JP2686971B2 - 高hlbショ糖脂肪酸エステルの精製法 - Google Patents

高hlbショ糖脂肪酸エステルの精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、高HLBショ糖脂肪酸エステルの工業的な精
製法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、精製用有機溶媒を使用せ
ずに、高純度の高HLBショ糖脂肪酸エステルを水溶液状
態で得る技術に関するものである。
【従来の技術】
(背景) 現在、界面活性剤として有用なショ糖脂肪酸エステル
(以後《SE》とも略す)は、工業的に、ショ糖とC8〜C
22の高級脂肪酸メチルエステルとを溶媒(ジメチルホル
ムアミドやジメチルスルホキシドなど)中で適当な触媒
下で反応させるか(溶媒法:特公昭35−13102)又は溶
媒を用いずに、水を使ってショ糖を脂肪酸石鹸と共に溶
融混合物とした後、触媒の存在下に高級脂肪酸メチルエ
ステルと反応させること(水媒法:特公昭51−14485
号)により得られている。 しかし、これら二種の合成法のいづれによっても、そ
の反応混合物中には、目的とするSEの他に、未反応の
糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、残留触媒、石鹸、
遊離脂肪酸、揮発分等の夾雑物を含んでおり、これらの
夾雑物のうち含量が規定量を越す不純分は、製品と成る
以前に除去されなければならない。特に、上記夾雑物の
うち、前者の溶媒法に伴う残留溶媒(揮発分)の除去
は、近来規制が厳しくなって来てい注)るだけに極めて
重要である。 注)米国FDAの規格によれば、SE中許容される残存ジメ
チルスルホキシドは2ppm以下である(Fed.Regist.,51
(214),40160−1)。 そこで従来から、粗SEからの残留反応溶媒の除去とい
う目的で多量の有機溶媒(例えばブタノール、トルエ
ン、メチルエチルケトン、酢酸メチル等;特公昭42−11
588同48−10448等参照)が慣用されてきたが、かかる溶
媒の多用は、SEの工業的な生産に対し以下のような著し
い不利益をもたらす。 爆発、火災の危険性 上のに備えた電気装置の防爆化。 上のに備えた製造装置の密閉化。 上のに備えた建物全体の耐火構造化。 上の、、による固定費の上昇。 溶媒の損耗による原価の上昇。 製品SE中に残留する残留溶媒による負効果。 従業員の健康上への悪影響、ひいてはその予防のた
めのシフト数の増加に伴う固定費の上昇。 このような事情から、SE精製時における有機溶媒の使
用を不必要化する技術の開発は、当業界における切実な
要望であった。 (従来技術の問題点) そこで、従来から有機溶媒を利用しない精製法が検討
され、例えば代表的なものとして、 (1)酸性水溶液によるSEの沈殿方法(英国特許809,81
5(1959)) (2)一般の中性塩水溶液によるSEの沈澱法(特公昭42
−8850) などが知られている。 しかし方法(1)のように、例えば塩酸水溶液を反応
混合物中に加えると、成る程SEは直ちに沈澱するが、未
反応のショ糖は容易にグルコースと果糖とに分解、転化
し、たとえ低温(0〜5℃)で行っても分解を避けるこ
とができない。このため未反応糖の回収、再利用が至難
となる。 また、方法(2)のように、食塩や芒硝などの中性塩
の水溶液を反応混合物中に加えてもSEは直ちに沈澱す
る。この場合、未反応糖の分解は起こらないが、SE中の
有用な成分であるモノエステルが水相側に溶解してしま
うため、大きなロスを生じるのみでなく、特に近来需要
の多い、かつ本発明の目的でもある高いHLB値を持つS
E(以下《高HLB−SE》ともいう)を得たいとき妨げとな
る。 *親水性−親油性バランス。略1〜20の範囲の値を探
る。この値が大きい程親水性が強い。 さらにより最近の特開昭51−29417によれば、水と
“精製溶媒”(反応溶媒と区別するために、特にそう呼
ぶ)の混合溶液が軽液層(上層)と重液層(下層)に分
相する性質が利用される。即ち、一般に重液層(下層)
には水が多く含まれているので、親水性の未反応糖、触
媒由来の塩などがこの重液層(下層)に溶解している。
一方軽液層(上層)は、精製溶媒が多く含まれているの
で、SE、脂肪酸、未反応脂肪酸メチルエステル等の極性
の小さいものは、この軽液層に溶解してくる。 ところが、ジメチルスルホキシドなど反応溶媒は、下
層の重液層にも溶解するが、都合の悪いことに上層の軽
液層にも溶解するので、この方法だけで反応溶媒を完全
に分離するのは不可能である。従って、微量の反応溶媒
を除去するだけの目的で、非常に多量の精製溶媒が必要
となる。 このように、水による粗SEの精製を工業的に可能なら
しめるためには、溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製
品SEのロスを生じない精製方法を開発することが大前提
となるが、かかる方法は未だ開発されていない。
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、精製用溶媒
を使用しないで、工業的に、SE反応混合物中の未反応糖
のみならず、残留溶媒、触媒からの副生塩その他の夾雑
物除去された、精製された高HLB−SEを取得するための
技術を開発することによって、反応溶媒及び精製溶媒の
使用に起因する一切の問題点を解決することである。 (発明の概念) そこで本発明者は、(イ)水相側に溶解するSE量を最
少限に押えるのみならず、可能ならば該量を零として全
量のSEを沈澱させること及び(ロ)未反応糖の分解を避
けること、(ハ)残留する反応溶媒を水相外に溶解させ
ることにより、SEから分離すること、(ニ)沈殿したSE
を精製された状態で粉末化すること、(ホ)上の沈殿を
分離した濾液(又は上澄み)中の未反応糖を効率的に回
収することの五点の解決を目標として多くの塩析実験を
行なった結果、ショ糖と中性塩を反応混合物の水溶液中
に溶解させたとき、適当なpH、温度、中性塩及びショ糖
の濃度及び水量の組合せの下で、意外なことに、SEが水
相中に溶出せず、その略々全量が沈澱するのみならず、
水相には、未反応の糖以外に、除去が望まれる触媒由来
の塩が溶出するに至るという、都合の良い現象を見出し
た。そして、ここに沈殿したSEを再度水に溶解後、中性
塩及びショ糖水溶液による再沈澱操作を反復しても、SE
は水相中に移行することなく沈殿状態を保つこと、及び
この沈殿に適当なpHを持つ酸性の水を加えて洗浄するこ
とによって、残余の沈殿中の高HLB画分及び可溶性不純
物が酸性水相中に移行し、残余の沈殿中には高純度の低
HLB画分が残留することが判明した。そして更に、ここ
に水相中へ移行した高HLB−SEの回収が、限外濾過膜の
利用により水溶液の形で工業的に可能となることも分っ
た。 かくして、SE反応混合物中から、有機溶媒を全く使用
せずに、 (1)不純物を除去すること、 (2)高HLBのSEを得ること、ひいてはSEを用途に合わ
せて分別すること が工業的に可能となったが、これらは従来不可能視され
てきたことであって、従来技術から予想できなかったこ
とである。 (概要) 本発明は、上記発見に基づくもので、目的物のショ糖
脂肪酸エステルの他、未反応の糖、未反応の脂肪酸メチ
ルエステル、触媒、石鹸、脂肪酸及び揮発分を含む反応
混合物を、中性領域のpHに調整し、水、中性塩及びショ
糖を加えることにより生じる沈澱物を酸性の水で洗浄
し、洗液を中和後、限外濾過することを特徴とする高HL
Bショ糖脂肪酸エステルの精製方法を要旨とする。 (発明の骨格) 従って、本発明は以下の諸工程から成り立つ。 (I)粗製のSE反応混合物からの不純物の除去工程(塩
析工程)。 (II)不純SE沈殿を洗浄する工程(分別工程)。 (III)高HLB−SEの回収工程(限外濾過工程)。 以下、発明に関連する重要な事項につき分説する。 (溶媒法によるSEの合成) 溶媒法によるSEの合成においては、通常、ショ糖と脂
肪酸メチルエステルとの混合物を、これらの合計量に対
し数倍量の反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドに添
加、溶解させ、炭酸カリウム(K2CO3)等のアルカリ性
触媒の存在下、真空20〜30Torr近辺で数時間80〜90℃に
保持することにより、容易に90%以上の反応率(脂肪酸
メチルエステル基準)にてSE反応混合物が生成する。 次に、SE反応混合物中のアルカリ性触媒の活性を消失
させるため、乳酸、酢酸等の有機酸又は塩酸、硫酸等の
鉱酸を当量だけSE反応混合物に添加する。この中和によ
り、触媒は、乳酸カリウム等の相当する中性塩類に変化
する。 最後に、反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドを真
空下に留去すると、大略、下記組成範囲の混合物(中和
及び蒸留後の反応混合物)となる。 ショ糖脂肪酸エステル=15〜95% 未反応糖=1.0〜80% 未反応脂肪酸メチルエステル=0.5〜10% 炭酸カリウム由来の中性塩=0.05〜7% 石鹸=1.0〜10% 脂肪酸=0.5〜10% 揮発分(残留する反応溶媒)=3.0〜30% このとき、SEのエステル分布は、モノエステル10〜75
%(ジエステル以上が90〜25%)である。そして、脂肪
酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の夫々に主として含
まれる脂肪酸根は、飽和であって、共通のC16〜C22の炭
素数を持つ。 (加水) 次に、上の反応混合物に対して水を、 水:反応混合物=5:1〜40:1(重量比) …(1) 式の割合になるように、更に望ましくは、 水:反応混合物=20:1(重量比) …(2) 式の割合に加えると共に、pHを6.2〜8.2、望ましくは
pH7.5とする。 この場合、水の添加割合が上の範囲から外れ、例え
ば、水と反応混合物との量比が5未満となった場合は、
得られた水溶液の粘度が大となり、実質的に以後の操作
が困難となる。また、逆に、水と反応混合物との量比が
40超過となる程に過剰の水を加えた場合は、粘度が小と
なって以後の操作が容易となり、かつ、目的とする反応
溶媒の除去も好適に行われるが、反面、未反応糖等の回
収に際して水分の除去に多大のエネルギーコストを必要
とすることになって、経済性が失われるに至る。 更に、水溶液のpHは、目的とするSEの分解を避けるた
め、pH6.2〜8.2の間に調整されるのが好ましい。pH8.2
以上の水素イオン濃度下では、アルカリによる定量的な
SEの分解が起こる心配があり、またpH6.2以下の弱酸性
域でも、例えば90℃以上の高温にさらされると、酸分解
の恐れがある。 (塩析) 以上の如くpH調整されたSE反応混合物の水溶液をなる
べく50〜80℃に保って、更に中性塩及びショ糖を加え
る。この場合、加えるべき中性塩は、先ず下式(3)を
満たしているのが好ましい。 ここで、 合計塩量=加えるべき中性塩量 +触媒から形成される塩量 …(4) 合計糖量=加えるべきショ糖量+当初からの未反応糖量
…(5) 次に、加えるべきショ糖の量は、下式(6)により定
められるのがよい。 更に、上記の両式に加え、合計塩量と合計糖量の重量
比率もまた、下式(7)を満足しているのが好ましい。 本発明者らは、上記式(3)、(6)及び(7)を三
者共に満たすように中性塩及びショ糖を加えて得たSEの
沈澱を含む水溶液を、50〜80℃まで加熱昇温させると、
添加された中性塩が乳酸塩、酢酸塩、食塩又は芒硝のい
ずれであっても、略々近似的に全量のSEが沈澱すること
を発見した。この現象はこれまで知られていなかった特
異な現象であると共に、発明目的上、重要な価値を有す
るものである。そしてこの事実を巧妙に利用することに
よって、 未反応糖を含む全ショ糖(合計糖) 揮発分 触媒由来の塩 添加された中性塩 の四者は水相に移行し、沈殿したSEのケーキ(即ち、泥
漿状スラリー)と分離できるようになるのである、因
に、この際の液性は酸性ではないから、ショ糖が分解す
ることはなく、従って、必要に応じて回収・再利用する
のも容易である。 添付の第1図は、この現象をより詳しく示す三元グラ
フである。この図において、 水相側に溶解しているSEの重量=Y[g] 沈澱しているSEの重量=X[g] 全SE(X+Y)[g]に対して、水相側に溶解している
SEの重量割合=φ[%] とすれば、φは下式(8)で定義される。 ここで、以下の条件; 温度=80℃、pH=7.5 水:反応混合物=7.4:1(重量比) 脂肪酸残基=ステアリン酸 反応混合物の組成 ショ糖脂肪酸エステル=29% 未反応糖=35% 未反応脂肪酸メチルエステル=2% 触媒由来の塩=1% 石鹸=3% 脂肪酸=1% 揮発分(残留する反応溶媒)=29% SE中のエステル分布:モノエステル=65% ジエステル以上=35% において、φの値がどのように変化するかが三角座標で
示される。 ここに、合計塩は式(4)により、合計糖は式(5)
により夫々で定義された量であって、 水量+合計塩量+合計糖量=100% として表示してある。 本第1図の斜線の部分は、本発明者らが発見した式
(3)、式(6)、及び式(7)を同時に満たす領域で
ある。 この斜線の部分に入るような中性塩及びショ糖の溶解
量を決めることによって、実質的にφ≒0即ち、近似的
に全量のSEを沈澱化することができ、沈澱したSEの濾取
又は遠心分離により、水相側に溶解しているショ糖、揮
発分、中性塩等を除去することができる。 (洗浄) 前記塩析工程に於て、中性塩及びショ糖の添加により
反応混合物水溶液中から略々近似的に全量沈殿せしめら
れたSEは、含水状態、即ち、泥漿(スラリー)状のもの
である。このものは、比較的少量ではあるが、なお揮発
分、塩類、ショ糖などの夾雑物を含む。発明者はこの不
純泥漿の精製法につき鋭意研究した結果、これを酸性の
水で洗浄することによって良好な結果が得られることを
見出した。 即ち、上記不純SEスラリーを、pH=3.0〜5.5に調整さ
れた酸性水で洗浄することによって、不純物が溶去され
る。ここに使用される酸は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸
及び酢酸、乳酸等の有機酸が適当であるが、可食性の酸
であれば、別段例示のもののみに限る訳ではない。な
お、酸性水の温度は、10〜40℃が適当である。 このような条件の下で洗浄することにより、ケーキ側
から除去を希望する不純物(即ち、揮発分、合計糖、添
加中性塩及び触媒由来の塩等)を水相側に移行させるこ
とができる。 以上の洗浄操作に当たり、酸性水の温度が40℃以上と
なると、操作が長時間、例えば数ヶ月にも及んだとき、
SEの酸分解が懸念されるだけでなく、粘度が上昇して操
作が困難となる。他方、10℃以下の低温の保持には、経
済性を軽視した冷凍機の設備が必要となる。従って、普
通は10〜40℃、殊に常温付近での操業が好ましい。 なお、この酸性水によるSEケーキの洗浄に際しては、
本ケーキ中に含まれている揮発分(反応溶媒)や、未反
応糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により副生した
塩の四者を成るだけSEケーキから除く必要があるので、
被処理SEケーキは、該ケーキから包摂する不純物の粒子
を遊離し易くするため、該酸性水中で可能な限り小さい
粒子径になるまで細断されているのが望ましい。この目
的は、例えば、分散混合機(例えば特殊機器工業(株)
製《ホモミキサー》)、ホモジナイザー又はコロイドミ
ル(例えば商品名《マイコロイダー》)等の細分化装置
により効率的に達成でき、揮発分(反応溶媒)、未反応
糖、触媒由来の塩及び中性塩の四者は、全量沈澱SEのケ
ーキから酸性水相中に移行する。このとき、沈澱物か
ら、高いHLBのSEが酸性の水側へ溶け始めるという注目
すべき現象が起こる。この高HLB−SEの水に対する溶解
傾向は、系の温度、pH等の要因によって変化するが、例
えば常温でpHが3.5程度の場合、添付第2図の通りであ
る。 ここで、高いHLBのSEは高い水溶性を持っているの
で、仮にこれを《水溶性SE》と名付け、符合として“Y"
を与える。Yは高いHLBを持ち、従って高い水溶性を示
す。このため、酸性の水溶液中でも沈殿せず、該溶液内
に普通に溶解する。 こにに反し、低いHLBのSEは低い水溶性を持つので、
一般に一定の酸性度では沈殿する傾向がある。そこで仮
にこれを《沈澱性SE》と名付け、符合として“X"を与え
る。Xは低いHLBを持ち、従って酸性水溶液中から沈澱
し易い。 上記第2図は、モノエステル、ジエステル及びトリエ
ステル三者の合計を100%で表わした三角座標である。
同図に於て、M点は、元のサンプルSEの組成を表す。X
点は、低いHLBのSEで沈澱性SEの組成を表す。Y点は、
高HLBのSEで、水溶性SEの組成を表す。添字1、2、3
は、夫々エステル分布の異なるSEを表す。 今、例えば、同図に於て、M2なるエステル分布(モノ
エステル=73%、ジエステル=22%、トリエステル=5
%)を持つSEサンプルにSE濃度として3%になるように
pH3.5の水溶液を加えれば、該SEは沈澱性SE(X2)なる
エステル分布(モノエステル=68%、ジエステル=25
%、トリエステル=7%)と、水溶性SE(Y2)なるエス
テル分布(モノエステル=84%、ジエステル=13%、ト
リエステル=3%)に分割されることが示される。 分割されるX2とY2の重量は、三角座標の性質から、 WM2=WX2=WY2 …(a) (但し、▲▼は、M2点とY2点間の距離、▲
▼は、X2点とM2点間の距離、WM2はM2の重量、WX2
X2の重量、WY2はY2の重量、但し、以上乾物の重量とす
る。)なる(a)、(b)両式を解くことによって、WX
2及びWY2が求められる。 このように、相対的にモノエステル含量の高いSE(即
ち、HLBの高いSE)は、酸性水の方に溶解し易く、相対
的にモノエステルの低いSE(即ち、HLBの低いSE)は、
沈澱側に存在し易いという性質を巧妙に利用することに
よって、SEを高HLBのものと低HLBのものとに定量的に分
割できる。なお、一般的にSE中のモノエステル含有率が
高い程、水へ溶解するSE(Y)の量が増加し、その逆の
場合は水へ溶解するSE(Y)の量が減少するという傾向
も併せて発見した。そして任意の組成のSEがどれ程酸性
中に溶解するかは、第2図のデータで与えられるφの値
を式(a)及び(b)に代入してWX及びWYの値を解くこ
とによって、定量的に求めることができる。 かくして、本洗浄工程で得られた酸性水溶液は、相対
的に多量の高HLB−SEを含むので、低HLBのSEを主体とす
る沈澱SEと濾過又は遠心して分離する。得られた濾液
(又は上澄み)は、高HLBのSEの他に、より少量の残存
揮発分(ジメチルスルホキシド等)、塩、ショ糖等を含
んでいるので更に精製される必要がある。 (限外濾過) そこで本発明者らは、上記の不純な高HLB−SE含有濾
液中より夾雑する少量の揮発分、塩、ショ糖を除去する
手段につき鋭意検討を加えた結果、限外濾過膜の利用が
この目的に有効であることを知った。 SEが、水溶液中で一定の条件下で相互に合一して高分
子量のミセル構造の集合体を作ることは、公知(前掲書
102頁参照)である。 ところで、SEの種類であるが、ショ糖の分子の3個の
第一級水酸基の酸素原子のいづれかに、夫々1〜3個の
脂肪酸残基が結合したものを夫々モノエステル、ジエス
テル及びトリエステルと称している。そして周知の如
く、モノエステルは、親水性がジエステルやトリエステ
ルに比較して大きい代りに、水中におけるミセル形成の
度合いが小さいので、比較的低分子量の(分子の直径の
小さい)SEミセル集合体を形成する。逆に、ジエステル
やトリエステルは、親水性が比較的小さい代りにミセル
形成能が極めて大きいので、水中では、極めて大きな分
子量の(即ち、分子径の大きい)SEミセル集合体を形成
する。市販のSEでは、モノエステル単品として製造され
ることは稀であって、通常はモノエステルの含量が、例
えば70%、50%、30%・・・といった混合組成物として
製造されている。 本発明者らは、例えば、モノエステルの含量が70%と
多いSEは、モノエステル含量が50%と少ないSEに比べ
て、より低分子量のSE集合体を作るので、その分、集合
体の微視的径が小さいこと、従って、一定の孔径を有す
る限外濾過膜に対してモノエステル含有量50%のSEより
も通過し易く、このため、未反応の糖や触媒からの副生
塩(触媒を酸で中和して塩としたもの)、揮発分等と一
緒に膜を通過してしまい易いという望ましくない傾向を
有することを知った。そこで本発明者らは、これに対す
る対策として、モノエステル含量の高い不純SEから未反
応の糖、触媒由来の塩、揮発分等を除去したい場合は、
分画分子量の小さい(即ち、孔径の小さい)濾過膜を選
定するのがよいこと、及び逆にモノエステル含量の低い
SEの場合には、分画分子量の大きい(即ち、孔径の大き
い)濾過膜を選定するのが処理速度を速めるのに好都合
であることを見出した。 なお、発明者らは、反応混合物に含まれている物質の
うち、未反応の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸
の三者は、SEのミセル構造集合体中に内包された状態で
存在するため、SEとそれらの三者を濾過手段により分離
するのは事実上不可能であることも、多くの実験結果か
ら確認した。 そして多くの実験から、結論として言えることは、圧
力を駆動源として限外濾過膜(適当な分画分子量を持
つ)を水と共に通過できる不純物質は、未反応の糖を含
むショ糖、触媒由来の塩、添加された中性塩類、及び揮
発分(ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド
等、SE合成に際し溶媒として用いられた、極性が強く、
水溶性が大で、かつショ糖と親和性の大きい物質)の四
者であり、一方、高分子量のミセル集合体中に取り込ま
れて濾過膜を通過できない物質は、SE、未反応の脂肪酸
メチルエステル、石鹸及び遊離脂肪酸等である。 本工程は、これらの事実を巧妙に利用すると共に、適
当な分画分子量を持つ限外濾過膜の選定によって、未反
応の糖、触媒由来の塩及び揮発分の三者をSE、未反応の
脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の四者から分
離、除去しようとするものである。 《濾過対象物質の分子量》 適当な分画分子量を持つ限外濾過膜を選定するために
は、対象物質の大略の分子量を知っておく必要がある。
発明と関連するこれら単一物質の分子量は、以下の通り
である。 ○ショ糖=342 ○未反応の脂肪酸メチルエステル ステアリン酸メチルエステル=290 ○触媒(K2CO3)の中和により発生する塩 乳酸を使う場合→乳酸カリウム=128 酢酸を使う場合→酢酸カリウム=98 ○揮発分 ジメチルスルホキシド=78 ジメチルホルムアミド=73 ○SE(ミセル集合体を作らない単量体として) ショ糖モノステアレート=600 ショ糖ジステアレート=858 ショ糖トリステアレート=1116 ○石鹸 ステアリン酸ナトリウム=298 ステアリン酸カリウム=314 ○脂肪酸 ステアリン酸=276 ○水=18 ところで、SEのミセル構造の集合体の見掛け分子量
(以下《SEミセル集合体の分子量》と称す)について
は、以下のように仮定する。 実際の水溶液中のSEは、水中にてミセル集合体を形成
しているから、例えば、SEのミセル会合数が10個の場
合、該ミセル集合体の分子量は、 モノエステル100%として、 ◇モノエステル単量体の分子量(600)×10=6,000 ジエステル100%として、 ◇ジエステル単量体の分子量(850)X10=8,580 トリエステル100%として、 ◇トリエステルの分子量(1,116)X10=11,160 実際のSEは、モノエステル、ジエステル及びトリエス
テルの混合物であるから、SEのミセル集合体の分子量と
しては、その平均分子量を定義するのがよい。 《限外濾過膜の分画分子量》 発明目的に適った膜の選定は、次のようにして行な
う。 先ず、分画分子量が200の濾過膜では、本膜へ水溶液
状態の反応混合物を与圧しながら供給して、未反応糖と
触媒(K2CO3)から生じた塩及び揮発分の除去を狙って
も、その限外濾過膜で、分離され得るのは、限外濾過膜
の分画分子量200よりも低い分子量を持つ水、触媒(K2C
O3)から生じた塩及び揮発分のみである。分画分子量20
0より大きい分子量342のショ糖は、全く限外濾過膜を透
過しないから、未反応糖はSEから分離、除去できない。 次に、分画分子量が5,000の限外濾過膜の場合は、シ
ョ糖、触媒からの塩及び揮発分は、夫々の分子量が5,00
0より小さいので、限外濾過膜の微孔を容易に通過でき
る。SEは、前述の通りミセル集合体を構成し、ミセル会
合数を例えば10個と仮定すると、そのSEミセル集合体の
分子量は6,000以上と推定されるから、濾過膜の分画分
子量が5,000より大きいと該ミセル集合体が微孔を通過
できないものと推定されるが、この推定は実験的に確認
された。 別に、分画分子量1,000の濾過膜の場合についても検
討したが、結果は予想の通りであった。 このように、限外濾過膜の分画分子量を適当に選定す
ることによって、不純なSEから未反応糖を含む不純物の
除去が可能となる。 《限外濾過膜の具備すべき条件》 SE反応混合物に含まれる未反応糖と、触媒(K2CO3
から副生した塩と、揮発分との三者をSE、石鹸、未反応
の脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸の四者より分離しよ
うとする場合、限外濾過膜の具備すべき条件は、該膜が
適当な分画分子量を有する場合、 物理的な外力に対し、抵抗力があること。 耐熱性を有し、微生物によって分解されないこと。 適当な分画分子量を持ち、処理能力の大きいこと。 耐用年数が長いこと。 経済的な価格で入手できること。 等である。 近年の限外濾過膜の製造における技術の進歩には著し
いものがあるから、市販のものでも上の条件を満たして
いるものが見出される。 《限外濾過条件》 前工程で得られた水溶性の高いHLB−SE(Y)を含む
水溶液は、本限外濾過に先立ち酸を加えて中和し、液性
をpH6.2〜8.2、望ましくはpH7.5付近に調整しておく。
中和された被処理液のpHが8.2を超えるとSEの分解が進
み、またpH6.2未満ではSEのミセル集合体が形成され難
くなるため、限外濾過膜からSEが流れ出したり、細孔が
詰まったりするので好ましくない。 濾過時の水溶液の温度は、脂肪酸メチルエステルの種
類とは無関係に80℃以下の温度が好ましく、同温度を超
えるとSEが分解する懸念がある。発明者らは、諸温度
が、特に40〜60℃の温度範囲内に在るとき、最大の濾過
速度が得られることを見出した。即ち、濾過温度を40〜
60℃、好ましくは約50℃に調節すると、後述の理由で、
未反応糖を含むショ糖、触媒(K2CO3)由来の副生塩及
び添加中性塩並びに揮発分(ジメチルスルホキシドやジ
メチルホルムアミド)の四者は、水と共に最も効率良く
濾過膜を通過する。この理由としては40〜60℃の温度領
域に於てSEのミセル集合体の分子が巨大化する結果、ミ
セル集合体の総数が減少し、未反応糖等の元来ミセル集
合体の形成に関与しない物質がSEの抵抗を受け難くな
り、その分、未反応糖等が通過し易くなることに因るも
のと推測される。因に、公知の如く、SE水溶液は一般に
40〜60℃の間で最大の粘度を示す(上掲書103頁参照)
が、これは、その温度範囲内で最大の分子量を持ち得る
ことを示唆するものであり、この事実からも、40〜60℃
の範囲で未反応糖等が最大の通過速度を示す理由を説明
することが可能である。 かくして、40〜60℃に維持されたSEを含む反応混合物
水溶液を、ポンプにより1〜20Kg/cm2Gまで加圧して駆
動源としての圧力をかけ、pH6.2〜8.2の水素イオン濃度
領域で限外濾過膜に接触させる。ここに濾過膜として、
セルロース系のものは物理的に弱いだけでなく、かつ微
生物にも侵され易いので、実用上余り望ましくない。実
用的に好適であるのは、支持層で補強されたポリスルホ
ン製もしくはポリ弗化ビニリデン製の膜である。これら
両種の濾過膜は、現在市販されており、本膜は、耐熱
性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れるのみでなく、物理
的外力にも強く、しかも微生物が膜面で増殖することも
ない。 前述の通り、濾過膜の分画分子量の決定に際しては、
SEの洩れなしに未反応糖等の分離が効率よく行なわれ、
かつ濾過速度も大である範囲のものを選定することが重
要である。発明者らは、検討の結果、SEの洩れがなく、
未反応糖、副生塩及び揮発分の分離性が損なわれず、し
かも濾過速度が大であるという希望条件を満たす膜の分
画分子量として、1,000〜100,000の範囲内のものが好適
であること、及び、とりわけSEの洩れがなく、しかも工
業的な規模での処理に適したものとして、分画分子量5,
000の濾過膜が最も好ましいことを発見した。5,000超過
の分画分子量のものでは、僅かではあるがSEの洩れが発
生し、逆に5,000未満の分画分子量の膜では、濾過速度
が減少する。しかしいづれの場合でも、工業的に採算に
乗らない程の不利益をもたらすものではない。 現在市販の濾過膜のうちで、発明目的に適うものとし
ては、例えば東レエンジニアリング(株)の販売に係る
限界濾過膜のうち、商品名《TERP−E−5》(ポリ弗化
ビニリデン系)、《TERP−HF−10》(ポリスルホン系)
及び《TERP−HF−100》(ポリスルホン系)等がある。 以上の限外濾過処理により、塩析沈殿の酸洗液中から
揮発分、ショ糖分、塩類当の夾雑物を除去された高純度
の高HLB−SE(Y)が普通5〜15%の水溶液の形で回収
される。
【作用】
未反応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、
石鹸、脂肪酸及び揮発分(残留する反応溶媒)を含むシ
ョ糖脂肪酸エステル生成反応混合物に酸を加えて中性領
域のpHに調整後、水、中性塩及びショ糖を加えて適当な
温度下に塩析すると、ショ糖脂肪酸エステル、未反応の
脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸が沈殿すると共
に、揮発分(残留する反応溶媒)が水相側に移行するの
で、全く有機溶媒を使用せずに残留揮発分を除去するこ
とができる。特に、式(3)、式(6)及び式(7)の
条件を満足させるように操作することによって、SEの損
失が実質的に絶無の状態で残留溶媒を除去することがで
きる。 次いで、この沈殿を酸性の水で洗い、洗液を限外濾過
することによって、該洗液中に移行した沈殿中の夾雑揮
発分や、ショ糖、加えられた中性塩及び触媒の中和によ
り副生した塩等の不純物が除去された高純度の高HLB−S
Eの水溶液が得られ、かくして、全く精製用溶媒を使用
せずに、高いHLB値を持つSEの工業的な精製が可能とな
る。なお、上の酸洗工程に際し、沈澱側に残留したSE
は、高純度の低HLB−SEであるから、ここに粗製のSEの
精製を兼ねて化HLBのものと低HLBのものとに分別する目
的が併せて達成されることになる。
【実施例】
以下、実施例により発明実施の態様及び効果を説明す
るが、例示は勿論説明のためのものであって、発明思想
の限定又は制限を意図したものではない。 実施例 下表−1の組成で表される溶媒法SE反応混合物から反応
溶媒を留去した残渣を、乳酸で中和後、乾燥させた乾物
(ドライマター)100kgに水1,000kgを加えて溶解させ
た。 上の水溶液に、ショ糖62.5kg及び50%乳酸カリウム9
7.6kgを加えて、75℃まで加熱、昇温させ、沈澱したケ
ーキを濾別後、真空下80℃で乾燥し、固形物の組成を調
べたところ、下表−2の通りであった。なお、上記ケー
キ中の水分は45%であった。 なお、ケーキより濾別された濾過液中のSE量を、ゲル
濾過クロマトグラフィー(GPC)法(上掲書63頁参照)
で測定したところ、SEの存在は全く認られなかった他、
反応溶媒のジメチルスルホキシドの95%が除去されてい
た。 次に、上表−2のケーキ(重量80kg)をpH3.5の常温
酢酸水400kgに懸濁させ、ホモミキサーで細断しつつ10
分間撹拌した後、細分化された沈澱を濾取し、これを再
び酢酸水で洗浄する操作を計4回繰り返した。得られた
濾液(pH3.5)の組成は下表−3の通りであった。 この濾液(1,625kg)を苛性ソーダでpH7.5に調整後、
上掲限外濾過膜《TERP−E−5》(分画分子量5,000)
を装置した膜面積8m2のスパイラル型4″円筒形加圧濾
過ユニットへ以下の条件で送液した。 送液圧力=7.5〜9.2kg/cm2G 送液温度=50.5℃〜53.0℃ 濾過膜の排出速度=4.1〜5.7kg/分 濾過膜の循環速度=18.9〜17.3kg/分 約310分後、膜を透過しなかった濃縮液に水1,600kgを
加え、撹拌後、再び同一条件で限外濾過膜に送液した。 以上の操作を4回繰返したところ、濃縮された液の組
成(乾物)は下表−4の通りとなった。 表−4の水溶液をpH7.5に調整して下表−5の組成
(乾物として)の水溶液を得た。なお、水溶液の固形分
濃度は11.5%であった。 この水溶液を真空下で加熱濃縮したところ、モノエス
テル含量約83%のSE24.0%を含む濃縮物が得られた。 なお、表−2記載のSEを酢酸で洗浄、精製した残りの
沈澱物は、モノエステル含量76%の低HLBSEであった。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、溶媒法ショ糖脂肪酸エ
ステル反応混合物から精製用溶媒を使用しないで、工業
的に、高HLBのショ糖脂肪酸エステルの精製を可能なら
しめる手段を提供し得たことによって、以下のような多
大の工業的効果を奏する。 (1)安価な水のみを用いてショ糖脂肪酸エステルの精
製が可能となること。 (2)溶剤の爆発、火災の心配がなく、従って、防爆仕
様の高価な電気装置も不要となること。 (3)反応溶媒及び精製用溶媒が製品に混入する懸念が
ないこと。 (4)職場の衛生環境が向上すること。 (5)低費用で工業化できること。
【図面の簡単な説明】
第1図は、水、合計糖及び合計塩各量の変化と、水相中
に溶存するSE量との関係を示す三元グラフ、第2図は、
SEのエステル組成と酸性水への溶解度の関係を示す三元
グラフである。

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目的物のショ糖脂肪酸エステルの他、未反
    応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石鹸、
    脂肪酸及び揮発分を含む反応混合物を、中性領域のpHに
    調整し、水、中性塩及びショ糖を加えることにより生じ
    る沈澱物を酸性の水で洗浄し、洗液を中和後、限外濾過
    して、前記限外濾過をした後は噴霧乾燥をしないことを
    特徴とする高HLBショ糖脂肪酸エステルの精製法。
  2. 【請求項2】反応混合物の組成が、 ショ糖脂肪酸エステル=15.0〜95.0% 未反応のショ糖=1.0〜80.0% 未反応の脂肪酸メチルエステル=0.5〜10.0% 触媒=0.05〜7.0% 石鹸=1.0〜10.0% 脂肪酸=0.5〜10.0% 揮発分=3.0〜30.0% である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】反応混合物が、pH6.2〜8.2に調整される請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】pH調整後の反応混合物が、50〜80℃に加熱
    される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】反応混合物に加えられる水と反応混合物の
    重量比が、水:反応混合物=5:1〜40:1である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】下記の関係式に従って、中性塩及びショ糖
    がpH調製後の反応混合物に添加される請求項1又は3記
    載の方法。 かつ、 かつ、 ここで、 合計塩量=加えられるべき中性塩量+触媒の中和によっ
    て生成する塩量 合計糖量=加えられるべきショ糖量+当初からの未反応
    糖量
  7. 【請求項7】反応混合物のpHの調整に使用される酸が、
    乳酸、酢酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれた酸の
    いずれかである請求項1又は3記載の方法。
  8. 【請求項8】反応混合物中の脂肪酸メチルエステル、石
    鹸及び脂肪酸の夫々に主として含まれる脂肪酸根が、炭
    素数が16〜22の共通飽和脂肪酸根を持つ請求項1又は2
    記載の方法。
  9. 【請求項9】反応混合物中の揮発分(残留する反応溶
    媒)の成分が、ジメチルスルホキシド又はジメチルホル
    ムアミドである請求項1又は2記載の方法。
  10. 【請求項10】反応混合物に加えられる中性塩が、食
    塩、芒硝、乳酸カリウム及び酢酸カリウムからなる群か
    ら選ばれた塩のいずれかである請求項1又は6記載の方
    法。
  11. 【請求項11】ショ糖脂肪酸エステルのエステル分布
    が、モノエステル含分として、10〜75%(ジエステル以
    上が90〜25%)である請求項1又は2記載の方法。
  12. 【請求項12】酸性の水のpH値が、3.0〜5.5である請求
    項1記載の方法。
  13. 【請求項13】酸性の水の温度が、10〜40℃である請求
    項1又は12記載の方法。
  14. 【請求項14】限外濾過膜が、ポリスルホン系又はポリ
    弗化ビニリデン系の樹脂からなる請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】限外濾過膜の分画分子量が1,000−100,0
    00である請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】限外濾過時の駆動源としての圧力が1.0
    〜20.5kg/cmGである請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】限外濾過時の反応混合物水溶液のpHが、
    6.2〜8.2である請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】限外濾過時の反応混合物水溶液の温度
    が、40〜60℃である請求項1又は17記載の方法。
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