JPH07297182A - SiN系絶縁膜の形成方法 - Google Patents

SiN系絶縁膜の形成方法

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JPH07297182A
JPH07297182A JP9034094A JP9034094A JPH07297182A JP H07297182 A JPH07297182 A JP H07297182A JP 9034094 A JP9034094 A JP 9034094A JP 9034094 A JP9034094 A JP 9034094A JP H07297182 A JPH07297182 A JP H07297182A
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insulating film
sin
based insulating
film
forming
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JP9034094A
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Machio Yamagishi
万千雄 山岸
Toomasu Beemu
トーマス ベーム
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウェハ上の下層SiO系絶縁膜5上にSiN
系絶縁膜6を形成するに際し、SiO系絶縁膜5を閉鎖
雰囲気下で成膜後、RCA洗浄を行うことなく、前記ウ
ェハが大気から遮断された状態に維持したままRTN処
理およびCVDを行うことによりSiN系絶縁膜を成膜
する。 【効果】 インキュベーションタイム自体が低減される
と共に、このバラツキも低減されるため、SiN系絶縁
膜の膜厚の安定化が図れる。このため、これをメモリ素
子のゲート絶縁膜として形成すると、デバイスの動作特
性が均一化する。また、SiN系絶縁膜の膜質も向上す
るため、ゲート絶縁膜の絶縁耐性が向上し、デバイスの
信頼性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば不揮発性メモリ
素子におけるゲート絶縁膜の一部としてSiO系絶縁膜
上に成膜されるSiN系絶縁膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不揮発性メモリは、電気的に情報を書き
換えられ、電源を切っても情報を保持できる理想的な半
導体メモリであり、代表的なものとして、EPROM
(Erasable Programmable Read-Only Memory:消去およ
び再書込み可能な読出し専用メモリ)や、EEPROM
(Electrically Erasable Programmable Read-Only Mem
ory :記憶内容を電気的に書き換え可能な読出し専用メ
モリ)がある。
【0003】上記EPROMやEEPRPMは、通常、
いわゆるMOS型電界効果トランジスタのゲート電極
(コントロールゲート)と、シリコン基板との間にもう
1つのポリシリコンゲート(フローティングゲート)を
埋め込んだ2層ポリシリコンゲート構造になっている。
このため、シリコン基板とフローティングゲートとの
間、フローティングゲートとコントロールゲートとの間
には、それぞれ第1のゲート絶縁膜、第2のゲート絶縁
膜が設けられる。
【0004】上記EPROMおよびEEPROMにおい
ては、コントロールゲートとドレインに高電圧VPPを印
加して、ドレイン近傍で発生したホットエレクトロンを
フローティングゲートに注入することによって書込みを
行う。そして、フローティングゲートに一旦注入された
電子は、VPPを切った後でも、周囲が酸化膜で囲まれて
いるため、エネルギー的にみるとちょうどポテンシャル
の井戸に捕獲された状態となり、外部からこの井戸の高
さに相当するエネルギーを得ない限り安定してこの状態
を保つ。
【0005】また、EPROMにおいては、紫外線(2
53.7nm)を照射することで、フローティングゲー
ト中の電子が紫外線から高エネルギーを得て、フローテ
ィングゲートから自由電子として解き放されることによ
り、データを消去する。一方、EEPROMにおいて
は、フローティングゲート内の電子を高電界で外部に引
き抜くことによりデータが消去される。
【0006】上述のようにして、EPROMおよびEE
PROMにおいては、フローティングゲート中に蓄積さ
れた電荷の有無によってデータが記憶される。このた
め、データを読み出すには、書き込み状態にあるセルの
しきい値電圧と消去状態にあるセルのしきい値電圧との
中間の大きさの電圧をワード線からコントロールゲート
に印加すればよい。これによって、書き込み状態にある
セルでは非導通、消去状態にあるセルでは導通の状態と
なり、電荷の有無が読み取れる。
【0007】近年、上記EPROMおよびEEPROM
において、第2のゲート絶縁膜をSiO/SiN/Si
Oよりなる絶縁膜、いわゆるONO膜より構成すること
が検討されている。このような構造とすることにより、
第2のゲート絶縁膜の薄膜化が図れ、書込み特性,オン
電流等のメモリ素子としての特性を向上させることが可
能となり、また、電源を切った後のデータ保持のために
重要なリーク電流の低減化を図ることが可能となる。
【0008】ここで、従来のEPROMの製造工程にお
ける上記ONO膜よりなる第2のゲート絶縁膜を形成す
る工程について説明する。先ず、図1のように、シリコ
ン基板1上に素子分離領域2および第1のゲート絶縁膜
3を形成した後、ポリシリコン層を全面に亘って成膜し
て、これを所望の形状にパターニングすることにより、
図2に示されるように、フローティングゲート4を形成
しておく。
【0009】次に、熱酸化を行うことによって、図3に
示されるように、下層SiO系絶縁膜5を形成する。こ
の下層SiO系絶縁膜5の上にはSiN系絶縁膜を成膜
するが、この成膜直前には、下層SiO系絶縁膜5表面
を洗浄処理しておく。この洗浄処理としては、アンモニ
ア−過酸化水素水溶液を用いるSC−1洗浄、塩酸−過
酸化水素水溶液を用いるSC−2洗浄等のいわゆるRC
A洗浄が一般的である。この洗浄処理により、下層Si
O系絶縁膜5形成後、SiN系絶縁膜の成膜を始めるま
での待機時間に付着したパーティクルや金属イオンを取
り除くことができる。
【0010】洗浄後、下層SiO系絶縁膜5表面に対し
て急速熱窒化(Rapid Thermal Nitridation 以下、RT
Nと記す。)処理およびLP−CVDを行うことによ
り、図4に示されるように、SiN系絶縁膜16を成膜
する。なお、下層SiO系絶縁膜5表面において、膜中
に含まれるH2 O分子のOH基またはSi−H結合が電
子捕獲として寄与すると、低電界リーク電流が増加して
しまうため、RTN処理を行うことによって、下層Si
O系絶縁膜5表面に、より結合エネルギーの大きいSi
−N結合を生成させておくことが有効である。
【0011】さらに、上記SiN系絶縁膜16の表面を
熱酸化して、上層SiO系絶縁膜7を形成することによ
り、下層SiO系絶縁膜5/SiN系絶縁膜16/上層
SiO系絶縁膜7、即ちONO膜より構成される第2の
ゲート絶縁膜18が形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
にしてSiN系絶縁膜16を形成する際、原料ガスを供
給し始めてから実際にSiN系絶縁膜16が堆積し始め
るまでに費やされる時間(以下、インキュベーションタ
イム:Incubation Time と記す。)は、70〜80秒台
であること、この値はウェハ内およびウェハ間でバラツ
キがあることが本発明者等の研究により明らかとなっ
た。
【0013】そして、上記インキュベーションタイム
は、RTN処理の有無,RTN処理の処理温度に多少依
存するものの、RTN処理条件を適正化しても、大幅に
短縮させることが難しく、また、このバラツキを抑制す
ることも困難であった。
【0014】このため、通常行われているように、Si
N系絶縁膜16の膜厚をトータルの成膜時間にて管理す
ると、上述のようなインキュベーションタイムのバラツ
キが正味の成膜時間を変動させ、成膜されたSiN系絶
縁膜6膜厚を不安定なものにしてしまう。
【0015】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、SiN系絶縁膜の成膜におけ
るインキュベーションタイムを低減すると共に、このイ
ンキュベーションタイムのバラツキをも低減させること
が可能な、再現性の高いSiN系絶縁膜の形成方法を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るSiN系絶
縁膜の形成方法は、上述の目的を達成するために提案さ
れたものであり、基板上のSiO系絶縁膜上にSiN系
絶縁膜を形成するに際し、SiO系絶縁膜を所定の閉鎖
雰囲気下で成膜後、前記基板を大気から遮断された状態
に維持したまま急速熱窒化(RTN処理)およびCVD
を順次行うことに行ってSiN系絶縁膜を成膜するもの
である。
【0017】即ち、本発明は、基板を大気から遮断され
た状態を維持したまま、SiO系絶縁膜の成膜、RTN
処理およびCVDによるSiN系絶縁膜の成膜を順次行
うことにより、従来SiN系絶縁膜の成膜前に行われて
いた洗浄処理を省略するものである。
【0018】なお、基板を大気から遮断された状態に維
持するには、密閉されたボックス内に基板を収納した状
態で、SiO系絶縁膜およびSiN系絶縁膜を成膜する
ための各種処理装置間の搬送を行うようにすればよい。
この場合、ボックスと各処理装置における処理室(Si
O系絶縁膜成膜用の熱酸化炉または成膜チャンバ、RT
Nチャンバ、SiN系絶縁膜成膜用の成膜チャンバ)と
の間で直接基板の搬出入を行ってもよいし、各処理装置
が密閉されたロードロック室に接続されていれば、それ
ぞれのロードロック室とボックスとの間で基板の搬出入
を行ってもよい。または、閉鎖された搬送系を共有し、
該搬送系の周囲に、SiO系絶縁膜成膜用の熱酸化炉ま
たは成膜チャンバ、RTNチャンバ、SiN系絶縁膜成
膜用の成膜チャンバ等が配列されたマルチチャンバシス
テムを適用してもよい。
【0019】なお、前記SiN系絶縁膜は、不揮発性メ
モリのゲート絶縁膜の一部として成膜されて好適であ
り、例えば、EPROMやEEPROMにおける第2の
ゲート絶縁膜を構成するON膜あるいはONO膜の一部
として下層SiO系絶縁膜の上に成膜されるとよい。ま
た、絶縁膜中の離散的な電荷トラップに電子を蓄積する
ことにより記憶動作を行うMNOS型セルEEPRO
M、あるいは、このMNOS型セルのゲート電極と窒化
膜の間にさらに酸化膜を設けて大容量化を図ったいわゆ
るMONOS型セルEEPROMにも適用可能である。
【0020】
【作用】本発明を適用すると、長いインキュベーション
タイムを要する傾向のあるSiO系絶縁膜上でのSiN
系絶縁膜の成膜を、Si基板上での成膜に匹敵するほ
ど、容易に且つ優れた膜質にて行える。これは、下記の
ような理由によると考えられる。
【0021】SiO系絶縁膜を成膜後、洗浄工程を省略
し、且つ、大気から遮断された状態に維持すると、Si
O系絶縁膜表面がより疎水的に保たれる。そして、清浄
なSiO系絶縁膜上にて、RTN処理およびCVDによ
るSiN系絶縁膜の成膜を開始すると、成膜初期に化学
量論的な組成よりSi原子が多いSiN系絶縁膜が堆積
しやすくなる。そして、この化学量論的な組成よりSi
原子が多いSiN系絶縁膜上には、化学量論的組成Si
3 4 を有するSiN系絶縁膜が容易に成長するため、
インキュベーションタイムを短縮し、且つ、優れた膜質
にてSiN系絶縁膜を成膜できる。
【0022】そして、インキュベーションタイムが大幅
に短縮され、このインキュベーションタイムのバラツキ
も低減されると、SiN系絶縁膜の膜厚の安定化も図ら
れる。これにより、このSiN系絶縁膜を不揮発性メモ
リのゲート絶縁膜の一部として形成すると、作製された
メモリ素子の動作特性が均一化できるため、品質の均一
化を図ることができる。
【0023】さらに、SiN系絶縁膜の膜質が向上する
ため、不揮発性メモリのゲート絶縁膜の一部として用い
ると、絶縁破壊を起こすまでの電荷量QBDを向上させる
ことができる。このため、作製されたメモリ素子の信頼
性が向上する。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係るSiN系絶縁膜の形成方
法を適用した具体的な実施例について説明する。なお、
以下の実施例では、EPROMの第2のゲート絶縁膜の
一部としてSiN系絶縁膜を成膜した。
【0025】実施例1 本実施例においては、熱酸化炉によって下層SiO系絶
縁膜成膜後、ウェハを大気に接触させることなくRTN
処理およびCVDによってSiN系絶縁膜の成膜を行っ
た。なお、ウェハを大気から遮断された状態に維持する
ために、ウェハを熱酸化炉からRTNチャンバへ搬送す
る際、該RTNチャンバからSiN系絶縁膜成膜チャン
バへと搬送する際には、密閉されたボックス内にウェハ
を収納して搬送した。
【0026】図1〜図5を用い、EPROMの形成工程
について順に説明する。先ず、図1に示されるように、
素子分離領域2が形成されたシリコン基板1を酸素雰囲
気中にて熱処理し、このシリコン基板1表面を酸化させ
ることによって、F−Nトンネル酸化膜である第1のゲ
ート絶縁膜3を10nmなる厚さに形成した。
【0027】その後、1層目のポリシリコン層をウェハ
全面に亘って成膜して、これをフォトリソグラフィおよ
びドライエッチングにより所望の電極形状にパターニン
グすることにより、図2に示されるように、フローティ
ングゲート4を形成した。
【0028】次に、上述のウェハを熱酸化炉内で熱酸化
することによって、図3に示されるように、下層SiO
系絶縁膜5を5nm厚に形成した。その後、熱酸化炉か
ら密閉されたボックス内にウェハを搬出し、このボック
スごとウェハを搬送してRTNチャンバ内へウェハを搬
入した。そして、該RTNチャンバ内で下記条件のRT
N処理を行った。
【0029】RTN処理条件(A) 導入ガス : NH3 25slm 温度 : 1000℃ 時間 : 1分
【0030】続いて、再び密閉されたボックスにてウェ
ハを搬送して減圧CVD装置のチャンバ内へ載置し、下
記条件の減圧CVD法によって、図4に示されるよう
に、SiN系絶縁膜6を成膜した。
【0031】減圧CVD条件 導入ガス : SiH2 Cl2 5sccm NH3 200sccm ガス圧 : 20Pa 温度 : 760℃
【0032】その後、このSiN系絶縁膜6の表面を熱
酸化することにより、上層SiO系絶縁膜7を形成し
た。これによって、下層SiO系絶縁膜5,SiN系絶
縁膜6,上層SiO系絶縁膜7の3層よりなるONO構
造の第2のゲート絶縁膜8が形成された。
【0033】さらに、図5に示されるように、この上に
2層目のポリシリコン層を堆積させてパターニングする
ことにより、コントロールゲート9を形成して、2層ポ
リシリコン型EPROMが完成した。
【0034】実施例2 本実施例に係るSiN系絶縁膜の形成方法は、RTN処
理条件を下記のように変更した以外は、実施例1と同様
なものである。
【0035】RTN処理条件(B) 導入ガス : NH3 25slm 温度 : 1000℃ 時間 : 2分
【0036】実施例3 本実施例に係るSiN系絶縁膜の形成方法は、RTN処
理条件を下記のように変更した以外は、実施例1と同様
なものである。
【0037】RTN処理条件(C) 導入ガス : NH3 25slm 温度 : 900℃ 時間 : 1分
【0038】比較例1〜3 ここで、比較のため、下層SiO系絶縁膜5の成膜後、
RCA洗浄を行ってから、RTN処理および減圧CVD
法によってSiN系絶縁膜16を成膜した。なお、上記
RTN処理として、RTN処理条件(A)を適用したも
のを比較例1、RTN処理条件(C)を適用したものを
比較例2、下記のRTN処理条件(D)を適用したもの
を比較例3に係るSiN系絶縁膜の形成方法とした。な
お、比較例1〜3共に、下層SiO系絶縁膜5の成膜条
件およびSiN系絶縁膜16成膜のための減圧CVD条
件は実施例1と同様なものとした。
【0039】RTN処理条件(D) 導入ガス : NH3 25slm 温度 : 800℃ 時間 : 1分
【0040】比較例4 さらに比較例4として、下層SiO系絶縁膜5の成膜
後、RCA洗浄を行い、RTN処理を行うことなく、減
圧CVD法によるSiN系絶縁膜16の成膜を行った。
なお、下層SiO系絶縁膜5の成膜条件およびSiN系
絶縁膜16成膜のための減圧CVD条件は実施例1と同
様とした。
【0041】比較例5 また、参考のため、比較例5として、シリコン基板1に
対して直接、減圧CVD法によるSiN系絶縁膜16の
成膜を行った。即ち、シリコン基板1に対してはRCA
洗浄やRTN処理を施すことなくSiN系絶縁膜16を
成膜した。なお、SiN系絶縁膜16成膜のための減圧
CVD条件は実施例1と同様とした。
【0042】成膜特性の評価 ここで、実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例5によ
ってSiN系絶縁膜6,16を形成する際のそれぞれの
インキュベーションタイムについて調べた。
【0043】なお、上記インキュベーションタイムは、
次のようにして求めた。先ず、原料ガスを導入し始めて
からの一定時間(成膜時間)経過後におけるSiN系絶
縁膜6,16の膜厚をウェハ上の5点(センター,イー
スト,ウエスト,サウス,ノース)において調べ、横軸
に成膜時間、縦軸に膜厚をとったグラフ上に上記5点に
おける膜厚の平均値をプロットした。次に、成膜時間を
変えて同様のプロットを何点が作成して、各プロットを
結ぶ直線をひき、この直線を膜厚0nmに外挿した点に
おける成膜時間を求めた。このときの成膜時間が、原料
ガスを導入してから実際に成膜が始まるまでの時間、即
ちインキュベーションタイムである。
【0044】図6に、実施例1によって成膜されるSi
N系絶縁膜6について、成膜時間と膜厚との関係を測定
したものを□なるプロットにて示す。同様に、比較例
1,4によって成膜されるSiN系絶縁膜16につい
て、成膜時間と膜厚との関係を測定したものをそれぞれ
△,▲なるプロットにて示す。なお、比較例1,4にお
いては、ウェハ間でのバラツキが大きかったが、任意に
選択したウェハでの測定結果を示す。
【0045】そして、図6よりインキュベーションタイ
ムを求めると、実施例2においては47秒、比較例1に
おいては73秒、比較例4においては150秒となっ
た。
【0046】実施例2,3、比較例2,3,5において
も、同様にインキュベーションタイムを求めた。この結
果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1より、実施例1,2,3を比較する
と、インキュベーションタイムはRTN処理の処理温度
に依存し、処理温度が低いと明らかにインキュベーショ
ンタイムが長くなってしまうことがわかる。しかし、同
じ1000℃にてRTN処理を行った実施例1と比較例
1とを比較すると、実施例1の方が著しくインキュベー
ションタイムが短いことがわかる。また、図6にて実施
例1と比較例1を比較すると、実施例1の方が、実際に
成膜が開始してからの膜厚の増加率についても大きく、
成膜速度が速いことがわかる。これより、RCA洗浄を
省略することにより、インキュベーションタイムを大幅
に低減でき、且つ成膜速度も向上させることが可能とな
ることがわかる。
【0049】なお、実施例1,2においては、比較例5
との比較からわかるように、シリコン基板1上に直接成
膜する場合と同等にまでSiN系絶縁膜6の成長が容易
になっている。
【0050】一方、比較例1〜4においては、インキュ
ベーションタイムのバラツキが大きいため、インキュベ
ーションタイムの値だけを比較することが難しい。しか
し、比較例1と比較例4について、図6にて成膜速度を
比較すると、RTN処理の有無による成膜速度の差は殆
ど見られないことがわかる。
【0051】ここで、実施例1〜実施例3、比較例1〜
比較例5によって成膜されたSiN系絶縁膜6,16の
膜質について、断面TEM(透過型電子顕微鏡)および
FT−IR(フーリエ変換−赤外線吸収スペクトル)法
により調べた。この結果、実施例1〜実施例3によって
成膜されたSiN系絶縁膜6の膜質は、比較例1〜4に
よって成膜されたSiN系絶縁膜16の膜質より優れて
おり、比較例5によって成膜されたものと比較しても同
等の膜質を有していた。
【0052】また、実施例1〜実施例3、比較例1〜比
較例4によって成膜されたSiN系絶縁膜6,16を第
2のゲート絶縁膜8の一部として用いたEPROMにつ
いて、定電流TDDB(Time Dependent Dielectric Br
eakdown )法により絶縁破壊を起こすまでの電荷量QBD
を測定した。
【0053】この結果、実施例1〜実施例3によって成
膜されたSiN系絶縁膜6を用いたEPROMの方が、
比較例1〜比較例4によって成膜されたSiN系絶縁膜
16を用いたものよりQBDの値が大きく、実施例1〜実
施例3によって成膜されたSiN系絶縁膜6は、膜質が
改善された分、絶縁膜としての特性も向上していること
がわかった。
【0054】以上、本発明に係るSiN系絶縁膜の形成
方法を適用した例について説明したが、本発明は上述の
実施例に限定されるものではない。例えば、RTN処理
条件やSiN系絶縁膜6を成膜するためのCVD条件は
上述したものに限られず、適宜変更可能である。また、
下層SiO系絶縁膜5や上層SiO系絶縁膜7を形成す
る方法等も上述したものに限られず、例えばこれらをC
VD法によって形成してもよい。さらに、ウェハを大気
から遮断された状態に維持するための方法も、上述した
ボックス搬送に限られず、マルチチャンバ等を用いるこ
とによって実現してもよい。
【0055】本実施例ではEPROMの第2ゲート絶縁
膜を形成するに際して本発明を適用したが、EEPRO
Mの第2ゲート絶縁膜を形成する場合も、同様に適用で
きる。もちろん、SiO系絶縁膜上に成長させやすく、
且つ膜質もよいSiN系絶縁膜を形成するための方法と
して、EPROMやEEPROMの第2のゲート絶縁膜
の作成工程以外にも適用可能である。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明を
適用すると、CVD法によるSiN系絶縁膜の成膜に際
してインキュベーションタイムを大幅に短縮させ、この
インキュベーションタイムのバラツキも低減することが
できる。これにより、SiN系絶縁膜の膜厚の安定化を
図ることができる。これにより、このSiN系絶縁膜を
不揮発性メモリのゲート絶縁膜の一部として形成する
と、作製されたメモリ素子の動作特性が均一化できるの
で、品質の均一化が図れる。
【0057】また、SiN系絶縁膜の膜質も向上させる
ことができるため、このSiN系絶縁膜を不揮発性メモ
リのゲート絶縁膜の一部として用いると、絶縁破壊を起
こすまでの電荷量QBDを増大させ、不揮発性メモリの信
頼性を向上させることができる。
【0058】さらに、本発明においては、従来SiN系
絶縁膜の成膜前に行われてきた洗浄工程を省略できるた
め、生産性が向上し、工業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してEPROMを製造する工程を
示すものであり、シリコン基板に素子分離領域と第1の
ゲート絶縁膜が形成された状態を模式的に示す断面図で
ある。
【図2】図1のウェハに対してフローティングゲートが
形成された状態を模式的に示す断面図である。
【図3】図2のウェハに対して下層SiO系絶縁膜を形
成した後、RTN処理を施す状態を模式的に示す断面図
である。
【図4】下層SiO系絶縁膜,SiN系絶縁膜,上層S
iO系絶縁膜よりなる第2のゲート絶縁膜が形成された
状態を模式的に示す断面図である。
【図5】図4のウェハに対してコントロールゲートが形
成された状態を模式的に示す断面図である。
【図6】インキュベーションタイムを求めるために、S
iN系絶縁膜の成膜時間と堆積した膜厚との関係をプロ
ットした特性図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 素子分離領域 3 第1のゲート絶縁膜 4 フローティングゲート 5 下層SiO系絶縁膜 6 SiN系絶縁膜 7 上層SiO系絶縁膜 8 第2のゲート絶縁膜 9 コントロールゲート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上のSiO系絶縁膜上にSiN系絶
    縁膜を形成するに際し、 SiO系絶縁膜を所定の閉鎖雰囲気下で成膜後、前記基
    板を大気から遮断された状態に維持したまま急速熱窒化
    処理およびCVDを順次行うことによりSiN系絶縁膜
    を成膜することを特徴とするSiN系絶縁膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記SiN系絶縁膜を、不揮発性メモリ
    素子のゲート絶縁膜の一部として成膜することを特徴と
    する請求項1記載のSiN系絶縁膜の形成方法。
JP9034094A 1994-04-27 1994-04-27 SiN系絶縁膜の形成方法 Pending JPH07297182A (ja)

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JP2007311721A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Toshiba Corp 半導体装置
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