JP2712035B2 - 粉末状高hlbショ糖脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

粉末状高hlbショ糖脂肪酸エステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルの工業
的な製法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、精製用有機溶媒を使用せ
ずに粉末状の高HLBショ糖脂肪酸エステルを工業的に生
産すると共に、反応混合物中の未反応糖を回収する方法
に関するものである。
【従来の技術】
(背景) 現在、界面活性剤として有用なショ糖脂肪酸エステル
(以後《SE》を略す)は、工業的にショ糖とC8〜C22
高級脂肪酸メチルエステルとを溶媒(ジメチルホルムア
ミドやジメチルスルホキシドなど)中で適当な触媒下で
反応させるか(溶媒法:特公昭35−13102)又は溶媒を
用いずに水を使ってショ糖を脂肪酸石鹸と共に溶融混合
物とした後、触媒の存在下に高級脂肪酸メチルエステル
と反応させること(水媒法:特公昭51−14485号)によ
り得られている。 しかし、これら二種の合成法にいずれかによっても、
その反応混合物中には、目的とするSEの他に、未反応の
糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、残留触媒、石鹸、
遊離脂肪酸、揮発分等の夾雑物を含んでおり、これらの
夾雑物のうち含量が規定量を越す不純分は、製品と成る
以前に除去されなければならない。特に、上記夾雑物の
うち、後者の溶媒法に伴う残留溶媒(揮発分)の除去
は、近来規制が厳しくなって来ている注)だけに極めて
重要である。 注)米国FDAの規格によれば、SE中許容される残存ジ
メチルスルホキシドは2ppm以下である(Fed.Regist.,51
(214),40160−1)。 さらにSEの工業的生産上の別の重要問題点として、未
反応糖の回収という問題がある。即ち、周知のように、
SE合成時のショ糖の反応率は低く、例えばジメチルホル
ムアミド法の場合でも50%を出ないから(出願人会社発
行《シュガーエステル物語(1984)》35頁参照)、未反
応ショ糖の回収なしに本工業は経済的にも社会的にも成
り立たない。 そこで従来から、粗SEからの残留反応溶媒の除去及び
未反応糖の回収という二元的目的で多量の有機溶媒(例
えばブタノール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸
メチル等;特公昭42−11588同48−10448等参照)が慣用
されてきたが、かかる溶媒の多用は、SEの工業的な生産
に対し、以下のような著しい不利益をもたらす。 爆発、火災の危険性。 上のに備えた電気装置の防爆化。 上のに備えた製造装置の密閉化。 上のに備えた建物全体の耐火構造化。 上の、、による固定費の上昇。 溶媒の損耗による原価の上昇。 製品SE中に残留する残留溶媒による負効果。 従業員の健康上への悪影響、ひいてはその予防のた
めのシフト数の増加に伴う固定費の上昇。 このような事情から、SE精製及び糖回収時における有
機溶媒の使用を不必要化する技術の開発は、当業界にお
ける切実な要望であった。 (従来技術の問題点) そこで従来から有機溶媒を利用しない精製法が検討さ
れ、例えば代表的なものとして、 (1)酸性水溶液によるSEの沈殿方法(英国特許809,81
5(1959)) (2)一般の中性塩水溶液によるSEの沈殿法(特公昭42
−8850) などが知られている。 しかし方法(1)のように、例えば塩酸水溶液を反応
混合物中に加えると、成る程SEは直ちに沈殿するが、未
反応のショ糖は容易にグルコースと果糖とに分解、転化
し、たとえ低温(0〜5℃)で行っても分解を避けるこ
とができない。このため未反応糖の回収、再利用が困難
となる。 また、方法(2)のように、食塩や芒硝などの中性塩
の水溶液を反応混合物中に加えてもSEは直ちに沈殿す
る。この場合、未反応糖の分解は起こらないが、SE中の
有用な成分であるモノエステルが水相側に溶解してしま
うため、大きなロスを生じるのみでなく、特に近来需要
の多い、高いHLB値を持つSEを得たいとき妨げとな
る。 *親水性−親油性バランス。略1〜20の範囲の値を採
る。この値が大きい程親水性が強い。 さらにより最近の特開昭51−29417によれば、水と
“精製溶媒”(反応溶媒と区別するために、特にそう呼
ぶ)の混合溶液が軽液層(上層)と重液層(下層)に分
相する性質が利用される。即ち、一般に重液層(下層)
には水が多く含まれているので、親水性の未反応糖、触
媒由来の塩などがこの重液層(下層)に溶解している。
一方軽液層(上層)は、精製溶媒が多く含まれているの
で、SE、脂肪酸、未反応脂肪酸メチルエステル等の極性
の小さいものは、この軽液層に溶解してくる。 ところが、ジメチルスルホキシドなど反応溶媒は、下
層の重液層にも溶解するが、都合の悪いことに上層の軽
液層にも溶解するので、この方法だけで反応溶媒を完全
分離するのは不可能である。従って、微量の反応溶媒を
除去するだけの目的で、非常に多量の精製溶媒が必要と
なる。 このように、水による粗SEの精製を工業的に可能なら
しめるためには、溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製
品SEのロスを生じない精製方法を開発することが大前提
となる。 次に、水による精製を工業的に可能とするためなお考
慮すべきことは、水を精製溶媒とすることに附随する含
水SEの乾燥手段である。 即ち、ここに乾燥の対象となる含水SEは、通常、水分
80%以上のものは水溶液状態に、また水分80%未満のも
のはスラリー(泥漿)状をなしているのが普通である。
これらSEの含水物は、一般に40℃近辺から急激に粘度が
上昇し、50℃近辺で最高値となるが、同温度を越えると
急激に粘度が下がるという極めて特異な粘性挙動を呈す
る(上掲書108頁)。このほか、単に真空下で加熱して
水分を蒸発させることは、著しい発泡性のため、実質的
に不可能である。そして、もし加熱時の温度が高く、か
つ加熱体との接触時間が長い場合には、SEが分解を起こ
し、強度の着色及びカラメル化を引き起こすのみでな
く、分解により遊離した脂肪酸により酸価も上昇してく
る(特公昭37−9966参照)。 特に水分蒸発の終期には、SEの持つ軟化点又は融点の
低さという特性(例えば、ショ糖モノステアレートの軟
化点は52℃近辺、ショ糖ジステアレートの融点は110℃
付近)のため、SE自体が残存している水を抱水する傾向
を持ち、このことが脱水を著しく困難としている。加え
て、溶媒と比較して、水の蒸発潜熱が異常に高い(500k
cal/kg・H2O以上)こと、及び蒸発温度の高いこと等も
乾燥を困難ならしめる一因となっている。それ故、例え
ば別形式の乾燥法として、スラリーを加熱して連続的に
真空室へ供給、放出させる所謂フラッシュ式の乾燥機を
用いた場合においても、水の持つ大きな潜熱のため、充
分な脱水、乾燥には種々の困難がつき纏い、たとえこれ
らの困難を克服できたとしても、真空下で脱水、乾燥さ
れた後のSEは、溶融状態にあるため、それを乾燥機より
取出してから融点以下まで冷風等を吹きつけて冷却、固
化させ、最後に粉砕機で粉砕するという多くの工程を必
要とし、しかも最終の粉砕工程では、粉塵爆発の懸念が
付随する。 従って、以上のような乾燥に伴う諸問題点を解決する
ことも、本水媒法製造を実現するための重要なステップ
となる。 (発明の命題) 前述のように、水による粗SEの精製及び未反応糖の回
収を工業的に可能ならしめるためには、反応溶媒及び精
製溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製品SEのロスを生
じない精製方法を開発することが大前提となる。ただし
この理念に基づく反応混合物の精製では、水に対するSE
と未反応ショ糖の溶解度差を利用することが基本となる
から、水側に多量の未反応糖が移行するのは避けられ
ず、この溶解糖の精製及び回収なしには、本工業は経済
的にも社会的にも存立できない。従って、精製時水側へ
移行した糖を如何に効果的に回収するかということも発
明の重要な命題である。
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、精製用溶媒
を使用しないで、工業的には、製造された粉末状高HLB
−SEを取得するための技術及びこれに付帯して反応混合
物中の未反応糖を効率的に回収する手段を開発すること
によって、反応溶媒及び精製溶媒の使用に起因する一切
の問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
〔内容〕 a:発明の経緯 b:概要 c:発明の骨格 d:溶媒法によるSEの合成 e:加水 f:塩析 g:逆浸透 h:洗浄 i:限外濾過 j:噴霧乾燥 (a 発明の経緯) そこで本発明者は、(イ)水相側に溶解するSE量を最
小限に押えること、(ロ)未反応糖の分解を避けるこ
と、(ハ)残留する反応溶媒を水相側へ溶解させること
により、SEから分離すること、(ニ)沈殿したSEを精製
された状態で粉末化すること、及び(ホ)上の沈殿を分
離した濾液(又は上澄み)中の未反応糖を効率的に回収
することの五点の解決を目標として多くの塩析実験を行
なった結果、中性塩を反応混合物を水溶液中に溶解させ
たとき、適当なpH、温度、中性塩の濃度及び水量の組合
せの下で、多くの割合のSEが沈殿するのみならず、意外
なことに、水相には未反応の糖以外に触媒由来の塩が溶
解するに至るという、都合の良い現象を見出した。そし
て、ここに沈殿したSEの再度水に溶解後、中性塩水溶液
による再沈殿操作を反復して、尚も残留してSEに含まれ
る未反応糖及び揮発分を除去して後、その沈殿を適当な
pHを持つ酸性の水を加え、撹拌することによって、沈殿
中の高HLB画分が酸性水相中に移行し、残余の沈殿中に
は低HLB画分が残留する事実が分った。 因に、ここに水相中へ移行した高HLB−SEの回収及び
未反応糖の回収は、従来技術では不可能であったが、発
明者は、研究の結果、両者の回収が限外濾過膜及び逆浸
透膜の利用により水溶液の形で工業的に可能となり、最
後にこの水溶液を噴霧乾燥することによって、品質の低
下なしに該高HLB画分を粉末化できることを見出した。 かくして、SE反応混合物中から、有機溶媒を全く使用
せずに、 (1)不純物を除去すること、 (2)未反応糖を回収すること、 (3)高HLBの粉末状SEを得ること、ひいてはSEを用途
に合わせて分別すること が工業的に可能となった。 (b 概要) 本発明は、上記発見に基づくもので、目的物のショ糖
脂肪酸エステルの他、未反応の糖、未反応の脂肪酸メチ
ルエステル、触媒、石鹸、脂肪酸及び揮発分を含む反応
混合物を、中性領域のpHに調整し、水、中性塩を加える
ことにより生じる沈殿物を酸性の水で洗浄し、洗液を限
外濾過後、噴霧乾燥すると共に、上記沈殿物を除去した
残液を逆浸透膜と接触させてショ糖を回収することを特
徴とする粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルの製造方法
を要旨とする。 (c 発明の骨格) 従って、本発明は以下の諸工程から成り立つ。 (I)粗製のSE反応混合物からの不純物の除去工程(塩
析工程)。 (II)未反応のショ糖を回収する工程(逆浸透工程)。 (III)不純SE沈殿を洗浄する工程(分別工程)。 (IV)高HLB−SEの回収工程(限外濾過工程)。 (V)回収された高HLB−SEの脱水工程(噴霧乾燥工
程)。 以下、発明に関連する種々の事項につき分説する。 (d 溶媒法によるSEの合成) 溶媒法によるSEの合成においては、通常、ショ糖と脂
肪酸メチルエステルとの混合物を、これらの合計量に対
し数倍量の反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドに添
加、溶解させ、炭酸カリウム(K2CO3)等のアルカリ性
触媒の存在下、20〜30Torr近辺の真空下で数時間80〜90
℃に保持することにより、容易に90%以上の反応率(脂
肪酸メチルエステル基準)にてSE反応混合物が生成す
る。 次に、SE反応混合物中のアルカリ性触媒の活性を消失
させるため、乳酸、酢酸等の有機酸又は塩酸、硫酸等の
鉱酸を当量だけSE反応混合物に添加する。この中和によ
り、触媒は、乳酸カリウム等のカリウム塩に変化する。 最後に、反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドを真
空下に留去すると、大略、下記組成範囲の混合物(中和
及び蒸留後の反応混合物)となる。 ショ糖脂肪酸エステル =15〜95% 未反応糖 =1.0 〜80% 未反応脂肪酸メチルエステル =0.5 〜10% 炭酸カリウム由来の中性塩 =0.05〜 7% 石鹸 =1.0 〜10% 脂肪酸 =0.5 〜10% 揮発分(残留する反応溶媒) =3.0 〜30% このとき、SEのエステル分布は、モノエステル10〜75
%(ジエステル以上が90〜25%)である。そして、脂肪
酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の夫々に主として含
まれる脂肪酸根は、飽和であって、共通のC16〜C22の炭
素数を持つ。 (e 加水) 次に、上の反応混合物に対して水を、 水:反応混合物=5:1〜40:1(重量比) ……(1) 式の割合になるように、更に好ましくは、 水:反応混合物=20:1(重量比) ……(2) 式の割合に加えると共に、pHを6.2〜8.2、望ましくはpH
7.5とする。 この場合、水の添加割合が上の範囲から外れ、例え
ば、水と反応混合物との量比が5未満となった場合は、
得られた水溶液の粘度が大となり、実質的に以後の操作
が困難となる。また、逆に、水と反応混合物との量比が
40超過となる程に過剰の水を加えた場合は、粘度が小と
なって以後の操作が容易となり、かつ、目的とする反応
溶媒の除去も好適に行われるが、反面、未反応糖等の回
収に際して水分の除去に多大のエネルギーコストを必要
とすることになって、経済性が失われることになる。 さらに、水溶液のpHは、目的とするSEの分解を避ける
ため、pH6.2〜8.2の間に調整されるのが好ましい。pH8.
2以上の水素イオン濃度下では、アルカリによる定量的
なSEの分解が起こる心配があり、またpH6.2以下の弱酸
性域でも、例えば90℃以上の高温にさらされると、酸分
解の恐れがある。 (f 塩析) 以上の如くpH調整されたSE反応混合物の水溶液を、な
るべく50〜80℃に保って、更に中性塩を加える。 本発明者らは、中性塩により沈殿したSEを含む水溶液
を、50〜80℃まで加熱昇温させると、例えば塩濃度が6
%のとき、揮発分のジメチルスルホキシドが3〜30%の
範囲で反応混合物中存在していても、かつ添加された中
性塩が乳酸塩、酢酸塩、食塩又は芒硝のいずれかであっ
ても、多くの割合のSEが沈殿するという現象を見出し
た。この現象はこれまで知られていなかった特異な現象
であると共に、発明目的上、重要な価値を有するもので
ある。そしてこの事実を巧妙に利用することによって、 未反応糖 揮発分 触媒由来の塩 添加された中性塩 の四者は水相に移行し、沈殿したSEのケーキ(即ち、泥
漿状スラリー)と分離できるようになる。 下記第1表は、この現象をより詳しく示すものであ
る。同表において、 水相側に溶解しているSEの重量=Y[g] 沈殿しているSEの重量=X[g] 全SE(X+Y)[g]に対して、水相側に溶解してい
るSEの重量割合=φ[%] とすれば、φは下式(3)で定義される。 ここで、以下の条件; 温度=75℃、pH=7.8、 水:SE=20:1(重量比) 脂肪酸残基=ステアリン酸 SEの組成 ショ糖脂肪酸エステル =94% 未反応脂肪酸メチルエステル = 2% 石鹸 = 2% 脂肪酸 = 1% その他 = 1% SE中のエステル分布:モノエステル=73% ジエステル以上=27% このようにして中性塩の溶解量を決めることによっ
て、φ=0に近づけることができ(即ち、多くの割合の
SEを沈殿化することができ)、沈殿したSEの濾取又は遠
心分離により、水相側の溶解しているショ糖、揮発分、
中性塩等を除去することができる。 (g 逆浸透) 《g−1概説》 次に、以上の塩析工程により、SE合成反応混合物中か
ら水相中へ分離された未反応の糖を、触媒(K2CO3)か
らの副生塩、添加された中性塩、揮発分その他の不純物
から分離、回収する必要がある。発明者らは、研究の結
果、この目的に逆浸透法の利用が特に有効であることを
見出した。 ここに逆浸透膜に分画分子量として130〜200の範囲の
ものを選ぶと、未反応糖(分子量342)や、偶々前段の
塩析処理等で水相側へ流亡した少量のSE(分子量600以
上)は、共に問題なく濾別されるべきことが予想され
る。 一方、膜の分画分子量が130〜200より小さいと、触媒
からの副生塩、例えば、乳酸カリウム(分子量128)
や、添加された中性塩や揮発分、例えばジメチルスルホ
キシド(分子量78)は、問題なく、逆浸透膜の微細孔を
通過するであろう。この推定に基づき多くの実験を重ね
た結果、前段の塩析処理を経たショ糖、触媒からの副生
塩、塩析時添加された中性塩及び揮発分、並びに時とし
て少量のSEを含む水溶液は、温度40〜60℃で、分画分子
量150〜200近辺の逆浸透膜に対し、駆動源として限外濾
過時より大きな圧力を付与されつつ接触せしめられたと
き、触媒からの副生塩、加えられた中性塩及び揮発分の
三者は、水と共に逆浸透膜の微細孔を容易に通過するこ
とが分った。この逆浸透操作によって、不純なショ糖水
溶液(場合により少量のSEを含む)は、水、触媒からの
副生塩及び塩析に際し加えられた中性塩及び揮発分等の
低分子量の物質から分離され、濃縮された粗糖水溶液の
形となる。そしてここに得られた粗糖水溶液を再び新鮮
な水に溶解させ、再度(又は再三)同様の逆浸透処理に
付すことにより、より純度の高いショ糖水溶液が得られ
る。 以上において、逆浸透膜へ供給する被処理水溶液の温
度は良好な結果を期待するため重要であって、若し本温
度が40℃以下に低下すると、処理能力が著しく低下する
ので、実用的には40℃以上の温度を選ぶのがよい。但し
60℃を超えると、逆浸透膜の耐熱性の問題があるので、
該上限温度以下の温度で処理するのが好ましい。なお、
上記水溶液のpHも実際上重要であって、pH6.2〜8.2の領
域内がショ糖の品質に影響する恐れが小さい点で好まし
い。 《g−2逆浸透膜》 工業的な逆浸透膜は、近年進歩したものが各社から多
数上市されている。これら市販中の膜の中、耐久性、耐
熱性、耐酸、耐アルカリ性、耐菌性及び耐圧性に優れた
ものの例として、架橋ポリアミド系の逆浸透膜がある。
そしてこの種の膜の例として、例えば、東レエンジニア
リング(株)販売に係る逆浸透膜、商品名《SU−200》
等は、前述の分画分子量200近辺の値を持ち、本発明目
的によく合致する。 大体、分画分子量が200近辺の逆浸透膜の場合、供給
される水溶液中の溶質濃度を、上限値として20%、望ま
しくは、15%程度に押えることによって、工業的な処理
能力を発揮させることができる。 溶質濃度が20%を越えると、逆浸透膜の微細孔内を、
水、触媒からの副生塩及び揮発分が通過し難くなり、そ
の分、駆動圧を高めることを余儀なくされるから、結果
的に膜面積を広くとらざるを得ず、かつまた、大動力を
必要とすることになるので甚だ不経済である。これに対
し、8〜15%程度の溶質濃度であれば、工業的なショ糖
の分離は充分に可能である。例えば、下表−2の組成の
水溶液の場合、ショ糖の分離速度はpH7.5,温度50℃、駆
動圧56.0kg/cm2Gのとき、1ユニット当たり有効面積8m2
の前記逆浸透膜《SU−200》で、 に達し、他社の類似膜においても概ね同様の結果が得ら
れた。そしてどの場合においても、溶存したSEをショ糖
と共に収率よく回収できた。 以上の逆浸透処理において、反復逆浸透膜処理により
触媒からの副生塩、添加中性塩及び揮発分の三者を充分
に除去されたショ糖含有水溶液には、大凡15〜20%程度
の糖濃度を保たせることができる。濃度20%以上の糖水
溶液を得るのは、技術的に困難となる以外に、経済性も
低下してくる。従って、上記以上の糖濃度が望まれるな
らば、通常の濃縮装置、例えば、多重真空効用缶等を用
いて希望の濃度、例えば50%以上にまで濃縮することが
できる。 (h 洗浄) 前記塩析工程に於て、中性塩の添加により反応混合物
水溶液中から多くの割合で沈殿せしめられたSEは、含水
状態、即ち、泥漿(スラリー)状のものである。このも
のは、比較的少量ではあるが、なお揮発分、塩類、ショ
糖などの夾雑物を含む。発明者はこの不純泥漿の精製法
につき鋭意研究した結果、これを酸性の水で洗浄するこ
とによって良好な結果が得られることを見出した。 即ち、上記不純SEスラリーを、pH=3.0〜5.5に調整さ
れた酸性水で洗浄することによって、不純物が溶去され
る。ここに使用される酸は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸
及び酢酸、乳酸等の有機酸が適当であるが、可食性の酸
であれば、別段例示のもののみに限る訳ではない。な
お、酸性水の温度は、10〜40℃が適当である。 このような条件の下で洗浄することにより、ケーキ側
から除去を希望する不純物(揮発分、糖、添加中性塩及
び触媒由来の塩等)を水相側に移行させることができ
る。 以上の洗浄操作に当たり、酸性水の温度が40℃以上に
なると、操作が長時間、例えば数ヶ月にも及んだとき、
SEの酸分解が懸念されるだけでなく、粘度が上昇して操
作が困難となる。他方、10℃以下の低温の保持には、経
済性を軽視して冷凍機の設備が必要となる。従って、普
通は10〜40℃、殊に常温付近での操業が好ましい。 なお、この酸性水によるSEケーキの洗浄に際しては、
本ケーキ中に含まれている揮発分(反応溶媒)や、未反
応糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により副生した
塩の四者を成るだけSEケーキから除く必要があるので、
SEケーキは、包摂する不純物の粒子を遊離させるため、
該酸性水中で可能な限り小さい粒子径になるまで細断さ
れているのが望ましい。この目的は、例えば、分散混合
機(例えば特殊機器工業(株)製《ホモミキサー》)、
ホモジナイザー又はコロイドミル(例えば商品名《マイ
コロイダー》)等の細分化装置により効率的に達成で
き、揮発分(反応溶媒)、未反応糖、触媒由来の塩及び
中性塩の四者は、全量沈殿SEのケーキから酸性水相中に
移行する。 このとき沈殿物から、高HLB−SEが酸性の水側へ溶け
始めるという注目すべき現象が起こる。この高HLB−SE
の水に対する溶解傾向は、糸の温度、pH等の要因によっ
て変化するが、例えば常温でpHが3.5程度の場合、添付
第1図の通りである。 ここで、高HLB−SEは高い水溶性を持っているので、
仮にこれを《水溶性SE》と名付け、符合として“Y"を与
える。Yは高いHLBを持ち、従って高い水溶性を示す。
このため、酸性の水溶液中でも沈殿せず、該溶液内に普
通に溶解する。 これに反し、低HLB−SEは低い水溶性を持つので、一
般に一定の酸性度では沈殿する傾向がある。そこで仮に
これを《沈殿性SE》と名付け、符合として“X"を与え
る。Xは低いHLBを持ち、従って酸性水溶液中から沈殿
し易い。 上記第1図のモノエステル、ジエステル及びトリエス
テル三者の合計を100%で表わした三角座標である。同
図に於て、M点は、元のサンプルSEの組成を表す。X点
は、低いHLBのSEで沈殿性SEの組成を表す。Y点は、高H
LBのSEで、水溶性SEの組成を表す。添字1、2、3はエ
ステル分布の異なるSEを表す。 例えば、同図に於て、M2なるエステル分布(モノエス
テル=73%、ジエステル=22%、トリエステル=5%)
を持つSEサンプルにSE濃度として3%になるようにpH3.
5の水溶液を加えれば、該SEは(X2)になるエステル分
布(モノエステル=68%、ジエステル=25%、トリエス
テル=7%)を持つ沈殿性SEと、(Y2)なるエステル分
布(モノエステル=84%、ジエステル=13%、トリエス
テル=3%)を持つ水溶性SEとに分割されることが示さ
れる。 分割されるX2とY2の重量すなわちWX2及びWY2は、三角
座標の性質から、 WM2=WX2+WY2 ……(a) WY2・▲▼=WX2・▲▼ ……(b) (但し、▲▼は、M2点とY2点間の距離、X2M2
は、X2点とM2点間の距離、WM2はM2の重量、WX2はX2の重
量、WY2はY2の重量、但し重量は乾燥物としての値) なる(a)、(b)二元方程式を解くことによって求め
られる。 このように、相対的にモノエステル含量の高いSE(即
ち、HLBの高いSE)は、酸性水の方に溶解し易く、相対
的にモノエステルの低いSE(即ち、HLBの低いSE)は、
沈殿側に存在し易いという性質を巧妙に利用することに
よって、SEを高HLBのものと低HLBのものとに定量的に分
割できる。なお、一般的にSE中のモノエステル含有率が
高い程、水へ溶解するSE(Y)の量が増加し、その逆の
場合は水へ溶解するSE(Y)の量が減少するという傾向
も併せ発見にされた。 かくして、本洗浄工程で得られた酸性水溶液は、相対
的に多量の高HLB−SEを含むので、低HLBのSEを主体とす
る沈殿SEと濾過又は遠心分離する。 得られた濾液(又は上澄み)は、高HLBのSEの他に、
より少量の残存揮発分(ジメチルスルホキシド等)、
塩、ショ糖等を含んでいるので更に精製される必要があ
る。 (i 限外濾過) 《i−1概説》 そこで本発明者らは、上の高HLB−SE含有不純濾液中
より夾雑する少量の揮発分(ジメチルスルホキシド
等)、塩、ショ糖を除去する手段につき鋭意検討を加え
た結果、限外濾過膜の利用がこの目的に有効であること
を知った。 SEが、水溶液中で一定の条件下で相互に合一して高分
子量のミセル構造の集合体を作ることは、公知(前掲書
102頁参照)である。 ところで、SEの種類であるが、ショ糖の分子の3個の
第一級水酸基の酸素原子のいずれかに、夫々1〜3個の
脂肪酸残基が結合したものを夫々モノエステル、ジエス
テル及びトリエステルと称している。そして周知の如
く、モノエステルは、親水性がジエステルやトリエステ
ルに比較して大きい代りに、水中におけるミセル形成の
度合いが小さにので、比較的低分子量の(分子の直径の
小さい)SEミセル集合体を形成する。逆に、ジエステル
やトリエステルは、親水性が比較的小さい代りにミセル
形成能が極めて大きいので、水中では、極めて大きな分
子量の(即ち、分子径の大きい)SEミセル集合体を形成
する。市販のSEでは、モノエステル単品として製造され
ることは稀であって、通常はモノエステルの含量が、例
えば70%、50%、30%・・・といった混合組成物として
製造されている。 本発明者らは、例えば、モノエステルの含量が70%と
多いSEは、モノエステル含量が50%と少ないSEに比べ
て、より低分子量のSE集合体を作るので、その分、集合
体の微視的径が小さいこと、従って、一定の孔径を有す
る限外濾過膜に対してモノエステル含有量50%のSEより
も通過し易く、このため、未反応の糖や触媒からの副生
塩(触媒を酸で中和して塩としたもの)、揮発分等と一
緒に膜を通過してしまい易いという望ましくない傾向を
有することを知った。そこで本発明者らは、これに対す
る対策として、モノエステル含量の高い不純SEから未反
応の糖、触媒由来の塩、揮発分等を除去したい場合は、
分画分子量の小さい(即ち、孔径の小さい)濾過膜を選
定するのがよい、及び、逆にモノエステル含量の低いSE
の場合には、分画分子量の大きい(即ち、孔径の大き
い)濾過膜を選定するのが、処理速度を早めるため好都
合であることを見出した。 なお、発明者らは、反応混合物に含まれている物質の
うち、未反応の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸
の三者は、SEのミセル構造集合体中に内包された状態で
存在するため、SEとそれらの三者を濾過手段により分離
するのは事実上不可能であることも、多くの実験結果か
ら確認した。 そして多くの実験から、結論として言えることは、圧
力を駆動源として限外濾過膜(適当な分画分子量を持
つ)を水と共に通過できる不純物質は、未反応の糖、触
媒由来の塩、添加された中性塩類、及び揮発分(ジメチ
ルスルホキシドやジメチルホルムアミド等、SE合成に際
し溶媒として用いられた、極性が強く、水溶性が大で、
かつショ糖と親和性の大きい物質)の四者であり、一
方、高分子量のミセル集合体中に取り込まれて濾過膜を
通過できない物質は、SE、未反応の脂肪酸メチルエステ
ル、石鹸及び遊離脂肪酸等である。 本工程は、これらの事実を巧妙に利用すると共に、適
当な分画分子量を持つ限外濾過膜の選定によって、未反
応の糖、触媒由来の塩及び揮発分の三者をSE、未反応の
脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の四者から分
離、除去しようとするものである。 《i−2濾過対象物質の分子量》 適当な分画分子量を持つ限外濾過膜を選定するために
は、対象物質の大略の分子量を知っておく必要がある。
発明の関連するこれら単一物質の分子量は以下の通りで
ある。 ○ショ糖=342 ○未反応の脂肪酸メチルエステル ステアリン酸メチルエステル= 290 ○触媒(K2CO3)の中和により発生する塩 乳酸を使う場合→乳酸カリウム= 128 酢酸を使う場合→酢酸カリウム= 98 ○揮発分 ジメチルスルホキシド= 78 ジメチルホルムアミド= 73 ○SE(ミセル集合体を作らない単量体として) ショ糖モノステアレート= 600 ショ糖ジステアレート = 858 ショ糖トリステアレート=1116 ○石鹸 ステアリン酸ナトリウム=298 ステアリン酸カリウム =314 ○脂肪酸 ステアリン酸= 276 ○水=18 ところで、SEのミセル構造の集合体の見掛け分子量
(以下《SEミセル集合体の分子量》と称す)について
は、以下のように仮定する。 実際の水溶液中のSEは、水中にてミセル集合体を形成
しているから、例えば、SEのミセル会合数が10個の場
合、該ミセル集合体の分子量は、 モノエステル100%として、 ◇モノエステル単量体の分子量(600)×10=6,000 ジエステル100%として、 ◇ジエステル単量体の分子量(850)X10=8,580 トリエステル100%として、 ◇トリエステルの分子量(1,116)X10=11,160 実際のSEは、モノエステル、ジエステル及びトリエス
テルの混合物であるから、SEのミセル集合体の分子量と
しては、その平均分子量を定義するのがよい。 《i−3限外濾過膜の分画分子量》 発明目的に適った膜の選定は、次のようにして行な
う。 先ず、分画分子量が200の濾過膜では、本膜へ水溶液
状態の反応混合物を与圧しながら供給して、未反応糖と
触媒(K2CO3)から生じた塩及び揮発分の除去を狙って
も、その限外濾過膜で、分離され得るのは、限外濾過膜
の分画分子量200よりも低い分子量を持つ水、触媒(K2C
O3)から生じた塩及び揮発分のみである。分画分子量20
0より大きい分子量342のショ糖は、全く限外濾過膜を透
過しないから、未反応糖はSEより分離、除去できない。 次に、分画分子量が5,000の限外濾過膜の場合は、シ
ョ糖、触媒からの塩及び揮発分は、夫々の分子量が5,00
0より小さいので、限外濾過膜の微孔を容易に通過でき
る。SEは、前述の通りミセル集合体を構成し、ミセル会
合数を例えば10個と仮定すると、そのSEミセル集合体の
分子量は6,000以上と推定されるから、濾過膜の分画分
子量が5,000より大きいと該ミセル集合体が微孔を通過
できないものと推定されるが、この推定は実験的に確認
された。 別に、分画分子量1,000の濾過膜の場合についても検
討したが、結果は予想の通りであった。 このように、限外濾過膜の分画分子量を適当に選定す
ることによって、不純SEからの未反応糖を含む不純物の
除去が可能となる。 《i−4限外濾過膜の具備すべき条件》 SEの反応混合物に含まれる未反応糖と、触媒(K2C
O3)から副生した塩と、揮発分との三者をSE、石鹸、未
反応の脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸の四者より分離
しようとする場合、限外濾過膜の具備すべき条件は、該
膜が適当な分画分子量を有する場合、 物理的な外力に対し、抵抗力があること。 耐熱性を有し、微生物によって分解されないこと。 適当な分画分子量を持ち、処理能力の大きいこと。 耐用年数が長いこと。 経済的な価格提供が入手できること。 等である。 近年の限外濾過膜の製造における技術の進歩には著し
いものがあるから、市販のものでも上の条件を満たして
いるものが見出される。 《i−5限外濾過条件》 前段で得られた水溶性の(Y)を含む水溶液は、本限
外濾過に先立ちアルカリを加えて中和し、液性をpH6.2
〜8.2、望ましくはpH7.5付近に調整しておく。中和液の
pHが8.2を超えるとSEの分解が進み、またpH6.2未満では
SEのミセル集合体が形成され難くなるため、限外濾過膜
からSEが流れ出たり、細孔をつめたりして望ましくな
い。 濾過時の水溶液の温度は、脂肪酸メチルエステルの種
類とは無関係に80℃以下の温度が好ましく、同温度を超
えるとSEが分解する懸念がある。発明者らは、該温度が
特に40〜60℃の温度範囲内に在るとき、最大の濾過速度
が得られることを見出した。即ち、濾過温度を40〜60
℃、好ましくは約50℃に調節すると、後述の理由で、未
反応糖、触媒(K2CO3)からの塩及び添加中性塩並びに
揮発分(ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミ
ド)の三者は、水と共に最も効率良く濾過膜を通過す
る。この理由としては40〜60℃に於てSEのミセル集合体
の分子が巨大化する結果、ミセル集合体の総数が減少
し、未反応糖等の元来ミセル集合体の形成に関与しない
物質がSEの抵抗を受け難くなり、その分、未反応糖等が
通過し易くなることに困るものと推測される。 SE水溶液が、一般に40〜60℃の間で最大の粘度を示す
ことは公知(上掲書103頁)であるが、これは、その温
度範囲内で最大の分子量を持ち得ることを示唆するもの
であり、この事実からも、40〜60℃の範囲で未反応糖等
が最大の通過速度を示す理由を説明できる。 かくして、40〜60℃に維持されたSEを含む反応混合物
水溶液を、ポンプにより1〜20Kg/cm2Gまで加圧して駆
動源としての圧力をかけ、pH6.2〜8.2の水素イオン濃度
領域で限外濾過膜に接触させる。ここに濾過膜として、
セルロース系のものは物理的に弱いだけでなく、かつ微
生物にも侵され易いので、実用上余り望ましくない。実
用的に好適であるのは、支持層で補強されたポリスルホ
ン製もしくはポリ弗化ビニリデン製の膜である。これら
両種の濾過膜は現在市販されており、耐熱性、耐酸性、
耐アルカリ性に優れ、物理的外力にも強く、しかも微生
物が膜面で増殖することもない。 前述の通り、濾過膜の分画分子量の決定に際しては、
SEの洩れなしに未反応糖等の分離が効率よく行なわれ、
かつ濾過速度も大である範囲のものを選定することが重
要である。発明者らは、検討の結果、SEの洩れが無く、
未反応糖、副生塩及び揮発分の分離性が損なわれず、し
かも濾過速度が大であるという希望条件を満たす膜の分
画分子量として、1,000〜100,000の範囲内のものが好適
であること、及び、とりわけSEの洩れなく、しかも工業
的な規模での処理に適したものとして、分画分子量5,00
0の濾過膜が最も好ましいことを発見した。5,000超過の
分画分子量のものでは、僅かではあるがSEの洩れが発生
し、逆に5,000未満の分画分子量の膜では、濾過速度が
減少する。しかしいずれの場合でも、工業的に採算に乗
らない程の不利益をもたらすものではない。 現在市販の濾過膜のうちで、発明目的に適うものとし
ては、例えば東レエンジニアリング(株)の販売に係る
限界濾過膜のうち、商品名《TERP−E−5》(ポリ弗化
ビニリデン系)、《TERP−HF−10》(ポリスルホン系)
及び《TERP−HF−100》(ポリスルホン系)等がある。 以外の限外濾過処理により、塩析沈殿の酸洗液中から
揮発分、ショ糖分、塩類等の夾雑物を除去された高純度
の高HLB−SE(Y)が普通5〜15%の水溶液の形で回収
される。この高HLB−SE(Y)のモノエステル含量は、
例えば添付第1図の例では、当初73%のモノエステル含
量を持っていた粗製SEが、酸洗によりモノエステル含量
84%の高HLB−SEとモノエステル含量68%の低HLB−SEと
に分別される。このような高HLB−SEは、従来では工業
的な生産が不能視されていたものである。 (j 噴霧乾燥) 《j−1概説》 以上の高HLB−SEの水溶液は、通常の真空濃縮により2
5%程度の濃度にまで濃縮されることができるが、溶液
の状態では取扱及び流通に不便である。 しかるに、本発明者は多数の実験の結果から、上記高
HLB−SE水溶液の脱水のため、噴霧乾燥手段の利用が最
適であることを見出した。 因に、既述の如く、所謂溝型の撹拌型乾燥機で代表さ
れる通常の真空乾燥機を用いた場合も、泥漿を連続的に
供給して加熱して真空室に放出させる、また、所謂フラ
ッシュ式の乾燥機を用いた場合も、SEの持つ粘度特性や
低融点という性質のため被処理SEの酸価の上昇、着色、
カラメル化などの品質低下現象を回避することができ
ず、さらに後者の場合には、なお粉塵爆発の危険性も無
視できない。 ところが、発明者が見出した噴霧乾燥手段を採用する
ことにより、既往乾燥手段の欠点を一挙に解決すること
ができる。本発明における乾燥工程では、水溶液状態の
含水ショ糖脂肪酸エステルを、ポンプを介して噴霧乾燥
塔へ連続的に供給し、ノズルによる噴霧又は回転円盤
(ディスク)の遠心力により微細な霧状微粒子に分割し
て乾燥気流と接触させる。これにより水の蒸発面積が著
しく大きくなり、このため極めて短時間内(噴霧してか
ら数秒以内)に脱水、乾燥を完了し得る。なお霧化手段
としては、含水ショ糖脂肪酸エステルの粘度が大である
ため、回転円盤の利用が望ましい。 《j−2噴霧乾燥条件》 ショ糖脂肪酸エステルの水溶液の供給温度は40〜80℃
の間で任意に変更できるが、品質面の考慮から望ましく
は40〜60℃の範囲内の温度を選ぶ。 上記溶液又は水溶液を回転円盤により霧化させる場
合、例えば円盤の直径が5〜10cmφのときは、15,000〜
24,000rpmの回転数が適当である。 塔内へ送風される空気は、溶液又は水溶液中の水分を
蒸発させるに必要な熱量以上を保有すべきであり、従っ
て空気温度が低い場合は、より多量の空気量が必要であ
る。この際の空気温度は10〜100℃の広範囲であっても
よいが、対象ショ糖脂肪酸エステルの乾燥効率と熱分解
防止とを考慮して、60〜80℃の間の温度を選ぶのが有利
である。 送風空気中の湿度も前記の空気温度と共に乾燥効率に
関係する。作業上好適な絶対湿度は、大略、 の範囲にあるのが経済的である。 噴霧乾燥塔の所要容積、所要塔経、所要高さなどの諸
条件は、以上の噴霧条件を前提に設計される。塔の設計
及び作業条件が適当であれば、水分5%以下の粉末化さ
れた乾燥ショ糖脂肪酸エステルが、噴霧乾燥塔の下部よ
り連続的に排出される。得られた製品は、熱履歴が短い
ため、品質的に極めて優れ、かつ乾燥作業用の人員を殆
ど必要としない。
【作用】
未反応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、
石鹸、脂肪酸及び揮発分(残留する反応溶媒)を含むシ
ョ糖脂肪酸エステル生成反応混合物に酸を加えて中性領
域のpHに調整後、水、中性塩を加えて適当な温度下に塩
析すると、ショ糖脂肪酸エステル、未反応の脂肪酸メチ
ルエステル、石鹸及び脂肪酸が沈殿すると共に、揮発分
(残留する反応溶媒)が水相側に移行するので、全く有
機溶媒を使用せずに残留揮発分を除去することができ、
多くの割合のSEを沈殿相として回収することができ、更
に水相を逆浸透処理に付すことにより、未反応糖を高純
度の糖液として回収することができる。 次いで、この沈殿を酸性の水で洗い、洗液を限外濾過
することによって、該洗液中に移行した沈殿中の夾雑揮
発分や、ショ糖、加えられた中性塩及び触媒の中和によ
り副生した塩等の不純物が除去された高純度の高HLB−S
Eの水溶液が得られる。最後に、この水溶液を噴霧乾燥
することにより、高品質の高HLB−SEが、流動性の良い
粉末として連続的に生産される、かくして全く精製用溶
媒を使用せずに高いHLB値を持つ粉末状SEの工業的生産
が可能となる。
【実施例】
以下、実施例により発明実施の態様を具体的に説明す
るが、各例示は当然説明用のものであって、発明の技術
的範囲とは直接関係のないものである。 実施例 下表−3の組成で表される溶媒法SE反応混合物から反
応溶媒を留去した残液を乳酸で中和後、乾燥させた乾物
100kgに水2,000kgを加えて溶解させた。 この水溶液に、50%乳酸カリウム253.0kgを加えて、7
5℃まで加熱、昇温させ、沈殿したケーキを濾別後、真
空下80℃で乾燥し、固形物の組成を調べたところ、下表
−4の通りであった。なおケーキ中の水分は48.1%であ
った。 なお、ケーキを濾別した際に得た塩析濾液(2,230k
g)中のSE量をゲル濾過クロマトグラフィー(GPC法)
(上掲書63頁参照)で測定したところ、SEの損失は当初
量の1.5%であった。 上の固形分63.9kgと水59.2kgとからなるケーキ123.1k
gに常温の塩酸水(pH3.5)2,000kgを加えたところ、直
ちにSEが白色沈殿として析出した。 次いで、この沈殿を含む酸性の水溶液(pH3.5)をホ
モミキサー(特殊機器工業(株)製)で、充分撹拌した
後、沈殿を濾取した。この沈殿に、再び酢酸水を加えて
再洗浄する操作を二回行った後、苛性ソーダでpH7.3に
調整し、真空下80℃で乾燥させ、下表−5の組成を持つ
固形物を得た。 上表−5のケーキを、pH3.5の常温酢酸水2,000kgに溶
解させ、ホモミキサーで10分間撹拌、細分化した後、濾
過する操作を合計5回繰返すことによって得られた濾液
約10,000kgをpH7.5に調整し、東レエンジニアリング
(株)製限外濾過膜《TERP−E−5》(分画分子量5,00
0)を装置した10ユニットの円筒形加圧濾過膜(各ユニ
ットの膜面積8m2、スパイラル型(4インチ×1m))へ
以下の条件で送液した。 温度=50℃〜54℃、 濾過膜からの排出速度=15〜22(kg/分)、 濾過膜の循環速度=88〜95(kg/分)、 圧力=9.5(kg/cm2G)、 約480分後、濃縮された溶液250kgが得られた。濃縮さ
れた溶液の組成は、下表−6の通りであった。 SE中のモノエステル含有率は、64%と当初のモノエス
テル含有率50%に比して大巾に増加しており、それだけ
HLB値も高くなっている。 この水溶液を減圧下に総量81.6kg、固形分濃度7.5%
まで濃縮した後、以下の条件下に噴霧乾燥した。 噴霧乾燥塔の直径:2.0mφ 直筒部の長さ:1.5m 回転円筒(ディスク)径:10cmφ 円盤回転数:20,000rpm 入口空気温度:52℃ スラリー供給温度:50℃ 噴霧乾燥塔の下部から得られた粉末状SEは、水分1.65
%、嵩比重0.46で、過熱による着色も無く、流動性のよ
いものであった。 乾燥は安定して継続でき、得られた粉末は、当初の反
応混合物中のエステル分布において、モノエステル含量
50.0%(ジエステル以上50%)のSEが、モノエステル含
量64.0%に上昇し、その分高いHLB値を示すSEであっ
た。 次に、前記塩析濾液2,230kg(乳酸カリウムの添加に
よりSEを沈殿として分離した後の、ショ糖、塩及び揮発
分を含む水溶液)に水約2.000kgを加え、下表−7の組
成の液を調製した。 この水溶液(pH7.5)を50.0℃に加熱し、ポンプ圧力5
9.0Kg/cm2Gで逆浸透膜(商品名《SU−200》前出)(直
径4インチ×長さ1メートル、濾過面積8m2)に下記の
条件下に供給した。 膜透過水溶液の排出速度:4.0〜2.0/分 逆浸透膜廻りの循環速度=20.0/分 供給時間=約880分 膜を透過しなかった濃縮液は、1,630kgであった。 一方、膜を透過した触媒からの副生塩及び揮発分を含
む水溶液2,630kgは、下表−8(透過液の欄)記載の通
り、殆ど糖を含まず、触媒からの副生塩及び添加中性塩
を当初量の66.7%、揮発分を同じく69.5%含んでいた。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、溶媒法ショ糖脂肪酸エ
ステル反応混合物から精製用溶媒を使用しないで、工業
的に、精製された高HLBの粉末状ショ糖脂肪酸エステル
の製造を可能ならしめると共に、反応混合物中の未反応
糖を回収する手段を提供し得たことによって、以下のよ
うな多大の効果を奏する。 (1)安価な水のみを用いてショ糖脂肪酸エステルの精
製が可能となること。 (2)ショ糖脂肪酸エステルの乾燥を、常圧下に短時間
内に行うことができるため、製品の熱劣化がないこと。 (3)溶剤の爆発、火災の心配がなく、従って、防爆仕
様の高価な電気装置も不要となること。 (4)精製用溶媒が製品に混入する懸念がないこと。 (5)職場の衛生環境が向上すること。 (6)低費用で工業化できること。
【図面の簡単な説明】
第1図は、SEのエステル組成と酸性水への溶解度との関
係を示す三元グラフである。

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目的物のショ糖脂肪酸エステルの他、未反
    応の糖 未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石鹸、
    脂肪酸及び揮発分を含む反応混合物を、中性領域のpHに
    調整し、水、中性塩を加えることにより生じる沈殿物を
    酸性の水で洗浄し、洗液を限外濾過後、噴霧乾燥すると
    共に、上記沈殿物を除去した残液を逆浸透膜と接触させ
    てショ糖を回収することを特徴とする粉末状高HLBショ
    糖脂肪酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】反応混合物の組成が、 ショ糖脂肪酸エステル =15.0〜95.0% 未反応のショ糖 =1.0 〜80.0% 未反応の脂肪酸メチルエステル =0.5 〜10.0% 触媒 =0.05〜 7.0% 石鹸 =1.0 〜10.0% 脂肪酸 =0.5 〜10.0% 揮発分 =3.0 〜30.0% である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】反応混合物が、pH6.2〜8.2に調整される請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】pH調整後の反応混合物が、50〜80℃に加熱
    される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】反応混合物に加えられる水と反応混合物の
    重量比が、水:反応混合物=5:1〜40:1である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】反応混合物のpHの調整に使用される酸が、
    乳酸、酢酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれた酸の
    いずれかである請求項1又は3記載の方法。
  7. 【請求項7】反応混合物中の脂肪酸メチルエステル、石
    鹸及び脂肪酸の夫々に主として含まれる脂肪酸根が、炭
    素数が16〜22の共通飽和脂肪酸根を持つ請求項1又は2
    記載の方法。
  8. 【請求項8】反応混合物の揮発分(残留する反応溶媒)
    の成分が、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムア
    ミドである請求項1又は2記載の方法。
  9. 【請求項9】反応混合物に加えられる中性塩が、食塩、
    芒硝、乳酸カリウム及び酢酸カリウムからなる群から選
    ばれた塩のいずれかであって、かつ、水/中性塩94/6
    (重量比)である請求項1又は6記載の方法。
  10. 【請求項10】ショ糖脂肪酸エステルのエステル分布
    が、モノエステル含分として、10〜75%(ジエステル以
    上が90〜25%)である請求項1又は2記載の方法。
  11. 【請求項11】酸性の水のpH値が、3.0〜5.5である請求
    項1記載の方法。
  12. 【請求項12】酸性の水の温度が、10〜40℃である請求
    項1又は12記載の方法。
  13. 【請求項13】限外濾過膜が、ポリスルホン系又はポリ
    弗化ビニリデン系の樹脂からなる請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】限外濾過膜の分画分子量が1,000−100,0
    00である請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】限外濾過時の駆動源としての圧力が1.0
    〜20.0kg/cmGである請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】限外濾過時の反応混合物水溶液のpHが、
    6.2〜8.2である請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】限外濾過時の反応混合物水溶液の温度
    が、40〜60℃である請求項1又は16記載の方法。
  18. 【請求項18】逆浸透膜の分画分子量が、150〜200であ
    る請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】逆浸透膜への供給液の温度が、40〜60℃
    である請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】逆浸透膜へ供給液のpHが、6.2〜8.2であ
    る請求項1又は19記載の方法。
  21. 【請求項21】逆浸透膜が、架橋ポリアミド系プラスチ
    ックスよりなる請求項1及び19から21のいずれかに記載
    の方法。
  22. 【請求項22】逆浸透膜への供給液のショ糖濃度が10〜
    20%である請求項1及び19又は20記載の方法。
  23. 【請求項23】噴霧乾燥される沈殿のスラリー(泥漿)
    が、固定分=4〜40%、水分=96〜60%のものである請
    求項1記載の方法。
  24. 【請求項24】噴霧乾燥時の送風空気の湿度と温度が、 温度=10.0〜100.0℃ の範囲内に在る請求項1記載の方法。
  25. 【請求項25】製品の粉末状ショ糖脂肪酸エステルの組
    成が、下記範囲内に在る請求項1記載の製法。 水分 = 0.5〜 5.0% 未反応脂肪酸メチルエステル = 0.5〜10.0% 石鹸 = 0.5〜60.0% 脂肪酸 = 0.5〜10.0% ショ糖脂肪酸エステル =98.0〜15.0%
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