JPH065683Y2 - 歩行型農作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、下端部に車軸を有したミッションケースの上
部に、クランク軸の回転軸芯が機体上下方向に沿う姿勢
でエンジンを連結し、操縦用ハンドルを前記ミッション
ケースの背後に配置した歩行型農作業車に関する。

〔従来の技術〕

かかる歩行型農作業車においては、従来、耕耘ロータリ
等のロータリ型作業装置を車輪に替えて車軸に取付ける
ことにより、作業機形態にするようになっていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

耕耘作業に際し、作業が確実に行われるように、すなわ
ち、作業装置の回転速度よりも機体進行速度が遅くなる
ように走行抵抗を付与せねばならず、必要労力が大にな
っていた。

本考案の目的は、作業が楽にできるものを構造の簡略
化、及び、軽量化、並びに、強度の向上を図りながら提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、冒記した歩行型農作業車において
前記操縦用ハンドルの下端をミッションケースの下部に
連結すると共に、前記操縦用ハンドルの中間部をブラケ
ットを介してミッションケースの上部に連結し、ロータ
リ型作業装置を前記したミッションケースの後方に配置
した状態で、前記ロータリ型作業装置と前記ミッション
ケースの下端側とを連結する筒状の第１連結杆、及び、
前記ロータリ型作業装置と前記操縦用ハンドルの途中と
を連結する第２連結杆を介して連結し、前記車軸の回動
力を前記ロータリ型作業装置に伝達する回転軸を、前記
第１連結杆の内部空間を通して配置した点にあり、その
作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕

車軸には車輪を付けたままで、ロータリ型作業装置を駆
動可能に連結し、作業装置の機体進行作用に対する抵抗
を車輪で付与しながら作業するように作業車を構成する
のである。

ミッションケースの上部やエンジンから連結作業装置に
動力を分岐伝達する場合のように操縦用ハンドルの基端
部を迂回する構造に構成しなくとも、回転軸でなる直線
状の伝動系でもって連結作業装置に伝動できる。

ロータリ型作業装置を走行機体に対して前記第１連結杆
と第２連結杆で連結することにより、作業装置をミッシ
ョンケースのみに連結する場合に比して、作業装置が作
業反力等で上下動しないように強固に連結する強度を確
保できる。

また、ミッションケース、第１連結杆、第２連結杆、操
縦用ハンドル、及び、ブラケットの全体が一体化される
ことによって、全体の剛性のアップがはかれ、作業装置
に対する連結構造を利用して、操縦用ハンドルの支持強
度のアツプがはかれる。

〔考案の効果〕

走行抵抗に付与を車輪がすることにより、この抵抗付与
を人為的にする必要がなくなり、作業が楽にできるよう
になった。

ロータリ型作業装置に対する動力伝達系に操縦用ハンド
ルを迂回させる必要がないことにより、伝動系の面から
構造の簡略化が可能になり、経済面で有利にできた。

また、ロータリ型作業装置は、第１連結杆、及び、第２
連結杆を介して走行ミッションケースと操縦ハンドルに
両持ち支持されるから、作業反力によりロータリ型作業
装置が上下動することが少なく、取扱いが容易となる。

さらに、ミッションケース、第１連結杆、第２連結杆、
操縦用ハンドル、及び、ブラケットの全体が一体化され
ることによって、全体の剛性のアップがはかれ、作業装
置に対する連結構造を利用して、操縦用ハンドルの支持
強度のアップがはかれる。

〔実施例〕

第１図に示すように、回転軸芯が機体上下方向に沿う姿
勢に配置されたクランク軸(1)を備えたエンジン(2)の下
部に連設したミッションケース(4)、このミッションケ
ース(4)の下端部に備えられた車軸(3)に取付けた左右一
対の車輪(5)，(5)、操縦用ハンドル(6)を有した走行機
体にロータリ耕耘装置(7)を連結して、歩行型耕耘機を
構成してある。

前記操縦用ハンドル(6)を取付けるに、第１図及び第２
図に示すように、操縦用ハンドル(6)の基端部(6B)を前
記ミッションケース(4)の背後に配置し、前記基端部(6
B)の下端側を前記ミッションケース(4)の下端側の車軸
ケース部分(8)にボルト連結し、前記基端部(6B)の上端
側を接地棒(9)取付用ブラケット(10)を介して前記ミッ
ションケース(4)の上端側のクラッチ収納部分に、か
つ、連結フレーム(11)を介して前記耕耘装置(7)の機体
本体を形成する伝動ケース(20)に夫々連結してある。

前記操縦用ハンドル(6)の先端部(6A)は、係合機構(12)
を介して上下３段に角度調節できるように前記基端部(6
B)に連結してある。

ロータリ型耕耘装置(7)の連結は、ミッションケース(4)
の下端側と前記伝動ケース(20)とを連結してある第１連
結杆としての筒状の伝動ケース(21)、及び、前記伝動ケ
ース(20)と前記基端部(6B)の途中とを連結してある第２
連結杆としての前記連結フレーム(11)の夫々により行っ
てある。

車輪(5)及び耕耘装置(7)の駆動を可能にするに、第２図
及び第３図に示すように、エンジン(2)からの動力を機
体上下方向に沿う伝動軸(13)及び第１ベベルギア機構(1
4)を介して車軸(3)に伝達するようにし、そして、前記
車軸(3)の回動力を第２ベベルギア(15)、前記基端部(6
B)の直下に配置した状態で伝動ケース(21)に内装してあ
る回転軸(16)、及び、第３ベベルギア機構(17)を介して
ロータリ駆動軸(18)に伝達するようにしてある。

尚、第１図に示す(19)は、ロータリカバーである。

〔別実施例〕

前記実施例では、車軸ケース部分(8)と伝動ケース(20)
とに同一形状のものを用いたが、異なる形状のものを用
いてもよい。

又、前記実施例では、耕深を設定された深さに維持でき
るように接地棒(9)を設けたが、接地輪でもよいし、
又、接地棒(9)は省略してもよい。

本考案は、歩行型耕耘機の他、ロータリ型作業具を備え
た各種の歩行型農作業車にも適用でき、前記ロータリ耕
耘装置(7)をロータリ型作業装置と総称する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型農作業車の実施例を示し、第
１図は歩行型耕耘機全体の側面図、第２図はハンドルの
基端部と回転軸との配置を示す切欠き平面図、第３図は
車輪及びロータリ耕耘装置の駆動構造を示す縦断側面図
である。 (1)……クランク軸、(2)……エンジン、(3)……車軸、
(4)……ミッションケース、(6)……操縦用ハンドル、(6
B)……基端部、(7)……ロータリ型作業装置、(10)……
ブラケット、(11)……第２連結杆、(16)……回転軸、(2
1)……第１連結杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端部に車軸(3)を有したミッションケー
   ス(4)の上部に、クランク軸(1)の回転軸芯が機体上下方
   向に沿う姿勢でエンジン(2)を連結し、操縦用ハンドル
   (6)を前記ミッションケース(4)の背後に配置した歩行型
   農作業車であって、前記操縦用ハンドル(6)の下端をミ
   ッションケース(4)の下部に連結すると共に、前記操縦
   用ハンドル(6)の中間部をブラケット(10)を介してミッ
   ションケース(4)の上部に連結し、ロータリ型作業装置
   (7)を前記ミッションケース(4)の後方に配置した状態
   で、前記ロータリ型作業装置(7)と前記ミッションケー
   ス(4)の下端側とを連結する筒状の第１連結杆(21)、及
   び、前記ロータリ型作業装置(7)と前記操縦用ハンドル
   (6)の途中とを連結する第２連結杆(11)を介して連結
   し、前記車軸(3)の回動力を前記ロータリ型作業装置(7)
   に伝達する回転軸(16)を、前記第１連結杆(21)の内部空
   間を通して配置してある歩行型農作業車。