JPH0634435B2 - 電子回路用多層基板 - Google Patents
電子回路用多層基板Info
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- JPH0634435B2 JPH0634435B2 JP60266657A JP26665785A JPH0634435B2 JP H0634435 B2 JPH0634435 B2 JP H0634435B2 JP 60266657 A JP60266657 A JP 60266657A JP 26665785 A JP26665785 A JP 26665785A JP H0634435 B2 JPH0634435 B2 JP H0634435B2
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- multilayer substrate
- electronic circuit
- ceramic
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、軽量化あるいは高集積化に適した電子回路用
多層基板に関し、特にセラミック質複合体の特性が十分
生かされた製造容易な電子回路用多層基板に関するもの
である。
多層基板に関し、特にセラミック質複合体の特性が十分
生かされた製造容易な電子回路用多層基板に関するもの
である。
(従来の技術) 近年、電子技術の進歩にともない、電子機器に対する高
密度化、あるいは演算機能の高速化が進められている。
その結果、電子回路用基板においても高密度化を目的と
して、導体回路が多層に形成された電子回路用多層基板
が開発され使用されている。
密度化、あるいは演算機能の高速化が進められている。
その結果、電子回路用基板においても高密度化を目的と
して、導体回路が多層に形成された電子回路用多層基板
が開発され使用されている。
前記電子回路用多層基板としては、 (1) ガラス・エポキシ複合体上に導体回路を形成して得
た基板の複数枚を積層し接着したもの、 (2) 厚膜多層印刷法によって製造されるもの、 (3) グリーンシート多層積層法によって製造されるも
の、および (4) 特開昭55−133597号公報に記載されている
如き「セラミック基板上に配線導体パターンを形成して
得た回路板の複数枚を、電気絶縁性かつ熱伝導性接着剤
層を介して積層し接着してなる多層配線回路板。」 が知られている。
た基板の複数枚を積層し接着したもの、 (2) 厚膜多層印刷法によって製造されるもの、 (3) グリーンシート多層積層法によって製造されるも
の、および (4) 特開昭55−133597号公報に記載されている
如き「セラミック基板上に配線導体パターンを形成して
得た回路板の複数枚を、電気絶縁性かつ熱伝導性接着剤
層を介して積層し接着してなる多層配線回路板。」 が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記(1) のガラス・エポキシ複合体上に
導体回路を形成して得た基板の複数枚を積層し接着した
ものは、易加工性等の長所を有するが、基材であるガラ
ス・エポキシ複合体は回路形成工程において寸法が変化
し易いため、特に微細で精密な回路が要求される場合に
は適用することが困難であった。
導体回路を形成して得た基板の複数枚を積層し接着した
ものは、易加工性等の長所を有するが、基材であるガラ
ス・エポキシ複合体は回路形成工程において寸法が変化
し易いため、特に微細で精密な回路が要求される場合に
は適用することが困難であった。
また、前記(2) 、(3) 、(4) の電子回路用多層基板は、
いずれもアルミナ質焼結体等のセラミック質基板を基材
とするものであるが、前記(2) の厚膜多層印刷法によっ
て製造される多層基板は印刷される導体回路の厚みに基
因する凹凸が生ずるため、積層数が余り多くなると厚膜
を印刷することが困難で通常2〜3層までが限界で高密
度化には適さないものであり、前記(3) のグリーンシー
ト多層積層法によって製造される多層基板は焼成収縮の
制御等製造上の問題が多く、特に何層もの多層化が要求
される場合には歩留りが低いものであり、前記(4) の特
開昭55−133597号公報に記載の多層基板は、貫
通スルーホール部を塞いでいる接着剤層をレーザーによ
って開孔することが記載されているが、貫通スルーホー
ルの位置が不揃いになり易いばかりでなく、スルーホー
ル部の接着剤を確実に除去することが困難で、多層基板
で最も重要なスルーホールメッキによる各基板上の内層
回路との接続が不良になり易く、信頼性に欠けるもので
あった。
いずれもアルミナ質焼結体等のセラミック質基板を基材
とするものであるが、前記(2) の厚膜多層印刷法によっ
て製造される多層基板は印刷される導体回路の厚みに基
因する凹凸が生ずるため、積層数が余り多くなると厚膜
を印刷することが困難で通常2〜3層までが限界で高密
度化には適さないものであり、前記(3) のグリーンシー
ト多層積層法によって製造される多層基板は焼成収縮の
制御等製造上の問題が多く、特に何層もの多層化が要求
される場合には歩留りが低いものであり、前記(4) の特
開昭55−133597号公報に記載の多層基板は、貫
通スルーホール部を塞いでいる接着剤層をレーザーによ
って開孔することが記載されているが、貫通スルーホー
ルの位置が不揃いになり易いばかりでなく、スルーホー
ル部の接着剤を確実に除去することが困難で、多層基板
で最も重要なスルーホールメッキによる各基板上の内層
回路との接続が不良になり易く、信頼性に欠けるもので
あった。
本発明は以上のような実状に鑑みてなされたもので、そ
の解決しようとする問題点は、従来知られている電子回
路用多層基板の短所である。
の解決しようとする問題点は、従来知られている電子回
路用多層基板の短所である。
そして、本発明の目的とするところは、軽量化あるいは
高集積化に適した電子回路用多層基板であって、その製
造自体及びスルーホール形成等の機械加工を容易に行な
うことができ、しかも熱伝導性に優れた電子回路用多層
基板を提供することにある。
高集積化に適した電子回路用多層基板であって、その製
造自体及びスルーホール形成等の機械加工を容易に行な
うことができ、しかも熱伝導性に優れた電子回路用多層
基板を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは前述の如き問題点を解決すべく種々研究し
た結果、 結晶構造が三次元網目状であって開放気孔を有する多孔
質セラミック質焼結体の前記開放気孔中に樹脂が充填さ
れてなるセラミック複合体と、 この複合体のいずれか少なくとも一方の表面に固着され
た1層あるいは2層以上の樹脂層と 前記セラミック複合体の表面、前記樹脂層と樹脂層との
間、あるいは前記樹脂層の表面の少なくともいずれかに
形成されてなる2層以上の導体回路とから構成されてな
る電子回路用多層基板 によって前記諸問題を解決することができることに想到
して本発明を完成した。
た結果、 結晶構造が三次元網目状であって開放気孔を有する多孔
質セラミック質焼結体の前記開放気孔中に樹脂が充填さ
れてなるセラミック複合体と、 この複合体のいずれか少なくとも一方の表面に固着され
た1層あるいは2層以上の樹脂層と 前記セラミック複合体の表面、前記樹脂層と樹脂層との
間、あるいは前記樹脂層の表面の少なくともいずれかに
形成されてなる2層以上の導体回路とから構成されてな
る電子回路用多層基板 によって前記諸問題を解決することができることに想到
して本発明を完成した。
以下に、本発明に係る電子回路用多層基板を更に詳細に
説明する。
説明する。
本発明の電子回路用多層基板を構成するセラミック複合
体は、まず、結晶構造が三次元網目状であって、開放気
孔を有する多孔質セラミック質焼結体の当該開放気孔中
に樹脂が充填されたものであることが必要である。
体は、まず、結晶構造が三次元網目状であって、開放気
孔を有する多孔質セラミック質焼結体の当該開放気孔中
に樹脂が充填されたものであることが必要である。
その理由は、従来電子回路用多層基板として使用されて
いる例えばアルミナ質焼結体等は、緻密質焼結体である
ため硬度が高く機械加工性に極めて劣るものであるが、
本発明の如き多孔質体は焼結後においても機械加工性が
著しく良好で、しかも、結晶が三次元網目状となってい
ることによって、セラミック本来の特性である熱伝導性
及び硬度をそれ程損なうことがないからであり、また上
記セラミック質焼結体の開放気孔中に樹脂が充填されて
いることが必要な理由は、電子回路用多層基板として不
可欠な構成要件であるところの気体不透過性を付与させ
るためである。
いる例えばアルミナ質焼結体等は、緻密質焼結体である
ため硬度が高く機械加工性に極めて劣るものであるが、
本発明の如き多孔質体は焼結後においても機械加工性が
著しく良好で、しかも、結晶が三次元網目状となってい
ることによって、セラミック本来の特性である熱伝導性
及び硬度をそれ程損なうことがないからであり、また上
記セラミック質焼結体の開放気孔中に樹脂が充填されて
いることが必要な理由は、電子回路用多層基板として不
可欠な構成要件であるところの気体不透過性を付与させ
るためである。
本発明に係る電子回路用多層基板の多孔質体を構成する
材料は、Al2O3、SiO2、ZnO、ZrO2、Mg
O、PbO、B2O3、Si3N4、BN、AlN、あるい
はこれらの化合物から選択されるいずれか1種あるいは
2種以上を主として含有するものであることが有利であ
る。
材料は、Al2O3、SiO2、ZnO、ZrO2、Mg
O、PbO、B2O3、Si3N4、BN、AlN、あるい
はこれらの化合物から選択されるいずれか1種あるいは
2種以上を主として含有するものであることが有利であ
る。
なお、前記材料はいずれも電気的な絶縁性を有する物質
であるが、スルホールやセラミック複合体の表面に直接
導体回路を形成することなく使用する場合には、Si
C、B4C等の半導体的性質を有する物質を使用するこ
ともできる。
であるが、スルホールやセラミック複合体の表面に直接
導体回路を形成することなく使用する場合には、Si
C、B4C等の半導体的性質を有する物質を使用するこ
ともできる。
また、前記セラミック質多孔質体は、平均粒径が10μm
以下の結晶粒が三次元網目状に結合しているものである
ことが有利である。その理由は、このような多孔質体
は、機械加工性、その中でも特にドリル削孔性が極めて
良好で、しかも精密な加工を施すことができるからであ
る。即ち、このように形成した多孔質体の開放気孔内に
樹脂を充填したセラミック質複合体は、主としてスルー
ホール等を有する電子回路用多層基板材料としての使用
に適するものであり、ドリル削孔性に優れることによ
り、任意の個所にスルーホールを容易に形成することが
でき、位置精度の良好なスルーホールを形成することが
できるからである。
以下の結晶粒が三次元網目状に結合しているものである
ことが有利である。その理由は、このような多孔質体
は、機械加工性、その中でも特にドリル削孔性が極めて
良好で、しかも精密な加工を施すことができるからであ
る。即ち、このように形成した多孔質体の開放気孔内に
樹脂を充填したセラミック質複合体は、主としてスルー
ホール等を有する電子回路用多層基板材料としての使用
に適するものであり、ドリル削孔性に優れることによ
り、任意の個所にスルーホールを容易に形成することが
でき、位置精度の良好なスルーホールを形成することが
できるからである。
本発明に係る多孔質体は、その開放気孔率が10〜70
容積%の範囲内であることが有利である。その理由は、
開放気孔率が10容積%より少ないと機械加工性が著し
く劣るからであり、一方70容積%より大きいと実質的
な強度が殆どなく、取扱い中にこわれ易いばかりでなく
セラミック本来の特性を十分発揮させることが困難にな
るからである。
容積%の範囲内であることが有利である。その理由は、
開放気孔率が10容積%より少ないと機械加工性が著し
く劣るからであり、一方70容積%より大きいと実質的
な強度が殆どなく、取扱い中にこわれ易いばかりでなく
セラミック本来の特性を十分発揮させることが困難にな
るからである。
なお、以上のように構成した多孔質セラミック質焼結体
を使用して構成される電子回路用多層基板に、良好な機
械加工性及び寸法精度に加えて、電子回路に適した熱膨
張性、熱伝導率、少ない誘電損失が要求される場合には
次のようにするのが好適である。すなわち、例えば当該
電子回路用多層基板にシリコン集積回路を直接載置でき
るようにするための熱膨張性が要求される場合には、本
発明に係る多孔質体の結晶組織をシリマナイト・アンダ
リュサイト、カイヤナイト、コージェライトあるいはム
ライトのいずれか少なくとも1種とすることが好まし
い。その理由は、多孔質体がこのような結晶組織である
と、いずれもその熱膨張率をシリコン集積回路の熱膨張
率に近づけることが容易だからである。また、上記のよ
うな結晶組織に代えて、熱膨張率の高い材料と低い材料
とを適宜混合することによっても、電子回路に必要とさ
れる熱膨張率を有した電子回路用多層基板を提供するこ
とができる。
を使用して構成される電子回路用多層基板に、良好な機
械加工性及び寸法精度に加えて、電子回路に適した熱膨
張性、熱伝導率、少ない誘電損失が要求される場合には
次のようにするのが好適である。すなわち、例えば当該
電子回路用多層基板にシリコン集積回路を直接載置でき
るようにするための熱膨張性が要求される場合には、本
発明に係る多孔質体の結晶組織をシリマナイト・アンダ
リュサイト、カイヤナイト、コージェライトあるいはム
ライトのいずれか少なくとも1種とすることが好まし
い。その理由は、多孔質体がこのような結晶組織である
と、いずれもその熱膨張率をシリコン集積回路の熱膨張
率に近づけることが容易だからである。また、上記のよ
うな結晶組織に代えて、熱膨張率の高い材料と低い材料
とを適宜混合することによっても、電子回路に必要とさ
れる熱膨張率を有した電子回路用多層基板を提供するこ
とができる。
また、本発明に係る電子回路用多層基板に、良好な機械
加工性及び寸法精度に加えて、特に強度及び高い熱伝導
性が要求される場合には、その多孔質体を構成する材料
としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素あ
るいはこれらの化合物から選択されるいずれか1種また
は2種以上を主として含有するものであることが好まし
い。
加工性及び寸法精度に加えて、特に強度及び高い熱伝導
性が要求される場合には、その多孔質体を構成する材料
としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素あ
るいはこれらの化合物から選択されるいずれか1種また
は2種以上を主として含有するものであることが好まし
い。
以上のように構成した多孔質セラミック質焼結体の開放
気孔内に充填する樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイ
ミド樹脂、トリマジン樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂、シリコン樹脂、エポキシシリコン樹
脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、アニリン酸樹
脂、フェノール樹脂、ウレタン系樹脂、フラン系樹脂、
フッ素樹脂から選択される樹脂を単独あるいは混合して
使用することができる。
気孔内に充填する樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイ
ミド樹脂、トリマジン樹脂、ポリパラバン酸樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂、シリコン樹脂、エポキシシリコン樹
脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、アニリン酸樹
脂、フェノール樹脂、ウレタン系樹脂、フラン系樹脂、
フッ素樹脂から選択される樹脂を単独あるいは混合して
使用することができる。
なお、前記樹脂中にAl2O3、SiO2、ZnO、Zr
O2、MgO、PbO、B2O3、Si3N4、BN、Al
Nあるいはこれらの化合物から選択されるいずれか1種
あるいは2種以上の物体をフィラーとして混合すること
もできる。
O2、MgO、PbO、B2O3、Si3N4、BN、Al
Nあるいはこれらの化合物から選択されるいずれか1種
あるいは2種以上の物体をフィラーとして混合すること
もできる。
また、上記の三次元網目状多孔質体の開放気孔内に樹脂
を充填した本発明に係るセラミック質複合体は、その気
孔率が10容積%以下であることが有利である。その理
由は、この開放気孔率が10容積%より大きいと電子回
路用多層基板として不可欠な気体不透過性が不十分であ
るからであり、なかでも5容積%以下であることが有利
である。
を充填した本発明に係るセラミック質複合体は、その気
孔率が10容積%以下であることが有利である。その理
由は、この開放気孔率が10容積%より大きいと電子回
路用多層基板として不可欠な気体不透過性が不十分であ
るからであり、なかでも5容積%以下であることが有利
である。
そして、本発明の電子回路用多層基板は、上述したよう
なセラミック複合体のいずれか少なくとも一方の表面に
1層あるいは2層以上の樹脂層が貼着された構造であ
り、セラミック複合体の表面、樹脂層と樹脂層の間、あ
るいは樹脂層の表面の少なくともいずれかに2層以上の
導体回路が形成されている。前記樹脂層が貼着された構
造である理由は、導体回路を複数多層に形成する上で各
導体回路間を絶縁するためである。前記樹脂層は各導体
回路を絶縁するために使用されるものであるから、当該
樹脂層は絶縁可能な範囲内の厚さのもので十分であり、
その厚さはできるだけ薄くするのが好ましい。
なセラミック複合体のいずれか少なくとも一方の表面に
1層あるいは2層以上の樹脂層が貼着された構造であ
り、セラミック複合体の表面、樹脂層と樹脂層の間、あ
るいは樹脂層の表面の少なくともいずれかに2層以上の
導体回路が形成されている。前記樹脂層が貼着された構
造である理由は、導体回路を複数多層に形成する上で各
導体回路間を絶縁するためである。前記樹脂層は各導体
回路を絶縁するために使用されるものであるから、当該
樹脂層は絶縁可能な範囲内の厚さのもので十分であり、
その厚さはできるだけ薄くするのが好ましい。
このように各樹脂層を薄くすることについては何等問題
がないだけでなく、より好適である。その理由は、当該
電子回路用多層基板の強度は、上述したセラミック複合
体によって十分保証されているからであり、樹脂層を薄
く形成することによって当該電子回路用多層基板全体の
厚さを薄くすることができてコンパクト化することがで
き、しかもより一層当該電子回路用多層基板の多層化を
促進することができるからである。
がないだけでなく、より好適である。その理由は、当該
電子回路用多層基板の強度は、上述したセラミック複合
体によって十分保証されているからであり、樹脂層を薄
く形成することによって当該電子回路用多層基板全体の
厚さを薄くすることができてコンパクト化することがで
き、しかもより一層当該電子回路用多層基板の多層化を
促進することができるからである。
この基板の多層化にあたっては、種々な態様が考えられ
るが、第1図〜第4図には本発明に係る電子回路用多層
基板の各種態様例を示した。このうち第1図に示した電
子回路用多層基板(10)は、基本的なパターンを示したも
のであり、一枚のセラミック複合体(11)の両面にそれぞ
れ導体回路(12)を形成して、これら各導体回路(12)を絶
縁するようにその上から樹脂層(13)を形成し、さらにこ
れら各樹脂層(13)の表面に導体回路(12)を形成したもの
である。各樹脂層(13)は一層だけでなく、第2図に示し
たように二層にして実施してもよいし、また部分的に無
くしてセラミック複合体(11)に直接導体回路(12)を形成
するようにして実施してもよい。また、第2図及び第3
図に示したように、セラミック複合体(11)の一部にスル
ーホール(14)を形成してもよい。さらには、第4図に示
したように、当該電子回路用多層基板(10)は表面に導体
回路(12)を形成した二枚のセラミック複合体(11)の間に
樹脂層(13)を形成し、各導体回路(12)をスルーホール(1
4)等を通して外部に導通し得るようにしてもよいもので
ある。この場合、セラミック複合体(11)を二層積層して
使用するからその強度が高められている。なお、このセ
ラミック複合体(11)は二層以上積層して使用することも
できる。
るが、第1図〜第4図には本発明に係る電子回路用多層
基板の各種態様例を示した。このうち第1図に示した電
子回路用多層基板(10)は、基本的なパターンを示したも
のであり、一枚のセラミック複合体(11)の両面にそれぞ
れ導体回路(12)を形成して、これら各導体回路(12)を絶
縁するようにその上から樹脂層(13)を形成し、さらにこ
れら各樹脂層(13)の表面に導体回路(12)を形成したもの
である。各樹脂層(13)は一層だけでなく、第2図に示し
たように二層にして実施してもよいし、また部分的に無
くしてセラミック複合体(11)に直接導体回路(12)を形成
するようにして実施してもよい。また、第2図及び第3
図に示したように、セラミック複合体(11)の一部にスル
ーホール(14)を形成してもよい。さらには、第4図に示
したように、当該電子回路用多層基板(10)は表面に導体
回路(12)を形成した二枚のセラミック複合体(11)の間に
樹脂層(13)を形成し、各導体回路(12)をスルーホール(1
4)等を通して外部に導通し得るようにしてもよいもので
ある。この場合、セラミック複合体(11)を二層積層して
使用するからその強度が高められている。なお、このセ
ラミック複合体(11)は二層以上積層して使用することも
できる。
セラミック複合体(11)の少なくともいずれか一方の面に
形成される樹脂層(13)は、樹脂が含浸された無機繊維ク
ロスを貼付するか、あるいは当該セラミック複合体(11)
の少なくともいずれかの面に樹脂と無機繊維との混合物
を塗布することによって形成される。この場合の樹脂と
しては、先に記載した多孔質体に充填する樹脂と同様の
樹脂を使用することができる。一方、無機繊維として
は、ガラス繊維、アスベスト、セラミックファイバー等
を使用することが好ましい。
形成される樹脂層(13)は、樹脂が含浸された無機繊維ク
ロスを貼付するか、あるいは当該セラミック複合体(11)
の少なくともいずれかの面に樹脂と無機繊維との混合物
を塗布することによって形成される。この場合の樹脂と
しては、先に記載した多孔質体に充填する樹脂と同様の
樹脂を使用することができる。一方、無機繊維として
は、ガラス繊維、アスベスト、セラミックファイバー等
を使用することが好ましい。
なお、本発明によれば、前記無機繊維に換えて有機繊維
を使用することもできる。
を使用することもできる。
次に、本発明に係る電子回路用多層基板の製造方法につ
いて説明する。
いて説明する。
本発明に係る電子回路用多層基板を構成するセラミック
複合体は、まずセラミック微粉末を主体とする出発原料
を、加圧成形法あるいはドクターブレード法等の成形方
法によって生成形体に形成する。その後、この生成形体
中に存在する気孔を閉塞させることなく結合せしめるこ
とによりセラミック質多孔質体となし、次いでこの多孔
質体の開放気孔中へ樹脂を充填することにより製造する
ことができる。
複合体は、まずセラミック微粉末を主体とする出発原料
を、加圧成形法あるいはドクターブレード法等の成形方
法によって生成形体に形成する。その後、この生成形体
中に存在する気孔を閉塞させることなく結合せしめるこ
とによりセラミック質多孔質体となし、次いでこの多孔
質体の開放気孔中へ樹脂を充填することにより製造する
ことができる。
この場合、前記セラミック材料を例えば板状の生成形体
に形成し、この生成形体中に存在する気孔を閉塞させる
ことなく結合させる方法としては種々の方法が適用でき
るが、例えば、セラミック粉末を常圧焼結あるいは加圧
焼結して自己結合させる方法、セラミック粉末に反応に
よってセラミックを生成する物質を添加して反応焼結し
て結合させる方法、あるいはセラミック粉末にガラスセ
メント等の結合材を配合して常圧焼結あるいは加圧焼結
して結合させる方法等の各種方法を適用することができ
る。
に形成し、この生成形体中に存在する気孔を閉塞させる
ことなく結合させる方法としては種々の方法が適用でき
るが、例えば、セラミック粉末を常圧焼結あるいは加圧
焼結して自己結合させる方法、セラミック粉末に反応に
よってセラミックを生成する物質を添加して反応焼結し
て結合させる方法、あるいはセラミック粉末にガラスセ
メント等の結合材を配合して常圧焼結あるいは加圧焼結
して結合させる方法等の各種方法を適用することができ
る。
なお、前記樹脂を多孔質体の開放気孔中へ充填する方法
としては、樹脂を加熱して溶融させて含浸する方法、樹
脂を溶剤に溶解させて含浸する方法、樹脂をモノマー状
態で含浸した後ポリマーに転化する方法、あるいは微粒
化した樹脂を分散媒液に分散し、この分散液を含浸して
乾燥した後、樹脂の溶融温度で樹脂を焼き付ける方法が
適用できる。
としては、樹脂を加熱して溶融させて含浸する方法、樹
脂を溶剤に溶解させて含浸する方法、樹脂をモノマー状
態で含浸した後ポリマーに転化する方法、あるいは微粒
化した樹脂を分散媒液に分散し、この分散液を含浸して
乾燥した後、樹脂の溶融温度で樹脂を焼き付ける方法が
適用できる。
以上のように形成したセラミック複合体の少なくとも一
つの面、樹脂層と樹脂層の間、あるいは最外層となる樹
脂層の表面に2層以上の導体回路を形成するのである
が、この導体回路の形成方法は、プリント配線板あるい
はハイブリットIC配線板で一般的に行なわれている各
種の方法が採用でき、例えばメッキ法、金属箔接着法、
レジン系導体ペースト法、蒸着法、厚膜導体ペースト法
およびそれらの複合された方法が利用できる。なお、上
記のメッキ法としては、テンテング法、パネルパターン
混合法、フルアディティブ法、セミアディテイブ法、マ
ルチワイヤ法などが行なわれている。
つの面、樹脂層と樹脂層の間、あるいは最外層となる樹
脂層の表面に2層以上の導体回路を形成するのである
が、この導体回路の形成方法は、プリント配線板あるい
はハイブリットIC配線板で一般的に行なわれている各
種の方法が採用でき、例えばメッキ法、金属箔接着法、
レジン系導体ペースト法、蒸着法、厚膜導体ペースト法
およびそれらの複合された方法が利用できる。なお、上
記のメッキ法としては、テンテング法、パネルパターン
混合法、フルアディティブ法、セミアディテイブ法、マ
ルチワイヤ法などが行なわれている。
次いで、このように導体回路を形成したセラミック複合
体に樹脂層を形成するにあたっては、樹脂が含浸された
無機繊維クロスを積層する方法、あるいは樹脂が充填さ
れた多孔質体と樹脂が含浸された無機繊維クロスを重ね
て加熱プレスすることにより積層する等の各種方法が適
用される。また、セラミック複合体に樹脂と無機繊維と
の混合物を塗布して樹脂層を形成する方法もあり、その
場合にはスプレー、ハケ塗り等種々な方法が使用でき、
これによって当該樹脂層とセラミック複合体とをより強
固に一体化させることができる。勿論、このように形成
される樹脂層は複数層に形成してもよい。 なお、前記
セラミック質多孔質体を製造するための出発原料として
は、より高強度でしかも機械加工性の良好な多孔質体を
得る上で、その平均粒径が10μm以下のセラミック微粉
末を使用することが有利である。その理由は、平均粒径
が10μm以上の微粉末を使用すると、粒と粒との結合個
所が少なくなるため、高強度の多孔質体を製造すること
が困難になるからである。
体に樹脂層を形成するにあたっては、樹脂が含浸された
無機繊維クロスを積層する方法、あるいは樹脂が充填さ
れた多孔質体と樹脂が含浸された無機繊維クロスを重ね
て加熱プレスすることにより積層する等の各種方法が適
用される。また、セラミック複合体に樹脂と無機繊維と
の混合物を塗布して樹脂層を形成する方法もあり、その
場合にはスプレー、ハケ塗り等種々な方法が使用でき、
これによって当該樹脂層とセラミック複合体とをより強
固に一体化させることができる。勿論、このように形成
される樹脂層は複数層に形成してもよい。 なお、前記
セラミック質多孔質体を製造するための出発原料として
は、より高強度でしかも機械加工性の良好な多孔質体を
得る上で、その平均粒径が10μm以下のセラミック微粉
末を使用することが有利である。その理由は、平均粒径
が10μm以上の微粉末を使用すると、粒と粒との結合個
所が少なくなるため、高強度の多孔質体を製造すること
が困難になるからである。
(実施例) 次に、本発明を実施例及び比較例によって説明する。
実施例1 この実施例にあっては、第1表及び第2表に示すよう
に、これをさらに1−1〜1−3の3種類に分けたが、
以下の説明にあっては主として実施例1−1について具
体的に説明する。1−2〜1−3の各実施例について
は、第1表及び第2表に各具体的数値を示してその説明
を省略する。
に、これをさらに1−1〜1−3の3種類に分けたが、
以下の説明にあっては主として実施例1−1について具
体的に説明する。1−2〜1−3の各実施例について
は、第1表及び第2表に各具体的数値を示してその説明
を省略する。
平均粒径が 3.7μmで、不純物含有量が第1表に示した
如きシリマナイト粉末100重量部に対し、ポリビニー
ルアルコール2重量部、ポリエチレングリコール1重量
部、ステアリン酸 0.5重量部および水100重量部を配
合し、ボールミル中で3時間混合した後噴霧乾燥した。
如きシリマナイト粉末100重量部に対し、ポリビニー
ルアルコール2重量部、ポリエチレングリコール1重量
部、ステアリン酸 0.5重量部および水100重量部を配
合し、ボールミル中で3時間混合した後噴霧乾燥した。
この噴霧乾燥物を適量採取し、金属製押し型を用いて
1.5t/cm2の圧力で成型し、直径40mm、厚さ1mm、密度
1.99g/cm3(51容積%)の生成形 体を得た。
1.5t/cm2の圧力で成型し、直径40mm、厚さ1mm、密度
1.99g/cm3(51容積%)の生成形 体を得た。
この成形体を大気圧下の空気中で1100℃の温度で1時間
焼結した。得られた焼結体の密度は2.00g/cm3、焼結
体の開放気孔率は37容積%であり、また、この焼結体
の平均曲げ強度は1.5kg/mm2であった。
焼結した。得られた焼結体の密度は2.00g/cm3、焼結
体の開放気孔率は37容積%であり、また、この焼結体
の平均曲げ強度は1.5kg/mm2であった。
次いで、この焼結体は二液性タイプのエポキシ樹脂に真
空下で浸漬し含浸させた後、後150℃の温度で硬化さ
せ、セラミック複合体を得た。この複合体中に充填され
たエポキシ樹脂の含有量は19.4重量%であり、焼結体の
空隙に占めるエポキシ樹脂の割合はほぼ94.1容積%であ
った。このセラミック複合体の熱膨張率(0〜150
℃)は4.0 ×10-6/℃でシリコ集積回路のそれとほぼ
近似した値を有しており、比電気抵抗は1014Ωcm以
上、比誘電率は 6.2(1MHz)であり、電子回路用多
層基板として優れた特性を示した。
空下で浸漬し含浸させた後、後150℃の温度で硬化さ
せ、セラミック複合体を得た。この複合体中に充填され
たエポキシ樹脂の含有量は19.4重量%であり、焼結体の
空隙に占めるエポキシ樹脂の割合はほぼ94.1容積%であ
った。このセラミック複合体の熱膨張率(0〜150
℃)は4.0 ×10-6/℃でシリコ集積回路のそれとほぼ
近似した値を有しており、比電気抵抗は1014Ωcm以
上、比誘電率は 6.2(1MHz)であり、電子回路用多
層基板として優れた特性を示した。
ついで、このセラミック複合体の両表面に銅箔を貼着し
た後不必要部分をエッチングすることによって導体回路
を形成し、その上からエポキシ樹脂が含浸されたガラス
・クロスを重ねて約170℃の温度で加熱プレスして厚
さ約100μmの樹脂層を形成した。この樹脂層は、導
体回路が介在していない部分においてセラミック複合体
の開放気孔内に充填された樹脂と充分に網目状接合して
おり、所謂アンカーとしての役目を果していて、当該樹
脂層はセラミック複合体の表面に強固に貼付されてい
た。そして、さらに、以上のように形成した樹脂層の表
面に導体回路を形成して、第1図に示す如き電子回路用
多層基板を得た。
た後不必要部分をエッチングすることによって導体回路
を形成し、その上からエポキシ樹脂が含浸されたガラス
・クロスを重ねて約170℃の温度で加熱プレスして厚
さ約100μmの樹脂層を形成した。この樹脂層は、導
体回路が介在していない部分においてセラミック複合体
の開放気孔内に充填された樹脂と充分に網目状接合して
おり、所謂アンカーとしての役目を果していて、当該樹
脂層はセラミック複合体の表面に強固に貼付されてい
た。そして、さらに、以上のように形成した樹脂層の表
面に導体回路を形成して、第1図に示す如き電子回路用
多層基板を得た。
このように形成した電子回路用多層基板に超硬ドリル
(WC−Co)で直径 0.8mmのスルーホールを穿孔した
ところ、同一ドリル刃でもって2000穴以上カケや割れな
どを生じさせることなく迅速に加工することができ、機
械加工性に優れていることが認められた。
(WC−Co)で直径 0.8mmのスルーホールを穿孔した
ところ、同一ドリル刃でもって2000穴以上カケや割れな
どを生じさせることなく迅速に加工することができ、機
械加工性に優れていることが認められた。
要するに、この実施例の電子回路用多層基板にあって
は、焼結後のスルーホール形成に際しての機械加工性に
優れ、またセラミック複合体の表面に薄い樹脂層を形成
したものであるため、その全体としての熱伝導率もセラ
ミック基材の特性により比較的高く維持することがで
き、当該電子回路用多層基板を熱伝導性に優れたものと
することができたのである。なお、この電子回路用多層
基板は熱膨張率がシリコン回路の熱膨張率に近いシリマ
ナイトを材料として形成したものであって、熱膨張率が
シリコン集積回路のそれと近似した値を有しており、特
にチップオンボードタイプの基板として好適なものであ
る。
は、焼結後のスルーホール形成に際しての機械加工性に
優れ、またセラミック複合体の表面に薄い樹脂層を形成
したものであるため、その全体としての熱伝導率もセラ
ミック基材の特性により比較的高く維持することがで
き、当該電子回路用多層基板を熱伝導性に優れたものと
することができたのである。なお、この電子回路用多層
基板は熱膨張率がシリコン回路の熱膨張率に近いシリマ
ナイトを材料として形成したものであって、熱膨張率が
シリコン集積回路のそれと近似した値を有しており、特
にチップオンボードタイプの基板として好適なものであ
る。
なお、実施例1−2〜1−4についても同様の方法で電
子回路用多層基板を製造したところ、いずれも機械加工
性および熱伝導性等に極めて優れていることが認められ
た。
子回路用多層基板を製造したところ、いずれも機械加工
性および熱伝導性等に極めて優れていることが認められ
た。
(発明の効果) 以上説明した通り、本発明に係る電子回路用多層基板に
あっては、上記の各実施例によって明らかなように、 結晶構造が三次元網目状であって開放気孔を有する多孔
質セラミック質焼結体の前記開放気孔中に樹脂が充填さ
れてなるセラミック複合体と、 このセラミック複合体のいずれか少なくとも一方の表面
に貼着された1層あるいは2層以上の樹脂層と、 前記セラミック複合体の表面、前記樹脂層と樹脂層との
間、あるいは樹脂層の表面の少なくともいずれかに形成
されてなる2層以上の導体回路 とから構成されていることにその特徴があり、これによ
り、熱伝導性に優れて強度が高い電子回路用多層基板を
提供することができるのである。
あっては、上記の各実施例によって明らかなように、 結晶構造が三次元網目状であって開放気孔を有する多孔
質セラミック質焼結体の前記開放気孔中に樹脂が充填さ
れてなるセラミック複合体と、 このセラミック複合体のいずれか少なくとも一方の表面
に貼着された1層あるいは2層以上の樹脂層と、 前記セラミック複合体の表面、前記樹脂層と樹脂層との
間、あるいは樹脂層の表面の少なくともいずれかに形成
されてなる2層以上の導体回路 とから構成されていることにその特徴があり、これによ
り、熱伝導性に優れて強度が高い電子回路用多層基板を
提供することができるのである。
また、本発明に係る電子回路用多層基板は、そのいわば
バックボーンとなるセラミック複合体をその開放気孔内
に樹脂を充填した複合体として形成したので、所謂機械
加工性に優れ必要な場所にスルーホール等を容易に形成
することができる。
バックボーンとなるセラミック複合体をその開放気孔内
に樹脂を充填した複合体として形成したので、所謂機械
加工性に優れ必要な場所にスルーホール等を容易に形成
することができる。
さらに、この電子回路用多層基板は、そのバックボーン
となっているセラミック複合体が熱伝導性に優れている
から、導体回路中に形成された印刷抵抗の負荷による発
熱があったとしても、この熱は容易に放散される。従っ
て、当該電子回路用基板内の印刷抵抗としては相当高い
負荷が掛けられるものをも採用することができるのであ
る。
となっているセラミック複合体が熱伝導性に優れている
から、導体回路中に形成された印刷抵抗の負荷による発
熱があったとしても、この熱は容易に放散される。従っ
て、当該電子回路用基板内の印刷抵抗としては相当高い
負荷が掛けられるものをも採用することができるのであ
る。
さらにまた、本発明に係る電子回路用基板は、印刷抵抗
等が設けられた導体回路の表面に樹脂層を形成した場合
には、導体回路を樹脂層によって覆蓋した形となること
から、特に導体回路を構成する印刷抵抗の変動を防止
し、信頼性に優れた導体回路を形成することができる。
そして、セラミック複合体はその開放気孔内に樹脂が充
填されたものであるから、これに貼付される樹脂層は当
該開放気孔内の樹脂と一体化するため、開放気孔内の樹
脂がアンカーとしての役割を果し、各樹脂層とセラミッ
ク複合体とを強固に密着させることができるのである。
等が設けられた導体回路の表面に樹脂層を形成した場合
には、導体回路を樹脂層によって覆蓋した形となること
から、特に導体回路を構成する印刷抵抗の変動を防止
し、信頼性に優れた導体回路を形成することができる。
そして、セラミック複合体はその開放気孔内に樹脂が充
填されたものであるから、これに貼付される樹脂層は当
該開放気孔内の樹脂と一体化するため、開放気孔内の樹
脂がアンカーとしての役割を果し、各樹脂層とセラミッ
ク複合体とを強固に密着させることができるのである。
第1図〜第4図は本発明に係る電子回路用多層基板の拡
大縦断面を示しており、第1図は4層のもの、第2図は
4層であって一部にスルーホールを有するもの、第3図
は3層のもの、第4図は二層のセラミック複合体を使用
して形成したものをそれぞれ示している。 符号の説明 10……電子回路用多層基板、11……セラミック複合体、
12……導体回路、13……樹脂層、14……スルホール。
大縦断面を示しており、第1図は4層のもの、第2図は
4層であって一部にスルーホールを有するもの、第3図
は3層のもの、第4図は二層のセラミック複合体を使用
して形成したものをそれぞれ示している。 符号の説明 10……電子回路用多層基板、11……セラミック複合体、
12……導体回路、13……樹脂層、14……スルホール。
Claims (8)
- 【請求項1】結晶構造が三次元網目状であって開放気孔
を有する多孔質セラミック質焼結体の前記開放気孔中に
樹脂が充填されてなるセラミック複合体と、 この複合体のいずれか少なくとも一方の表面に貼着され
た1層あるいは2層以上の樹脂層と、 前記セラミック複合体の表面、前記樹脂層と樹脂層との
間、あるいは前記樹脂層の表面の少なくともいずれかに
形成されてなる2層以上の導体回路とから構成されてな
る電子回路用多層基板。 - 【請求項2】前記セラミック質焼結体は、A2O3、Si
O2、ZnO、ZrO2、MgO、PbO、B2O3、Si
3N4、BN、ANあるいはこれらの化合物から選択され
るいずれか1種あるいは2種以上を主として含有する特
許請求の範囲第1項に記載の電子回路用多層基板。 - 【請求項3】前記セラミック質焼結体は、その開放気孔
率が10〜70容積%の範囲内である特許請求の範囲第
1項あるいは第2項に記載の電子回路用多層基板。 - 【請求項4】前記開放気孔中に充填される樹脂は、エポ
キシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリマジン樹脂、ポリパラ
バン酸樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、エ
ポキシシリコン樹脂、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹
脂、アニリン酸樹脂、フェノール樹脂、ウレタン系樹
脂、フラン系樹脂、フッ素樹脂から選択されるいずれか
1種あるいは2種以上の混合物である特許請求の範囲第
1項〜第3項のいずれかに記載の電子回路用多層基板。 - 【請求項5】前記セラミック質複合体の気孔率は10容
積%以下である特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれ
かに記載の電子回路用多層基板。 - 【請求項6】前記樹脂層は、無機繊維クロスに樹脂を含
浸したものである特許請求の範囲第1項〜第5項のいず
れかに記載の電子回路用多層基板。 - 【請求項7】前記樹脂層は、樹脂と無機繊維との混合物
である特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載
の電子回路用多層基板。 - 【請求項8】前記導体回路は、印刷された抵抗を含んで
いる特許請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の
電子回路用多層基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60266657A JPH0634435B2 (ja) | 1985-11-27 | 1985-11-27 | 電子回路用多層基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60266657A JPH0634435B2 (ja) | 1985-11-27 | 1985-11-27 | 電子回路用多層基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62126694A JPS62126694A (ja) | 1987-06-08 |
JPH0634435B2 true JPH0634435B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=17433872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60266657A Expired - Lifetime JPH0634435B2 (ja) | 1985-11-27 | 1985-11-27 | 電子回路用多層基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0634435B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007055228A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-03-08 | Kyocera Corp | 樹脂−セラミック接合体、およびその製造方法 |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0332100A (ja) * | 1989-06-29 | 1991-02-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 多層プリント配線板 |
JPH04103349A (ja) * | 1990-08-23 | 1992-04-06 | Hitachi Chem Co Ltd | 熱可塑性樹脂金属張積層板の製造方法 |
US6528145B1 (en) * | 2000-06-29 | 2003-03-04 | International Business Machines Corporation | Polymer and ceramic composite electronic substrates |
JP5687092B2 (ja) * | 2011-02-28 | 2015-03-18 | 京セラ株式会社 | 配線基板およびそれを用いた実装構造体 |
TWI541278B (zh) * | 2012-12-18 | 2016-07-11 | 夸茲沃克公司 | 導熱性塑膠材料 |
JP6351585B2 (ja) * | 2013-06-03 | 2018-07-04 | デンカ株式会社 | 樹脂含浸窒化ホウ素焼結体およびその用途 |
JP6285155B2 (ja) * | 2013-11-15 | 2018-02-28 | デンカ株式会社 | 放熱部材およびその用途 |
JP6262522B2 (ja) * | 2013-12-26 | 2018-01-17 | デンカ株式会社 | 樹脂含浸窒化ホウ素焼結体およびその用途 |
TWI716559B (zh) | 2016-03-10 | 2021-01-21 | 日商電化股份有限公司 | 陶瓷樹脂複合體 |
WO2018163982A1 (ja) | 2017-03-09 | 2018-09-13 | 株式会社村田製作所 | 多層基板 |
EP3722368B1 (en) | 2017-12-05 | 2021-10-13 | Denka Company Limited | Nitride ceramic resin composite body |
JP7550869B2 (ja) * | 2021-03-31 | 2024-09-13 | デンカ株式会社 | 複合体及びその製造方法、並びに、積層体及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60111494A (ja) * | 1983-11-22 | 1985-06-17 | 松下電器産業株式会社 | 厚膜回路板 |
JPS6226886A (ja) * | 1985-07-26 | 1987-02-04 | イビデン株式会社 | セラミツクス質複合体からなる電子回路用基板 |
-
1985
- 1985-11-27 JP JP60266657A patent/JPH0634435B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007055228A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-03-08 | Kyocera Corp | 樹脂−セラミック接合体、およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62126694A (ja) | 1987-06-08 |
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