JPH06346012A - 水系印刷インキ用バインダー - Google Patents

水系印刷インキ用バインダー

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JPH06346012A
JPH06346012A JP5164198A JP16419893A JPH06346012A JP H06346012 A JPH06346012 A JP H06346012A JP 5164198 A JP5164198 A JP 5164198A JP 16419893 A JP16419893 A JP 16419893A JP H06346012 A JPH06346012 A JP H06346012A
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JP
Japan
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water
binder
polyurethane
printing ink
parts
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JP5164198A
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Inventor
Hiroshi Matsumoto
寛 松本
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物
および鎖伸長剤を主たる構成成分としてなるポリウレタ
ンを含有する水系印刷インキ用バインダーにおいて、該
ポリウレタンがポリエチレンオキサイド構成単位とペン
ダントアニオン性基を有することを特徴とする水系印刷
インキ用バインダー。 【効果】 被印刷物としてのポリプロピレンやポリエス
テルなどのプラスチックに対し、優れた密着性と印刷適
性を有し、かつポリエチレンフィルム等を積層した場合
のラミネート強度が良好である水系印刷インキ用バイン
ダーを提供できるという多大の効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水系印刷インキ用バイン
ダーに関する。更に詳しくはポリプロピレンやポリエス
テルなどのプラスチックに対する密着性に加えて、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオ
レフィンを積層した場合のラミネート強度が良好である
水系印刷インキ用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より有機溶剤系の印刷インキが多く
使用されているが、近年、大気汚染防止、消防法上の規
制、労働安全衛生等の観点より、該有機溶剤を使用しな
い水性印刷インキが指向されてきている。該水性インキ
の性能はその主成分であるバインダーの特性に大きく依
存しており、該バインダーとしてはカルボキシル基を有
する各種樹脂、たとえばアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂等が提案されている。これらのう
ち、アクリル樹脂はポリオレフィンフィルムに対する密
着性が一般に良好であるが、ポリエステルフィルムに対
する密着性が劣る。他方、ポリエステル樹脂は、ポリエ
ステルフィルムには良く密着するが、ポリプロピレンフ
ィルムへの密着性が劣る。また、ポリウレタン樹脂は、
プラスチックフィルムを対象とした有機溶剤系の印刷イ
ンキにおける汎用バインダーであるため、その水溶化あ
るいは水分散化の試みも種々なされているが、水性のポ
リウレタン樹脂からなる水性印刷インキ用バインダーは
プラスチックフィルムへの密着性、印刷適性などの点で
未だ不満足である。
【0003】そこで、本願出願人は各種プラスチックフ
ィルムへの密着性、印刷適性などに優れた水性印刷イン
キ用バインダーとして、特定のペンダントアニオン性基
を分子中に有する水性ポリウレタンを提案した(既に特
許出願を行っている)。しかし、かかる特定のアニオン
性基を分子中に有する水性ポリウレタンであっても、各
種プラスチックフィルムにポリエチレンフィルム等を積
層したラミネートフィルムの密着性(いわゆるラミネー
ト強度)は不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる水性
印刷インキ用バインダーの現状を踏まえ、被印刷物とし
てのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
の各種プラスチックフィルムに対する密着性、印刷適性
は勿論のこと、ラミネート強度にも優れる水系印刷イン
キ用バインダーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、ペンダントアニオン性
基を有し、かつポリエチレンオキサイド構成単位を必須
の構成成分として導入してなるポリウレタンを水性印刷
インキ用バインダーとして使用した場合には、意外にも
前記課題を悉く解決しうることを見出した。本発明はか
かる新しい知見に基づいて完成されたものである。
【0006】すなわち、本発明は、高分子ポリオール、
ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤を主たる構成成
分としてなるポリウレタンを含有する水系印刷インキ用
バインダーにおいて、該ポリウレタンがポリエチレンオ
キサイド構成単位とペンダントアニオン性基を有するこ
とを特徴とする水系印刷インキ用バインダーに関する。
【0007】本発明の水系印刷インキ用バインダーは、
こうしたポリエチレンオキサイド構成単位に由来する水
系非イオン性とペンダントアニオン性基に由来するアニ
オン性を併有するポリウレタンを使用することにより、
ポリウレタンの全体構造の親水性を大幅に向上させて各
種性能の向上を図ったものである。
【0008】本発明において、ポリウレタン中へポリエ
チレンオキサイド構成単位を導入する方法は特に限定さ
れないが、一般的には、ポリエチレンオキサイド構成単
位を有する高分子ポリオールをポリウレタンの構成原料
として使用することにより行う。
【0009】ポリエチレンオキサイド構成単位を有する
高分子ポリオールとしては、たとえばポリエチレングリ
コールおよびポリエチレンオキサイド構成単位を有する
ブッロク共重合体高分子ポリオール等があげられる。こ
れらポリエチレンオキサイド構成単位を有する高分子ポ
リオールは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて
使用できる。
【0010】これらポリエチレンオキサイド構成単位を
有する高分子ポリオールを、さらに詳しく説明すれば、
ポリエチレングリコールとしては、通常、エチレングリ
コールにエチレンオキサイドをアルカリ触媒の存在下に
加圧、加温状態で吹き込み、重合して得られる分子量2
00〜6000程度の各種のものがあげられる。
【0011】また、前記ブッロク共重合体高分子ポリオ
ールとしては、前記ポリエチレングリコールに、プロピ
レンオキサイド、テトラヒドロフラン、ラクトン類等を
130〜240℃の条件で開環重合させて得られたも
の、前記ポリエチレングリコールに、ジアルキルカーボ
ネート類、ジアリールカーボネート類またはホスゲン等
のカーボネート類等を130〜240℃の条件で重縮合
させて得られたもの、およびビスフェノールA等のフェ
ノー性水酸基にエチレンオキサイドを開環重合させて得
られたもの等があげられる。
【0012】なお、ラクトン類等を開環重合させるにあ
たっては得られる重合体の色調等の点から、窒素ガス等
の不活性ガスの気流下に反応させるのがよく、開環重合
に際しては、反応促進のため有機チタン化合物、有機ス
ズ化合物、ハロゲン化第一スズ等の触媒存在下に行うの
が好ましい。ラクトン類としては特に制限はされず、ε
−カプロラクトンやγ−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトンなどの各種公知のものを使用できる。また、カー
ボネート類等を重縮合させるにあたっては、反応促進の
ためピリジン、金属ナトリウム等の苛性アルカリ等の触
媒存在下に行うのがよい。また、カーボネート類等を重
縮合させるにあたっては、後述する一般にポリウレタン
の製造に用いられる各種公知の低分子または高分子ポリ
オール類を併用しても何等差し支えない。
【0013】本発明において、もう1つの必須成分であ
るペンダントアニオン性基のポリウレタン中への導入も
特に限定はされないが、一般には、少なくとも2個の水
酸基と少なくとも1個のアニオン性基を有する化合物を
鎖伸長剤または高分子ポリオールとして使用する。な
お、本発明でいうアニオン性基とは、カルボキシル基、
スルホン酸基、リン酸基またはこれらの金属塩等をい
い、ペンダントアニオン性基とは該アニオン性基がポリ
ウレタンの分子鎖中で結合することなくペンダント状に
位置するものをいう。
【0014】前記少なくとも2個の水酸基と少なくとも
1個のアニオン性基を有する化合物としては、たとえ
ば、グリセリン酸、ジオキシマレイン酸、ジオキシフマ
ル酸、酒石酸、2,6−ジオキシ安息香酸、ジメチロー
ルプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−
ジメチロール吉草酸、2,2−ジメチロールペンタン酸
等のヒドロキシカルボン酸等があげられる。これらの化
合物は鎖伸長剤として使用される。
【0015】また、本発明の少なくとも2個の水酸基と
少なくとも1個のアニオン性基を有する化合物として
は、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル
酸、4−スルホフタル酸、スルホテレフタル酸、4−ス
ルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−(4−ス
ルホフェノキシ)イソフタル酸等のスルホン酸化合物に
代表される2種以上かつ3個以上のアニオン性基を有す
る化合物と低分子ポリオール類またはモノカルボン酸グ
リシジルエステル類等を脱水縮合させて得られるペンダ
ントアニオン性基を有する低分子または高分子ポリエス
テルポリオールを使用することもできる。かかるアニオ
ン性基を有する低分子ポリエステルポリオールは鎖伸長
剤として使用でき、高分子ポリエステルポリオールは高
分子ポリオールとして使用される。なお、低分子ポリオ
ール、モノカルボン酸グリシジルエステル類等は、後述
する一般にポリウレタンの高分子ポリオールとして使用
されるポリエステルポリオールを構成する低分子ポリオ
ール類、モノカルボン酸グリシジルエステル類等を使用
しうる。
【0016】さらには、前記少なくとも2個の水酸基と
少なくとも1個のアニオン性基を有する化合物として
は、前記ヒドロキシカルボン酸またはスルホン酸化合物
から誘導される低分子ポリエステルポリオールを開始剤
として、これに前記ラクトン類等を開環重合して得られ
るものを高分子ポリオールとして使用してもよい。
【0017】本発明では、前記ペンダントアニオン性基
をポリウレタンへ導入しうる化合物のなかでも、反応制
御の容易性から酒石酸もしくはジメチロールプロピオン
酸またはこれらの化合物から誘導されるポリエステルポ
リオールを使用するのが好ましい。
【0018】本発明のポリウレタンの製造にあたって
は、前記ポリエチレンオキサイド構成単位を有する高分
子ポリオールを使用し、かつ前記2個の水酸基と少なく
とも1個のアニオン性基を有する化合物を鎖伸長剤また
は高分子ポリオールとして使用することが必須とされる
が、本発明の目的を損なわない範囲で、一般にポリウレ
タンの製造に使用される各種公知の高分子ポリオールお
よび鎖伸長剤を使用できる。
【0019】かかる公知の高分子ポリオールとしては、
たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオー
ル、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の各種公知の低分子ポリオール類、n−ブチルグリシジ
ルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等
のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グ
リシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステ
ル類またはダイマー酸を還元して得られるダイマージオ
ール等と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう
酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれら
に対応する酸無水物やダイマー酸等とを脱水縮合せしめ
てえられるポリエステルポリオール類;環状エステル化
合物を開環重合してえられるポリエステルポリオール
類;その他ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジ
エングリコール類等があげられる。
【0020】なお、本発明で使用する高分子ポリオール
の数平均分子量は、特に限定はされないが、通常500
〜10000程度であるのが好ましい。数平均分子量が
500未満では得られる水性ポリウレタンの皮膜が硬く
なりすぎる傾向があり、また10000を越えると乾燥
性及び耐ブロッキング性が低下する傾向があるためであ
る。
【0021】また、公知の鎖伸長剤としては、たとえ
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレン
トリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4' −ジアミンなどのアミン類及び水があげ
られる。その他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2
−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロ
キシエチプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピル
エチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレ
ンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類、前
記したポリエステルポリオール類の説明の項で列挙した
各種公知の低分子ポリオール類や、ダイマー酸のカルボ
キシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等もそ
の代表例としてあげられる。
【0022】本発明では前記鎖伸長剤のなかでもポリウ
レタンの耐水性を向上させるためにイソシアネート基と
反応しうる活性水素を3個以上有する化合物を、通常、
樹脂固形分当たり0.01〜20重量%程度使用するの
が好ましい。
【0023】また、ポリウレタンの製造に用いるジイソ
シアネ−ト化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環
族の各種公知のジイソシアネート類を使用することがで
きる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4' −ジフェニルジメチルメタンジイソシアネー
ト、4,4' −ジベンジルイソシアネート、ジアルキル
ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレン
ジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
プロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネー
ト、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−4,4' −ジイソシアネート、1,3−ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリ
レンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基を
イソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート
等がその代表例としてあげられる。
【0024】なお、本発明ではポリウレタンの分子量を
調節するために、必要に応じて鎖長停止剤を用いること
もできる。かかる鎖長停止剤としては、たとえば、ジ−
n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげら
れる。
【0025】本発明のポリウレタンを製造するにあた
り、高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸
長剤および必要に使用する鎖長停止剤の使用割合は、ポ
リウレタン中にポリエチレンオキサイド構成単位とペン
ダントアニオン性基が導入されれば特に限定されない。
通常は、ポリウレタンの固形分中のポリエチレンオキサ
イド構成単位含有量が、2〜80重量%程度、好ましく
は5〜60重量%となるように調整するのがよい。ポリ
ウレタンの固形分中のポリエチレンオキサイド構成単位
が2重量%未満では水性化が不十分であり、十分なラミ
ネート強度が得られず、80重量%を越えると製品粘度
が増大して作業性が低下し、しかも印刷物の耐水性が悪
化する傾向がありいずれの場合も好ましくない。
【0026】また、ポリウレタンの固形分中のペンダン
トアニオン性基の含有量も、特に限定はされないが、通
常は固形分酸価が3〜200程度、好ましくは5〜10
0であるのがよい。ポリウレタンの固形分酸価が3未満
では水性化が不十分であり、十分なラミネート強度が得
られず、200を越えると製品粘度が増大して作業性が
低下し、しかも印刷物の耐水性が悪化する傾向がありい
ずれの場合も好ましくない。
【0027】本発明の水系印刷インキ用バインダーの主
たる成分である水性ポリウレタンの製造方法は、公知の
手段をそのまま採用できる。たとえば、(1)高分子ポ
リオール成分、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤及び
必要により鎖長停止剤を、芳香族系溶剤、ケトン系溶
剤、エステル系溶剤などから選択される有機溶媒中で一
度に反応させた後、アンモニア、有機アミン、アルカリ
金属水酸化物などの中和剤を適宜選択使用して樹脂中の
ペンダントアニオン性基を中和し、更に水を加えた後、
系中に存在する有機溶剤を減圧留去して水溶液にする方
法、(2)高分子ポリオール成分とジイソシアネート化
合物とを前記有機溶媒中でイソシアネート基過剰の条件
下で反応させ、分子末端にイソシアネート基を有するプ
レポリマーを調製し、次いで鎖伸長剤及び必要により鎖
長停止剤を反応させた後、前記中和剤でプレポリマー中
のペンダントアニオン性基を中和し、更に水を添加した
後、系中に存在する有機溶剤を減圧留去して水溶液にす
る方法、(3)高分子ポリオール成分とジイソシアネー
ト化合物とを前記有機溶媒中でイソシアネート基過剰の
条件下で反応させ、分子末端にイソシアネート基を有す
るプレポリマーを調製し、次いで前記中和剤でプレポリ
マー中のペンダントアニオン性基を中和し、更に水を加
えた後、鎖伸長剤及び必要により鎖長停止を反応させ、
その後系中に存在する有機溶剤を減圧留去して水溶液に
する方法等があげられる。なお、ポリウレタンの製造の
際、中和度は特に制限されず、適宜に決定される。ま
た、必要により各種公知の界面活性剤を少量使用するこ
ともできる。
【0028】かくして得られるポリウレタンの重量平均
分子量は通常5000〜300000程度の範囲である
のがよい。重量平均分子量が5000に満たない場合に
は、これをビヒクルとして用いた印刷インキの乾燥性、
耐ブロッキング性、皮膜強度などが低下しやすくなる。
一方、300000を越える場合には、えられる印刷イ
ンキの光沢や印刷適性が低下しやすくなる。なお、本明
細書でいう重量平均分子量とは、GPC測定によりえら
れるポリスチレン換算値である。
【0029】本発明のポリウレタン樹脂の固形分濃度お
よび粘度は特に制限はされないが、印刷時の作業性等を
考慮して適宜決定すればよい。通常は固形分濃度は15
〜60重量%、粘度は10〜100000cP/25℃
の範囲に調整するのが実用上好適である。
【0030】本発明の水系印刷インキ用バインダーは、
本発明の目的を逸脱しない範囲で、必要に応じて、本発
明の水性ポリウレタン樹脂以外の従来公知の水性樹脂を
併用しうる。例えば、本発明以外の水系ポリウレタン樹
脂、水系ポリエステル樹脂、水系ポリアミド樹脂、水系
アクリル酸エステル系共重合体塩、水系スチレン−マレ
イン酸系共重合体塩等があげられる。
【0031】また、本発明の水系印刷インキ用バインダ
ーを用いて水系印刷インキ組成物を調製する場合、その
調製方法は特に制限はされない。通常は、本発明の水性
ポリウレタンに各種顔料を加えて、練肉、分散し、必要
に応じて上記の併用樹脂やブロッキング防止剤、可塑剤
などの添加剤を適宜配合することにより行われる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、被印刷物としてのポリ
プロピレンやポリエステルなどのプラスチックに対し、
優れた密着性と印刷適性を有し、かつポリエチレンフィ
ルム等を積層した場合のラミネート強度が良好である水
系印刷インキ用バインダーを提供できるという多大の効
果を奏する。
【0033】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例をあげて
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、部および%は重量基準で
ある。
【0034】製造例1 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備
えた丸底フラスコにジメチロールプロピオン酸183.
1部、ε−カプロラクトン500部及びテトラブチルチ
タネート0.14部を仕込み、190℃で6時間反応さ
せた。得られたラクトン重合体Aは、水酸基価が22
3.6、酸価が110.2であった。
【0035】製造例2 製造例1と同様の反応装置に、分子量300のポリエチ
レングリコール88.2部、ε−カプロラクトン500
部及びテトラブチルチタネート0.12部を仕込み、同
様に反応せしめ、水酸基価が56.1、酸価が0.3の
ラクトン重合体Bを得た。
【0036】製造例3 撹拌機、温度計、分溜管を備えた丸底フラスコに分子量
600のポリエチレングリコール258.1部、ジエチ
ルカーボネート500部、1,6−ヘキサンジオール5
00部、金属ナトリウム0.42部を仕込み、200℃
まで徐々に昇温しエタノールを流出させた。更にこの温
度で減圧下3時間撹拌を続けた。冷却後ジクロロメタン
で希釈し、酸中和し、水洗後溶媒を減圧除去し、水酸基
価が55.6、酸価が0.1のカーボネート重合体Cを
得た。
【0037】実施例1 製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たラクトン
重合体A14.3部、分子量1000のポリエチレング
リコール100部、イソホロンジイソシアネート42.
8部、メチルエチルケトン104.7部を仕込み、窒素
気流下に80℃で6時間反応させ、イソシアネート末端
を有するプレポリマーを得た。このプレポリマー溶液に
トリエチルアミン2.8部及び水580.3部を加えて
乳化後、イソホロンジアミン9.1部及びジ−n−ブチ
ルアミン2.7部を添加し50℃で3時間反応させた。
この後、メチルエチルケトンを加熱減圧下に留去し、半
透明なポリウレタン樹脂水溶液Aを得た。樹脂固形分濃
度は25%、粘度が400cP/25℃、pHが7.
7、重量平均分子量が16000(GPCは東ソー
(株)製HLC802A、カラムはTSKgelG20
00H及び4000Hを使用)、樹脂固形分の酸価は1
0であった。
【0038】実施例2 製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たラクトン
重合体A127.0部、製造例2で得たラクトン重合体
B100部、イソホロンジイソシアネート84.1部、
メチルエチルケトン207.3部を仕込み、窒素気流下
に80℃で6時間反応させ、イソシアネート末端を有す
るプレポリマーを得た。このプレポリマー溶液にトリエ
チルアミン16.8部及び水1067.6部を加えて乳
化後、イソホロンジアミン7.2部、ジ−n−ブチルア
ミン3.5部、及びジエチレントリアミン1.4部を添
加し50℃で3時間反応させた。この後、メチルエチル
ケトンを加熱減圧下に留去し、半透明なポリウレタン樹
脂水溶液Bを得た。樹脂固形分濃度は25%、粘度が5
50cP/25℃、pHが8.2、重量平均分子量が4
8000、樹脂固形分の酸価は45であった。
【0039】実施例3 製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たラクトン
重合体A53.6部、製造例3で得たカーボネート重合
体C100部、イソホロンジイソシアネート43.4
部、メチルエチルケトン131.4部を仕込み、窒素気
流下に80℃で6時間反応させ、イソシアネート末端を
有するプレポリマーを得た。このプレポリマー溶液にト
リエチルアミン10.7部及び水697.0部を加えて
乳化後、イソホロンジアミン5.6部、ジーn−ブチル
アミン1.7部を添加し50℃で3時間反応させた。こ
の後、メチルエチルケトンを加熱減圧下に留去し、半透
明なポリウレタン樹脂水溶液Cを得た。樹脂固形分濃度
は25%、粘度が170cP/25℃、pHが8.2、
重量平均分子量が32000、樹脂固形分の酸価は25
であった。
【0040】実施例4 製造例1と同様の反応装置に、ジメチロールプロピオン
酸4.5部、ポリエチレングリコールとポリプロピレン
グリコールのブロック重合体(分子量3300)100
部、イソホロンジイソシアネート21.3部、メチルエ
チルケトン83.9部を仕込み、窒素気流下に80℃で
6時間反応させ、イソシアネート末端を有するプレポリ
マーを得た。このプレポリマー溶液に水酸化ナトリウム
2.7部と水453.7部を加えて乳化後、イソホロン
ジアミン4.5部、ジーn−ブチルアミン1.4部を添
加し50℃で3時間反応させた。この後、メチルエチル
ケトンを加熱減圧下に留去し、半透明なポリウレタン樹
脂水溶液Dを得た。樹脂固形分濃度は25%、粘度が5
30cP/25℃、pHが8.7、重量平均分子量が2
5000、樹脂固形分の酸価は15であった。
【0041】比較例1 製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たラクトン
重合体A58.3部、ポリ(3−メチル−ペンタンアジ
ペート)ジオール100部、イソホロンジイソシアネー
ト54.0部、メチルエチルケトン141.5部を仕込
み、窒素気流下に80℃で6時間反応させ、イソシアネ
ート末端を有するプレポリマーを得た。このプレポリマ
ー溶液にトリエチルアミン11.5部及び水811.1
部を加えて乳化後、イソホロンジアミン12.6部、ジ
ーn−ブチルアミン1.8部を添加し50℃で3時間反
応させた。この後、メチルエチルケトンを加熱減圧下に
留去し、半透明なポリウレタン樹脂水溶液Eを得た。樹
脂固形分濃度は25%、粘度が150cP/25℃、p
Hが8.0、重量平均分子量が32000、樹脂固形分
の酸価は30であった。
【0042】比較例2 製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たラクトン
重合体A234.1部、ポリ(3−メチル−ペンタンア
ジペート)ジオール10部、イソホロンジイソシアネー
ト121.4部、メチルエチルケトン243.7部を仕
込み、窒素気流下に80℃で6時間反応させ、イソシア
ネート末端を有するプレポリマーを得た。このプレポリ
マー溶液に水酸化ナトリウム18.2部及び水131
3.0部を加えて乳化後、イソホロンジアミン12.7
部、ジーn−ブチルアミン4.3部を添加し50℃で3
時間反応させた。この後、メチルエチルケトンを加熱減
圧下に留去し、半透明なポリウレタン樹脂水溶液Fを得
た。樹脂固形分濃度は25%、粘度が370cP/25
℃、pHが8.9、重量平均分子量が23000、樹脂
固形分の酸価は70であった。
【0043】比較例3 製造例1と同様の反応装置に、分子量600のポリエチ
レングリコール100部、ポリ(3−メチル−ペンタン
アジペート)ジオール333.3部、イソホロンジイソ
シアネート111.0部、メチルエチルケトン362,
9部を仕込み、窒素気流下に80℃で6時間反応させ、
イソシアネート末端を有するプレポリマーを得た。この
プレポリマー溶液に水1980.5部を加えて乳化後、
イソホロンジアミン22.2部、ジーn−ブチルアミン
9.3部を添加し50℃で3時間反応させた。この後、
メチルエチルケトンを加熱減圧下に留去し、半透明なポ
リウレタン樹脂水溶液Gを得た。樹脂固形分濃度は25
%、粘度が370cP/25℃、pHが8.0、重量平
均分子量が16000、樹脂固形分の酸価は30であっ
た。
【0044】 実施例1〜4及び比較例1〜3のインキ試験 チタン白(ルチル型) 30部 ポリウレタン樹脂水溶液A〜G 50部 水 10部 イソプロピルアルコール 10部 上記組成の混合物をそれぞれペイントシェイカーで練肉
し、白色印刷インキを調製した。この白色印刷インキを
版深30μmのグラビアプレートを備えた簡易グラビア
印刷機により、厚さ20μmのコロナ放電延伸処理ポリ
プロピレンフィルム(OPP)の放電処理面、及び厚さ
11μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の片
面にそれぞれ印刷し、40〜50℃で乾燥し、印刷フィ
ルムを得た。得られた印刷フィルムを以下の試験に供し
た。
【0045】(密着性):得られた印刷フィルムを24
時間放置後、印刷面にセロファンテープを貼り付け、角
度60度で急速に剥したときの印刷皮膜の外観を観察
し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。 ○−−−−印刷皮膜の80%以上がフィルム側に残っ
た。 △−−−−印刷皮膜の50〜80%がフィルム側に残っ
た。 ×−−−−印刷皮膜の50%以下しかフィルム側に残ら
なかった。
【0046】(ラミネート強度):得られた印刷フィル
ムをOPP、PETフィルム毎にイミン系およびイソシ
ア系アンカーコート剤をそれぞれの印刷面上に塗布し、
乾燥後、押し出しラミネーターにより溶融ポリエチレン
フィルムを積層した。ラミネート強度(接着力)の測定
は、上記ラミネートフィルムを15mm巾に切断し剥離
試験機にて速度300mm/分でT型剥離して求めた
(単位g/15mm)。
【0047】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子ポリオール、ジイソシアネート化
    合物および鎖伸長剤を主たる構成成分としてなるポリウ
    レタンを含有する水系印刷インキ用バインダーにおい
    て、該ポリウレタンがポリエチレンオキサイド構成単位
    とペンダントアニオン性基を有することを特徴とする水
    系印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】 高分子ポリオールがポリエチレングリコ
    ールおよび/またはポリエチレンオキサイド構成単位を
    有するブッロク共重合体高分子ポリオールである請求項
    1記載の水系印刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】 ポリウレタン固形分中にポリエチレンオ
    キサイド構成単位を2〜80重量%含有してなる請求項
    1記載の水系印刷インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 少なくとも2個の水酸基と少なくとも1
    個のアニオン性基を有する化合物をポリウレタンの構成
    成分として含有してなる請求項1記載の水系印刷インキ
    用バインダー。
  5. 【請求項5】 アニオン性基が、カルボキシル基および
    /またはスルホン酸基である請求項1記載の水系印刷イ
    ンキ用バインダー。
  6. 【請求項6】 ポリウレタンの中和前の固形分酸価が3
    〜200である請求項1記載の水系印刷インキ用バイン
    ダー。
  7. 【請求項7】 鎖伸長剤として、イソシアネート基と反
    応しうる官能基を3個以上有する化合物を、ポリウレタ
    ン固形分中に0.01〜20重量%含有してなる請求項
    1記載の水系印刷インキ用バインダー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11131045A (ja) * 1997-10-28 1999-05-18 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd ラミネート用接着剤
JP2006008929A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Dainippon Ink & Chem Inc 水性グラビアインキ
WO2017073332A1 (ja) * 2015-10-30 2017-05-04 三洋化成工業株式会社 溶剤系印刷インキ用バインダー及びこれを用いた溶剤系印刷インキ

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