JP3802945B2 - 不揮発性半導体記憶装置の製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高信頼の層間絶縁膜を持ち、電荷保持特性が優れていると同時に書換え信頼性に優れた不揮発性半導体記憶装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体記憶装置は、例えば図1に示す断面構造を有している。ここで、1はシリコン基板、2はフイールド酸化膜、3は電極、4はトンネル絶縁膜、5は浮遊ゲート電極、6は層間絶縁膜、7は制御ゲート電極、8はソース、9はドレイン、10は絶縁膜である。この不揮発性半導体記憶装置では、ドレイン9に3.3V ,制御ゲート電極7に−7V,ソース8を開放、基板1を接地することにより浮遊ゲート電極5に蓄積した電子をドレイン9側に引き抜いて情報の書込みを行う。この方法によれば、浮遊ゲート電極5中の電子がファウラ・ノルドハイム(Fowler−Nordheim)トンネル電流(F−N電流)によってドレイン9側に引き抜かれ、同時にドレイン9側から正孔がトンネル絶縁膜4中に注入される。このように、高電界を印加して電流を流すトンネル絶縁膜は結晶のシリコン基板を熱酸化して形成されている。一方、層間絶縁膜は、浮遊ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜を熱酸化するか、あるいは浮遊ゲート電極上に化学気相成長法により堆積することにより下層の酸化シリコン膜を形成したSiO2−Si34 −SiO2 積層膜(以後、ONO膜と略)が多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の不揮発性半導体記憶装置では、デバイスを縮小し、メモリセルの高密度化を達成するためには層間絶縁膜を薄膜化しなければならず、漏洩電流を低く保ったままONO膜の各層を薄膜化することが必要となる。例えば、SiO2 換算膜厚として15nmの膜厚のONO膜では、下層SiO2 膜5nm,
Si34膜10nm,上層SiO2 膜5nmとなっており、ONO膜を15nmから13nmに薄膜化する場合には、4nmレベルのSiO2 膜が必要となる。
【0004】
トンネル絶縁膜の信頼性については、文献「アイ・イー・イー・イー インターナショナル リライアビリティ フィジックス プロシーディングス 18ページから23ページ」に開示されているように、層間絶縁膜の形成工程で900℃以上の高温での工程があると、トンネル絶縁膜中の電子捕獲準位が増大し、書換えを繰り返すことによりトンネル絶縁膜中に電子が捕獲され、書換え時間が長くなるという問題が生じる。また、ONO膜中のSi34膜は770℃レベルの低温で形成するが、強い応力を持つためにトンネル絶縁膜に影響を及ぼす。前記文献に開示されているように、Si34膜の堆積では電子捕獲準位は増加しないものの、書換え相当の高電界ストレスを印加することによりトンネル絶縁膜の低電界漏洩電流が増大する。高電界ストレス印加後の低電界漏洩電流の増大は、トンネル絶縁膜の薄膜化とともに顕著となるため、低電界漏洩電流の低減は今後のトンネル絶縁膜の薄膜化で最も重要な課題である。
【0005】
本発明の目的は、層間絶縁膜自身の漏洩電流を低く保ったまま、トンネル絶縁膜の信頼性を劣化させない、信頼性の高い不揮発性半導体記憶装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、浮遊ゲート電極上に酸化シリコン膜を形成後、一酸化窒素を含むガス中、850℃以下の温度で酸化シリコン膜を加熱し、酸化シリコン膜中に窒素を導入して層間絶縁膜とすることにより達成される。
【0007】
層間絶縁膜に単層の酸化シリコン膜を用いるとONO膜と比べ、薄膜化が容易となる。すなわち、ONO膜では今後の薄膜化に対して膜厚4nmレベルの膜堆積が必要であるが、単層膜を用いれば13nmレベルの膜堆積を行うことになる。さらに、一酸化窒素により窒素を導入して、酸化シリコン膜の一部を酸窒化シリコン膜とすることにより誘電率が高くなり、SiO2 換算膜厚を薄くすることが可能となる。
【0008】
酸化シリコン膜中に窒素を導入して誘電率を大きくする方法としては、他にアンモニアガス中で加熱する方法,亜酸化窒素中で加熱する方法がある。アンモニアを用いて窒素を導入した場合にはアンモニア中の水素が窒素と同時に層間絶縁膜中に導入される。これは、層間絶縁膜中の電子捕獲準位を増大させ、不揮発性半導体記憶装置の動作時に電子が層間絶縁膜中に捕獲され、デバイスのしきい値電圧の変動をもたらす。このため、水素を層間絶縁膜中から除去するためにドライ雰囲気中で加熱して水素を除去するという工程が必要になる。一方、亜酸化窒素を用いた場合にはドライ雰囲気中での加熱となり、かつ亜酸化窒素自身水素を持っていないことから層間絶縁膜中に水素に起因した電子捕獲準位が形成されることはない。ところが、亜酸化窒素は反応性が低く、多結晶シリコン膜からなる浮遊ゲート電極を酸窒化するためには900℃以上の温度が必要となる。このため、900℃以上の高温での熱処理によりトンネル絶縁膜が劣化してメモリセルの書換え信頼性が低下する。
【0009】
これらに対し、一酸化窒素を用いた場合には水素を持たない雰囲気中での加熱が可能であり、かつ850℃以下の温度で浮遊ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜を窒化することができる。これにより、酸化シリコン膜中に電子捕獲準位を増大させることなく、誘電率を大きくすることができ、薄膜化が容易となる。
【0010】
酸化シリコン膜を化学気相成長法で形成する場合には、例えば、シリコンの供給源としてモノシラン,ジシラン,テトラエトキシシラン等を用い、酸素の供給源としては亜酸化窒素,酸素等を用いる。化学気相成長法で酸化シリコン膜を形成した場合には膜中に水素が残存するため、熱酸化膜に比べて水素に起因した電子捕獲準位が多くなる。したがって、水素を含まない雰囲気中で加熱し、水素を除去する必要がある。水素が離脱した後にはダングリングボンドが生成されるため、窒素を導入してダングリングボンドを終端する。これにより、漏洩電流を低減できる。
【0011】
酸化シリコン膜の形成で、酸素の供給源のガス量を減少させると、堆積される酸化シリコン膜中の原子数比Si/Oが増大する。Si/O比が0.5 より大きい場合にはシリコンが過剰となり、一酸化窒素を含むガス中で加熱することにより過剰のシリコンが窒化される。そこで、一酸化窒素中で熱処理後の絶縁膜中の酸素と窒素の分布を調べた。
【0012】
従来のシリコン基板を熱酸化した膜を用いた場合の結果を図4に、Si/Oの原子数比が0.5 を越える酸化シリコン膜をシリコン基板上に堆積した場合について図5に示す。図4から熱酸化膜(Si/Oの原子数比が0.5 )の場合には絶縁膜とシリコン基板との界面をピークにして界面から2nm程度の範囲に窒素が分布すること、図5からSi/Oの原子数比が0.5 を越える場合には絶縁膜とシリコン基板との界面のほか、絶縁膜中にも窒素が導入され、窒素の極大値が膜中に存在することがわかる。導入される窒素量の増大に伴い、誘電率が大きくなるため、SiO2 換算膜厚を薄くすることができる。
【0013】
Si34膜を用いずに、単層酸化シリコン膜を一酸化窒素を含むガス中で加熱することにより応力の小さい層間絶縁膜を形成でき、トンネル絶縁膜の低電界漏洩電流を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
次に本発明の実施例を、図1に示した断面を持つメモリセルを用いて説明する。
【0015】
シリコン基板1をアンモニアと過酸化水素を含んだ水溶液中に浸漬した後、フッ酸水溶液中で表面酸化膜を除去し、これに続いてフィールド酸化膜2を形成してから、シリコン基板1をパイロジェニック酸化により、850℃で膜厚9nmのSiO2 膜を形成し、トンネル絶縁膜4とした。
【0016】
トンネル絶縁膜4上に、減圧化学気相成長法によりモノシランとホスフィンを用いて3×1020cm-3のリンを含んだ多結晶シリコン膜を200nmだけ堆積し、その後、窒素雰囲気中800℃で20分間加熱して、浮遊ゲート電極5とした。この後、多結晶シリコン膜上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を800sccm,モノシランを20sccmの流量で流して750℃で原子数比Si/Oが約 0.5 の酸化シリコン膜(膜厚18nm)とした。
【0017】
これに続いて、窒素で希釈した5%の一酸化窒素ガスに切り換え、850℃で15分間加熱して、窒素を酸化シリコン膜中に導入し、層間絶縁膜6とした。
【0018】
これとは別に、本発明の効果を確認する層間絶縁膜6を次のようにして形成した。浮遊ゲート電極5上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を500sccm,モノシランを20sccmの流量で流して750℃でシリコン過剰な酸化シリコン膜(膜厚18nm)とした。
【0019】
これに続いて、窒素で希釈した5%の一酸化窒素ガスに切り換え、850℃で15分間加熱して、窒素を酸化シリコン膜中に導入し、層間絶縁膜6とした。
【0020】
参照試料は、以下の2種類のものを作製した。
【0021】
一つは、多結晶シリコン膜を800℃でドライ酸化雰囲気中で加熱し、膜厚5nmのSiO2 膜を形成し、減圧化学気相成長法によりSi34膜を770℃で膜厚13nm堆積した。続いて、900℃でSi34膜をパイロジェニック酸化して膜厚5nmのSiO2 膜を形成し、SiO2 換算膜厚15nmのONO膜をもって層間絶縁膜6とした。
【0022】
二つ目の層間絶縁膜の参照試料としては、浮遊ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜上に減圧化学気相成長法でモノシランと亜酸化窒素とを用いて膜厚5 nmのSiO2 膜を堆積し、800℃で窒素雰囲気中で10分間加熱後、減圧化学気相成長法によりSi34膜を770℃で膜厚10nm堆積した。続いて、減圧化学気相成長法でモノシランと亜酸化窒素とを用いて膜厚5nmのSiO2 膜を堆積し、800℃でパイロジェニック酸化を30分間行った。これにより、 SiO2 換算膜厚15nmのONO膜として層間絶縁膜6とした。
【0023】
以上、4種類の層間絶縁膜6上に減圧化学気相成長法によりモノシランとホスフィンを用いて3×1020cm-3のリンを含んだ多結晶シリコン膜を200nmだけ堆積し、その後窒素雰囲気中800℃で20分間加熱することにより制御ゲート電極7を形成し、その後ゲート加工を行ってから、ソース8,ドレイン9を形成した。更に、硼素とリンとを含んだ酸化シリコン膜を堆積した後加熱して平坦化した絶縁膜10を形成した。この後ソース8,ドレイン9上にコンタクト穴を開け、その上に電極3を形成して、図1に示すようなメモリセルを作製した。
【0024】
この構造の不揮発性半導体記憶装置を用いて書換え特性を評価した。ゲートの全面を用いた浮遊ゲート電極5への電荷の注入(消去)をF−N電流で行い、浮遊ゲート電極5とドレイン9との間を用いたF−N電流による電荷の引抜きを書込み動作とした。消去を行う際には、制御ゲート電極7に+12V,ソース8,ドレイン9,基板1を0Vにしたパルスを印加して、しきい値電圧を確認しながら消去を行った。書込みを行う際には、制御ゲート電極7に−7V,ドレイン9に+3.3V ,ソース8を開放にして、基板1を接地したパルスを印加し、しきい値電圧を確認しながら書込みを行った。
【0025】
上記のメモリセル特性を、トンネル絶縁膜4に膜厚9nmのパイロジェニックSiO2 膜を用いたメモリセルで、層間絶縁膜6を変えたときの書込み時間の変動を図6に示す。層間絶縁膜6に単層酸化シリコン膜を堆積し、一酸化窒素ガス中で加熱した場合には、酸化シリコン膜の原子数比Si/Oによらず、ONO膜を用いた場合と比べ、書込み時間の変動が抑えられている。消去特性βについては四つのメモリセルとも差がなかった。
【0026】
一方、電荷保持特性に関しては、105 回書換え後のしきい値電圧の変動を図7に示す。しきい値電圧の変動量は層間絶縁膜6の種類に依存して、熱酸化によるONO膜,化学気相成長法によるONO膜,本発明による一酸化窒素処理した酸化シリコン膜の順で少なくなった。電荷保持特性に関しても、層間絶縁膜6に単層酸化シリコン膜を堆積し、一酸化窒素ガス中で加熱した場合には、酸化シリコン膜の原子数比Si/Oによらず、ONO膜を用いた場合と比べ、書込み時間の変動が抑えられている。
【0027】
(実施例2)
次に本発明の実施例を図2に示した断面を持つキャパシタを用いて説明する。
【0028】
シリコン基板11をアンモニアと過酸化水素を含んだ水溶液中に浸漬した後、フッ酸水溶液中で表面酸化膜を除去し、これに続いてフィールド酸化膜12を形成した。次に、フッ酸水溶液中で洗浄してシリコン基板11表面の自然酸化膜を除去後、減圧化学気相成長法によりモノシランとホスフィンを用いて3×1020cm-3のリンを含んだ多結晶シリコン膜を200nmだけ堆積し、その後窒素雰囲気中800℃で20分間加熱して、ドライエッチングにより加工を行って下部電極13とした。
【0029】
この後、下部電極13上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を800sccm,モノシランを20sccmの流量で流して750℃で原子数比Si/Oが約0.5 の酸化シリコン膜(膜厚18nm)とした。
【0030】
これに続いて、アルゴンで希釈した10%の一酸化窒素ガスに切り換え、850 ℃で15分間加熱して、窒素を酸化シリコン膜中に導入し、絶縁膜14とした。
【0031】
この他、本発明の効果を確認する絶縁膜の形成方法としては、下部電極13上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を500sccm,モノシランを20sccmの流量で流して750℃でシリコン過剰の酸化シリコン膜(膜厚18nm)を形成した。これに続いて、アルゴンで希釈した10%の一酸化窒素ガスに切り換え、850℃で15分間加熱して、窒素を酸化シリコン膜中に導入し、絶縁膜14とした。
【0032】
参照試料としては、以下の3種類のものを作製した。
【0033】
一つは、下部電極13上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を800sccm,モノシランを20sccmの流量で流して750℃で原子数比Si/Oが約0.5 の酸化シリコン膜(膜厚18nm)とした。これに続いて、窒素ガスに切り換え、850℃で30分間加熱して、絶縁膜14とした。
【0034】
二つめは、下部電極13を構成する多結晶シリコン膜を800℃でドライ酸化雰囲気中で加熱し、膜厚5nmのSiO2 膜を形成し、減圧化学気相成長法によりSi34膜を770℃で膜厚13nm堆積した。続いて、900℃でSi34膜をパイロジェニック酸化して膜厚5nmのSiO2 膜を形成し、SiO2 換算膜厚15nmのONO膜をもって絶縁膜14とした。
【0035】
三つめの絶縁膜14の参照試料としては、下部電極13を構成する多結晶シリコン膜上に減圧化学気相成長法でモノシランと亜酸化窒素とを用いて膜厚5nmのSiO2 膜を堆積し、800℃で窒素雰囲気中で10分間加熱後、減圧化学気相成長法によりSi34膜を770℃で膜厚10nm堆積した。続いて、減圧化学気相成長法でモノシランと亜酸化窒素とを用いて膜厚5nmのSiO2 膜を堆積し、800℃でパイロジェニック酸化を30分間行った。これにより、SiO2換算膜厚15nmのONO膜として絶縁膜14とした。
【0036】
以上、5種類の絶縁膜14上に減圧化学気相成長法によりモノシランとホスフィンを用いてリンを含んだ多結晶シリコン膜を200nmだけ堆積し、その後窒素雰囲気中800℃で20分間加熱した。続いて、ドライエッチングによりゲート加工を行って上部電極15を形成し、図2に示すようなキャパシタを作製した。
【0037】
この構造のキャパシタを用いて電流−電圧特性を評価した。単層の酸化シリコン膜を用いた場合には、ONO膜を用いた場合と比べ、Fowler−Nordheimトンネリングによって電流が流れるために図8に示すように電界に対する電流密度の変化が急峻になる。一酸化窒素を用いて窒素を導入することにより高電界での電流の低下が見られた。計測装置の限界により、図8に示した10-12A/cm2までしか測定できないが、図1に示す断面を持つメモリセルの電荷保持特性で重要な1〜2MV/cmの電界で十分低い漏洩電流になっていると考えられる。すなわち、化学気相成長法により堆積した酸化シリコン膜を一酸化窒素中で加熱した膜でも、不揮発性半導体装置の層間絶縁膜,ONO膜と遜色の無い電流−電圧特性を示すことが分かった。
【0038】
(実施例3)
次に本発明の実施例を、図3に示す断面を持つMOSキャパシタを用いて説明する。
【0039】
シリコン基板41をアンモニアと過酸化水素を含んだ水溶液中に浸漬した後、フッ酸水溶液中で表面酸化膜を除去し、これに続いてフィールド酸化膜42を形成してから、シリコン基板41をパイロジェニック酸化により、850℃で膜厚9nmのSiO2 膜を形成し、トンネル絶縁膜43とした。トンネル絶縁膜43上に、減圧化学気相成長法によりモノシランとホスフィンを用いて3×1020 cm-3のリンを含んだ多結晶シリコン膜を200nmだけ堆積し、その後窒素雰囲気中800℃で20分間加熱して、ゲート電極44とした。この後、多結晶シリコン膜上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を800sccm,モノシランを 20sccmの流量で流して750℃で原子数比Si/Oが約0.5 の酸化シリコン膜(膜厚18nm)とした。
【0040】
これに続いて、窒素で希釈した5%の一酸化窒素ガスに切り換え、20分間加熱して、窒素を酸化シリコン膜中に導入し、ゲート電極上の絶縁膜45とした。
【0041】
参照試料としては、以下の3種類のものを作製した。
【0042】
一つは、多結晶シリコン膜上に減圧化学気相成長法により亜酸化窒素を800sccm,モノシランを20sccmの流量で流して750℃で原子数比Si/Oが約 0.5 の酸化シリコン膜(膜厚18nm)とした。これに続いて、窒素ガスに切り換え、800℃で30分間加熱して、ゲート電極上の絶縁膜45とした。
【0043】
二つめの電極上絶縁膜45の参照試料としては、多結晶シリコン膜を800℃でドライ酸化雰囲気中で加熱し、膜厚5nmのSiO2 膜を形成し、減圧化学気相成長法によりSi34膜を770℃で膜厚13nm堆積した。続いて、900℃でSi34膜をパイロジェニック酸化して膜厚5nmのSiO2 膜を形成し、SiO2 換算膜厚15nmのONO膜をもって電極上絶縁膜45とした。
【0044】
三つめのゲート電極上絶縁膜45の参照試料としては、多結晶シリコン浮遊ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜上に減圧化学気相成長法でモノシランと亜酸化窒素とを用いて膜厚5nmのSiO2 膜を堆積し、800℃で窒素雰囲気中で10分間加熱後、減圧化学気相成長法によりSi34膜を770℃で膜厚10nm堆積した。続いて、減圧化学気相成長法でモノシランと亜酸化窒素とを用いて膜厚5nmのSiO2 膜を堆積し、800℃でパイロジェニック酸化を30分間行った。これにより、SiO2 換算膜厚15nmのONO膜として電極上絶縁膜45とした。
【0045】
以上、4種類の電極上絶縁膜45をドライエッチングで加工して針当て用のコンタクト穴を形成し、図3に示すようなMOSキャパシタを作成した。この構造のMOSキャパシタを用いて、高電界ストレスによるトンネル絶縁膜43の特性変動を評価した。
【0046】
図9に一定電流ストレス印加時(ゲート負電圧,10mA/cm2 )のゲート電圧の変動を示す。ストレス印加初期の正孔の捕獲によるゲート電圧の低下は、どの場合にも違いが無かった。これに対し、電子の捕獲量は熱酸化で形成したONO膜,化学気相成長(CVD)法で形成したONO膜,本発明の順で小さくなった。
【0047】
また、同じ定電流ストレス印加後の6MV/cmにおける漏洩電流を図10に示す。漏洩電流値は、熱酸化で形成したONO膜,化学気相成長(CVD)法で形成したONO膜,本発明の順で小さくなった。ストレス印加後の電子の捕獲量,低電界漏洩電流ともに、電極上絶縁膜を酸化シリコン膜で形成した場合には窒素中で加熱したか、一酸化窒素中で加熱したかによらず、同じであった。すなわち、化学気相成長法により酸化シリコン膜を堆積して電極上絶縁膜を形成することにより、トンネル絶縁膜に及ぼす影響を低減することができる。これは、メモリセルで書換えを繰り返すことによる書込み時間の増大としきい値電圧の変動とが抑制されることと対応していると考えられる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、高電界ストレスによるトンネル絶縁膜の電子捕獲準位,低電界漏洩電流を抑制することができ、書込み時間の増大が起こらず、電荷保持特性の良好な不揮発性半導体記憶装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不揮発性半導体記憶装置の断面図
【図2】上部電極,下部電極とも多結晶シリコン膜で形成したキャパシタの断面図。
【図3】MOSキャパシタの断面図。
【図4】従来技術によって亜酸化窒素を用いて熱酸化膜中に窒素を導入した膜の二次イオン質量分析の結果の説明図。
【図5】シリコン過剰の酸化シリコン膜を亜酸化窒素処理した膜の二次イオン質量分析結果の説明図。
【図6】実施例1における不揮発性半導体記憶装置の書込み特性図。
【図7】実施例1における不揮発性半導体記憶装置の電荷保持特性の改善効果を示す説明図。
【図8】実施例2におけるキャパシタの電流−電圧特性の改善効果を示す説明図。
【図9】実施例3におけるMOSキャパシタのトンネル絶縁膜のゲート電圧変動の改善効果を示す説明図。
【図10】実施例3におけるMOSキャパシタのトンネル絶縁膜の低電界漏洩電流の改善効果を示す説明図。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…フィールド酸化膜、3…電極、4…トンネル絶縁膜、5…浮遊ゲート電極、6…層間絶縁膜、7…制御ゲート電極、8…ソース、9…ドレイン、10…絶縁膜。

Claims (4)

  1. 第1導電型を有する半導体基板にトンネル絶縁膜を介して設けられた浮遊ゲート電極と、前記浮遊ゲート電極上に少なくとも一部分が積層する形で層間絶縁膜を介して設けられた制御ゲート電極と、前記半導体基板内に互いに分離して設けられた第2導電型のソース,ドレイン領域を備えた電気的に書換え可能な不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、酸化シリコン膜を形成後一酸化窒素を含むガス中で加熱温度が 850 ℃以下で加熱することにより酸窒化シリコン膜層を含む層間絶縁膜を持ち、前記層間絶縁膜が酸化シリコン膜を一酸化窒素を含むガス中で加熱してできる単層膜からなることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  2. 第1導電型を有する半導体基板にトンネル絶縁膜を介して設けられた浮遊ゲート電極と、前記浮遊ゲート電極上に少なくとも一部分が積層する形で層間絶縁膜を介して設けられた制御ゲート電極と、前記半導体基板内に互いに分離して設けられた第2導電型のソース,ドレイン領域を備えた電気的に書換え可能な不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、酸化シリコン膜を形成後一酸化窒素を含むガス中で加熱温度が 850 ℃以下で加熱することにより酸窒化シリコン膜層を含む層間絶縁膜を持ち、前記層間絶縁膜が酸化シリコン膜を窒素、あるいはアルゴンで希釈した一酸化窒素ガス中で加熱してできる単層膜からなることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  3. 請求項1またはにおいて、前記酸化シリコン膜を化学気相成長法で形成する不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  4. 請求項1またはにおいて、前記酸化シリコン膜の原子数比Si/Oが0.5 より大きい不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
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