JP2006179742A - 電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板、金属と誘電体との界面構造 - Google Patents

電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板、金属と誘電体との界面構造 Download PDF

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Atsushi Otsuka
淳 大塚
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Abstract

【課題】金属電極と誘電体層との密着性に優れるため信頼性の高い電子部品を提供すること。
【解決手段】本発明の電子部品10は、金属電極11,31と誘電体層21とを備える。金属電極11と誘電体層21との界面には、金属と無機物とが混在する密着層41がある。この密着層41は、金属電極11側に連結する金属アンカー51と、誘電体層21側に連結する無機物アンカー52とを有する。金属アンカー51及び無機物アンカー52は、互いに相手側の空隙に入り込んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属電極と誘電体層とを備える電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板、金属と誘電体との界面構造に関するものである。
近年における電子機器の高性能化や小型化の要求は高く、このような要求が高まるにつれて電子部品の高密度化や高機能化に対する要求も確実に高くなってきている。それゆえ、配線基板における電子部品の実装効率を上げるために、例えば、インダクタ、コンデンサ、抵抗などの電子部品(受動部品)を内蔵した構造の配線基板などが各種提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1においては、例えば、支持体層、金属層、高誘電率材料からなる受動部品形成層、金属層を順次積層配置した構造の電子部品(即ち薄膜コンデンサ)が開示されるとともに、この電子部品を内蔵した配線基板が開示されている。また、特許文献1には、支持体層側の金属層に対して受動部品形成層を形成する方法として、例えば、高誘電率フィラーを充填・分散させた樹脂をシート状に硬化成形する方法、ゾルゲル法により無機化合物を層状に析出させる方法、溶射法などにより無機化合物の層を成膜する方法などが開示されている。
また、特許文献2においては、金属層間に誘電体層を配置した構造の厚膜コンデンサの製造方法が開示されている。この厚膜コンデンサは、金属箔上に導電性ペーストを付着させて焼成を行った後、次にその上に誘電体ペーストを塗布して焼成を行い、さらに導電性ペーストを塗布して焼成を行うことで、製造されるようになっている。
特開平2002−9416号公報(図1等) 特許第3556164号公報
ところで、一般的にこの種の電子部品においては、金属層とセラミック等からなる誘電体層との界面の密着性があまり高くないことから、しばしば当該界面にて剥離が生じやすい。また、剥離発生の原因としては、1)熱が加わるプロセスでの金属−セラミックの収縮挙動の相違により発生する応力、2)金属−セラミックの熱膨張係数差に起因し、加熱後の降温過程で発生する熱応力、3)金属−セラミックの化学的結合性の低さ、などが挙げられる。
なお、特許文献2の製造方法においては、誘電体層となるべき誘電体ペーストの塗布に先立ち、金属箔上に導電性ペーストをアンダープリントすることで、金属層と誘電体層との密着性の改善を一応試みている。しかしながら、現状においては優れた密着性を実現するには至っておらず、信頼性の高い電子部品を製造することが困難であった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属電極と誘電体層との密着性に優れるため信頼性の高い電子部品及びその製造方法、電子部品付き配線基板を提供することにある。また、本発明の別の目的は、密着性に優れた金属と誘電体との界面構造を提供することにある。
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、金属電極と誘電体層とを備える電子部品において、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有することを特徴とする電子部品がある。
従って、上記手段1の電子部品における密着層は、金属と無機物とが混在する層であるため、いわば金属と誘電体との中間的な性質(例えば中間的な収縮挙動、熱膨張係数など)を有している。よって、このような密着層を金属電極と誘電体層との界面に配置することにより、両者間に作用する熱応力が実質的に小さくなる。このため、金属電極と誘電体層との密着性が改善され、電子部品の信頼性が高くなる。
上記電子部品における金属電極は、誘電体層の両側面に配置されていてもよいほか、片側面にのみ配置されていてもよい。また、ここでいう電子部品とは、電子部品の完成品のみを指すのではなく、一方の金属電極を後で形成することではじめて完成する構成部品も含むものとする。勿論、上記電子部品における誘電体層は、1層のみであってもよいほか、2層以上であってもよい。
上記電子部品は、いわゆる金属電極と誘電体層とを積層してなる積層電子部品であって、その好適な具体例としてはコンデンサなどを挙げることができる。電子部品全体の厚さは特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下であることがよく、好ましくは5μm以上75μm以下であることがよい。全体の厚さが薄すぎると、部品単体として取り扱うことが困難になる。一方、全体の厚さが厚すぎると、配線基板の高密度化や小型化の達成を阻害するおそれがある。また、電子部品を配線基板に内蔵させる場合には、段差が発生しやすくなるため、基板表面の平滑性を確保しにくくなるおそれがある。
上記電子部品は、金属電極及び誘電体層に加えて、さらに支持体層を備えていてもよい。このような層があると、電子部品の剛性が高くなるため、金属電極や誘電体層に割れ等を生じさせることなく、電子部品を部品単体として取り扱うことが容易になる。このような支持体層の材質は特に限定されず、例えば樹脂、金属、セラミック等のなかから任意に選択可能である。なお、金属電極を厚く形成することで、それを実質的に支持体層として機能させてもよい。
上記電子部品を構成する金属電極は、導電性に優れた材料を用いて形成されることが好ましく、具体的には、銀、金、白金、銅、チタン、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タングステン等から選択される1種または2種以上の合金を用いて形成されることがよい。電子部品が焼成工程を経て製造されるものである場合、例えばニッケルを用いて金属電極を形成することが好ましい。ニッケルは比較的安価な材料であることに加え、比較的融点が高いため高誘電率セラミックとの同時焼結が可能だからである。また、電子部品が焼成工程を経ないで製造されるか、または比較的低い温度での焼成工程を経て製造される場合、例えば銅や銀を用いて金属電極を形成することが好ましい。銅や銀は高い導電性を有しており、電極用材料として好適だからである。
金属電極の厚さは、例えば0.1μm以上50μm以下であることがよく、好ましくは0.2μm以上20μm以下であることがよい。金属電極が薄すぎると、電気的信頼性を確保しにくくなるおそれがあるからである。一方、金属電極が厚くなりすぎると、部品全体の厚さが厚くなるおそれがあるからである。
上記電子部品を構成する誘電体層とは、誘電率の高い無機物(例えば誘電体セラミックなど)を主成分とする層のことをいう。ここで誘電体セラミックとは、誘電率が高いセラミック(比誘電率が10以上のセラミックと定義する。)のことをいい、例えば、ペロブスカイト型結晶構造を有した複合酸化物がこれに該当する。かかる複合酸化物の具体例としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸鉛及びチタン酸ストロンチウムから選択される1種または2種以上にて構成された化合物を挙げることができる。
誘電体層の厚さは、例えば0.01μm以上10μm以下であることがよく、好ましくは0.1μm以上5μm以下であることがよい。例えば、電子部品がコンデンサである場合、誘電体層が薄いことは高容量化にとって好ましいが、その反面でこれが薄くなりすぎると、金属電極間の絶縁を確保しにくくなるおそれがあるからである。一方、誘電体が厚くなりすぎると、高容量化の達成が困難になるばかりでなく、部品全体の厚さが厚くなるおそれがあり、柔軟性の欠如に起因して取扱性が低下するおそれもあるからである。
上記電子部品における密着層は、金属と無機物とが混在する密着層を有している。このような密着層は、金属電極と誘電体層との界面に位置しており、金属電極と誘電体層とを互いに強固に接合させている。
密着層を構成する金属としては、特に導電性の良否に関係なく選択することができ、例えば、銀、金、白金、銅、チタン、鉄、鉛、スズ、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、タングステン等が使用される。この場合、金属電極を構成する金属と実質的に同じ金属材料を選択することが好ましい。その理由は、金属電極を構成する金属とは実質的に異なる金属材料を選択した場合に比べて、より強固な化学的結合性が得られるため、確実に密着性を向上できるからである。なお「金属電極を構成する金属と実質的に同じ金属材料」とは、金属電極を構成する金属と成分が全く同じ金属材料のことをいうほか、金属電極を構成する金属と主成分が共通している金属材料なども含むものとする。従って、金属電極が例えばニッケル製である場合、密着層を構成する金属はニッケルを主成分として含むものであることが好適ということになる。
また、密着層を構成する無機物としては、例えば、アルミナ、窒化珪素、窒化ほう素、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどのセラミックが使用可能である。この場合、密着層を構成する無機物材料と実質的に同じ無機物材料を選択することが好ましい。その理由は、密着層を構成する無機物とは異なる無機物材料を選択した場合に比べて、より強固な化学的結合性が得られるため、確実に密着性を向上できるからである。なお「誘電体層と実質的に同じ無機物材料」とは、誘電体層を構成する無機物と成分が全く同じ無機物材料のことをいうほか、誘電体層を構成する無機物と主成分が共通している無機物材料なども含むものとする。従って、誘電体層が例えばチタン酸バリウムを主成分とする場合、密着層を構成する無機物はチタン酸バリウムを主成分として含むものであることが好適ということになる。
密着層を構成する金属は、金属電極側に連結する金属アンカーであることが好適であり、密着層を構成する無機物材料は、誘電体層に連結する無機物アンカーであることが好適である。そして、前記金属アンカー及び前記無機物アンカーは互いに相手側の空隙に入り込んでいることが好適である。密着層がこのような構造であると、いわば金属アンカーと無機物アンカーとが互いに嵌り合った状態となる。ゆえに、強固な物理的結合力が得られ、より確実に密着性を向上することができる。なお、金属アンカーは、複数の金属粉が凝集して形成されたものであることがよく、この場合にはその形状が好適なものとなる。よって、無機物アンカーとの嵌合性が高くなり、強固な物理的結合力を得やすくなる。同様に、無機物アンカーは、複数の無機物粉が凝集して形成されたものであることがよく、この場合にはその形状が好適なものとなる。よって、金属アンカーとの嵌合性が高くなり、強固な物理的結合力を得やすくなる。
無機物アンカーにおける無機物の平均粒径は0.3μm以上、好ましくは0.5μm以上であることがよい。その理由は、無機物の平均粒径が小さすぎると、好適な形状の無機物アンカーが形成されにくくなり、金属アンカーとの嵌合性を高くすることが困難になるからである。同様に、金属アンカーにおける金属の平均粒径は0.3μm以上、好ましくは0.5μm以上であることがよい。その理由は、金属の平均粒径が小さすぎると、好適な形状の金属アンカーが形成されにくくなり、無機物アンカーとの嵌合性を高くすることが困難になるからである。なお、好適な形状の無機物アンカー及び金属アンカーを確実にかつ均一に得るためには、無機物の平均粒径及び金属の平均粒径がいずれも密着層の厚さ以下であることが好ましい。
密着層を構成する無機物の量は、5体積%以上80体積%以下であることが好ましい。その理由は、無機物の量が多すぎても少なすぎても、十分な密着性が得られなくなるおそれがあるからである。ここで密着性の向上のみを考慮すれば、金属及び無機物の体積比は50体積%前後の値が好ましいはずであるが、電子部品がコンデンサである場合に無機物の量が多くなると、高容量化を阻害するおそれがある。また、金属に比べて無機物の体積比が多くなると、電子部品がセラミックに近い挙動を示すようになる結果、柔軟性が損なわれて取扱性が低下するおそれがある。以上のことを考慮すると、密着層を構成する無機物の体積比は金属の体積比よりも少ないことが好ましく(即ち50体積%より少ないことが好ましく)、特には15体積%以上45体積%以下であることが好ましい。無機物の体積比をこのような範囲内にて設定すれば、好適な電気的特性や機械的特性を維持しつつ高い密着性を得ることができる。
密着層の厚さは特に限定されないが、0.5μm以上であることがよく、1μm以上10μm以下であることがよりよい。密着層が薄すぎると、物理的結合力が十分に得られず、高い密着性を得ることが困難になるおそれがある。一方、密着層が厚くなりすぎると、電子部品の厚さが増してしまうばかりか、柔軟性の欠如に起因して取扱性が低下するおそれがある。
上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、手段1に記載の電子部品を有する電子部品付き配線基板がある。
従って、この手段2にかかる電子部品付き配線基板における電子部品は、金属電極と誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を備えている。この密着層は、いわば金属と誘電体との中間的な性質(例えば中間的な収縮挙動、熱膨張係数など)を有するため、金属と無機物との間に作用する熱応力が実質的に小さくなる。このため、金属電極と誘電体層との密着性が改善され、電子部品の信頼性が高くなり、結果として高信頼性の電子部品付き配線基板を得ることができる。
上記配線基板は、例えばコア基板上に絶縁層及び導体層を形成した構成を有している。コア基板の形成材料については特に限定されず、コスト性、加工性、絶縁性、機械的強度などを考慮して適宜選択することができる。コア基板としては、例えば、樹脂基板、セラミック基板、金属基板などが挙げられる。樹脂基板の具体例としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)基板、PI樹脂(ポリイミド樹脂)基板、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)基板、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)基板などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる基板を使用してもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる基板等を使用してもよい。前記セラミック基板の具体例としては、例えば、アルミナ基板、ベリリア基板、ガラスセラミック基板、結晶化ガラス等の低温焼成材料からなる基板などがある。前記金属基板の具体例としては、例えば、銅基板や銅合金基板、銅以外の金属単体からなる基板、銅以外の金属の合金からなる基板などがある。
コア基板上に形成される好適な絶縁層としては、樹脂絶縁層を挙げることができる。その理由は、樹脂製の絶縁層は電子部品の支持体として好ましいため、例えば電子部品を埋め込んだ構造を実現しやすくなるからである。樹脂絶縁層は、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成される。
導体層は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法によって、コア基板上や絶縁層上にパターン形成される。導体層の形成に用いられる金属材料の例としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などが挙げられる。なお、コア基板の片面または両面に、導体層と絶縁層とが交互に積層されてなるビルドアップ層が形成されていてもよい。
上記電子部品付き配線基板において、電子部品は、配線基板の表面にて露出した状態で実装されていてもよく、配線基板の内部に埋め込まれた状態で実装されていてもよい。後者の実装態様を採る場合には、電子部品をコア基板内に埋め込む構造、電子部品をコア基板と絶縁層との間に埋め込む構造、電子部品を絶縁層内に埋め込む構造のいずれにしてもよい。この場合、併せて他の電子部品である抵抗素子やインダクタ等を配線基板の内部に埋め込むようにしてもよい。
なお、前者の実装態様と比較した場合の後者の実装態様の利点としては、以下のようなことがある。例えば、当該電子部品が配線基板内に埋め込まれた結果、配線基板表面上の部品実装可能領域が増えるため、そこに他の電子部品を実装することが可能となる。ここで、上記の他の電子部品としては、例えば、半導体集積回路チップ、チップトランジスタ、チップダイオード等の能動部品や、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ、チップコイル等の受動部品を挙げることができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段3)としては、金属と誘電体との界面構造であって、前記金属側に連結する金属アンカーと、前記誘電体側に連結する無機物アンカーとを有し、前記金属アンカー及び前記無機物アンカーが互いに相手側の空隙に入り込んでいる密着層を、前記金属と前記誘電体との界面に有することを特徴とする、金属と誘電体との界面構造がある。
従って、この手段3にかかる界面構造においては、いわば金属と誘電体との中間的な性質(例えば中間的な収縮挙動、熱膨張係数など)を有する密着層が、金属と誘電体との界面に配置されているので、両者間に作用する熱応力が実質的に小さくなる。このため、金属と誘電体との密着性が改善され、界面における信頼性が高くなる。
上記課題を解決するための別の手段(手段4)としては、金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品の製造方法であって、前記金属電極となるべき金属層と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層との間に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用材料層を配置する材料層配置工程と、前記密着層形成用材料層を加熱して焼結させることにより、前記密着層を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法がある。
従って、この手段4にかかる製造方法によると、材料層配置成工程を経て金属電極と誘電体層との界面に配置された密着層形成用材料層を、焼成工程で加熱することにより、金属粉と無機物粉とがそれぞれ焼結し、金属と無機物とが混在する所望の密着層が形成される。ゆえに、金属電極と誘電体層とを密着層を介して強固に接合することができる。よって、金属電極と誘電体層との密着性が改善され、信頼性の高い電子部品を確実に得ることができる。
以下、上記手段4にかかる電子部品の製造方法について説明する。
材料層配置工程では、金属電極となるべき金属層と、誘電体層となるべき未焼結誘電体層との間に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用材料層を配置する。
金属電極となるべき金属層としては金属箔が好適であり、具体的には、銀箔、金箔、白金箔、銅箔、チタン箔、アルミニウム箔、パラジウム箔、ニッケル箔、タングステン箔等が使用される。例えば金属板であると厚すぎて電子部品全体が厚肉化してしまうが、金属箔であればそれほど厚くないので、全体の薄肉化を比較的容易に達成することができる。もっとも、金属層は金属箔以外のものであってもよく、その例としては、めっき、スパッタリング、蒸着等の手法により成膜された層などが挙げられる。なお、金属粉と無機物粉とを含有するグリーンシート(密着層形成用グリーンシート)の焼成によって得られる焼結体層の金属部分を、金属電極として用いることもできる。あるいは、ニッケルを含有する未焼結ニッケルグリーンシートを作製し、これを金属電極となるべき金属層として使用することもできる。
誘電体層となるべき未焼結誘電体層としては、例えば、誘電体粉を含有する未焼結誘電体層形成用ペーストを材料として用いて、これを塗布及び乾燥して形成されたものであってもよい。誘電体粉としては、上述したチタン酸バリウム、チタン酸鉛及びチタン酸ストロンチウムから選択される1種または2種以上にて構成された化合物などが、好適である。このほか、誘電体粉を含有するグリーンシート(未焼結誘電体グリーンシート)を未焼結誘電体層として用いてもよい。このような未焼結誘電体グリーンシートは、誘電体粉を含有するスラリーをシート状にキャスティングする手法により比較的簡単に得ることができる。この手法の利点は、ペーストを用いた手法に比べて、薄くて均一な厚さの誘電体層が効率よく得られることにある。よって、ショート不良やキャパシタンスのばらつきの低減を達成しやすくなる。
密着層形成用材料層は、例えば、金属粉と無機物粉とを含有するグリーンシート(密着層形成用グリーンシート)であってもよい。このような密着層形成用グリーンシートは、金属粉と無機物粉とを含有するスラリーをシート状にキャスティングする手法により比較的簡単に得ることができる。
これ以外の密着層形成用材料層としては、例えば、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用ペーストを材料として用いて、これを塗布及び乾燥して形成されたものであってもよい。無機物粉としては誘電体粉が好適であり、とりわけ上述したチタン酸バリウム、チタン酸鉛及びチタン酸ストロンチウムから選択される1種または2種以上にて構成された化合物などが好ましい。この手法の利点は、特に段差の形成された金属層や未焼結誘電体層を用いる場合など、グリーンシートを用いる手法に比べて金属層と未焼結誘電体層との隙間を確実に埋めることができるため、密着性向上の達成が容易なことにある。また、必要に応じて、スクリーン印刷などの周知の方法により、所望のパターンを有する密着層を形成できるという利点もある。
次に、必要に応じて脱脂工程を行った後、焼成工程を行う。焼成工程では、密着層形成用材料層を加熱して焼結させる。その結果、複数の金属粉同士が凝集して金属アンカーとなる一方、複数の無機物粉同士が凝集して無機物アンカーとなるため、所望とする嵌合構造を有する密着層が、金属電極と誘電体層との界面に形成される。なお、この焼成工程において未焼結誘電体層を同時に焼成し、誘電体層を形成するようにしてもよい。
上記課題を解決するための別の手段(手段5)としては、金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品の製造方法であって、前記金属電極となるべき金属層と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層との間に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用材料層を配置する材料層配置工程と、前記未焼結誘電体層及び前記密着層形成用材料層を加熱して焼結させることにより、前記誘電体層及び前記密着層を形成する同時焼成工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法がある。
また、上記課題を解決するための別の手段(手段6)としては、金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品の製造方法であって、前記金属電極となるべき金属箔上に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用ペーストを塗布して、密着層形成用ペースト層を形成するペースト層形成工程と、前記密着層形成用ペースト層上に、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体グリーンシートを積層して圧着するシート積層圧着工程と、前記未焼結誘電体グリーンシート及び前記密着層形成用ペースト層を加熱して焼結させることにより、前記誘電体層及び前記密着層を形成する同時焼成工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法がある。
さらに、上記課題を解決するための別の手段(手段7)としては、金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品の製造方法であって、前記金属電極となるべき金属箔上に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用グリーンシートを積層して圧着する第1シート積層圧着工程と、前記密着層形成用シート上に、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体グリーンシートを積層して圧着する第2シート積層圧着工程と、前記未焼結誘電体グリーンシート及び前記密着層形成用グリーンシートを加熱して焼結させることにより、前記誘電体層及び前記密着層を形成する同時焼成工程とを含むことを特徴とする電子部品の製造方法がある。
そして、これらの手段5,6,7にかかる製造方法であっても、金属と無機物とが混在する所望の密着層が形成されるため、金属電極と誘電体層とを密着層を介して強固に接合することができる。よって、金属電極と誘電体層との密着性が改善され、信頼性の高い電子部品を確実に得ることができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1実施形態のセラミックコンデンサ及びその製造方法を図1,図2に基づき説明する。
図1に示されるように、本実施形態のセラミックコンデンサ10(電子部品)は、第1ニッケル電極11(金属電極)と、チタン酸バリウムからなる誘電体層21とを備えている。第1ニッケル電極11と誘電体層21との界面には、ニッケルとチタン酸バリウムとが混在する密着層41が形成されている。この密着層41を構成するニッケルは、金属アンカー51からなる層を形成しており、その金属アンカー51の一部は第1ニッケル電極11に連結した状態となっている。また、この密着層41を構成するチタン酸バリウムは、無機物アンカー52からなる層を形成しており、その無機物アンカー52の一部は誘電体層21に連結した状態となっている。そして、このような金属アンカー51及び無機物アンカー52は、互いに相手側の空隙に入り込んでいて、いわば相互に嵌合する関係にある。よって、第1ニッケル電極11と誘電体層21とは強固に接合されている。誘電体層21の下面側と同じく上面側にも、金属アンカー51からなる層と、無機物アンカー52からなる層が形成されている。ただし、本実施形態では誘電体層21の上面側にある金属アンカー51からなる層は、第2ニッケル電極31(金属電極)として機能する。なお、第2ニッケル電極31は無機物アンカー52からなる層により誘電体層21と強固に接合されている。
本実施形態では、第1ニッケル電極11の厚さが約30μmに設定され、第2ニッケル電極31の厚さが約3μmに設定され、誘電体層21の厚さが約4μmに設定されている。この誘電体層21は、厚さばらつきが±0.5μm程度であって、比較的均一な厚さを有している。密着層41の厚さは約4μmに設定されている。そして、このセラミックコンデンサ10の全体の厚さは、約41μmとなっている。
無機物アンカー52における無機物の誘電体粒子の平均粒径は0.5μm以上である。金属アンカー51における金属の金属粒子の平均粒径は0.5μm以上である。密着層41を構成する誘電体の量は約30体積%、密着層41を構成する金属の量は約70体積%となっている。
そして、このような構成のセラミックコンデンサ10に通電を行い、第1ニッケル電極11−第2ニッケル電極31間に所定の電圧を加えると、一方の電極にプラスの電荷が蓄積し、他方の電極にマイナスの電荷が蓄積するようになっている。
次に、このセラミックコンデンサ10の製造方法を図2に基づいて説明する。
(1)未焼結誘電体グリーンシート22の作製
まず以下の手順で誘電体スラリーを調製した。平均粒径0.7μmのチタン酸バリウム粉末(誘電体粉)、エタノールとトルエンとの混合溶剤、分散剤、可塑剤、有機バインダをポットで湿式混合することにより、未焼結誘電体グリーンシート22を形成する際の出発材料となる誘電体スラリーを得る。このとき、各成分の配合比率を適宜変更することにより、誘電体スラリーを約0.5Pa・sの粘度(リオン株式会社製ビスコテスター VT−04型粘度計 No.1ロータ 62.5rpm 1分値 25℃で測定した粘度をいう。)に調製する。次に、この誘電体スラリーを用いて未焼結誘電体グリーンシート22の形成を以下のように行う。即ち、所定幅のPETフィルムのロールを用意して、このロールをキャスティング装置の供給側にセットし、ドクターブレード法やリップコーティーングなどの従来周知の手法によりPETフィルムの上面に誘電体スラリーを薄く均一な厚さでキャスティング(塗工)する。その後、シート状にキャスティングされた誘電体スラリーをキャスティング装置の供給側と巻き取り側との間に配置されているヒータで加熱乾燥し、厚さ7μmの未焼結誘電体グリーンシート22(誘電体層21となるべき未焼結誘電体層)を形成する。
(2)密着層形成用グリーンシート42の作製
まず以下の手順で密着層形成用スラリーを調製する。平均粒径0.7μmのニッケル粉(金属粉)と、平均粒径0.7μmのチタン酸バリウム粉末(誘電体粉)とを体積比が7:3となるように秤量し、これにエタノールとトルエンとの混合溶剤、分散剤、可塑剤、有機バインダを添加する。これをポットで湿式混合することにより、密着層形成用グリーンシート42を形成する際の出発材料となる密着層形成用スラリーを得る。このとき、各成分の配合比率を適宜変更することにより、密着層形成用スラリーを約0.5Pa・sの粘度(リオン株式会社製ビスコテスター VT−04型粘度計 No.1ロータ 62.5rpm 1分値 25℃で測定した粘度をいう。)に調製する。次に、この密着層形成用スラリーを用いて密着層形成用グリーンシート42の形成を以下のように行う。即ち、所定幅のPETフィルムのロールを用意して、このロールをキャスティング装置の供給側にセットし、ドクターブレード法やリップコーティーングなどの従来周知の手法によりPETフィルムの上面に密着層形成用スラリーを薄く均一な厚さでキャスティング(塗工)する。その後、シート状にキャスティングされた密着層形成用スラリーをキャスティング装置の供給側と巻き取り側との間に配置されているヒータで加熱乾燥し、厚さ7μmの密着層形成用グリーンシート42(密着層形成用材料層)を形成する。また、本実施形態では、作製した密着層形成用グリーンシートを、第2ニッケル電極31となる電極形成用シート32(電極形成用材料)としても用いている。
(3)未焼結積層体50の作製
後に第1ニッケル電極11となるべき金属層として、厚さ30μmのニッケル箔12を用意するとともに、そのニッケル箔12を打ち抜き金型等の従来周知の手段を用いて所定の大きさに切断する。また、未焼結誘電体グリーンシート22及び密着層形成用グリーンシート42、電極形成用シート32についても、同様の手段を用いて同程度の大きさに切断する。そしてまず、ニッケル箔12上にPETフィルム付きの密着層形成用グリーンシート42を積層配置し、従来周知のラミネート装置を用いて80℃で500kgf/cmの条件で押圧力を加え、仮圧着させる(図2参照)。PETフィルムを剥離した後、その剥離面上に未焼結誘電体グリーンシート22を積層配置し、前記ラミネート装置を用いて80℃で250kgf/cmの条件で押圧力を加え、仮圧着させる(図2参照)。PETフィルムを剥離した後、その剥離面上に電極形成用シート32を積層配置し、前記ラミネート装置を用いて80℃で750kgf/cmの条件で押圧力を加え、本圧着させる(図2参照)。この後、PETフィルムを剥離して未焼結積層体50を得る。この未焼結積層体50では、ニッケル箔12(金属電極となるべき金属層)と、未焼結誘電体グリーンシート22(誘電体層となるべき未焼結誘電体層)との間に、密着層形成用グリーンシート42(密着層形成用材料層)が配置された状態となっている。
(4)脱脂、同時焼成
次に、上記未焼結積層体50を大気中にて250℃で10時間脱脂し、さらに窒素−水素−水蒸気からなる雰囲気中1260℃にて所定時間焼成する。その結果、チタン酸バリウム及びニッケルが同時焼結し、所望構造のセラミックコンデンサ10が得られる。この焼成により、未焼結誘電体グリーンシート22については、チタン酸バリウムからなる誘電体層21となる。また、第1ニッケル電極11と未焼結誘電体グリーンシート22との間に位置する密着層形成用グリーンシート42については、この焼成により、金属アンカー51と無機物アンカー52とが混在する密着層41となる。また、未焼結誘電体グリーンシート22上に位置する電極形成用シート32についても、この焼成により、金属アンカー51と無機物アンカー52とが混在した状態となるが、当該金属アンカー51からなる層は第2ニッケル電極31として使用される。
(5)評価
ここではJIS C6481に倣ってピール強度を測定した。まずピール強度測定用サンプルを次のように準備した。厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板と上記セラミックコンデンサ10とを、エポキシ接着剤を用いて、第2ニッケル電極31側の面で接着した。次いで、幅1cmの短冊状となるように、ガラスエポキシ基板に接着されたセラミックコンデンサ10に切り込みを入れたものを(切り込みはセラミックコンデンサ10を完全に貫通)、ピール強度測定用サンプルとした。
次に、ピール強度の測定は、短冊状となったセラミックコンデンサ10の第1ニッケル電極11(ニッケル箔)の一端を、ガラスエポキシ基板主面に対して垂直な方向に、毎分0.5mmの速度で引き上げることにより行った。このとき、引き上げられる第1ニッケル電極11とガラスエポキシ基板主面とが常に垂直となるように、ガラスエポキシ基板を上記引き上げ方向と垂直な方向に(ガラスエポキシ基板主面と平行な方向に)、毎分0.5mmの速度で移動させた。
このように測定した結果、ピール強度測定用サンプルでは、第1ニッケル電極11と誘電体層21との間で、より詳しくは、概ね、密着層41の内部か、密着層41と誘電体層21との間で剥離が生じた。また、その平均ピール強度は0.64kgf/cmであり、好適な値を示した。
(6)比較例の作製及びその評価
ここでは、上述した未焼結誘電体グリーンシート22の作製方法に準じて、チタン酸バリウムの粉末の代わりに平均粒径0.7μmのニッケル粉末を用いることにより、厚さ7mmのニッケルグリーンシートをキャスティング法により作製し、これを所定の大きさに切断する。また、厚さ30μmのニッケル箔12及び厚さ7μmの未焼結誘電体グリーンシート22を用意し、これらを同程度の大きさに切断する。次いで、ニッケル箔12上にニッケルグリーンシートを積層配置し、80℃で500kgf/cmの押圧力を加え、仮圧着させる。PETフィルムを剥離した後、その剥離面上に未焼結誘電体グリーンシート22を積層配置し、80℃で750kgf/cmの条件で押圧力を加え、仮圧着させる。次いで、未焼結グリーンシート22上にニッケルグリーンシートを積層配置し、80℃で500kgf/cmの押圧力を加え、本圧着させる。この後、PETフィルムを剥離して未焼結積層体を得る。この後、上記条件と同じ条件で脱脂、同時焼成を行い、比較例のセラミックコンデンサを得る。なお、このセラミックコンデンサにおいては、密着層41に相当する層は何ら存在していない。
上記(5)と同様にしてピール強度を測定した。その結果、比較例サンプルでは、第1ニッケル電極11と誘電体層21との間で、より詳しくは、ニッケルグリーンシートの焼成された層と誘電体層21との間で剥離が生じた。また、その平均ピール強度は0.13kg/cmとなり、かなり低い値を示した。従って、比較例はニッケル電極と誘電体層との密着性に劣ると結論付けられた。
(7)まとめ
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
セラミックコンデンサ10における密着層41は、金属と無機物とが混在する層であるため、いわば金属と誘電体との中間的な性質(例えば中間的な収縮挙動、熱膨張係数など)を有している。よって、このような密着層41を第1ニッケル電極11と誘電体層21との界面に配置することにより、両者11,21間に作用する熱応力が実質的に小さくなる。このため、第1ニッケル電極11と誘電体層21との密着性が改善され、セラミックコンデンサ10の信頼性が高くなる。また、本実施形態の密着層41は、第1ニッケル電極11側に連結する金属アンカー51と、誘電体層21側に連結する無機物アンカー52とを備えるとともに、それらが互いに相手側の空隙に入り込んで嵌合関係となっている。ゆえに、第1ニッケル電極11と誘電体層21との間にて強固な物理的結合力が得られ、より確実に密着性を向上することができる。また、本実施形態の製造方法によれば、信頼性に優れた上記構造のセラミックコンデンサ10を確実にかつ比較的容易に得ることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2実施形態のセラミックコンデンサ10の製造方法を図3に基づいて説明する。ここでは、密着層41を形成するにあたり、密着層形成用グリーンシート42ではなく密着層形成用ペーストを用いる点で、第1実施形態の製造方法と異なっている。
(1)未焼結誘電体グリーンシート22の作製
基本的に上記実施形態1の手法に従い、厚さ7μmの未焼結誘電体グリーンシート22(誘電体層21となるべき未焼結誘電体層)を形成する。
(2)密着層形成用ペーストの調製
平均粒径0.7μmのニッケル粉(金属粉)と、平均粒径0.7μmのチタン酸バリウム粉末(誘電体粉)とを体積比が7:3となるように秤量し、これに分散剤、可塑剤を加える。これをターピネオールを分散媒として、さらに有機バインダを加えた上で3本ロールで混合し、密着層形成用ペースト層62を形成する際の出発材料となる密着層形成用ペーストを得る。また、本実施形態では、作製した密着層形成用ペーストを、第2ニッケル電極31となる電極形成用ペースト63(電極形成用材料)としても用いている。
(3)未焼結積層体50の作製
後に第1ニッケル電極11となるべき金属層として、厚さ30μmのニッケル箔12を用意するとともに、そのニッケル箔12を打ち抜き金型等の従来周知の手段を用いて所定の大きさに切断する。また、未焼結誘電体グリーンシート22についても、同様の手段を用いて同程度の大きさに切断する。そしてまず、ニッケル箔12上に、従来周知のペースト印刷装置(例えばスクリーン印刷装置)を用いて密着層形成用ペーストを印刷塗布する。このときの塗布厚みは、後の焼成工程を経た段階で約4μmとなるように、5μm〜8μm程度に設定される。次いで、80℃で乾燥し、密着層形成用ペースト層62を形成する。次いで、密着層形成用ペースト層62上に未焼結誘電体グリーンシート22を積層配置し、前記ラミネート装置を用いて80℃で750kgf/cmの条件で押圧力を加え、本圧着させる(図3参照)。次いで、PETフィルムを剥離した後、その剥離面上に電極形成用ペースト63を5μm〜8μmほど印刷塗布する。そして、80℃で乾燥して、密着層形成用ペースト層62を形成し、未焼結積層体50とする。この未焼結積層体50では、ニッケル箔12(金属電極となるべき金属層)と、未焼結誘電体グリーンシート22(誘電体層となるべき未焼結誘電体層)との間に、密着層形成用ペースト層62(密着層形成用材料層)が配置された状態となっている。
(4)脱脂、同時焼成
次に、上記未焼結積層体50を大気中にて250℃で10時間脱脂し、さらに窒素−水素−水蒸気からなる雰囲気中1260℃にて所定時間焼成する。その結果、チタン酸バリウム及びニッケルが同時焼結し、所望構造のセラミックコンデンサ10が得られる。この焼成により、未焼結誘電体グリーンシート22については、チタン酸バリウムからなる誘電体層21となる。また、第1ニッケル電極11と未焼結誘電体グリーンシート22との間に位置する密着層形成用ペースト層62については、この焼成により、金属アンカー51と無機物アンカー52とが混在する密着層41となる。また、未焼結誘電体グリーンシート22上に位置する電極形成用ペースト63についても、この焼成により、金属アンカー51と無機物アンカー52とが混在した状態となるが、当該金属アンカー51からなる層は第2ニッケル電極31として使用される。
(5)評価
第1の実施形態の(5)と同様にして、第1ニッケル電極11と誘電体層21とのピール強度を測定した結果、0.71kg/cmとなり、極めて好適な値を示した。
従って、本実施形態においても上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。つまり、第1ニッケル電極11と誘電体層21との密着性が改善されるため、信頼性の高いセラミックコンデンサ10を得ることができる。また、本実施形態の製造方法によれば、信頼性に優れた上記構造のセラミックコンデンサ10を確実にかつ比較的容易に得ることができる。さらに、密着層形成用ペーストの印刷塗布を行う製造方法であるため、金属箔12と未焼結誘電体グリーンシート22との隙間を確実に埋めることができるという利点がある。よって、密着性の向上をいっそう容易に達成することが可能となる。
[第3の実施形態]
次に、図4〜図10に基づいて第3実施形態であるセラミックコンデンサ内蔵配線基板71及びその製造方法を詳細に説明する。
図4に示されるように、このセラミックコンデンサ内蔵配線基板71は、ガラスエポキシからなるコア基板72上に、ビルドアップ層73を形成してなるものである。ビルドアップ層73は、同じくエポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層81,82,83,84(いわゆる層間絶縁層)を4層備えている。樹脂絶縁層81,82,83,84の界面には、銅からなる導体層91,92,93がパターン形成されている。また、最表層の樹脂絶縁層84の表面上における複数箇所には、銅にニッケル−金めっきを被覆した端子パッド94が形成されている。樹脂絶縁層81,82,83,84内には、それぞれビア導体96が設けられている。これらのビア導体96は同軸上に配置されるとともに、それらを介して導体層91,92,93及び端子パッド94が相互に電気的に接続されている。
ビルドアップ層73の内部(具体的には第1層の樹脂絶縁層81と第2層の樹脂絶縁層82との界面)には、図5に示すセラミックコンデンサ110(電子部品)が、第1主面117側を上向きにして埋め込んだ状態で実装されている。このセラミックコンデンサ110は、上記のセラミックコンデンサ10と若干形状が異なるものの、基本構造は共通している。
図5に示されるように、セラミックコンデンサ110を構成する誘電体層21の中央部付近には、第1主面117側と前記第2主面118側とを連通させる連通部112が形成されている。連通部112の形状は特に限定されないが、本実施形態における連通部112は第1主面117方向から見て円形状の貫通孔となっている。誘電体層21の第1主面117側には、金属アンカー51と無機物アンカー52とからなる密着層41を介して、金属箔12からなる第1主面側金属層121が形成されている。第1主面117側には溝113が形成され、その溝113によって密着層41及び第1主面側金属層121がそれぞれ所定箇所で分断されている。また、誘電体層21の第1主面117と同じく第2主面118側にも、金属アンカー51からなる層と、無機物アンカー52からなる層が形成されている。ただし、本実施形態では第2主面118側にある金属アンカー51からなる層は、第2主面側金属層122となっている。第2主面118側には溝114が形成され、その溝114によって第2主面側金属層122が所定箇所で分断されている。そして、本実施形態においては、第1主面117において連通部112に対応した箇所(即ち溝113の内側領域)にある第1主面側金属層121と、第2主面118における周縁部を除く領域にある第2主面側金属層122とが、連通部112内にて接合している。図5における部材番号115は接合部分を示している。その結果、誘電体層21を挟み込んだ状態の当該第1主面側金属層121及び当該第2主面側金属層122によって、第2ニッケル電極31(金属電極)が形成されている。また、第1主面117において連通部112を除く箇所(溝113の外側領域)にある第1主面側金属層121と、第2主面118における周縁部にある第2主面側金属層122とについても、互いに接合している。その結果、誘電体層21を挟み込んだ状態の当該第1主面側金属層121及び当該第2主面側金属層122によって、第1ニッケル電極11(金属電極)が形成されている。つまり、本実施形態のセラミックコンデンサ110の場合、第1ニッケル電極11と第2ニッケル電極31とが溝113,114によって分断されることで、互いに電気的に絶縁されている。
そして、内蔵されたセラミックコンデンサ110の第1主面117側においては、第1ニッケル電極11及び第2ニッケル電極31が、樹脂絶縁層82,83,84内にあるビア導体96にそれぞれ接続されている。その結果、第1ニッケル電極11及び第2ニッケル電極31と、端子パッド94とが相互に電気的に接続されている。
次に、このセラミックコンデンサ110の製造方法を図6〜図10に基づいて説明する。
(1)セラミックコンデンサ110の作製
例えば、第2実施形態の手順に従って、未焼結誘電体グリーンシート22の作製、密着層形成用ペーストの調製、未焼結積層体50の作製(シート切断、ペースト塗布、圧着、ペースト塗布)を行う。この場合、未焼結誘電体グリーンシート22の作製時、あるいは、未焼結積層体作製過程、より具体的には、未焼結誘電体グリーンシート22の積層・本圧着工程の後に、COレーザーなどの方法によりあらかじめ連通部112を加工形成しておいてから、密着層形成用ペーストの塗布を行うようにする。この後、脱脂、同時焼成を行って、図6に示す状態のセラミックコンデンサ110とする。
(2)第2主面側金属層122のパターニング
次いで、図7に示されるように、従来周知のフォトリソグラフィの手法によって第2主面側金属層122をパターニングし、所定箇所に溝114を形成する。この場合、フォトリソグラフィに代えてレーザートリミングの手法を用いることもできる。あるいは、密着層形成用ペーストの塗布を行う際に、あらかじめ溝114の部分ができるようにしてもよい。
(3)第1層の樹脂絶縁層81の形成、部品実装
次に、第1層の樹脂絶縁層81が形成されたコア基板72を用意し、その第1層の樹脂絶縁層81上に、第1主面117側を上向きにした前記セラミックコンデンサ110を搭載する(図8参照)。
より詳細にいうと、第1層の樹脂絶縁層81を形成するための未硬化のフィルム材を用意し、それをラミネータ等でコア基板72の表面上に貼付する。前記フィルム材としては、例えば、未硬化の熱硬化性樹脂からなるものが好適である。次いで、図7の状態のセラミックコンデンサ110をフィルム材上に搭載し、所定の圧力で押し付ける。この時点では、まだフィルム材は未硬化であるため、セラミックコンデンサ110をフィルム材内に容易に埋め込むことができる。この場合の埋込深さは、セラミックコンデンサ110全体の厚さの半分程度に設定されることがよい。即ち、完全に埋め込んでしまうと、後工程にて行う第1主面側金属層121及び密着層41のパターニングが困難になるおそれがあるからである。次に、加熱を行ってフィルム材を硬化させ、第1層の樹脂絶縁層81にセラミックコンデンサ110を支持固定させる。
(4)第1主面側金属層121及び密着層41のパターニング等
次に、従来周知のフォトリソグラフィの手法によって第1主面側金属層121及び密着層41をパターニングし、所定箇所に溝113を形成する(図9参照)。この場合、フォトリソグラフィに代えてレーザートリミングの手法を用いることもできる。なお、溝113の形成を行う際に、併せて第1層の樹脂絶縁層81に対するビア穴あけを行ってもよい。この後、銅めっきまたは銅ペーストの充填等を行い、ビア導体96を形成するとともに、第1層の導体層91を形成する。
(5)第2層から第5層の樹脂絶縁層82,83,84の形成
次に、第1層の樹脂絶縁層81上に上記の未硬化のフィルム材をラミネータ等で貼付した後、熱硬化させて第2層の樹脂絶縁層82とする。この時点でセラミックコンデンサ110が完全に埋め込まれる。次に、第2層の樹脂絶縁層82に対するビア穴あけを行った後、さらに銅めっきまたは銅ペーストの充填、印刷等を行って、ビア導体96を形成するとともに、第2層の導体層92を形成する(図10参照)。この後、同様の手法により、第3層及び第4層(最表層)の樹脂絶縁層83,84の形成を行い、図4のセラミックコンデンサ内蔵配線基板71を完成させる。
そして、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。即ち、セラミックコンデンサ110における密着層41は、金属と無機物とが混在する層であるため、いわば金属と誘電体との中間的な性質(例えば中間的な収縮挙動、熱膨張係数など)を有している。よって、このような密着層41を第1ニッケル電極11と誘電体層21との界面に配置することにより、両者11,21間に作用する熱応力が実質的に小さくなる。このため、第1ニッケル電極11と誘電体層21との密着性が改善され、セラミックコンデンサ110の信頼性が高くなる。従って、高信頼性のセラミックコンデンサ内蔵配線基板71を得ることができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、信頼性に優れた上記構造のセラミックコンデンサ内蔵配線基板71を確実にかつ比較的容易に得ることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・例えば、上記各実施形態では、誘電体層21の上面側にある金属アンカー51からなる層を第2ニッケル電極31(金属電極)として用いていたが、その層の上にさらにニッケル層などの金属層を形成して第2ニッケル電極31としてもよい。あるいは、誘電体層21の上面側にある金属アンカー51からなる層をいったん剥離したうえで、ニッケル層などの金属層を形成し、これを第2ニッケル電極31としてもよい。勿論、ニッケル層に代わる金属層として、例えば、銅層、銀層、アルミニウム層等を形成しても構わない。
・上記第3実施形態では、セラミックコンデンサ110を第1層の樹脂絶縁層81と第2層の樹脂絶縁層82との界面に埋め込むようにして実装を行ったが、例えば、最表層の樹脂絶縁層84上にこれを実装するようにしてもよい。
・上記第3実施形態では、既にほぼ完成品となっているセラミックコンデンサ110を樹脂絶縁層上に実装する製造方法を例示しているが、以下のようにしてもよい。まず、第1主面117側にのみ金属電極を有し、第2主面118側に金属電極を有しない未完成のセラミックコンデンサ(いわばコンデンサ構成部品)を樹脂絶縁層上に実装する。実装完了後、上側を向いている第2主面118上に従来周知の手法(めっき、スパッタリング等)により金属層を形成し、その金属層をもう一方の金属電極として用いるようにする。
・また上記第3実施形態は、コア基板72の片面に、導体層と絶縁層とが交互に積層されてなるビルドアップ層が形成されているセラミックコンデンサ内蔵片面積層配線基板の例であるが、コア基板72の両面に、導体層と絶縁層とが交互に積層されてなるビルドアップ層が形成されているセラミックコンデンサ内蔵配線基板としてもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)金属電極と誘電体層とを備える電子部品において、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有し、前記密着層を構成する金属が、前記金属電極を構成する金属と実質的に同材料であることを特徴とする電子部品。
(2)金属電極と誘電体層とを備える電子部品において、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有し、前記密着層を構成する無機物の量が、5体積%以上80体積%以下であることを特徴とする電子部品。
(3)金属電極と誘電体層とを備える電子部品において、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有し、前記密着層を構成する無機物の量が、15体積%以上45体積%以下であることを特徴とする電子部品。
(4)金属電極と誘電体層とを備える電子部品において、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有し、前記密着層の厚さが、0.5μm以上であることを特徴とする電子部品。
(5)金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在して含有される密着層が配置された電子部品が、樹脂絶縁層内に埋め込まれていることを特徴とする電子部品内蔵配線基板。
(6)金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品が実装された電子部品付き配線基板の製造方法であって、前記金属電極となるべき金属層と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層との間に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用材料層を配置する材料層配置工程と、前記密着層形成用材料層を加熱して焼結させることにより、前記密着層を形成して電子部品を得る焼成工程と、前記電子部品を実装する実装工程と、を含むことを特徴とする電子部品付き配線基板の製造方法。
(7)金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品が、コア基板表面に位置する樹脂絶縁層に実装された電子部品付き配線基板の製造方法であって、前記金属電極となるべき金属層と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層との間に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用材料層を配置する材料層配置工程と、前記密着層形成用材料層を加熱して焼結させることにより、前記密着層を形成して電子部品を得る焼成工程と、前記電子部品を前記樹脂絶縁層に実装する実装工程と、を含むことを特徴とする電子部品付き配線基板の製造方法。
本発明を具体化した第1実施形態のセラミックコンデンサを示す概略断面図。 第1実施形態のセラミックコンデンサの製造方法を説明するための概略断面図。 第2実施形態のセラミックコンデンサの製造方法を説明するための概略断面図。 第3実施形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板の一部を示す概略断面図。 第3実施形態のセラミックコンデンサを示す概略断面図。 第3実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第3実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第3実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第3実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。 第3実施形態の製造方法を説明するための概略断面図。
符号の説明
10,110…電子部品としてのセラミックコンデンサ
11…金属電極としての第1ニッケル電極
12…金属層としての金属箔
21…誘電体層
22…未焼結誘電体層としての未焼結誘電体グリーンシート
31…金属電極としての第2ニッケル電極
41…密着層
42…密着層形成用材料層としての密着層形成用グリーンシート
51…金属アンカー
52…無機物アンカー
62…密着層形成用材料層としての密着層形成用ペースト層
71…電子部品付き配線基板としてのセラミックコンデンサ内蔵配線基板

Claims (8)

  1. 金属電極と誘電体層とを備える電子部品において、
    前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有することを特徴とする電子部品。
  2. 前記密着層は、前記金属電極側に連結する金属アンカーと、前記誘電体層側に連結する無機物アンカーとを有し、前記金属アンカー及び前記無機物アンカーは、互いに相手側の空隙に入り込んでいることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記密着層を構成する無機物は、前記誘電体層と実質的に同材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子部品を有する電子部品付き配線基板。
  5. 金属と誘電体との界面構造であって、
    前記金属側に連結する金属アンカーと、前記誘電体側に連結する無機物アンカーとを有し、前記金属アンカー及び前記無機物アンカーが互いに相手側の空隙に入り込んでいる密着層を、前記金属と前記誘電体との界面に有することを特徴とする、金属と誘電体との界面構造。
  6. 金属電極と誘電体層とを備え、前記金属電極と前記誘電体層との界面に、金属と無機物とが混在する密着層を有する電子部品の製造方法であって、
    前記金属電極となるべき金属層と、前記誘電体層となるべき未焼結誘電体層との間に、金属粉と無機物粉とを含有する密着層形成用材料層を配置する材料層配置工程と、
    前記密着層形成用材料層を加熱して焼結させることにより、前記密着層を形成する焼成工程と
    を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 前記密着層形成用材料層は、金属粉と無機物粉とを含有するグリーンシートであることを特徴とする請求項6に記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記密着層形成用材料層は、金属粉と無機物粉とを含有するペーストが塗布されたものであることを特徴とする請求項6に記載の電子部品の製造方法。
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