入部12から処理室10内への導入を継続しな
がら、処理室10の雰囲気温度をヒータ14によって8
50゜Cまで昇温する。その後、塩化水素ガスを0.1
容量%含有する窒素ガスをガス導入部12から処理室1
0内に導入し、30分間、熱処理を行う。以上により、
シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜
42の形成が完了する(図15の(D)参照)。以降、
処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、エレベータ機構2
3を動作させて石英ボート24を下降させ、次いで、基
板搬入出部20からシリコン半導体基板40を搬出す
る。
【0088】(実施の形態2)実施の形態2は実施の形
態1の変形である。実施の形態2が実施の形態1と相違
する点は、第1のシリコン酸化膜形成工程、昇温工程、
第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度プロ
ファイルにある。実施の形態2における雰囲気温度プロ
ファイルを模式的に図21に示す。以下、図22〜図2
4を参照して、実施の形態2のシリコン酸化膜の形成方
法を説明する。
【0089】[工程−200]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0090】[工程−210]次に、複数のシリコン半
導体基板を、図1に示したシリコン酸化膜形成装置の基
板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート
24に載置する(図22の(A)参照)。尚、配管38
から処理室10へガス導入部12から窒素ガスを導入
し、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とす
る(減圧雰囲気であってもよい)。尚、実施の形態2に
おいては、処理室10内の雰囲気温度を室温とする。
【0091】[工程−220]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板の搬入が完了した後、図示し
ない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から
窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬
入出部20内を窒素ガス雰囲気とする。その後、シャッ
ター15を開き、エレベータ機構23を作動させて石英
ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板を石英製の
二重管構造の処理室10内に搬入する(図22の(B)
参照)。エレベータ機構23の上昇速度を500mm/
分とする。
【0092】[工程−230]次いで、均熱管16を介
してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を2
00゜Cまで上昇させる(図23の(A)参照)。併せ
て、実施の形態1の[工程−120]にて説明したと同
様に、酸素ガス先出し処理を行う。即ち、第2の閉止弁
35を開きそして第1の閉止弁34を閉じた状態で、配
管32から燃焼室30への酸素ガスの供給を開始する。
そして、燃焼室30内のガス(即ち、酸素ガス)を配管
31、第2の閉止弁35及び排気用配管36を介して系
外に排気する。
【0093】そして、実施の形態1の[工程−140]
と同様に、配管33から燃焼室30への水素ガスの供給
を開始し、燃焼室30内で水蒸気を生成させる。この水
蒸気は、配管31、第2の閉止弁35及び排気用配管3
6を介して系外に排気される。処理室10内の雰囲気温
度が200゜Cにて安定した後、即ち、雰囲気温度をシ
リコン層(実施の形態2においては、シリコン半導体基
板)の表面からシリコン原子が脱離しない温度(実施の
形態2においては、具体的には、雰囲気温度を200゜
Cに設定)とした後、実施の形態1の[工程−150]
と同様に、配管38から処理室10への窒素ガスの供給
を中断し、次いで、あるいはそれと同時に、第1の閉止
弁34を開き、第2の閉止弁35を閉じ、燃焼室30内
で生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及びガス
導入部12を介して処理室10へ導入する。こうして、
シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成を開始する。
尚、シリコン酸化膜形成雰囲気中には、濃度0.1容量
%の塩化水素ガスが含有されていてもよい。その後、シ
リコン酸化膜を形成しながら、均熱管16を介してヒー
タ14によって処理室10内の雰囲気温度を400゜C
まで上昇させる(図23の(B)参照)。これによっ
て、厚さ1nm程度のシリコン酸化膜を形成する。
【0094】[工程−240]その後、実施の形態1の
[工程−160]と同様に、酸素ガス後出し処理を実行
する。即ち、第1の閉止弁34を閉じ、第2の閉止弁3
5を開き、燃焼室30内で生成した水蒸気を、配管3
1、第2の閉止弁35及び排気用配管36を介して系外
に排気すると共に、配管38、ガス流路11及びガス導
入部12を介して処理室10へ窒素ガスを導入する。そ
の後、水素ガスの燃焼室30への供給を中断し、酸素ガ
スのみを燃焼室30、配管31、第2の閉止弁35及び
排気用配管36を介して系外に排気する。燃焼室30内
が十分に酸素ガス雰囲気となったならば、燃焼室30へ
の酸素ガスの供給を中断する。一方、不活性ガス(ハロ
ゲン元素が含有されていてもいなくともよい)をガス導
入部12から処理室10内に導入しながら、シリコン酸
化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管1
6を介してヒータ14によって600゜Cまで昇温する
(図24の(A)参照)。尚、[工程−230]にてシ
リコン層の表面には保護膜としても機能するシリコン酸
化膜が既に形成されているので、この[工程−240]
において、シリコン層(シリコン半導体基板)の表面に
荒れが発生することはない。処理室10内への湿式ガス
(ハロゲン元素が含有されていてもいなくともよい)の
導入を継続しながら、シリコン酸化膜形成装置の処理室
10内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14
によって、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離し
ない雰囲気温度範囲よりも高い雰囲気温度(600゜
C)まで昇温してもよい。尚、この場合には、酸素ガス
後出し処理及び次の工程における酸素ガス先出し処理は
不要である。
【0095】[工程−250]600゜Cに処理室10
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、実施の形態1の[工程−180]と同様に
して、シリコン層の表面にシリコン酸化膜を更に形成す
る(図24の(B)参照)。尚、湿式ガス中には、濃度
0.1容量%の塩化水素ガスが含有されていてもよい。
具体的には、酸素ガス先出し処理を行い、次いで、第2
のシリコン酸化膜形成工程を行う。こうして、パイロジ
ェニック酸化法によってシリコン半導体基板の表面に総
厚3.5nmのシリコン酸化膜を形成する。その後、実
施の形態1の[工程−180]と同様に、酸素ガス後出
し処理を行う。
【0096】以上により、シリコン半導体基板の表面に
おけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以降、エ
レベータ機構23を動作させて石英ボート24を下降さ
せ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導体基板
を搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸
化膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理
をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0097】[工程−260]即ち、その後、窒素ガス
をガス導入部12から処理室10内に導入しつつ、処理
室10の雰囲気温度をヒータ14によって850゜Cま
で昇温する。その後、塩化水素ガスを0.1容量%含有
する窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に導入
し、30分間、熱処理を行う。以上により、シリコン半
導体基板の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了す
る。以降、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、エレベ
ータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、
扉を開き、次いで、基板搬入出部20からシリコン半導
体基板を搬出する。
【0098】(実施の形態3)実施の形態3も、実施の
形態1の変形である。実施の形態3が実施の形態1と相
違する点は、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2の
シリコン酸化膜形成工程における湿式ガスにハロゲン元
素(具体的には、塩素)が含有されている点にある。
尚、塩素は塩化水素の形態であり、湿式ガス中に含有さ
れる塩化水素ガスの濃度を0.1容量%とする。実施の
形態3においても、図1に示した縦型方式のシリコン酸
化膜形成装置を用いる。また、実施の形態3において
も、シリコン層をシリコン半導体基板から構成する。形
成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜として機能す
る。昇温工程の雰囲気を酸化性雰囲気とする。第2のシ
リコン酸化膜形成工程にて更にシリコン酸化膜を形成し
た後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気(塩化水素ガスを含む窒
素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施す。
以下、図26〜図28を参照して、実施の形態3のシリ
コン酸化膜の形成方法を説明する。実施の形態3の第1
のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形
成工程における雰囲気温度プロファイルを図25に示
す。
【0099】[工程−300]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0100】[工程−310]次に、複数のシリコン半
導体基板を、図1に示したシリコン酸化膜形成装置の基
板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート
24に載置する(図26の(A)参照)。尚、処理室1
0へガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室10
内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気で
あってもよい)、且つ、均熱管16を介してヒータ14
によって処理室10内の雰囲気温度を400゜Cに保持
する。尚、この状態においては、シャッター15は閉じ
ておく。
【0101】[工程−320]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板の搬入が完了した後、図示し
ない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から
窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬
入出部20内を窒素ガス雰囲気とする。その後、シャッ
ター15を開き(図26の(B)参照)、エレベータ機
構23を作動させて石英ボート24を上昇させ、シリコ
ン半導体基板を石英製の二重管構造の処理室10内に搬
入する(図27の(A)参照)。エレベータ機構23が
最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によっ
て処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくな
る。処理室10内の雰囲気温度はヒータ14によって4
00゜Cに保持されているので、シリコン半導体基板の
表面に荒れが発生することを抑制することができる。併
せて、実施の形態1の[工程−120]にて説明したと
同様に、酸素ガス先出し処理を行う。即ち、配管32か
ら燃焼室30への酸素ガスの供給を開始する。そして、
燃焼室30内のガス(即ち、酸素ガス)を配管31、第
2の閉止弁35及び排気用配管36を介して系外に排気
する。
【0102】[工程−330]次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様に、配管33から燃焼室30へ
の水素ガスの供給を開始し、燃焼室30内で水蒸気を生
成させる。この水蒸気は、配管31、第2の閉止弁35
及び排気用配管36を介して系外に排気される。水蒸気
の生成が安定したならば、実施の形態1の[工程−15
0]と同様に、配管38から処理室10への窒素ガスの
供給を中断し、次いで、あるいはそれと同時に、第1の
閉止弁34を開き、第2の閉止弁35を閉じ、燃焼室3
0内で生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及び
ガス導入部12を介して処理室10へ導入する。こうし
て、シリコン層(実施の形態3においては、シリコン半
導体基板)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気を保持した状態で(実施の形態3においては、具
体的には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、シリコン
層の表面にシリコン酸化膜を形成する。尚、シリコン酸
化膜形成雰囲気には、濃度0.1容量%の塩化水素ガス
が含有されている。具体的には、燃焼室30から処理室
10内に導入される水蒸気を含むガス(湿式ガス)中に
塩化水素ガスが0.1容量%含まれている。以上のパイ
ロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板の表面
に厚さ1nm程度のシリコン酸化膜を形成する(図27
の(B)参照)。
【0103】[工程−340]その後、処理室10内へ
の湿式ガス(例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有し
ている)の導入を継続しながら、シリコン酸化膜形成装
置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介して
ヒータ14によって800゜Cまで昇温する(図28の
(A)参照)。
【0104】[工程−350]800゜Cに処理室10
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有す
る湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸化
膜を形成する。具体的には、燃焼室30内で生成した水
蒸気、及び塩化水素ガスを、配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に導入し続け、
パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板の
表面に総厚4.0nmのシリコン酸化膜を形成する(図
28の(B)参照)。シリコン酸化膜の形成が完了した
ならば、実施の形態1の[工程−180]と同様に酸素
ガス後出し処理を行う。
【0105】以上により、シリコン半導体基板の表面に
おけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以降、エ
レベータ機構23を動作させて石英ボート24を下降さ
せ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導体基板
を搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸
化膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理
をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0106】[工程−360]即ち、その後、窒素ガス
をガス導入部12から処理室10内に導入しつつ、処理
室10の雰囲気温度をヒータ14によって850゜Cま
で昇温する。その後、塩化水素ガスを0.1容量%含有
する窒素ガスをガス導入部12から処理室10内に導入
し、30分間、熱処理を行う。以上により、シリコン半
導体基板の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了す
る。以降、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、エレベ
ータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、
図示しない扉を開き、次いで、基板搬入出部20からシ
リコン半導体基板を搬出する。
【0107】(実施の形態4)実施の形態4は、本発明
の第4A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に
関し、更には、本発明の第5の態様に係るシリコン酸化
膜の形成方法に関する。実施の形態4においては、処理
室の外側に配設され、且つ、シリコン層の表面と略平行
に配設された、シリコン層を加熱するための加熱手段を
有する処理室を備えたシリコン酸化膜形成装置を用い、
第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化
膜形成工程を枚葉式にて行う。
【0108】実施の形態4の実施に適した横型のシリコ
ン酸化膜形成装置の一例の模式図を、図29に示す。こ
のシリコン酸化膜形成装置は、処理室50と、シリコン
層を加熱するための加熱手段である抵抗加熱ヒータ51
とを備えている。処理室50は石英炉心管から成り、シ
リコン層にシリコン酸化膜を形成するためにその内部に
シリコン層(具体的には、例えばシリコン半導体基板)
を収納する。加熱手段である抵抗加熱ヒータ51は、処
理室50の外側に配設されており、且つ、シリコン層の
表面と略平行に配設されている。シリコン層(例えばシ
リコン半導体基板)は、ウエハ台52に載置され、処理
室50の一端に設けられたゲートバルブ53を介して、
処理室50内に搬入出される。シリコン酸化膜形成装置
には、処理室50へ水蒸気及び/又はガスを導入するた
めのガス導入部54と、処理室50から水蒸気及び/又
はガスを排気するガス排気部55が更に備えられてい
る。シリコン層(具体的には、例えばシリコン半導体基
板)の温度は、図示しない熱電対によって測定すること
ができる。尚、実施の形態1と同様に、燃焼室30に供
給された水素ガスを酸素ガスと、燃焼室30内で高温に
て混合し、燃焼させることによって、水蒸気を生成させ
る。かかる水蒸気は、配管31及びガス導入部54を介
して処理室50内に導入される。燃焼室30、配管3
1、ガス流切替手段34,35、排気用配管36、冷却
手段37、及び配管38の構成、構造は実施の形態1と
同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0109】あるいは又、図30に模式図を示す形式の
横型のシリコン酸化膜形成装置を用いることもできる。
この図30に示した横型のシリコン酸化膜形成装置にお
いては、加熱手段は、赤外線若しくは可視光を発する複
数のランプ51Aから構成されている。また、図示しな
いパイロメータによってシリコン半導体基板の温度を測
定する。その他の構造は、基本的には、図29に示した
シリコン酸化膜形成装置と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。
【0110】以下、実施の形態4のシリコン酸化膜の形
成方法を説明する。尚、実施の形態4における雰囲気温
度プロファイルは図25と同様とした。
【0111】[工程−400]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0112】[工程−410]次に、ウエハ台52に載
置されたシリコン半導体基板を、図29若しくは図30
に示したシリコン酸化膜形成装置のゲートバルブ53を
開いて、処理室50内に搬入した後、ゲートバルブ53
を閉じる。このとき、処理室50内の雰囲気を、加熱手
段によって400゜C程度に加熱された不活性ガス雰囲
気としておく。処理室50内の雰囲気をこのような条件
とすることによって、シリコン半導体基板の表面に荒れ
が発生することを抑制することができる。併せて、実施
の形態1の[工程−120]にて説明したと同様に、酸
素ガス先出し処理を行う。即ち、配管32から燃焼室3
0への酸素ガスの供給を開始する。そして、燃焼室30
内のガス(即ち、酸素ガス)を配管31、第2の閉止弁
35及び排気用配管36を介して系外に排気する。
【0113】[工程−420]次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様に、配管33から燃焼室30へ
の水素ガスの供給を開始し、燃焼室30内で水蒸気を生
成させる。この水蒸気は、配管31、第2の閉止弁35
及び排気用配管36を介して系外に排気される。水蒸気
の生成が安定したならば、実施の形態1の[工程−15
0]と同様に、配管38から処理室50への窒素ガスの
供給を中断し、次いで、あるいはそれと同時に、第1の
閉止弁34を開き、第2の閉止弁35を閉じ、燃焼室3
0内で生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及び
ガス導入部12を介して処理室50へ導入する。こうし
て、シリコン層(実施の形態4においては、シリコン半
導体基板)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気を保持した状態で(実施の形態4においては、具
体的には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガス
を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
化膜を形成する。実施の形態4においては、具体的に
は、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31及びガス
導入部54を介して処理室50内に導入し、パイロジェ
ニック酸化法によってシリコン半導体基板の表面に厚さ
1.2nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0114】[工程−430]その後、処理室50内へ
の水蒸気の導入を継続しながら、処理室50内の雰囲気
温度を、加熱手段によって800゜Cまで昇温する。
尚、実施の形態4においては、加熱手段がシリコン層の
表面と略平行に配設されているので、例えばシリコン半
導体基板の昇温時のシリコン半導体基板の面内温度ばら
つきの発生を抑制することができる結果、昇温中に形成
されるシリコン酸化膜の面内膜厚ばらつきの発生を効果
的に抑制することができる。
【0115】[工程−440]800゜Cに処理室50
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、更にシリコン酸化膜を形成する。具体的に
は、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31及びガス
導入部54を介して処理室50内に導入し続け、パイロ
ジェニック酸化法によってシリコン半導体基板の表面に
総厚4.0nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0116】以上により、シリコン半導体基板の表面に
おけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以降、酸
素ガス後出し処理を行った後、ゲートバルブ53を開
き、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体基板を処
理室50から搬出してもよいが、一層高い特性を有する
シリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明
する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0117】[工程−450]即ち、その後、窒素ガス
をガス導入部54から処理室50内に導入しつつ、処理
室50の雰囲気温度を加熱手段によって850゜Cまで
昇温する。次いで、塩化水素ガスを0.1容量%含有す
る窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導入
し、5分間、熱処理を行う。以上により、シリコン半導
体基板の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了す
る。以降、処理室50内を窒素ガス雰囲気とし、ゲート
バルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリコン
半導体基板を処理室50から搬出する。
【0118】尚、実施の形態4にて説明した横型のシリ
コン酸化膜形成装置を用いて、実施の形態1及び実施の
形態2にて説明したシリコン酸化膜の形成を実施するこ
ともできる。
【0119】(実施の形態5)実施の形態5は、本発明
の第4A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に
おける好ましい第2の実施態様に関し、更には、本発明
の第5の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関す
る。実施の形態5においては、シリコン酸化膜を形成す
るための第1の処理室及び第2の処理室、並びに、第1
の処理室と第2の処理室とを結ぶ搬送路を備えたシリコ
ン酸化膜形成装置を用い、第1のシリコン酸化膜形成工
程を第1の処理室内にて行い、その後、シリコン層を第
1の処理室から搬送路を介して第2の処理室に搬入し、
次いで、第2のシリコン酸化膜形成工程を第2の処理室
にて行う。また、実施の形態5においては、シリコン層
を、第1の処理室から大気に曝すことなく搬送路を介し
て第2の処理室に搬送する。即ち、シリコン層を第1の
処理室から第2の処理室に搬入する際の搬送路の雰囲気
を不活性ガス雰囲気とする。ここで、シリコン層を第1
の処理室から第2の処理室に搬送する際の搬送路の雰囲
気温度を、第1のシリコン酸化膜形成工程における第1
の処理室内の雰囲気温度と略等しくする。また、実施の
形態5においては、第1のシリコン酸化膜形成工程及び
第2のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式にて行う。
【0120】実施の形態5においては、図32に概念図
を示し、図33及び図34に模式図を示す縦型方式のシ
リコン酸化膜形成装置を用いる。また、実施の形態5に
おいては、シリコン層はシリコン半導体基板それ自体で
ある。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜として
機能する。実施の形態5においては、第1のシリコン酸
化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程におけ
る酸化法として、パイロジェニック酸化法を採用する。
第2のシリコン酸化膜形成工程にてシリコン酸化膜を形
成した後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲ
ン元素を含有する不活性ガス雰囲気(具体的には、塩化
水素ガスを含む窒素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニー
ル処理)を施す。尚、熱処理を第2の処理室内でバッチ
式にて行う。以下、図31〜図34、及びシリコン酸化
膜形成装置等の概念図である図36〜図44を参照し
て、実施の形態5のシリコン酸化膜の形成方法を説明す
る。尚、実施の形態5における雰囲気温度プロファイル
を図35に示す。
【0121】図32〜図34に示したシリコン酸化膜形
成装置は、第1の処理室110、第2の処理室210及
び搬送路120から構成されている。尚、図33は、図
32の矢印A−Aに沿った第1の処理室110を含む部
分の模式的な断面図であり、図34は、図32の矢印B
−Bに沿った第2の処理室210を含む部分の模式的な
断面図である。この縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
は、石英製の二重管構造の処理室110,210と、処
理室110,210へ水蒸気及び/又はガスを導入する
ためのガス導入部112,212と、処理室110,2
10から水蒸気及び/又はガスを排気するガス排出部1
13,213と、SiCから成る円筒状の均熱管11
6,216を介して処理室110,210内を所定の雰
囲気温度に保持するためのヒータ114,214とから
構成されている。ヒータ114,214は温度制御装置
(図示せず)によって制御される。更には、第1の処理
室110及び第2の処理室210の下部に配置された搬
送路120と、搬送路120へ窒素ガス等の不活性ガス
を導入するためのガス導入部121と、搬送路120か
らガスを排気するガス排気部122と、第1の処理室1
10及び第2の処理室210と搬送路120とを仕切る
シャッター115,215と、シリコン半導体基板を第
1の処理室110及び第2の処理室210に搬入出する
ためのエレベータ機構123から構成されている。エレ
ベータ機構123には、複数のシリコン半導体基板を載
置するための石英ボート124が取り付けられている。
尚、エレベータ機構123は、図32の左右方向に移動
可能である。搬送路120にはシリコン半導体基板を搬
入出するための扉125が備えられている。また、燃焼
室130に供給された水素ガスを酸素ガスと燃焼室13
0内で高温にて混合し、燃焼させることによって、水蒸
気を生成させる。かかる水蒸気は、配管131、ガス流
路111,211及びガス導入部112,212を介し
て第1の処理室110内及び第2の処理室210内に導
入される。尚、ガス流路111,211は、二重管構造
の第1の処理室110及び第2の処理室210の内壁及
び外壁の間の空間に相当する。燃焼室130及び配管1
31は、第1の処理室110及び第2の処理室210の
それぞれに配設してもよいし、1つの燃焼室130から
分岐した配管131により第1の処理室110内あるい
は第2の処理室210内に水蒸気を導入してもよい。燃
焼室130、配管131、ガス流切替手段34,35、
排気用配管36、冷却手段37、及び配管38の構成、
構造は実施の形態1と同様とすることができるので、詳
細な説明は省略する。また、参照番号39は、ガスの流
れを第1の処理室110あるいは第2の処理室210に
切り替えるための閉止弁である。
【0122】[工程−500]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域
41等を形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体
基板40の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次い
で、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコ
ン半導体基板40の表面洗浄を行い、シリコン半導体基
板の表面を露出させる(図31の(A)参照)。
【0123】[工程−510]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図32に示したシリコン酸化膜形成装
置の搬送路120に扉125から搬入し、石英ボート1
24に載置する。尚、第1の処理室110へガス導入部
112から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第1の処
理室110内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であ
ってもよい)、且つ、均熱管116を介してヒータ11
4によって第1の処理室110内の雰囲気温度を400
゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャッター
115は閉じておく。一方、第2の処理室210へガス
導入部212から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第
2の処理室210内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲
気であってもよい)、且つ、均熱管216を介してヒー
タ214によって第2の処理室210内の雰囲気温度を
800゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャ
ッター215は閉じておく。併せて、実施の形態1の
[工程−120]にて説明したと同様に、酸素ガス先出
し処理を行う。即ち、配管32から燃焼室130への酸
素ガスの供給を開始する。そして、燃焼室30内のガス
(即ち、酸素ガス)を配管131、第2の閉止弁35及
び排気用配管36を介して系外に排気する。
【0124】[工程−520]そして、搬送路120へ
のシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、扉12
5を閉め、搬送路120にガス導入部121から窒素ガ
ス等の不活性ガスを導入し、ガス排気部122から排出
し、搬送路120内を室温の不活性ガス雰囲気とする
(図36参照)。その後、シャッター115を開き、エ
レベータ機構123を作動させて石英ボート124を上
昇させ、シリコン半導体基板40を石英製の二重管構造
の第1の処理室110に搬入する(図37参照)。エレ
ベータ機構123が最上昇位置に辿り着くと、石英ボー
ト124の基部によって第1の処理室110と搬送路1
20との間は連通しなくなる。第1の処理室110内の
不活性ガス雰囲気の温度はヒータ114によって400
゜Cに保持されているので、シリコン半導体基板40の
表面に荒れが発生することを抑制することができる。
尚、第1の処理室110へのシリコン半導体基板40の
搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬送路120内を図示
しないヒータで400゜C前後に加熱しておくことが好
ましい。
【0125】[工程−530]一方、実施の形態1の
[工程−140]と同様に、配管33から燃焼室130
への水素ガスの供給を開始し、燃焼室130内で水蒸気
を生成させる。この水蒸気は、配管131、第2の閉止
弁35及び排気用配管36を介して系外に排気される。
水蒸気の生成が安定したならば、実施の形態1の[工程
−150]と同様に、配管38から処理室110への窒
素ガスの供給を中断し、次いで、あるいはそれと同時
に、第1の閉止弁34を開き、第2の閉止弁35を閉
じ、燃焼室30内で生成した水蒸気を、配管131、ガ
ス流路111及びガス導入部112を介して処理室11
0へ導入する。こうして、シリコン層(実施の形態5に
おいては、シリコン半導体基板40)の表面からシリコ
ン原子が脱離しない温度に第1の処理室110の雰囲気
を保持した状態で(実施の形態5においては、具体的に
は、雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを用い
た酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜4
2を形成する(図31の(B)及び図38参照)。実施
の形態5においては、具体的には、750゜Cに保持さ
れた燃焼室130内に水素ガスと酸素ガスを供給して水
素ガスを燃焼させ、燃焼室130内で生成した水蒸気を
配管131、ガス流路111及びガス導入部112を介
して第1の処理室110内に導入し、パイロジェニック
酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚さ
1.2nmのシリコン酸化膜42を形成する。尚、湿式
ガス中に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素ガスを含
有させてもよい。
【0126】[工程−540]その後、シリコン層(具
体的にはシリコン半導体基板40)を、第1の処理室1
10から搬送路120を介して第2の処理室210に搬
入する。具体的には、第1の閉止弁34を閉じ、第2の
閉止弁35を開き、燃焼室130内で生成した水蒸気
を、配管131、第2の閉止弁35及び排気用配管36
を介して系外に排気する酸素ガス後出し処理を行うと共
に、配管38、ガス流路111及びガス導入部112を
介して処理室110へ窒素ガスを導入する。その後、水
素ガスの燃焼室130への供給を中断し、酸素ガスのみ
を燃焼室130、配管131、第2の閉止弁35及び排
気用配管36を介して系外に排気する。燃焼室130内
が十分に酸素ガス雰囲気となったならば、燃焼室130
への酸素ガスの供給を中断する。そして、エレベータ機
構123を作動させて、シリコン半導体基板40を搬送
路120内に搬入する(図39参照)。搬送路120内
は不活性ガス雰囲気であり、しかも、400゜C前後に
保持されている。即ち、シリコン層(具体的にはシリコ
ン半導体基板40)を第1の処理室110から搬送路1
20を介して第2の処理室210に搬入する際の搬送路
120内の温度は、シリコン半導体基板40にシリコン
酸化膜42を形成するときの第1の処理室110の雰囲
気温度と略等しくなっている。エレベータ機構123が
最下降位置に位置したならば、シャッター115を閉
じ、エレベータ機構123を第2の処理室210の下方
に移動させる(図40参照)。
【0127】[工程−550]次いで、シャッター21
5を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボー
ト124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製
の二重管構造の第2の処理室210に搬入する(図41
参照)。エレベータ機構123が最上昇位置に辿り着く
と、石英ボート124の基部によって第2の処理室21
0と搬送路120との間は連通しなくなる。第2の処理
室210内の不活性ガス雰囲気の温度はヒータ214に
よって800゜Cに保持されているが、シリコン半導体
基板40の表面には既に保護膜としても機能するシリコ
ン酸化膜42が形成されているので、シリコン層(シリ
コン半導体基板40)の表面に荒れが発生することはな
い。尚、第2の処理室210へのシリコン半導体基板4
0の搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬送路120内の
温度を室温とすることが好ましい。
【0128】[工程−560]その後、第2の処理室2
10内を800゜Cに保持した状態にて、湿式ガスを用
いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成する。
具体的には、先ず、実施の形態1の[工程−180]と
同様にして酸素ガス先出し処理を実行し、次いで、燃焼
室130内で生成した水蒸気を配管131、ガス流路2
11及びガス導入部212を介して第2の処理室210
内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン
半導体基板40の表面に総厚4.0nmのシリコン酸化
膜42を形成する(図31の(C)及び図42参照)。
尚、湿式ガス中に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素
ガスを含有させてもよい。その後、実施の形態1の[工
程−180]と同様にして酸素ガス後出し処理を実行す
る。
【0129】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、エレベータ機構123を動作させて石英ボート1
24を下降させ、次いで、扉125を開き、搬送路12
0からシリコン半導体基板40を搬出してもよいが、一
層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場
合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜に施す
ことが好ましい。
【0130】[工程−570]即ち、[工程−560]
に続き、窒素ガス等の不活性ガスをガス導入部212か
ら第2の処理室210内に導入しつつ、第2の処理室2
10の雰囲気温度をヒータ214によって850゜Cま
で昇温させる(図43参照)。その後、例えば塩化水素
ガスを0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部21
2から第2の処理室210内に導入し、30分間、熱処
理を行う(図31の(D)及び図44参照)。以上によ
り、シリコン酸化膜42の熱処理が完了する。以降、第
2の処理室210内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構123を動作させて石英ボート12
4を下降させ、次いで、扉125を開き、搬送路120
からシリコン半導体基板40を搬出する。
【0131】(実施の形態6)実施の形態6は実施の形
態5の変形である。実施の形態6においては、図33及
び図34に模式図を示し、図45に概念図を示すバッチ
式の縦型方式シリコン酸化膜形成装置を用いる。実施の
形態6にて使用した縦型方式シリコン酸化膜形成装置が
実施の形態5にて説明した縦型方式シリコン酸化膜形成
装置と相違する点は、第1の処理室110に連通する搬
送路120の部分120Aと第2の処理室210に連通
する搬送路120の部分120Bとの間に、シャッター
126が配設されている点、及び搬送路120A,12
0Bのそれぞれに、窒素ガス等の不活性ガスを導入する
ためのガス導入部と排気するガス排気部(これらは図4
5には図示せず)が設けられている点にある。このよう
に、シャッター126によって搬送路120を2つの部
分120A,120Bに区分けすることで、第1の処理
室110中でのシリコン酸化膜の形成と、第2の処理室
210中でのシリコン酸化膜の形成を独立して、例えば
同時に行うことが可能となり、シリコン酸化膜の形成に
おけるスループットの向上を図ることができる。尚、燃
焼室130、配管系131,36、ガス流切替手段3
4,35、冷却手段37、配管38は、第1の処理室1
10及び第2の処理室210のそれぞれに独立して配設
することが望ましい。以下、シリコン酸化膜形成装置等
の概念図である図46〜図55を参照して、実施の形態
6のシリコン酸化膜の形成方法を説明するが、実施の形
態6のシリコン酸化膜の形成方法は基本的には実施の形
態5のシリコン酸化膜の形成方法と同じである。また、
実施の形態6における雰囲気温度プロファイルは図35
と同じである。
【0132】[工程−600]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域
41等を形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体
基板40の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次い
で、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコ
ン半導体基板40の表面洗浄を行い、シリコン半導体基
板の表面を露出させる。
【0133】[工程−610]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図45に示したシリコン酸化膜形成装
置の搬送路120Aに扉125Aから搬入し、石英ボー
ト124に載置する。尚、第1の処理室110へガス導
入部112から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第1
の処理室110内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気
であってもよい)、且つ、均熱管116(図33参照)
を介してヒータ114によって第1の処理室110内の
雰囲気温度を400゜Cに保持する。尚、この状態にお
いては、シャッター115は閉じておく。一方、第2の
処理室210へガス導入部212から窒素ガス等の不活
性ガスを導入し、第2の処理室210内を不活性ガス雰
囲気とし(減圧雰囲気であってもよい)、且つ、均熱管
216(図34参照)を介してヒータ214によって第
2の処理室210内の雰囲気温度を800゜Cに保持す
る。尚、この状態においては、シャッター215は閉じ
ておく。また、搬送路120Aと搬送路120Bの間に
配設されたシャッター126も閉じておく。併せて、実
施の形態1の[工程−120]にて説明したと同様に、
第1の処理室110に関して、酸素ガス先出し処理を行
う。即ち、配管32から燃焼室130への酸素ガスの供
給を開始する。そして、燃焼室130内のガス(即ち、
酸素ガス)を配管131、第2の閉止弁35及び排気用
配管36を介して系外に排気する。
【0134】[工程−620]そして、搬送路120A
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、扉1
25Aを閉め、搬送路120A,120Bのそれぞれに
ガス導入部から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、ガス
排気部から排出し、搬送路120A,120B内を室温
の不活性ガス雰囲気とする(図46参照)。その後、シ
ャッター115を開き、エレベータ機構123を作動さ
せて石英ボート124を上昇させ、シリコン半導体基板
40を石英製の二重管構造の第1の処理室110に搬入
する(図47参照)。第1の処理室110内の不活性ガ
ス雰囲気の温度はヒータ114によって400゜Cに保
持されているので、シリコン半導体基板40の表面に荒
れが発生することを抑制することができる。尚、第1の
処理室110へのシリコン半導体基板40の搬入後、不
活性ガス雰囲気にある搬送路120A,120B内を図
示しないヒータで400゜C前後に加熱しておくことが
好ましい。
【0135】[工程−630]一方、実施の形態1の
[工程−140]と同様に、第1の処理室110に関し
て、配管33から燃焼室130への水素ガスの供給を開
始し、燃焼室130内で水蒸気を生成させる。この水蒸
気は、配管131、第2の閉止弁35及び排気用配管3
6を介して系外に排気される。水蒸気の生成が安定した
ならば、実施の形態1の[工程−150]と同様に、配
管38から処理室110への窒素ガスの供給を中断し、
次いで、第1の閉止弁34を開き、第2の閉止弁35を
閉じ、燃焼室130内で生成した水蒸気を、配管13
1、ガス流路111及びガス導入部112を介して処理
室110へ導入する。こうして、実施の形態5の[工程
−530]と同様の方法で、シリコン層(実施の形態6
においては、シリコン半導体基板40)の表面からシリ
コン原子が脱離しない温度に第1の処理室110の雰囲
気を保持した状態で(実施の形態6においても、具体的
には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを用
いた酸化法(パイロジェニック酸化法)によってシリコ
ン層の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜42を形
成する(図48参照)。尚、湿式ガス中に、例えば濃度
1.0容量%の塩化水素ガスを含有させてもよい。
【0136】[工程−640]その後、シリコン層(具
体的にはシリコン半導体基板40)を、第1の処理室1
10から搬送路120A,120Bを介して第2の処理
室210に搬入する。具体的には、第1の処理室110
に関して、第1の閉止弁34を閉じ、第2の閉止弁35
を開き、燃焼室130内で生成した水蒸気を、配管13
1、第2の閉止弁35及び排気用配管36を介して系外
に排気すると共に、配管38、ガス流路111及びガス
導入部112を介して処理室110へ窒素ガスを導入す
る。その後、水素ガスの燃焼室130への供給を中断
し、酸素ガスのみを燃焼室130、配管131、第2の
閉止弁35及び排気用配管36を介して系外に排気す
る。燃焼室130内が十分に酸素ガス雰囲気となったな
らば、燃焼室130への酸素ガスの供給を中断する。そ
して、エレベータ機構123を作動させて、シリコン半
導体基板40を搬送路120A内に搬入する。搬送路1
20A,120B内は不活性ガス雰囲気であり、しか
も、400゜C前後に保持されている。即ち、シリコン
層(具体的にはシリコン半導体基板40)を第1の処理
室110から搬送路120A,120Bを介して第2の
処理室210に搬入する際の搬送路120A,120B
内の温度は、シリコン半導体基板40にシリコン酸化膜
42を形成するときの第1の処理室110内の雰囲気温
度と略等しくなっている。エレベータ機構123が最下
降位置に位置したならば、シャッター115を閉じ、シ
ャッター126を開き(図49参照)、エレベータ機構
123を第2の処理室210の下方に移動させ、次い
で、シャッター126を閉じる。そして、次のロットの
シリコン半導体基板においてシリコン酸化膜形成のため
に、扉125Aを開き、シリコン半導体基板40を搬送
路120A内に搬入する(図50参照)。
【0137】[工程−650]次いで、シャッター21
5を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボー
ト124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製
の二重管構造の第2の処理室210に搬入する(図51
参照)。第2の処理室210内の不活性ガス雰囲気の温
度はヒータ214によって800゜Cに保持されている
が、シリコン半導体基板40の表面には既に保護膜とし
ても機能するシリコン酸化膜42が形成されているの
で、シリコン層(シリコン半導体基板40)の表面に荒
れが発生することはない。併せて、実施の形態1の[工
程−180]にて説明したと同様に、第2の処理室21
0に関して、酸素ガス先出し処理を行う。即ち、配管3
2から燃焼室130への酸素ガスの供給を開始する。そ
して、燃焼室30内のガス(即ち、酸素ガス)を配管1
31、第2の閉止弁35及び排気用配管36を介して系
外に排気する。更には、実施の形態1の[工程−18
0]と同様に、配管33から燃焼室130への水素ガス
の供給を開始し、燃焼室130内で水蒸気を生成させ
る。この水蒸気は、配管131、第2の閉止弁35及び
排気用配管36を介して系外に排気される。尚、第2の
処理室210へのシリコン半導体基板40の搬入後、不
活性ガス雰囲気にある搬送路120B内の温度を室温と
することが好ましい。搬送路120A及び第1の処理室
110にあっては、[工程−620]と同様に、扉12
5Aを閉め、搬送路120Aにガス導入部121から窒
素ガス等の不活性ガスを導入し、ガス排気部122から
排出し、搬送路120A内を室温の不活性ガス雰囲気と
する(図46の左側の搬送路120Aの状態を参照)。
【0138】[工程−660]その後、燃焼室130内
における水蒸気の生成が安定したならば、実施の形態1
の[工程−180]と同様に、配管38から処理室21
0への窒素ガスの供給を中断し、次いで、第1の閉止弁
34を開き、第2の閉止弁35を閉じ、燃焼室130内
で生成した水蒸気を、配管131、ガス流路211及び
ガス導入部212を介して処理室210へ導入する。こ
うして、実施の形態5の[工程−560]と同様に、第
2の処理室210内を800゜Cに保持した状態にて、
湿式ガスを用いた酸化法(パイロジェニック酸化法)に
よって、更にシリコン酸化膜を形成する(図52参
照)。その後、実施の形態1の[工程−180]と同様
にして、処理室210に関して、酸素ガス後出し処理を
実行する。ここで、湿式ガス中に、例えば濃度1.0容
量%の塩化水素ガスを含有させてもよい。尚、搬送路1
20A及び第1の処理室110にあっては、[工程−6
20]と同様に、シャッター115を開き、エレベータ
機構123を作動させて石英ボート124を上昇させ、
シリコン半導体基板40を石英製の二重管構造の第1の
処理室110に搬入する(図47の左側の搬送路120
Aの状態を参照)。
【0139】以上により、第2の処理室210におい
て、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸
化膜42の形成が完了するので、以降、エレベータ機構
123を動作させて石英ボート124を下降させ、次い
で、扉125Bを開き、搬送路120Bからシリコン半
導体基板40を搬出すればよいが、一層高い特性を有す
るシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説
明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
尚、第1の処理室110に搬入されたシリコン半導体基
板に関しては、[工程−630]以降の処理を行う。
【0140】[工程−670]即ち、実施の形態5の
[工程−570]と同様に、[工程−660]に続き、
窒素ガス等の不活性ガスをガス導入部212から第2の
処理室210内に導入しつつ、第2の処理室210の雰
囲気温度をヒータ214によって850゜Cまで昇温さ
せる(図53参照)。その後、例えば塩化水素ガスを
0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部212から
第2の処理室210内に導入し、30分間、熱処理を行
う(図54参照)。以上により、シリコン酸化膜42の
熱処理が完了する。以降、第2の処理室210内を窒素
ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベータ機構123
を動作させて石英ボート124を下降させ、次いで、扉
125Bを開き、搬送路120Bからシリコン半導体基
板40を搬出する。次いで、扉125Bを閉じ、搬送路
120Bに窒素ガス等の不活性ガスを導入し、且つ、搬
送路120B内の雰囲気温度を400゜C前後にする
(図55参照)。
【0141】尚、以上に説明した実施の形態6におい
て、次のロットのシリコン半導体基板においてシリコン
酸化膜形成のタイミングは例示であり、適宜変更するこ
とができる。
【0142】(実施の形態7)実施の形態7は実施の形
態5の変形である。実施の形態7が実施の形態5と相違
する点は、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシ
リコン酸化膜形成工程を、横型方式の枚葉式の処理室に
て行う点にある。即ち、第1及び第2の処理室におい
て、1枚のシリコン半導体基板に対して枚葉式にてシリ
コン酸化膜を形成する。尚、実施の形態7においては、
熱処理を炉アニール装置を用いてバッチ式にて行うが、
枚葉式にて行ってもよい。
【0143】実施の形態7においては、図56に概念的
な平面図を示す酸化膜形成装置を用いる。この酸化膜形
成装置は、ローダー・アンローダー300と、搬送路3
01と、第1の処理装置302と第2の処理装置303
と、炉アニール装置304から構成されている。炉アニ
ール装置304は、図57に示すように、燃焼室が無い
こと、及び配管系が異なることを除き、図1に示した縦
型方式シリコン酸化膜形成装置と略同様の構造を有す
る。尚、炉アニール装置304において、図1に示した
シリコン酸化膜形成装置の構成要素と同じ構成要素には
同じ参照番号を付した。第1の処理装置302及び第2
の処理装置303の構造は、図29若しくは図30に示
したシリコン酸化膜形成装置と同様とすることができ
る。
【0144】実施の形態5及び実施の形態6において
は、石英製の処理室(酸化炉)を垂直に保持した縦型方
式のシリコン酸化膜形成装置を用いた。ところで、縦型
方式のシリコン酸化膜形成装置を用いた場合、シリコン
層(例えばシリコン半導体基板)の外周方向の外側にヒ
ータ114,214が配設されているため、シリコン層
の昇温中、常に、シリコン層(例えばシリコン半導体基
板)の周辺部の方が中心部よりも温度が高くなる。その
結果、シリコン層の昇温中にシリコン酸化膜が形成され
ると、シリコン層(例えばシリコン半導体基板)の周辺
部の方が中心部よりもシリコン酸化膜の膜厚が厚くなる
虞がある。実施の形態7においては、シリコン層の表面
と略平行に配設された加熱手段によってシリコン層を加
熱するので、シリコン層の面内の温度ばらつきを少なく
することができる。その結果、形成されるシリコン酸化
膜の面内膜厚ばらつき発生を抑制することができる。
【0145】以下、図29あるいは図30及び図57を
参照して、実施の形態7のシリコン酸化膜の形成方法を
説明する。
【0146】[工程−700]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板40の表面を露出
させる。
【0147】[工程−710]搬送路301内、第1の
処理装置302及び第2の処理装置303のそれぞれの
処理室50内、並びに、炉アニール装置304の基板搬
入出部20及び処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス
雰囲気としておく。尚、第1の処理装置302の処理室
50内の不活性ガス雰囲気温度を400゜Cとし、第2
の処理装置303の処理室50の不活性ガス雰囲気温度
を800゜Cとし、炉アニール装置304の処理室10
内の不活性ガス雰囲気温度を850゜Cとしておくこと
が好ましい。そして、シリコン層(具体的にはシリコン
半導体基板40)をローダー・アンローダー300から
搬送路301内に搬入し、更に、シリコン半導体基板を
ウエハ台52に載置し、次いで、図29(若しくは図3
0)に示した第1の処理装置302におけるゲートバル
ブ53を開いて、第1の処理室に相当する処理室50に
搬入した後、ゲートバルブ53を閉じる。尚、処理室5
0内の雰囲気温度は400゜C程度であるため、シリコ
ン半導体基板40の表面に荒れが発生することを抑制す
ることができる。併せて、実施の形態1の[工程−12
0]にて説明したと同様に、酸素ガス先出し処理を行
う。即ち、配管32から燃焼室30への酸素ガスの供給
を開始する。そして、燃焼室30内のガス(即ち、酸素
ガス)を配管31、第2の閉止弁35及び排気用配管3
6を介して系外に排気する。
【0148】[工程−720]次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様に、配管33から燃焼室30へ
の水素ガスの供給を開始し、燃焼室30内で水蒸気を生
成させる。この水蒸気は、配管31、第2の閉止弁35
及び排気用配管36を介して系外に排気される。水蒸気
の生成が安定したならば、実施の形態1の[工程−15
0]と同様に、配管38から処理室50への窒素ガスの
供給を中断し、次いで、あるいはそれと同時に、第1の
閉止弁34を開き、第2の閉止弁35を閉じ、燃焼室3
0内で生成した水蒸気を、配管31及びガス導入部54
を介して処理室50へ導入する。こうして、シリコン層
(実施の形態7においては、シリコン半導体基板40)
の表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保
持した状態で(実施の形態7においては、具体的には、
雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを用いた酸
化法(パイロジェニック酸化法)によってシリコン層の
表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜を形成する。
尚、湿式ガス中に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素
ガスを含有させてもよい。また、搬送路301内の不活
性ガスを加熱して、搬送路301内の不活性ガス雰囲気
の温度を400゜C前後としておくことが好ましい。
【0149】[工程−730]その後、実施の形態1の
[工程−150]と同様に酸素ガス後出し処理を実行
し、処理室50内を400゜Cの窒素ガス等の不活性雰
囲気とし、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載
置されたシリコン半導体基板40を第1の処理室に相当
する処理室50から搬送路301へ搬出し、次いで、図
29(若しくは図30)に示した第2の処理装置303
におけるゲートバルブ53を開いて、第2の処理室に相
当する処理室50に搬入した後、ゲートバルブ53を閉
じる。このとき、第2の処理室に相当する処理室50内
の雰囲気は加熱手段によって800゜C程度に加熱され
た不活性ガス雰囲気となっている。しかしながら、シリ
コン層の表面に既に保護膜としても機能するシリコン酸
化膜が形成された状態でシリコン層(例えばシリコン半
導体基板40)を第1の処理装置302から搬送路30
1を介して第2の処理装置303に搬入するので、搬送
路301内や第2の処理室303内が非酸化性雰囲気で
あってもシリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じること
がない。
【0150】[工程−740]次いで、第2の処理室に
相当する処理室50内の雰囲気温度を800゜Cに保持
した状態で、実施の形態5と同様に、酸素ガス先出し処
理、湿式ガスを用いた酸化法によるシリコン層の表面へ
のシリコン酸化膜の形成、酸素ガス後出し処理を実行す
る。実施の形態7においては、具体的には、実施の形態
5と同様に、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31
及びガス導入部54を介して第2の処理室に相当する処
理室50内に導入し、パイロジェニック酸化法によって
シリコン半導体基板40の表面に総厚4.0nmのシリ
コン酸化膜を形成する。尚、湿式ガス中に、例えば濃度
1.0容量%の塩化水素ガスを含有させてもよい。ま
た、搬送路301内の不活性ガス雰囲気の温度は室温と
しておいてもよい。
【0151】以上により、シリコン半導体基板の表面に
おけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以降、ゲ
ートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリ
コン半導体基板40を処理室50から搬送路301へ搬
出し、ローダー・アンローダー300を経由して系外に
搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸化
膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理を
シリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0152】[工程−750]即ち、シリコン層(例え
ばシリコン半導体基板40)を逐次、図57に図示した
炉アニール装置304の基板搬入出部20に図示しない
扉を介して搬入する。複数のシリコン半導体基板で石英
ボート24が満たされたならば、図示しない扉を閉め、
エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を上昇
させ、シリコン半導体基板40を処理室10に搬入す
る。そして、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有す
る窒素ガスをガス導入部12から処理室310内に導入
し、雰囲気温度850゜Cにて30分間、熱処理を行
う。以上により、シリコン酸化膜の熱処理が完了する。
以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、搬送路301
へ搬出し、ローダー・アンローダー300を経由して系
外に搬出する。
【0153】尚、図57に示した炉アニール装置を用い
る代わりに、第2の処理室に相当する処理室50内で、
若しくは、図29や図30に示したと略同様の構造を有
するアニール装置にシリコン半導体基板を搬入して、シ
リコン酸化膜の形成に引き続き、熱処理を施してもよ
い。例えば、第2の処理室に相当する処理室50内で熱
処理を行う場合には、[工程−740]において、酸素
ガス後出し処理の実行後、不活性ガス(例えば窒素ガ
ス)をガス導入部54から処理室50内に導入しつつ、
処理室50の雰囲気温度を加熱手段によって850゜C
まで昇温させる。その後、例えば塩化水素ガスを0.1
容量%含有する不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導
入部54から処理室50内に導入し、5分間、熱処理を
行う。
【0154】また、図56に示したシリコン酸化膜形成
装置において、第1の処理装置302に連通する搬送路
の部分と第2の処理装置303に連通する搬送路の部分
との間に、シャッターを配設してもよい。更には、シリ
コン層の表面からシリコン原子が脱離しない温度に第1
の処理室内の雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用
いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜
を形成する第1のシリコン酸化膜形成工程を、図29や
図30に示した処理室50にて行い、湿式ガスを用いた
酸化法によって更にシリコン酸化膜を形成する第2のシ
リコン酸化膜形成工程は、図1に示したバッチ式の縦型
方式のシリコン酸化膜形成装置を用いて行うこともでき
る。
【0155】(実施の形態8)実施の形態8において
は、本発明のシリコン酸化膜の形成方法によって形成さ
れるシリコン酸化膜は、シリコン半導体基板の表面にゲ
ート酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される
酸化膜である。尚、シリコン層はシリコン半導体基板か
ら構成されている。具体的には、シリコン半導体基板の
表面にゲート酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形
成される酸化膜を、素子分離領域を形成するための酸化
膜(即ち、LOCOS構造やトレンチ構造の素子分離領
域形成工程において、シリコン窒化膜を堆積させるため
の下地酸化膜)とし、更には、犠牲酸化膜とした。以
下、実施の形態8のシリコン酸化膜の形成方法を説明す
る。
【0156】[工程−800]先ず、リンをドープした
直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)
であるシリコン半導体基板に対してRCA洗浄を行い、
シリコン半導体基板の表面の微粒子や金属不純物を除去
し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によ
りシリコン半導体基板の表面洗浄を行い、シリコン半導
体基板の表面を露出させる。尚、シリコン半導体基板の
表面は大半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終
端されている。
【0157】[工程−810]次に、シリコン半導体基
板に、基本的には公知の方法に基づきLOCOS構造を
有する素子分離領域を形成するが、この際、シリコン窒
化膜を堆積させるための下地酸化膜を本発明のシリコン
酸化膜の形成方法にて形成する。即ち、実施の形態1の
[工程−110]〜[工程−180]を実行し、シリコ
ン半導体基板の表面に最終的に8.0nmのシリコン酸
化膜を形成する。尚、素子分離領域をトレンチ構造を有
する構造とする場合には、最終的に10nmのシリコン
酸化膜(下地酸化膜)をシリコン半導体基板の表面に形
成すればよい。
【0158】[工程−820]その後、公知の方法に基
づき、形成されたシリコン酸化膜を下地酸化膜として、
LOCOS構造あるいはトレンチ構造の素子分離領域を
形成する。即ち、下地酸化膜の上に、CVD法にてシリ
コン窒化膜を成膜し、かかるシリコン窒化膜をパターニ
ングして、素子分離領域を形成すべきシリコン半導体基
板の部分を露出させる。その後、LOCOS構造の素子
分離領域を形成するために、従来の熱酸化法に基づき、
シリコン半導体基板の表面を酸化し、これによって素子
分離領域を形成する。尚、トレンチ構造の素子分離領域
を形成するためには、パターニングされたシリコン窒化
膜をマスクとして、シリコン半導体基板をエッチングし
てトレンチを形成した後、全面に例えばSiO2から成
る絶縁層をCVD法にて堆積させる。その後、シリコン
半導体基板の上の絶縁層及びシリコン窒化膜を、エッチ
バック法あるいは化学的機械的研磨法(CMP法)にて
除去する。これによって、シリコン半導体基板に設けら
れたトレンチがSiO2で埋め込まれた素子分離領域を
形成することができる。
【0159】[工程−830]素子分離領域の形成後、
シリコン半導体基板に導入されたホワイトリボン等の欠
陥を除去するために、シリコン半導体基板の表面を再び
酸化する。これによって得られる酸化膜は、犠牲酸化膜
と呼ばれる。実施の形態8においては、この犠牲酸化膜
も、本発明のシリコン酸化膜の形成方法に基づき形成す
る。即ち、実施の形態1の[工程−110]〜[工程−
180]を実行し(但し、厚いシリコン酸化膜を形成す
る必要があるので、[工程−180]における雰囲気温
度を900゜C程度とすることが好ましい)、シリコン
半導体基板の表面に最終的に約10nmのシリコン酸化
膜を形成する。
【0160】[工程−840]次に、シリコン半導体基
板に対して、ウエルイオン注入、チャネルストップイオ
ン注入、閾値調整イオン注入を行った後、シリコン半導
体基板の表面のシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)を0.1
%フッ化水素酸水溶液を用いてエッチングし、除去す
る。その後、シリコン半導体基板に対してRCA洗浄を
行い、シリコン半導体基板の表面の微粒子や金属不純物
を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純
水によりシリコン半導体基板の表面洗浄を行い、シリコ
ン半導体基板の表面を露出させる。以降、実施の形態1
の[工程−110]〜[工程−180]、更には、必要
に応じて[工程−190]を実行し、シリコン半導体基
板の表面にゲート酸化膜として機能するシリコン酸化膜
を形成する。
【0161】実施の形態8においては、下地酸化膜ある
いは犠牲酸化膜を本発明のシリコン酸化膜の形成方法に
基づき形成することによって、下地酸化膜や犠牲酸化膜
とシリコン半導体基板との界面に凹凸が発生することを
確実に回避することができる結果、ゲート酸化膜形成前
のシリコン半導体基板表面を平坦な状態に保つことがで
き、[工程−840]にて形成されるゲート酸化膜の電
気的信頼性が低下することを防止できる。
【0162】尚、実施の形態8においては、専ら、実施
の形態1にて説明したシリコン酸化膜の形成方法を適用
したが、下地酸化膜や犠牲酸化膜の形成方法は、実施の
形態1にて説明したシリコン酸化膜の形成方法に限定さ
れず、他の実施例にて説明したシリコン酸化膜の形成方
法を適用することができる。
【0163】以上、本発明を発明の実施の形態に基づき
説明したが、本発明はこれらの発明の実施の形態に限定
されるものではない。発明の実施の形態にて説明した各
種の条件やシリコン酸化膜形成装置の構造は例示であ
り、適宜変更することができる。
【0164】例えば、実施の形態1の[工程−170]
において、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部
12から処理室10内に導入しながら、シリコン酸化膜
形成装置の処理室10内の雰囲気温度をヒータ14によ
って第2のシリコン酸化膜形成工程を実行するための雰
囲気温度まで昇温したが、その代わりに、例えば塩化水
素ガスを0.1容量%含有する不活性ガス(例えば窒素
ガス)をガス導入部12から処理室10内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温
度をヒータ14によって第2のシリコン酸化膜形成工程
を実行するための雰囲気温度まで昇温してもよい。ま
た、実施の形態4の[工程−430]において、処理室
50内への湿式ガスの導入を継続しながら処理室50内
の雰囲気温度を加熱手段によって第2のシリコン酸化膜
形成工程を実行するための雰囲気温度まで昇温する代わ
りに、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式
ガスを処理室50内へ導入しながら処理室50内の雰囲
気温度を加熱手段によって第2のシリコン酸化膜形成工
程を実行するための雰囲気温度まで昇温してもよい。
【0165】また、実施の形態1〜実施の形態7におい
て、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部から処
理室内に導入しつつ処理室の雰囲気温度をヒータ等の加
熱手段によって850゜Cまで昇温したが、その代わり
に、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する不活性
ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部から処理室内に導
入しつつ、処理室の雰囲気温度をヒータ等の加熱手段に
よって850゜Cまで昇温してもよい。
【0166】発明の実施の形態においては、主に、シリ
コン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成したが、
半導体装置の製造工程においてシリコン半導体基板表面
に形成された選択エピタキシャル成長法にて形成された
エピタキシャルシリコン層、基板の上に形成された絶縁
層の上に成膜された多結晶シリコン層あるいは非晶質シ
リコン層等の表面にシリコン酸化膜を形成することもで
きる。あるいは又、SOI構造におけるシリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成してもよいし、半導体素子や
半導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの上に
成膜されたシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成し
てもよい。更には、半導体素子や半導体素子の構成要素
が形成された基板やこれらの上に成膜された下地絶縁層
の上に形成されたシリコン層の表面にシリコン酸化膜を
形成してもよい。シリコン酸化膜形成後の熱処理は必須
ではなく、場合によっては省略することができる。
【0167】あるいは又、実施の形態1〜実施の形態7
において、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水により
シリコン半導体基板40の表面洗浄を行った後、シリコ
ン半導体基板40をシリコン酸化膜形成装置に搬入した
が、シリコン半導体基板40の表面洗浄からシリコン酸
化膜形成装置への搬入までの雰囲気を、不活性ガス(例
えば窒素ガス)雰囲気としてもよい。尚、このような雰
囲気は、例えば、シリコン半導体基板の表面洗浄装置の
雰囲気を不活性ガス雰囲気とし、且つ、不活性ガスが充
填された搬送用ボックス内にシリコン半導体基板40を
納めてシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20や処
理室50に搬入する方法や、図58に模式図を示すよう
に、表面洗浄装置、シリコン酸化膜形成装置、搬送路、
ローダー及びアンローダーから構成されたクラスターツ
ール装置を用い、シリコン半導体基板の表面洗浄装置か
らシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは
処理室50までを搬送路で結び、かかる表面洗浄装置及
び搬送路の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする方法によっ
て達成することができる。
【0168】あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液
及び純水によりシリコン層の表面洗浄を行う代わりに、
表3に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用いた
気相洗浄法によってシリコン層の表面洗浄を行ってもよ
い。尚、パーティクルの発生防止のためにメタノールを
添加する。あるいは又、表4に例示する条件にて、塩化
水素ガスを用いた気相洗浄法によってシリコン層の表面
洗浄を行ってもよい。尚、シリコン層の表面洗浄開始前
あるいは表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲
気や搬送路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としても
よいし、例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度
の真空雰囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を
真空雰囲気とする場合には、シリコン層を搬入する際の
シリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは処
理室50の雰囲気を例えば1.3×10-1Pa(10-3
Torr)程度の真空雰囲気としておき、シリコン層の搬入
完了後、基板搬入出部20あるいは処理室50の雰囲気
を大気圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気とすれ
ばよい。
【0169】
【表3】 無水フッ化水素ガス:300sccm メタノール蒸気 :80sccm 窒素ガス :1000sccm 圧力 :0.3Pa 温度 :60゜C
【0170】
【表4】 塩化水素ガス/窒素ガス:1容量% 温度 :800゜C
【0171】尚、これらの場合のシリコン酸化膜形成装
置としては、図1、図29、図30あるいは後述する図
59、図60に示すシリコン酸化膜形成装置を用いるこ
とができる。これにより、シリコン酸化膜の形成前に水
素やフッ素で終端されたシリコン層の表面を汚染等の無
い状態に保つことができる結果、形成されたシリコン酸
化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取り
込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性が低下しある
いは欠陥部分が発生することを、効果的に防ぐことがで
きる。
【0172】図1に示した縦型方式のシリコン酸化膜形
成装置とは若干形式の異なる縦型方式のシリコン酸化膜
形成装置の模式的な断面図を図59に示す。この縦型方
式のシリコン酸化膜形成装置の処理室10は、上方領域
10Aと下方領域10Bから構成され、下方領域10B
の雰囲気温度はヒータ14によって制御される。一方、
上方領域10Aの外側には、赤外線若しくは可視光を発
する複数のランプ14Aが配設されている。そして、例
えば、実施の形態1の[工程−150]と同様の工程に
おいて、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しな
い温度に雰囲気を保持した状態で湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成す
る第1のシリコン酸化膜形成工程を実行するが、このシ
リコン酸化膜の形成は処理室10の下方領域10Bにて
行う。このとき、処理室10の上方領域10Aの雰囲気
温度は、ランプ14Aによって400゜Cに保持する。
そして、実施の形態1の[工程−160]と同様に、酸
素ガス後出し処理を行った後、実施の形態1の[工程−
170]と同様の工程において、不活性ガス(例えば窒
素ガス)をガス導入部12から処理室10内に導入しな
がら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10の上方領域
10Aの雰囲気温度をランプ14Aによって第2のシリ
コン酸化膜形成工程における雰囲気温度まで昇温させ、
次いで、エレベータ機構23を作動させて石英ボート2
4を上昇させ、シリコン半導体基板40を処理室10の
上方領域10Aに移す。そして、実施の形態1の[工程
−180]と同様の工程において、酸素ガス先出し処理
を実行し、更に、パイロジェニック酸化法によってシリ
コン半導体基板40の表面にシリコン酸化膜42を形成
する第2のシリコン酸化膜形成工程を実行した後、酸素
ガス後出し処理を実行する。次いで、実施の形態1の
[工程−190]と同様の工程において、不活性ガス
(例えば窒素ガス)をガス導入部12から処理室10内
に導入しつつ、処理室10の上方領域10Aの雰囲気温
度をランプ14Aによって850゜Cまで昇温する。そ
の後、塩化水素ガスを0.1容量%含有する不活性ガス
(例えば窒素ガス)をガス導入部12から処理室10内
に導入し、処理室10の上方領域10Aにおいて、30
分間、熱処理を行う。
【0173】あるいは又、図30に示した横型のシリコ
ン酸化膜形成装置とは若干形式の異なる横型のシリコン
酸化膜形成装置の模式的な断面図を図60に示す。この
横型のシリコン酸化膜形成装置の処理室50は、第1の
領域50Aと第2の領域50Bから構成され、第1の領
域50A及び第2の領域50Bのそれぞれの雰囲気温度
はランプ151A及びランプ151Bによって制御され
る。そして、例えば、実施の形態4の[工程−420]
と同様の工程において、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態で、湿式
ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコ
ン酸化膜を形成する第1のシリコン酸化膜形成工程を実
行するが、このシリコン酸化膜の形成は処理室50の第
1の領域50Aにて行う。尚、第1の領域50Aにおけ
る雰囲気温度の制御はランプ151Aによって行われ
る。このとき、処理室50の第2の領域50Bの雰囲気
温度は、ランプ151Bによって400゜Cに保持す
る。その後、実施の形態4の[工程−430]と同様の
工程において、処理室50内への湿式ガスの導入を継続
しながら、処理室50の第2の領域50Bの雰囲気温度
を、ランプ151Bによって第2のシリコン酸化膜形成
工程における雰囲気温度まで昇温し、シリコン層(例え
ばシリコン半導体基板)を第2の領域50Bに移す。そ
の後、[工程−440]と同様の工程において、処理室
50の第2の領域50Bの雰囲気温度をランプ151B
によってこの温度に保持した状態にて、湿式ガスを用い
た酸化法にて、更にシリコン酸化膜を形成する第2のシ
リコン酸化膜形成工程を実行した後、酸素ガス後出し処
理を行う。その後、[工程−450]と同様の工程にお
いて、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部54
から処理室50内に導入しつつ、処理室50の第2の領
域50Bの雰囲気温度をランプ151Bによって850
゜Cまで昇温する。次いで、塩化水素ガスを0.1容量
%含有する不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部
54から処理室50内に導入し、5分間、熱処理を行
う。尚、図60のシリコン酸化膜形成装置におけるラン
プの代わりに、図29に示したと同様に抵抗加熱ヒータ
を用いることもできる。
【0174】表5に、本発明の第4A−1若しくは第4
A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関し
て、第1のシリコン酸化膜形成工程(表5では第1の酸
化工程と表示した)における雰囲気、昇温工程における
雰囲気、第2のシリコン酸化膜形成工程(表5では第2
の酸化工程と表記した)における雰囲気、並びに、形成
されたシリコン酸化膜に熱処理を施すために雰囲気を昇
温する工程(表5では第2の昇温工程と表記した)にお
ける雰囲気の組み合わせを示す。尚、本発明の第4A−
3の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関しては、
昇温工程を除き、第1のシリコン酸化膜形成工程におけ
る雰囲気、第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲
気、並びに、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施す
ために雰囲気を昇温する工程における雰囲気の組み合わ
せを、表5と同様とすることができる。表5中、湿式ガ
ス雰囲気を「湿式ガス」と表記し、ハロゲン元素を含有
する湿式ガス雰囲気を「*湿式ガス」と表記し、不活性
ガス雰囲気を「不活性ガス」と表記し、ハロゲン元素を
含有する不活性ガス雰囲気を「*不活性ガス」と表記し
た。ここで、表5に示した各種の雰囲気の組み合わせ
は、図1や図59に示したシリコン酸化膜形成装置、図
29、図30や図60に示したシリコン酸化膜形成装
置、あるいは又、これらの組み合わせ、更には、図56
や図58に示したクラスターツール装置にて実現するこ
とができる。また、湿式ガス雰囲気あるいはハロゲン元
素を含有する湿式ガス雰囲気を不活性ガスで希釈しても
よい。
【0175】
【表5】 第1の酸化工程 昇温工程 第2の酸化工程 第2の昇温工程 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス
【0176】
【発明の効果】本発明のシリコン酸化膜の形成方法にお
いては、酸素ガス先出し処理を行うことによって、シリ
コン酸化膜が形成され始めるシリコン層の表面にドライ
酸化膜が形成されることを確実に防止することができる
し、酸素ガス後出し処理を行うことによって、シリコン
酸化膜とシリコン層との界面にドライ酸化膜が形成され
ることを確実に防止することができるので、形成された
シリコン酸化膜にはドライ酸化膜が含まれず、優れた特
性を有するシリコン酸化膜を得ることができる。それ
故、チャネル移動度の低下を防止でき、MOS型トラン
ジスタ素子の駆動電流の劣化が生じ難く、また、フラッ
シュメモリ等でデータリテンション特性の劣化を引き起
こすストレスリーク現象の発生を抑制することができ、
長期信頼性に優れた極薄の例えばゲート酸化膜の形成が
可能となる。
【0177】また、シリコン層の表面からシリコン原子
が脱離しない雰囲気温度にてシリコン層の表面にシリコ
ン酸化膜の形成を開始し、あるいは又、湿式ガスがシリ
コン層表面で結露しない温度以上500゜C以下の雰囲
気温度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始すれば、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じる
ことを防止し得る。更には、素子分離領域を形成するた
めの酸化膜や犠牲酸化膜を本発明のシリコン酸化膜の形
成方法に基づき形成することによって、これらの酸化膜
とシリコン半導体基板との界面における凹凸の発生を抑
制することができる結果、ゲート酸化膜の電気的信頼性
が低下することを一層効果的に防止することができる。
【0178】また、本発明の好ましい第4Aの実施態様
によれば、シリコン層の表面に既に保護膜としても機能
するシリコン酸化膜が形成された状態で、雰囲気温度を
第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度に昇
温した後、更に、湿式ガスを用いた酸化法によって更に
シリコン酸化膜を形成するので、昇温工程においてシリ
コン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることがないし、優
れた特性を有するシリコン酸化膜を形成することができ
る。以上の結果として、長期信頼性に優れた極薄の例え
ばゲート酸化膜の形成が可能となる。あるいは又、本発
明の第4A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法
によれば、シリコン層(例えばシリコン半導体基板)の
面内の温度ばらつきを少なくすることができるので、昇
温中にシリコン酸化膜が形成される場合であっても、形
成されるシリコン酸化膜の面内膜厚ばらつき発生を抑制
することができる。更には、本発明の好ましい第4A−
3の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法によれば、第
1の処理室及び第2の処理室の雰囲気温度を所定の一定
温度に保持すればよく、各処理室内の温度制御を一層正
確に行うことができるばかりか、処置室内の温度安定性
に優れる。従って、シリコン酸化膜の膜厚制御性に優れ
る。しかも、シリコン酸化膜の形成時のスループットの
低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の実施に適した本発明のシリコン
酸化膜形成装置の模式図である。
【図2】本発明のシリコン酸化膜形成装置における配管
系及び冷却手段の部分の変形例を模式的に示す図であ
る。
【図3】本発明のシリコン酸化膜形成装置における配管
系及び冷却手段の部分の変形例を模式的に示す図であ
る。
【図4】本発明のシリコン酸化膜形成装置における配管
系及び冷却手段の部分の変形例を模式的に示す図であ
る。
【図5】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び水
蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プロ
ファイルを模式的に示す図である。
【図6】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び水
蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プロ
ファイルを模式的に示す図である。
【図7】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び水
蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プロ
ファイルを模式的に示す図である。
【図8】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び水
蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プロ
ファイルを模式的に示す図である。
【図9】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び水
蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プロ
ファイルを模式的に示す図である。
【図10】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び
水蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プ
ロファイルを模式的に示す図である。
【図11】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び
水蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プ
ロファイルを模式的に示す図である。
【図12】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び
水蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プ
ロファイルを模式的に示す図である。
【図13】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び
水蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プ
ロファイルを模式的に示す図である。
【図14】酸素ガス、水素ガスの燃焼室への導入、及び
水蒸気の処理室への導入シークエンス及び雰囲気温度プ
ロファイルを模式的に示す図である。
【図15】実施の形態1のシリコン酸化膜の形成方法を
説明するためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断
面図である。
【図16】実施の形態1における雰囲気温度プロファイ
ルである。
【図17】実施の形態1におけるシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式
的な断面図である。
【図18】図17に引き続き、実施の形態1におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図19】図18に引き続き、実施の形態1におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図20】図19に引き続き、実施の形態1におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図21】実施の形態2における雰囲気温度プロファイ
ルである。
【図22】実施の形態2におけるシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式
的な断面図である。
【図23】図22に引き続き、実施の形態2におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図24】図23に引き続き、実施の形態2におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図25】実施の形態3における雰囲気温度プロファイ
ルである。
【図26】実施の形態3におけるシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式
的な断面図である。
【図27】図26に引き続き、実施の形態3におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図28】図27に引き続き、実施の形態3におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図29】本発明の第4A−2の態様に係るシリコン酸
化膜の形成方法の実施に適した横型のシリコン酸化膜形
成装置の模式的な断面図である。
【図30】図29とは若干構造が異なる、本発明の第4
A−2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法の実施に
適した横型のシリコン酸化膜形成装置の模式的な断面図
である。
【図31】実施の形態5のシリコン酸化膜の形成方法を
説明するためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断
面図である。
【図32】実施の形態5の実施に適したバッチ式の縦型
方式シリコン酸化膜形成装置の概念図である。
【図33】図32に示したバッチ式の縦型方式シリコン
酸化膜形成装置の第1の処理室を含む部分の模式的な断
面図である。
【図34】図32に示したバッチ式の縦型方式シリコン
酸化膜形成装置の第2の処理室を含む部分の模式的な断
面図である。
【図35】実施の形態5における雰囲気温度プロファイ
ルである。
【図36】実施の形態5におけるシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式
的な断面図である。
【図37】図36に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図38】図37に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図39】図38に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図40】図39に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図41】図40に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図42】図41に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図43】図42に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図44】図43に引き続き、実施の形態5におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図45】実施の形態6の実施に適したバッチ式の縦型
方式シリコン酸化膜形成装置の概念図である。
【図46】実施の形態6におけるシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式
的な断面図である。
【図47】図46に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図48】図47に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図49】図48に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図50】図49に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図51】図50に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図52】図51に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図53】図52に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図54】図53に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図55】図54に引き続き、実施の形態6におけるシ
リコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化
膜形成装置等の模式的な断面図である。
【図56】実施の形態7の実施に適したシリコン酸化膜
形成装置の概念図である。
【図57】実施の形態7の実施に適したシリコン酸化膜
形成装置におけるバッチ式の炉アニール装置の模式的な
断面図である。
【図58】クラスターツール装置の模式図である。
【図59】図1に示した縦型方式のシリコン酸化膜形成
装置とは若干形式の異なる縦型方式のシリコン酸化膜形
成装置の模式的な断面図である。
【図60】図30に示した横型のシリコン酸化膜形成装
置とは若干形式の異なる横型のシリコン酸化膜形成装置
の模式的な断面図である。
【図61】従来の縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
(熱酸化炉)の模式的な断面図である。
【図62】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図であ
る。
【図63】図62に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【図64】図63に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【図65】図64に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,110,210・・・処理室、11,111,2
11・・・ガス流路、12,112,212・・・ガス
導入部、13,113,213・・・ガス排気部、1
4,114,214・・・ヒータ、15,115,21
5・・・シャッター、16,116,216・・・均熱
管、20・・・基板搬入出部、21,121・・・ガス
導入部、22,122・・・ガス排気部、23,123
・・・エレベータ機構、24,124・・・石英ボー
ト、30,130・・・燃焼室、31,32,33,3
8,131・・・配管、34,35,39・・・閉止
弁、34A・・・三方向弁、36・・・排気用配管、3
7,37A,38B,37C,37D,37E,37
F,37I・・・冷却手段、37G,37H・・・温度
制御手段、40・・・シリコン半導体基板、41・・・
素子分離領域、42・・・シリコン酸化膜、43・・・
ゲート電極、50・・・処理室、51・・・抵抗加熱ヒ
ータ、51A,151A,151B・・・ランプ、52
・・・ウエハ台、53・・・ゲートバルブ、54・・・
ガス導入部、55・・・ガス排気部、120,120
A,120B,301・・・搬送路、125,125
A,125B・・・扉、126・・・シャッター、30
1・・・ローダー・アンローダー、302,303・・
・処理装置、304・・・炉アニール装置

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)酸素ガスによる水素ガスの燃焼によ
    って水蒸気を生成させるための燃焼室、 (B)燃焼室にて生成した水蒸気によってシリコン層の
    表面にシリコン酸化膜を形成する処理室、 (C)処理室と燃焼室とを接続する配管、及び、燃焼室
    若しくは配管から系外に延びる排気用配管から構成され
    た配管系、 (D)配管系に配設され、配管系を介して燃焼室を処理
    室との連通状態あるいは系外との連通状態に切り替える
    ためのガス流切替手段、 (E)配管系、ガス流切替手段、又は、配管系及びガス
    流切替手段を冷却するための冷却手段、を備えているこ
    とを特徴とするシリコン酸化膜形成装置。
  2. 【請求項2】(A)酸素ガスによる水素ガスの燃焼によ
    って水蒸気を生成させるための燃焼室、 (B)燃焼室にて生成した水蒸気によってシリコン層の
    表面にシリコン酸化膜を形成する処理室、 (C)処理室と燃焼室とを接続する配管、及び、燃焼室
    若しくは配管から系外に延びる排気用配管から構成され
    た配管系、 (D)配管系に配設され、配管系を介して燃焼室を処理
    室との連通状態あるいは系外との連通状態に切り替える
    ためのガス流切替手段、 (E)配管系、ガス流切替手段、又は、配管系及びガス
    流切替手段を冷却するための冷却手段、を備えたシリコ
    ン酸化膜形成装置を用いて、シリコン層の表面にシリコ
    ン酸化膜を形成する方法であって、 少なくとも、燃焼室への酸素ガスの供給開始後、燃焼室
    への水素ガスの供給により水蒸気が燃焼室内で生成する
    までの間、燃焼室を系外との連通状態として燃焼室内の
    ガスを配管系を介して系外に排気し、次いで、燃焼室を
    処理室との連通状態として燃焼室にて生成した水蒸気を
    配管系を介して処理室内に導入し、シリコン層の表面に
    シリコン酸化膜を形成することを特徴とするシリコン酸
    化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】燃焼室を処理室との連通状態として燃焼室
    にて生成した水蒸気によって処理室内でシリコン層の表
    面にシリコン酸化膜を形成した後、燃焼室を系外との連
    通状態とし、次いで、燃焼室への水素ガスの供給を停止
    し、燃焼室へ酸素ガスを供給し続け、配管系を介して系
    外に排気することを特徴とする請求項1に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】(A)酸素ガスによる水素ガスの燃焼によ
    って水蒸気を生成させるための燃焼室、 (B)燃焼室にて生成した水蒸気によってシリコン層の
    表面にシリコン酸化膜を形成する処理室、 (C)処理室と燃焼室とを接続する配管、及び、燃焼室
    若しくは配管から系外に延びる排気用配管から構成され
    た配管系、 (D)配管系に配設され、配管系を介して燃焼室を処理
    室との連通状態あるいは系外との連通状態に切り替える
    ためのガス流切替手段、 (E)配管系、ガス流切替手段、又は、配管系及びガス
    流切替手段を冷却するための冷却手段、を備えたシリコ
    ン酸化膜形成装置を用いて、シリコン層の表面にシリコ
    ン酸化膜を形成する方法であって、 燃焼室を処理室との連通状態として燃焼室にて生成した
    水蒸気によって処理室内でシリコン層の表面にシリコン
    酸化膜を形成した後、燃焼室を系外との連通状態とし、
    次いで、燃焼室への水素ガスの供給を停止し、燃焼室へ
    酸素ガスを供給し続け、配管系を介して系外に排気する
    ことを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】処理室内において、シリコン層の表面から
    シリコン原子が脱離しない雰囲気温度にてシリコン層の
    表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、所望の厚さにな
    るまでシリコン酸化膜を形成することを特徴とする請求
    項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  6. 【請求項6】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端している原
    子とシリコン原子との結合が切断されない温度であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  7. 【請求項7】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、シリコン層表面のSi−H結合が
    切断されない温度であることを特徴とする請求項6に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  8. 【請求項8】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、シリコン層表面のSi−F結合が
    切断されない温度であることを特徴とする請求項6に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  9. 【請求項9】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了
    した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこと
    を特徴とする請求項5に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  10. 【請求項10】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項9
    に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  11. 【請求項11】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項10に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  12. 【請求項12】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項11に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  13. 【請求項13】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項9に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  14. 【請求項14】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項13に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  15. 【請求項15】処理室内において、水蒸気がシリコン層
    表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気温
    度にて、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開
    始し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項
    に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  16. 【請求項16】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項15に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  17. 【請求項17】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1
    6に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  18. 【請求項18】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項17に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  19. 【請求項19】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項18に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  20. 【請求項20】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項16に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  21. 【請求項21】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項20に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
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