JPH063708U - 自動車のウインドモール取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】取り付けラインにおける取り付け作業性のよい
ウインドガラスおよびウインドモールの取り付け構造を
提供する。 【構成】ウインドガラス７周縁部に、弾性体による枠体
１０を設け、その枠体１０の車体の外側になる面に合成
樹脂製のモール固定用クリップ６を埋め込み、裏面に接
着剤のはみ出しを防止するためのダム１１を一体に形成
する。取り付けの際は、ウインドガラス、クリップ、枠
体、ダムが一体となったものをボデイに接着剤１２によ
り取り付け、硬化してからウインドモール１７をモール
固定用クリップ６に係合させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のウインドモール取り付け構造に関するものであり、特にフ ロントウインドガラス取り付け開口部と、フロントウインドガラス周縁との間に 介在するウインドモールの取り付け構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車のウインドモールの取り付け構造は、特開平１−１８２１１６号 、実開昭５６−７０３１３号のものが知られており、それぞれ第５図、第６図に 示す。

【０００３】 第５図に示す構造は、特開平１−１８２１１６号のもので、装飾体４をクリッ プ１４に装着してウインドモール３を形成し、ウインドガラス７をウインドモー ル３に把持させて接着剤１２によりウインドガラス７をフランジ８に固定すると ともに、ウインドモール３を車体１に設けられたスタッド１３に係止することに より取り付けるものである。

【０００４】 第６図に示す構造は、実開昭５６−７０３１３号のもので、装飾体４の内側に 足部５ｂを持つクリップ１４を装着してウインドモール３を形成し、ウインドガ ラス７に固着された突体１５にウインドモール３を係止するとともに、クリップ 足部１４ａを接着剤１２内に挿入し、ウインドモール３を車体１に取り付けるも のである。

【０００５】

【本考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、第５図の構造においては、装飾上、あるいは雨水対策上等の理 由から比較的大きめのウインドモールを取り付けた際、ウインドモール３にガラ ス面側からの力が加わると、モーメントがスタッド１３に集中し、ウインドモー ル３が外れやすい。また、スタッド１３を設けるため、開口部２のデザイン上の 自由度が限られるほか、取り付け時に工数が多くかかるという問題があった。

【０００６】 また、第６図の構造においては、組み立てラインにおけるウインドモール取り 付けの際、接着剤１２が硬化する前にウインドモール３を取り付けねばならず、 接着剤１２が硬化する間にウインドガラス７、ウインドモール３全体が位置ずれ することがある。また、接着剤１２が硬化したあとからウインドモール３を取り 付ける場合は接着剤１２を部分的に加熱してクリップ足部１４ａを挿入せねばな らず、取り付け時の作業性が悪い、という問題があった。 本考案は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ウインドモール本体の固着 強度を高めつつ、取り付け時の作業性の向上を目的としたものである。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】

上記問題点を解決するための本考案における手段は、かさ部と足部とからなる ウインドモールを、ウインドガラスが取り付けられる車体の開口部周縁に沿って 、車体とウインドガラス周縁との間隙を覆うように取り付ける自動車のウインド モール取り付け構造において、ウインドガラス周縁に沿って設けられ、接着剤に より車体開口部に固定される枠体と、該枠体に一体的に把持され、上記ウインド モール足部を係止してウインドモールをウインドガラスに対して固定する係止部 材とを備えることを特徴とする。さらに枠体は、ウインドガラス周縁に対して車 体外側面と車体内側面とを有し、上記車体外側面に係止部材を把持させ、車体内 側面にはダム部を一体的に形成していることを特徴とするものである。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を第１図ないしは第４図に基づいて説明する。 ウインドガラス７は、第１図に示すように車体１における開口部２に塞設され 、その開口部２周縁に沿ってウインドモール１７が車体１とウインドガラス７周 縁との間隙９（第４図参照）を覆うように設けられている。ウインドモール１７ は、第２図に示すようにウインドガラス７周縁と車体１との間隙９を覆うかさ部 ５ａと、かさ部５ａの略中央部から下方に延設される足部５ｂとを一体的な芯材 ５で形成し、この芯材５のかさ部５ａ上部には装飾体１８が設けられている。

【０００９】 係止部材としてのクリップ６は、第３図に示すように、係止部６ａと基部６ｂ とからなり、合成樹脂により形成される。また、クリップ６は、ウインドガラス ７の周縁に、枠体１０に把持される形で枠体１０と一体的に形成されている。そ して、ウインドモール１７は、足部５ｂに設けられた係合部５ｃをクリップ６の 係止部６ａに係止させることにより、開口部を形成する車体１のフランジ部８（ 第４図参照）に接着剤１２、枠体１０を介して取り付けられるウインドガラス７ に固定される。

【００１０】 以下、ウインドモールの取り付け方法について説明する。 まず、ウインドガラス７周縁に設けられる枠体１０の成形について説明する。 クリップ６をウインドガラス７周縁部の車体外側面に等間隔（各端部に３〜４個 ）で接着剤あるいは両面テープで仮止めし、クリップ６の係止部６ａ，６ａ間の 空間に図示しない金属片をはめ込む。そして、ウインドガラス７周縁部を図示し ない型に入れ、加熱され液状のＰＶＣ（枠体の材料となる）を流し込む。その際 クリップ６の基部６ｂがＰＶＣに埋設され、係止部６ａが露出するように枠体１ ０を成形する。型はさらに、接着剤のはみ出しを防止するダム部１１も形成され るようになっており、ダム部１１が枠体１０のクリップ６の埋設された面と反対 の面（車体内側面）に枠体１０と一体に形成される。ＰＶＣが硬化した後に、ウ インドガラス７を型から外し、クリップ６の係止部６ａ，６ａ間の金属片を取り 出す。

【００１１】 次に、取り付けラインにおけるウインドガラスおよびウインドモールの取り付 けについて説明する。上述のように、クリップ６、枠体１０が一体となったウイ ンドガラス７を車体１に接着剤１２により接着し、接着剤がある程度硬化した後 にウインドモール１７の足部５ｂに設けられた係合部５ｃを各クリップ６の係止 部６ａに係止させる。以上により、ウインドモールの取り付け作業は終了する。

【００１２】 なお、本実施例ではウインドモールは、芯材と装飾体とに分けて形成している が、かさ部と足部とが一体的な装飾体を用いても成り立つことは勿論である。ま た、枠体もＰＶＣに限定されず、他の弾性材料を用いても差支えない。

【００１３】

【本考案による効果】

本考案によれば、ウインドガラスに対して、係止部材を枠体とともに固定した ので、取り付けラインにおけるウインドモール取り付けの際には、車体開口部に 取り付けられたウインドガラスの係止部材にウインドモールを取り付けるだけで よく、ウインドガラスを車体開口部に取り付けるための接着剤が硬化する前に、 ウインドモールをその接着剤内に差し込むといった作業の制約もなく取り付け時 の作業性が良い。

【００１４】 また、ウインドガラスに対する係止部材の取り付け位置に応じてウインドモー ルの取り付け位置も自由に設定でき、また、車体開口部にウインドモール取り付 けのためのスタッドも設けられていないため、ウインドモール取り付けの自由度 を向上できる。

【００１５】 また、装飾上、雨水対策上等の理由から、比較的大きめのウインドモールを取 り付ける際でも、足部を芯材の略中央部に設けることで、芯材にかかるモーメン トを小さくすることができ、ウインドモールが外れにくい。 さらに、ダム部は枠体と一体的に形成されているので、ダム部を別体として取 り付ける手間を省くことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本構造を備えた自動車の斜視図、第２図、第３
図はそれぞれ本考案の要部を成すウインドモール、係止
部材、第４図は本考案の実施例の一つであるウインドモ
ール取り付け構造の要部断面図（第１図のＩａ，Ｉｂ矢
視断面図）、第５図、第６図はそれぞれ従来のウインド
モール取り付け構造の要部断面図を示すものである。１
…車体、２…開口部、５…芯材、５ａ…かさ部、５ｂ…
足部、５ｃ…係合部、６…係止部材、６ａ…係止部、６
ｂ…基部、７…ウインドガラス、８…フランジ、９…間
隙、１０…枠体、１１…ダム部、１２…接着剤、１７…
ウインドモール、１８…装飾体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤田 紀子 広島県安芸郡府中町新地３番１号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】かさ部と足部とを備えたウインドモール
   を、ウインドガラスが取り付けられる車体の開口部周縁
   に沿って、車体とウインドガラス周縁との間隙を覆うよ
   うに取り付ける自動車のウインドモール取り付け構造に
   おいて、ウインドガラス周縁に沿って設けられ、接着剤
   により車体開口部に固定される枠体と、該枠体に一体的
   に把持され、上記ウインドモールの足部を係止してウイ
   ンドモールをウインドガラスに対して固定する係止部材
   とを備えたことを特徴とする自動車のウインドモール取
   り付け構造。
2. 【請求項２】枠体はウインドガラス周縁に対して車体外
   側面と車体内側面とを有し、上記車体外側面に係止部材
   を把持させ、車体内側面にはダム部を一体的に形成して
   いることを特徴とする上記実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の自動車のウインドモール取り付け構造。