JPH0667954B2 - 粉末状高hlbショ糖脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

粉末状高hlbショ糖脂肪酸エステルの製造方法

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JPH0667954B2
JPH0667954B2 JP63162267A JP16226788A JPH0667954B2 JP H0667954 B2 JPH0667954 B2 JP H0667954B2 JP 63162267 A JP63162267 A JP 63162267A JP 16226788 A JP16226788 A JP 16226788A JP H0667954 B2 JPH0667954 B2 JP H0667954B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H13/00Compounds containing saccharide radicals esterified by carbonic acid or derivatives thereof, or by organic acids, e.g. phosphonic acids
    • C07H13/02Compounds containing saccharide radicals esterified by carbonic acid or derivatives thereof, or by organic acids, e.g. phosphonic acids by carboxylic acids
    • C07H13/04Compounds containing saccharide radicals esterified by carbonic acid or derivatives thereof, or by organic acids, e.g. phosphonic acids by carboxylic acids having the esterifying carboxyl radicals attached to acyclic carbon atoms
    • C07H13/06Fatty acids

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルの工業的
な製法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、精製用有機溶媒を使用せず
に粉末状の高HLBショ糖脂肪酸エステルを工業的に生産
すると共に、反応混合物中の未反応糖その他の糖を回収
する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
(背景) 現在、界面活性剤として有用なショ糖脂肪酸エステル
(以後《SE》と略す)は、工業的に、ショ糖とC8〜C22
の高級脂肪酸メチルエステルと溶媒(ジメチルホルムア
ミドやジメチルスルホキシドなど)中で適当な触媒下で
反応させるか(溶媒法:特公昭35-13102)又は溶媒を用
いずに水を使ってショ糖を脂肪酸石鹸と共に溶融混合物
とした後、触媒の存在下に高級脂肪酸メチルエステルと
反応させること(水媒法:特公昭51-14485号)により得
られている。
しかし、これら二種の合成法のいづれによっても、その
反応混合物中には、目的とするSEの他に、未反応の糖、
未反応の脂肪酸メチルエステル、残留触媒、石鹸、遊離
脂肪酸、揮発分等の夾雑物を含んでおり、これらの夾雑
物のうち含量が規定量を越す不純分は、製品と成る以前
に除去されなければならない。特に、上記夾雑物のう
ち、後者の溶媒法に伴う残留溶媒(揮発分)の除去は、
近来規制が厳しくなって来ている注)だけに極めて重要
である。
注)米国FDAの規格によれば、SE中許容される残存ジメ
チルスルホキシドは2ppm以下である(Fed.Regist.,51(2
14),40160-1)。
さらにSEの工業的生産上の別の重要問題点として、未反
応糖の回収という問題がある。即ち、周知のように、SE
合成時のショ糖の反応率は低く、例えばジメチルホルム
アミド法の場合でも50%を出ないから(出願人会社発行
《ジュガーエステル物語(1984)》35頁参照)、未反応シ
ョ糖の回収なしに本工業は成り立たない。
そこで従来から、粗SEからの残留反応溶媒の除去及び未
反応糖の回収という二元的目的で多量の有機溶媒(例え
ばブタノール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸メ
チル等;特公昭42-11588同48-10448等参照)が慣用され
てきたが、かかる溶媒の多用は、SEの工業的な生産に対
し、以下のような著しい不利益をもたらす。
爆発、火災の危険性。
上のに備えた電気装置の防爆化。
上のに備えた製造装置の密閉化。
上のに備えた建物全体の耐火構造化。
上の、、により固定費の上昇。
溶媒の損耗による原価の上昇。
製品SE中に残留する残留溶媒による負効果。
従業員の健康上への悪影響、ひいてはその予防のため
のシフト数の増加の伴う固定費の上昇。
このような事情から、SE精製及び等回収時における有機
溶媒の使用を不必要化する技術の開発は、当業界におけ
る切実な要望であった。
(従来技術の問題点) そこで従来から有機溶媒を利用しない精製法が検討さ
れ、例えば代表的なものとして、 (1)酸性水溶液によるSEの沈殿方法(英国特許809,815(1
959)) (2)一般の中性塩水溶液によるSEの沈澱法(特公昭42-88
50) などが知られている。
しかし方法(1)のように、例えば塩酸水溶液を反応混合
物中に加えると、成る程SEは直ちに沈澱するが、未反応
のショ糖は容易にグルコースと果糖とに分解、転化し、
たとえ低温(0〜5℃)で行っても分解を避けることが
できない。このため未反応糖の回収、再利用が困難とな
る。
また、方法(2)のように、食塩や芒硝などの中性塩の水
溶液を反応混合物中に加えてもSEは直ちに沈澱する。こ
の場合、未反応糖の分解は起こらないが、SE中の有用な
成分であるモノエステルが水相側に溶解してしまうた
め、大きなロスを生じるのみでなく、特に近来需要の多
い高いHLB値を持つSEを得たいとき妨げとなる。
*親水性−親油性バランス。略1〜20の範囲の値を採
る。この値が大きい程親水性が強い。
さらにより最近の特開昭51-29417によれば、水と“精製
溶媒”(反応溶媒と区別するために、特にそう呼ぶ)の
混合溶液が軽液層(上層)と重液層(下層)に分相する
性質が利用される。即ち、一般に重液層(下層)には水
が多く含まれているので、親水性の未反応糖、触媒由来
の塩などがこの重液層(下層)に溶解している。一方軽
液層(上層)は、精製溶媒が多く含まれているので、S
E、脂肪酸、未反応脂肪酸メチルエステル等の極性の小
さいものは、この軽液層に溶解してくる。
ところが、ジメチルスルホキシドなど反応溶媒は、下層
の重液層にも溶解するが、都合の悪いことに上層の軽液
層にも溶解するので、この方法だけで反応溶媒を完全分
離するのは不可能である。従って、微量の反応溶媒を除
去するだけの目的で、非常に多量の精製溶媒が必要とな
る。
このように、水による粗SEの精製を工業的に可能ならし
めるためには、溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製品
SEのロスを生じない精製方法を開発することが大前提と
なる。
次に、水による精製を工業的に可能とするためなお考慮
すべきことは、水を精製溶媒とすることに附随する含水
SEの乾燥手段である。
即ち、ここに乾燥の対象となる含水SEは、通常、水分80
%以上のものは水溶液状態に、また水分80%未満のもの
はスラリー(泥漿)状をなしているのが普通である。こ
れらSEの含水物は、一般に40℃近辺から急激に粘度が上
昇し、50℃近辺で最高値となるが、同温度を越えると急
激に粘度が下がるという極めて特異な粘性挙動を呈する
(上掲書108頁)。このほか、単に真空下で加熱して水
分を蒸発させることは、著しく発泡性のため、実質的に
不可能である。そして、もし加熱時の温度が高く、かつ
加熱体との接触時間が長い場合には、SEが分解を起こ
し、強度の着色及びカラメル化を引き起すのみでなく、
分解により遊離した脂肪酸により酸価も上昇してくる
(特公昭37-9966参照)。
特に水分蒸発の終期には、SEの持つ軟化点又は融点の低
さという特性(例えば、ショ糖モノステアレートの軟化
点は52℃近辺、ショ糖ジステアレートの融点は110℃付
近)のため、SE自体が残存している水を抱水する傾向を
持ち、このことが脱水を著しく困難としている。加え
て、溶媒と比較して、水の蒸発潜熱が異常に高い(500k
cal/kg・H2O以上)こと、及び蒸発温度の高いこと等も乾
燥を困難ならしめる一因となっている。それ故、例えば
別形式の乾燥法として、スラリーを加熱して連続的に真
空室へ供給、放出させる所謂フラッシュ式の乾燥機を用
いた場合においても、水の持つ大きな潜熱のため、充分
な脱水、乾燥には種々の困難がつき纒い、たとえこれら
の困難を克服できたとしても、真空下で脱水、乾燥され
た後のSEは、溶融状態にあるため、それを乾燥機より取
出してから融点以下まで冷風等を吹きつけて冷却し、固
化させ、最後に粉砕機で粉砕するという多くの工程を必
要とし、しかも最終の粉砕工程では粉塵爆発の懸念が附
随する。
従って、以上のような乾燥に伴う諸問題点を解決するこ
とも、本水媒法精製を実現するための重要なステップと
なる。
(発明の理念) このように、水による粗SEの精製及び未反応糖の回収を
工業的に可能ならしめるためには、反応溶媒及び精製溶
媒の除去が完全で、しかも糖及び製品SEのロスを生じな
い精製方法を開発することが大前提となる。けだしこの
理念に基づく反応混合物の精製では、水に対するSEと未
反応ショ糖の溶解度差を利用することが基本となるか
ら、水側に多量の未反応糖が移行するのは避けられず、
この溶解糖の精製及び回収なしには、本工業は経済的に
も社会的にも存立できない。従って、精製時水側へ移行
した糖を如何に効果的に回収することも発明の重要な命
題である。
〔発明が解決しようとする課題〕
よって本発明が解決しようとする課題は、精製用溶媒を
使用しないで、工業的に、精製された粉末状高HLB−SE
を取得するための技術及びこれに付帯して反応混合物中
の未反応糖を効率的に回収する手段を開発することによ
って、反応溶媒及び精製溶媒の使用に起因する一切の問
題点を解決することである。
(発明の概念) そこで本発明者は、(イ)水相側に溶解するSE量を最少限
に押えるのみならず、可能ならば該量を零として全量の
SEを沈澱させること、(ロ)未反応糖の分解を避けるこ
と、(ハ)残留する反応溶媒を水相側へ溶解させることに
より、SEから分離すること、(ニ)沈澱したSEを精製され
た状態で粉末化すること、(ホ)上の沈澱を分離した濾液
(又は上澄み)中の未反応糖を効率的に回収することの
五点の解決を目標として多くの塩析実験を行なった結
果、ショ糖と中性塩を反応混合物の水溶液中に溶解させ
たとき、適当なpH、温度、中性塩及びショ糖の濃度及び
水量の組合せの下で、SEの略々全量が沈澱するのみなら
ず、意外なことに、水相には未反応の糖以外に触媒由来
の塩が溶解するに至るという、都合の良い現象を見出し
た。そして、ここに沈澱したSEを再度水に溶解後、中性
塩及びショ糖水溶液による再沈澱操作を反復しても、SE
は水相中に移行することなく沈澱状態を保つこと、及び
この沈澱を適当なpHを持つ酸性の水を加え、攪拌するこ
とによって、沈澱中の高HLB画分が酸性水相中に移行
し、残余の沈澱中には低HLB画分が残留する事実が分っ
た。
因に、ここに水相中へ移行した高HLB−SEの回収は、従
来技術では不可能であったが、発明者は、研究の結果、
かかる回収が限外濾過膜及び逆浸透膜の利用により水溶
液の形で工業的に可能となり、最後にこの水溶液を噴霧
乾燥することによって、品質の低下なしに粉末化できる
ことを見出した。
かくして、SE反応混合物中から、有機溶媒を全く使用せ
ずに、 (1)不純物を除去すること、 (2)未反応糖を回収すること、 (3)高HLBの粉末状SEを得ること、ひいてはSEを用途に合
わせて分別すること が工業的に可能となった。
(概要) 本発明は、上記発見に基づくもので、目的物のショ糖脂
肪酸エステルの他、未反応の糖、未反応の脂肪酸メチル
エステル、触媒、石鹸、脂肪酸及び揮発分を含む反応混
合物を、中性領域のpHに調整し、水、中性塩及びショ糖
を加えることにより生じる沈澱物を酸性の水で洗浄し、
洗液を限外濾過後、噴霧乾燥すると共に、上記沈澱物を
除去した残液を逆浸透膜と接触させてショ糖を回収する
ことを特徴とする粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルの
製造方法を要旨とする。
(発明の骨格) 従って、本発明は以下の諸工程から成り立つ。
(I)粗製のSE反応混合物からの不純物の除去工程(塩
析工程)。
(II)未反応のショ糖を回収する工程(逆浸透工程)。
(III)不純SE沈澱を洗浄する工程(分別工程)。
(IV)高HLB−SEの回収工程(限外濾過工程)。
(V)回収された高HLB−SEの脱水工程(噴霧乾燥工
程)。
以下、発明に関連する種々の事項につき分説する。
(溶媒法によるSEの合成) 溶媒法によるSEの合成においては、通常、ショ糖と脂肪
酸メチルエステルとの混合物を、これらの合計量に対し
数倍量の反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドに添
加、溶解させ、炭酸カリウム(K2CO3)等のアルカリ性触
媒の存在下、真空20〜30Torr近辺で数時間80〜90℃に保
持することにより、容易に90%以上の反応率(脂肪酸メ
チルエステル基準)にてSE反応混合物が生成する。
次に、SE反応混合物中のアルカリ性触媒の活性を消失さ
せるため、乳酸、酢酸等の有機酸又は塩酸、硫酸等の鉱
酸を当量だけSE反応混合物に添加する。この中和によ
り、触媒は、乳酸カリウム等のカリウム塩に変化する。
最後に、反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドを真空
下に留去すると、大略、下記組成範囲の混合物(中和及
び蒸留後の反応混合物)となる。
ショ糖脂肪酸エステル =15〜95% 未反応糖 =1.0〜80% 未反応脂肪酸メチルエステル=0.5〜10% 炭酸カリウム由来の中性塩 =0.05〜7% 石鹸 =1.0〜10% 脂肪酸 =0.5〜10% 揮発分(残留する反応溶媒)=3.0〜30% このとき、SEのエステル分布は、モノエステル10〜75%
(ジエステル以上が90〜25%)である。そして、脂肪酸
メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の夫々に主として含ま
れる脂肪酸根は、飽和であって、共通のC16〜C22の炭素
数を持つ。
(加水) 次に、上の反応混合物に対して水を、 水:反応混合物=5:1〜40:1(重量比)……(1) 式の割合になるように、更に望ましくは、 水:反応混合物=20:1(重量比)……(2) 式の割合に加えると共に、pHを6.2〜8.2、望ましくはpH
7.5とする。
この場合、水の添加割合が上の範囲から外れ、例えば、
水と反応混合物との量比が5未満となった場合は、得ら
れた水溶液の粘度が大となり、実質的に以後の操作が困
難となる。また、逆に、水と反応混合物との量比が40超
過となる程に過剰の水を加えた場合は、粘度が小となっ
て以後の操作が容易となり、かつ、目的とする反応溶媒
の除去も好適に行われるが、反面、未反応糖等の回収に
際して水分の除去に多大なエネルギーコストを必要とす
ることになって、経済性が失われることになる。
さらに、水溶液のpHは、目的とするSEの分解を避けるた
め、pH6.2〜8.2の間に調整されるのが好ましい。pH8.2
以上の水素イオン濃度下では、アルカリによる定量的な
SEの分解が起こる心配があり、またpH6.2以下の弱酸性
域でも、例えば90℃以上の高温にさらされると、酸分解
の恐れがある。
(塩析) 以上の如くpH調整されたSE反応混合物の水溶液を、なる
べく50〜80℃に保って、更に中性塩及びショ糖を加え
る。この場合、加えるべき中性塩は、先ず下式(3)を満
たしているのが好ましい。
ここで、 合計塩量=加えるべき中性塩量+触媒から形成される塩
量……(4) 合計糖量=加えるべきショ糖量+当初からの未反応糖量
……(5) 次に、加えるべきショ糖の量は、下式(6)により定めら
れるのがよい。
さらに、上記の両式に加え、合計塩量と合計糖量の重量
比率もまた、下式(7)を満足しているのが好ましい。
本発明者らは、上記式(3)、(6)及び(7)を三者共に満た
すように中性塩及びショ糖を加えて得たSEの沈澱を含む
水溶液を、50〜80℃まで加熱昇温させると、添加された
中性塩が乳酸塩、酢酸塩、食塩又は芒硝のいずれであっ
ても、略々近似的に全量のSEが沈澱することを見出し
た。この現象はこれまで知られていなかった特異な現象
であると共に、発明目的上、重要な価値を有するもので
ある。そしてこの事実を巧妙に利用することによって、 未反応糖を含む全ショ糖(合計糖) 揮発分 触媒由来の塩 添加された中性塩 の四者は水相に移行し、沈澱したSEのケーキ(即ち、泥
漿状スラリー)と分離できるようになるのである。
添付の第1図は、この現象をより詳しく示す三元グラフ
である。この図において、 水相側に溶解しているSEの重量=Y[g] 沈澱しているSEの重量=X[g] 全SE(X+Y)[g]に対して、水相側に溶解しているSEの重量
割合=φ[%] とすれば、φは下式(8)で定義される。
ここで、以下の条件; 温度=80℃、pH=7.5、 水:反応混合物=7.4:1(重量比) 脂肪酸残基=ステアリン酸 反応混合物の組成 ショ糖脂肪酸エステル =29% 未反応糖 =35% 未反応脂肪酸メチルエステル=2% 触媒由来の塩 =1% 石鹸 =3% 脂肪酸 =1% 揮発分(残留する反応溶媒)=29% SE中のエステル分布:モノエステル=73% ジエステル以上=27% において、φの値がどのように変化するかが三角座標で
示される。
ここに、合計塩は式(4)により、合計糖は式(5)により夫
々で定義された量であって、 水量+合計塩量+合計糖量=100% として表示してある。
本第1図の斜線の部分は、本発明者が発見した式(3)、
式(6)、及び式(7)を同時に満たす領域である。
この斜線の部分に入るような中性塩及びショ糖の溶解量
を決めることによって、実質的にφ≒0即ち、近似的に
全量のSEを沈澱化することができ、沈澱したSEの濾取又
は遠心分離により、水相側に溶解しているショ糖、揮発
分、中性塩等を除去することができる。
(逆浸透) 次に、以上の塩析工程により、SE合成反応混合物中から
水相中へ分離された未反応の及び添加されたショ糖を、
触媒(K2CO3)からの副生塩、添加された中性塩、揮発分
その他の不純物から分離、回収する必要がある。
しかるに発明者らは、この目的に逆浸透法の利用が特に
有効であることを見出した。
ここに逆浸透膜の分画分子量として130〜200の範囲のも
のを選ぶと、未反応糖(分子量342)や、偶々前段の塩
析処理等で水相側へ流亡した極く少量のSE(分子量600
以上)は、共に問題なく濾別されるべきことが予想され
る。
一方、膜の分画分子量が130〜200より小さいと、触媒か
らの副生塩、例えば、乳酸カリウム(分子量128)や、
添加された中性塩や揮発分、例えばジメチルスルホキシ
ド(分子量78)は、問題なく、逆浸透膜の微細孔を通過
するであろう。この推定に基づき多くの実験を重ねた結
果、前段の塩析処理を経たショ糖、触媒からの副生塩、
塩析時添加された中性塩及び揮発分並びに、時として少
量〜微量のSEを含む水溶液は、温度40〜60℃で、分画分
子量150〜200近辺の逆浸透膜に対し、駆動源として限外
濾過時より大きな圧力を付与されつつ接触せしめられた
とき、触媒からの副生塩、加えられた中性塩及び揮発分
の三者は、水と共に逆浸透膜の微細孔を容易に通過する
ことが分った。この逆浸透操作によって、不純なショ糖
水溶液(場合により少量のSEを含む)は、水、触媒から
の副生塩及び塩析に際し加えられた中性塩及び揮発分等
の低分子量の物質から分離され、濃縮された粗糖水溶液
の形となる。そしてここに得られた粗糖水溶液を再び新
鮮な水に溶解させ、再度(又は再三)同様の逆浸透処理
に付すことにより、より純度の高いショ糖水溶液が得ら
れる。
以上において、逆浸透膜へ供給する被処理水溶液の温度
は良好な結果を期待するため重要であって、若し本温度
が40℃以下に低下すると、処理能力が著しく低下するの
で、実用的には40℃以上の温度を選ぶのがよい。但し60
℃を超えると、逆浸透膜の耐熱性の問題があるので、該
上限温度以下の温度で処理するのが賢明である。なお、
上記水溶液のpHも実際上重要であって、pH6.2〜8.2の領
域内がショ糖の品質に影響する恐れが小さい点で好まし
い。
(逆浸透膜) 工業的な逆浸透膜は、近年進歩したものが各社から多数
上市されている。これら市販中の膜の中、耐久性、耐熱
性、耐酸、耐アルカリ性、耐菌性及び耐圧性に優れたも
のの例として、架橋ポリアミド系の逆浸透膜がある。そ
してこの種の膜の例として、例えば、東レエンジニアリ
ング(株)販売に係る逆浸透膜、商品名《SU-200》等
は、前述の分画分子量200近辺の値を持ち、本発明目的
によく合致する。
大体、分画分子量が200近辺の逆浸透膜の場合、供給さ
れる水溶液中の溶質濃度は、上限値として20%、望まし
くは、溶質濃度の上限値として15%程度に押えることに
よって、工業的な処理能力を発揮させることができる。
濃度が20%を越える溶質濃度の場合、逆浸透膜の微細孔
内を水、触媒からの副生塩及び揮発分が、通過し難くな
り、その分、駆動圧を高めることを余儀なくされるか
ら、結果的に膜面積を広くとらざるを得ず、かつまた、
大動力を必要とすることになるので甚だ不経済である。
これに対し、8〜15%程度の溶質濃度であれば、工業的
なショ糖の分離は充分に可能である。例えば、下表−1
の組成の水溶液の場合、ショ糖の分離速度はpH7.5,温
度50℃、駆動圧56.0kg/cm2Gのとき、1ユニット当たり
有効面積8m2の前記逆浸透膜《SU-200》で、 に達し、他社の類似膜においても概ね同様の結果が得ら
れた。そしてどの場合においても、溶存したSEをショ糖
と共に収率よく回収できた。
以上の逆浸透処理において、反復逆浸透膜処理により触
媒からの副生塩、添加中性塩及び揮発分の三者を充分に
除去されたショ糖含有水溶液には、大凡15〜20%程度の
糖濃度を保たせることができる。濃度20%以上の糖水溶
液を得るのは、技術的に困難となる以外に、経済性も低
下してくる。従って、上記以上の糖濃度が臨まれるなら
ば、通常の濃縮装置、例えば、多重真空効用缶等を用い
て希望の濃度、例えば50%以上にまで濃縮することがで
きる。
(洗浄) 前記塩析工程に於て、中性塩及びショ糖の添加により反
応混合物水溶液中から略々近似的に全量沈澱せしめられ
たSEは、含水状態、即ち、泥漿(スラリー)状のもので
ある。このものは、比較的少量ではあるが、なお揮発
分、塩類、ショ糖などの夾雑物を含む。発明者はこの不
純泥漿の精製法につき鋭意研究した結果、これを酸性の
水で洗浄することによって良好な結果が得られることを
見出した。
即ち、上記不純SEスラリーを、pH=3.0〜5.5に調整され
た酸性水で洗浄することによって、不純物が溶去され
る。ここに使用される酸は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸
及び酢酸、乳酸等の有機酸が適当であるが、可食性の酸
であれば、別段例示のもののみに限る訳ではない。な
お、酸性水の温度は、10〜40℃が適当である。
このような条件の下で洗浄することにより、ケーキ側か
ら除去を希望する不純物(揮発分、合計糖、添加中性塩
及び触媒由来の塩等)を水相側に移行させることができ
る。
以上の洗浄操作に当たり、酸性水の温度が40℃以上とな
ると、操作が長時間、例えば数ケ月にも及んだとき、SE
の酸分解が懸念されるだけでなく、粘度が上昇して操作
が困難となる。他方、10℃以下の低温の保持には、経済
性を軽視した冷凍機の設備が必要となる。従って、普通
は10〜40℃、殊に常温付近での操業が好ましい。
なお、この酸性水によるSEケーキの洗浄に際しては、本
ケーキ中に含まれている揮発分(反応溶媒)や、未反応
糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により副生した塩
の四者を成るだけSEケーキから除く必要があるので、SE
ケーキは、包摂する不純物の粒子を遊離させるため、該
酸性水中で可能な限り小さい粒子径になるまで細断され
ているのが望ましい。この目的は、例えば、分散混合機
(例えば特殊機器工業(株)製《ホモミキサー》)、ホ
モジナイザー又はコロイドミル(例えば商品名《マイコ
ロイダー》)等の細分化装置により効率的に達成でき、
揮発分(反応溶媒)、未反応糖、触媒由来の塩及び中性
塩の四者は、全量沈澱SEのケーキから酸性水相中に移行
する。
このとき沈澱物から、高いHLBのSEが酸性の水側へ溶け
始めるという注目すべき現象が起こる。この高HLB−SE
の水に対する溶解傾向は、系の温度、pH等の要因によっ
て変化するが、例えば常温でpHが3.5程度の場合、添付
第2図の通りである。
ここで、高いHLBのSEは高い水溶性を持っているので、
仮にこれを《水溶性SE》と名付け、符号として“Y"を与
える。Yは高いHLBを持ち、従って高い水溶性を示す。
このため、酸性の水溶液中でも沈澱せず、該溶液内に普
通に溶解する。
こにに反し、低いHLBのSEは低い水溶性を持つので、一
般に一定の酸性度では沈澱する傾向がある。そこで仮に
これを《沈澱性SE》と名付け、符号として“X"を与え
る。Xは低いHLBを持ち、従って酸性水溶液中から沈殿
し易い。
上記第2図はモノエステル、ジエステル及びトリエステ
ル三者の合計を100%で表わした三角座標である。同図
に於て、M点は、元のサンプルSEの組成を表す。X点
は、低いHLBのSEで沈澱性SEの組成を表す。Y点は、高H
LBのSEで、水溶性SEの組成を表す。添字1、2、3はエ
ステル分布の異なるSEを表す。
例えば、同図に於て、M2のエステル分布(モノエステル
=73%、ジエステル=22%、トリエステル=5%)を持
つSEサンプルにSE濃度として3%になるようにpH3.5の
水溶液を加えれば、該SEは沈澱性SE(X2)なるエステル分
布(モノエステル=68%、ジエステル=25%、トリエス
テル=7%)と、水溶性SE(Y2)なるエステル分布(モノ
エステル=84%、ジエステル=13%、トリエステル=3
%)に分割されることが示される。
分割されるX2とY2の重量は、三角座標の性質から、 WM2=WX2+WY2……(a) (但し、 は、M2点とY2間の距離、 は、X2点とM2点間の距離、WM2はM2の重量、WX2はX2の重
量、WY2はY2の重量、但し重量は乾燥物としての値) なる(a)、(b)両式を解くことによって、WX2及びWY2が求
められる。
このように、相対的にモノエステル含量の高いSE(即
ち、HLBの高いSE)は、酸性水の方に溶解し易く、相対
的にモノエステルの低いSE(即ち、HLBの低いSE)は、
沈澱側に存在し易いという性質を巧妙に利用することに
よって、SEを高HLBのものと低HLBのものとに定量的に分
割できる。なお、一般的にSE中のモノエステル含有率が
高い程、水へ溶解するSE(Y)の量が増加し、その逆の場
合は水へ溶解するSE(Y)の量が減少するという傾向も併
せて発見した。そして任意の組成のSEがどれ程酸性中に
溶解するかは、図1で与えられるφのデータを式(a)及
び(b)に代入してWX及びWYの値を解くことによって、定
量的に求めることができる。
かくして、本洗浄工程で得られた酸性水溶液は、相対的
に多量の高HLB−SEを含むので、低HLBのSEを主体とする
沈澱SEと濾過又は遠心して分離する。得られた濾液(又
は上澄み)は、高HLBのSEの他に、より少量の残存揮発
分(ジメチルスルホキシド等)、塩、ショ糖等を含んで
いるので更に精製される必要がある。
(限外濾過) そこで本発明者らは、上の高HLB−SE含有不純濾液中よ
り夾雑する少量の揮発分(ジメチルスルホキシド)、
塩、ショ糖を除去する手段につき鋭意検討を加えた結
果、限外濾過膜の利用がこの目的に有効であることを知
った。
SEが、水溶液中で一定の条件下で相互に合一して高分子
量のミセル構造の集合体を作ることは、公知(前掲書10
2頁参照)である。
ところで、SEの種類であるが、ショ糖の分子の3個の第
一級水酸基の酸素原子のいづれかに、夫々1〜3個の脂
肪酸残基が結合したものを夫々モノエステル、ジエステ
ル及びトリエステルと称している。そして周知の如く、
モノエステルは、親水性がジエステルやトリエステルに
比較して大きい代りに、水中におけるミセル形成の度合
いが小さいので、比較的低分子量の(分子の直径の小さ
い)SEミセル集合体を形成する。逆に、ジエステルやト
リエステルは、親水性が比較的小さい代りにミセル形成
能が極めて大きいので、水中では、極めて大きな分子量
の(即ち、分子径の大きい)SEミセル集合体を形成す
る。市販のSEでは、モノエステル単品として製造される
ことは稀であって、通常はモノエステルの含量が、例え
ば70%、50%、30・・・といった混合組成物として製造
されている。
本発明者らは、例えば、モノエステルの含量が70%と多
いSEは、モノエステル含量が50%と少ないSEに比べて、
より低分子量のSE集合体を作るので、その分、集合体の
微視的径が小さいこと、従って、一定の孔径を有する限
外濾過膜に対してモノエステル含有量50%のSEよりも通
過し易く、このため、未反応の糖や触媒からの副生塩
(触媒で酸を中和して塩としたもの)、揮発分等と一緒
に膜を通過してしまい易いという望ましくない傾向を有
することを知った。そこで本発明者らは、これに対する
対策として、モノエステル含量の高い不純SEから未反応
の糖、触媒由来の塩、揮発分等を除去したい場合は、分
画分子量の小さい(即ち、孔径の小さい)濾過膜を選定
するのがよいこと、及び逆にモノエステル含量の低いSE
の場合には、分画分子量の大きい(即ち、孔径の大き
い)濾過膜を選定するのが処理速度を早めるため好都合
であることを見出した。
なお、発明者らは、反応混合物に含まれている物質のう
ち、未反応の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の
三者は、SEのミセル構造集合体中に内包された状態で存
在するため、SEとそれらの三者を濾過手段により分離す
るのは事実上不可能であることも、多くの実験結果から
確認した。
そして多くの実験から、結論として言えることは、圧力
を駆動源として限外濾過膜(適当な分画分子量を持つ)
を水と共に通過できる不純物質は、未反応の糖を含むシ
ョ糖、触媒由来の塩、添加された中性塩類、及び揮発分
(ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等、SE
合成に際し溶媒として用いられた、極性が強く、水溶性
が大で、かつショ糖と親和性の大きい物質)の四者であ
り、一方、高分子量のミセル集合体中に取り込まれて濾
過膜を通過できない物質は、SE、未反応の脂肪酸メチル
エステル、石鹸及び遊離脂肪酸等である。
本工程は、これらの事実を巧妙に利用すると共に、適当
な分画分子量を持つ限外濾過膜の選定によって、未反応
の糖、触媒由来の塩及び揮発分の三者をSE、未反応の脂
肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の四者から分離、
除去しようとするものである。
(濾過対象物質の分子量) 適当な分画分子量を持つ限外濾過膜を選定するために
は、対象物質の大略の分子量を知っておく必要がある。
発明と関連するこれら単一物質の分子量は以下の通りで
ある。
○ショ糖=342 ○未反応の脂肪酸メチルエステル ステアリン酸メチルエステル=290 ○触媒(K2CO3)の中和により発生する塩 乳酸を使う場合→乳酸カリウム=128 酢酸を使う場合→酢酸カリウム=98 ○揮発分 ジメチルスルホキシド=78 ジメチルホルムアミド=73 ○SE(ミセル集合体を作らない単量体として) ショ糖モノステアレート=600 ショ糖ジステアレート=858 ショ糖トリステアレート=1116 ○石鹸 ステアリン酸ナトリウム=298 ステアリン酸カリウム=314 ○脂肪酸 ステアリン酸=276 ○水=18 ところで、SEのミセル構造の集合体の見掛け分子量(以
下《SEミセル集合体の分子量》と称す)については、以
下のように仮定する。
実際の水溶液中のSEは、水中にてミセル集合体を形成し
ているから、例えば、SEのミセル会合数が10個の場合、
該ミセル集合体の分子量は、モノエステル100%とし
て、 ◇モノエステル単量体の分子量(600)×10=6,000 ジエステル100%として、 ◇ジエステル単量体の分子量(850)X10=8,580 トリエステル100%として、 ◇トリエステルの分子量(1,116)X10=11,160 実際のSEは、モノエステル、ジエステル及びトリエステ
ルの混合物であるから、SEのミセル集合体の分子量とし
ては、その平均分子量を定義するのがよい。
(限外濾過膜の分画分子量) 発明目的に適った膜の選定は、次のようにして行なう。
先ず、分画分子量が200の濾過膜では、本膜へ水溶液状
態の反応混合物を与圧しながら供給して、未反応糖と触
媒(K2CO3)から生じた塩及び揮発分の除去を狙っても、
その限外濾過膜で、分離され得るのは、限外濾過膜の分
画分子量200よりも低い分子量を持つ水、触媒(K2CO3)か
ら生じた塩及び揮発分のみである。分画分子量200より
大きい分子量342のショ糖は、全く限外濾過膜を透過し
ないから、未反応糖はSEより分離、除去できない。
次に、分画分子量が5,000の限外濾過膜の場合は、ショ
糖、触媒からの塩及び揮発分は、夫々の分子量が5,000
より小さいので、限外濾過膜の微孔を容易に通過でき
る。SEは、前述の通りミセル集合体を構成し、ミセル会
合数を例えば10個と仮定すると、そのSEミセル集合体の
分子量は6,000以上と推定されるから、濾過膜の分画分
子量が5,000より大きいと該ミセル集合体が微孔を通過
できないものと推定されるが、この推定は実験的に確認
された。
別に、分画分子量1,000の濾過膜の場合についても検討
したが、結果は予想の通りであった。
このように、限外濾過膜の分画分子量を適当に選定する
ことによって、不純SEからの未反応糖を含む不純物の除
去が可能となる。
(限外濾過膜の具備すべき条件) SE反応混合物に含まれる未反応糖と、触媒(K2CO3)から
副生した塩と、揮発分との三者をSE、石鹸、未反応の脂
肪酸メチルエステル及び脂肪酸の四者より分離しようと
する場合、限外濾過膜の具備すべき条件は、該膜が適当
な分画分子量を有する場合、 物理的な外力に対し、抵抗力があること。
耐熱性を有し、微生物によって分解されないこと。
適当な分画分子量を持ち、処理能力の大きいこと。
耐用年数が長いこと。
経済的な価格提供が入手できること。
等である。
近年の限外濾過膜の製造における技術の進歩には著しい
ものがあるから、市販のものでも上の条件を満たしてい
るものが見出される。
(限外濾過条件) 前段で得られた水溶性の(Y)を含む水溶液は、本限外
濾過に先立ちアルカリを加えて中和し、液性をpH6.2〜
8.2、望ましくはpH7.5付近に調整しておく。中和液のpH
が8.2を越えるとSEの分解が進み、またpH6.2未満ではSE
のミセル集合体が形成され難くなるため、限外濾過膜か
らSEが流れ出したり、細孔をつめたりして望ましくな
い。
濾過時の水溶液の温度は、脂肪酸メチルエステルの種類
とは無関係に80℃以下の温度が好ましく、同温度を超え
るとSEが分解する懸念がある。発明者らは、該温度が特
に40〜60℃の温度範囲内に在るとき、最大の濾過速度が
得られることを見出した。即ち、濾過温度を40〜60℃、
好ましくは約50℃に調節すると、後述の理由で、未反応
糖を含むショ糖、触媒(K2CO3)からの塩及び添加中性塩
並びに揮発分(ジメチルスルホキシドやジメチルホルム
アミド)の三者は、水と共に最も効率良く濾過膜を通過
する。この理由としては40〜60℃に於てSEのミセル集合
体の分子が巨大化する結果、ミル集合体の総数が減少
し、未反応糖等の元来ミセル集合体の形成に関与しない
物質がSEの抵抗を受け難くなり、その分、未反応糖等が
通過し易くなることに因るものと推測される。
公知の如く、SE水溶液は一般に40〜60℃の間で最大の粘
度を示す(上掲書103頁)が、これは、その温度範囲内
で最大の分子量を持ち得ることを示唆するものであり、
この事実からも、40〜60℃の範囲で未反応糖等が最大の
通過速度を示す理由を説明できる。
かくして、40〜60℃に維持されたSEを含む反応混合物水
溶液を、ポンプにより1〜20kg/cm2Gまで加圧して駆動
源としての圧力をかけ、pH6.2〜8.2の水素イオン濃度領
域で限外濾過膜に接触させる。ここに濾過膜として、セ
ルロース系のものは物理的に弱いだけでなく、かつ微生
物にも侵され易いので、実用上余り望ましくない。実用
的に好適であるのは、支持層で補強されたポリスルホン
製もしくはポリ弗化ビニリデン製の膜である。これら両
種の濾過膜は現在市販されており、耐熱性、耐酸性、耐
アルカリ性に優れ、物理的外力にも強く、しかも微生物
が膜面で増殖することもない。
前述の通り、濾過膜の分画分子量の決定に際しては、SE
の洩れなしに未反応糖等の分離が効率よく行なわれ、か
つ濾過速度も大である範囲のものを選定することが重要
である。発明者らは、検討の結果、SEの洩れが無く、未
反応糖、副生塩及び揮発分の分離性が損なわれず、しか
も濾過速度が大であるという希望条件を満たす膜の分画
分子量として、1,000〜100,000の範囲内のものが好適で
あること、及び、とりわけSEの洩れなく、しかも工業的
な規模での処理に適したものとして、分画分子量5,000
の濾過膜が最も好ましいことを発見した。5,000超過の
分画分子量のものでは、僅かではあるがSEの洩れが発生
し、逆に5,000未満の分画分子量の膜では、濾過速度が
減少する。しかしいづれの場合でも、工業的に採算に乗
らない程の不利益をもたらすものではない。
現在市販の濾過膜のうちで、発明目的に適うものとして
は、例えば東レエンジニアリング(株)の販売に係る限
界濾過膜のうち、商品名《TERP-E-5》(ポリ弗化ビニリ
デン系)、《TERP-HR-10》(ポリスルホン系)及び《TE
RP-HF-100》(ポリスルホン系)等がある。
以上の限外濾過処理により、塩析沈澱の酸洗液中から揮
発分、ショ糖分、塩類等の夾雑物を除去された高純度の
高HLB−SE(Y)が普通5〜15%の水溶液の形で回収さ
れる。この高HLB−SE(Y)のモノエステル含量は、例
えば添付第2図の例では、当初73%のモノエステル含量
を持っていた粗製SEが、酸洗によりモノエステル含量84
%の高HLB−SEとモノエステル含量68%の低HLB−SEとに
分別される。このような高HLB−SEは、従来では工業的
な生産が不能視されていたものである。
(真空乾燥) 以上の高HLB−SEの水溶液は、通常の真空濃縮により25
%程度の濃度にまで濃縮されることができるが、溶液の
状態では取扱及び流通に不便である。
しかるに、本発明者は、多数の実験の結果から、上記高
HLB−SE水溶液の脱水のため、噴霧乾燥手段の利用が最
適であることを見出した。
因に、既述の如く、所謂溝型の攪拌型乾燥機で代表され
る通常の真空乾燥機を用いた場合も、また、泥漿を連続
的に供給して加熱して真空室に放出させる、所謂フラッ
シュ式の乾燥機を用いた場合も、SEの持つ粘度特性や低
融点という性質のため、被処理SEの酸価の上昇、着色、
カラメル化などの品質低下現象を回避することができ
ず、さらに後者の場合には、なお粉塵爆発の危険性も無
視できない。
しかるに、発明者が見出した噴霧乾燥手段を採用するこ
とにより、既往乾燥手段の欠点を一挙に解決することが
できる。本発明における乾燥工程では、水溶液状態の含
水ショ糖脂肪酸エステルを、ポンプを介して噴霧乾燥塔
へ連続的に供給し、ノズルによる噴霧又は回転円盤(デ
ィスク)の遠心力により微細な霧状微粒子に分割して乾
燥気流と接触させる。これにより水の蒸発面積が著しく
大きくなり、このため極めて短時間内(噴霧してから数
秒以内)に脱水、乾燥を完了し得る。
なお霧化手段としては、含水ショ糖脂肪酸エステルの粘
度が大であるため、回転円盤の利用が望ましい。
(噴霧乾燥条件) ショ糖脂肪酸エステルの水溶液の供給温度は40〜80℃の
間で任意に変更できるが、品質面の考慮から望ましくは
40〜60℃の範囲内の温度を選ぶ。
上記溶液又は水溶液を回転円盤により霧化させる場合、
例えば円盤の直径が5〜10cmφのときは、15,000〜24,0
00rpmの回転数が適当である。
塔内へ送風される空気は、溶液又は水溶液中の水分を蒸
発させるに必要な熱量以上を保有すべきであり、従って
空気温度が低い場合は、より多量の空気量が必要であ
る。この際の空気温度は10〜100℃の広範囲であってよ
いが、対象ショ糖脂肪酸エステルの乾燥効率と熱分解防
止とを考慮して、60〜80℃の間の温度を選ぶのが有利で
ある。
送風空気中の湿度も前記の空気温度と共に乾燥効率に関
係する。作業上好適な絶対湿度は、大略、 の範囲にあるのが経済的である。
噴霧乾燥塔の所要容積、所要塔経、所要高さなどの諸条
件は、以上の噴霧条件を前提に設計される。塔の設計及
び作業条件が適当であれば、水分5%以下の粉末化され
た乾燥ショ糖脂肪酸エステルが、噴霧乾燥塔の下部より
連続的に排出される。得られた製品は、熱履歴が短いた
め、品質的に極めて優れ、かつ乾燥作業用の人員を殆ど
必要としない。
〔作用〕
未反応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石
鹸、脂肪酸及び揮発分(残留する反応溶媒)を含むショ
糖脂肪酸エステル生成反応混合物に酸を加えて中性領域
のpHに調整後、水、中性塩及びショ糖を加えて適当な温
度下に塩析すると、ショ糖脂肪酸エステル、未反応の脂
肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸が沈澱すると共
に、揮発分(残留する反応溶媒)が水相側に移行するの
で、全く有機溶媒を使用せずに残留揮発分を除去するこ
とができる。特に、式(3)、式(6)、及び式(7)の条件を
満足させるように操作することによって、SEの損失が実
質的に絶無の状態で残留溶媒を除去することができ、更
に水相を逆浸透処理に付すことにより、未反応糖及び添
加糖を高純度の糖液として回収することができる。
次いで、この沈澱を酸性の水で洗い、洗液を限外濾過す
ることによって、該洗液中に移行した沈澱中の夾雑揮発
分や、ショ糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により
副生した塩等の不純物が除去された高純度の高HLB−SE
の水溶液が得られる。最後に、この水溶液を噴霧乾燥す
ることにより、高品質の高HLB−SEが、流動性の良い粉
末として連続的に生産される。かくして全く精製用溶媒
を使用せずに高いHLB値を持つ粉末状SEの工業的生産が
可能となる。
〔実施例〕
以下、実施例により発明実施の態様を具体的に説明する
が、各例示は当然説明用のものであって、発明の技術的
範囲とは直接関係のないものである。
実施例−1 下表−2の組成で表される溶媒法SE反応混合物から反応
溶媒を留去した残液を乳酸で中和後、乾燥させた乾物10
0kgに水1,000kgを加えて溶解させた。
この水溶液に、ショ糖62.5kg及び50%乳酸カリウム97.6
kgを加えて、75℃まで加熱、昇温させ、沈澱したケーキ
を濾別後、真空下80℃で乾燥し、固形物の組成を調べた
ところ、下表−3の通りであった。なおケーキ中の水分
は45%であった。
また、ケーキより濾別された1,180kgの濾過液中のSE量
を、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)法(上掲書63
頁記載)で測定したところ、SEの存在は全く認られなか
った他、反応溶媒のジメチルスルホキシドの75%が除去
されていた。
表−3のケーキ(重量80kg)をpH3.5の常温酢酸水400kg
に溶解させ、ホモミキサーで10分間攪拌、細分化した
後、濾過する操作を四回繰返すことによって得られた濾
液の組成は下表−4の通りであった。
この濾液(1,625kg)をpH7.5に調整し、東レエンジニア
リング(株)製限外濾過膜《TERP-E-5》(分画分子量5,
000)を装置した膜面積8m2のスパイラル型(4″×1
m)円筒形加圧濾過ユニットへ以下の条件で送液した。
温度=50.5℃〜53.0℃、 濾過膜の排出速度=4.1〜5.7(kg/分)、 濾過膜の循環速度=18.9〜17.3(kg/分)、 約310分後、濃縮された溶液に水1,600kgを加え、攪拌
後、再び同一条件で限外濾過膜に送液した。
この操作を4回繰返した結果、濃縮された液の組成(ド
ライ状)は下表−5の通りとなった。
なお、この水溶液の固形分濃度は11.5%であった。
この水溶液を真空下で加熱濃縮して、固形分濃度を24%
まで上げた後、以下の条件Fで噴霧乾燥を行った。
噴霧乾燥塔の直径:2.0mφ 直筒部の長さ:1.5m 回転円盤(ディスク)径:10cmφ 円盤回転数:24,000rpm 入口空気温度:51℃ 噴霧乾燥塔の下部から得られた粉末状SEは、水分2.10
%、嵩比重0.41で、過熱による着色も無く、流動性のよ
いものであった。
乾燥は1.5時間安定して継続でき、得られた粉末の組成
は下表−6の通りであった。
このように、当初の反応混合物中のエステル分布におい
て、モノエステル含量70.0%(ジエステル以上30%)の
SEが、モノエステル含量83.2%に上昇し、その分高いHL
B値を示すSEとなった。
次に、前記塩析濾液1,180kg(ショ糖及び乳酸カリウム
の添加によりSEを沈澱として分離した後の、ショ糖、塩
及び揮発分を含む水溶液)に水を加え、下表−7の組成
の液を調製した。
この水溶液(pH7.4)を50.0〜52.5℃に加熱し、ポンプ圧
力58.2kg/cm2Gで逆浸透膜(商品名《SU-200》前出)
(直径4インチ×長さ1メートル、濾過面積8m2)に下
記の条件下に供給した。
膜を透過する水溶液の排出速度=3.9〜2.2/分 逆浸透膜廻りの循環速度=19.2〜20.9/分 供給時間=約550分 膜を透過しなかった濃縮液は、夫々当初量に対し、ショ
糖として略々全量、触媒からの副生塩を46.0%、揮発分
を52.0%含んでいた。
一方、膜を透過した触媒からの副生塩及び揮発分を含む
水溶液は、下表−8(透過液の欄)記載の通り、殆ど糖
を含まず、触媒からの副生塩及び加えられた中性塩を夫
々当初量の54.0%、揮発分を48.0%含んでいた。
実施例−2 前掲実施例−1、表−8記載の濃縮液1,048kg(溶質濃
度12.5%)に、新たに水1,900kgを追加し、該例と同一
の条件で逆浸透膜に供給してショ糖を分離し、下表−9
の結果を得た。
実施例−3 前記実施例−2、表−9記載の濃縮液1,015.2kg(溶質
濃度10.6%)に、新たに水2,200kgを追加し、同例と同
一の条件で逆浸透膜に給液してショ糖を分離した。結果
は下表−10の通りであった。
〔発明の効果〕 以上説明した通り、本発明は、溶媒法ショ糖脂肪酸エス
テル反応混合物から精製用溶媒を使用しないで、工業的
に、精製された高HLBの粉末状ショ糖脂肪酸エステルの
製造を可能ならしめると共に、反応混合物中の未反応糖
を回収する手段を提供し得たことによって、以下のよう
な多大な効果を奏する。
(1)安価な水のみを用いてショ糖脂肪酸エステルの精製
が可能となること。
(2)ショ糖脂肪酸エステルの乾燥を、常圧下に短時間内
に行うことができるため、製品の熱劣化がないこと。
(3)溶剤の爆発、火災の心配がなく、従って、防爆仕様
の高価な電気装置も不要となること。
(4)反応溶媒及び精製用溶媒が製品に混入する懸念がな
いこと。
(5)職場の衛生環境が向上すること。
(6)低費用で工業化できること。
【図面の簡単な説明】
第1図は、水、合計糖及び合計塩各量の変化と、水相中
に溶存するSE量との関係を示す三元グラフ、第2図は、
SEのエステル組成と酸性水への溶解度の関係を示す三元
グラフである。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目的物のショ糖脂肪酸エステルの他、未反
    応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石鹸、
    脂肪酸及び揮発分を含む反応混合物を、中性領域のpHに
    調整し、水、中性塩及びショ糖を加えることにより生じ
    る沈澱物を酸性の水で洗浄し、洗液を限外濾過後、噴霧
    乾燥すると共に、上記沈澱物を除去した残液を逆浸透膜
    と接触させてショ糖を回収することを特徴とする粉末状
    高HLBショ糖脂肪酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】反応混合物の組成が、 ショ糖脂肪酸エステル =15.0〜95.0% 未反応のショ糖 =1.0〜80.0% 未反応の脂肪酸メチルエステル=0.5〜10.0% 触媒 =0.05〜7.0% 石鹸 =1.0〜10.0% 脂肪酸 =0.5〜10.0% 揮発分 =3.0〜30.0% である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】反応混合物が、pH6.2〜8.2に調整される請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】pH調整後の反応混合物が、50〜80℃に加熱
    される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】反応混合物に加えられる水と反応混合物の
    重量比が、水:反応混合物=5:1〜40:1である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】下記の関係式に従って、中性塩及びショ糖
    がpH調製後の反応混合物に添加される請求項1又は3記
    載の方法。 かつ、 かつ、 ここで、 合計塩量=加えられるべき中性塩量+触媒の中和によっ
    て生成する塩量 合計糖量=加えられるべきショ糖量+当初からの未反応
    糖量
  7. 【請求項7】反応混合物のpHの調整に使用される酸が、
    乳酸、酢酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれた酸の
    いずれかである請求項1又は3記載の方法。
  8. 【請求項8】反応混合物中の脂肪酸メチルエステル、石
    鹸及び脂肪酸の夫々に主として含まれる脂肪酸根が、炭
    素数が16〜22の共通飽和脂肪酸根を持つ請求項1又は2
    記載の方法。
  9. 【請求項9】反応混合物中の揮発分(残留する反応溶
    媒)の成分が、ジメチルスルホキシド又はジメチルホル
    ムアミドである請求項1又は2記載の方法。
  10. 【請求項10】反応混合物に加えられる中性塩が、食
    塩、芒硝、乳酸カリウム及び酢酸カリウムからなる群か
    ら選ばれた塩のいずれかである請求項1又は6記載の方
    法。
  11. 【請求項11】ショ糖脂肪酸エステルのエステル分布
    が、モノエステル含分として、10〜75%(ジエステル以
    上が90〜25%)である請求項1又は2記載の方法。
  12. 【請求項12】酸性の水のpH値が、3.0〜5.5である請求
    項1記載の方法。
  13. 【請求項13】酸性の水の温度が、10〜40℃である請求
    項1又は12記載の方法。
  14. 【請求項14】限外濾過膜が、ポリスルホン系又はポリ
    弗化ビニリデン系の樹脂からなる請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】限外濾過膜の分画分子量が1,000-100,00
    0である請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】限外濾過時の駆動源としての圧力が1.0
    〜20.0kg/cmGである請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】限外濾過時の反応混合物水溶液のpHが、
    6.2〜8.2である請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】限外濾過時の反応混合物水溶液の温度
    が、40〜60℃である請求項1又は17記載の方法。
  19. 【請求項19】逆浸透膜の分画分子量が、150〜200であ
    る請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】逆浸透膜への供給液の温度が、40〜60℃
    である請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】逆浸透膜へ供給液のpHが、6.2〜8.2であ
    る請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】逆浸透膜が、架橋ポリアミド系プラスチ
    ックスよりなる請求項1及び19〜21のいずれかに記載の
    方法。
  23. 【請求項23】逆浸透膜への供給液のショ糖濃度が10〜
    20%である請求項1及び19〜21のいずれかに記載の方
    法。
  24. 【請求項24】噴霧乾燥される沈澱のスラリー(泥漿)
    が、固形分=4〜40%、水分=96〜60%のものである請
    求項1記載の方法。
  25. 【請求項25】噴霧乾燥時の送風空気の湿度と温度が、 の範囲内に在る請求項1記載の方法。
  26. 【請求項26】製品の粉末状ショ糖脂肪酸エステルの組
    成が、下記範囲内に在る請求項1記載の製法。 水分 =0.5〜5.0% 未反応脂肪酸メチルエステル=0.5〜10.0% 石鹸 =0.5〜60.0% 脂肪酸 =0.5〜10.0% ショ糖脂肪酸エステル =98.0〜15.0%
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