JPH0578616U - 車輛用ウィンドゥプレートの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ウインドプレートの周縁を基準としてウィン
ドゥプレートをドアフレームに接着剤で固定することに
より、ウィンドゥプレートの曲率にバラ付き等があって
もウィンドゥプレートをドアフレームに正確な位置を保
って固着できしかもウィンドゥプレートの周縁とドアフ
レームの外周縁をトリム部材で覆えるよう改良する。 【構成】 係止部２ｃを有する長尺なアウタートリム部
材２をウィンドゥプレート１の周縁に取付け、そのアウ
タートリム部材２と対応位置させて係合部４２を有する
長尺なインナートリム部材４をドアフレーム３に取付
け、これらトリム部材２，４相互をアウタートリム部材
２の係止部２ｃとインナートリム部材４の係合部４２と
による係着でウィンドゥプレート１とドアフレーム３と
の間隔を固定的に保った状態で両者の間に介在する接着
剤を硬化させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主にハッチバック車のリアウィンドゥにおいてドアフレームの中央 部に窓空間として形成される開口部を塞ぐウィンドゥプレートをドアフレームに 接着剤で固定すると共に、そのウィンドゥプレートの周縁をトリム部材で覆うよ う構成するのに適用される車輛用ウィンドゥプレートの取付構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、図６で示すようなハッチバック車のバックドアＢにおいてはウィンド ゥプレートＰをドアフレーム（但し、外観上外部に露出位置しない。）に接着剤 で固定すると共に、ウィンドゥプレートＰの外周縁に沿って配置されるウィンド ゥモールディングＭでウィンドゥプレートＰの外周縁を覆うことが行なわれてい る。

【０００３】 従来、この車輛用ウィンドゥプレートの取付構造としてはウィンドゥプレート の周縁より外方に位置するドアフレームのフランジ部にウィンドゥモールディン グの係止部を設け、そのドアフレームにウィンドゥプレートを接着剤で予め固着 した後、ウィンドゥプレートの周縁にあてがい配置されるウィンドゥモールディ ングをドアフレームの係止部で係着固定することにより、ウインドプレートの周 縁とドアフレームの外周縁とをウィンドゥモールディングで覆うよう構成するも のが知られている（実公平２−２８９６７号）。

【０００４】 この車輛用ウィンドゥプレートの取付構造においては、ウィンドゥモールディ ングをドアフレームにボルト，ナット等の締結具で締付け固定する場合に比べて 、バックドアを開放したときに締結具のナット等がドアフレームの裏面側に露出 位置しないところから体裁上好ましい。

【０００５】 唯、その車輛用ウィンドゥプレートの取付構造においてはウインドプレートを ドアフレームに固着するときに液状の接着剤を用いるので、この接着剤が硬化す るまでの間にウィンドゥプレートが自重でフレーム側に近付くことになるから、 接着剤が硬化するまでの間にウィンドゥプレートとドアフレームの間隔を一定に 保持するよう所定の寸法に作られた位置決めブロック等をウィンドゥプレートと ドアフレームの間に介在させる必要がある。

【０００６】 然し、その位置決めブロックを介在させたとしても位置決めブロックが所定の 寸法に作られたものであるから、例えばウィンドゥプレートの曲率がバラ付いて いると、ウィンドゥプレートの周縁とドアフレームとの対向間隔もバラ付くこと を避けられない。即ち、ウィンドゥプレートの曲率が小さい（曲率半径が大きい ）場合にはウィンドゥプレートの周縁とドアフレームとの間の隙き間が大きくな り、逆にウィンドゥプレートの曲率が大きい（曲率半径が小さい）場合には隙き 間が小さくなるので、ウィンドゥモールディングをドアフレームの係止部に係着 し難くなる等の不具合が生じ易い。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、ウインドプレートの周縁を基準としてウィンドゥプレートをドアフ レームに接着剤で固定することにより、ウィンドゥプレートの曲率にバラ付き等 があってもウィンドゥプレートをドアフレームに正確な位置を保って固着できし かもウィンドゥプレートの周縁をトリム部材で覆えるよう改良した車輛用ウィン ドゥプレートの取付構造を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る車輛用ウィンドゥプレートの取付構造においては、ウィンドゥプ レートの周縁には係止部を有する長尺なアウタートリム部材が、ドアフレームの 外周縁にはアウタートリム部材に対応する位置でアウタートリム部材の係止部と 係着される係合部を有する長尺なインナートリム部材が夫々共に予め取付け固定 され、ウィンドゥプレートとドアフレームとは両者の間に介在して経時的に硬化 する液状の接着剤で固着され、その液状の接着剤が硬化して両者を固着するまで の間はアウタートリム部材の係止部とインナートリム部材の係合部との係着でウ ィンドゥプレートとドアフレームとの間隔が保持されていることにより構成され ている。

【０００９】

【作用】

本考案に係る車輛用ウィンドゥプレートの取付構造では、接着剤が硬化するま での間、トリム部材相互をアウタートリム部材の係止部とインナートリム部材の 係合部とによる係着でウィンドゥプレートとドアフレームとの間隔を保持して接 着剤で固着するから、ウィンドゥプレートの曲率にバラ付きがあってもウインド プレートをドアフレームに正確な位置を保って容易に取り付けられる。また、ト リム部材相互が係着固定されていることによりウィンドゥプレートがドアフレー ム側に自重で近づくのも防げ、ウインドプレートを接着剤でドアフレームに確実 に固着できしかもアウタートリム部材でウインドプレートの周縁を覆うよう構成 することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、添付図面の図１〜５を参照して説明すると、この実施例はハッチバック 車のバックドアにおいてウィンドゥプレートの周縁とドアフレームの外周縁とに 長尺なトリム部材を取り付けると共に、ドアフレームの中央部に窓空間として形 成される開口部を塞ぐウィンドゥプレートをドアフレームに経時的に硬化する液 状接着剤で固着することが行なわれている。。図１中、符号１はウィンドゥプレ ート、２はアウタートリム部材、３はドアフレーム、４はインナートリム部材、 ５は接着剤、６は車体パネルを形成するフェンダーアウターパネルのフランジ部 を示す。

【００１１】 ウインドプレート１としては、内外から透視可能な材質のプラスチック製或い は無機質ガラス製のものを用いることができる。その車内側の内面には、アウタ ートリム部材２を取付ける周縁から接着剤５を付着する所定の内面位置に亘って 、所定幅の黒色プリント等による不透明な被膜（特に、図示せず）が形成されて いる。また、この被膜の形成面に付着される接着剤５としては一液ウレタン樹脂 系等の液状のものが用いられる。

【００１２】 そのウィンドゥプレート１の周縁に取付けられるアウタートリム部材２はウィ ンドゥプレート１の全周縁に亘る長尺なもので、図２にも示す如く金属薄板材を 折り曲げ成形し、或いはアルミの押出材等を芯材２０に剛性を有する弾性部材と して形成されている。その芯材２０は、後述する挟持部の内面を含む外表面がポ リ塩化ビニル等の樹脂被膜２１で被覆されている。この樹脂被膜２１で被覆され たアウタートリム部材２には芯材２０の先端側をフック状に折り曲げることによ り、係合部２ｃが外表面部２ａからウインドプレート１の周端面と平行になるよ う略直角方向に折曲成形された折れ曲り部２ｂの延長上に形成されている。また 、この外表面部２ａの他端からはウィンドゥプレート１の端縁をくわえ込むのに 足る横断面略コ字状の挟持部２ｄが一体に成形されていて、その内面には同様の 樹脂被膜２１を形成して置くのが好ましい。尚、挟持部２ｄの内面には更に接着 剤を塗布してもよい。また、このアウタートリム部材２には樹脂被膜２１と一体 に形成することにより、リップ部２ｅが折れ曲り部２ｂから外方に突出させて設 けられている。

【００１３】 ドアフレーム３はアウターフレーム３ａとインナーフレーム３ｂとからなり、 アウターフレーム３ａとの接合部３ｃより外方に位置するインナーフレーム３ｂ の外周縁には立上りフランジ部３ｄが折り曲げ成形されている。

【００１４】 インナートリム部材４は図３でも示す如く合成樹脂の異形押出材からなり、ド アフレーム３の接合部３ｃに対接固定する取付基部４０と取付基部４０の片端部 から立上る起立部４１とを有し、その起立部４１の上端部にほぼＵ字状の係合部 ４２を一体に成形することにより主体部が形成されている。このインナートリム 部材４の係合部４２には片縁から開口内に突出する止め縁４３が設けられ、その 止め縁４３より連続位置させてアウタートリム部材２を弾圧支持する弾圧部４４ が反り上がるよう一体に形成されている。また、取付基部４０と起立部４１との 曲げ角内側で係合部４２の基部寄りに位置させて、上述したドアフレーム３の立 上りフランジ部３ｄをくわえ込み支持する円弧状の凸状乃至は突起４５ａとアー ル状の凸状乃至は突起４５ｂとからなる挟持部４５が設けられている。これら取 付基部４０，起立部４１，係合部４２，止め縁４３，弾圧部４４，挟持部４５を 含めて、インナートリム部材４は比較的硬質な弾性樹脂材料で形成されている。 それに加えて、止め縁４３が設けられた係合部４２の他縁から外方に突出するこ とにより、フェンダーパネルのフランジ部６に当接配置するシールド部４６がス ポンジゴム等の軟質な弾性材料で一体に形成されている。

【００１５】 アウタートリム部材２をウィンドゥプレート１の周縁に取付けるには図２に示 すようにウィンドゥプレート１の周縁を挟持部２ｄでくわえ込み挟持し、また、 上述した如く挟持部２ｄの内面に接着剤を塗布するときには当該接着剤との併用 で固着することにより取付固定すればよい。このアウタートリム部材２は係合部 ２ｃが挟持部２ｄと一体に設けられているから、その挟持部２ｄで取付け固定す れば係止部２ｃをウィンドゥプレート１の周縁に対して固定的位置を保って設け ることができる。

【００１６】 インナートリム部材４をドアフレーム３に取付けるには、図３で示すように両 面粘着テープ７を固着手段としてインナートリム部材４の取付基部４０とドアフ レーム３の接合部３ｃとのいずれかに備付け、両面粘着テープ７でインナートリ ム部材４の取付基部４０をドアフレーム３の接合部に接着固定する。これと共に 、ドアフレーム３の外周縁に設けられた立上りフランジ部３ｄをインナートリム 部材４の挟持部５でくわえ込み支持させることにより、インナートリム部材４は 係合部４２をドアフレーム３の外周縁に対して固定的位置を保って取付固定する ことができる。

【００１７】 インナートリム部材４が予め取付けられたドアフレーム３に対し、アウタート リム部材２が予め取付けられたウィンドゥプレート１を取付固定するには上述し た如くウィンドゥプレートの不透明な塗膜が設けられた内面に液状の接着剤５を 塗布した後、この接着剤５をドアフレーム３に押し付けるようウィンドゥプレー ト１をドアフレーム３に載置すればよい。そのウィンドゥプレート１の載置に伴 って、接着剤５はウィンドゥプレート１に予め取付けられたアウタートリム部材 ２の係止部２ｃがインナートリム部材４の係合部４２に嵌り込むまで潰されてウ ィンドゥプレート１とドアフレーム３との間に伸延位置し、アウタートリム部材 ２の係止部２ｃがインナートリム部材４の係合部４２に完全に嵌り込むと、その 位置で所定間隔を保持したまま接着剤５が硬化してウィンドゥプレート１がドア フレーム３に固着される。

【００１８】 アウタートリム部材２の係止部２ｃがインナートリム部材４の係合部４２に嵌 り込んだ状態では係止部２ｃのフック状に折曲成形された先端が係合部４２の開 放口内側に突出位置する止め縁４３と嵌り合い、その係合部４２の延長上に形成 された弾圧部４４がアウタートリム部材２の外表面部２ａを内側から弾圧支持す ることにより係止部２ｃの先端を止め縁４３に固定的位置関係を保ってトリム部 材２，４相互が確実に係着される。

【００１９】 このように構成する車輛用ウィンドゥプレートの取付構造では、ウィンドゥプ レート１をドアフレーム３に載置するのに伴って液状の接着剤５が押圧され自己 流動で間隔を埋める。アウタートリム部材２の係止部２ｃがインナートリム部材 ４の係合部４２に嵌り込むことによりウィンドゥプレートをドアフレーム３に組 付けるから、ウィンドゥプレートはその外周縁を基準にして位置決めされること になり、ウィンドゥプレート１の曲率がバラ付いていてもトリム部材２，４相互 の係着でウィンドゥプレート１とドアフレーム３との相対間隔を保って接着剤５ を硬化させるため、ウィンドゥプレート１はドアフレーム３に位置ズレが少なく 固着することができる。

【００２０】 そのウィンドゥプレート１をドアフレーム３に取付けた状態ではアウタートリ ム部材２の外表面部２ａが外部に位置することから、このアウタートリム部材２ の外表面部２ａでウィンドゥプレート１の周縁と共にインナートリム部材４の外 周縁が外部から視認されないよう覆われている。また、トリム部材２，４とフェ ンダーパネルのフランジ部６との間はインナートリム部材４の係合部４２から外 方に突出するシールド部４６がフェンダーパネルのフランジ部６に当接位置する ことにより隠蔽され、しかもアウタートリム部材２の折れ曲り部２ｂから突出す るリップ部２ｅがシールド部４６の基部上に被さり位置することから、ウィンド ゥ周りを極めて体裁よく仕上げることができる。

【００２１】 上述した実施例ではインナートリム部材４をドアフレーム３に取付ける固着手 段として両面粘着テープ７を適用したが、これに代えて、図４，５で示すようグ ロメット７ａをドアフレーム３に装備し、インナートリム部材４の取付基部４０ に開口４７を設けることによりタッピングスクリュー７ｂを挿通させてグロメッ ト７ａに螺着固定する固着手段を適用することもできる。

【００２２】

【考案の効果】

以上の如く、本考案に係る車輛用ウインドプレートの取付構造に依れば、ウィ ンドゥプレートをトリム部材相互の係着固定と共に液状の接着剤でドアフレーム に確実に固定でき、しかもウィンドゥプレートとドアフレームとの対向間隔をト リム部材相互の係着固定で一定に保持した状態で液状の接着剤を硬化させること ができるから、ウィンドゥプレートを液状の接着剤でドアフレームに正確な位置 を保って固着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例に係る車輛用ウィンドゥプレート
の取付構造をドアフレームの断面で部分的に示す説明図
である。

【図２】同車輛用ウィンドゥプレートの取付構造でウィ
ンドゥプレートの周縁に取付けるアウタートリム部材を
断面で示す説明図である。

【図３】同車輛用ウィンドゥプレートの取付構造でドア
フレームに取付けるインナートリム部材を断面で示す説
明図である。

【図４】本考案の別例に係る車輛用ウィンドゥプレート
の取付構造をドアフレームの断面で部分的に示す説明図
である。

【図５】同車輛用ウィンドゥプレートの取付構造でドア
フレームに取付けるインナートリム部材を断面で示す説
明図である。

【図６】一般例に係るハッチバック車でウィンドゥプレ
ートの取付個所を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ウィンドゥプレート ２ アウタートリム部材 ２ｃ アウタートリム部材の係止部 ３ ドアフレーム ４ インナートリム部材 ４２ インナートリム部材の係合部 ５ 液状の接着剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアフレームの中央部に窓空間として形
   成される開口部を塞ぐウィンドゥプレートをドアフレー
   ムに液状の接着剤で固着すると共に、当該ウィンドゥプ
   レートの周縁を長尺なトリム部材で覆うよう構成する車
   輛用ウィンドゥプレートの取付構造において、ウィンド
   ゥプレートの周縁には係止部を有する長尺なアウタート
   リム部材が、ドアフレームの外周縁にはアウタートリム
   部材に対応する位置でアウタートリム部材の係止部と係
   着される係合部を有する長尺なインナートリム部材が夫
   々共に予め取付け固定され、ウィンドゥプレートとドア
   フレームとは両者の間に介在して経時的に硬化する液状
   の接着剤で固着され、その液状の接着剤が硬化して両者
   を固着するまでの間はアウタートリム部材の係止部とイ
   ンナートリム部材の係合部との係着でウィンドゥプレー
   トとドアフレームとの間隔が保持されていることを特徴
   とする車輛用ウィンドゥプレートの取付構造。