JPH0667953B2 - 粉末状ショ糖脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

粉末状ショ糖脂肪酸エステルの製造方法

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JPH0667953B2
JPH0667953B2 JP63158930A JP15893088A JPH0667953B2 JP H0667953 B2 JPH0667953 B2 JP H0667953B2 JP 63158930 A JP63158930 A JP 63158930A JP 15893088 A JP15893088 A JP 15893088A JP H0667953 B2 JPH0667953 B2 JP H0667953B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、主として粉末状ショ糖脂肪酸エステルの工業
的な製法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、精製用有機溶媒を使用せず
に粉末状の高品質ショ糖脂肪酸エステルを工業的に生産
すると共に、反応混合物中の未反応糖その他の糖を回収
する方法に関するものである。
【従来の技術】
(背景) 現在、界面活性剤として有用なショ糖脂肪酸エステル
(以後《SE》と略す)は、工業的に、ショ糖糖とC8〜C
22の高級脂肪酸メチルエステルとを溶媒(ジメチルホル
ムアミドやジメチルスルホキシドなど)中で適当な触媒
下で反応させるか(溶媒法:特公昭35-13102)又は溶媒
を用いずに水を使ってショ糖を脂肪酸石鹸と共に溶融混
合物とした後、触媒の存在下に高級脂肪酸メチルエステ
ルと反応させること(水媒法:特公昭51-14485号)によ
り得られている。 しかし、これら二種の合成法のいづれによっても、その
反応混合物中には、目的とするSEの他に、未反応の糖、
未反応の脂肪酸メチルエステル、残留触媒、石鹸、遊離
脂肪酸、揮発分等の夾雑物を含んでおり、これらの夾雑
物のうち含量が規定量を越す不純分は、製品と成る以前
に除去されなければならない。特に、上記夾雑物のう
ち、前者の溶媒法に伴う残留溶媒(揮発分)の除去は、
近来規製が厳しくなって来ている注)だけに極めて重要
である。 注)米国FDAの規格によれば、SE中許容される残存ジメ
チルスルホキシドは2ppm以下である(Fed.Regist.,51(2
14),40160-1)。 さらにSEの工業的生産上の別の重要問題点として、未反
応糖の回収という問題がある。即ち、周知のように、SE
合成時のショ糖の反応率は低く、例えばジメチルホルム
アミド法の場合でも50%を出ないから(出願人会社発行
《シュガーエステル物語(1984)》35頁参照)、未反応シ
ョ糖の回収なしに本工業は成り立たない。 そこで従来から、粗製SEからの残留反応溶媒の除去及び
未反応糖の回収という二元的目的で多量の有機溶媒が慣
用されてきたが、かかる溶媒の多用は、SEの工業的な生
産に対し、以下のような著しい不利益をもたらす。 爆発、火災の危険性。 上のに備えた電気装置の防爆化。 上のに備えた製造装置の密閉化。 上のに備えた建物全体の耐火構造化。 上の、、による固定費の上昇。 溶媒の損耗による原価の上昇。 製品SE中に残留する残留溶媒による負効果。 従業員の健康上への悪影響、ひいてはその予防のため
のシフト数の増加に伴う固定費の上昇。 このような事情から、SE精製及び糖回収時における有機
溶媒の使用を不必要化する技術の開発は、当業界におけ
る切実な要望であった。 (従来技術の問題点) そこで従来から有機溶媒を利用しない精製法が検討さ
れ、例えば代表的なものとして、 (1)酸性水溶液によるSEの沈殿方法(英国特許809,815(1
959)) (2)一般の中性塩水溶液によるSEの沈澱法(特公昭42-88
50) などが知られている。 しかし方法(1)のように、例えば塩酸水溶液を反応混合
物中に加えると、成る程SEは直ちに沈澱するが、未反応
のショ糖は容易にグルコースと果糖とに分解、転化し、
たとえ低温(0〜5℃)で行っても分解を避けることが
できない。このため未反応糖の回収、再利用が困難とな
る。 また、方法(2)のように、食塩や芒硝などの中性塩の水
溶液を反応混合物中に加えてもSEは直ちに沈澱する。こ
の場合、未反応糖の分解は起こらないが、SE中の有用な
成分であるモノエステルが水相側に溶解してしまうた
め、大きなロスを生じるのみでなく、特に近来需要の多
い高HLBのSEを得たいとき妨げとなる。 さらにより最近の特開昭51-29417によれば、水と“精製
溶媒”(反応溶媒と区別するために、特にそう呼ぶ)の
混合溶液が軽液層(上層)と重液層(下層)に分相する
性質が利用される。即ち、一般に重液層(下層)には水
が多く含まれているので、親水性の未反応糖、触媒由来
の塩などがこの重液層(下層)に溶解している。一方軽
液層(上層)は、精製溶媒が多く含まれているので、S
E、脂肪酸、未反応脂肪酸メチルエステル等の極性の小
さいものは、この軽液層に溶解してくる。 ところが、ジメチルスルホキシドなど反応溶媒は、下層
の重液層にも溶解するが、都合の悪いことに上層の軽液
層にも溶解するので、この方法だけで反応溶媒を完全分
離するのは不可能である。従って、微量の反応溶媒を除
去するだけの目的で、非常に多量の精製溶媒が必要とな
る。 このように、水による粗製SEの精製を工業的に可能なら
しめるためには、溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製
品SEのロスを生じない精製方法を開発することが大前提
となる。 次に、水による精製を工業的に可能とするためなお考慮
すべきことは、水を精製溶媒とすることに附随する含水
SEの乾燥手段である。 即ち、ここに乾燥の対象なる含水SEは、通常、水分80%
以上のものは水溶液状態に、また水分80%未満のものは
スラリー(泥漿)状をなしているのが普通である。これ
らSEの含水物は、一般に40℃近辺から急激に粘度が上昇
し、50℃近辺で最高値となるが、同温度を50℃を越える
と急激に粘度が下がるという極めて特異な粘性挙動を呈
する(上掲書108頁参照)。このほか、単に真空下で加
熱して水分を蒸発させることは、著しい発泡性のため、
実質的に不可能である。そして、もし加熱時の温度が高
く、かつ加熱体との接触時間が長い場合には、SEが分解
を起こし、強度の着色及びカラメル化を引き起すのみで
なく、分解により遊離した脂肪酸により酸価も上昇して
くる(特公昭37-9966参照)。 特に水分蒸発の終期には、SEの持つ軟化点又は融点の低
さという特性(例えば、ショ糖モノステアレートの軟化
点は52℃近辺、ショ糖ジステアレートの融点は110℃付
近)のため、SE自体が残存している水を抱水する傾向を
持ち、このことが脱水を著しく困難としている。加え
て、溶媒と比較して、水の蒸発潜熱が異常に高い(500K
cal/Kg・H2O以上)こと及び蒸発温度の高いこと等も乾燥
を困難ならしめる一因となっている。 それ故、例えば別形式の乾燥法として、泥漿を加熱して
連続的に真空室へ供給、放出させる、所謂フラッシュ式
の乾燥機を用いた場合においても、水の持つ大きな潜熱
のため、充分な脱水、乾燥には種々の困難がつき纒い、
たとえこれらの困難を克服できたとしても、真空下で脱
水、乾燥された後のSEは、溶融状態にあるため、それを
乾燥機より取出してから融点以下まで冷風等を吹きつけ
て冷却し、固化させ、最後に粉砕機で粉砕するという多
くの工程を必要とし、しかも最終の粉砕工程では粉塵爆
発の懸念が附随する。 従って、以上のような乾燥に伴う諸問題点を解決するこ
とも、本水媒法精製を実現するための重要なステップと
なる。 (発明の理念) このように、水による粗製SEの精製及び未反応糖の回収
を工業的に可能ならしめるためには、反応溶媒及び精製
溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製品SEのロスを生じ
ない精製方法を開発することが大前提となる。けだしこ
の理念に基づく反応混合物の精製では、水に対するSEと
未反応ショ糖の溶解度差を利用することが基本となるか
ら、水側に多量の未反応糖が移行するのは避けられず、
この溶解糖の精製及び回収なしには、本工業は経済的に
も社会的にも存立できない。従って、精製時水側へ移行
した糖を如何に効果的に回収することも発明の重要な命
題である。
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明が解決しようとする課題は、精製用溶媒
を使用しないで、工業的に、精製された粉末状SEを取得
するための技術及びこれに付帯して反応混合物中の未反
応糖を効率的に回収する手段を開発することによって、
反応溶媒及び精製溶媒の使用に起因する一切の問題点を
解決することである。 (発明の概念) そこで本発明者は、(イ)水相側に溶解するSE量を最小限
に押えるのみならず、可能ならば該量を零として全量の
SEを沈澱させること、(ロ)未反応糖の分解を避けるこ
と、(ハ)残留する反応溶媒を水相外に溶解させることに
より、SEから分離すること、(ニ)沈殿したSEを精製され
た状態で粉末化すること、(ホ)上の沈殿を分離した濾液
(又は上澄)中の未反応糖を効率的に回収することの五
点の解決を目標として多くの塩析実験を行なった結果、
ショ糖と中性塩を反応混合物の水溶液中に溶解させたと
き、適当なpH、温度、中性塩及びショ糖の濃度及び水量
の組合せの下で、SEの略々全量が沈澱するのみならず、
意外なことに、水相には未反応の糖以外に反応溶媒が溶
解するに至るという、都合の良い現象を見出した。従っ
て、この現象を利用して、沈澱したSEを再度水に溶解
後、中性塩及びショ糖水溶液による沈澱操作を反復する
ことにより、SEの損失を事実上防止しながら、残留する
揮発分(残留する反応溶媒)を完全に水相中に移行させ
ることができること、及び上の沈殿を除去した残液を適
当な逆浸透膜と接触させることによって、SE反応混合物
中の未反応糖を精製された状態で効率的に回収できるこ
と;並びに、上で沈殿したSEのスラリーを噴霧乾燥する
ことによって、全く品質の低下なしに、粉末状のSEを連
続的に生産できることが明らかとなった。 (概要) 本発明は、上記発見に基づくもので、目的物のショ糖脂
肪酸エステルの他、未反応の糖、未反応の脂肪酸メチル
エステル、触媒、石鹸、脂肪酸及び揮発分を含む反応混
合物を、中性領域のpHに調整し、水、中性塩及びショ糖
を加えることにより生じる沈澱物を酸性の水で洗浄し、
中和後、噴霧乾燥すると共に、上記沈殿を除去した水相
側を逆浸透膜と接触させてショ糖を回収することを特徴
とする粉末状ショ糖脂肪酸エステルの製造方法を要旨と
する。以下、発明に関連する種々の事項につき分説す
る。 (溶媒法によるSEの合成) 溶媒法によるSEの合成においては、通常、ショ糖と脂肪
酸メチルエステルとの混合物を、これらの合計量に対し
数倍量の反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドに添
加、溶解させ、炭酸カリウム(K2CO3)等のアルカリ性触
媒の存在下、真空20〜30Torr近辺で数時間80〜90℃に保
持することにより、容易に90%以上の反応率(脂肪酸メ
チルエステル基準)にてSE反応混合物が生成する。 次に、SE反応混合物中のアルカリ性触媒の活性を消失さ
せるため、乳酸、酢酸等の有機酸又は塩酸、硫酸等の鉱
酸を当量だけSE反応組成物に添加する。この中和によ
り、触媒は、乳酸カリウム等のカリウム塩に変化する。 最後に、反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドを真空
下に留去すると、大略、下記組成範囲の組成物(中和及
び蒸留後の反応混合物)となる。 ショ糖脂肪酸エステル =15〜74% 未反応等 =1.0〜80% 未反応脂肪酸メチルエステル=0.5〜10% 炭酸カリウム由来の中性塩 =0.05〜7% 石鹸 =1.0〜10% 脂肪酸 =0.5〜10% 揮発分(残留する反応溶媒)=5.0〜30% このとき、SEのエステル分布は、モノエステル10〜75%
(ジエステル以上が90〜25%)である。そして、脂肪酸
メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の夫々に主として含ま
れる脂肪酸根は、飽和であって、共通のC16〜C22の炭素
数を持つ。 (加水) 次に、上の反応混合物に対して水を、 水:反応混合物=5:1〜40:1(重量比)・・(1) 式の割合になるように、更に望ましくは、 水:反応混合物=20:1(重量比)……(2) 式の割合に加えると共に、pHを6.2〜8.2、望ましくはpH
7.5とする。 この場合、水の添加割合が上の範囲から外れ、例えば、
水と反応混合物との量比が5未満となった場合は、得ら
れた水溶液の粘度が大となり、実質的に以後の操作が困
難となる。また、逆に、水と反応混合物との量比が40超
過となる程に過剰の水を加えた場合は、粘度が小となっ
て以後の操作が容易となり、かつ、目的の一つである反
応溶媒の除去も好適に行われるが、反面、未反応糖等の
回収に際して水分の除去の多大のエネルギーコストを必
要とすることになって、経済性が失われることになる。 さらに、水溶液のpHは、目的とするSEの分解を避けるた
め、pH6.2〜8.2の間に調整されるのが好ましい。pH8.2
以上の水素イオン濃度下では、アルカリによる定量的な
SEの分解が起こる心配があり、またpH6.2以下の弱酸性
域でも、例えば90℃以上の高温にされされると、酸分解
の恐れがある。 (塩析) 以上の如くpH調整されたSE反応混合物の水溶液を、なる
べく50〜80℃に保って、更に中性塩及びショ糖を加え
る。この場合、加えるべき中性塩は、先ず下式(3)を満
たしているのが好ましい。 ここで、 合計塩量=加えるべき中性塩量+触媒から形成される塩
量……(4) 合計糖量=加えるべきショ糖量+当初からの未反応糖量
……(5) 次に、加えるべきショ糖の量は、下式(6)により定めら
れるのがよい。 さらに、上記の両式に加え、合計塩量と合計糖量の重量
比率もまた、下式(7)を満足しているのが好ましい。 本発明者らは、上記式(3)、(6)及び(7)を三者共に満た
すように中性塩及びショ糖を加えて得たSEの沈澱を含む
水溶液を、50〜80℃まで加熱昇温させると、たとえSE反
応混合物中に含まれる揮発分(残留する反応溶媒)の組
成が3.0〜30.0%と大幅に振れようとも、また添加され
る中性塩が乳酸塩、酢酸塩、食塩又は芒硝のいずれであ
っても、略々近似的に全量のSEが沈澱することを見出し
た。この現象はこれまで知られていなかった特異な現象
であると共に、発明目的上、重要な価値を有するもので
ある。そしてこの事実を巧妙に利用することによって、 未反応糖を含む全ショ糖(合計糖) 揮発分 触媒由来の塩、及び、 添加された中性塩 の四者は水相に移行し、沈殿したSEのケーキ(即ち、泥
漿状スラリー)と分離できるようになるのである。 添付の第1図は、この現象をより詳しく示す三元グラフ
である。この図において、 水相側に溶解しているSEの重量=Y[g]、 沈澱しているSEの重量=X[g] 全SE(X+Y)[g]に対して、水相側に溶解しているSEの重量
割合=φ[%] とすれば、φは下式(8)で定義される。 ここで、以下の条件; 温度=80℃、pH=7.5、 水:反応混合物=7.4:1(重量比) 脂肪酸残基=ステアリン酸 反応混合物の組成 ショ糖脂肪酸エステル =29% 未反応糖 =35% 未反応脂肪酸メチルエステル=2% 触媒由来の塩 =1% 石鹸 =3% 脂肪酸 =1% 揮発分(残留する反応溶媒)=29% SE中のエステル分布:モノエステル=73% ジエステル以上=27% において、φの値がどのように変化するかが三角座標で
示される。 ここに、合計塩は式(4)により、合計糖は式(5)により夫
々で定義された量であって、 水量+合計塩量+合計糖量=100% として表示してある。 本第1図の斜線の部分は、本発明者らが発見した式
(3)、式(6)、及び式(7)を同時に満たす領域である。 この斜線の部分に入るような中性塩及びショ糖の溶解量
を決めることによって、実質的にφ≒0即ち、近似的に
全量のSEを沈澱化することができ、沈殿したSEの濾取又
は遠心分離により、水相側に溶解している揮発分(残留
している反応混合物)と完全に分離(即ち、夾雑する揮
発分を完全に除去)することができる。 (逆浸透) 次に、以上の工程により、SE合成反応混合物中から水と
共に分離されたショ糖と、触媒(K2CO3)からの副生塩
と、塩析のため添加された中性塩及び揮発分の四者を含
む水溶液中より、選択的にショ糖のみを分離、回収する
ことが、発明目的達成上重要な条件となる。 しかるに発明者らは、この目的に逆浸透法の利用が特に
有効であることを見出した。 ここに逆浸透膜の分画分子量として130〜200の範囲のも
のを選ぶと、未反応糖(分子量342)や、偶々前段の塩
析処理等で濾液側へ流亡したSE(分子量600以上)は、
共に問題なく濾別されるべきことが予想される。 一方、膜の分画分子量の130〜200より小さいと、触媒か
らの副生塩、例えば、乳酸カリウム(分子量128)や、
添加された中性塩や揮発分、例えばジメチルスルホキシ
ド(分子量78)は、問題なく、逆浸透膜の微細孔を通過
するであろう。この推定に基づき多くの実験を重ねた結
果、前段の塩析処理を経たショ糖、触媒からの副生塩、
塩析時添加された中性塩及び揮発分並びに、時として少
量〜微量のSEを含む水溶液は、温度40〜60℃で、分画分
子量150〜200近辺の逆浸透膜に対し、駆動源として限外
濾過時より大きな圧力を付与されつつ接触せしめられた
とき、触媒からの副生塩、加えられた中性塩及び揮発分
の三者は、水と共に逆浸透膜の微細孔を容易に通過する
ことが分った。この逆浸透操作によって、不純なショ糖
水溶液(場合により少量のSEを含む)は、水、触媒から
の副生塩及び塩析に際し加えられた中性塩及び揮発分等
の低分子量の物質から分離され、濃縮された粗糖水溶液
の形となる。そしてここに得られた粗糖水溶液を再び新
鮮な水に溶解させ、再度(又は再三)同様の逆浸透処理
に付すことにより、より純度の高いショ糖水溶液が得ら
れる。 以上において、逆浸透膜へ供給する被処理水溶液の温度
は良好な結果を期待するため重要であって、若し本温度
が40℃以下に低下すると、処理能力が著しく低下するの
で、実用的には40℃以上の温度を選ぶのがよい。但し60
℃を超えると、逆浸透膜の耐熱性の問題が発生するの
で、該上限温度以下の温度で処理するのが賢明である。
なお、上記水溶液のpHも実際上重要であって、pH6.2〜
8.2の領域内がショ糖の品質に影響する恐れが小さい点
で好ましい。 (逆浸透膜) 工業的な逆浸透膜は、近年進歩したものが各社から多数
上市されている。これら市販中の膜の中、耐久性、耐熱
製、耐酸、耐アルカリ性、耐菌性及び耐圧性に優れたも
のの例として、架橋ポリアミド系の逆浸透膜がある。そ
してこの種の膜の例として、例えば、東レエンジニアリ
ング(株)販売に係る逆浸透膜、商品名《SU-200》等
は、前述の分画分子量200近辺の値を持ち、本発明目的
によく合致する。 大体、分画分子量が200近辺の逆浸透膜の場合、供給さ
れる水溶液中の溶質濃度は、上限値として20%、望まし
くは、溶質濃度の上限値として15%程度に押えることに
よって、工業的な処理能力を発揮させることができる。 濃度が20%を越える溶質濃度の場合、逆浸透膜の微細孔
内を水、触媒からの副生塩及び揮発分が、通過し難くな
り、その分、駆動圧を高めることを余儀なくされるか
ら、結果的に膜面積を広くとらざるを得ず、かつまた、
大動力を必要とすることになるので甚だ不経済である。
これに対し、8〜15%程度の溶質濃度であれば、工業的
なショ糖の分離は充分に可能である。例えば、下表−1
の組成の水溶液の場合、ショ糖の分離速度はpH7.5,温
度50℃、駆動圧56.0kg/cm2Gのとき、1ユニット当たり
有効面積8m2の前記逆浸透膜《SU-200》で、 に達し、他社の類似膜においても概ね同様の結果が得ら
れた。そしてどの場合においても、溶存したSEをショ糖
と共に収率よく回収できた。 以上の逆浸透処理において、反復逆浸透膜処理により触
媒からの副生塩、添加中性塩及び揮発分の三者を充分に
除去されたショ糖含有水溶液には、大凡15〜20%程度の
糖濃度を保たせることができる。濃度20%以上の糖水溶
液を得るのは、技術的に困難となる以外に、経済性も低
下してくる。従って、上記以上の糖濃度が望まれるなら
ば、通常の濃縮装置、例えば、多重真空効用缶等を用い
て希望の濃度、例えば50%以上にまで濃縮することがで
きる。 (洗浄) 前記塩析工程により、中性塩及びショ糖の添加により反
応混合物水溶液中から略々近似的に全量沈殿せしめられ
たSEは、含水状態、即ち、泥漿(スラリー)状のもので
ある。このものは、比較的少量ではあるが、なお揮発
分、塩類、ショ糖などの夾雑物を含む。発明者はこの不
純泥漿の精製法につき鋭意研究した結果、これを酸性の
水で洗浄することによって良好な結果が得られることを
見出した。 即ち、上記不純SEスラリーを、pH=3.0〜5.5に調整され
た酸性水で洗浄することによって、不純物が溶去され
る。ここ使用される酸は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸及
び酢酸、乳酸等の有機酸が適当であるが、可食性の酸で
あれば、別段例示のもののみに限る訳ではない。なお、
酸性水の温度は、10〜40℃が適当である。 このような条件の下で洗浄することにより、ケーキ側か
ら水相側へ再溶解するSEの量を極減させながら除去を希
望する不純物(揮発分、合計糖、添加中性塩及び触媒由
来の塩等)を水相側に移行させることができる。 以上の洗浄操作に当たり、酸性水の温度が40℃以上とな
ると、操作が長時間、例えば数ケ月にも及んだとき、SE
の酸分解が懸念されるだけでなく、粘度が上昇して操作
が困難となる。他方、10℃以下の低温の保持には、経済
性を軽視した冷凍機の設備が必要となる。従って、普通
は10〜40℃、殊に常温付近での操業が好ましい。 なお、この酸性水によるSEケーキの洗浄に際しては、本
ケーキ中に含まれている揮発分(反応溶媒)や、未反応
糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により副生した塩
の四者を成るだけSEケーキから除く必要があるので、SE
ケーキは、包摂する不純物の粒子を遊離させるため、該
酸性水中で可能な限り小さい粒子径になるまで細断され
ているのが望ましい。この目的は、例えば、分散混合機
(例えば特殊機器工業(株)製《ホモミキサー》)、モ
ホジナイザー又はコロイドミル(例えば商品名《マイコ
ロイダー》)等の細分化装置により効率的に達成でき、
揮発分(反応溶媒)、未反応糖、触媒由来の塩及び中性
塩の四者は、全量沈澱SEのケーキから酸性水相中に移行
する。 但し、実質的に少量であるとは言いながら、この際一部
のSEが酸性水相に溶出するのは避けられない。この酸性
水への溶解傾向は、モノエステル含分の多いSE程強いの
で、ジエステルやトリエステル分を相対的に増加させる
ことによって減少できる。 以上の酸性水によるSEケーキの洗浄は、洗浄の回数増加
と、洗浄水量の増加によって一層完全となり、かくして
事実上純粋に近い精製SEを得ることができる。 このようにして精製された含水状態のSEは泥漿(スラリ
ー)状であるが、このままでは、pHが酸性側に偏ってい
るので、pHを中性付近になるように調整する。得られた
中性のスラリーは、未反応の糖及び添加糖(合計糖)、
触媒起源の塩、揮発分並びに塩析に際して添加されたシ
ョ糖及び中性塩を含まないが、SE、未反応の脂肪酸メチ
ルエステル、石鹸及び脂肪酸の四者を含み、固形分1〜
50%、水分90〜50%の範囲にあることが多い。 本スラリー中の固形分の量は、後述の乾燥のため、大略
40%以下であるのが好ましいが、固形分の量比が過小で
あることは、乾燥のエネルギーコストの面から望ましく
なく、通常、4%以上の値であるのが経済的である。 (噴霧乾燥) 本発明では、SE泥漿の乾燥に際し、特に噴霧乾燥法を利
用する。この乾燥手段の有用性は、本発明者は、多くの
実験事実から見出した固形分4〜40%のSE泥漿の脱水乾
燥に最適の方法である。因に、既述の如く、所謂溝型の
攪拌型乾燥機で代表される通常の真空乾燥機を用いた場
合も、また、泥漿を連続的に供給して加熱して真空室に
放出させる、所謂フラッシュ式の乾燥機を用いた場合
も、SEの持つ粘度特性や低融点という性質のため、被処
理SEの酸価の上昇、着色、カラメル化などの品質低下現
象を回避することができず、さらに後者の場合には、な
お粉塵爆発の危険性も無視できない。 しかるに、発明者が見出した噴霧乾燥手段を採用するこ
とにより、既往乾燥手段の欠点を一挙に解決することが
できる。 本発明における乾燥工程では、泥漿状態の含水ショ糖脂
肪酸エステルを、ポンプを介して噴霧乾燥塔へ連続的に
供給し、ノズルによる噴霧又は回転円盤(ディスク)の
遠心力により微細な霧状微粒子に分割して乾燥気流と接
触させる。これにより水の蒸発面積が著しく大きくな
り、このため極めて短時間内(噴霧してから数秒以内)
に脱水、乾燥を完了し得る。なお霧化手段としては、含
水ショ糖脂肪酸エステルの粘度が大であるため、回転円
盤の利用が望ましい。 (噴霧乾燥条件) ショ糖脂肪酸エステルの溶液又は泥漿の供給温度は40〜
80℃の間で任意に変更できるが、品質面の考慮から望ま
しくは40〜60℃の範囲内の温度を選ぶ。 上記溶液又は泥漿を回転円盤により霧化させる場合、例
えば円盤の直径が5〜10cmφのときは、15,000〜24,000
rpmの回転数が適当である。 塔内へ送風される空気は、溶液又は泥漿中の水分を蒸発
させるに必要な熱量以上を保有すべきであり、従って空
気温度が低い場合は、より多量の空気量が必要である。
この際の空気温度は10〜100℃の広範囲であってよい
が、対象ショ糖脂肪酸エステルの乾燥効率と熱分解防止
とを考慮して、60〜80℃の間の温度を選ぶのが有利であ
る。 送風空気中の湿度も前記の空気温度と共に乾燥効率に関
係する。作業上好適な絶対湿度は、大略、 の範囲であるが、特に、 の範囲にあるのが経済的である。 噴霧乾燥塔へ送る泥漿中の固形分濃度が40%を超える
と、粘度が著しく増大する結果、噴霧されたスラリーの
粒子径は相対的に大きくなり、その分、水の乾燥が遅く
なり、結果として乾燥塔の内壁に付着し易くなる。故
に、スラリー中の固形分濃度を40%以下に調整するのが
よい。スラリーの固形分濃度が40%以下であれば、噴霧
された液滴の直径が40%超過の場合より小となり、乾燥
され易くなるから、乾燥塔の内壁に付着する懸念もなく
なる。尤も、スラリーの固形分濃度が、例えば3%未満
のように小さくなると、乾燥は容易となるが、所要エネ
ルギーの面から不経済である。 従って、噴霧乾燥塔へのスラリー供給濃度としては、4
%〜40%の範囲が適している。 噴霧乾燥塔の所要容積、所要塔径、所要高さなどの諸条
件は、以上の噴霧条件を前提に設計される。塔の設計及
び作業条件が適当であれば、水分5%以下の粉末化され
た乾燥ショ糖脂肪酸エステルが、噴霧乾燥塔の下部より
連続的に排出される。得られた製品は、熱履歴が短いた
め、品質的に極めて優れ、かつ乾燥作業用の人員を殆ど
必要としない。
【作用】
未反応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石
鹸、脂肪酸及び揮発分(残留する反応溶媒)を含むショ
糖脂肪酸エステル生成反応混合物に酸を加えて中性領域
のpHに調整後、水、中性塩及びショ糖を加えて適当な温
度下に塩析すると、ショ糖脂肪酸エステル、未反応の脂
肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸が沈殿すると共
に、揮発分(残留する反応溶媒)が水相側に移行するの
で、全く有機溶媒を使用せずに残留揮発分を除去するこ
とができる。特に、式(3)、式(6)、及び式(7)の条件を
満足させるように操作することによって、SEの損失が実
質的に絶無の状態で残留溶媒を除去することができ、更
に水相を逆浸透処理に付すことにより、未反応糖及び添
加糖を高純度の糖液として回収することができる。 次いで、この沈殿を酸性の水で洗浄することにより、本
沈殿中に夾雑する揮発分や、未反応糖、加えられた中性
塩及び触媒の中和により副生した塩等の不純物が除去さ
れ、精製されたSEのスラリーとなる。そしてこの精製ス
ラリーを噴霧乾燥することにより、水分5%以下の粉末
状SEが連続的に生産される。
【実施例】
以下、実施例に発明実施の態様及び効果を説明するが、
例示は勿論説明のためのものであって、発明思想の限定
又は制限を意図したものではない。 実施例−1 下表−2の組成で表される溶媒法SE反応混合物から反応
溶媒を留去した残液を乳酸で中和後、乾燥させた乾物10
0kgに水1,000kgを加えて溶解させた。 この水溶液に、ショ糖62.5kg及び50%乳酸カリウム97.6
kgを加えて、75℃まで加熱、昇温させ、沈澱したケーキ
(固形分55%)を濾別し、真空下に80℃で乾燥後、得ら
れた固形物の組成を調べた結果は下表−3の通りであっ
た。なお、ケーキを濾別した濾液(1,180kg)の組成をゲ
ル濾過クロマトグラフィー(GPC)法(上掲書63頁参
照)を利用して測定したところ、SEは全く検出されず、
かつ反応溶媒(ジメチルスルホキシド)の95%が除去さ
れていた。 上のケーキ80kgを常温酢酸水(pH3.5)400kgに懸濁させ、
ホモミキサー(特殊機器工業(株)製)で10分間攪拌し
つつ細断後、ケーキを濾取し、このケーキに再び酢酸水
を加え、攪拌・細断する操作を計4回繰返した。得られ
た精製ケーキ中の水分は41.2%であった。 上の精製ケーキを苛性ソーダでpH7.4に調整後、水を加
えて固形分35%の精製ケーキを調整した。 このスラリー(91.7kg)を、下記条件で噴霧乾燥した。 噴霧乾燥塔の直径:2.0mφ 直筒部の長さ:1.5m 送風量: 回転円盤(ディスク)径:10cmφ 円盤回転数:24,000rpm 入口空気温度:48℃ 入口空気絶対湿度: スラリー供給速度: 噴霧乾燥塔の下部から得られた粉末状SEは、白色の流動
性粉末で、水分1.74%、嵩比重0.44であり、過熱による
着色も無かった。乾燥は安定して継続できた。ここに得
られた粉末状SEの分析結果を以下表−4として示す。 次いで、前記塩析濾液(1,180kg;塩析によりSEを沈殿
させた残りのショ糖、塩類及び揮発分を含む水溶液)に
水を加え、下表−5の組成の液を調製した。 この水溶液を50〜52.5℃に加熱し、ポンプ圧力58.2kg/c
m2Gで逆浸透膜(《商品名《SU-200》前出)(直径4イ
ンチ×長さ1メートル、濾過面積8m2)に下記条件で供
給した。 膜を透過する水溶液の排出速度=3.9〜2.2/分 逆浸透膜廻りの循環速度=19.2〜20.9/分 供給時間=約550分 結果を下表−6として示す。即ち、膜を透過しなかった
濃縮液は、同表「非透過液」欄記載の通り、ショ糖とし
て、当初含まれていた量の略全量、触媒からの副生塩を
当初量の46.0%、揮発分を当初量の52.0%を夫々含んで
いた。 他方、膜を透過した触媒からの副生塩及び揮発分を含む
水溶液は、同表「透過液」欄記載の通り、殆ど糖を含ま
ず、触媒からの副生塩及び加えられた中性塩を当初量の
54.0%、揮発分を当初量の48.0%を夫々含んでいた。 実施例−2 前実施例−1、表−6記載の非透過液1,048kg(溶質濃
度12.5%)に新たに水1,900kgを追加し、該例と同一の
条件で、逆浸透膜に供給してショ糖を分離し、下表−7
の結果を得た。 実施例−3 前記実施例−2、表−7記載の濃縮液1,015.2kg(溶質
濃度10.6%)に新たに水2,200kgを追加し、同例と同一
の条件で逆浸透膜に給液し、ショ糖を分離した。結果は
下表−7の通りであった。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、溶媒法ショ糖脂肪酸エス
テル反応混合物から精製用溶媒を使用しないで、工業的
に、精製された粉末状ショ糖脂肪酸エステルの製造を可
能ならしめるとと共に、反応混合物中の未反応糖を回収
する手段を提供し得たことによって、以下のような多大
の効果を奏する。 (1)安価な水のみを用いてショ糖脂肪酸エステルの精製
が可能となること。 (2)ショ糖脂肪酸エステルの乾燥を、常圧下に短時間内
に行うことができるため、製品の熱劣化がないこと。 (3)溶剤の爆発、火災の心配がなく、従って、防爆仕様
の高価な電気装置も不要となること。 (4)反応溶媒及び精製用溶媒が製品に混入する懸念がな
いこと。 (5)職場の衛生環境が向上すること。 (6)低費用で工業化できること。
【図面の簡単な説明】
第1図は、水、合計糖及び合計塩各量の変化と、水相中
に溶存するショ糖脂肪酸エステル量との関係を示す三角
グラフである。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目的物のショ糖脂肪酸エステルの他、未反
    応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石鹸、
    脂肪酸及び揮発分を含む反応混合物を、中性領域のpHに
    調整し、水、中性塩及びショ糖を加えることにより生じ
    る沈澱物を酸性の水で洗浄し、中和後、噴霧乾燥すると
    共に、上記沈殿を除去した水相側を逆浸透膜と接触させ
    てショ糖を回収することを特徴とする粉末状ショ糖脂肪
    酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】反応混合物の組成が、 未反応のショ糖 =1.0〜80.0% 未反応の脂肪酸メチルエステル =0.5〜10.0% 触媒 =0.05〜7.0% 石鹸 =1.0〜10.0% 脂肪酸 =0.5〜10.0% 揮発分(残留する反応溶媒) =3.0〜50.0% である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】反応混合物が、pH6.2〜8.2に調整される請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】pH調整後の反応混合物が、50〜80℃に加熱
    される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】反応混合物に加えられる水と反応混合物の
    重量比が、水:反応混合物=5:1〜40:1である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】下記の関係式に従って、中性塩及びショ糖
    がpH調製後の反応混合物に添加される請求項1又は3記
    載の方法。 かつ、 かつ、 ここで、 合計塩量=加えられるべき中性塩量+触媒の中和によっ
    て生成する塩量 合計糖量=加えられるべきショ糖量+当初からの未反応
    糖量
  7. 【請求項7】反応混合物のpHの調整に使用される酸が、
    乳酸、酢酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれた酸の
    いずれかである請求項1又は3記載の方法。
  8. 【請求項8】反応混合物中の脂肪酸メチルエステル、石
    鹸及び脂肪酸の夫々に主として含まれる脂肪酸根が、炭
    素数が16〜22の共通飽和脂肪酸根を持つ請求項1又は2
    記載の方法。
  9. 【請求項9】反応混合物中の揮発分(残留する反応溶
    媒)の成分が、ジメチルスルホキシド又はジメチルホル
    ムアミドである請求項1又は2記載の方法。
  10. 【請求項10】反応混合物に加えられる中性塩が、食
    塩、芒硝、乳酸カリウム及び酢酸カリウムからなる群か
    ら選ばれた塩のいずれかである請求項1又は6記載の方
    法。
  11. 【請求項11】ショ糖脂肪酸エステルのエステル分布
    が、モノエステル含分として、10〜75%(ジエステル以
    上が90〜25%)である請求項1又は2記載の方法。
  12. 【請求項12】酸性の水のpH値が、3.0〜5.5である請求
    項1記載の方法。
  13. 【請求項13】酸性の水の温度が、10〜40℃である請求
    項1又は12記載の方法。
  14. 【請求項14】逆浸透膜の分画分子量が、150〜200であ
    る請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】逆浸透が、40〜60℃の温度範囲内で行わ
    れる請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】逆浸透膜への供給液のpHが、6.2〜8.2で
    ある請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】逆浸透膜が、架橋ポリアミド系プラスチ
    ックスよりなる請求項1、14又は16記載の方法。
  18. 【請求項18】逆浸透膜への供給液のショ糖濃度の上限
    値が20%である請求項1又は16記載の方法。
  19. 【請求項19】噴霧乾燥される沈殿のスラリー(泥漿)
    が、固形分=4〜40%、水分=96〜60%のものである請
    求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】噴霧乾燥時の送風空気の湿度と温度が、 の範囲内に在る請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】製品の粉末状ショ糖脂肪酸エステルの組
    成が、下記範囲内に在る請求項1記載の製法。 水分 =0.5〜5.0% 未反応脂肪酸メチルエステル =0.5〜10.0% 石鹸 =0.5〜60.0% 脂肪酸 =0.5〜10.0% ショ糖脂肪酸エステル =98.0〜15.0%
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