JP2648935B2 - ショ糖脂肪酸エステルの精製方法 - Google Patents

ショ糖脂肪酸エステルの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、ショ糖脂肪酸エステルの工業的な精製法に
関する。 さらに詳しくは、本発明は、溶媒法ショ糖脂肪酸エス
テル生成反応混合物中のショ糖脂肪酸エステルを工業的
に精製する方法に関する。
【従来の技術】
(背景) 現在、界面活性剤として有用なショ糖脂肪酸エステル
(以後《SE》と略す)は、工業的に、ショ糖とC8〜C22
の高級脂肪酸メチルエステルとを有機溶媒(ジメチルホ
ルムアミドやジメチルスルホキシドなど)中で適当な触
媒下で反応させるか(溶媒法:特公昭35−13102)、又
は有機溶媒を用いずに、水を使ってショ糖を脂肪酸石鹸
と共に溶融混合物とした後、触媒の存在下に高級脂肪酸
メチルエステルと反応させる(水媒法:特公昭51−1448
5号)ことにより得られている。 しかし、これら二種の合成法のいづれによっても、そ
の反応混合物中には、目的とするSEの他に、未反応の
糖、未反応の脂肪酸メチルエステス、残留触媒、石鹸、
遊離脂肪酸、揮発分等の爽雑物を含んでおり、これらの
爽雑物のうち含量が規定量を越す不純分は、製品と成る
以前に除去されなければならない。特に、上記爽雑物の
うち、前者の溶媒法に伴う残留溶媒(揮発分)の除去
は、近来規制が激しく注)なって来ているだけに極めて
重要である。 注)米国FDAの規格によれば、SE中許容される残存ジメ
チルスルホキシドの量は2ppm以下である(Fed.Regist.,
51(214),40160−1)。 ところで、上記両方法を通じ従来からSEの精製に慣用
されて来た精製手段は溶媒の利用であるが、この溶媒の
利用は、下記の如く工業的に多くの不利益をもたらす。 爆発、火災の危険性。 上のに備えた電気装置の防爆化。 上のに備えた製造装置の密閉化。 上のに備えた建物全体の耐火構造化。 上の、、による固定費の上昇。 溶媒の損耗による原価の上昇。 製品SE中に残留する残留溶媒による負効果。 従業員の健康上への悪影響、ひいてはその予防のた
めのシフト増加による口数の増大と固定費の上昇。 このような事情から、SE精製時における精製溶媒の使
用を不必要化する精製技術の開発は、当業界における切
実な要望であった。 (従来技術の問題点) そこで従来から有機溶媒を利用しない精製法が検討さ
れ、例えば代表的なものとして、 (1)酸性水溶液によるSEの沈殿方法(英国特許809,81
5(1959)) (2)一般の中性塩水溶液によるSEの沈澱法(特公昭42
−8850) などが知られている。 しかし方法(1)のように、例えば塩酸水溶液を反応
混合物中に加えると、成る程SEは直ちに沈澱するが、未
反応のショ糖は容易にグルコースと果糖とに分解、転化
し、たとえ低温(0〜5℃)で行っても分解を避けるこ
とができない。このため未反応糖の回収、再利用が困難
となる。 また、方法(2)のように、食塩や芒硝などの中性塩
の水溶液を反応混合物中に加えてもSEは直ちに沈澱す
る。この場合、未反応糖の分解は起こらないが、SE中の
有用な成分であるモノエステルが水相側に溶解してしま
うため、大きなロスを生じるのみでなく、特に近来需要
の多い高HLBのSEを得たいとき妨げとなる。 さらにより最近の特開昭51−29417によれば、水と
“精製溶媒”(反応溶媒と区別するために、特にそう呼
ぶ)の混合溶液が軽液層(上層)と重液層(下層)に分
相する性質が利用される。即ち、一般に重液層(下層)
には水が多く含まれているので、親水性の未反応糖、触
媒由来の塩などがこの重液層(下層)に溶解している。
一方軽液層(上層)は、精製溶媒が多く含まれているの
で、SE、脂肪酸、未反応脂肪酸メチルエステル等の極性
の小さいものは、この軽液層に溶解してくる。 ところが、ジメチルスルホキシドなど反応溶媒は、下
層の重液層にも溶解するが、都合の悪いことに上層の軽
液層にも溶解するので、この方法だけで反応溶媒を完全
分離するのは不可能である。 従って、微量の反応溶媒を除去するだけの目的で、非
常に多量の精製溶媒が必要となる。
【発明が解決しようとする課題】
以上の実情に鑑み、本発明は、溶媒法で合成された粗
SEの精製に際し、精製用溶媒を使用しないに拘らず、SE
の損失が少ない精製手段を開発することによって、溶媒
の使用に起因する全ての問題を解決するのを目的とす
る。 (発明の経緯) そこで本発明者は、(イ)水相側に溶解するSE量を最
小限に押えること、(ロ)未反応糖の分解を避けるこ
と、及び(ハ)残留する反応溶媒を水相側へ溶解させる
ことにより、SEから分離することの三点の解決を目標と
して多くの塩析実験を行なった結果、中性塩を反応混合
物の水溶液中に溶解させたとき、適当なpH、温度、中性
塩の濃度及び水量の組合せの下で、多くの割合いでSEが
沈澱するのみならず、意外なことに、水相には未反応の
糖以外に反応溶媒が溶解するに至るという、都合の良い
現象を見出した。従ってこの現象を利用して、沈澱した
SEを再度水に溶解後、中性塩水溶液による沈澱操作を反
復することにより、SEの損失を事実上防止しながら、残
留する揮発分(残留する反応溶媒)を略々水相中に移行
させることができること、更に沈澱したSEに随伴してい
る中性塩は、該沈殿を適当なpHの酸性水で洗浄すること
により実質的に除去されて、SEを精製できることが明ら
かとなった。 (概要) 本発明は、上記発見に基づくもので、目的物のショ糖
脂肪酸エステルの他、未反応の糖、未反応の脂肪酸メチ
ルエステル、触媒、石鹸、揮発分、及び脂肪酸を含む反
応混合物を中性領域のpHに調整し、水及び中性塩を加え
ることにより生じる沈澱物を酸性の水で洗浄することを
特徴とするショ糖脂肪酸エステルの精製方法を要旨とす
るものである。以下、発明に関連する種々の事項につき
分説する。 (溶媒法によるSEの合成) 溶媒法によるSEの合成においては、通常、ショ糖と脂
肪酸メチルエステルとの混合物を、これらの合計量に対
し数倍量の反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドに添
加、溶解させ、炭酸カリウム(K2CO3)等のアルカリ触
媒の存在下、真空20〜30Torr近辺で数時間80〜90℃に保
持することにより、容易に90%以上の反応率(脂肪酸メ
チルエステル基準)にてSE反応混合物が生成する。 次に、SE反応混合物中のアルカリ性触媒の活性を消失
させるため、乳酸、酢酸等の有機酸又は塩酸、硫酸等の
鉱酸を当量だけSE反応混合物に添加する。この中和によ
り、触媒は、乳酸カリウム等のカリウム塩に変化する。 最後に、反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドを真
空下に留去すると、大略、下記組成範囲の混合物(中和
及び蒸留後の反応混合物)となる。 ショ糖脂肪酸エステル =15.0 〜92% 未反応糖 = 1.0 〜80% 未反応脂肪酸メチルエステル 0.5 〜10% 炭酸カリウム由来の中性塩 = 0.05〜 7% 石鹸 = 1.0 〜10% 脂肪酸 = 0.5 〜10% 揮発分(残留する反応溶媒) = 5.0 〜30% このとき、SEのエステル分布は、モノエステル10〜75
%(ジエステル以上が90〜25%)である。そして、脂肪
酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の夫々に主として含
まれる脂肪酸根は、飽和であって、共通のC16〜C22の炭
素数を持つ。 (加水) 次に、上の反応混合物に対して水を、 水:反応混合物=5:1〜40:1(重量比)……(1)式の
割合になるように、更に望ましくは、 水:反応混合物=20:1(重量比)……(2)式の割合に
加えると共に、pHを6.2〜8.2、望ましくはpH7.5とす
る。 この場合、水の添加割合が上の範囲から外れ、例え
ば、水と反応混合物との量比が5未満となった場合は、
得られた水溶液の粘度が大となり、実質的に以後の操作
が困難となる。また、逆に、水と反応混合物との量比が
40超過となる程に過剰の水を加えた場合は、粘度が小と
なって以後の操作が容易となり、かつ、目的とする反応
溶媒の除去も好適に行われるが、反面、未反応糖等の回
収に際して水分の除去に多大のエネルギーコストを必要
とすることになって、経済性が失われることになる。 さらに、目的とするSEの分解を避けるため、水溶液
は、pH6.2〜8.2の間に調整されるのが好ましい。pH8.2
以上の水素イオン濃度下では、アルカリによる定量的な
SEの分解が起こる心配があり、またpH6.2以下の弱酸性
域でも、例えば90℃以上の高温にさらされると、酸分解
の恐れがある。 (塩析) 以上の如くpH調整されたSE反応混合物の水溶液を、な
るべく50〜80℃に保って、更に中性塩を加える。 本発明者らは、多数の実験の結果より、中性塩を加え
て得たSEの沈澱を含む水溶液を、50〜80℃までの加熱、
昇温させると、水相側へ溶出するSEの量を最小限に押え
ることができ、たとえ本反応混合物中に含まれる揮発分
(残留する反応溶媒)の組成が3.0〜30.0%と大幅に変
動しても、殆どのSEが沈澱することを発見した。このよ
うな中性塩の添加のみでSEが沈殿し、揮発分が水相側へ
移行するという現象は特異な現象であると共に、水を使
用しないで反応混合物中の揮発分を除くという発明目的
上、重要な意義を有するものである。 今、水相側に溶解しているSEの重量=Y[g] 沈澱しているSEの重量=X[g] 全SE(X+Y)[g]に対して、水相側に溶解している
SEの重量割合=φ[%] とすれば、φは下式(3)で定義される。 ここで、以下の試料反応混合物(乾物)を20倍量(重
量比)の水に溶かし(pH7.8)て75℃に加熱し、 脂肪酸残基=ステアリン酸 試料中のSE組成(乾物) ショ糖脂肪酸エステル =94% (エステル分布:モノエステル=73%、ジエステル以上
=27%) 未反応脂肪酸メチルエステル = 2% 石鹸 = 2% 脂肪酸 = 1% その他 = 1% これに種々の濃度に中性塩を加えると、添加塩が食塩、
芒硝、乳酸カリウムであるとき、概ね下表−1の結果が
得られる。 上表から明らかなように、合計塩の量が増える程φの
値は減少するが、3.5%超えると減少傾向は緩やかとな
り、7.5%以上に増大してもこの値が小さくならないこ
とが分る。なお、以上の傾向は、当初の反応混合物中に
含まれる揮発分(残留反応溶媒)の量比が3.0〜30.0%
と大幅に変化しようとも殆ど影響を受けないことも確め
られた。即ち、このようなSE−水−塩の三成分系におい
ては、揮発分の量が大幅に変化し、また添加中性塩の種
類が変化しても、合計塩の濃度によってのみφの値が定
まるのである。この理由は未だ明白でないが、一つの原
因として、SEのミセル集合体の形成度合と、塩の奏す
る、所謂塩析効果が複雑に絡み合っていることは確かで
あろう。 以上の塩析作用の程度は、換言すればφの値は、SEの
エステル分布及びSE中の脂肪酸残基の種類によって幾分
変動するが、合計塩量が6%(水94%)を越えてもφの
最小値が減少しないという傾向は同じである。逆に言う
と、該量が6%(水94%)未満の場合には、φの値が増
加し、SEの溶解損失を増やすので望ましくない。従っ
て、φの値を小さくするには、塩量を6%(水94%)以
上に保つことにより、水層側へのSEの溶解損失を最小限
に押えることができる。 (洗浄) 以上の塩析操作の後、pH3.0〜5.5、温度10〜40℃程度
に調整、調温された酸性水を用いて、前述の分離された
SEのケーキを洗浄する。ここに使用される酸としては、
例えば塩酸、硫酸等の鉱酸、及び酢酸、乳酸等の可食性
有機酸が適当であるが、別段例示のもののみに限る訳で
はない。 このような条件の下で洗浄することにより、ケーキ側
から不純物を水相側に移行させることができる。以下、
下表−2にこの酸性水による洗浄を、ステアリン酸メチ
ルエステルより出発したSE(ショ糖ステアレート)に適
用した場合における水層側へのSEの溶解量を例示する。
表中、φは上式(1)で定義されたものである。 以上の洗浄工程において、酸性水の温度が40℃以上と
もなると、操作が長時間、極端には数ヶ月もの長期に及
んだ場合SEの酸分解が懸念されるだけでなく、粘度が上
昇して操作が困難となる。 他方、10℃以下の低温の保持には、製剤性を軽視した
冷凍機の設備が必要となる。従って、普通は10〜40℃、
殊に常温付近での操業が好ましい。 なお、この酸性水によるSEケーキの洗浄に際しては、
本ケーキ中に含まれている未反応糖、添加中性塩及び触
媒の中和により副生した塩の三者を、可能な限りSEケー
キから除く必要があるので、SEケーキは、該酸性水中
で、可能な限り小さな粒子径になるまで細分化されてい
るのが望ましい。この目的は、例えば、分散混合機(例
えば特殊機器工業(株)製《ホモミキサー》)、ホモジ
ナイザー又はコロイドミル(例えば商品名《マイコロイ
ダー》)等の細分化装置により効率的に達成でき、未反
応糖、触媒由来の塩及び中性塩の三者は、全量沈澱SEの
ケーキから酸性水相中に移行する。 但し、この際、実質的に少量であるとは言いながら、
一部のSEが酸性水相に溶出するのは避けられない。この
酸性水への溶解傾向は、モノエステル含分の多いSE程強
いので、ジエステルやトリエステル分を相対的に増加さ
せることによって減少させることができる。 以上の酸性水によるSEケーキの洗浄は、洗浄の回数増
加と、洗浄水量の増加によって一層完全となり、かくし
て、中性塩、ショ糖などの不純物を除かれた、精製SEを
得ることができる。
【作用】
未反応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、
石鹸及び脂肪酸を含むSE生成反応混合物を中性領域のpH
に調整し、水及び中性塩を加えて適当な温度下に塩析す
ると、SE、未反応の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂
肪酸が沈殿する。 次いで、この沈殿を酸性の水で洗浄することにより、
SEの溶解損失を最小に留めたまま、本沈殿中に爽雑する
未反応の糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により副
生した塩等の不純物が水相中に溶出する結果、精製され
たSEが得られ、ここに、精製用溶媒を使用しないで工業
的に不純なSEを精製するという目的が達成される。
【実施例】
以下、実施例及び比較例に発明実施の態様及び効果を
説明するが、例示は勿論説明のためのものであって、発
明思想の内包・外延を画するものではない。 実施例−1 下表−3の組成で表される溶媒法SE反応混合物から反
応溶媒を留去した残液を乳酸で中和後、乾燥させた乾物
100gに水2,000gを加えて溶解させた。 この水溶液に、50%乳酸カリウム253.0gを加えて75℃
まで加熱、昇温させ、沈澱したケーキを濾取後、真空下
に80℃で乾燥し、固形物の組成を調べたところ、下表−
4の通りであった。なお沈殿したケーキ中の水分は48.1
%であった。 なお、ケーキを濾別した際に得た濾液中のSE量をゲル
濾過クロマトグラフィー(GPC)法(上掲書63頁参照)
で測定したところ、SEの損失は当初量の1.5%であっ
た。 上の固形分63.9gと水59.2gとからなる123.1gのケーキ
に常温の塩酸水(pH3.5)2,000gを加えたところ、直ち
にSEが白色沈殿として析出した。 次いで、この沈殿を含む酸性の水溶液(pH3.5)をホ
モミキサー(特殊機器工業(株)製)で、充分撹拌した
後、沈澱を濾取した。この沈殿に、再び酢酸水を加えて
再洗浄する操作を二回行なった後、苛性ソーダでpH7.3g
に調整し、真空下80℃で乾燥させ、下表−5の組成を持
つ固形物を得た。 実施例−2 上表−3の組成で表わされる溶媒法SE反応混合物から
溶媒を留去した後、乳酸で中和したもの100gに、水2,00
0gを加え溶解させた。次いで、この水溶液に50%乳酸カ
リウム62.0gを加え、75℃まで加熱、昇温させ、以下実
施例−1と同様に操作して得たケーキ(水分50.5%)を
乾燥させた固形物は、下表−6の組成を与えた。 なお、ケーキを濾別した際に得た濾液中のSE量をゲル
濾過クロマトグラフィー(GPC)法(前出)で測定した
ところ、SEの損失は1.2g(当初量の2.6%)であった。 次に、上表−6で表わされる組成の固形物56.2gと水
分57.3gとからなる113.5gのケーキに常温酢酸水(pH4.
0)3,000gを加えたところ、直ちにSEが白色沈殿として
析出した。次いで、上の沈殿を含む酸性の水溶液(pH4.
0)をホモミキサー(前掲)を用いて充分撹拌した後、
沈澱を濾取した。この沈殿に、再び酢酸水を加えて再洗
浄する操作を二回行なった後、苛性ソーダでpH7.3に調
整後、真空下に80℃で乾燥させ、下表−7の組成を持つ
固形物を得た。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、粗製ショ糖脂肪酸エス
テルの精製に当り、粗製用有機溶媒を全く使用せずに、
ショ糖脂肪酸エステルの損失を最少限に留めながらこれ
を精製する技術を提供し得たことにより、有機溶媒の使
用に起因する全ての問題の解決しうる。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目的物のショ糖脂肪酸エステルの他、未反
    応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石鹸、
    揮発分、及び脂肪酸を含む反応混合物を中心領域のpHに
    調整し、水及び中性塩を加えることにより生じる沈澱物
    を酸性の水で洗浄することを特徴とするショ糖脂肪酸エ
    ステルの精製方法。
  2. 【請求項2】反応混合物が、pH6.2〜8.2に調整される請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】pH調整後の反応混合物が、50〜80℃に加熱
    される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】反応混合物に加えられる水と反応混合物の
    重量比が、水:反応混合物=5:1〜40:1である請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】反応混合物のpHの調整に使用される酸が、
    乳酸、酢酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれた酸の
    いずれかである請求項1又は2記載の方法。
  6. 【請求項6】反応混合物の組成が、 未反応のショ糖 =1.0〜80.0% 未反応の脂肪族メチルエステル =0.5〜10.0% 触媒 0.05〜 7.0% 石鹸 =1.0〜10.0% 脂肪酸 =0.5〜10.0% ショ糖脂肪酸エステル =15.0〜95.0% 揮発分 =3.0〜30.0% である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】反応混合物中の脂肪酸メチルエステル、石
    鹸及び脂肪酸の夫々に主として含まれる脂肪酸根が、炭
    素数が16〜22の共通飽和脂肪酸根を持つ請求項1又は6
    記載の方法。
  8. 【請求項8】反応混合物中の揮発分(残留する反応溶
    媒)の成分が、ジメチルスルホキシド又はジメチルホル
    ムアミドである請求項1又は7記載の方法。
  9. 【請求項9】反応混合物に加えられる中性塩が、食塩、
    芒硝、乳酸カリウム及び酢酸カリウムからなる群から選
    ばれた塩のいずれかである請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】ショ糖脂肪酸エステルのエステル分布
    が、モノエステル含分として、10〜75%(ジエステル以
    上が90〜25%)である請求項1又は6記載の方法。
  11. 【請求項11】酸性の水のpH値が、3.0〜5.5である請求
    項1記載の方法。
  12. 【請求項12】酸性の水の温度が、10〜40℃である請求
    項1又は11記載の方法。
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