JPH0640808B2 - 茶と食塩からなる顆粒体及びその製造方法 - Google Patents

茶と食塩からなる顆粒体及びその製造方法

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JPH0640808B2
JPH0640808B2 JP1059532A JP5953289A JPH0640808B2 JP H0640808 B2 JPH0640808 B2 JP H0640808B2 JP 1059532 A JP1059532 A JP 1059532A JP 5953289 A JP5953289 A JP 5953289A JP H0640808 B2 JPH0640808 B2 JP H0640808B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、茶と食塩からなる顆粒体とその製造方法に関
し、特に飲酒時に酒の旨味を引立てるために、あるいは
各種料理の薬味や食事の際の振り掛け等の食品として食
される上記の顆粒体及びその製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 一般に、日本酒、テキーラ、ビール等においては、所謂
酒の肴を食す他に、これらの酒の旨味を引立てるため
に、食塩を食し(嘗め)ながら飲酒する場合がある。
この食塩は、通常の上質塩や精製塩が用いられ、その組
成は、上質塩で塩化ナトリウム95wt%以上、水2.5wt%
以下、精製塩で塩化ナトリウム99wt%以上で、これらの
他に上質塩、精製塩とも炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、その他が若干量含まれている。
また、場合によっては、グルタミン酸ソーダ等の旨味成
分を混合した所謂食卓塩等が用いられることもある。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上記の上質塩や精製塩は、塩辛味という単味
しかなく、銘柄や産地等によって多種多様の味を持つビ
ールや日本酒等の中には、この塩辛味のみによっては旨
味が引立てられないもの、あるいは返って酒自身の旨味
が低められてしまうもの等もある。
しかも上質塩や精製塩は、塩化ナトリウムの占める割合
が極めて高く、飲酒等の上質塩や精製塩そのままの摂取
は、栄養面で大きな問題がある。
一方、上記の食卓塩については、グルタミン酸ソーダ等
が若干混入されており、旨味が引立てられるビールや酒
の種類は上記の上質塩や精製塩の場合に比して幾分多く
なり、また栄養面でも上質塩や精製塩よりは幾分改善さ
れるとは言え、いずれの面でも未だ充分なものとはなっ
ていない。
本発明は、このような問題を解決し、多数種のビールや
酒類の旨味を引立てると共に、栄養面でも大幅に改善し
得る所謂嘗塩として利用される、茶と食塩からなる顆粒
体と、その製造方法とを提案することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を、 (1)抹茶5〜50wt%と食塩95〜50wt%とからな
り、平均粒径が2μm〜2mmである茶と食塩からなる顆
粒体、及び、 (2)抹茶5〜50wt%と食塩95〜50wt%とを湿度5
〜10%以下で撹拌・混合して、平均粒径を2μm〜2
mmとする茶と食塩からなる顆粒体の製造方法、 により達成するものである。
本発明において、抹茶は通常の抹茶、すなわち茶樹に覆
いを掛けて日光を遮って成育させた柔らかで長く伸びた
濃緑色の茶葉を粉砕したものが使用される。
その成分は、一般に、蛋白質30〜40wt%(L−グルタミ
ン酸エチルアミド1〜2wt%、アルギニン酸0.1〜0.4wt
%、グルタミン酸0.2〜0.6wt%、アスパラギン酸0.1〜
0.2wt%を含む)、カフェイン3〜4wt%、タンニン5〜15
wt%、ビタミンC100〜300mg等からなる。
また、食塩は、通常の上質塩や上質塩や精製塩が好まし
く用いられ、その組成の一例を示すと、塩化ナトリウム
97.6wt%、塩基性炭酸マグネシウム0.4wt%、他のミネ
ラル成分2.0wt%からなる。
[作用] 本発明の顆粒体は、抹茶と食塩とが均一に混合されたも
ので、抹茶(特に、抹茶中に通常のせん茶等に比較して
多量に含まれる蛋白質)がバインダとして作用するもの
と推測される。
この抹茶が、抹茶と食塩、あるいは抹茶と抹茶を結着さ
せ、袋詰めや、運搬等において、容易に破壊されない程
度の強度を有する顆粒体を形成するものと推測される。
本発明において、この顆粒体の抹茶の含有量を5〜50wt
%とするのは、5wt%未満であれば、上記のバインダと
しての作用を発揮し得ないばかりか、相対的に食塩の量
が多くなり過ぎて塩辛味が勝ち過ぎ、逆に50wt%より多
いと、茶味が勝ち過ぎて、ビールや日本酒等多数の酒類
の旨味を返って引立て得なくなるからである。なお、好
ましい抹茶含有量は、20〜30wt%である。
また、本発明において、上記顆粒体の粒径は、平均粒径
で2μm〜2mmとする。2μm未満であると小さ過ぎて僅
かな水分でもベタ付きが生じてしまい、逆に2mmより大
きいと、舌触りが悪くなり、食味が著しく低下するため
である。
なお、本発明において、上記の顆粒体には、グルタミン
酸ソーダ等の旨味成分、あるいは各種のビタミン等を混
合しても良い。
上記の顆粒体は、通常の造粒装置、例えば第1図に示す
ような容器1の回転を伴う転動方式の造粒装置や、第2
図に示すような窒素ガス等の気体を噴出させて該ガス圧
により攪拌混合して造粒する方式の装置等を用い、所定
量の抹茶と食塩を該装置に装填し、他のバインダ等は用
いず、攪拌・混合することにより得ることができる。
すなわち、第1図の装置において、容器1は複数(ここ
では、5枚)の攪拌翼2を内蔵しており、側面に材料投入
口3を有し、かつ中央部を貫通して回転軸4が設けられて
いる。該容器1に材料投入口3から上記所定量の抹茶と食
塩を装填し、回転軸4を回転させれば、抹茶と食塩が攪
拌・混合され顆粒体が調製される。
また、第2図の装置においては、装置本体10内に、容器
11と複数のノズル12を有する材料投入パイプ13を具備し
ている。該材料投入パイプ13に図示省略の窒素ガスタン
ク等から高圧の窒素ガスを送入し、この高圧窒素ガスに
同伴させて上記所定量の抹茶と食塩をも送入する。これ
ら高圧窒素ガス、抹茶及び食塩がノズル12から容器11内
に入り、該高圧窒素ガスにより抹茶及び食塩が攪拌・混
合され、顆粒体が調製される。
但し、食塩は潮解性を有するため、上記の攪拌・混合時
に湿気があるとベタ付き、均一な攪拌・混合ができなく
なる。
また、抹茶も水分を吸収すると固まってしまい、やはり
均一な攪拌・混合を行うことは困難になる。
そこで、本発明方法では、湿度5〜10%下で攪拌・混合
するのである。この程度の湿度であれば、攪拌・混合雰
囲気が良好な乾燥状態となり、攪拌・混合時に、食塩や
抹茶が雰囲気中の水分を吸収して、ベタ付いたり、固ま
ってしまうようなことはなく、均一な攪拌・混合状態の
ものが得られる。
なお、湿度が10%よりも高いと、乾燥状態が不充分で、
ベタ付きや固まりが生じてしまい、また5%未満であれ
ば、乾燥状態はより向上するが、本発明ではこのような
高い乾燥状態でなくとも、均一に攪拌・混合することが
できるため、上記範囲の湿度とするものである。
また、温度は、−10〜50℃とすることが好ましい。50℃
より高いと抹茶が変質し易くなり、良好なサラサラ状態
の顆粒体とならなかったり、食味が低下する等の問題が
生じる。逆に−10℃未満であると、湿度は5%よりも低
くなるが、本発明で必要とする乾燥状態は、上記の通り
5〜10%であるため、温度を上記の下限値より低くして
も無駄だからである。
[実施例] 実施例1 塩化ナトリウム97.6wt%、塩基性炭酸マグネシウム0.4w
t%、その他のミネラル2.0wt%からなる食塩を95Kgと抹
茶5Kgを、第1図に示す装置に装填し、2℃、湿度5%下
で、5〜6分に1回転の割合で回転軸4を回転させ、2時間
攪拌・混合した。
この混合物の50Kgを更に第1図の装置に装填し、上記と
同一条件で1時間攪拌・混合した。
更に、この2回目の攪拌・混合により得られた混合物の
25Kgを更に第1図の装置に装填し、上記と同一条件で1
時間、3回目の攪拌・混合を行った。
この結果、食塩と抹茶が均一に混合したサラサラ状態の
平均粒径0.01〜0.1mmの顆粒体を得ることができた。
実施例2 実施例1と同じ成分組成の食塩を70wt%と抹茶30wt%と
する以外は、実施例1と全く同じ条件で攪拌・混合し
た。
この結果、平均粒径0.01〜0.1mmの食塩と抹茶が均一に
混合したサラサラ状態の顆粒体を得ることができた。こ
の顆粒体は、美麗な緑色で食味も良好であり、ビール等
の飲酒時に好適に食すことができた。
実施例3 実施例1と同じ成分組成の食塩を50wt%と抹茶50wt%と
する以外は、実施例1と全く同じ条件で攪拌・混合し
た。
この結果、平均粒径0.01〜0.1mmの食塩と抹茶が均一に
混合したサラサラ状態の顆粒体を得ることができた。但
し、実施例1及び2の顆粒体に比し抹茶の香り及び食味
が勝ち過ぎているため、ビールよりはむしろ日本酒の飲
酒時に好適に食すことができた。
実施例4 実施例1〜3において、温度を15℃に高め、湿度を10%
に高めた以外は、実施例1〜3と全く同じ条件で攪拌・
混合を行ったところ、実施例1〜3と同様の顆粒体を得
ることができた。
実施例5 実施例1〜4において、第1図の装置に代えて第2図の
装置を使用し、高圧窒素ガスに材料を同伴させて装填
し、1回のみの攪拌・混合を行う以外は、実施例1〜4
と同じ条件で攪拌・混合したところ、実施例1〜4と同
様の顆粒体を得ることができた。
[発明の効果] 以上詳述した本発明によれば、酒類の旨味を引立て得る
嘗塩として、従来存在していない食塩と抹茶からなる顆
粒体を提供することができる。
この顆粒体は、塩辛味の外に茶味をも有するため、従来
の上質塩や精製塩あるいは食卓塩の場合に比し、多数種
の酒類の旨味を引立てることができる。
また、顆粒体の粒径がかなり大きいため、多少吸湿して
も大きな影響はなく、例えば湿度40〜50%程度の我国の
梅雨期等の多湿下に3〜5時間程度放置しておいても、ベ
タ付くことなく、良好なサラサラ状態を保つことができ
る。
更に、本発明の顆粒体は、抹茶に由来するビタミン類、
時にビタミンCを多量に含み、栄養面でも優れたもので
ある。
しかも、本発明方法は、加熱処理等は一切行わないの
で、耐熱性に極めて劣るビタミンCの熱による破壊が全
くなく、抹茶時のビタミンCの含有量をそのまま顆粒体
にもたらすことができる。
以上により、本発明は、飲酒時のみならず、食事時にも
各種料理の薬味や所謂振り掛け食品等として、栄養価の
高い、また子供の嗜好にも適した顆粒体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の顆粒体を製造するのに好適
に用いることのできる装置を示す説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抹茶5〜50wt%と食塩95〜50wt%と
    からなり、平均粒径が2μm〜2mmである茶と食塩から
    なる顆粒体。
  2. 【請求項2】抹茶5〜50wt%と食塩95〜50wt%と
    を湿度5〜10%以下で撹拌・混合して、平均粒径を2
    μm〜2mmとする茶と食塩からなる顆粒体の製造方法。
JP1059532A 1989-03-14 1989-03-14 茶と食塩からなる顆粒体及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0640808B2 (ja)

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