JPH0653383B2 - 高弾性ポリエステルフイルム - Google Patents
高弾性ポリエステルフイルムInfo
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- JPH0653383B2 JPH0653383B2 JP61193369A JP19336986A JPH0653383B2 JP H0653383 B2 JPH0653383 B2 JP H0653383B2 JP 61193369 A JP61193369 A JP 61193369A JP 19336986 A JP19336986 A JP 19336986A JP H0653383 B2 JPH0653383 B2 JP H0653383B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,液晶ポリエステル(異方性溶融物を形成しう
るポリエステルをいう。)からなるフイルムに関するも
のであり,さらに詳しくは液晶ポリエステルからなり,
未延伸フイルムの状態でも優れた物性を有する高弾性ポ
リエステルフイルムに関するものである。
るポリエステルをいう。)からなるフイルムに関するも
のであり,さらに詳しくは液晶ポリエステルからなり,
未延伸フイルムの状態でも優れた物性を有する高弾性ポ
リエステルフイルムに関するものである。
(従来の技術) 近年,各種のポリマーから製造されたフイルムは,日常
生活にとって無くてはならないものとなっている。たと
えば,高強力フイルム,高弾性フイルム,柔軟性フイル
ム,透明性フイルム,導電性フイルム,耐熱性フイルム
あるいは光バリヤー性フイルムなどの各種フイルムが開
発され,種々の用途に使い分けられている。なかでも,
高弾性フイルムは,機械分野や電子機器分野ばかりでな
く,寸法安定性が優れているうえに,薄いものでも磁気
ヘッドに巻き込まれることがないという利点を利用し
て,オーデイオテープやビデオテープなどの記録テープ
として幅広く,かつ,大量に使用されている。
生活にとって無くてはならないものとなっている。たと
えば,高強力フイルム,高弾性フイルム,柔軟性フイル
ム,透明性フイルム,導電性フイルム,耐熱性フイルム
あるいは光バリヤー性フイルムなどの各種フイルムが開
発され,種々の用途に使い分けられている。なかでも,
高弾性フイルムは,機械分野や電子機器分野ばかりでな
く,寸法安定性が優れているうえに,薄いものでも磁気
ヘッドに巻き込まれることがないという利点を利用し
て,オーデイオテープやビデオテープなどの記録テープ
として幅広く,かつ,大量に使用されている。
従来,汎用の高弾性フイルムとしてポリエチレンテレフ
タレートの延伸フイルムが使用されており,このフイル
ムは400kg/mm2程度のタテ方向の引張弾性率を有してい
る。
タレートの延伸フイルムが使用されており,このフイル
ムは400kg/mm2程度のタテ方向の引張弾性率を有してい
る。
一方,押し出し成形するだけで高度に配向した成形品が
得られることから液晶ポリマー,とくに液晶ポリエステ
ルが注目されている。そして,特公昭60-42287 号公報
には液晶ポリエステルをドラフトをかけながらフイルム
状に成形し,得られた未延伸フイルムを分繊してスプリ
ットフアイバーを製造することが提案されている。
得られることから液晶ポリマー,とくに液晶ポリエステ
ルが注目されている。そして,特公昭60-42287 号公報
には液晶ポリエステルをドラフトをかけながらフイルム
状に成形し,得られた未延伸フイルムを分繊してスプリ
ットフアイバーを製造することが提案されている。
(発明が解決しようとする問題点) ポリエチレンテレフタレートの未延伸フイルムのタテ方
向の引張弾性率はせいぜい200kg/mm2程度でしかないの
で,高弾性フイルムを得るには延伸が行われているが,
ポリエチレンテレフタレートの延伸フイルムを製造する
には延伸装置と,その設置場所を必要とするうえ,延伸
に伴う複雑な管理を要するという問題がある。
向の引張弾性率はせいぜい200kg/mm2程度でしかないの
で,高弾性フイルムを得るには延伸が行われているが,
ポリエチレンテレフタレートの延伸フイルムを製造する
には延伸装置と,その設置場所を必要とするうえ,延伸
に伴う複雑な管理を要するという問題がある。
特公昭60-42287 号公報に記載されている未延伸フイル
ムは,ついで分繊してスプリットフアイバーとされてい
るように極めてフイブリル化し易いものであって高弾性
フイルムとしては実用価値に劣るものであった。このよ
うに液晶ポリエステルを押し出し成形することによって
タテ方向に高度に配向したフイルムを得ることができる
が,得られたフイルムは少しの外力によってもヨコ方向
にスプリットしてフイブリル化してしまうので,フイル
ムとしての用途が限られるという問題があった。
ムは,ついで分繊してスプリットフアイバーとされてい
るように極めてフイブリル化し易いものであって高弾性
フイルムとしては実用価値に劣るものであった。このよ
うに液晶ポリエステルを押し出し成形することによって
タテ方向に高度に配向したフイルムを得ることができる
が,得られたフイルムは少しの外力によってもヨコ方向
にスプリットしてフイブリル化してしまうので,フイル
ムとしての用途が限られるという問題があった。
したがって,本発明の目的は,未延伸の状態でもタテ方
向の弾性率が高く,ヨコ方向に容易にフイブリル化せ
ず,かつ,たとえば記録テープに適している高弾性フイ
ルムを提供することにある。
向の弾性率が高く,ヨコ方向に容易にフイブリル化せ
ず,かつ,たとえば記録テープに適している高弾性フイ
ルムを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記の目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果,特定の化学構造を有する液晶ポリエステル
を特定のドラフトをかけながらフイルム状に成形するこ
とによって上記の目的が達成できることを見出し,本発
明に到達した。
重ねた結果,特定の化学構造を有する液晶ポリエステル
を特定のドラフトをかけながらフイルム状に成形するこ
とによって上記の目的が達成できることを見出し,本発
明に到達した。
すなわち,本発明の要旨は,次のとおりである。
下記の液晶ポリエステルからなるフイルムであって,該
フイルムは溶融押し出してタテ方向に2倍以上のドラフ
トをかけながら製膜したままの未延伸フイルムの状態
で,少くとも8kg/mm2のタテ方向の引張強力,少なくと
も400kg/mm2のタテ方向の引張弾性率及び少なくとも2k
g/mm2のヨコ方向の引張強力を有することを特徴とする
高弾性ポリエステルフイルム。
フイルムは溶融押し出してタテ方向に2倍以上のドラフ
トをかけながら製膜したままの未延伸フイルムの状態
で,少くとも8kg/mm2のタテ方向の引張強力,少なくと
も400kg/mm2のタテ方向の引張弾性率及び少なくとも2k
g/mm2のヨコ方向の引張強力を有することを特徴とする
高弾性ポリエステルフイルム。
液晶ポリエステル (イ)p−ヒドロキシ安息香酸成分, (ロ)テレフタル酸成分, (ハ)エチレングリコール成分及び (ニ)非直線性のジカルボン酸成分及び/又は 非直線性のジオール成分からなり, 次の式(I)〜(III)を満足するコポリエステル。
y>0 (I) 0.7(x−30.7)+2≧y≧0.7(x−30.7)−2 (II) 43.0≧x≧29.4 (III) 〔式中,yは液晶ポリエステル中の(ニ)成分のモル%,
xは液晶ポリエステル中の(イ)成分のモル%を表す。〕 本発明において,液晶ポリエステル中の(イ)成分の割合
が少なすぎる場合は高弾性のフイルムが得にくくなる。
また,(ニ)成分の割合が少なすぎる場合は,フイルムが
フイブリル化し易くなり,(ニ)成分の割合が多すぎる場
合は高弾性のフイルムが得にくくなる。したがって,液
晶ポリエステルは,上記の式(I)〜(III)を同時に満足す
ることが必要である。
xは液晶ポリエステル中の(イ)成分のモル%を表す。〕 本発明において,液晶ポリエステル中の(イ)成分の割合
が少なすぎる場合は高弾性のフイルムが得にくくなる。
また,(ニ)成分の割合が少なすぎる場合は,フイルムが
フイブリル化し易くなり,(ニ)成分の割合が多すぎる場
合は高弾性のフイルムが得にくくなる。したがって,液
晶ポリエステルは,上記の式(I)〜(III)を同時に満足す
ることが必要である。
ここで非直線性のジカルボン酸成分あるいは非直線性の
ジオール成分とは,それらの成分がポリエステルの主鎖
に屈曲を与え,液晶性を緩和するようなジカルボン酸成
分あるいはジオール成分を意味する。そのような成分と
しては,たとえばSP3結合が主鎖に屈曲を与えるも
の,芳香環の結合の位置が主鎖に屈曲を与えるもの,ベ
ンゼン環や多環芳香族の結合の位置が主鎖に屈曲を与え
るもの,2個以上の芳香環の間の炭素原子や酸素原子な
どの非直線的結合が主鎖に屈曲を与えるもの,芳香環と
アルキル鎖とのエーテル結合が主鎖に屈曲を与えるもの
などがあげられる。そして,そのようなジカルボン酸成
分及びジオール成分の具体例としては次のようなものを
あげることができる。
ジオール成分とは,それらの成分がポリエステルの主鎖
に屈曲を与え,液晶性を緩和するようなジカルボン酸成
分あるいはジオール成分を意味する。そのような成分と
しては,たとえばSP3結合が主鎖に屈曲を与えるも
の,芳香環の結合の位置が主鎖に屈曲を与えるもの,ベ
ンゼン環や多環芳香族の結合の位置が主鎖に屈曲を与え
るもの,2個以上の芳香環の間の炭素原子や酸素原子な
どの非直線的結合が主鎖に屈曲を与えるもの,芳香環と
アルキル鎖とのエーテル結合が主鎖に屈曲を与えるもの
などがあげられる。そして,そのようなジカルボン酸成
分及びジオール成分の具体例としては次のようなものを
あげることができる。
ジカルボン酸成分としてはマロン酸,コハク酸,スベリ
ン酸,アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカ
ン二酸,テトラデカン二酸,エイコサン二酸などの炭素
数20以下の脂肪族ジカルボン,ダイマー酸などの長鎖脂
肪族ジカルボン酸,シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂環族ジカルボン酸などのSP3結合が主鎖に屈曲を与
え,液晶性を緩和するもの,フタル酸,イソフタル酸,
2,6−ナフタレンジカルボン酸,2,7−ナフタレン
ジカルボン酸,1,5−ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸など芳香環の結合の位置が主鎖に屈
曲を与え,液晶性を緩和する芳香族ジカルボン酸及びこ
れらの誘導体があげられる。これらのうち,フイルムの
平滑性が優れていること,経済性がすぐれていることか
ら炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸やイソフタル酸が
好ましい。
ン酸,アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカ
ン二酸,テトラデカン二酸,エイコサン二酸などの炭素
数20以下の脂肪族ジカルボン,ダイマー酸などの長鎖脂
肪族ジカルボン酸,シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂環族ジカルボン酸などのSP3結合が主鎖に屈曲を与
え,液晶性を緩和するもの,フタル酸,イソフタル酸,
2,6−ナフタレンジカルボン酸,2,7−ナフタレン
ジカルボン酸,1,5−ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸など芳香環の結合の位置が主鎖に屈
曲を与え,液晶性を緩和する芳香族ジカルボン酸及びこ
れらの誘導体があげられる。これらのうち,フイルムの
平滑性が優れていること,経済性がすぐれていることか
ら炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸やイソフタル酸が
好ましい。
ジオール成分としては,プロピレングリコール,ブタン
ジオール,ヘキサンジオールなどの炭素数3以上の脂肪
族グリコール,ジエチレングリコール,トリエチレング
リコール,ポリエチレングリコール,ジプロピレングリ
コール,トリプロピレングリコール,ポリプロピレング
リコールなどのポリオール,シクロヘキサンジオールや
シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール及び
それらの誘導体があげられる。これらのものは,SP3
結合が主鎖に屈曲を与え,液晶性を緩和するものであ
る。また,このほかのジオールの例としてレゾルシン,
カテコール,2,6−ジヒドロキシナフタリンなどのベ
ンセン環や多環芳香族の結合の位置が手鎖に屈曲を与
え,液晶性を緩和するもの,4,4′−イソプロピリデ
ンジフエノール,4,4′−ジヒドロキシジフェニルメ
タン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど
2個以上の芳香環の間の炭素原子や酸素原子などの非直
線的結合が主鎖に屈曲を与え,液晶性を緩和する芳香族
ジオール,さらにエチレングリコールモノハイドロキノ
ンエーテル,ジエチレングリコールハイドロキノンエー
テルなどの芳香環とアルキル鎖とのエーテル結合が主鎖
に屈曲を与え,液晶性を緩和するもの及びこれらの誘導
体があげられる。これらのうち,フイルムの平滑性,均
一性が優れていること,経済性がすぐれていることから
4,4′−イソプロピリデンジフエノール,レゾルシ
ン,ジエチレングリコール,エチレングリコールモノハ
イドロキノンエーテルが好ましいが,フイルムの耐熱性
が向上することから4,4′−イソプロピリデンジフエ
ノールがとくに好ましい。
ジオール,ヘキサンジオールなどの炭素数3以上の脂肪
族グリコール,ジエチレングリコール,トリエチレング
リコール,ポリエチレングリコール,ジプロピレングリ
コール,トリプロピレングリコール,ポリプロピレング
リコールなどのポリオール,シクロヘキサンジオールや
シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール及び
それらの誘導体があげられる。これらのものは,SP3
結合が主鎖に屈曲を与え,液晶性を緩和するものであ
る。また,このほかのジオールの例としてレゾルシン,
カテコール,2,6−ジヒドロキシナフタリンなどのベ
ンセン環や多環芳香族の結合の位置が手鎖に屈曲を与
え,液晶性を緩和するもの,4,4′−イソプロピリデ
ンジフエノール,4,4′−ジヒドロキシジフェニルメ
タン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど
2個以上の芳香環の間の炭素原子や酸素原子などの非直
線的結合が主鎖に屈曲を与え,液晶性を緩和する芳香族
ジオール,さらにエチレングリコールモノハイドロキノ
ンエーテル,ジエチレングリコールハイドロキノンエー
テルなどの芳香環とアルキル鎖とのエーテル結合が主鎖
に屈曲を与え,液晶性を緩和するもの及びこれらの誘導
体があげられる。これらのうち,フイルムの平滑性,均
一性が優れていること,経済性がすぐれていることから
4,4′−イソプロピリデンジフエノール,レゾルシ
ン,ジエチレングリコール,エチレングリコールモノハ
イドロキノンエーテルが好ましいが,フイルムの耐熱性
が向上することから4,4′−イソプロピリデンジフエ
ノールがとくに好ましい。
このような液晶ポリエステルを調製する方法はとくに限
定されるものではなく,たとえばポリエチレンテレフタ
レート又は非直線性のジカルボン酸成分もしくは非直線
性のジオール成分を共重合したポリエチレンテレフタレ
ートを,アセトキシ安息香酸と混合し,ついで加温し溶
融してアシドリシスを行い,さらに減圧し増粘させる特
公昭56-18016 号公報に記載の方法など従来公知の種々
の方法を適宜採用することができる。
定されるものではなく,たとえばポリエチレンテレフタ
レート又は非直線性のジカルボン酸成分もしくは非直線
性のジオール成分を共重合したポリエチレンテレフタレ
ートを,アセトキシ安息香酸と混合し,ついで加温し溶
融してアシドリシスを行い,さらに減圧し増粘させる特
公昭56-18016 号公報に記載の方法など従来公知の種々
の方法を適宜採用することができる。
本発明のフイルムは,上記のような液晶ポリエステルを
溶融押し出してドラフトをかけながら製膜することによ
って製造することができる。製膜装置としては,従来公
知のポリエステル用の溶融押出製膜装置を使用すること
ができる。本発明のフイルムを製造するには,ダイより
押し出された膜状物を,その膜状物が冷却固化する前に
タテ方向に2倍以上,好ましくは5倍以上,さらに好ま
しくは10倍以上のドラフトをかけて巻き取ることが必要
である。ドラフト率が2倍未満では本発明の目的とする
高弾性フイルムを得ることができない。この場合,ドラ
フト率は巻き取り速度と,ダイからの押し出し速度の比
で求められる。
溶融押し出してドラフトをかけながら製膜することによ
って製造することができる。製膜装置としては,従来公
知のポリエステル用の溶融押出製膜装置を使用すること
ができる。本発明のフイルムを製造するには,ダイより
押し出された膜状物を,その膜状物が冷却固化する前に
タテ方向に2倍以上,好ましくは5倍以上,さらに好ま
しくは10倍以上のドラフトをかけて巻き取ることが必要
である。ドラフト率が2倍未満では本発明の目的とする
高弾性フイルムを得ることができない。この場合,ドラ
フト率は巻き取り速度と,ダイからの押し出し速度の比
で求められる。
本発明のフイルムは,必要に応じて,その物性を改良す
るために延伸を行って使用しても差支えない。
るために延伸を行って使用しても差支えない。
(実施例) 以下実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
なお,例中のポリエステルの固有粘度のはフエノール/
テトラクロルエタン=1/1(重量比)混合溶媒中,30
℃で測定したものである。ポリエステルの液晶性は偏光
顕微鏡を用い280℃,クロスニコル下で観察することに
より判定した。フイルムの引張強力及び引張弾性率は引
張試験機(島津製作所製オートグラフ)を用いて引張速
度5mm/分,25℃にて測定した。
テトラクロルエタン=1/1(重量比)混合溶媒中,30
℃で測定したものである。ポリエステルの液晶性は偏光
顕微鏡を用い280℃,クロスニコル下で観察することに
より判定した。フイルムの引張強力及び引張弾性率は引
張試験機(島津製作所製オートグラフ)を用いて引張速
度5mm/分,25℃にて測定した。
実施例1 特公昭56-18016 号公報に記載された重合方法に従っ
て,テレフタル酸の残基97.5モル,イソフタル酸の残基
2.5モル,エチレングリコールの残基94モル,4,4′
−イソプロピリデンジフエノールの残基6モルより構成
される固有粘度0.65の変性ポリエチレンテレフタレート
0.48モルに,p−アセトキシ安息香酸0.52モルを添加
し,270℃,乾燥窒素流下,1時間のアシドリシス反応
を行い,ついで徐々に減圧し,最終的に0.2mmHgの減圧
下で4時間重合し,固有粘度0.66のp−ヒドロキシ安息
香酸の残基/テレフタル酸の残基/イソフタル酸の残基
/エチレングリコールの残基/4,4′−イソプロピリ
デンジフエノールの残基のモル比が52.0/46.8/1.2/45.1
/2.9(モル%では35.14/31.62/0.81/30.47/1.96)の液
晶性ポリエステルを製造した。
て,テレフタル酸の残基97.5モル,イソフタル酸の残基
2.5モル,エチレングリコールの残基94モル,4,4′
−イソプロピリデンジフエノールの残基6モルより構成
される固有粘度0.65の変性ポリエチレンテレフタレート
0.48モルに,p−アセトキシ安息香酸0.52モルを添加
し,270℃,乾燥窒素流下,1時間のアシドリシス反応
を行い,ついで徐々に減圧し,最終的に0.2mmHgの減圧
下で4時間重合し,固有粘度0.66のp−ヒドロキシ安息
香酸の残基/テレフタル酸の残基/イソフタル酸の残基
/エチレングリコールの残基/4,4′−イソプロピリ
デンジフエノールの残基のモル比が52.0/46.8/1.2/45.1
/2.9(モル%では35.14/31.62/0.81/30.47/1.96)の液
晶性ポリエステルを製造した。
得られたポリエステルを280℃に加熱溶融し,40mm単軸
エクストルダーの先端に取りつけた厚み0.8m,幅300mm
のスリットを通して,押し出し速度96cm/分(吐出量30
0g/分)で室温の空気中に押し出し,引き取り速度246
cm/分でロールに巻き取った(ドラフト率2.5)。
エクストルダーの先端に取りつけた厚み0.8m,幅300mm
のスリットを通して,押し出し速度96cm/分(吐出量30
0g/分)で室温の空気中に押し出し,引き取り速度246
cm/分でロールに巻き取った(ドラフト率2.5)。
得られたフイルムについて,膜厚,引張強力及び引張弾
性率を測定した。その結果を第1表に示す。
性率を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように,本発明のフイルムは未延伸
の状態であるにもかかわらず,タテ方向及びヨコ方向と
も高い引張強力を有すると共に,タテ方向に高い引張弾
性率を示した。また,得られたフイルムは表面が極めて
滑らかなものであった。
の状態であるにもかかわらず,タテ方向及びヨコ方向と
も高い引張強力を有すると共に,タテ方向に高い引張弾
性率を示した。また,得られたフイルムは表面が極めて
滑らかなものであった。
実施例2〜4 引き取り速度を492cm/分(ドラフト率5.0,実施例
2),978cm/分(ドラフト率10.0,実施例3),1956c
m/分(ドラフト率20.0,実施例4)にかえた以外は実
施例1と同様にしてフイルムを製造した。
2),978cm/分(ドラフト率10.0,実施例3),1956c
m/分(ドラフト率20.0,実施例4)にかえた以外は実
施例1と同様にしてフイルムを製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第1表に示す。
能を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように,本発明のフイルムは優れた
性能を示し,ドラフト率の増大とともにタテ方向の引張
強力及び引張弾性率が増大した。また,得られたフイル
ムは表面が極めて滑らかなものであった。
性能を示し,ドラフト率の増大とともにタテ方向の引張
強力及び引張弾性率が増大した。また,得られたフイル
ムは表面が極めて滑らかなものであった。
比較例1 引き取り速度を144cm/分(ドラフト率1.5)にかえた以
外は実施例1と同様にしてフイルムを製造した。
外は実施例1と同様にしてフイルムを製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第1表に示す。
能を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように,比較例1のフイルムはタテ
方向の引張弾性率が劣るものであった。
方向の引張弾性率が劣るものであった。
比較例2 ポリエステルとして固有粘度0.66のポリエチレンテレフ
タレートを使用した以外は実施例2と同様にしてフイル
ムを製造した。
タレートを使用した以外は実施例2と同様にしてフイル
ムを製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第1表に示す。
能を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように,比較例2のフイルムはタテ
方向の引張強力と引張弾性率が劣るものであった。
方向の引張強力と引張弾性率が劣るものであった。
比較例3 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート0.4モル
に,p−アセトキシ安息香酸0.6モルを添加し,実施例
1と同様にして固有粘度0.65のp−ヒドロキシ安息香酸
の残基/テレフタル酸の残基/エチレングリコールの残
基のモル比が,60/40/40(モル%では42.86/28.57/28.5
7)の液晶性ポリエステルを製造した。
に,p−アセトキシ安息香酸0.6モルを添加し,実施例
1と同様にして固有粘度0.65のp−ヒドロキシ安息香酸
の残基/テレフタル酸の残基/エチレングリコールの残
基のモル比が,60/40/40(モル%では42.86/28.57/28.5
7)の液晶性ポリエステルを製造した。
得られたポリエステルを使用し,実施例2と同様にして
〔引き取り速度492cm/分,(ドラフト率5.0〕フイルム
を製造した。
〔引き取り速度492cm/分,(ドラフト率5.0〕フイルム
を製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第1表に示す。
能を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように,比較例3のフイルムはタテ
方向の引張弾性率は高いものであったが,ヨコ方向の引
張強力が極めて劣るものであった。
方向の引張弾性率は高いものであったが,ヨコ方向の引
張強力が極めて劣るものであった。
比較例4 テレフタル酸の残基92.5モル,イソフタル酸の残基7.5
モル,エチレングリコールの残基88モル,4,4′−イ
ソプロピリデンジフエノールの残基12モルより構成され
る固有粘度0.66の変性ポリエチレンテレフタレート0.48
モルに,p−アセトキシ安息香酸0.52モルを添加し,実
施例1と同様にして固有粘度0.66のp−ヒドロキシ安息
香酸の残基/テレフタル酸の残基/イソフタル酸の残基
/エチレングリコールの残基,4,4′−イソプロピリ
デンジフエノールの残基のモル比が,52.0/44.4/3.6/4
2.2/5.8(モル%では35.14/30.00/2.43/28.51/3.92)の
液晶性ポリエステルを製造した。
モル,エチレングリコールの残基88モル,4,4′−イ
ソプロピリデンジフエノールの残基12モルより構成され
る固有粘度0.66の変性ポリエチレンテレフタレート0.48
モルに,p−アセトキシ安息香酸0.52モルを添加し,実
施例1と同様にして固有粘度0.66のp−ヒドロキシ安息
香酸の残基/テレフタル酸の残基/イソフタル酸の残基
/エチレングリコールの残基,4,4′−イソプロピリ
デンジフエノールの残基のモル比が,52.0/44.4/3.6/4
2.2/5.8(モル%では35.14/30.00/2.43/28.51/3.92)の
液晶性ポリエステルを製造した。
得られたポリエステルを使用し,実施例2と同様にして
〔引き取り速度492cm/分(ドラフト率5.0〕フイルムを
製造した。
〔引き取り速度492cm/分(ドラフト率5.0〕フイルムを
製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第1表に示す。
能を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように,比較例4のフイルムはタテ
方向の引張弾性率が劣るものであった。
方向の引張弾性率が劣るものであった。
実施例5 テレフタル酸の残基95.0モル,セバシン酸の残基5.0モ
ル及びエチレングリコールの残基100モルより構成され
る固有粘度0.68の変性ポリエチレンテレフタレート0.51
モルに,p−アセトキシ安息香酸0.49モルを添加し,実
施例1と同様にして固有粘度0.68のp−ヒドロキシ安息
香酸の残基/テレフタル酸の残基/セバシン酸の残基/
エチレングリコールの残基のモル比が,49.0/48.5/2.5/
51.0(モル%では32.45/32.12/1.66/33.77)の液晶性ポ
リエステルを製造した。
ル及びエチレングリコールの残基100モルより構成され
る固有粘度0.68の変性ポリエチレンテレフタレート0.51
モルに,p−アセトキシ安息香酸0.49モルを添加し,実
施例1と同様にして固有粘度0.68のp−ヒドロキシ安息
香酸の残基/テレフタル酸の残基/セバシン酸の残基/
エチレングリコールの残基のモル比が,49.0/48.5/2.5/
51.0(モル%では32.45/32.12/1.66/33.77)の液晶性ポ
リエステルを製造した。
得られたポリエステルを使用し,押し出し速度156cm/
分(吐出量500g/分)で室温の空気中に押し出し,引
き取り速度780cm/分でロールに巻き取った(ドラフト
率5.0)。
分(吐出量500g/分)で室温の空気中に押し出し,引
き取り速度780cm/分でロールに巻き取った(ドラフト
率5.0)。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第2表に示す。
能を測定した。その結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように,本発明のフイルムは優れた
性能を示した。また,得られたフイルムは表面が極めて
滑らかなものであった。
性能を示した。また,得られたフイルムは表面が極めて
滑らかなものであった。
実施例6,7 引き取り速度を1560cm/分(ドラフト率10.0,実施例
6),3120cm/分(ドラフト率20.0,実施例7)にかえ
た以外は実施例1と同様にしてフイルムを製造した。
6),3120cm/分(ドラフト率20.0,実施例7)にかえ
た以外は実施例1と同様にしてフイルムを製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定した。その結果を第2表に示す。
能を測定した。その結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように,本発明のフイルムは優れた
性能を示した。また,得られたフイルムは表面が極めて
滑らかなものであった。
性能を示した。また,得られたフイルムは表面が極めて
滑らかなものであった。
比較例5 引き取り速度を240cm/分(ドラフト率1.3)にかえた以
外は実施例6と同様にしてフイルムを製造した。
外は実施例6と同様にしてフイルムを製造した。
得られたフイルムについて実施例1と同様にしてその性
能を測定た。その結果を第2表に示す。
能を測定た。その結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように,比較例1のフイルムはタテ
方向の引張弾性率が劣るものであった。
方向の引張弾性率が劣るものであった。
(発明の効果) 本発明のポリエステルフイルムは,未延伸の状態でもタ
テ方向の引張弾性率が高く,しかもヨコ方向に容易にフ
イブリル化しない高弾性フイルムである。したがって,
本発明のポリエステルフイルムを製造するにはフイルム
を延伸するための延伸装置や,その設置場所を必要しな
いうえ,延伸に伴う複雑な管理も要せず,得られたフイ
ルムは未延伸フイルムの状態でも,たとえばオーデイオ
テープやビデオテープなどの記録テープとして好ましく
使用できる。
テ方向の引張弾性率が高く,しかもヨコ方向に容易にフ
イブリル化しない高弾性フイルムである。したがって,
本発明のポリエステルフイルムを製造するにはフイルム
を延伸するための延伸装置や,その設置場所を必要しな
いうえ,延伸に伴う複雑な管理も要せず,得られたフイ
ルムは未延伸フイルムの状態でも,たとえばオーデイオ
テープやビデオテープなどの記録テープとして好ましく
使用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】下記の液晶ポリエステルからなるフイルム
であって,該フイルムは溶融押し出してタテ方向に2倍
以上のドラフトをかけながら製膜したままの未延伸フイ
ルムの状態で,少くとも8kg/mm2のタテ方向の引張強
力,少なくとも400kg/mm2のタテ方向の引張弾性率及び
少なくとも2kg/mm2のヨコ方向の引張強力を有すること
を特徴とする高弾性ポリエステルフイルム。 液晶ポリエステル (イ)p−ヒドロキシ安息香酸成分, (ロ)テレフタル酸成分, (ハ)エチレングリコール成分及び (ニ)非直線性のジカルボン酸成分及び/又は 非直線性のジオール成分からなり, 次の式(I)〜(III)を満足するコポリエステル。 y>0 (I) 0.7(x−30.7)+2≧y≧0.7(x−30.7)−2 (II) 43.0≧x≧29.4 (III) 〔式中,yは液晶ポリエステル中の(ニ)成分のモル%,
xは液晶ポリエステル中の(イ)成分のモル%を表す。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61193369A JPH0653383B2 (ja) | 1986-08-18 | 1986-08-18 | 高弾性ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61193369A JPH0653383B2 (ja) | 1986-08-18 | 1986-08-18 | 高弾性ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6349415A JPS6349415A (ja) | 1988-03-02 |
JPH0653383B2 true JPH0653383B2 (ja) | 1994-07-20 |
Family
ID=16306764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61193369A Expired - Lifetime JPH0653383B2 (ja) | 1986-08-18 | 1986-08-18 | 高弾性ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0653383B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6395930A (ja) * | 1986-10-14 | 1988-04-26 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 液晶性ポリエステルフイルムの製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3778410A (en) * | 1972-09-28 | 1973-12-11 | Eastman Kodak Co | Process for preparing a final copolyester by reacting a starting polyester with an acyloxy aromatic carboxylic acid |
US3890256A (en) * | 1974-06-07 | 1975-06-17 | Eastman Kodak Co | Copolyester prepared by contacting acyloxy benzoic acid with a polyester of ethylene glycol and dicarboxylic acid |
JPS56166023A (en) * | 1980-05-27 | 1981-12-19 | Teijin Ltd | Polyester film |
JPS5889323A (ja) * | 1981-11-25 | 1983-05-27 | Asahi Chem Ind Co Ltd | フイルムの製法 |
JPS5891817A (ja) * | 1981-11-28 | 1983-05-31 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 液晶性ポリエステル繊維またはフイルムおよびそれらの製法 |
JPS6046225A (ja) * | 1983-08-25 | 1985-03-13 | Sumitomo Chem Co Ltd | 芳香族ポリエステルフィルムの製法 |
JPS6173731A (ja) * | 1984-09-20 | 1986-04-15 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 液晶性ポリエステルに柔軟性を付与する方法 |
JPS61197629A (ja) * | 1985-02-28 | 1986-09-01 | Nippon Oil Co Ltd | コレステリック液晶性ポリエステルの製造法 |
-
1986
- 1986-08-18 JP JP61193369A patent/JPH0653383B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6349415A (ja) | 1988-03-02 |
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