JPH0635210U - 昇降移載装置における案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇降移載装置を上下移動案内する転子とガイ
ドレールとの間の調整が容易であるとともに、格納棚の
製造誤差や施工時の歪み等が多少存在しても、また経年
変化によって対向するガイドレール間隔が変化してもそ
れに対応してガタツキなく適正な押圧力にて転子とガイ
ドレールを突き合い係合させることが可能な昇降移載装
置における案内装置を提供することを目的とする。 【構成】 中間に昇降移載装置３が移動する空間４を形
成してその両側にトレーを収容するための一対の格納棚
を設け、該空間に面する両格納棚の４本の支柱６側面に
ガイドレール７を添設するとともに、それぞれのガイド
レールに前記昇降移載装置から突設した取付部材１８の
上下に設けた転子を突き合い係合させ、一方の格納棚に
面する上下の転子をガイドレールへ圧接し得る押圧手段
２０を介して前記取付部材に取付けてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、昇降移載装置における案内装置に係わり、更に詳しくは昇降移載装 置を上下に案内するガイドレールと転子とをガタツキなく係合させ得る案内装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、両側に設けた格納棚間の空間内で上下に移動して、格納棚にトレーを収 容又は格納棚からトレーを取り出すための昇降移載装置における案内装置として 、前記空間内に面した位置に適数本の案内用支柱を格納棚の支柱等に固定して垂 設し、該案内用支柱に別途ガイドレールを添設するか又はガイドレールを一体化 した構造となし、前記昇降移載装置のコーナー部にそれぞれ突設した転子を前記 ガイドレールに突き合い係合させて、適宜な昇降駆動手段にて昇降移載装置を上 下移動させる際の案内となしているものが一般的である。

【０００３】 しかし、従来の転子は、予めガイドレールの設計上の間隔を考慮して位置固定 的に取付け若しくは転子の突出量を微調整して固定できるような構造にて取付け られていたので、格納棚の製造誤差や使用中の震動等による経年変化にによって 、ガイドレールと転子間に、必要以上の隙間やまたその逆に必要以上に強く接触 して、昇降時にガタツキやきしみ音の発生、更には案内不能となる事態が生じる ことがあった。また、転子の突出量の調整は、ボルトとボルト穴の間のクリアラ ンスを利用していたり、その調整作業に勘と熟練を要していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、昇降移載装置に突設 する転子と、該昇降移載装置を上下移動案内するガイドレールとの間の調整が容 易であるとともに、格納棚の製造誤差や施工時の歪み等が多少存在しても、また 経年変化によって対向するガイドレール間隔が変化してもそれに対応してガタツ キなく適正な押圧力にて転子とガイドレールを突き合い係合させることが可能な 昇降移載装置における案内装置を提供する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前述の課題解決のために、中間に昇降移載装置が移動する空間を形 成してその両側にトレーを収容するための一対の格納棚を設け、該空間に面する 両格納棚の４本の支柱側面にガイドレールを添設するとともに、それぞれのガイ ドレールに前記昇降移載装置から突設した取付部材の上下に設けた転子を突き合 い係合させ、一方の格納棚に面する上下の転子をガイドレールへ圧接し得る押圧 手段を介して前記取付部材に取付けてなる昇降移載装置における案内装置を構成 した。

【０００６】

【作用】

以上の如き内容からなる本考案の昇降移載装置における案内装置は、昇降移載 装置が移動する空間に面した両側の格納棚の４本の支柱を利用して取付けたガイ ドレールにそれぞれ突き合い係合する転子を取付ける構造において、一方の格納 棚に面する側の昇降移載装置から突設した取付部材の上下にはガイドレールへ圧 接し得る押圧手段を介して転子を取付け、他方の格納棚に面する側に突設した取 付部材の上下には転子を固定的に取付けて、前記押圧手段を調整して転子がガイ ドレールに圧接する押圧力を調節できるようになしたものであり、また、一方の 側の転子は固定的であるので、他方の転子をガイドレールに押圧した場合に、固 定的な転子も同様に対向するガイドレールに圧接され、その状態は固定的である のでガタツキが生じる恐れがなく、またガイドレールは格納棚の支柱に添設した ものであるので、その変形も抑制されるのである。

【０００７】

【実施例】

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細を説明する。 図１及び図２は本考案の昇降移載装置における案内装置を用いて構成した電動 棚装置を示し、該電動棚装置は、両側に格納棚１，２を配設して、その間に昇降 移載装置３が上下移動可能な空間４を形成し、一方の格納棚１の下部には該昇降 移載装置３を上下移動させるための駆動装置５を内装している。尚、本考案では 特に説明しないが、昇降移載装置３に内蔵された移載装置によって、格納棚１， ２の収容空間内にトレーに載置された荷物を収容し、また取り出すことができる のである。

【０００８】 前記空間４に面する両側の格納棚１，２の４本の支柱６，…の側面には、それ ぞれ断面略三角形状のガイドレール７をその頂縁８を内方に配向させて添設し、 両格納棚１，２の支柱６，６に取付けたガイドレール７，７を互いに対向させて いる。そして、本考案に係る昇降移載装置３は、それぞれの前記ガイドレール７ ，…に対面する位置に取付部材８を突設し、該取付部材８の上下に対応するガイ ドレール７に突き合い係合する転子９，９を回動自在に取付け、該転子９，…が ガイドレール７と係合して転動することによって上下案内されるのである。尚、 本実施例においては、電動棚装置の周囲はパネル板１０で覆われているが、特に 必要ではない。

【０００９】 また、前記昇降移載装置３は、前記ガイドレール７，…と転子９，…によって 上下移動可能に案内されるものであるが、この昇降移載装置３を昇降駆動させる ために、本実施例では前記昇降移載装置３の中央部両側をワイヤー１１，１１で 吊下げ、天井部から下方の駆動装置５へワイヤー張設機構によって導いている。 具体的には、ワイヤー張設機構としては、前記空間４の天井部の前後両側中央部 に一対の吊下げ滑車１２，１２を設け、昇降移載装置３に端部を連結した前記ワ イヤー１１，１１を巻回して下方へ導き、そして空間４の床部の前後両側中央部 には垂下したワイヤー１１，１１を巻回して中央方向に直角に方向へ変える一対 の第一方向転換滑車１３，１３を設け、更に中央部に導かれたワイヤー１１，１ １を第二方向転換滑車１４，１４にて駆動装置５の巻き取りドラム１５に巻き付 けて、この巻き取りドラム１５を回転させてワイヤー１１，１１を巻き取ること によって前記昇降移載装置３が上昇し、また繰り出すことによって下降するので ある。

【００１０】 次に、本考案のガイドレール７と転子９とを備えた案内装置について、図３〜 図７に基づいて更に詳しく説明する。図３は、本考案に係る昇降移載装置３をそ の移載機構を省略して示したものであり、該昇降移載装置３は、両格納棚１，２ の間隔よりも狭い横幅を有し、奥行幅は両格納棚１，２の奥行に略一致させた基 板１６の上面両側に側枠１７，１７を立設するとともに、両側枠１７，１７の両 端部にはそれぞれ正面視略台形の取付部材１８，…を固着し、該取付部材１８の 先端部上下には前述の如く転子９，９を転動可能に取付けている。ここで、前記 転子９の周囲中央部には、前記ガイドレール７の形状に併せてＶ字溝１９が形成 され、また一方の格納棚１に面する側の取付部材１８，１８には押圧手段２０を 介してそれぞれ上下に転子９，９を取付け、該押圧手段２０を調整することによ って該転子９のガイドレール７への押圧力を調節可能となしている。また、他方 の格納棚２に面する側の取付部材１８，１８には通常の固定的な回動手段にてそ れぞれ上下に転子９，９を取付けている。ここで、便宜上、押圧手段２０を介し て取付ける転子９を９ａとし、固定的に取付ける転子９を９ｂとして表示してい る。

【００１１】 前記取付部材１８は、中央横方向に前記側枠１７の側面端部に溶接等によって 固定する断面略コ字形の取付台２１を折曲形成し、その両側に先端方向へ広がっ た正面視略三角形状の取付板２２，２２を延設し、前記転子９ａは、一端部を該 取付板２２の端部に枢軸２３にて回動可能に枢支した可動板２４の遊端部に常法 通り枢軸２５にて回動可能に枢支するとともに、基端を前記取付板２２の適所に 取付けた押圧手段２０の先端部を前記枢軸２５に連係させている。

【００１２】 ここで、本実施例における前記押圧手段２０としては、前記枢軸２５に回転可 能若しくは半強制的に角度を変えられるように連結板２６を連係させてその一端 部に硬質ゴム製の筒状の弾性体２７を固定し、該弾性体２７の他端部に、取付板 ２２に固定した支持座２８の螺孔２９に螺合貫通させた、螺軸３０の先端を突き 合い状態で圧接し若しくは先端部のみを弾性体２７内に一部埋設させて圧接して なる構造のものである。しかして、前記螺軸３０を螺入することによって、弾性 体２７を押圧し、その反発力を利用して連結板２６を介して転子９ａを前記枢軸 ２３を中心としてガイドレール７の方向へ回転させて、そのＶ字溝１９をガイド レール７に圧接して突き合い係合するのである。この押圧力を弱くするには、前 記螺軸３０を逆に回転させて支持座２８に対して後退させればよいのである。し かし、前記押圧手段２０は、硬質ゴム製の弾性体２７に換えてスプリングばねを 採用し得るし、単に螺軸３０の前進のみによって押圧するものも可能である。

【００１３】 一方、固定的な転子９ｂは、取付部材１８の取付板２２に溶接した固定板３１ に、前記枢軸２５と同様な構造の枢軸３２にて回動可能に枢支している。

【００１４】 そして、前記昇降移載装置３の基板１６の下面の中央部には奥行方向に補強ビ ーム３３をその先端を前後に若干突出させて固定し、該突出部に穿設した取付孔 ３４に前記ワイヤー１１の先端を挿通し適宜な抜け止め金具にて連結するものと する。

【００１５】 また、図６に示す如く、取付部材１８の取付台２１の先端側には、前記ガイド レール７の頂縁８に当止可能な近接規制部材３５，３５を取付ければ、前記押圧 手段２０に昇降時にガイドレール７に接近する方向の無理な力が加わって弾性体 ２７が破損したりすることを防止することができ、この近接規制部材３５の突出 量は可変とすればより好ましいのである。

【００１６】

【考案の効果】

以上にしてなる本考案の昇降移載装置における案内装置は、中間に昇降移載装 置が移動する空間を形成してその両側にトレーを収容するための一対の格納棚を 設け、該空間に面する両格納棚の４本の支柱側面にガイドレールを添設するとと もに、それぞれのガイドレールに前記昇降移載装置から突設した取付部材の上下 に設けた転子を突き合い係合させ、一方の格納棚に面する上下の転子をガイドレ ールへ圧接し得る押圧手段を介して前記取付部材に取付けてなるので、押圧手段 を調整して一方の格納棚に面する一側の転子のガイドレールに圧接する押圧力を 調節でき、また他側の転子は固定的であるので、前述の押圧力を調節可能な転子 をガイドレールに押圧した場合に、固定的な転子も同様に対向するガイドレール に圧接され、その状態は固定的であるのでガタツキが生じる恐れがなく、またガ イドレールは格納棚の支柱に添設したものであるので、その変形も抑制すること ができて経年変化が少なく、その上経年変化によって転子とガイドレールとの間 にガタツキが発生しても容易にそのガタツキをなくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を採用した電動棚装置の一部切欠した省
略正面図である。

【図２】同じく下部の一部省略横断面図である。

【図３】昇降移載装置の簡略斜視図である。

【図４】同じくガイドレールで案内した状態の省略正面
図である。

【図５】同じく省略平面図である。

【図６】本考案の要部を示す部分拡大正面図である。

【図７】ガイドレールに対する押圧力を調節できる転子
の取付状態を示す要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 格納棚 ２ 格納棚 ３ 昇降移載装置 ４ 空間 ５ 駆動装置 ６ 支柱 ７ ガイドレール ８ 頂縁 ９，９ａ，９ｂ 転子 １０ パネル板 １１ ワイヤー １２ 吊下げ滑車 １３ 第一方向転換滑車 １４ 第二方向転換
滑車 １５ 巻き取りドラム １６ 基板 １７ 側枠 １８ 取付部材 １９ Ｖ字溝 ２０ 押圧手段 ２１ 取付台 ２２ 取付板 ２３ 枢軸 ２４ 可動板 ２５ 枢軸 ２６ 連結板 ２７ 弾性体 ２８ 支持座 ２９ 螺孔 ３０ 螺軸 ３１ 固定板 ３２ 枢軸 ３３ 補強ビーム ３４ 取付孔 ３５ 近接規制部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間に昇降移載装置が移動する空間を形
   成してその両側にトレーを収容するための一対の格納棚
   を設け、該空間に面する両格納棚の４本の支柱側面にガ
   イドレールを添設するとともに、それぞれのガイドレー
   ルに前記昇降移載装置から突設した取付部材の上下に設
   けた転子を突き合い係合させ、一方の格納棚に面する上
   下の転子をガイドレールへ圧接し得る押圧手段を介して
   前記取付部材に取付けてなることを特徴とする昇降移載
   装置における案内装置。