JPH06272123A - ポリエステル系フイラメント加工糸及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル系フイラメント加工糸及びその製造法

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JPH06272123A
JPH06272123A JP5576393A JP5576393A JPH06272123A JP H06272123 A JPH06272123 A JP H06272123A JP 5576393 A JP5576393 A JP 5576393A JP 5576393 A JP5576393 A JP 5576393A JP H06272123 A JPH06272123 A JP H06272123A
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JP
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polyester filament
yarn
filament
false
polyester
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JP5576393A
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English (en)
Inventor
Shiyouzou Toriyou
正蔵 十良
Kazumi Takagi
和美 高木
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイルドな深みのある光沢と、ドライな触
感、曲げ弾発性にすぐれ、軽量に富んだポリエステル系
フイラメント加工糸、及びその製造法を提供する。 【構成】 等価単糸繊度が1.3デニール以上で、面積
比率5〜30%の中空率を有するポリエステル系フイラ
メントからなる仮撚加工糸であって、偏平中空で繊維表
面に繊維軸方向に微細孔を有するポリエステル系フイラ
メント加工糸、及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絹様のポリエステル系
フイラメント加工糸、更に詳しくはマイルドな深みのあ
る光沢とドライな触感、曲げ弾発性にすぐれ且つ軽さを
兼ね備えたポリエステル系フイラメント加工糸及びその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】絹様のポリエステルフイラメントとし
て、異収縮混繊糸があげられるが、さらに異収縮混繊糸
にポリエステルの屈折率に近い添加剤を入れ、繊維表面
を改良して触感、光沢効果、弾発性を図るものが提案さ
れている(特公昭44−18933号公報)。しかしな
がら、これら従来法によるフイラメントは、触感、光沢
効果、弾発性のすべてを満足するものでない。他方、触
感や深色性を改善する目的で繊維表面に微細な凹凸を多
数付与したフイラメントも提案されているが(特開昭5
4−120728号公報)、これは、触感や深色効果を
満足するものの、光沢についてはくすんだ光沢であり不
満足なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来方
法によるフイラメントが、触感、光沢効果、弾発特性の
うち1〜2の特性を満足しうるものの、すべての特性を
同時に満足するものでなかったことに鑑み、編織物とな
した時点で新規な光沢効果とドライな触感、曲げ弾発性
にすぐれ且つ軽量感をすべて兼ね備えたポリエステル系
フイラメント加工糸、及びその製造法を提供することを
課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次の手段をとるものである。すなわち、
本発明は、等価単糸繊度が1.3デニール以上で、面積
比率で5〜30%の中空部を有するポリエステル系フイ
ラメントからなる仮撚加工糸であって、該フイラメント
の横断面が偏平中空であり、繊維表面に繊維軸方向に微
細孔を有することを特徴とするポリエステル系フイラメ
ント加工糸、及び、等価単糸繊度が1.3デニール以上
で面積比率で5〜30%の中空部を有し、且つ0.5〜
5.0重量%の微細孔形成剤を含むポリエステル系フイ
ラメントからなるマルチフィラメント糸を仮撚の撚係数
26000〜39000、仮撚テンションT1 :0.2
〜0.7g/d、仮撚テンションT2 :0.4〜1.2
g/d、セット温度130〜180℃で仮撚加工し、つ
いでアルカリ減量加工することを特徴とするポリエステ
ル系フイラメント加工糸の製造法である。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、ポリエステル系フイラメントとは、0.1重量
%以下の艶消剤を全く含まないか、または含むときにも
含有量が0.1重量%以下であることを意味する。0.
1重量%以下にするのは、くすみを防止し、深みのある
光沢を出すためである。艶消剤としては、例えば酸化チ
タンで代表されるような高屈折率(特に屈折率2以上)
のものを意味する。
【0006】次に、ポリエステル系フイラメントにおけ
るポリエステル系とは、テレフタル酸、またはそのエス
テル形成性誘導体を主たるジカルボン酸成分とし、エチ
レングリコール、1・4−ブタンジオールから選ばれる
グリコール、またはそのエステル形成性誘導体を主たる
グリコール成分とするポリエステルを対象とする。
【0007】さらに、前記ポリエステル系フイラメント
は、面積比率で5〜30%の中空部を有しなければなら
ない。中空部が5%未満になると深みのある光沢は得ら
れるものの、曲げ弾発性からくる風合は満足されなくな
る。他方、30%をこえると中空部形成が困難になりや
すくフイラメントの強度が低下したり、ストリークが発
生しやすくなり、商品として満足されない。
【0008】なお、中空部の面積比率(%)は、フイラ
メントの全横断面積に対する中空部の断面積の比を百分
率で表わしたものをいい、10コの平均値であらわす。
【0009】また、フイラメントの表面には、繊維軸方
向にたて長の微細孔が存在していなければならない。こ
れは、マイルドな深味のある品の良い光沢を出すためで
ある。さらに詳しく述べると、微細孔の最大幅の度数分
布の最大値が0.7μm以下であり、長さ/最大幅の比
の平均値が3以下であり、その数は繊維表面の100μ
2 当り平均30個以下存在し、その深さは全体の60
%以上が0.1μm以下となるものが好ましい。
【0010】微細孔の長さ(繊維軸方向の長さ)および
幅(繊維軸に直角な方向の長さ)は5000倍の倍率の
走査型電子顕微鏡側面写真より100コ以上の微細孔の
測定値から求める。また、微細孔の深さはアクリル系樹
脂で包埋した試料フイラメント4μの厚さの多数の切片
に切断した酢酸イソアルミで該切片からアクリル系樹脂
を溶出した後、10000倍の倍率の電子顕微鏡写真よ
り隣接する凸間に接線を引き該接線と凹部最低面との距
離を測定して100個以上の平均値として求める。
【0011】微細孔の最大幅の度数分布の最大値が0.
7μmをこえると触感に対する効果が半減し、特に深色
にしたときに白っぽく見えるパステル調が強くなりすぎ
て好ましくない。微細孔については、長さ/最大幅の比
の平均値が3より大きくなると光沢にイラツキが生じ好
ましくない。また、微細孔の数が繊維表面に100μm
2 当り平均30個をこえると光沢が白っぽくパステル調
がつよくなりすぎて好ましくない。10〜30個が好ま
しい。さらに、0.1μm以下の深さのものが全体の6
0%未満になると、光沢がくすみ、深みのある輝き、光
沢が失なわれ好ましくない。
【0012】さらに、前記ポリエステル系フイラメント
は仮撚加工されて偏平中空でなければならない。偏平中
空であるとは、反射光と透過光との組合せを複雑にして
マイルドな深みのある新規な光沢効果を出すためであ
る。
【0013】また、等価単糸繊度が1.3デニール以上
であることは、曲げ弾発性を出すためである。好ましく
は、1.3〜3.0デニールである。
【0014】ここに、等価単糸繊度は、糸の見掛けの繊
度をいい、電子顕微鏡によるフイラメントの全横面積を
あらわし、測定法は電子顕微鏡写真(500倍)による
フイラメントの全横断面積を測定し、倍率修正したもの
で10ケの平均値であらわす。
【0015】次に、製造法について説明する。まず、等
価単糸繊度が1.3デニール以上で、中空部が面積比率
で5〜30%、微細孔形成剤0.5〜5.0重量%を含
むポリエステル系フイラメントからなるマルチフィラメ
ント糸を準備する。すなわち、カオリナイト、炭酸カル
シウム、メタカオリナイト等の微細孔形成剤が繊維化さ
れた時点で0.5〜5.0重量%含有するように所定量
の微細孔形成剤を予めエチレングリコールに分酸させた
液をポリエステル重合時に添加し、常法に従ってポリエ
ステル重合体を得、ついで紡糸機に供給し、中空糸形成
用紡糸口金を用いて溶融紡出し、吐出糸条を冷却固化せ
しめ、所定の処理を行ないながら未延伸糸を作り、さら
に所定倍率で延伸する。
【0016】その後、前記延伸糸を仮撚数(撚係数26
000〜39000)、仮撚テンション0.2〜0.7
g/d(加撚域)、0.4〜1.2g/d(解撚域)、
セット温度130〜180℃で仮撚加工する。撚係数が
26000未満で、仮撚テンションが0.2g/d未
満、0.4g/d未満になると、フイラメント横断面形
状の偏平度が低く、繊維表面に繊維軸方向に微細孔が出
にくくなって好ましくない。他方、撚係数が39000
をこえ、仮撚テンションが0.7g/d、1.2g/d
をこえると、仮撚加工での糸切れが発生し操業性不良と
なり、好ましくない。
【0017】また、セット温度が180℃をこえると、
光沢がなくなり、編織物にしたときにかさ高くふかつい
た風合になり、好ましくない。セット温度が130℃未
満になると、中空の扁平度が保ちにくくドライ性が低く
なり、好ましくない。
【0018】さらに、前記の仮撚糸を用いて布帛にした
後、アルカリ減量加工を行なう。例えば、水酸化ナトリ
ウム5〜100g/lの水溶液中で浴比1:100、常
温〜100℃で10〜100分間処理することがあげら
れる。
【0019】
【実施例】
実施例1〜2 75d/36f、中空率5%、20%、等価単糸繊度
2.2d/f、酸化チタン0.03重量%、カオリナイ
ト2.0重量%を含むポリエステルマルチフィラメント
糸を表1の仮撚条件で仮撚加工し、得られた仮撚加工糸
を緯糸に、ポリエステルマルチフィラメント糸50d/
24fを経糸に、夫々用いて通常の方法で染色、セット
を行ない、経糸密度213本/in.,緯糸密度80本
/in.の仕上り布帛とした。
【0020】仕上りの布帛の評価として経験豊かな10
名の判定者により官能的に、触感、弾発性、光沢、綜合
評価を評価して表1に示した。また、中空率を変化させ
た場合の比較例1、2、3も同じように測定して表1に
あらわした。
【0021】
【表1】
【0022】表1で、触感についてドライなタッチが◎
は、良いを示し、○は普通を示し、×は悪いを示す。弾
発性について曲げ弾発性が◎は、良いを示し、○は普通
を示し、×は悪いを示す。光沢について○は普通を示
し、△はやや悪いを、×は悪いを示す。綜合評価につい
ては、◎は良いを、◎〜○はやや良いを、○は普通を、
×は悪いを示す。偏平度は、製品のフイラメント糸の横
断面の状況で判断し、◎は偏平度大きい、△は偏平度小
さい、×は偏平度なしを示す。偏平度は、好ましくはヨ
コ/タテの比率が1.1以上、さらに1.3以上が好ま
しい。
【0023】実施例1、2は仕上り後の織物の評価は全
て良かった。比較例1は中空率が低く、中空部の偏平度
が悪く触感、弾発性も悪く、光沢は良いものの合繊特有
の光沢となりマイルドなものが得られない。比較例2、
3は中空率が高く触感は良いものの弾発性及び光沢が悪
く、また、強力が低く商品として満足を得られない。
【0024】
【発明の効果】本発明のポリエステル系フイラメント加
工糸は、マイルドな深みのある光沢を示し、ドライな触
感、曲げ、弾発性にすぐれ、軽量に富んだものであり、
また、本発明方法によれば叙上の加工糸が安定して確実
に得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/22 D06M 11/38 // D06M 101:32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等価単糸繊度が1.3デニール以上で、
    面積比率で5〜30%の中空率を有するポリエステル系
    フイラメントからなる仮撚加工糸であって、該フイラメ
    ントの横断面が偏平空中であり、繊維表面に繊維軸方向
    に微細孔を有することを特徴とするポリエステル系フイ
    ラメント加工糸。
  2. 【請求項2】 等価単糸繊度が1.3デニール以上で、
    面積比率で5〜30%の中空部を有し、且つ0.5〜
    5.0重量%の微細孔形成剤を含むポリエステル系フイ
    ラメントからなるマルチフィラメント糸を仮撚の撚係数
    26000〜39000、仮撚テンションT1 :0.2
    〜0.7g/d、仮撚テンションT2 :0.4〜1.2
    g/d、セット温度130〜180℃で仮撚加工し、つ
    いでアルカリ減量加工することを特徴とするポリエステ
    ル系フイラメント加工糸の製造法。
JP5576393A 1993-03-16 1993-03-16 ポリエステル系フイラメント加工糸及びその製造法 Pending JPH06272123A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006027826A1 (ja) * 2004-09-07 2006-03-16 Yusuke Hirota 改良された繊維材料及びその改良方法
KR20180043235A (ko) * 2018-04-20 2018-04-27 도레이첨단소재 주식회사 중공 가연사의 제조방법

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