JP3489738B2 - ポリウレタン樹脂水分散液の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂水分散液の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン樹脂
水分散液の新規製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は柔軟性に富み、密着
性等の諸性能に優れるため、各種バインダ−、コーティ
ング剤、接着剤等の用途に好適に用いられている。ポリ
ウレタン樹脂を製造する際には、反応系内の粘度調整な
どの観点から、溶剤が使用されるが、当該溶剤としては
ウレタンプレポリマーとの副反応が無く、しかも極性が
高いポリウレタン樹脂を十分溶解しうる有機溶剤(例え
ば、ケトン系、芳香族系、エステル系等の溶剤)が用い
られている。環境保護、有機溶剤規制強化等の社会的要
請から、ポリウレタン樹脂の水性化が進められている今
日、上記のような人体に有害で環境負荷の大きい有機溶
剤の使用は、不適とされる。
【0003】このような背景の下、たとえば特開平4−
31439号公報には、有機溶剤を使用しないポリウレ
タン樹脂水分散液の製造方法が開示されている。当該方
法によれば有機溶剤を使用する必要が無いという利点は
あるが、ポリウレタン樹脂を水に強制分散させるための
特殊な分散装置が必要とされるなど、設備、製造工程、
経済性などの側面でかなりの不利がある。
【0004】ポリウレタン樹脂水分散液を容易に製造す
る方法としては、たとえば、前記有機溶剤中でウレタン
プレポリマーを合成し、次いで中和剤、鎖伸長剤、アル
コール系溶剤等を加えて反応を行ないポリウレタン樹脂
となし、そののち当該ポリウレタン樹脂を水に分散する
方法が知られている。しかし、プレポリマーの合成時に
有害な有機溶剤を使用しているため、最終製品から当該
溶剤を留去する工程が必要となる。従って、かかる方法
によっても、安全衛生、製造工程、経済性などの面で不
利がある。
【0005】また、前記のような有害溶剤を使用せず、
しかも簡便にポリウレタン樹脂水分散液を製造する方法
も、既に実施されている。すなわち、無溶剤下でウレタ
ンプレポリマーを合成し、これをアルコール系溶剤で稀
釈した後、中和剤、鎖伸長剤等を加えて反応を行いポリ
ウレタン樹脂となし、ついで該樹脂を水へ分散する方法
である。この方法は、有害溶剤を使用しないため脱溶剤
工程を省略できる利点はあるが、ウレタンプレポリマー
中のイソシアネート基が鎖伸長剤と鎖伸長反応する際、
アルコール系溶剤、中和剤または水(分散媒)と副反応
してしまう結果、本来の反応である鎖伸長反応の制御が
困難となったり、未反応の鎖伸長剤が残存するため、目
標とする分子量や分子構造を有するポリウレタン樹脂を
得るのが困難である。また印刷インキ、塗料、接着剤等
の各種用途に使用した場合の諸性能も不満足である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な有害溶剤を使用せず、しかもイソシアネート基に対す
る副反応を低減させ、これにより目標性状のポリウレタ
ン樹脂を簡易かつ安全に製造しうる方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、分
子中にカルボキシル基を有しかつ分子末端にイソシアネ
ート基を有するウレタンプレポリマーを、アルコール系
溶剤、中和剤および鎖伸長剤を含む水溶液中に、ウレタ
ンプレポリマー中のイソシアネート基の当量に対し、前
記水溶液中の鎖伸長剤に含有される活性水素の合計当量
が常に過剰となる条件下で、分散させることを特徴とす
るポリウレタン樹脂水分散液の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、まず、分子中
にカルボキシル基を有しかつ分子末端にイソシアネート
基を有するウレタンプレポリマー(以下、単に「ウレタ
ンプレポリマー」という)を製造する。かかるウレタン
プレポリマーは、高分子ポリオールを含むジオール化合
物とポリイソシアネート化合物とを反応させて製造す
る。
【0009】高分子ポリオールを含むジオール化合物と
しては、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリ
オール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジ
エン類等の高分子量ポリオール化合物を使用できる。該
ポリエーテルポリオール類の具体例としては、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラ
ン等を開環重合したポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレンエーテル
グリコール等が挙げられる。また、該ポリエステルポリ
オール類の具体例としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オ
クタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレ
ングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノール
A等の飽和または不飽和の低分子量グリコール類とアジ
ピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン
酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸
無水物等を脱水縮合して得られる化合物等が挙げられ
る。なお、上記低分子量グリコール類の5モル%以下の
範囲まではグリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、
1,2,4−ブタントリオール等の3価のアルコール、
ペンタエリスリトール等の4価のアルコール、ソルビト
ール等の6価のアルコールなどの3価以上の低分子量ポ
リオール化合物を併用することができる。また、該ポリ
エステルポリオール類としては、ε−カプロラクトン、
β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン類を開環
重合して得られる化合物を使用することもできる。これ
らの高分子量ポリオール化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0010】前記高分子量ポリオールを含むジオール化
合物の数平均分子量は、通常500〜10,000程
度、好ましくは700〜5,000である。当該数値範
囲より小さすぎると得られるポリウレタン樹脂の皮膜の
柔軟性が劣る傾向にあり、また、大きすぎるとウレタン
プレポリマーが中和剤、鎖伸長剤を含む水溶液に速やか
に分散せず、得られるポリウレタン樹脂皮膜の乾燥性が
劣る傾向にある。
【0011】また、高分子ポリオールを含むジオール化
合物として、分子内にカルボキシル基を含有するジオー
ル化合物を使用する。具体的にはα,α´−ジメチロー
ルアルカン酸(グリセリン酸、ジメチロールプロピオン
酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペン
タン酸等)、ジオキシマレイン酸、ジオキシフマル酸、
酒石酸、2,6−ジオキシ安息香酸、4,4−ビス(ヒ
ドロキシフェニル)吉草酸、4,4−ビス(ヒドロキシ
フェニル)酪酸等が挙げられる。また、これらのカルボ
キシル基を含有するジオール化合物を開始剤としてε−
カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラク
トン等のラクトン類を開環重合して得られる化合物、ま
たラクトン類を開環重合して得られる高分子量化合物類
を使用することもできる。
【0012】ポリイソシアネート化合物としては、各種
公知の芳香族、脂肪族または脂環族類のポリイソシアネ
ート化合物を使用することができる。具体的には、1,
5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメ
チルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルイ
ソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシア
ネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−
フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネー
ト、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサ
ン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソ
シアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネー
ト、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートや、
ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化
したダイマージイソシアネート等を例示できる。
【0013】本発明で必要とされるウレタンプレポリマ
ーは、無溶剤下において前記高分子ポリオールを含むジ
オール化合物とポリイソシアネート化合物を、該高分子
ポリオールを含むジオール化合物に含有される水酸基の
合計当量に対し該ポリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基当量が過剰になるよう反応させて得られる。ま
た、ウレタンプレポリマー製造時の反応温度、反応時
間、ウレタン化触媒等の反応条件は適宜決定すればよ
い。なおウレタンプレポリマー中のカルボキシル基の量
は特に制限されないが、安定性に優れたポリウレタン樹
脂水分散液を得るにはポリウレタン樹脂の酸価を5〜1
00mgKOH/g程度の範囲とするのが好ましい。当
該数値範囲より小さい場合は得られるポリウレタン樹脂
水分散液の安定性が劣る傾向にあり、また当該数値範囲
より大きい場合はポリウレタン樹脂皮膜の耐水性が劣る
傾向にある。このようにして得られたウレタンプレポリ
マーは通常、1,000〜10,000,000mPa
・s(70℃)程度と高粘度である。
【0014】次に、上記のようにして得られたウレタン
プレポリマーを、アルコール系溶剤、中和剤および鎖伸
長剤を含む水溶液中(以下、単に「水溶液」という)に
分散させる。この際、ウレタンプレポリマー中のイソシ
アネート基の当量に対し、前記水溶液中の鎖伸長剤に含
有される活性水素の合計当量が常に過剰となる条件下で
分散させる必要がある。この条件下では、ウレタンプレ
ポリマーとアルコール系溶剤などとの副反応よりも、ウ
レタンプレポリマーと鎖伸長剤との鎖伸長反応が速く進
行するため、目標とする分子量や分子構造に近いポリウ
レタン樹脂水分散液を容易に得ることができる。具体的
な分散方法としては、上記条件を満たす限り特に制限さ
れないが、たとえば、上記条件下にウレタンプレポリ
マーを前記水溶液中へ徐々に滴下し、機械的分散する方
法、ウレタンプレポリマーを所定の反応容器で製造し
た後、該ウレタンプレポリマーを静置し、次いで前記水
溶液を該ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基に
対して、該水溶液中の鎖伸長剤中の活性水素が過剰とな
るまで供給し、そののち反応系内の攪拌を開始して該ウ
レタンプレポリマーを該水溶液中に機械的に分散させる
方法などが挙げられる。なお、分散時の反応温度や圧力
等の条件は特に制限されないが、通常は常温以上、常圧
である。
【0015】本発明では前記水溶液中にアルコール系溶
剤を共存させるが、これによりウレタンプレポリマーを
該水溶液中へ速やかに分散させることができる利点があ
る。また、本発明の製造方法では、ウレタンプレポリマ
ーと鎖伸長剤を優先的に反応させることができるので、
ウレタンプレポリマーとアルコール系溶剤、中和剤、水
等との副反応が殆ど生起しないことから、各種公知のア
ルコール系溶剤を使用することができる利点がある。該
アルコール系溶剤としては、特に分子内にイソシアネー
ト基に対する反応活性水素(ただし、アルコール性水酸
基は除く)を含有しないものが好ましい。具体例として
は、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−
ブチルアルコール、sec−アミルアルコール、ジアセ
トンアルコール等があげられ、これらは単独で、または
2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、
使用量は特に制限されないが、通常ウレタンプレポリマ
ーに対して3〜40重量%程度、好ましくは10〜35
重量%とするのがよい。使用量が当該数値範囲より小さ
いとウレタンプレポリマーが水溶液へ速やかに分散しが
たくなる傾向にある。また当該数値範囲より大きいと、
得られるポリウレタン樹脂水分散体の安定性が劣る傾向
にある。
【0016】中和剤としては、アンモニア、水酸化カリ
ウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属類、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン等の3級アミン、トリエタノール
アミン、トリイソプロパノールアミン、N−アルキルジ
エタノールアミン、N,N’−ジアルキルモノエタノー
ルアミン、N−アルキルジイソプロパノールアミン、
N,N’−ジアルキルモノイソプロパノールアミン等の
アルカノールアミン等の塩基性化合物が挙げられ、これ
らは単独または2種類以上を併用することができる。上
記中和剤は、通常、プレポリマー中のカルボキシル基1
当量に対して0.5〜2.0当量程度とするのが好まし
い。当該数値範囲より低いと得られるポリウレタン樹脂
水分散液の貯蔵安定性が低下する傾向にあり、また当該
数値範囲より高いとプレポリマーを水へ分散する際に系
の粘度が上昇する傾向にある。
【0017】鎖伸長剤としては、エチレンンジアミン、
プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロン
ジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジアミ
ン等の脂肪族ジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレン
ジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、
ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−
ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシ
プロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピ
ルエチレンジアミンなどの分子内に水酸基を有するジア
ミン類;メチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジ
ン、プロピレンジヒドラジン等のアルキレンジヒドラジ
ン類や、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジ
ド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、フ
タル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の飽和
または不飽和ジヒドラジン類;ダイマー酸のカルボキシ
ル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等を例示で
きる。これらの鎖伸長剤は、ウレタンプレポリマー中の
イソシアネート基と速やかに反応する点で好ましい。。
また、これら鎖伸長剤はプレポリマー中のイソシアネー
ト基に対して過剰に使用することで鎖長停止剤とするこ
とができる。また、必要に応じて鎖長停止剤を使用する
こともできる。例えば、モノブチルアミン、ジブチルア
ミン等のモノアミン類等があげられる。
【0018】このようにして得られるポリウレタン樹脂
水分散液の数平均分子量は、用途により適宜に決定でき
るが、樹脂の皮膜強度が要求される印刷インキ、塗料、
接着剤等の分野おいて使用する場合には5000以上と
するのが好ましい。
【0019】本発明のポリウレタン樹脂水分散液の固形
分濃度および粘度は特には限定されず、使用時の作業性
等を考慮して適宜決定すればよい。通常は固形分濃度が
10〜60重量%、粘度は10〜100000mPa・
s/25℃の範囲に調整するのが実用上好適である。
【0020】本発明の方法で得られたポリウレタン樹脂
水分散液は、各種用途に好適に使用できる。例えば、当
該ポリウレタン樹脂水分散液に水、必要に応じて各種顔
料等を加えて混合または分散し、さらに必要に応じてブ
ロッキング防止剤、可塑剤などの添加剤を適宜配合する
ことにより、バインダ−、コーティング剤、接着剤組成
物を調製することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、アルコール
系溶剤を使用してもウレタンプレポリマー中のイソシア
ネート基との副反応を低減できるため、目標設計(たと
えば、分子量や分子構造)に近いポリウレタン樹脂水分
散液を、簡便かつ経済的に製造できる。さらに、本発明
の方法で得られたポリウレタン樹脂水分散液は密着性等
の諸性能に優れるため、塗料や印刷インキなどの各種バ
インダ−、人工皮革、プラスチック、ガラス、金属、
木、紙、床、コンクリ−ト、ゴム、織物、不織布等の各
種基材用コーティング剤や接着剤用途に好適に利用でき
る。
【0022】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例をあげて
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、部および%はいずれも重
量基準である。
【0023】実施例1 攪拌機、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた
反応容器に、ジメチロールブタン酸74.4部、数平均
分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル615.6部を仕込み、窒素気流下100℃にて1時
間かけてジメチロールブタン酸を完全に溶解させた。つ
いで85℃まで冷却した後、イソホロンジイソシアネー
ト250.0部を仕込み、85℃にて5時間反応を行
い、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマー94
0部を得た。このウレタンプレポリマーを70℃まで冷
却した。水2140部、イソプロピルアルコール14
0.0部、トリエチルアミン50.8部、アジピン酸ジ
ヒドラジド58.9部からなる水溶液中に、攪拌下に前
記ウレタンプレポリマーを添加、分散させ、50℃にて
3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂
水分散液は、樹脂固形分濃度30%、粘度50mPa・
s/25℃、pH8.0、樹脂固形分の酸価は30mg
KOH/gであった。また、GPC測定の結果、ポリウ
レタン樹脂固形分の数平均分子量(ポリスチレン換算)
の実測値は42000であり、理論値45000とよく
一致した。
【0024】実施例2 実施例1と同様の反応容器に、ジメチロールブタン酸7
4.4部、数平均分子量2000のポリテトラメチレン
エーテルグリコール615.6部を仕込み、窒素気流下
100℃にて1時間かけてジメチロールブタン酸を完全
に溶解させた。ついで85℃まで冷却した後、イソホロ
ンジイソシアネート250.0部を仕込み、85℃にて
5時間反応を行い、イソシアネート基末端のウレタンプ
レポリマー940部を得た。このウレタンプレポリマー
を70℃まで冷却し、攪拌を止めて静置した。次いで水
2140部、イソプロピルアルコール140.0部、ト
リエチルアミン50.8部、アジピン酸ジヒドラジド5
8.9部からなる水溶液を添加した後、攪拌を開始して
分散させ、50℃にて3時間反応させた。こうして得ら
れたポリウレタン樹脂水分散液は、樹脂固形分濃度30
%、粘度100mPa・s/25℃、pH8.0、樹脂
固形分の酸価は30mgKOH/gであった。また、G
PC測定の結果、ポリウレタン樹脂固形分の数平均分子
量(ポリスチレン換算)の実測値は42000であり、
理論値45000とよく一致した。
【0025】比較例1 実施例1と同様の反応容器に、ジメチロールブタン酸7
4.4部、数平均分子量2000のポリテトラメチレン
エーテルグリコール615.6部を仕込み、窒素気流下
100℃にて1時間かけてジメチロールブタン酸を完全
に溶解させた。ついで85℃まで冷却した後、イソホロ
ンジイソシアネート250.0部を仕込み、85℃にて
5時間反応を行い、イソシアネート基末端のウレタンプ
レポリマー940部を得た。このウレタンプレポリマー
を70℃まで冷却し、次いで水2140部、イソプロピ
ルアルコール140.0部、トリエチルアミン50.8
部、アジピン酸ジヒドラジド58.9部からなる水溶液
を該ウレタンプレポリマーに攪拌下添加、分散させ、5
0℃にて3時間反応させた。こうして得られたポリウレ
タン樹脂水分散液は、樹脂固形分濃度30%、粘度50
mPa・s/25℃、pH8.0、樹脂固形分の酸価は
30mgKOH/gであった。また、GPC測定の結
果、当該ポリウレタン樹脂固形分の数平均分子量(ポリ
スチレン換算)の実測値は35000であり、理論値4
5000と大きく乖離していた。
【0026】実施例1、2及び比較例1で得た各ポリウ
レタン樹脂水分散液について、以下の項目について評価
を行った。結果を表1に示す。
【0027】密着性:各ポリウレタン樹脂水分散液を、
コロナ処理を施したポリプロピレンフィルム(OP
P)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PE
T)、及びナイロンフィルム(NY)処理面にバーコー
ダー(No.4)を使用して塗工した後にヒートガンで
1分間乾燥し、ポリウレタン樹脂の塗膜を得た。次いで
塗工面に粘着テープを貼り、塗工面に対して垂直方向に
引き剥がした時の塗膜の残り具合を目視評価した。 ○:全く剥がれなかった。 △:50%以上残った。 ×:約50%未満が残った。
【0027】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−17551(JP,A) 特開 昭62−109813(JP,A) 特開 昭52−19799(JP,A) 特開 平10−265539(JP,A) 特開2002−275230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にカルボキシル基を有しかつ分子
    末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
    を、アルコール系溶剤、中和剤および鎖伸長剤を含む水
    溶液中に、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基
    の当量に対し、前記水溶液中の鎖伸長剤に含有される活
    性水素の合計当量が常に過剰となる条件下で、分散させ
    ることを特徴とするポリウレタン樹脂水分散液の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記アルコール系溶剤が、イソシアネー
    ト基に対する反応活性水素(ただし、アルコール性水酸
    基を除く)を含有しないものである請求項1記載のポリ
    ウレタン樹脂水分散液の製造方法。
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