JPH06341028A - 特殊ポリエステルマルチフィラメント - Google Patents

特殊ポリエステルマルチフィラメント

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JPH06341028A
JPH06341028A JP5126980A JP12698093A JPH06341028A JP H06341028 A JPH06341028 A JP H06341028A JP 5126980 A JP5126980 A JP 5126980A JP 12698093 A JP12698093 A JP 12698093A JP H06341028 A JPH06341028 A JP H06341028A
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JP
Japan
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fiber
section
multifilament
flat cross
fineness
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JP5126980A
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Katsumi Baba
克己 馬場
Hiroshi Yoshida
宏 吉田
Shigeo Nagira
重雄 柳楽
Satoshi Shimizu
諭 清水
Takayoshi Fujita
隆嘉 藤田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏平横断面ポリエステル繊維が有するソフト
感を維持しつつ、偏平横断面ポリエステル繊維が有する
ベトツキ感をなくしてドライ感を付与し、グリッターを
なくして好ましいフルダル調の光沢感を付与した特殊マ
ルチフィラメントを提供する。 【構成】 微細孔形成剤を0.5〜5.0重量%含有す
る偏平横断面ポリエステルマルチフィラメントであって
繊維の長さ方向に、平均繊度に対して5%以上太く変化
する部分が100m区間に400回以下の頻度で発現
し、該繊維の沸水収縮率が20%以下であることを特徴
とする特殊ポリエステルマルチフィラメント

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用織編物用途等とし
て好ましい特殊ポリエステルマルチフィラメントに関
し、更に詳しくは、ソフトでドライな風合いと、フルダ
ル調の特殊な光沢を有するポリエステルマルチフィラメ
ントに関する。
【0002】
【従来の技術】偏平横断面ポリエステル繊維に関しては
数多くの提案がなされており、その力学的異方性がもた
らすソフトな風合いと、光沢感について記されている
が、織編物とした場合、特有のベトツキ感が発現するほ
か、グリッターと称される好ましくない強い光沢感が強
調されるものがあった。特有のベトツキ感を和らげ、さ
らっとした清涼感を与えるための工夫として、偏平横断
面ポリエステルのシックアンドシンヤーンが特開平2−
19510号公報に記されている。該公報の偏平横断面
ポリエステルシックアンドシンヤーンは、そのシックア
ンドシン効果により、ある程度ベトツキ感を和らげる効
果は見られるものの、好ましいドライ感は得られない。
また、グリッターを和らげ工夫はされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、偏平横断面ポリエステル繊維が有
するソフト感を維持しつつ、偏平横断面ポリエステル繊
維が有する欠点とも言えるベトツキ感を排除して好まし
いドライ感を付与し、グリッターを排除して好ましいフ
ルダル調の光沢感を付与した特殊マルチフィラメント糸
を提供するのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、微細孔形成剤を0.5〜5.0
重量%含有する偏平横断面ポリエステルマルチフィラメ
ントであって繊維の長さ方向に、平均繊度に対して5%
以上太く変化する部分が100m区間に50回以上、且
つ10%以上太く変化する部分が100m区間に400
回以下の頻度で発現し、該繊維の沸水収縮率が20%以
下であることを特徴とする特殊ポリエステルマルチフィ
ラメントである。本発明における偏平横断面とは、各々
のフィラメントが偏平横断面を有していることを言う。
図1、図2は、偏平横断面糸の横断面形状を説明するた
めの模式図である。フィラメントの重心Gを通過し、外
周上の2点を結ぶ線分中で最も長い線分を長軸L、最も
短い線分をSとすると、偏平度Aは A=L/S ・・・・・・(1) で表される。本発明で言う偏平横断面とは、式(1)の
A値が2.0以上であることをもって定義される。A値
が2.0未満の場合偏平横断面フィラメントの持つ力学
的異方性が薄れ、独特のソフト感が失われるため好まし
くない。好ましくはA値が3.0以上、より好ましくは
4.0以上である。本発明の特殊ポリエステルフィラメ
ントは、後述する微細孔形成剤含有の効果と、繊維軸方
向の繊度が大なる部分の存在効果により、ベトツキ感、
グリッターを排除し得るものであるから、A値が10.
0を超える場合にも好ましいドライ感と、フルダル調の
光沢感を有するが、溶融紡出時の冷却固化を容易にする
観点やフィラメントの強力等の観点からA値は10.0
程度以下としておくのが好ましい。
【0005】本発明でいうポリエステルとは、テレフタ
ル酸、またはそのエステル形成性誘導体を主たるジカル
ボン酸成分とし、エチレングリコール、1,4−ブタン
ジオールから選ばれるグリコール、またはそのエステル
形成性誘導体を主たるグリコール成分とするポリエステ
ルを対象とする。このジカルボン酸成分の一部をたとえ
ば5−スルホイソフタル酸のモノアルカリ金属塩、イソ
フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバ
チン酸、P−オキシ安息香酸等で置きかえても良く、ま
た前記グリコール成分の一部をジエチレングリコール、
1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン等の2価アル
コールで置きかえても良い。又、ポリエチレングリコー
ルのようなポリアルキレンオキサイド系の化合物を生成
ポリエステルに対し7重量%以下共重合させて、制電性
を付与しても良く、特にポリエステルに対して1〜10
重量%の割合で下記一般式で示されるグリコールを共重
合させることにより、易染性にするのが好ましい。 HO(Ck2kO)m R−O(Cl2lO)nH (上記式中Rは炭素原糸数4〜20の2価の脂肪族炭化
水素基、k,lは同一または異なる整数で、1≦(m+
n)≦10である。)また他のポリマーを少量ブレンド
して改質ポリエステルとしても良く、更に当業界周知の
着色防止剤、触媒等を適宜使用することができる。
【0006】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメ
ント糸は偏平横断面と微細孔形成剤の含有により、特殊
な光沢効果を有する。偏平横断面糸の光沢は、織編物と
して時の組織、織密度、糸条の撚数等の影響により好ま
しくないグリッターを呈する場合があるが、本発明の特
殊ポリエステルマルチフィラメントは、微細孔形成剤の
含有により、反射光と透過度が複雑に組み合わさり、偏
平横断面糸でありながらもグリッターを呈することなく
深みのある新規で独特のフルダル調の光沢を呈するもの
である。
【0007】本発明で使用される微細孔形成剤として
は、繊維を形成するポリマーの屈折率に対して±0.1
5の範囲内にあることが必要であり、かかる微細孔形成
剤を添加し繊維化された後のアルカリ減量処理により、
繊維表面に(イ)、最大幅の度数分布の最大値が0.7
μm以下であり、(ロ)長さ/最大幅の平均値が3以下
であり、(ハ)その数は繊維表面の100μ2当たり平
均30個以下存在し、かつ(ニ)その深さは、全体の6
0%以上が0.1μm以下の微細孔を形成し得ることが
好ましく、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等を用いる
ことができるが、特有の粒子色からカオリナイトを用い
ることがより好ましい。
【0008】特にポリエチレンテレフタレートは、繊維
横断面方向屈折率1.537、繊維軸方向屈折率1.7
25で屈折率1.56のカオリナイトを添加した時、織
編物を見る方向により、微妙な深みのある光沢が得られ
る。かかる微細孔形成剤の添加は、繊維化された後、糸
または織編物の状態でアルカリ減量処理することによ
り、繊維表面に微細孔を得ることができる。微細孔形成
により本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメント
は、偏平横断面糸でありながらも、ベトツキ感を排除
し、好ましいドライタッチを得ることができるものであ
る。微細孔形成剤の添加量は、0.5重量%未満ではグ
リッターを排除して好ましいフルダル調光沢効果を得る
ことができないので好ましくない。5.0重量%を越え
る場合には紡出延伸製糸工程での製糸性の低下や、フィ
ラメントの強力が低下するのが好ましくない。
【0009】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメ
ントは、繊維軸方向に繊度差を有することが必要であ
る。前述の微細孔形成と、繊維軸方向の繊度差との効果
が合わさり、偏平断面糸が有するベトツキ感を排除し、
好ましいドライ感を更に高めるものである。偏平横断面
糸のベトツキ感は触ったときの皮膚に接触する単位繊度
当たりの面積が大きく、その接触面に凹凸が少ない時に
生じると考えられるが、本発明の特殊ポリエステルマル
チフィラメントは、微細孔の形成により、繊維表面に微
細な凹部が発現し、ドライ感を向上させる。又、本発明
の特殊ポリエステルマルチフィラメントが有する繊維軸
方向の繊度差は繊維軸方向の収縮特性差を合わせ持ち、
染色加工時の熱処理により織編物中のフィラメントに嵩
高性を与えてベトツキ感を緩和させる。本発明の特殊ポ
リエステルマルチフィラメントが有する繊維軸方向の繊
度差は、繊度が大なる部分が繊維軸方向の繊度差は繊度
が大なる部分が繊維軸方向において特定の頻度で存在し
ていることが重要である。後述の測定法による5%以上
繊維が大なる部分が繊維軸方向に50ケ/100m以
上、より好ましくは80ケ/100m以上存在し、10
%以上繊度が大なる部分が繊維軸方向に400ケ/10
0mを超えて存在しないことが必要である。5%以上繊
度が大なる部分が50ケ/100m未満の場合、前述の
嵩高性発現が不十分となり、ベトツキ感の緩和効果が見
られなくなるので好ましくない。10%以上繊度が大な
る部分は、嵩高性発現の観点からは好ましいが強い杢調
外観を呈する他、染色加工時の強力低下が激しくなる部
分となり、400ケ/100m以下とせざるを得ない。
より好ましくは350ケ/100m以下である。
【0010】5%以上繊度が大なる部分の繊維軸方向の
頻度を多くして、10%以上繊度が大なる部分の繊維軸
方向の頻度を少なくする上で構成フィラメント間で、繊
度が大なる部分の位相をずらすことは有効であり、好ま
しい。
【0011】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメ
ント糸は染色後、前述の範囲の収縮特性差を伴う繊度が
大なる部分の存在により、かすかで、自然な斑感を発現
し得るものである。
【0012】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメ
ントは、後述の測定法による沸水収縮率が20%以下で
あることが必要である。沸水収縮率が20%を超える
と、撚糸後の撚止め熱セットにおいて、撚糸パッケージ
の内外層で熱セット斑を生じ、織編物を染色時、ストリ
ークの原因となるため撚止め熱セットを要しない無撚か
あるいは甘撚を掛けた状態でしか使用に耐えなくなり好
ましくない。又、染色加工後の風合い硬化が激しく好ま
しくない。より好ましくは3%以上15%以下である。
【0013】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメ
ントを構成するフィラメントの単繊維デニールは、力学
的異方性によるソフト感を得る上で、0.7デニール以
上が好ましく、より好ましくは1.0デニール以上であ
る。但し、あまりにも、単繊維デニールが大きくなり過
ぎると、偏平断面糸においても粗硬感が現れるので、
6.0デニール程度以下としておくのが好ましい。
【0014】次に、本発明の特殊ポリエステルマルチフ
ィラメントの製造方法は特定の方法に限定されるもので
はないが、その例について説明する。微細孔形成剤を含
有し、偏平横断面を有するポリエステルマルチフィラメ
ントは、例えば微細孔形成剤が繊維化された時点で0.
5〜5.0重量%含有する様に所定量の微細孔形成剤を
予めエチレングリコールに分散させた液を、ポリエステ
ル重合時に添加し、常法に従ってポリエステル重合体を
得る。得られたポリエステル重合体を紡糸機に供給し、
偏平横断面フィラメント形成用紡糸口金、例えば長方形
型や紡錘形型スリットを有する紡糸口金を用いて、溶融
紡糸し、吐出糸条を冷却固化せしめ、オイリングをして
未延伸糸を得る。未延伸糸は、引取速度が800m/m
in以上4500m/min以下のものが好ましい。得
られた未延伸糸は、その自然延伸比前後の比較的低延伸
倍率で延伸して、繊維軸方向に繊度差を有する糸条とす
るが如く、不均一延伸する。その際、延伸が実質的に完
了するローラーを加熱ローラーを加熱ローラーとし、適
宜熱処理することにより、沸水収縮率が20%以下とし
て、引き取り、巻き取れば良い。
【0015】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラメ
ントは、通常のポリエステルマルチフィラメントの製
織、製編方法を適用し得る。その際予め撚糸を施し、必
要に応じて撚止め熱セット、のり付け等を施しておくの
も好ましい。また、他の糸条と複合、混繊合撚されても
良い。染色加工時においても通常のポリエステルマルチ
フィラメント織編物同様に取扱うことができるが、アル
カリ減量処理して、繊維表面微細孔を形成させることが
ドライ感を向上させる観点から好ましい。その微細孔の
形は、繊維軸方向にたて長で、(イ)最大幅の度数、分
布の最大値が0.7μm以下、(ロ)長さ/最大幅の比
の平均値が3.0以下、(ハ)その数は繊維表面の10
0μm2当たり平均30個以下、かつ(ニ)その深さは
全体の60%以上が0.1μm以下となるようにするの
が好ましい。ここで微細孔の長さ(繊維軸方向の長さ)
および(繊維軸に直角な方向の長さ)は5000倍の倍
率の走査型顕微鏡側面写真より100個以上の微細孔の
測定値から求める。また微細孔の深さはアクリル系樹脂
で包埋した試料フィラメントを4μの厚さの多数の切片
に切断し、酢酸イソアルミで該切片からアクリル樹脂を
溶出した後、10000倍の倍率の電子顕微鏡写真より
隣接する凸間に接線を引き、該接線の凹部最低面との距
離を測定して100個以上の平均値として求める。
【0016】微細孔の最大値が0.7μmを超えると触
感に対する効果が半減し、特に深色にした場合白っぽく
見えるパステル調が強くなり過ぎる。微細孔の(長さ/
最大幅)の比の平均値が3より大きくなると繊維軸に直
角な方向から見た場合と繊維軸に平行な方向から見た場
合とにおいて光沢差が生じ経緯直交する織物にした場
合、光沢にイラツキが生じる。逆に(長さ/最大幅)の
比の平均値が3以下の場合イラツキが少なく品の良い光
沢になる。
【0017】また微細孔の数が繊維表面に100μm2
当たり30個を越える場合には光沢が白っぽくパステル
調が強くなり過ぎる。微細孔の深さが0.1μmを越え
るものが40%を越えると、光沢がくすみ、深みのある
輝き、光沢が失われる。又、微細孔の深さの最大値が
0.4μmを越えるものが存在すると、染色物のパステ
ル調が強調されるばかりか、フィラメントの強力が低下
するのでこの値が0.4μmを越えるものが実質的に存
在しない方が良い。
【0018】微細孔形成剤中で最も好ましいカオリナイ
トの粒子径は、遠心沈降法等で測定される等価球径の粒
度分布で表した球直径が1μm以上の粒子の総和が10
%以下である粒度分布を持つものが特に好ましい。1μ
m以上の粒子が10%を越えるとポリマー中の粗大粒子
が紡糸中フィルターにつまり、紡糸ノズルの背圧の上昇
率が高く、紡糸操業性が低下し好ましくない。そのため
1μm以上の粒子が10%を越えるカオリナイトを用い
る場合は遠心分離等で1μm以上の粗大粒子を極力分離
して使用する。微細孔を形成させるアルカリ減量処理の
条件は、例えば水酸化ナトリウム5〜100g/lの水
溶液中、浴比1:100、常温〜100℃で10〜10
0分間処理する。アルカリ処理はマルチフィラメントの
状態で行われても良く、製編織された後実施されても良
い。
【0019】
【実施例】以下実施例により、本発明を詳述する。尚、
本発明の評価に用いた特性の測定方法は次のとおりであ
る。
【0020】(繊度が大なる部分が繊維軸方向に発生す
る頻度の測定方法)ウースター、イーブネステスターを
測定器として使用する。マルチフィラメントのトータル
繊度により適宜使用するスリットを選択し、糸速200
m/minで30秒間、撚糸しながらノルマルテストに
て測定する。その際、0点を正確に合わせ、プラス側に
5%以上、10%以上繊度が大なる部分の発生頻度を調
べる。測定チャートを描かせて、その数を読んでてもか
まわないが、より好ましくは5%以上、10%以上繊度
が大なる部分の信号を受け取りカウントするデジタルカ
ウンターを設けるのが効率的である。測定を5回繰り返
し、5%以上および10%以上繊度が大なる部分の各々
5回の平均値をとり、測定データ〔個/100m〕とす
る。
【0021】(沸水収縮率の測定方法)適当な枠周のラ
ップリールで初荷重1/10g/デニールで8回巻のカ
セを取り、カセに1/30g/デニールの荷重をかけそ
の長さl0 〔mm〕を測定する。ついでその荷重をとり
除き、1/1000g/デニールの荷重をかけた状態で
カセを沸水中に30分間浸漬する。その後カセを沸水中
から取り出し、放冷後再び1/30g/デニールの荷重
をかけてその時の長さl1 〔mm〕を測定する。沸水収
縮率Zは次式により算出される。 Z〔%〕=l0 −l1 /l0 ×100
【0022】実施例1 カオリナイト(Engelhard社製ASP−07
2:粗粒子を遠心分離で10%除去、屈折率1.56、
平均粒子径0.3μm、1μm粒子6重量%(TiO2
が不純物としてカオリン中に1.5重量%含有))を
2.0重量%配合した。実質的にポリエチレンテレフタ
レート単体のみの繰り返しからなるポリエステル重合体
を長方形型スリットを有する24フィラメント紡糸ノズ
ルから溶融吐出し、冷却固化せしめ、引取速度2600
m/minで引き取り偏平度4.0の偏平横断面マルチ
フィラメント未延伸糸を得た。該マルチフィラメント未
延伸糸を延伸機上で、実質的に延伸を開始するローラー
の表面温度を70℃とし、100℃に加熱した50mm
の長さを有する摩擦抵抗体に接触させながら、延伸倍率
1.55倍、延伸速度650m/minで延伸し、実質
的に延伸が完了するローラーの表面温度を100℃とし
て引き取り、75デニール/24フィラメントのマルチ
フィラメント延伸糸を得た。該マルチフィラメント延伸
糸は、繊維軸方向に5%以上繊度が大なる部分を196
個/100m10%以上繊度が大なる部分を48個/1
00m有しており、沸水収縮率が8.0〔%〕であっ
た。この偏平横断面マルチフィラメントを経糸、緯糸に
使用し、平織にし、減量率15重量%のアルカリ減量処
理を施し、常法により染色加工を行って、経糸密度10
4本/インチ、緯糸密度96本/インチの仕上がり布帛
を得た。該仕上がり布帛は、ソフトで、適度なふくらみ
を有し、ドライタッタで、軽度で自然な杢調外観と、グ
リッターのない深みのある好ましいフルダル調の光沢を
有する極めて好ましいものであった。
【0023】比較例1 カオリナイトを配合しないこと以外は実施例1と同様に
して仕上がり布帛を得た。この仕上がり布帛は、強いグ
リッターが全面に見られるほか、偏平糸のもつベトツキ
感が排除できないもので好ましくなかった。
【0024】比較例2 カオリナイトを8.0重量%配合して溶融紡糸を行った
が、紡糸時の糸切れが多く発生し、延伸後の強力が低く
好ましくなかった。
【0025】比較例3 延伸工程において、実質的に延伸が開始するローラーの
表面温度を80℃とし、延伸倍率を1.75倍とした他
は、実施例1と同様の工程で偏平横断面マルチフィラメ
ントを得た。この偏平横断面マルチフィラメントは、繊
維軸方向に5%以上繊度が大なる部分が、16個/10
0mしかなく、嵩高性に乏しい仕上がり布帛となりベト
ツキ感を排除しきれないものであった。
【0026】比較例4 延伸工程において、延伸倍率1.20倍とした他は、実
施例1と同様の工程で偏平横断面マルチフィラメントを
得た。この偏平横断面マルチフィラメントの繊維軸方向
に10%以上繊度が大なる部分が490個/100m有
しており、強度は十分と言えず、仕上がり布帛に好まし
くない強い杢調外観があり、布帛強力も十分ではなかっ
た。
【0027】比較例5 延伸工程において、実質的に延伸が完了するローラーの
表面温度を室温状態とした他は実施例1と同様にして偏
平横断面マルチフィラメントを得た。該偏平横断面マル
チフィラメントは、沸水収縮率が52.0%であった。
仕上がり布帛は、染色加工後の風合い硬化が激しく好ま
しくなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の特殊ポリエステルマルチフィラ
メントは、従来の偏平横断面マルチフィラメントが有し
ている力学的異方性によるソフト感を生かしながら、微
細孔形成剤の含有、繊維軸方向の繊度差により、従来の
偏平横断面マルチフィラメントの持つグリッター、ベト
ツキ感を排除して、好ましい深みのあるフルダル調の光
沢と好ましいドライ感、ふくらみ感を付与した。又、特
定の沸水収縮率にすることにより染色加工時の風合い硬
化もなく、用途の限定も少ない。本発明の特殊ポリエス
テルマルチフィラメントは、婦人物薄地衣料から、紳士
物厚地衣料まで、あらゆる用途に使用し得る極めて新規
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様でありフィラメントの横断
面形状を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施態様でありフィラメントの横断
面形状を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 306 B 7199−3B D03D 15/00 B 7199−3B (72)発明者 清水 諭 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内 (72)発明者 藤田 隆嘉 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細孔形成剤を0.5〜5.0重量%含
    有する偏平横断面ポリエステルマルチフィラメントであ
    って繊維の長さ方向に、平均繊度に対して5%以上太く
    変化する部分が100m区間に50回以上、且つ10%
    以上太く変化する部分が100m区間に400回以下の
    頻度で発現し、該繊維の沸水収縮率が20%以下である
    ことを特徴とする特殊ポリエステルマルチフィラメン
    ト。
JP5126980A 1993-05-28 1993-05-28 特殊ポリエステルマルチフィラメント Pending JPH06341028A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108581A1 (en) * 2007-03-05 2008-09-12 Kolon Industries, Inc. Polyester fiber, and fabric comprising the same

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WO2008108581A1 (en) * 2007-03-05 2008-09-12 Kolon Industries, Inc. Polyester fiber, and fabric comprising the same
JP2010520384A (ja) * 2007-03-05 2010-06-10 コーロン インダストリーズ,インコーポレイテッド ポリエステル原糸及びこれを含む織物

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