JPH11214379A - シリコン酸化膜の形成方法 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法

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JPH11214379A
JPH11214379A JP1678398A JP1678398A JPH11214379A JP H11214379 A JPH11214379 A JP H11214379A JP 1678398 A JP1678398 A JP 1678398A JP 1678398 A JP1678398 A JP 1678398A JP H11214379 A JPH11214379 A JP H11214379A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する
際のシリコン層の表面に荒れ(凹凸)が発生することを
防止でき、且つ、シリコン層の表面にドライ酸化膜を形
成することなく、特性の優れたシリコン酸化膜を形成す
ることができ、しかも、比較的厚いシリコン酸化膜を短
い時間で形成することを可能にするシリコン酸化膜の形
成方法を提供する。 【解決手段】シリコン酸化膜の形成方法は、シリコン層
の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、
湿式ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の表面に
シリコン酸化膜の形成を開始し、所望の厚さになるまで
シリコン酸化膜を形成する工程から成り、湿式ガスの圧
力を1.013×105Paを越える圧力とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置
の製造におけるシリコン酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばMOS型半導体装置の製造におい
ては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン
半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜ト
ランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の
上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から
成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシ
リコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているとい
っても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には、常
に、高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばMOS型半導体装置を製造する場
合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/
22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄
するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去す
る。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基
板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度の
シリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を単に酸
化膜と呼ぶ)が形成される。かかる酸化膜の膜厚は不均
一であり、しかも、酸化膜中には洗浄液成分が残留す
る。そこで、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板
を浸漬して、かかる酸化膜を除去し、更に純水で薬液成
分を除去する。これによって、大部分が水素で終端さ
れ、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の
表面を得ることができる。尚、このような工程によっ
て、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端さ
れたシリコン半導体基板の表面を得ることを、本明細書
では、シリコン半導体基板の表面を露出させると表現す
る。その後、かかるシリコン半導体基板をシリコン酸化
膜形成装置の処理室(酸化炉)に搬入して、シリコン半
導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する。
【0004】シリコン酸化膜形成装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜形成装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成
するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を自
然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからである。
しかしながら、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリ
コン半導体基板の表面に形成されてしまう。自然酸化膜
には大気中の不純物が多く含まれており、ゲート酸化膜
の薄膜化においては自然酸化膜の存在を無視することが
できない。そのため、(1)シリコン酸化膜形成装置に
配設された基板搬入出部に大量の窒素ガスを流して窒素
ガス雰囲気とする方法(窒素ガスパージ方式)、(2)
一旦、基板搬入出部内を真空とした後、窒素ガス等の不
活性ガスで基板搬入出部内を置換して大気を排除する方
法(真空ロードロック方式)等を採用し、出来る限り自
然酸化膜の形成を抑制する方法が提案されている。
【0005】そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス
雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸
化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性
雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理するこ
とでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成に
は、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入
することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化す
る方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の乾燥
酸素ガスによってシリコン半導体基板表面を酸化する方
法(乾式酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸
化膜を形成することができる。この湿式酸化法の1つ
に、水素ガスを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させるこ
とによって生成した水蒸気をシリコン酸化膜の形成に用
いるパイロジェニック酸化法(水素ガス燃焼酸化法とも
呼ばれる)があり、多く採用されている。通常、このパ
イロジェニック酸化法においては、処理室(酸化炉)の
外部に設けられ、そして700〜900゜Cに保持され
た燃焼室内に酸素ガスを供給し、その後、燃焼室内に水
素ガスを供給して、高温中で水素ガスを燃焼させる。こ
れによって得られた水蒸気を酸化種として用いる。
【0006】パイロジェニック酸化法によってシリコン
酸化膜を形成するための縦型方式のシリコン酸化膜形成
装置の概念図を図1に示す。この縦型方式のシリコン酸
化膜形成装置は、垂直方向に保持された石英製の二重管
構造の処理室10と、処理室10へ水蒸気及び/又はガ
スを導入するためのガス導入部12と、処理室10から
水蒸気及び/又はガスを排気するガス排気部13と、S
iCから成る円筒状の均熱管16を介して処理室10内
を所定の雰囲気温度に保持するためのヒータ14と、基
板搬入出部20と、基板搬入出部20へ窒素ガス等の不
活性ガスを導入するためのガス導入部21と、基板搬入
出部20からガスを排気するガス排気部22と、処理室
10と基板搬入出部20とを仕切るシャッター15と、
シリコン半導体基板を処理室10内に搬入出するための
エレベータ機構23から構成されている。エレベータ機
構23には、シリコン半導体基板を載置するための石英
ボート24が取り付けられている。また、燃焼室30に
供給された水素ガスを酸素ガスと、燃焼室30内で高温
にて混合し、燃焼させることによって、水蒸気を生成さ
せる。かかる水蒸気は、配管31、ガス流路11及びガ
ス導入部12を介して処理室10内に導入される。尚、
ガス流路11は、二重管構造の処理室10の内壁及び外
壁の間の空間に相当する。
【0007】図1に示した縦型方式のシリコン酸化膜形
成装置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく従
来のシリコン酸化膜の形成方法の概要を、図1、図19
〜図21を参照して、以下、説明する。
【0008】[工程−10]配管32、燃焼室30、配
管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理
室10へ窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰
囲気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によっ
て処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに保
持する。尚、この状態においては、シャッター15は閉
じておく(図19の(A)参照)。基板搬入出部20は
大気に解放された状態である。
【0009】[工程−20]そして、複数の基板搬入出
部20にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート
24にシリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出
部20へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した
後、図示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入
部21から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出
し、基板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図1
9の(B)参照)。
【0010】[工程−30]基板搬入出部20内が十分
に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開
き(図20の(B)参照)、エレベータ機構23を作動
させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板
40を処理室10内に搬入する(図21の(A)参
照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、
石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出
部20との間は連通しなくなる。
【0011】シャッター15を開く前に、処理室10内
を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生
じる。即ち、フッ化水素酸水溶液及び純水による洗浄に
よって表面を露出させたシリコン半導体基板を高温の窒
素ガス雰囲気中に搬入すると、シリコン半導体基板40
の表面に荒れが生じる。この現象は、フッ化水素酸水溶
液及び純水での洗浄によってシリコン半導体基板40の
表面に形成されたSi−H結合の一部やSi−F結合の
一部が、水素やフッ素の昇温脱離によって失われ、シリ
コン半導体基板40の表面にエッチング現象が生じるこ
とに起因すると考えられている。例えば、アルゴンガス
中でシリコン半導体基板を600゜C以上に昇温すると
シリコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生じること
が、培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULS
I技術」、第21頁に記載されている。このような現象
を抑制するために、シャッター15を開く前に、例え
ば、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10内
を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気
とする(図20の(A)参照)。
【0012】[工程−40]その後、処理室10内の雰
囲気温度を800〜900゜Cとする。そして、配管3
2,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガス
を供給し、水素ガスを酸素ガスと燃焼室30内で高温に
て混合し、燃焼させることによって生成した水蒸気を、
配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処
理室10へ導入し、ガス排気部13から排気する(図2
1の(B)参照)。これによって、シリコン半導体基板
40の表面にシリコン酸化膜が形成される。尚、水蒸気
を処理室10へ導入する前に不完全燃焼した水素ガスが
処理室10内に流入することによって爆鳴気反応が生じ
ることを防止するために、配管33から燃焼室30に水
素ガスを供給する前に、配管32を介して燃焼室30に
酸素ガスを供給する。この結果、配管31、ガス流路1
1及びガス導入部12を介して酸素ガスが処理室10内
に流入する。尚、燃焼室30内の温度を、例えばヒータ
(図示せず)によって700〜900゜Cに保持する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】シャッター15を開く
前に、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスを
ガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10
内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲
気とすることによって(図20の(A)参照)、シリコ
ン半導体基板の表面に凹凸が形成される現象を抑制する
ことができる。あるいは又、培風館発行、大見忠弘著
「ウルトラクリーンULSI技術」、第21頁には、水
素終端したシリコン半導体基板を、終端水素が安定に存
在する300゜Cで乾式酸化を行い、これによって形成
されたシリコン酸化膜を保護膜とすれば、シリコン半導
体基板の表面に凹凸が形成される問題を回避できると報
告されている。
【0014】しかしながら、シリコン半導体基板の表面
に凹凸が形成される現象を抑制するために処理室10内
に酸素ガスを含んだ窒素ガスが導入されるが故に、処理
室10内に搬入されたシリコン半導体基板の表面にシリ
コン酸化膜が形成される。かかるシリコン酸化膜は、本
質的には、所謂、乾式酸化によって形成されたシリコン
酸化膜(ドライ酸化膜と呼ぶ)であり、湿式酸化法にて
形成されたシリコン酸化膜(ウェット酸化膜と呼ぶ)よ
りも特性が劣る。例えば、処理室10内を800゜Cに
保持し、0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に導入した状態でシリコ
ン半導体基板を処理室10内に搬入すると、シリコン半
導体基板の表面には2nm以上のドライ酸化膜が形成さ
れる。ゲート長0.18〜0.13μmの半導体装置に
おいては、4〜3nm厚さのゲート酸化膜が用いられる
ことが予想されている。このように、例えば4nm厚さ
のゲート酸化膜を形成しようとした場合、厚さの5割以
上がドライ酸化膜で占められることになる。
【0015】このような問題を解決する手段が、特開平
6−291112号公報に開示されている。即ち、フッ
化水素酸水溶液でシリコン半導体基板を洗浄した後、過
酸化水素水にシリコン半導体基板を浸漬することによっ
てシリコン半導体基板の表面に保護膜としてのシリコン
酸化膜を形成する技術が、この特許公開公報には開示さ
れている。しかしながら、この方法では、過酸化水素水
の濃度制御等によってシリコン半導体基板の表面に均一
なシリコン酸化膜を再現性良く形成することは困難であ
る。また、過酸化水素水中の不純物がシリコン酸化膜中
に取り込まれるという問題もある。
【0016】長期安定性に優れ、絶縁耐圧が高く、且つ
膜厚の薄いシリコン酸化膜を形成する方法が、例えば、
特開平6−318588号公報に開示されている。この
方法は、シリコン半導体の表面に熱酸化法により極薄熱
酸化シリコン膜を形成した後、この極薄熱酸化シリコン
膜上に気相成長法(CVD法)によりシリコン酸化膜を
堆積させ、次いで、酸化雰囲気中で熱処理を行う方法で
ある。この方法は、気相成長法(CVD法)によりシリ
コン酸化膜を堆積させるので、シリコン酸化膜の形成プ
ロセスが複雑になるという問題を有する。
【0017】尚、以上の問題は、シリコン半導体基板の
表面において生じるだけでなく、絶縁性基板や絶縁層等
の上に設けられたシリコン層の表面においても生じる問
題である。
【0018】従って、本発明の目的は、シリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成する際のシリコン層の表面に
荒れ(凹凸)が発生することを防止でき、且つ、シリコ
ン層の表面にドライ酸化膜を形成することなく、特性の
優れたシリコン酸化膜を形成することができ、しかも、
比較的厚いシリコン酸化膜を短い時間で形成することを
可能にするシリコン酸化膜の形成方法を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法は、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない
雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によって該シ
リコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、所望
の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する工程から成
り、湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える
圧力とすることを特徴とする。
【0020】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン酸化膜を形成するため
の雰囲気温度の制御範囲を狭くするといった観点あるい
は係る雰囲気温度制御の高精度化の観点から、所望の厚
さを有するシリコン酸化膜を形成した時点における雰囲
気温度は、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離し
ない雰囲気温度範囲を越えないことが好ましい。
【0021】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端
している原子とシリコン原子との結合が切断されない温
度であることが好ましい。この場合、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない温度は、シリコン層表面
のSi−H結合が切断されない温度、若しくは、シリコ
ン層表面のSi−F結合が切断されない温度であること
が望ましい。面方位が(100)のシリコン半導体基板
を用いる場合、シリコン半導体基板の表面における水素
原子の大半がシリコン原子の2本の結合手のそれぞれに
1つずつ結合しており、H−Si−Hの終端構造を有す
る。然るに、シリコン半導体基板の表面状態が崩れた部
分(例えばステップ形成箇所)には、シリコン原子の1
本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、
あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水
素原子が結合した状態の終端構造が存在する。尚、通
常、シリコン原子の残りの結合手は結晶内部のシリコン
原子と結合している。本明細書における「Si−H結
合」という表現には、シリコン原子の2本の結合手のそ
れぞれに水素原子が結合した状態の終端構造、シリコン
原子の1本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終
端構造、あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれ
ぞれに水素原子が結合した状態の終端構造の全てが包含
される。シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開
始するときの雰囲気温度は、より具体的には、湿式ガス
がシリコン層表面で結露しない温度以上、好ましくは2
00゜C以上、より好ましくは300゜C以上、500
゜C以下、好ましくは450゜C以下、より好ましくは
400゜C以下とすることが、スループットの面から望
ましい。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、湿式ガスが
シリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以
下、好ましくは450゜C以下、一層好ましくは400
゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法に
よってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する工
程から成り、湿式ガスの圧力を1.013×105Pa
を越える圧力とすることを特徴とする。
【0023】本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、所望の厚さを有するシリコン酸
化膜を形成した時点における雰囲気温度は500゜C以
下、好ましくは450゜C以下、一層好ましくは400
゜C以下であることが望ましい。
【0024】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法において、湿式ガスの圧力は、
シリコン酸化膜の形成の全工程中、1.013×10
5Paを越える圧力としてもよいし、シリコン酸化膜
の形成の開始から或る膜厚のシリコン酸化膜が形成され
る迄の間、1.013×105Paを越える圧力として
もよいし、或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時
点から所望の厚さのシリコン酸化膜が形成された時点迄
の間、1.013×105Paを越える圧力としてもよ
いし、或る膜厚のシリコン酸化膜が形成された時点か
ら、それよりも厚い或る膜厚のシリコン酸化膜が形成さ
れる時点迄の間、1.013×105Paを越える圧力
としてもよい。1.013×105Paを越える湿式ガ
スの圧力は、一定としてもよいし、階段状に増加あるい
は減少させてもよいし、連続的に増加あるいは減少させ
てもよい。湿式ガスを構成するガス成分としては、水蒸
気及び酸素ガスの組み合わせ、あるいは又、水蒸気、酸
素ガス及び不活性ガスの組み合わせを挙げることができ
る。ここで、不活性ガスとして、窒素ガス、アルゴンガ
ス、ヘリウムガスを例示することができる。また、1.
013×105Paを越える圧力でないときの湿式ガス
の圧力は、1.013×105Paあるいはそれ以下の
圧力とすることができる。
【0025】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスを用いた
酸化法は、パイロジェニック酸化法、純水の加熱により
発生した水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不
活性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生
した水蒸気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法
であることが好ましい。湿式ガスを用いた酸化法によっ
てシリコン酸化膜を形成するので、優れた経時絶縁破壊
(TDDB)特性を有するシリコン酸化膜を得ることが
できる。
【0026】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシリ
コン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、シリ
コン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰
囲気温度と同じとしてもよいし、高くしてもよい。後者
の場合、雰囲気温度を段階的に上昇させてもよいし、連
続的に上昇させてもよい。
【0027】形成されたシリコン酸化膜の特性を一層向
上させるために、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さの
シリコン酸化膜の形成が完了した後、形成されたシリコ
ン酸化膜に熱処理を施すことが好ましい。
【0028】この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン
酸化膜を熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に
優れたシリコン酸化膜を得ることができる。熱処理にお
ける不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘ
リウムガスを例示することができる。また、ハロゲン元
素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることができる
が、なかでも塩素であることが望ましい。不活性ガス中
に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩
化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HB
r、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロ
ゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準とし
て、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜
10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%であ
る。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の
塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であること
が望ましい。
【0029】尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、熱処理を、枚
葉処理とすることもできるが、炉アニール処理とするこ
とが好ましい。熱処理の雰囲気温度は、700〜120
0゜C、好ましくは700〜1000゜C、更に好まし
くは700〜950゜Cである。また、熱処理を炉アニ
ール処理とする場合の熱処理の時間は、5〜60分、好
ましくは10〜40分、更に好ましくは20〜30分で
ある。一方、熱処理を枚葉処理とする場合の熱処理の時
間は、1〜10分とすることが好ましい。
【0030】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、形成されたシリコ
ン酸化膜に熱処理を施す際の雰囲気温度を、所望の厚さ
のシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度よ
りも高くすることが望ましい。シリコン酸化膜の形成と
熱処理とを同じ処理室内で行う場合、所望の厚さのシリ
コン酸化膜の形成が完了した後、雰囲気を不活性ガス雰
囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度ま
で昇温してもよいが、雰囲気をハロゲン元素を含有する
不活性ガス雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための
雰囲気温度まで昇温することが好ましい。ここで、不活
性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
スを例示することができる。また、不活性ガス中に含有
されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素
(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、N
3を挙げることができる。不活性ガス中のハロゲン元
素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、
0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜10
容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。
例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の塩化
水素ガス含有率は0.02〜10容量%であることが望
ましい。
【0031】熱処理を、ハロゲン元素を含有する不活性
ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行ってもよ
い。
【0032】尚、熱処理後、シリコン酸化膜を窒化処理
してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガス、NO
ガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、中
でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望ましい。あるい
は又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒドラジン誘導
体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2雰囲気中で
アニール処理を行うことが望ましい。窒化処理を700
乃至1200゜C、好ましくは800乃至1150゜
C、更に好ましくは900乃至1100゜Cの温度で行
うことが望ましく、この場合、シリコン層の加熱を赤外
線照射や炉アニールによって行うことが好ましい。
【0033】あるいは又、熱処理の雰囲気を、窒素系ガ
ス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとして、
2、NH3、N2O、NO2、NOを例示することができ
る。
【0034】尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスにハ
ロゲン元素が含有されていてもよい。これによって、タ
イムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊
(TDDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得ることが
できる。尚、ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素
を挙げることができるが、なかでも塩素であることが望
ましい。湿式ガス中に含有されるハロゲン元素の形態と
しては、例えば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2
Cl3、Cl2、HBr、NF3を挙げることができる。
湿式ガス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物
の形態を基準として、0.001〜10容量%、好まし
くは0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02
〜10容量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場
合、湿式ガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10
容量%であることが望ましい。
【0035】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を
形成する前の雰囲気を、湿式ガスに基づくシリコン酸化
膜の形成の前に不所望のシリコン酸化膜の形成を抑制す
るために、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の
不活性ガス雰囲気、あるいは減圧雰囲気とすることが望
ましい。
【0036】通常、シリコン層にシリコン酸化膜を形成
する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHC
l/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシ
リコン層の表面を洗浄し、その表面から微粒子や金属不
純物を除去した後、フッ化水素酸水溶液及び純水によっ
てシリコン層の表面を洗浄する。ところが、その後、シ
リコン層が大気に曝されると、シリコン層の表面が汚染
され、水分や有機物がシリコン層の表面に付着し、ある
いは又、シリコン層表面のSi原子が水酸基(OH)と
結合する虞がある(例えば、文献 "Highly-reliable Ga
te Oxide Formation for Giga-Scale LSIs by using Cl
osed Wet Cleaning System and Wet Oxidation with Ul
tra-Dry Unloading", J. Yugami, et al., Internation
al Electron Device Meeting Technical Digest 95, pp
855-858 参照)。このような場合、そのままの状態で
シリコン酸化膜の形成を開始すると、形成されたシリコ
ン酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが
取り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下ある
いは欠陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部分と
は、シリコンダングリングボンド(Si・)やSi−H
結合といった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部分、あ
るいは又、Si−O−Si結合が応力によって圧縮され
若しくはSi−O−Si結合の角度が厚い若しくはバル
クのシリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角度と異
なるといったSi−O−Si結合が含まれたシリコン酸
化膜の部分を意味する。それ故、このような問題の発生
を回避するために、本発明の第1若しくは第2の態様に
係るシリコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸
化膜を形成する前に、シリコン層表面を洗浄する工程を
含み、表面洗浄後のシリコン層を大気に曝すことなく
(即ち、例えば、シリコン層表面の洗浄からシリコン酸
化膜の形成開始までの雰囲気を不活性ガス雰囲気若しく
は真空雰囲気とし)、シリコン酸化膜の形成を行うこと
が好ましい。これによって、大部分が水素で終端され、
極一部がフッ素で終端された表面を有するシリコン層に
シリコン酸化膜を形成することができ、形成されたシリ
コン酸化膜の特性低下あるいは欠陥部分の発生を防止す
ることができる。尚、シリコン層の表面にシリコン酸化
膜を形成する前のシリコン層の表面を、液体又は気体状
のフッ化水素酸、あるいは又、塩化水素ガスによって洗
浄処理しておくことが好ましい。
【0037】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におけ
る雰囲気温度・圧力プロファイルを、図2〜図5に模式
的に例示するが、これらに限定されるものではない。
尚、図中、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始する時の雰囲気温度の下限値をT1で示し、シリコ
ン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度の
上限値をT2で示す。また、熱処理における雰囲気温度
をT3で示す。図中、実線はシリコン酸化膜が形成され
ている状態を表し、一点鎖線は、シリコン層の表面にシ
リコン酸化膜の形成を開始する雰囲気温度まで雰囲気温
度を昇温する過程、シリコン酸化膜の形成完了後、室温
まで雰囲気温度を降温させる過程、あるいは又、シリコ
ン酸化膜の形成完了後、熱処理を行う温度まで雰囲気温
度を昇温させる過程を表す。また、二重線は熱処理工程
を表し、「RT」は室温(常温)を意味し、「AP」
は、1.013×105Pa(1気圧)を意味する。
【0038】図2の(A)及び(B)に示した雰囲気温
度プロファイルの例においては、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、あるいは
又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上5
00゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始する。そして、湿式ガスを用いた酸化法によって、
所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成するが、所
望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲
気温度は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始する際の雰囲気温度と同じであるか(図2の(A)
参照)、あるいは、シリコン層の表面にシリコン酸化膜
の形成を開始する際の雰囲気温度よりも高いがシリコン
層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度の範
囲内にある(図2の(B)参照)。尚、図2の(A)及
び(B)に示した雰囲気温度プロファイルにおける圧力
プロファイルの例を図2の(C)に示すが、この場合、
シリコン酸化膜の全形成工程において、湿式ガスの圧力
を1.013×105Paを越える一定の圧力としてい
る。
【0039】図3の(A)及び(B)、図4の(A)及
び(B)、並びに図5の(A)及び(B)に示した雰囲
気温度プロファイルの例においては図2の(A)及び
(B)に示した雰囲気温度プロファイルと同じである
が、図3、図4及び図5のそれぞれの(C)に示す圧力
プロファイルが相違する。即ち、図3の(C)に示す圧
力プロファイルにおいては、或る程度の厚さを有するシ
リコン酸化膜を形成するまでの湿式ガスの圧力を1.0
13×105Pa(1気圧)(あるいはそれ以下の圧
力)とし、それ以降の湿式ガスの圧力を1.013×1
5Pa(1気圧)を越える圧力としている。図4の
(C)に示す圧力プロファイルにおいては、或る膜厚の
シリコン酸化膜が形成された時点から所望の厚さのシリ
コン酸化膜が形成された時点迄の間、1.013×10
5Paを越える圧力としている。更には、図5の(C)
に示す圧力プロファイルにおいては、或る膜厚のシリコ
ン酸化膜が形成された時点から、それよりも厚い或る膜
厚のシリコン酸化膜が形成される時点迄の間、1.01
3×105Paを越える圧力としている。尚、湿式ガス
の圧力は一定としたが、圧力を階段状あるいは連続的に
変化(増加あるいは減少)させてもよい。図6の(A)
及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルの例におい
ては、図3の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロ
ファイルに熱処理工程を加えている。尚、シリコン酸化
膜の形成工程と熱処理工程を連続的に行う。一方、図7
の(A)及び(B)に示した雰囲気温度プロファイルの
例においては、シリコン酸化膜の形成工程と熱処理工程
を連続的には行っていない。即ち、シリコン酸化膜の形
成工程と熱処理工程とを異なる装置で実行する。
【0040】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法において、シリコン層とは、シ
リコン半導体基板等の基板そのものだけでなく、基板の
上に形成されたエピタキシャルシリコン層(選択エピタ
キシャル成長法にて形成されたエピタキシャルシリコン
層を含む)、半導体基板や絶縁性基板あるいは絶縁層上
に形成された多結晶シリコン層、あるいは非晶質シリコ
ン層、所謂張り合わせ法やSIMOX法に基づき製造さ
れたSOI構造におけるシリコン層、更には、基板やこ
れらの層に半導体素子や半導体素子の構成要素が形成さ
れたもの等、シリコン酸化膜を形成すべきシリコン層を
意味する。シリコン半導体基板の作製方法は、CZ法、
MCZ法、DLCZ法、FZ法等、如何なる方法であっ
てもよいし、また、予め高温の水素アニール処理を行い
結晶欠陥を除去したものでもよい。
【0041】本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例
えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜
や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトム
ゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラ
ッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装
置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができ
るが、比較的厚さの厚いトンネル酸化膜(膜厚:例えば
7〜9nm)の形成の形成に本発明のシリコン酸化膜の
形成方法を適用することが特に好ましい。
【0042】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態にて、湿
式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリ
コン酸化膜の形成を開始する。また、本発明の第2の態
様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、湿式ガスがシリ
コン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰
囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。シリコ
ン酸化膜の形成開始時の雰囲気温度をこのような温度と
することによって、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が
生じることを防止し得る。また、シリコン原子の酸化
は、シリコン層の最表面からではなく、1層内部のシリ
コン原子から始まる。即ち、所謂バックボンドから始ま
り、所謂レイヤー・バイ・レイヤー(Layer-By-Layer)
酸化となる。従って、シリコン層とシリコン酸化膜との
間の界面の平滑性が原子レベルで保たれるので、最終的
に形成されるシリコン酸化膜の特性は優れたものとな
る。しかも、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン
層の表面にシリコン酸化膜を形成するので、最終的に形
成されるシリコン酸化膜中にドライ酸化膜が含まれず、
優れた特性を有するシリコン酸化膜を形成することがで
きる。
【0043】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスの圧力を
1.013×105Paを越える圧力とするので、酸化
種であるH2Oの増加により酸化レートの増加を図るこ
とができ、たとえ、シリコン酸化膜の形成雰囲気温度
が、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰
囲気温度範囲といった従来のシリコン酸化膜の形成にお
ける雰囲気温度よりも低い場合にあっても、例えば7〜
9nmといった膜厚が比較的厚いシリコン酸化膜を形成
するために要する時間が延長することがない。
【0044】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0045】(実施例1)実施例1は、本発明の第1及
び第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法に関す
る。実施例1においては、図1に示した従来の縦型方式
のシリコン酸化膜形成装置を用いた。また、実施例1に
おいては、シリコン層をシリコン半導体基板から構成し
た。形成されたシリコン酸化膜はトンネル酸化膜として
機能する。実施例1においては、シリコン酸化膜の形成
工程における湿式ガスを用いた酸化法として、パイロジ
ェニック酸化法を採用した。尚、所望の厚さになるまで
シリコン酸化膜を形成した後、形成されたシリコン酸化
膜に対して、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気
(塩化水素ガスを含む窒素ガス雰囲気)中で熱処理(炉
アニール処理)を施した。以下、シリコン半導体基板等
の模式的な一部断面図である図8、及び、シリコン酸化
膜形成装置等の概念図である図10〜図12を参照し
て、実施例1のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。
また、実施例1における雰囲気温度・圧力プロファイル
を模式的に図9に示す。
【0046】[工程−100]先ず、リンをドープした
直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)
であるシリコン半導体基板40に、公知の方法でLOC
OS構造を有する素子分離領域41を形成し、次いでウ
エルイオン注入、チャネルストップイオン注入、閾値調
整イオン注入を行った。尚、素子分離領域はトレンチ構
造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構
造の組み合わせであってもよい。その後、RCA洗浄に
よりシリコン半導体基板40の表面の微粒子や金属不純
物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び
純水によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行い、
シリコン半導体基板40の表面を露出させた(図8の
(A)参照)。尚、シリコン半導体基板40の表面は大
半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終端されて
いる。
【0047】[工程−110]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図1に示したシリコン酸化膜形成装置
の基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボ
ート24に載置した(図10の(A)参照)。尚、処理
室10へガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室
10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲
気であってもよい)、且つ、均熱管16を介してヒータ
14によって処理室10内の雰囲気温度を300゜Cに
保持した。尚、この状態においては、シャッター15は
閉じておく。
【0048】[工程−120]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21
から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板搬
入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃
度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬入
出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断す
る。その後、シャッター15を開き(図10の(B)参
照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24
を上昇させ(上昇速度:250mm/分)、シリコン半
導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10内に搬
入した(図11の(A)参照)。エレベータ機構23が
最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によっ
て処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくな
る。処理室10内の雰囲気温度はヒータ14によって3
00゜Cに保持されているので、即ち、シリコン層の表
面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度に処理室1
0内が保持されているので、シリコン半導体基板40の
表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0049】[工程−130]処理室10内の雰囲気温
度が300゜Cにて安定した後、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、湿式ガスを
用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化
膜の形成を開始した。あるいは又、湿式ガスがシリコン
層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気
温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層
の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。具体的に
は、シリコン層(実施例1においては、シリコン半導体
基板40)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気温度を保持した状態で(実施例1においては、具
体的には、雰囲気温度を300゜Cに設定)、圧力1.
013×105Pa(1気圧)の湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜42の形
成を開始した。実施例1においては、配管32,33を
介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、
燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31、ガス流路1
1及びガス導入部12を介して処理室10内に導入し、
パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板4
0の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜42を形成
した(図11の(B)参照)。このシリコン酸化膜の厚
さはSiO2の数分子層に相当する厚さであり、シリコ
ン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保護膜と
して機能するのに十分な厚さである。
【0050】[工程−140]その後、処理室10内へ
の湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(窒素ガス)
を、配管32、燃焼室30、配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温
度を、均熱管16を介してヒータ14によって450゜
Cまで昇温した(図12の(A)参照)。尚、昇温速度
を10゜C/分とした。
【0051】[工程−150]シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度である450゜Cに
て処理室10内の雰囲気温度が安定した後、この温度に
雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法に
よって、更にシリコン酸化膜を形成した。具体的には、
再び、配管32,33を介して燃焼室30内に酸素ガス
及び水素ガスを供給し、燃焼室30内で生成した水蒸気
を配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して
処理室10内に導入し、パイロジェニック酸化法によっ
てシリコン半導体基板40の表面に総厚7.5nmのシ
リコン酸化膜42を形成した(図12の(B)参照)。
尚、湿式ガスの圧力を10×1.013×105Pa
(10気圧)とした。また、湿式ガス中の水蒸気分圧を
6×1.013×105Paとした。
【0052】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導
体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有する
シリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明
する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0053】[工程−160]即ち、その後、シリコン
半導体基板40を図13に模式的な断面図を示す炉アニ
ール装置内に搬入する。尚、図13に示す炉アニール装
置の構造は、燃焼室30が無いことを除き、図1に示し
たシリコン酸化膜形成装置と同様の構造を有する。尚、
シリコン酸化膜形成装置を構成する要素と同じ炉アニー
ル装置を構成する要素には、下2桁が同じ参照番号を付
した。
【0054】即ち、複数のシリコン半導体基板40を、
図13に示した炉アニールの基板搬入出部120に図示
しない扉から搬入し、石英ボート124に載置した。
尚、処理室110へガス導入部112から窒素ガスを導
入し、処理室110内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気
とし、且つ、均熱管116を介してヒータ114によっ
て処理室110内の雰囲気温度を850゜Cに保持し
た。尚、この状態においては、シャッター115は閉じ
ておく。そして、基板搬入出部120へのシリコン半導
体基板40の搬入が完了した後、図示しない扉を閉め、
基板搬入出部120にガス導入部121から窒素ガスを
導入し、ガス排気部122から排出し、基板搬入出部1
20内を窒素ガス雰囲気とした。その後、シャッター1
15を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボ
ート124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英
製の二重管構造の処理室110内に搬入した。そして、
処理室110内の雰囲気温度が850゜Cにて安定した
後、塩化水素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導
入部112から処理室110内に導入し、30分間、熱
処理を行った。以上により、シリコン半導体基板40の
表面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するの
で、以降、処理室110内を窒素ガス雰囲気とし、エレ
ベータ機構123を動作させて石英ボート124を下降
させ、次いで、基板搬入出部120からシリコン半導体
基板40を搬出した。
【0055】[工程−180]実施例1においては、こ
うしてシリコン酸化膜が形成されたシリコン半導体基板
を用いて、公知のCVD技術、フォトリソグラフィ技術
及びドライエッチング技術に基づき、シリコン酸化膜4
2の上にポリシリコン及びタングステンシリサイドから
成るポリサイド構造のゲート電極43を形成し、MOS
キャパシタを作製した(図8の(C)参照)。
【0056】(比較例1)比較例1においては、従来の
シリコン酸化膜の形成方法に基づき、シリコン半導体基
板の表面に厚さ4.0nmのシリコン酸化膜を形成し
た。即ち、[工程−10]〜[工程−40]に基づき、
シリコン酸化膜を形成した。尚、[工程−20]におい
て、シャッター15を開く前に、0.5容量%の酸素ガ
スを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室10内
に導入し、処理室10内を0.5容量%の酸素ガスを含
んだ窒素ガス雰囲気(雰囲気温度:800゜C)とし
た。また、処理室10内の温度を800゜Cとし、パイ
ロジェニック酸化法にて、シリコン半導体基板の表面に
シリコン酸化膜を形成した。こうしてシリコン酸化膜が
形成されたシリコン半導体基板から、実施例1と同様
に、MOSキャパシタを作製した。尚、パイロジェニッ
ク酸化法にてシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化
膜を形成する前に、0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒
素ガス雰囲気の処理室10内にシリコン半導体基板を搬
入した結果、シリコン半導体基板の表面には厚さ2.3
nmのドライ酸化膜が形成されていた。
【0057】実施例1及び比較例1により作製されたM
OSキャパシタに対して、シリコン酸化膜の長期信頼性
を評価するために、シリコン酸化膜のストレスリーク特
性の評価を行った。このストレスリーク特性を以下の方
法で評価した。1枚のシリコン半導体基板40に50個
のMOSキャパシタを作製した。また、MOSキャパシ
タのゲート面積を0.1mm2とした。そして、評価に
は2枚のシリコン半導体基板を使用した。図14に模式
的に図示する回路を作り、ゲート電極43に定電流(J
=0.1A/cm2)ストレスを印加する前のリーク電
流密度を求めた。次に、ゲート電極43に定電流(J=
0.1A/cm2)ストレスを50秒間、印加した。そ
して、以下の式に基づき、ストレス誘起リーク電流密度
増加率を求めた。リーク電流密度増加率を表1に示す。
【0058】
【数1】ストレス誘起リーク電流密度増加率=(ストレ
ス印加前後のリーク電流密度差)/(ストレス印加前の
リーク電流密度)×100(%)
【0059】
【表1】
【0060】リーク電流密度増加率の比較から、実施例
1にて得られたシリコン酸化膜は、比較例1にて得られ
たシリコン酸化膜よりもリーク電流密度が大幅に低減し
ていることが判る。
【0061】(実施例2)実施例2は実施例1の変形で
ある。実施例1においては、シリコン酸化膜の形成をバ
ッチ方式の縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いて
行った。一方、実施例2においては、シリコン酸化膜の
形成を枚葉方式の横型方式のシリコン酸化膜形成装置を
用いて行った。実施例2においては、処理室には、その
外側に配設され、且つ、シリコン層の表面と略平行に配
設された、シリコン層を加熱するための加熱手段が備え
られている。
【0062】実施例2の実施に適した横型方式のシリコ
ン酸化膜形成装置の一例の模式図を、図15に示す。こ
のシリコン酸化膜形成装置は、処理室50と、シリコン
層を加熱するための加熱手段である抵抗加熱ヒータ51
とを備えている。処理室50は石英炉心管から成り、シ
リコン層にシリコン酸化膜を形成するためにその内部に
シリコン層(具体的には、例えばシリコン半導体基板4
0)を収納する。加熱手段である抵抗加熱ヒータ51
は、処理室50の外側に配設されており、且つ、シリコ
ン層の表面と略平行に配設されている。シリコン層(例
えばシリコン半導体基板40)は、ウエハ台52に載置
され、処理室50の一端に設けられたゲートバルブ53
を介して、処理室50内に搬入出される。シリコン酸化
膜形成装置には、処理室50へ水蒸気等を導入するため
のガス導入部54と、処理室50からガスを排気するガ
ス排気部55が更に備えられている。シリコン層(具体
的には、例えばシリコン半導体基板)の温度は、図示し
ない熱電対によって測定することができる。尚、実施例
1と同様に、燃焼室に供給された水素ガスを酸素ガス
と、燃焼室内で高温にて混合し、燃焼させることによっ
て、水蒸気を生成させる。かかる水蒸気は、配管及びガ
ス導入部54を介して処理室50内に導入される。燃焼
室及び配管の図示は省略した。
【0063】あるいは又、図16に模式図を示す形式の
横型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いることもでき
る。この図16に示した横型方式のシリコン酸化膜形成
装置においては、加熱手段は、赤外線若しくは可視光を
発する複数のランプ51Aから構成されている。また、
図示しないパイロメータによってシリコン半導体基板の
温度を測定する。その他の構造は、基本的には、図15
に示したシリコン酸化膜形成装置と同様とすることがで
きるので、詳細な説明は省略する。
【0064】以下、実施例2のシリコン酸化膜の形成方
法を説明する。尚、実施例2における雰囲気温度・圧力
プロファイルを図17に模式的に示す。
【0065】[工程−200]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
た。
【0066】[工程−210]次に、ウエハ台52に載
置されたシリコン半導体基板40を、図15若しくは図
16に示したシリコン酸化膜形成装置のゲートバルブ5
3を開いて、処理室50内に搬入した後、ゲートバルブ
53を閉じた。このとき、処理室50内の雰囲気を、予
め、加熱手段によって300゜C程度に加熱された不活
性ガス雰囲気としておいた。処理室50内の雰囲気をこ
のような条件とすることによって、シリコン半導体基板
40の表面に荒れが発生することを抑制することができ
る。
【0067】[工程−220]処理室50内の雰囲気温
度が300゜Cにて安定した後、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、湿式ガスを
用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化
膜の形成を開始した。あるいは又、湿式ガスがシリコン
層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気
温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層
の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。具体的に
は、シリコン層(実施例2においても、シリコン半導体
基板40)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気温度を保持した状態で(実施例2においては、具
体的には、雰囲気温度を300゜Cに設定)、圧力1.
013×105Pa(1気圧)の湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜42の形
成を開始した。実施例2においても、図示しない配管を
介して燃焼室内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼
室内で生成した水蒸気を配管及びガス導入部54を介し
て処理室50内に導入し、パイロジェニック酸化法によ
ってシリコン半導体基板40の表面に厚さ1.2nmの
シリコン酸化膜42を形成した。このシリコン酸化膜の
厚さはSiO2の数分子層に相当する厚さであり、シリ
コン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保護膜
として機能するのに十分な厚さである。
【0068】[工程−230]その後、処理室50内へ
の湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(窒素ガス)
を、ガス導入部54を介して処理室50内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室50内の雰囲気温
度を、加熱手段によって450゜Cまで昇温した。[工
程−230]にてシリコン層の表面には保護膜としても
機能するシリコン酸化膜が既に形成されているので、こ
の[工程−240]において、シリコン層(シリコン半
導体基板40)の表面に荒れが発生することはない。
尚、実施例2においては、加熱手段がシリコン層の表面
と略平行に配設されているので、例えばシリコン半導体
基板の昇温時のシリコン半導体基板の面内温度ばらつき
の発生を抑制することができる結果、たとえ、昇温中に
シリコン酸化膜が形成される場合であっても、シリコン
酸化膜の面内膜厚ばらつきの発生を効果的に抑制するこ
とができる。
【0069】[工程−240]シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度である450゜Cに
て処理室50内の雰囲気温度が安定した後、この温度に
雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法に
よって、更にシリコン酸化膜を形成した。具体的には、
再び、図示しない配管を介して燃焼室(図示せず)内に
酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼室内で生成した水
蒸気を配管及びガス導入部54を介して処理室50内に
導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導
体基板40の表面に総厚7.5nmのシリコン酸化膜4
2を形成した。尚、湿式ガスの圧力を10×1.013
×105Pa(10気圧)とした。また、湿式ガス中の
水蒸気分圧を6×1.013×105Paとした。
【0070】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、処理室50内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置され
たシリコン半導体基板40を処理室50から搬出しても
よいが、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を
意図する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸
化膜に施すことが好ましい。
【0071】[工程−250]即ち、その後、湿式ガス
の導入を中止し、窒素ガスをガス導入部54から処理室
50内に導入しつつ、処理室50の雰囲気温度を加熱手
段によって850゜Cまで昇温した。次いで、塩化水素
を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部54から
処理室50内に導入し、5分間、熱処理を行った。
【0072】[工程−260]以上により、シリコン半
導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完
了する。以降、処理室50内を窒素ガス雰囲気とし、ゲ
ートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリ
コン半導体基板40を処理室50から搬出した。
【0073】尚、実施例2の[工程−250]の代わり
に、実施例1の[工程−160]にて説明したと同様
に、炉アニール装置を用いてバッチ方式にてシリコン半
導体基板に熱処理を施してもよい。
【0074】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した各種の条件やシリコン酸化
膜形成装置の構造は例示であり、適宜変更することがで
きる。シリコン酸化膜の成膜は、パイロジェニック酸化
法だけでなく、純水の加熱により発生した水蒸気による
酸化法、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバ
ブリングすることで発生した水蒸気による酸化法、ある
いはこれらの酸化法を併用した方法とすることができ
る。実施例にて説明した雰囲気温度プロファイルにおい
て、雰囲気温度300゜Cにおけるシリコン酸化膜の形
成での酸化法と、雰囲気温度450゜Cにおけるシリコ
ン酸化膜の形成での酸化法とは、異なる酸化法であって
もよい。
【0075】例えば、実施例1の[工程−130]や
[工程−150]において、あるいは又、実施例2の
[工程−220]や[工程−240]において、例えば
塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガスを用いて
シリコン酸化膜を形成してもよい。また、実施例1の
[工程−160]において、処理室10内で熱処理を行
ってもよい。更には、実施例2の[工程−250]にお
いて、窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導
入する代わりに、例えば塩化水素を0.1容量%含有す
る窒素ガスをガス導入部54から処理室50内に導入し
つつ、処理室50の雰囲気温度を加熱手段によって85
0゜Cまで昇温してもよい。
【0076】実施例においては、専らシリコン半導体基
板の表面にシリコン酸化膜を形成したが、基板の上に成
膜されたエピタキシャルシリコン層にシリコン酸化膜を
形成してもよいし、半導体装置の製造工程においてシリ
コン半導体基板表面に形成された選択エピタキシャル成
長法にて形成されたエピタキシャルシリコン層、基板の
上に形成された絶縁層の上に成膜された多結晶シリコン
層あるいは非晶質シリコン層等の表面にシリコン酸化膜
を形成することもできる。あるいは又、SOI構造にお
けるシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成してもよ
いし、半導体素子や半導体素子の構成要素が形成された
基板やこれらの上に成膜されたシリコン層の表面にシリ
コン酸化膜を形成してもよい。更には、半導体素子や半
導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの上に成
膜された下地絶縁層の上に形成されたシリコン層の表面
にシリコン酸化膜を形成してもよい。シリコン酸化膜形
成後の熱処理は必須ではなく、場合によっては省略する
ことができる。
【0077】あるいは又、実施例において0.1%フッ
化水素酸水溶液及び純水によりシリコン層の表面洗浄を
行った後、シリコン層をシリコン酸化膜形成装置に搬入
したが、シリコン層の表面洗浄からシリコン酸化膜形成
装置への搬入までの雰囲気を、不活性ガス(例えば窒素
ガス)雰囲気としてもよい。尚、このような雰囲気は、
例えば、シリコン層の表面洗浄装置の雰囲気を不活性ガ
ス雰囲気とし、且つ、不活性ガスが充填された搬送用ボ
ックス内にシリコン層を納めてシリコン酸化膜形成装置
の基板搬入出部20や処理室50に搬入する方法や、図
18に模式図を示すように、表面洗浄装置、シリコン酸
化膜形成装置、搬送路、ローダー及びアンローダーから
構成されたクラスターツール装置を用い、シリコン層の
表面洗浄装置からシリコン酸化膜形成装置の基板搬入出
部20あるいは処理室50までを搬送路で結び、かかる
表面洗浄装置及び搬送路の雰囲気を不活性ガス雰囲気と
する方法によって達成することができる。
【0078】あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液
及び純水によりシリコン層の表面洗浄を行う代わりに、
表2に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用いた
気相洗浄法によってシリコン層の表面洗浄を行ってもよ
い。尚、パーティクルの発生防止のためにメタノールを
添加する。あるいは又、表3に例示する条件にて、塩化
水素ガスを用いた気相洗浄法によってシリコン層の表面
洗浄を行ってもよい。尚、シリコン層の表面洗浄開始前
あるいは表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲
気や搬送路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としても
よいし、例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度
の真空雰囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を
真空雰囲気とする場合には、シリコン層を搬入する際の
シリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは処
理室50の雰囲気を例えば1.3×10-1Pa(10-3
Torr)程度の真空雰囲気としておき、シリコン層の搬入
完了後、基板搬入出部20あるいは処理室50の雰囲気
を大気圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気とすれ
ばよい。
【0079】
【表2】 無水フッ化水素ガス:300sccm メタノール蒸気 :80sccm 窒素ガス :1000sccm 圧力 :0.3Pa 温度 :60゜C
【0080】
【表3】 塩化水素ガス/窒素ガス:1容量% 温度 :800゜C
【0081】尚、これらの場合のシリコン酸化膜形成装
置としては、図1、図15あるいは図16に示したシリ
コン酸化膜形成装置を用いることができる。これによ
り、シリコン酸化膜の形成前に水素やフッ素で終端され
たシリコン層の表面を汚染等の無い状態に保つことがで
きる結果、形成されたシリコン酸化膜中に水分や有機
物、あるいは又、Si−OHが取り込まれ、形成された
シリコン酸化膜の特性が低下しあるいは欠陥部分が発生
することを、効果的に防ぐことができる。
【0082】
【発明の効果】本発明のシリコン酸化膜の形成方法にお
いては、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しな
い雰囲気温度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の
形成を開始し、あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面
で結露しない温度以上500゜C以下の雰囲気温度にて
シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始するの
で、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることを防
止し得る。しかも、最終的に形成されるシリコン酸化膜
中には信頼性の劣るドライ酸化膜が含まれず、優れた特
性を有するシリコン酸化膜を形成することができる。そ
れ故、チャネル移動度の低下を防止でき、MOS型トラ
ンジスタ素子の駆動電流の劣化が生じ難く、また、フラ
ッシュメモリ等でデータリテンション特性の劣化を引き
起こすストレスリーク現象の発生を抑制することがで
き、長期信頼性に優れた例えばゲート酸化膜やトンネル
酸化膜の形成が可能となる。
【0083】また、本発明のシリコン酸化膜の形成方法
においては、湿式ガスの圧力を1.013×105Pa
を越える圧力とするので、酸化種であるH2Oの増加に
より酸化レートの増加を図ることができ、例えば7〜9
nmといった膜厚が比較的厚いシリコン酸化膜を形成す
るために要する時間の短縮化を図ることができる。しか
も、所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成した時点
における雰囲気温度を、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない雰囲気温度範囲を越えず、あるいは
又、500゜C以下とすれば、シリコン酸化膜形成装置
における雰囲気温度の制御範囲を狭くすることができる
結果、高い精度で雰囲気温度の制御を行うことができる
ばかりか、高温から低温まで処理室を冷却する必要がな
くなり、シリコン酸化膜の形成に要する時間の短縮化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦型方式のシリコン酸化膜形成装置(熱酸化
炉)の模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファ
イルである。
【図3】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファ
イルである。
【図4】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファ
イルである。
【図5】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度・圧力プロファ
イルである。
【図6】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図7】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図8】実施例1のシリコン酸化膜の形成方法を説明す
るためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図で
ある。
【図9】実施例1のシリコン酸化膜の形成方法における
雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図10】実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な
断面図である。
【図11】図10に引き続き、実施例1におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図12】図11に引き続き、実施例1におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図13】炉アニール装置の模式的な断面図である。
【図14】ストレスリーク特性を評価するための回路の
模式図である。
【図15】実施例2の形成方法の実施に適した横型方式
のシリコン酸化膜形成装置の模式的な断面図である。
【図16】図15とは若干構造が異なる横型方式のシリ
コン酸化膜形成装置の模式的な断面図である。
【図17】実施例2のシリコン酸化膜の形成方法におけ
る雰囲気温度・圧力プロファイルである。
【図18】クラスターツール装置の模式図である。
【図19】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図であ
る。
【図20】図19に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【図21】図20に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,110・・・処理室、11,111・・・ガス流
路、12,112・・・ガス導入部、13,113・・
・ガス排気部、14,114・・・ヒータ、15,11
5・・・シャッター、16,116・・・均熱管、20
・・・基板搬入出部、21,121・・・ガス導入部、
22,122・・・ガス排気部、23,123・・・エ
レベータ機構、24,124・・・石英ボート、30・
・・燃焼室、31,131・・・配管、40・・・シリ
コン半導体基板、41・・・素子分離領域、42・・・
シリコン酸化膜、43・・・ゲート電極、50・・・処
理室、51・・・抵抗加熱ヒータ、51A・・・ラン
プ、52・・・ウエハ台、53・・・ゲートバルブ、5
4・・・ガス導入部、55・・・ガス排気部

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によっ
    て該シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
    し、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成する工
    程から成り、 湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える圧力
    とすることを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形成
    した時点における雰囲気温度は、シリコン層の表面から
    シリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲を越えないこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端している原
    子とシリコン原子との結合が切断されない温度であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、該シリコン層表面のSi−H結合
    が切断されない温度であることを特徴とする請求項3に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、該シリコン層表面のSi−F結合
    が切断されない温度であることを特徴とする請求項3に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニ
    ック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による酸
    化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純
    水をバブリングすることにより発生した水蒸気による酸
    化法の内の少なくとも1種の酸化法であることを特徴と
    する請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  7. 【請求項7】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了
    した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこと
    を特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  8. 【請求項8】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有す
    る不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項7に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  9. 【請求項9】ハロゲン元素は塩素であることを特徴とす
    る請求項8に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  10. 【請求項10】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項9に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  11. 【請求項11】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項7に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  12. 【請求項12】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項11に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  13. 【請求項13】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、所望の厚さのシリコン酸化膜の形
    成が完了したときの雰囲気温度よりも高いことを特徴と
    する請求項7に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  14. 【請求項14】シリコン酸化膜を形成する前のシリコン
    層の表面は、液体又は気体状のフッ化水素酸、あるいは
    又、塩化水素ガスによって洗浄処理されていることを特
    徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  15. 【請求項15】シリコン酸化膜を形成する前に、シリコ
    ン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン
    層を大気に曝すことなく、シリコン酸化膜の形成を行う
    ことを特徴とする請求項14に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  16. 【請求項16】シリコン層は、基板上に形成されたエピ
    タキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項
    1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  17. 【請求項17】湿式ガスがシリコン層表面で結露しない
    温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガス
    を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
    化膜の形成を開始し、所望の厚さになるまでシリコン酸
    化膜を形成する工程から成り、 湿式ガスの圧力を1.013×105Paを越える圧力
    とすることを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  18. 【請求項18】湿式ガスがシリコン層表面で結露しない
    温度以上、450゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガス
    を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
    化膜の形成を開始することを特徴とする請求項17に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  19. 【請求項19】湿式ガスがシリコン層表面で結露しない
    温度以上、400゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガス
    を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
    化膜の形成を開始することを特徴とする請求項18に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  20. 【請求項20】所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形
    成した時点における雰囲気温度は500゜C以下である
    ことを特徴とする請求項17に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  21. 【請求項21】所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形
    成した時点における雰囲気温度は450゜C以下である
    ことを特徴とする請求項20に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  22. 【請求項22】所望の厚さを有するシリコン酸化膜を形
    成した時点における雰囲気温度は400゜C以下である
    ことを特徴とする請求項21に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  23. 【請求項23】湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェ
    ニック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による
    酸化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱
    純水をバブリングすることにより発生した水蒸気による
    酸化法の内の少なくとも1種の酸化法であることを特徴
    とする請求項17に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  24. 【請求項24】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項17に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  25. 【請求項25】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項2
    4に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  26. 【請求項26】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項25に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  27. 【請求項27】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項26に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  28. 【請求項28】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項24に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  29. 【請求項29】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項28に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  30. 【請求項30】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、所望の厚さのシリコン酸化膜の形
    成が完了したときの雰囲気温度よりも高いことを特徴と
    する請求項24に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  31. 【請求項31】シリコン酸化膜を形成する前のシリコン
    層の表面は、液体又は気体状のフッ化水素酸、あるいは
    又、塩化水素ガスによって洗浄処理されていることを特
    徴とする請求項17に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  32. 【請求項32】シリコン酸化膜を形成する前に、シリコ
    ン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン
    層を大気に曝すことなく、シリコン酸化膜の形成を行う
    ことを特徴とする請求項31に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  33. 【請求項33】シリコン層は、基板上に形成されたエピ
    タキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項
    17に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
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