JPH04136918U - 車両用窓ガラスの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、車両用窓ガラスの取付構造に関
し、車両窓部への窓ガラスの取付に際して、窓ガラス仮
止め時の位置決めが移動しないようにすることを目的と
する。 【構成】 窓ガラス２の下縁部内縁側に、窓部下縁のボ
ディフランジ端縁４と係止する位置決め用凹所９を形成
させたインサート部材７が、窓ガラス２の周縁部に取り
付けられるモール部材８に埋設されるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用窓ガラスの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

さて、従来の車両用窓ガラスの取付構造について説明すると、図５は図６のＶ −Ｖ線矢視による車両の後方窓部端縁の断面図、図６は従来の窓ガラス取付構造 を有する車両の一例を示す後部斜視図あるが、これらの図５，図６に示すように 、従来より、車両の窓部に固定して取り付けられる窓ガラス２は、その取付に際 して、まず、窓ガラス２の下縁の左右２個所を窓部下縁の車体１側のボディフラ ンジ端縁４に取り付けたストッパ３に当接させて位置決めを行なった後、窓ガラ ス２とボディフランジ端縁４とを両面接着テープ５とかデュアルロックファスナ ーなどで仮止めし、窓ガラス２とボディフランジ端縁４の間に接着剤６を注入し 接着剤６の固化をまって、その外の間隙部にモール部材を被着させるようにして 固定させている。

【０００３】 なお、図中、１０は内装トリムを示している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の窓ガラス取付時の位置決め手段によると、接 着剤が固化するまでにかなりの時間を要するもので、その間、車両の製造工程中 に、車体がコンベアに乗って流れていると、コンベアからの振動を受けたり、又 サイドドアを開閉する振動を受けたりして、接着剤の未だ乾かないうちに、窓ガ ラスが移動して位置決めが狂うおそれがあり、これにより窓ガラスの正確な取付 に支障をきたすという課題がある。

【０００５】 本考案は、このような課題に鑑み創案されたもので、窓ガラスの下縁部内縁側 に窓部下縁のボディフランジ端縁と係止する位置決め用凹所を有するインサート 部材を設け、この位置決め用凹所とボディフランジ端縁とを係止させることによ り、窓ガラス取付に際して、窓ガラス仮止め時の位置決めが移動しないようした 、車両用窓ガラスの取付構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案の車両用窓ガラスの取付構造は、車両の窓部に固定して取り 付けられる窓ガラスの取付構造において、該窓ガラスの下縁部内縁側に、該窓部 下縁のボディフランジ端縁と係止する位置決め用凹所を形成させたインサート部 材が、該窓ガラスの周縁部に取り付けられるモール部材に埋設されるようにして 設けられていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

上述の本考案の車両用窓ガラスの取付構造では、窓ガラスの取付に際して、窓 ガラスに設けたインサート部材が、その位置決め用凹所により窓部のボディフラ ンジ端縁と係止するため、窓ガラスの仮止めが安定し、これにより振動などによ って仮止めが移動することはない。

【０００８】

【実施例】

以下、図面により、本考案の一実施例について説明すると、図１〜図４は本考 案の一実施例としての車両用窓ガラスの取付構造を示すもので、図１は本取付構 造を縦断して示す図４におけるＩ−Ｉ線矢視による断面図、図２は本取付構造の 要部を拡大して示す断面図、図３はインサート部材をモール部材に埋設する製造 過程の断面図、図４は本窓ガラス取付構造を有する車両の一例を示す後部斜視図 であり、図１〜図４中において、図５，図６と同じ符号はほぼ同様の部分を示し ている。

【０００９】 さて、図１および図２において、２は車体１の窓部に固定して取り付けられる 窓ガラスで、図４に示すように、その下縁部内縁側の２個所（符号Ｃ参照）に、 インサート部材７がモール部材８に埋め込まれるようにして取り付けられている 。

【００１０】 このインサート部材７はほぼＬ形をしており、その取付基部７ａが窓ガラス２ の内面側に接着され、又その係止片７ｂが窓ガラス２の内面方向へ突出するよう にしてモール部材８の取付と同時に取り付けられている。そして、係止片７ｂの 中程には、窓部下縁のボディフランジ端縁４と係止する位置決め用凹所９が形成 されている。

【００１１】 このインサート部材７の取付について、更に詳しく説明すると、例えば図３に 示すように、金型Ａ，Ｂ間に、窓ガラス２の所定位置に予めインサート部材７を 仮り付けしたものを置き、これにモール部材８を矢印ａのように注入し固化して インサート部材７を埋設する。

【００１２】 そして、このようにインサート部材７を取り付けた窓ガラス２を、図２のよう に、インサート部材７の位置決め用凹所９がボディフランジ端縁４と係止するよ うにして、窓部に嵌め付け、隙間部分に接着剤６を注入し固化させて窓ガラス２ を取り付ける。

【００１３】 なお、この取付のとき、インサート部材７の係止片７ｂの先端を覆うモール部 材８の先端部は、車体の内装トリム１０と対応してその縁部に被さるようにして 形成されている。

【００１４】 上述の構成により、窓ガラス２の取付に際し、窓ガラス２に固定したインサー ト部材７の位置決め用凹所９とボディフランジ端縁４とが係止されることにより 、窓ガラス２は安定した仮止めが行なわれているもので、従って、製造工程中、 接着剤が乾くまでの間に、車体が少々の振動を受けることがあっても、窓ガラス ２の仮止め位置が狂うことはなく、窓ガラス２の取付を正確かつ確実に行なうこ とができるとともに、両面テープなどの使用を省略し得るなど良品の生産と作業 能率の向上に役立つものである。

【００１５】 また、インサート部材７の先端を覆うモール部材８の先端は車体の内装トリム １０と対応して、内装トリム１０の端末処理を容易なものにする効果も有してい る。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案の車両用窓ガラスの取付構造によれば、車両の窓 部に固定して取り付けられる窓ガラスの取付構造において、該窓ガラスの下縁部 内縁側に、該窓部下縁のボディフランジ端縁と係止する位置決め用凹所を形成さ せたインサート部材が、該窓ガラスの周縁部に取り付けられるモール部材に埋設 されるようにして設けられているので、窓ガラスを窓部に取り付ける際の、窓ガ ラスの位置決めが安定して確実に行なえる効果がある。従って、車両の製造工程 中に車体に振動を受けることがあっても、窓ガラスの取付位置の位置決めが狂う ことはなく、接着剤が乾くまでの時間待ちの必要がなく、又従来のように両面接 着テープによる仮止めの必要もなく作業能率の向上に役立つは勿論、車両の良品 生産に役立つという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としての車両用窓ガラスの取
付構造の断面図（図４のＩ−Ｉ線矢視による断面図）で
ある。

【図２】本考案の要部を拡大して示す断面図である。

【図３】インサート部材を取り付ける製造過程を示す断
面図である。

【図４】本窓ガラス取付構造を有する車両の一例を示す
後部斜視図である。

【図５】従来例による車両用窓ガラスの取付構造の断面
図（図６のＶ−Ｖ線矢視による断面図）である。

【図６】従来の窓ガラス取付構造を有する車両の一例を
示す後部斜視図である。

【符号の説明】

１ 車体 ２ 窓ガラス ３ ストッパ ４ ボディフランジ端縁 ５ 両面接着テープ ６ 接着剤 ７ インサート部材 ７ａ インサート部材の取付基部 ７ｂ インサート部材の係止片 ８ モール部材 ９ 位置決め用凹所 １０ 内装トリム Ａ 金型 Ｂ 金型

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０６Ｂ 3/56 7806−2Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の窓部に固定して取り付けられる窓
   ガラスの取付構造において、該窓ガラスの下縁部内縁側
   に、該窓部下縁のボディフランジ端縁と係止する位置決
   め用凹所を形成させたインサート部材が、該窓ガラスの
   周縁部に取り付けられるモール部材に埋設されるように
   して設けられていることを特徴とする、車両用窓ガラス
   の取付構造。