JP2003031571A - 炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法 - Google Patents

炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法

Info

Publication number
JP2003031571A
JP2003031571A JP2001212017A JP2001212017A JP2003031571A JP 2003031571 A JP2003031571 A JP 2003031571A JP 2001212017 A JP2001212017 A JP 2001212017A JP 2001212017 A JP2001212017 A JP 2001212017A JP 2003031571 A JP2003031571 A JP 2003031571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide film
temperature
silicon carbide
carbide semiconductor
gas atmosphere
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001212017A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihiko Kiritani
範彦 桐谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001212017A priority Critical patent/JP2003031571A/ja
Publication of JP2003031571A publication Critical patent/JP2003031571A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/0445Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising crystalline silicon carbide
    • H01L21/048Making electrodes
    • H01L21/049Conductor-insulator-semiconductor electrodes, e.g. MIS contacts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SiC上に形成する酸化膜中にCを含む遷移
層の形成を抑制し、界面準位密度Ditを低減すること
によりMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させ
て素子の性能を向上させる。 【解決手段】 SiC基板を反応管へ導入し(S1
0)、反応管内の雰囲気を不活性ガスに置換し(S1
2,S14)、SiC基板を不活性ガス雰囲気中で酸化
温度まで上昇させ(S16)、不活性ガス雰囲気を酸化
性ガス雰囲気に置換し(S18,S20)、酸化性ガス
雰囲気中でSiC基板を所定の時間酸化し(S22)、
酸化性ガス雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換し(S2
4,S26)、不活性ガス雰囲気中でSiC基板の温度
を降下させ(S28)、その後SiC基板を取り出す
(S30)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体の
表面に熱酸化膜を形成する炭化珪素半導体の酸化膜の形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭化珪素(シリコンカーバイド、
以下化学記号のSiCを用いる)の熱的、化学的に非常
に安定な性質を利用した半導体素子の研究が盛んに行わ
れている。炭化珪素の結晶は、SiC4とCSi4が相互
に入り組んだ形をとり、六方晶のα型と、立方晶のβ型
に大別される。これらには、2H,3C,4H,6H,
15R等、多くの多形(polytypism)が存在する。
【0003】またSiCは、シリコン(Si)に比べエ
ネルギーギャップEgが大きく、例えば4Hタイプの結
晶ではEg=3.3〔eV〕であることから、電気的な
耐圧特性に優れ、電力制御用素子等への応用が期待され
ている。例えば、負荷側への電力をコントロールするス
イッチング素子としてMOS構造を有するデバイスがあ
る。SiCを用いた素子の基本的な構造は、従来からシ
リコン半導体で行われてきた構造を路襲しているが、S
iCにおいては、シリコンと異なる物性のため幾つかの
点で全く同じ構造とすることが困難である。
【0004】その一つに、良質なシリコン酸化膜、ある
いはシリコン酸化膜/SiC界面の形成が困難であるこ
と挙げられる。
【0005】Siの場合、1000℃前後の高温で乾燥
酸素(DryO2)あるいは水蒸気(H2O)などの酸化
性雰囲気に晒すことにより、容易に良質な熱酸化膜を形
成することができる。勿論このような背景には、非常に
純度に高く、欠陥の少ない良質な結晶が得られること、
および、熱酸化膜形成の直前に行う洗浄工程が確立され
ていることは言うまでもないが、そもそもSi結晶は単
一原子であるのに対して、SiCはSiとCの化合物で
あるということに起因する。
【0006】すなわち、SiCの表面に熱酸化膜を形成
するということは、SiCのSiを酸化してSiO2
酸化膜を形成する一方、SiCのCを酸化してCOまた
はCO2として除去する必要がある。
【0007】図4は従来のSiCの酸化膜形成方法を表
す温度ダイアグラムである。SiC基板の反応管への導
入から酸化温度、例えば、1100℃まで昇温する間
は、SiC基板表面は、酸素及び水分を含む大気に晒さ
れる。
【0008】次いで、酸化温度への昇温が完了した後に
酸化性の雰囲気、例えば、酸素、或いは水蒸気と酸素の
混合ガスで反応管内部を置換し、SiC基板の酸化を開
始する。
【0009】所定の酸化時間が完了した後に、酸化性の
雰囲気を不活性ガスに置換して、SiC基板を反応管か
ら導出するための温度まで降温する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の酸化膜形成方法により形成した熱酸化膜は、酸化膜
/SiC界面に多量の界面準位が存在し、このために、
MOS構造における表面のキャリア移動度が低下し、高
速で動作するMOS素子が得られないと言う問題点があ
った。
【0011】この酸化膜/SiC界面に多量の界面準位
が存在する理由は、以下によると考えられる。SiCの
熱酸化を行うと、酸化反応が進むのに従ってSiのみな
らずCが酸化される。酸化反応における温度条件にもよ
るがCは酸化によってCO、CO2の形態を取ると考え
られるが、これらが酸化膜/SiC界面から速やかに離
脱し、既に形成されている酸化膜を拡散して反応の系外
に排出されないと、酸化膜あるいは酸化膜/SiC界面
付近に停滞し、SiC4-XXのようなC遷移層を形成す
る。
【0012】一般に、このC遷移層が形成されると、C
遷移層中にSiのダングリングボンドを多く含み、これ
を起源として界面準位が形成される。この界面準位の密
度Ditは、Si上に形成した酸化膜ではおよそ1010
〜1011cm-2eV-1であるが、4H−SiC上に形成
した酸化膜ではこれより1桁以上大きく、このことがS
iCのMOS構造における表面のキャリア移動度を低下
させる原因の一つと考えられる。
【0013】本発明は、上記問題点に鑑み、SiC上に
形成する酸化膜中にCを含む遷移層の形成を抑制し、界
面準位密度Ditを低減することによりMOSトランジ
スタのキャリア移動度を向上させて素子の性能を向上さ
せることを目的とする。
【0014】例えば本発明をnチャネル型MOSトラン
ジスタに適用すれば、チャネル領域に形成した反転層に
よるチャネル抵抗を小さくできるので、トランジスタの
オン抵抗を低減でき効率よく電流を制御することが可能
となる。
【0015】また、酸化膜/半導体界面に欠陥が多く含
まれると、たとえば上記のようにMOSトランジスタを
ONさせたときに、これらの欠陥を介してキャリアであ
る電子が酸化膜に注入されるので、酸化膜の絶縁耐圧が
経時的に劣化しやすくなる。
【0016】本発明によれば酸化膜/SiC界面にC遷
移層を形成させないので、ダングリングボンドに起因す
る欠陥が少なく、そのため従来のC遷移層を含む酸化膜
に比べて酸化膜中に電子が注入されにくい。このように
経時的なデバイスの相互コンダクタンスgmなどの特性
劣化や、酸化膜そのものの絶縁破壊が起きにくくなり素
子の信頼性も向上するという利点があるので、産業上極
めて有用である。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的を達成するため、炭化珪素半導体の表面に熱酸
化膜を形成する炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法にお
いて、熱酸化膜を形成する所望の温度においてのみ前記
炭化珪素半導体の周囲に酸化性ガス雰囲気を形成して、
該炭化珪素半導体の表面に熱酸化膜を形成することを要
旨とする。
【0018】請求項2記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1記載の炭化珪素半導体の酸化膜の形成
方法において、炭化珪素半導体を不活性ガス雰囲気中で
所望の温度まで上昇させる昇温工程と、前記不活性ガス
雰囲気を酸化性ガス雰囲気に置換する第1の雰囲気置換
工程と、前記酸化性ガス雰囲気中で前記所望の温度で前
記炭化珪素半導体の表面に熱酸化膜を形成する酸化膜形
成工程と、前記酸化性ガス雰囲気を不活性ガス雰囲気に
置換する第2の雰囲気置換工程と、前記不活性ガス雰囲
気中で前記炭化珪素半導体の温度を降下させる降温工程
と、を備えたことを要旨とする。
【0019】請求項3記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1または請求項2記載の炭化珪素半導体
の酸化膜の形成方法において、前記不活性ガスは、窒素
またはアルゴンであることを要旨とする。
【0020】請求項4記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の
炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法において、前記酸化
ガスは、酸素または水蒸気または両者の混合ガスである
ことを要旨とする。
【0021】請求項5記載の発明は、上記目的を達成す
るため、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の
炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法において、前記所望
の温度は、1100℃以上1200℃以下であることを
要旨とする。
【0022】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、炭化珪素
半導体の表面に熱酸化膜を形成する炭化珪素半導体の酸
化膜の形成方法において、熱酸化膜を形成する所望の温
度においてのみ前記炭化珪素半導体の周囲に酸化性ガス
雰囲気を形成して、該炭化珪素半導体の表面に熱酸化膜
を形成するようにしたので、酸化膜/SiC界面の界面
準位密度を低減できるようになり、例えばMOSトラン
ジスタのゲート酸化膜ではチャネルが形成されたときの
キャリアの移動度を高くし、高速で動作する素子を形成
することができるという効果がある。
【0023】また、酸化膜中にトラップが少ないので、
トランジスタ駆動時に基板であるSiCから酸化膜に注
入される電子によって引き起こされる酸化膜の経時劣化
を抑制し、高い信頼性を長期間に亘って保持することが
できるという効果がある。
【0024】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、炭化珪素半導体を不活性ガス
雰囲気中で所望の温度まで上昇させる昇温工程と、前記
不活性ガス雰囲気を酸化性ガス雰囲気に置換する第1の
雰囲気置換工程と、前記酸化性ガス雰囲気中で前記所望
の温度で前記炭化珪素半導体の表面に熱酸化膜を形成す
る酸化膜形成工程と、前記酸化性ガス雰囲気を不活性ガ
ス雰囲気に置換する第2の雰囲気置換工程と、前記不活
性ガス雰囲気中で前記炭化珪素半導体の温度を降下させ
る降温工程と、を備えたことにより、酸化反応の初期に
形成されるC遷移層を最も効果的に抑制できるので、界
面準位密度の更なる低減と、さらには熱酸化膜形成の酸
化速度も向上するので、効率よく酸化処理を進めること
ができるという効果がある。
【0025】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは請求項2記載の発明の効果に加えて、前記不活性ガ
スは、窒素またはアルゴンとしたので、半導体製造工程
に通常利用される不活性ガスを利用できるという効果が
ある。
【0026】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし請求項3記載の発明の効果に加えて、前記酸化ガス
は、酸素または水蒸気または両者の混合ガスとしたの
で、半導体製造工程に通常利用される酸化ガスを利用で
きるという効果がある。
【0027】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし請求項4記載の発明の効果に加えて、前記所望の温
度は、1100℃以上1200℃以下であるようにした
ので、酸化膜の形成速度とSiC基板からCO及びCO
2の効果的な除去とを両立させることができるという効
果がある。
【0028】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図2は、本発明に係る炭化
珪素半導体の酸化膜の形成方法に用いられる酸化炉の例
を示す模式図である。図2において、酸化炉100は、
略円筒形で一端部に開閉可能なドア110を有する石英
反応管101と、石英反応管101の周囲に設けられた
ヒータ102と、複数のSiC基板104を保持して石
英反応管101の内部に導入されるボート103と、石
英反応管101の他端部に設けられ、それぞれ不活性ガ
ス(実施形態では窒素)、酸化ガス(実施形態では、酸
素)を石英反応管に供給するガス供給管105,106
と、ガス供給管105上に設けられた不活性ガスバルブ
107と、ガス供給管106上に設けられた酸化ガスバ
ルブ108と、石英反応管101の一端部の近傍に設け
られ図外の排気ポンプに接続された排気管109とを備
えている。
【0029】尚、ガス供給管105または106から供
給されるガスにより、石英反応管101内のガスが排気
管109を介して系外へ押し出され、図中左側から右側
へ順次ガス置換が起きるので、排気ポンプは必ずしも必
要ではない。また図示しないが、石英反応管101の内
部には、数カ所熱電対等の温度測定センサが設けられ、
石英反応管101内部の温度を計測できるようになって
いる。
【0030】次に、本実施形態における炭化珪素半導体
の酸化膜の形成方法を各工程毎に説明する。酸化膜の形
成方法は、炭化珪素半導体を不活性ガス雰囲気中で所望
の温度まで上昇させる昇温工程と、不活性ガス雰囲気を
酸化性ガス雰囲気に置換する第1の雰囲気置換工程と、
酸化性ガス雰囲気中で前記所望の温度で炭化珪素半導体
の表面に熱酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、酸化性
ガス雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換する第2の雰囲気
置換工程と、不活性ガス雰囲気中で炭化珪素半導体の温
度を降下させる降温工程と、を備えている。
【0031】図1は、本発明に係る炭化珪素半導体の酸
化膜の形成方法の一実施形態を説明するフローチャート
である。上記の各工程と図1のフローチャートのステッ
プとの対応は、以下の通りである。
【0032】炭化珪素半導体を不活性ガス雰囲気中で所
望の温度まで上昇させる昇温工程は、ステップS16に
対応する。不活性ガス雰囲気を酸化性ガス雰囲気に置換
する第1の雰囲気置換工程は、ステップS18及びステ
ップS20に対応する。酸化性ガス雰囲気中で所望の温
度で炭化珪素半導体の表面に熱酸化膜を形成する酸化膜
形成工程は、ステップS22に対応する。酸化性ガス雰
囲気を不活性ガス雰囲気に置換する第2の雰囲気置換工
程は、ステップS24及びステップS26に対応する。
不活性ガス雰囲気中で炭化珪素半導体の温度を降下させ
る降温工程は、ステップS28に対応する。
【0033】図1において、まず、SiC基板104を
保持したボート103をドア110から石英反応管10
1の内部へ導入し、ドア110を閉じる(ステップS1
0)。次いで、石英反応管101内の空気を排気管10
9を通じて排気ポンプにより排気する(ステップS1
2)。排気が完了すると排気ポンプを停止し、次いで、
不活性ガスバルブ107を開いて石英反応管101内へ
窒素を導入し、石英反応管101の内部が窒素で所望の
圧力まで充填されると不活性ガスバルブ107を閉じる
(ステップS14)。次いで、この状態でヒータ102
に通電して石英反応管101を加熱し、石英反応管10
1又はその内部のSiC基板が所望の酸化温度(例え
ば、1100℃)になるまで昇温する(ステップS1
6)。
【0034】次いで、石英反応管101内の窒素を排気
管109を通じて排気ポンプにより排気する(ステップ
S18)。排気が完了すると排気ポンプを停止し、次い
で、酸化ガスバルブ108を開いて石英反応管101内
へ酸素を導入し、石英反応管101の内部が酸素で所望
の圧力まで充填されると、以下この圧力を次の酸化工程
であるステップS22が終了するまで維持するように酸
化ガスバルブ108を制御する(ステップS20)。こ
のとき、石英反応管101の内部の温度が低下しないよ
うに、言い換えればSiC基板104の温度が所望の酸
化温度から低下しないように、必要であれば、ガス供給
管106の周囲に余熱手段を設けて、酸素を余熱してか
ら石英反応管101へ導入する。
【0035】次いで、SiC基板の温度を所望の酸化温
度に維持しつつ、所定時間SiC基板の酸化を行う(ス
テップS22)。所定時間の酸化が終わると、酸化ガス
バルブ108を閉じて酸素の供給を停止し、石英反応管
101内の酸素を排気管109を通じて排気ポンプによ
り排気する(ステップS24)。排気が完了すると排気
ポンプを停止し、次いで、不活性ガスバルブ107を開
いて石英反応管101内へ窒素を導入し、石英反応管1
01の内部が窒素で所望の圧力まで充填されると不活性
ガスバルブ107を閉じる(ステップS26)。
【0036】次いで、この状態でヒータ102の通電量
を徐々に絞って石英反応管101の温度を低下させ、石
英反応管101又はその内部のSiC基板が例えば90
0℃の取り出し温度になるまで降温する(ステップS2
8)。降温が完了すると、ドア110を開いて石英反応
管101内からSiC基板104を保持したボート10
3を取り出す(ステップS30)。
【0037】尚、図2に示した酸化炉100へのSiC
基板104の出し入れ時に空気の巻き込みを無くすた
め、ドア110の前に窒素チャンバや真空ロードロック
等を設ける場合には、図1のフローチャートでステップ
S12又はS14を省略することができる。
【0038】図3は、実施形態の熱酸化のプログラムを
表すダイアグラムであり、横軸に処理時間の経過を示し
縦軸に温度の変化を示す。
【0039】シリコン半導体の熱酸化方法では、熱酸化
のための反応管への導入、導出は700〜900℃前後
において行われるが、この理由は一般的な酸化の温度1
000〜1200℃の状態から大気即ち常温に直接取り
出すと、急激な温度変化によって熱歪みが生じるからで
ある。このことはシリコン半導体に限らず、本発明に関
るSiCにおいても同様である。
【0040】図3のaの期間、即ちSiC基板の反応管
への導入後、SiC基板の温度を酸化温度(ここでは酸
化温度を1100℃とする)まで上昇させる期間(ステ
ップS16)までは、SiC基板表面は非酸化性の雰囲
気に晒される。一例として、窒素やアルゴンなどの不活
性ガス中で処理するとよく、当然のことながらSiC表
面は酸化されることなく、熱酸化膜は形成されない。
【0041】図には示していないが、予備排気室を持つ
反応管を用いて、一旦SiC基板導入後に反応管内部を
真空引きした後に不活性ガスを満たすか、十分に不活性
ガスで置換した後に、酸化温度への昇温を行ってもよ
く、大気の巻き込みによる大気に含まれる酸素、水分に
よる予期しない酸化の進行を防ぐ手法もある。この手法
によれば、一層C遷移層の形成抑制に効果的である。
【0042】次に図3のbの期間、即ち酸化温度への昇
温が完了した後に酸化性の雰囲気、例えば、酸素、水蒸
気、あるいは水蒸気と酸素の混合ガスに反応管内部を置
換し(ステップS20)、酸化を開始する(ステップS
22)。
【0043】この場合、酸化温度は高いほうがSiCと
酸化種との反応によって発生するCO、CO2を効果的
に除去できるが、1200℃より高い温度では形成され
た酸化膜そのものが気化しはじめるので、1200℃以
下で行うことが望ましい。一方、酸化雰囲気にもよるが
1100℃未満の温度で酸化しようとすると酸化速度が
遅くなり、総処理時間が長くなってしまうので産業上不
利である。このような理由から酸化温度としては、およ
そ1100〜1200℃で行うのが望ましい。
【0044】次に図3のcの期間、即ち所定の酸化時間
が完了した後に再び不活性ガスを導入して(ステップ2
6)、SiC基板を導出するための温度まで降温する
(ステップS28)。このとき図示していないが、酸化
温度を保ったまま、反応管内部に不活性ガスを導入し、
雰囲気を置換した後に降温してもよい。
【0045】本発明者は以上のような方法により、酸化
温度1100℃、酸素雰囲気中でおよそ50〔nm〕厚
のゲート酸化膜を形成したMOSキャパシタを作成し
た。比較のために酸化温度までの昇温過程において、雰
囲気を不活性ガスである窒素とした場合と、雰囲気を酸
素とした場合との2条件で酸化を行った。この結果、界
面準位密度Ditは、以下の表1のように明確に差が見
られ、本発明による酸化膜形成方法が効果的にDitを
低減できることを確認した。
【0046】
【表1】
【0047】また、酸化速度の比較では上記温度、雰囲
気条件において、420分の酸化処理で比較したとこ
ろ、昇温時雰囲気窒素では35〔nm〕、酸化雰囲気で
は28〔nm〕の厚さの酸化膜がそれぞれ形成された。
このことから、本発明によれば、不活性ガス雰囲気中で
酸化温度まで昇温することにより、C遷移層の形成が抑
制され、酸化種、この場合は酸素が効果的に酸化膜・S
iC界面に供給されて高い酸化速度が得られたことを表
している。
【0048】尚、上記実施形態では、酸化種として、酸
素を用いたが、これ以外に、水蒸気、または酸素と水蒸
気との混合ガスを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炭化珪素半導体の酸化膜の形成方
法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明に係る炭化珪素半導体の酸化膜の形成方
法に用いられる酸化炉の例を示す模式図である。
【図3】実施形態の熱酸化のプログラムを表すダイアグ
ラムである。
【図4】従来の酸化プログラムを示すダイアグラムであ
る。
【符号の説明】
100 酸化炉 101 石英反応管 102 ヒータ 103 ボート 104 SiC基板 105 ガス供給管 106 ガス供給管 107 不活性ガスバルブ 108 酸化ガスバルブ 109 排気管 110 ドア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素半導体の表面に熱酸化膜を形成
    する炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法において、 熱酸化膜を形成する所望の温度においてのみ前記炭化珪
    素半導体の周囲に酸化性ガス雰囲気を形成して、該炭化
    珪素半導体の表面に熱酸化膜を形成することを特徴とす
    る炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 炭化珪素半導体を不活性ガス雰囲気中で
    所望の温度まで上昇させる昇温工程と、 前記不活性ガス雰囲気を酸化性ガス雰囲気に置換する第
    1の雰囲気置換工程と、 前記酸化性ガス雰囲気中で前記所望の温度で前記炭化珪
    素半導体の表面に熱酸化膜を形成する酸化膜形成工程
    と、 前記酸化性ガス雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換する第
    2の雰囲気置換工程と、 前記不活性ガス雰囲気中で前記炭化珪素半導体の温度を
    降下させる降温工程と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導
    体の酸化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記不活性ガスは、窒素またはアルゴン
    であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化ガスは、酸素または水蒸気また
    は両者の混合ガスであることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか1項記載の炭化珪素半導体の酸化
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記所望の温度は、1100℃以上12
    00℃以下であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれか1項記載の炭化珪素半導体の酸化膜の形
    成方法。
JP2001212017A 2001-07-12 2001-07-12 炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法 Pending JP2003031571A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001212017A JP2003031571A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001212017A JP2003031571A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003031571A true JP2003031571A (ja) 2003-01-31

Family

ID=19047246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001212017A Pending JP2003031571A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003031571A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1970945A3 (en) * 2007-03-16 2009-07-01 Nissan Motor Co., Ltd. Method of manufacturing silicon carbide semiconductor device
JP2010278463A (ja) * 2010-07-30 2010-12-09 Nissan Motor Co Ltd 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2013008894A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Saitama Univ 炭化珪素半導体を用いたmos構造およびその酸化膜形成方法
WO2013140122A1 (en) * 2012-03-20 2013-09-26 Anvil Semiconductors Limited Forming silicon dioxide on silicon carbide
JP2015023043A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 三菱電機株式会社 炭化珪素半導体装置の製造方法
DE102016112877A1 (de) 2015-09-07 2017-03-09 Fuji Electric Co., Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung und für das Verfahren verwendete Halbleiterherstellungsvorrichtung
JP2017055098A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 国立大学法人大阪大学 半導体装置の製造方法及びこれに用いる半導体製造装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1970945A3 (en) * 2007-03-16 2009-07-01 Nissan Motor Co., Ltd. Method of manufacturing silicon carbide semiconductor device
KR100946422B1 (ko) * 2007-03-16 2010-03-10 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 탄화규소 반도체 장치의 제조 방법
US7772058B2 (en) 2007-03-16 2010-08-10 Nissan Motor Co., Ltd. Method of manufacturing silicon carbide semiconductor device
JP2010278463A (ja) * 2010-07-30 2010-12-09 Nissan Motor Co Ltd 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2013008894A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Saitama Univ 炭化珪素半導体を用いたmos構造およびその酸化膜形成方法
WO2013140122A1 (en) * 2012-03-20 2013-09-26 Anvil Semiconductors Limited Forming silicon dioxide on silicon carbide
JP2015023043A (ja) * 2013-07-16 2015-02-02 三菱電機株式会社 炭化珪素半導体装置の製造方法
DE102016112877A1 (de) 2015-09-07 2017-03-09 Fuji Electric Co., Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung und für das Verfahren verwendete Halbleiterherstellungsvorrichtung
JP2017055098A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 国立大学法人大阪大学 半導体装置の製造方法及びこれに用いる半導体製造装置
US10755920B2 (en) 2015-09-07 2020-08-25 Fuji Electric Co., Ltd. Method for manufacturing semiconductor device and semiconductor manufacturing apparatus used for the method
DE102016112877B4 (de) * 2015-09-07 2021-07-15 Fuji Electric Co., Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Halbleitervorrichtung und für das Verfahren verwendete Halbleiterherstellungsvorrichtung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100627919B1 (ko) 실리콘웨이퍼의 열처리방법 및 실리콘웨이퍼
JPH11186256A (ja) 炭化けい素半導体装置の熱酸化膜形成方法
WO2006095752A1 (ja) 半導体装置の製造方法および基板処理装置
US6797323B1 (en) Method of forming silicon oxide layer
WO2011158528A1 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造装置
KR100289800B1 (ko) 절연막의 형성방법
JP3491050B2 (ja) 炭化けい素半導体装置の熱酸化膜形成方法
JP2006269621A (ja) Aldによる薄膜形成方法および装置
JP4748927B2 (ja) 半導体装置
JP2004503086A (ja) 削剥領域を備えたシリコンウエハの製造方法及び製造装置
JP2003031571A (ja) 炭化珪素半導体の酸化膜の形成方法
JP5057903B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
US20220186362A1 (en) Film formation method and film formation device
JPH11204517A (ja) シリコン酸化膜の形成方法、及びシリコン酸化膜形成装置
JPH11186255A (ja) シリコン酸化膜の形成方法
JP3757566B2 (ja) シリコン酸化膜の形成方法及び酸化膜成膜装置
JPH11186248A (ja) シリコン酸化膜の形成方法及びシリコン酸化膜形成装置
JP2004503085A (ja) 削剥領域を備えたシリコンウエハの製造方法及び製造装置
JP4797358B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH11135492A (ja) シリコン酸化膜の形成方法及びシリコン酸化膜形成装置
JP3800788B2 (ja) シリコン酸化膜の形成方法
JP3194062B2 (ja) 熱酸化膜の形成方法
JPH05251439A (ja) 半導体装置の絶縁膜形成方法
JP3287308B2 (ja) 酸化膜の作製方法
JP2006319137A (ja) 半導体装置及びその製造方法