JPH04116208U - 車両用ウインドウプレートの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ドアパネル等の被取付体３に接着剤４で固着
されるウィンドゥプレート１が接着剤４の未硬化前に浮
上り或いは位置ズレするのを防止する。 【構成】 被取付体３のフランジ部に重ね合せる対接辺
部２２をウィンドゥモールディングに設け，そのウィン
ドゥモールディングの対接辺部２２を被取付体３のフラ
ンジ部に固定することによりウィンドゥプレート１を被
取付体に取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用ウィンドゥプレートの取付構造に係り，主として車体の後部に 装備される上下開閉可能なバックドアにウィンドゥプレートを取付けるのに適用 されるウィンドゥプレートの取付構造に関するものである。

【０００２】 図８は一般的なハッチバック車を示し，その自動車においては車体の後部に上 下開閉可能に装備されるバックドアで，車体側の被取付体となるドアパネルＰに 窓空間として形成される開口部を遮蔽するようウィンドゥプレートＷが取付固定 されている。

【０００３】 このウィンドゥプレートはウィンドゥモールディングを周縁に沿って一体に装 備し，そのウィンドゥモールディングをドアパネルの開口部回りのフランジ部に あてがい配置することにより取付けられている（例えば，実開昭６３ー１７２７ ８０号）。また，このウィンドゥプレートは周縁寄り板面をドアパネルのフラン ジ部に接着剤で固着することが行われ，その接着剤としては２４時間程度の硬化 時間を要する一液ウレタン系接着剤が通常用いられている。

【０００４】 その接着剤でウィンドゥプレートをドアパネルに固定した後は，自動車を内装 材等の組立ラインに供給することにより必要な加工処理が施される。この途上で はドアを開閉させて作業員による組立処理が行われるが，そのドアの開閉に伴っ て車内の密閉された空間内に風圧が発生するところから，未硬化な接着剤で固着 保持されたウィンドゥプレートがドアパネルより浮上り或いは位置ズレする虞れ がある。

【０００５】 そのウィンドゥプレートの浮上りや位置ズレを防止するべく，ドアパネルの全 周に沿ってウィンドゥプレートの２〜４個所程度をクリップ等の固定手段でドア パネルに固定する必要がある。然し，これでは別途の固定手段が必要で組立て工 数も増大するところから好ましくない。また，バックドアのウィンドゥプレート のように縦８００〜１０００mm，横１２００〜１４００mmと大きな寸法を有する ものになると寸法のバラ付きが生じ易く，それに備えるクリップ等の固定手段と ドアパネル側に設けられる止め穴とを位置合せするのも手間が掛る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は別途の固定手段によらないで，ウィンドゥプレートを車体側の被取付 体に確実に仮止め保持できるよう改良した車両用ウィンドゥプレートの取付け構 造を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１に係るウィンドゥプレートの取付構造においては，ウィンド ゥモールディングがウィンドゥプレートの周縁部を表裏面から挟持する縁枠部と ，この縁枠部から被取付体のフランジ部に向って延在する橋絡辺部と，その橋絡 辺部から折曲されて被取付体のフランジ部に重ね合される対接辺部とを備え，こ のウィンドゥモールディングの対接辺部が被取付体のフランジ部に固定されて， ウィンドゥモールディングが被取付体に取付けられている。また，同請求項２に 係る車両用ウィンドゥプレートの取付構造においてはウィンドゥモールディング の縁枠部，橋絡辺部並びに対接辺部の折返し片が薄肉状の基部を介して一連に連 続成形されている。

【０００８】

【作 用】

請求項１に係るウィンドゥプレートの取付構造ではウィンドゥプレートに一体 に装備されるウィンドゥモールディングの対接辺部を被取付体の開口部回りのフ ランジ部に固定することによりウィンドゥプレートを取付けるから別途の固定手 段が必要とされないばかりでなく，ウィンドゥプレートの外径寸法や曲率にバラ 付きがあっても被取付体の開口部回りのフランジ部に確実に取付けることができ る。また，請求項２に係るウィンドゥプレートの取付構造ではウィンドゥモール ディングの縁枠部，橋絡辺部並びに対接辺部が薄肉な基部を介して一連に連続成 形されているから所定形状に容易に折曲できるばかりでなく，型成形時にウィン ドゥモールディングの全体をアンダーカット部によらないで容易に形成できるよ うになる。

【０００９】

【実施例】

この実施例においては，図８で示すと同様なハッチバック車のバックドアにウ ィンドゥプレートを取付けるのに適用されている。詳しくは車体側の被取付体を ドアパネルとし，そのドアパネルに窓空間として形成される開口部を遮蔽するウ ィンドゥプレートをドアパネルの開口部周りフランジ部に取付け固定するのに適 用されている。

【００１０】 図１〜図３は本考案の一実施例に係るウィンドゥプレートの取付構造を示し， 図中，１はウィンドゥプレート，２はウィンドゥモールディング，３はアウター パネル３ａ，インナーパネル３ｂでなるドアパネル，４はウィンドゥモールディ ング２をドアパネル３に固着する接着剤である。

【００１１】 ウィンドゥプレート１としては，内外を透視可能な材質のプラスチック製或い は無機質ガラス製のものを用いることができる。ウィンドゥモールディング２は ，ポリ塩化ビニルからインジェクション成形し或いはウレタン樹脂からリム成形 できる。接着剤４としては通常通り，一液ウレタン系のものを用いるようにでき る。

【００１２】 図２はウィンドゥプレート１に対するウィンドゥモールディング２の成形工程 を示し，このウィンドゥモールディング２はウィンドゥプレート１を表裏面より 挟持する縁枠部２０と，縁枠部２０よりドアパネル３に向って延在する橋絡辺部 ２１と，その橋絡辺部２１より折曲されてドアパネル３のフランジ部に重ね合さ れる対接辺部２２とを備えて形成されている。このウィンドゥモールディング２ は，ウィンドゥプレート１をコア型５ａ，キャビティ型５ｂにインサートするこ とにより周縁部に固着成形できる。その際に，縁枠部２０並びに橋絡辺部２１， 対接辺部２２は薄肉状の基部２３，２４を介して一連に連続成形できる。このう ち，対接辺部２２はウィンドゥプレート１の周縁回りに対応させて連続に形成で き，また，間隔を隔てて突片状に複数個設けるようにできる。その各構成部に加 えて，ウィンドゥモールディング２には車体パネル６に当接するリップ部２５が 橋絡辺部２１から突出成形され，また，後述する止めビスを挿入する透孔２６が 設けられている。このウィンドゥモールディング２にあってはリップ部２５を含 めて，全体的にアンダーカット部なしに成形することができる。

【００１３】 図３はウィンドゥプレート１をドアパネル３に取付ける工程を示すものであり ，ドアパネル３のフランジ部にはグロメット７が予め取付けられている。このド アパネル３に対し，ウィンドゥプレート１は接着剤４で固着すると共にモールデ ィング２を介して取り付られる。モールディング２は橋絡辺部２１，対接辺部２ ２を基部２３，２４で折曲し，対接辺部２２をドアパネル３のフランジ部に重ね 合せるよう組付ける。その状態で透孔２６に止めビス８を挿入し，グロメット７ と嵌合せることによりドアパネル３のフランジ部に固定するようにできる。この ウィンドゥモールディング２をドアパネル３に固定することにより，ウィンドゥ プレート１はドアパネル３に確実に固定でき，接着剤４の効果に時間が掛っても 浮上がりや位置ズレ等を生ずることがない。

【００１４】 図４はウィンドゥモールディングの対接辺部２２をドアパネル３に固定する手 段の変形例を示すものであり，その対接辺部２２には離型紙で被覆する両面粘着 剤９を備えることによりドアパネル３に接着固定するようにできる。

【００１５】 図５はウィンドゥモールディング２をウィンドゥプレート１に一体的に固定す る手段の変形例を示すものであり，そのウィンドゥモールディング２を装着する のにあたっては接着剤１０を用いることができる。また，リップ部２５は異質な 軟質ポリ塩化ビニルやパラフィン入り軟質ポリ塩化ビニル等を用いて別成形で付 着形成するようにできる。

【００１６】 図６はウィンドゥモールディング２の変形例を示すものであり，縁枠部２０， 橋絡辺部２１，対接辺部２２には金属薄板の芯材２０ａ，２１ａ，２２ａをイン サートすることにより一体成形できる。このウィンドゥモールディング２は，図 ７で示すように縁枠部２０を接着剤１０でウィンドゥプレート１に固定すること により一体装着できる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の如く，本考案に係る車両用ウィンドゥプレートの取付構造によれば，ウ ィンドゥプレートに一体に装備するウィンドゥモールディングの対接辺部をドア パネルに固定することにより接着剤が硬化するまでウィンドゥモールディングを 車体側の被取付体に仮止め固定できるばかりでなく，ウィンドゥプレートの外径 寸法や曲率のバラ付きに容易に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る車両用ウィンドゥプレ
ートの取付構造を示す説明図である。

【図２】図１の車両用ウィンドゥプレートにウィンドゥ
モールディングを成形する工程を示す説明図である。

【図３】図２のウィンドゥプレートを取付ける工程て示
す説明図である。

【図４】ウィンドゥモールディングの対接辺部を仮止め
する固定手段の変形例を示す説明図である。

【図５】ウィンドゥモールディングをウィンドゥプレー
トに一体装着する手段の変形例を示す説明図である。

【図６】ウィンドゥモールディングの構成の変形例を示
す説明図である。

【図７】図６のウィンドゥモールディングをウィンドゥ
プレートに一体装着する手段の変形例を示す説明図であ
る。

【図８】一般例に係る車両で，ウィンドゥプレートの取
付個所を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ウィンドゥプレート ２ ウィンドゥモールディング ２０ 縁枠部 ２１ 橋絡辺部 ２２ 対接辺部 ３ 車体側の被取付体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体側の被取付体に形成される開口部を
   遮蔽するウィンドゥプレートの周縁部に沿ってウィンド
   ゥモールディングを一体に装備し，そのウィンドゥモー
   ルディングを被取付体の開口部回りのフランジ部にあて
   がい固定するところの車両用ウィンドゥプレートの取付
   構造において，上記ウィンドゥモールディングがウィン
   ドゥプレートの周縁部を表裏面から挟持する縁枠部と，
   この縁枠部から被取付体のフランジ部に向って延在する
   橋絡辺部と，その橋絡辺部から折曲されて被取付体のフ
   ランジ部に重ね合される対接辺部とを備え，このウィン
   ドゥモールディングの対接辺部が被取付体のフランジ部
   に固定されて，ウィンドゥモールディングが被取付体に
   取付けられていることを特徴とする車両用ウィンドゥプ
   レートの取付構造。
2. 【請求項２】 上記ウィンドゥモールディングの縁枠
   部，橋絡辺部並びに対接辺部が薄肉状の基部を介して一
   連に連続成形されていることを特徴とする請求項１の車
   両用ウィンドゥプレートの取付構造。