JP2793416B2 - 絶縁膜形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成方法

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JP2793416B2
JP2793416B2 JP4050018A JP5001892A JP2793416B2 JP 2793416 B2 JP2793416 B2 JP 2793416B2 JP 4050018 A JP4050018 A JP 4050018A JP 5001892 A JP5001892 A JP 5001892A JP 2793416 B2 JP2793416 B2 JP 2793416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコンの下地に絶
縁膜を形成する方法およびこの方法により得られた絶縁
膜を用いた不揮発性半導体記憶装置(以下EEPROM
と呼ぶ)に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、例えばシリコン集積回
路には膜厚がごく薄い酸化膜が用いられている。例え
ば、1.0um以下の設計規定を持つ不揮発性メモリ、
特に、1Mビット以降のEEPROMにおいては100
A°(A°はオングストロームを表す記号)以下の極薄
酸化膜、例えばシリコン酸化膜(SiO2 膜)がトンネ
ル酸化膜として用いられている。このような極薄酸化膜
の特性はEEPROMの動作における書き換え回数、デ
ータ記憶保持時間を決定する上で極めて重要な因子とな
る。
【0003】図9および図10は従来の典型的なEEP
ROMを説明する図であり、図9の(A)〜(C)はE
EPROMセルの概略的構造図を示している。図9
(A)はフローティング型のEEPROMセル(FLO
TOX型)の上面から見た要部平面図であり、Sはソー
ス領域、Dはドレイン領域、CGはコントロールゲー
ト、FGはフローティングゲート、また、Wは電子の注
入領域となるトンネル窓(領域)を示している。また、
図9の(B)および(C)は、図9(A)のX1 −Y1
に沿ってとって示した断面図およびX2 −Y2 に沿って
とって示した断面図である。このEEPROMセルはP
型基板100に一対の不純物拡散領域(ソース領域S、
ドレイン領域D)とチャネル領域(n+ 領域)106を
形成し、絶縁物を介在させてポリシリコンなどをパター
ニングし、コントロールゲートCGと、フローティング
ゲートFGとを形成することにより構成されている。ま
た、トンネル窓Wは一個のセルに対してフローティング
ゲートFGとドレイン領域Dとの間に極薄酸化膜(膜厚
100A°)104(トンネル酸化膜とも称する)を介
在し一個設けられている。
【0004】次に、10図は、従来のEEPROMセル
の動作を説明するための等価回路図である。図中、記号
1 は選択トランジスタ(セレクトゲートトランジス
タ)、T2 はメモリトランジスタ(フローティングゲー
トトランジスタ)、またBLは選択トランジスタT1
ドレインから延在しているビット線である。また、セレ
クトゲートSGはワード線を形成している。尚、CGは
メモリトランジスタT2のコントロール電極、FGはフ
ローティング電極、またSはソース電極を示している。
この従来のEEPROMセルの動作例について説明す
る。データの消去時にはドレインDを接地しておき、コ
ントロールゲートCGを高電圧に設定して、容量結合に
よりフローティングゲートFGの電位を上げる。その結
果、極薄酸化膜104(図9の(B)および(C))を
通してドレインDからフローティングゲートFGに電子
が注入される。また、データの書き込みにはコントロー
ルゲートCGをドレインDに対して極性(負極)を変え
ることにより、電子をフローティングゲートFGから放
出させることによりしきい電圧Vtを下げる。また、従
来のEEPROMのメモリ動作と各部の電圧の関係を表
1に示している。表中でBLはビット線、SGはセレク
トゲート電極、CGはコントロールゲート電極、またS
はソース電極を示している。また、各部の電圧に対する
読み出し、消去および書き込み時の電圧を表中に示して
いる。
【0005】ところで、EEPROMはデータの書き込
みおよび消去という動作を繰り返し行うため、トンネル
酸化膜にかかるストレスは情報データの書き換え回数に
比例して増加する。このストレスは膜厚とデータ保持期
間との間に相互関係を有し、例えば、ストレスが大きく
なるほどデータ保持特性(消去、書き込みの判定)が劣
化する。一般にトンネル酸化膜を厚くすれば書き換え回
数を多くしてもトンネル酸化膜のストレスを小さくする
ことができ、また、データ保持期間も長くすることがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トンネ
ル酸化膜を厚くすると、書き込みおよび消去に20V以
上の電圧が必要になるため、ファウラー・ノルドハイム
(FowlerーNordheim)のトンネリング効
果を利用する電子の注入および放出によって行われる情
報データの消去や書き込み処理ができなくなる。従っ
て、トンネル酸化膜の膜厚はトンネリング効果を得る程
度に薄くしなければならないという制限がある(膜厚は
100A°以下)。
【0007】また、情報データの書き換え回数が多くな
るほどトンネル酸化膜に加わるストレスが大きくなり、
このためデータ保持期間が短くなってメモリ動作特性が
劣化し、よってEEPROMの信頼性が低下するという
問題点があった。ここで言う動作特性の劣化とは、主と
してトンネル酸化膜の絶縁破壊やリーク電流の増加とい
う形で現れる。また、これらの動作特性の劣化は酸化膜
の膜厚に強く依存しており、例えば、酸化膜の減少に伴
って絶縁破壊や電荷量の減少、リーク電流の増加が生ず
る。
【0008】この発明の目的は、絶縁膜の膜厚を薄くし
ても、信頼性の高い優れた絶縁膜の形成方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明では反応炉内でシリコンの下地に対して絶
縁膜形成用ガス雰囲気の中で加熱処理を行い、この下地
に絶縁膜を形成するに当たり次の特徴を有している。
【0010】この発明では、シリコン下地を昇温し、該
下地を窒素非含有酸化性ガスの雰囲気中で一定の温度で
加熱処理して下地の表面にシリコン酸化膜を形成する工
程と、このシリコン酸化膜を含む下地を温度に保持した
状態で、窒素非含有酸化性ガス雰囲気から窒素含有酸化
性ガスの雰囲気に切り替えて加熱処理を行って、シリコ
ン酸化膜を、シリコンとの界面付近においても窒素原子
が多く取り込まれたシリコン酸窒素化膜に変える工程と
を含むことを特徴とする。
【0011】また、この発明の好適実施例によれば、窒
素非含有酸化性ガスを酸素ガスとし、それにより得られ
るシリコン酸化膜を二酸化シリコン(SiO2 )膜とす
るのが良い。
【0012】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、窒素含有酸化ガスを一酸化窒素(NO)、二酸化窒
素(NO2 )および亜酸化窒素(N2 O)のガス群から
選ばれた少なくとも一種のガスとし、それにより得られ
る酸窒化膜を(SiO−N)膜構造とするのが良い。
【0013】
【0014】
【作用】上述したこの発明の絶縁膜形成方法によれば、
シリコン下地上に形成されたシリコン酸窒化膜は、後述
する二次イオン質量分析法(SIMS)やX線(XP
S)分析の結果からも理解できるように、シリコン酸窒
化膜界面付近に窒素原子が多く取り込まれており(最大
×1021原子/cm3 )、またSi−N結合による界面
を形成している。このようなシリコン酸窒化膜は、スト
レスの少ない、かつリーク電流値の低い性質を有するた
め、今までの酸化膜(SiO2 膜)の膜厚では不可能と
されてきた60Åという下限領域において、実用に供し
えるトンネル酸化膜を提供できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の絶縁膜形
成方法の実施例について説明する。しかしながら、説明
に用いる装置および工程図は、これらの発明が理解でき
る程度に、各構成成分の形状、大きさおよび配置関係を
概略的に示してあるにすぎない。まず、この実施例に入
る前に、この発明を実施するための装置につき説明す
る。
【0016】《この発明の実施のために使用して好適な
絶縁膜形成装置の構造の実施例》図2はこの発明の方法
を実施するための絶縁膜形成装置の主要部(主として反
応炉および加熱部の構成)を概略的に示す断面図であ
る。尚、図2では反応炉内に基板を設置した状態を示
す。
【0017】また図3はこの発明の実施例の説明に供す
る図であり、絶縁膜形成装置の全体構成を概略的に示す
図である。
【0018】図2に示すように、この絶縁膜形成装置
は、基板が設置される反応炉10と、反応炉10内の真
空排気を行なうための排気手段12と、ガス供給部14
と、加熱処理を行なうための加熱部16とを備えてい
る。以下、この装置の構造の実施例につき説明する。
【0019】図2に示すようにこの実施例では、反応炉
(チャンバー)10を例えば本体10a、蓋部材10b
および昇降部材10cから構成する。本体10aおよび
昇降部材10cの形成材料としては、例えばステンレス
を、また蓋部材10bおよび後述の支持体20の形成材
料としては、例えば石英を用いるか、または、その逆の
組み合わせで用いてもよい。
【0020】本体10aおよび昇降部材10cは分離可
能に一体となって凹部aを形成するものであり、昇降部
材10cの凹部aの側に基板18を載せるための支持体
20を設けて昇降部材10cの昇降によって支持体20
をのせた基板18を反応炉10内へ入れ或いは反応炉1
0外へ取り出せるようにする。図示例では昇降部材10
cを、例えば機械的に昇降させるための昇降部材10c
を昇降装置22と連結させている。
【0021】また蓋部材10bを着脱自在に本体10a
に取り付ける。本体10aと蓋部材10bおよび昇降部
材10cとの間には気密保持部材24例えばバイトンパ
ッキンを設けており、従って反応炉10内の真空引きを
行なった際に気密保持部材24を介し、気密状態が形成
できるようになっている。
【0022】また凹部aの基板近傍位置に基板18の表
面温度を測定するための温度測定手段26例えばオプテ
ィカルパイロメータを設ける。
【0023】さらにこの実施例では加熱部16を任意好
適な構成の赤外線照射手段、例えば赤外線ランプ16a
とこの手段16aを支持するための支持部材16bとを
以って構成する。赤外線ランプ16aとしては基板18
を効率良く加熱できる波長域の光を発するランプとする
のが良く、基板材料に応じた任意好適なランプで構成す
る。この実施例では、タングステンハロゲンランプその
他の任意好適なランプを用いる。好ましくは、複数個の
赤外線ランプ16aを反応炉10内の加熱を均一に行な
えるように配置する。
【0024】通常、赤外線ランプ16aは、反応炉10
外に配置する。この際、反応炉10の一部を赤外線を透
過する材料を以って構成し、赤外線を反応炉10外から
反応炉10内に透過させるようにする。既に説明したよ
うに、この実施例では、蓋部材10bを石英で構成して
あるので、赤外線を透過することができる。
【0025】加熱部16の構成および配設位置は後述す
る加熱処理を行なえる任意好適な構成および配設位置と
して良く、例えば加熱部16をヒーターを以って構成
し、このヒーターを反応炉10内に設けるようにしても
良い。
【0026】支持部材16bの配設位置をこれに限定す
るものではないが、図示例では支持部材16bを支持部
材16bと本体10aとの間に蓋部材10bおよび本体
10aの当接部を閉じ込めるように、本体10aに着脱
自在に取り付け、さらに支持部材16bと本体10との
間に気密保持部材24を設ける。このように支持部材1
6bを設けることによって反応炉10内の真空気密性の
向上が図れる。
【0027】尚、図2において符号28は反応炉10お
よびガス供給部14の間に設けたガス供給管、また30
は反応炉10および排気手段12の間に設けた排気管を
示す。
【0028】次に図3を参照してこの実施例の真空排気
系およびガス供給系につき説明する。尚、真空排気系お
よびガス供給系を以下に述べる例に限定するものではな
い。
【0029】まず真空排気系につき説明する。この実施
例では排気手段12を例えばターボ分子ポンプ12aと
このポンプ12aと接続されたロータリーポンプ12b
とを以って構成する。排気手段12を例えば図示のよう
に配設した排気管30およびバルブを介して反応炉10
と連通させて接続する。
【0030】図3において32a〜32dは排気管30
に連通させて設けた真空計(或は圧力ゲージ)であり、
真空計32aおよび32dを例えば1〜10-3(10の
マイナス3乗)Torrの範囲の圧力測定に用いるバラ
トロン真空計(或いはピラニー真空計)とし、また真空
計32bおよび32cを例えば10-3〜10-8(10の
マイナス8乗)Torrの範囲の圧力測定に用いるイオ
ンゲージとする。真空計32bと排気管30との間には
真空計32bを保護するための自動開閉バルブ34を設
け、真空計32bの動作時に真空計32bに対して10
-3Torr以上の圧力を負荷しないようにバルブ34の
開閉を自動制御する。36a〜36fは排気手段12お
よび反応炉10の間に設けられる自動開閉バルブであ
り、これらバルブ36a〜36fをそれぞれ任意好適に
開閉することによって、反応炉10内の圧力を任意好適
な圧力に制御し反応炉10内に低真空排気状態および高
真空排気状態を形成する。
【0031】さらに38は圧力調整用のニードルバルブ
および40はレリーフバルブであり、バルブ40は反応
炉10内の圧力が大気圧例えば760Torrを越えた
場合に自動的に開放し、バルブ40の開放によってガス
供給部14から反応炉10内へ供給されたガスを排気す
る。
【0032】次にガス供給系につき説明する。この実施
例ではガス供給部14を第一の酸化性ガス源例えば、O
2 ガス源14a、第二の酸化性ガス源例えば、N2 Oガ
ス源14b、予備のガス源14cおよび不活性ガス源1
4dを以って構成する。ガス供給部14を例えば図示の
ように配設した供給管28およびバルブを介して反応炉
10と連通させて接続する。
【0033】図3において42はガス供給系、44はバ
ルブ、46a〜46d、48aおよび48bは自動開閉
バルブ、50aおよび50bはガス供給部14から反応
炉ガスへ導入されるガスに関する自動ガス流量コントロ
ーラである。
【0034】バルブ44、48a、48b、46a〜4
6dをそれぞれ任意好適に開閉することによって、所望
のガスをガス供給部14から反応炉10へ供給できる。
【0035】《この発明の絶縁膜形成方法の実施例の説
明》次に、この発明の絶縁膜形成方法について説明す
る。図1は、この発明の説明に供する加熱処理工程を説
明するための図である。図の横軸は時間、縦軸は温度お
よび圧力をプロットして示している。
【0036】また、図4の(A)〜(C)はこの発明の
絶縁膜形成方法の一実施例の説明に供する工程図であ
り、各図は主要工程段階で得られた構造体断面の切り口
を慨略的に示している。以下の説明では図1、図4を適
宜参照して説明する。
【0037】この発明における実施例において、先ず、
下地としてシリコン基板200を用意し、前処理とし
て、従来おこなわれているごとく、化学薬品、純水等を
用いて基板200の前洗浄を行うのがよい。なお、この
発明の実施例では最初、硫酸(H2 SO4 )、および過
酸化水素(H2 2 )の混合液(1:4)中で洗浄後、
純水洗浄を行って、基板上の有機物を除去する。続い
て、1%フッ酸(HF)溶液中で自然酸化膜202の除
去を行い、その後、純水洗浄、および乾燥を行う。
【0038】次に、反応炉10内で基板200に新たに
自然酸化膜が成長するのを防止するため反応炉10内に
乾燥した不活性ガス、例えば、窒素ガス或いはアルゴン
ガスを予め導入しておく。この時、バルブ44、48
b、および46dを開き、46a〜46cを閉じて不活
性ガス源14dから不活性ガスを流入させる。
【0039】次に、反応炉10内に基板200を設置す
る。基板200は昇降部材10cの支持体20上に固定
する。次に、バルブ44および46dを閉じて基板20
0を設置した反応炉10内への不活性ガスの供給を停止
する。
【0040】次に、排気手段12によって反応炉10内
を例えば、10-6(10マイナス6乗)Torrの高真
空に真空排気し、反応炉10内の水分を除去する。この
真空排気を行うため、バルブ38、36a、36e、3
6fおよび36dを閉じておいて、バルブ36cおよび
36dを開き、ドライポンプ12bを動作させ、反応炉
内の圧力を真空計32aで監視しながら真空排気を行
う。
【0041】次に、反応炉10内が、例えば、1×10
-3Torrの圧力となった後、バルブ36c、および3
6dを閉じてバルブ36e、36bおよび34を開き真
空計32bで反応炉10内の圧力を監視しながら、例え
ば、1×10-6Torrの高真空になるまで反応炉10
内を真空排気する。
【0042】次に、窒素非含有の酸化性ガス雰囲気中で
加熱処理を行って基板200にシリコン酸化膜(SiO
2 膜ともいう)を形成するため、バルブ36bおよび3
6eを閉じ、バルブ44,48aおよび46aを開き、
第1の酸化性ガス源14aから乾燥した酸素ガスを反応
炉10内に供給する。この時、最初は、基板温度を室
温、例えば25℃程度としておく。酸素圧は真空計32
aで監視しながら大気圧(760Torr)まで反応炉
10内を昇圧する。大気圧に到達したらバルブ36fを
開け、酸素ガスを一定流量、例えば2リットル/分流す
ためマスフローコントローラ50aを調整する(図1に
H1で示すO2 フロー)。
【0043】次に、酸素ガスを流しながら加熱部16に
よる加熱処理によって反応炉10内の基板200(図2
の18に相当する)を1000℃程度まで加熱する。こ
の加熱処理によって、基板表面にシリコン酸化膜(Si
2 膜ともいう)204を形成する(図4の(B))。
また、このときの成膜のための加熱時間をt1とする
(図1)。この基板200の加熱は、加熱部16の赤外
線ランプ16aによって行う。この際、例えば、基板温
度を温度測定手段26で測定しながら、例えば、50℃
/sec〜200℃/secの間の適当な割合で、好ま
しくは昇温速度100℃/secで、加熱温度である約
1000℃まで上昇させ、好ましくは約10秒間、約1
000℃に保持するようにする(図1のt1)。この場
合、昇温速度を一定の割合とするのが好適である。な
お、昇温速度を上述したような範囲としたのは膜厚の制
御性および品質の良い膜を形成するためである。また、
加熱温度を約1000℃としたのは、SiO2 膜204
の成膜に要する好ましい最低の温度であるからである。
このような条件で基板を加熱することによって膜厚約5
0オングストローム(Å)という薄くて良質の酸化膜を
形成できる。また、この酸化膜の膜厚は、例えば、酸化
温度、酸化時間および酸化ガスの流量を調整することに
よって制御できる。なお、ここまでの工程で得られた酸
化膜をここでは純酸化膜とも称する。
【0044】所望の膜厚までSiO2 膜204を形成し
たら、ただちにバルブ46a、および36fを閉じ、3
6dおよび36eを開き、反応炉10内を1×10 1
orrの真空に排気する。この真空排気期間を図1にt
2で示す。この場合、基板200、従ってSiO2 膜2
04の加熱温度を約1000℃に保持した状態とする。
この時間t2を約10秒間とし、この真空排気した後、
バルブ36dおよび36eを閉じ、バルブ46bを開
き、窒素を含む酸化性ガス、例えば一酸化二窒素(N2
O)を反応炉10内に導入する(図1中のN2 Oのフロ
ー)。
【0045】この時、反応炉内の圧力は、ただちに76
0Torrになる。この圧力下での基板200の加熱温
度を約1000℃とし、この温度にt3時間例えば30
秒間保持する。この窒素含有の酸化ガス中での加熱処理
によって、シリコン酸化膜204がシリコン酸窒化膜2
06に変わる。この実施例では、シリコン酸窒化膜20
6は、SiOXy 膜構造を有している。なお、ここで
は、この膜構造のxおよびyは組成比を与える値であ
り、0<xおよび0<yで、かつx+y≦2を満足する
値とする。また、シリコン酸窒化膜206の膜厚を例え
ば約60Åとする。この状態を図4の(C)に示す。
【0046】次に、基板200の加熱を停止する。この
加熱の停止と共に、或いは加熱停止の後に、バルブ48
aおよび48bを閉じ、N2 Oガスの供給を停止する。
図1に示す例では、加熱停止後にガスフローを止めてい
る(図1にH2で示す)。その後、基板200の表面温
度が室温、例えば、25℃程度となるまで基板200が
冷却するのを待つ。(図1にt4で示す期間) 次に、バルブ36fおよび44を閉じ、36dおよび3
6eを開き、反応炉10内を例えば、1×10-3Tor
rの閉じ、真空に排気する。
【0047】次に、バルブ36dおよび36eを閉じ、
バルブ44、48bおよび46dを開き、反応炉10内
雰囲気を不活性ガス、例えば窒素ガスで置換する(図1
にH3で示すN2 フロー)。反応炉10内の圧力が大気
圧(760Torr)になったら反応炉10から第2絶
縁膜206が形成されている基板200を取り出す。こ
のような工程を経て、第2絶縁膜206としてSi−N
結合を含む酸窒化SiO2 膜が均一に、また、極薄い膜
厚約60A°(オングストローム)程度の薄い膜厚に形
成することができる。
【0048】このようにSi基板上に形成した絶縁膜と
しての酸窒化膜(SiOーN膜)と、従来のSi基板上
に形成した絶縁膜としての純酸化膜(SiO2 膜)とに
つき、膜中窒素および水素の深さ方向の分布特性を二次
イオン質量分析法(SIMS)で測定し、比較データを
得た。図5の(A)は、純酸化膜および図5の(B)は
酸窒化膜に対する実験データをそれぞれ示す。両図にお
いて、横軸に絶縁膜の表面からSi基板側への深さ(n
m単位)をとって示し、および縦軸に濃度(原子/cm
3 単位)をとって示している。また、両図において、曲
線IおよびIIは水素および窒素の特性曲線をそれぞれ
示している。図5の(A)の普通の酸化膜の場合には、
絶縁膜とSi基板との境界面付近で水素および窒素とも
に最大濃度となっているが、水素濃度が窒素濃度より高
く、しかも、窒素濃度は最大でも5×1019原子/cm
3 程度であるにすぎない。これに対し、この発明の実施
例で完成した酸窒化膜の場合には、同一条件で測定して
も、絶縁膜とSi基板との境界面付近では、窒素濃度が
水素濃度よりも著しく大となっており、窒素濃度の最大
値は4×1021原子/cm3 程度となっていることが理
解できる。このように、この発明の方法により形成した
酸窒化膜では、Si(シリコン)との境界面付近で窒素
原子が従来の通常の酸化膜よりも多く取り込まれている
ことがわかる。
【0049】一方、SiO2 /Si界面近傍でのSiO
2 膜について、X線光電子分光法(XPS)を用いてこ
の膜中に含まれている原子の種類や結合状態を調べた。
このX線光電子分光法での測定結果を図6に示す。図6
において、横軸に結合エネルギー(eV単位)をとって
示してあり、また、縦軸にX線の透過強度(任意の単
位)をとってプロットして示してある。この測定ではS
iO2 /Si界面より約10A°のSiO2 膜表面で測
定した。また、この測定では窒素(N)の1s準位に注
目した。図中N(1s)で示してある。得られたスペク
トルのうちIで示す領域はOーN結合、IIで示す領域
はN−H結合およびIIIで示す領域はSiーN結合で
あり、SiーN結合が396〜398eV付近でピーク
が最大となっていることがわかる。窒素原子は、膜中お
よび界面でのシリコン原子と結合しており、酸化膜中に
もみられるSiダングリングボンドが窒素原子で終端し
ていると予想される。このような作用によって電子注入
にるストレスに耐性を有するものと考えられる。
【0050】図7の(A)および(B)と図8(A)お
よび(B)は、純酸化膜およびこの発明により得られる
酸窒化膜をトンネル膜として用いて図9で示したと同様
な構造のEEPROMセルを形成して、このセルにつき
注入電荷量をパラメータとしてコントロール電極ードレ
イン(CGーD)間電圧とリーク電流との関係を測定し
た実験データをそれぞれ示す。図7の(A)および
(B)は、純酸化膜をトンネル酸化膜として用いた場合
の実験データであり、また、図8の(A)および(B)
は、この発明により形成した酸窒化膜をトンネル酸化膜
として用いた実験データである。
【0051】この実験に当たり、コントロール電極CG
とフローテイング電極FGをショートさせておき、コン
トロール電極CGとドレインD間で一定電圧となるよう
にコントロール電極CGの電圧を調整して注入電荷量
(=一定電流密度×時間)を定めた。この注入量により
トンネル酸化膜にストレスが加わっている状態で、コン
トロール電極CGとドレインDとの間の電圧を変えてい
き、その間を流れる電流をリーク電流として測定する。
従って、図7および図8において、注入電荷量をパラメ
ータとし、横軸にコントロール電極CGとドレインDと
の間の電圧(V)をとり、縦軸にリーク電流(A)をと
ってそれぞれ示してある。注入電荷量を与える前の、す
なわちストレスを印加する前の測定曲線をI0 、注入電
荷量を1.00C/cm2 、0.50C/cm2 および
0.05C/cm2 に対する測定曲線をI1 、I2 、お
よびI3 でそれぞれ示してある。そして、両図のうち
(A)図は、コントロール電極CGにドレインDよりも
正の電圧を印加した場合の実験データ(正極性)を示
し、また、(B)図は逆にドレインDをコントロール電
極CGよりも正の電極を印加した場合(負極性)の実験
データを示す。
【0052】純酸化膜および酸窒化膜のいずれの場合に
おいても、負極性および正極性での印加によってリーク
電流の傾向は変わらない。しかしながら、純酸化膜の場
合には、曲線I0 とI1 、I2 およびI3 とを比較すれ
ば理解できるように、電荷を注入する前後においてスト
レスが大きく変わることがわかる。これに対し、この発
明の方法によれば形成した酸窒化膜の場合電荷を注入す
る前後において実質的にストレスの変動はないと結論で
きる。しかも負極性であるとコントロール電極CGとド
レインDとの間の電圧が約4V以上であると、また、正
極性の場合にはその電圧が約2V以上であると、純酸化
膜の方が酸窒化SiO2 膜の場合よりもリーク電流が大
きくなってしまう。この事実からストレス印加後のリー
ク電流値は、EEPROMセルの駆動時に印加する電圧
領域では、この発明で形成した酸窒化膜のトンネル酸化
膜よりも低い値となる。
【0053】以上説明したように、この説明による方法
で形成した酸窒化膜は、従来の純酸化膜よりも高品質の
絶縁膜として供し得るので、この酸窒化膜を電子デバイ
ス、例えばFLOTOX型EEPROMの形成に用いる
と、その電気的特性を従来のセルより向上させることが
できる。
【0054】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の絶縁膜形成方法によれば、絶縁膜を60A°と
いう従来では不可能とされていた極薄膜にでき、このよ
うな薄膜であるにもかかわらず、ストレスの少ない、リ
ーク電流値の低い膜を形成することができる。このた
め、この絶縁膜をEEPROMなどのトンネル膜に利用
することにより、従来のものに比べ高品質の電気特性を
有する信頼性の高いEEPROMを提供することができ
る。また、この酸窒化SiO2 膜はEEPROM以外に
もトランジスターのゲート酸化膜としても利用できる。
【0055】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に供する加熱処理方法を説明するため
のブロック図である。
【図2】この発明の加熱処理に供する反応炉を説明する
ための断面図である。
【図3】この発明の加熱処理に供するガス供給系、およ
び真空排気系を説明するためのブロック図である。
【図4】この発明の絶縁膜を形成するための工程図であ
る。
【図5】絶縁膜中の窒素、および水素の深さ方向分布を
表す曲線図である。
【図6】SiO2 /Si界面近傍のXPSスペクトル図
である。
【図7】絶縁膜のストレス印加前後のリーク電流をプロ
ットした電圧・リーク電流曲線図である。
【図8】絶縁膜のストレス印加前後のリーク電流をプロ
ットした電圧・リーク電流曲線図である。
【図9】従来のEEPROMセルの構造図である。
【図10】従来のEEPROMセルの動作を説明する回
路図である。
【符号の説明】
10:反応炉 10a:本体 10b:蓋部材 10c:昇降部材 12:排気手段 12a:ターボ分子ポンプ 12b:ドライポンプ 14:ガス供給部 14a:酸化性ガス源(O2 ) 14b:酸化性ガス源(N2 O) 14c:予備のガス源 14d:不活性ガス源 16:加熱部 16a:赤外線ランプ 16b:支持部材 18:基板 20:支持体 22:昇降装置 24:気密保持部材 26:温度測定手段 28:ガス供給管 30:排気管 32a〜32d:真空計 34、36a〜36f、38、40、44、46a〜4
6d、48a、48b:バルブ 42:ガス供給系 50a、50b:ガス流量コントローラ 200:シリコン基板 202:自然酸化膜 204:シリコン酸化膜 206:シリコン酸窒化膜(トンネル酸化膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/318 H01L 21/8247 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン下地を昇温し、該下地を窒素非
    含有酸化性ガスの雰囲気中で一定の温度で加熱処理して
    前記下地の表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、 該シリコン酸化膜を含む前記下地を前記温度に保持した
    状態で、前記窒素非含有酸化性ガス雰囲気から窒素含有
    酸化性ガスの雰囲気に切り替えて加熱処理を行って、前
    記シリコン酸化膜を、シリコンとの界面付近においても
    窒素原子が多く取り込まれたシリコン酸窒化膜に変える
    工程とを含むことを特徴とする絶縁膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の絶縁膜形成方法におい
    て、前記窒素非含有酸化性ガスを酸素ガスとし、それに
    よって得られる前記シリコン酸化膜を二酸化シリコン
    (SiO2 )膜とすることを特徴とする絶縁膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の絶縁膜形成方法におい
    て、前記窒素含有酸化ガスを一酸化窒素(NO)、二酸
    化窒素(NO2 )および亜酸化窒素(N2 O)のガス群
    から選ばれた少なくとも一種のガスとし、それにより得
    られる前記シリコン酸窒化膜をSiOxy 膜構造とす
    る(但し,xおよびyは組成比を与える値であって、0
    <xおよび0<yで、かつx+y≦2を満足する値をと
    る)ことを特徴とする絶縁膜形成方法。
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