JP2581162B2 - ポリエステル系フィラメント糸 - Google Patents

ポリエステル系フィラメント糸

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、絹様のポリエステル系フィラメント糸に関
し、更に詳しくは、特殊な光沢(パール調に上品でにぶ
く深みのある輝きを有する)とドライな触感、曲げ弾発
性にすぐれかつ軽いことを兼ね備えたポリエステル系フ
ィラメント糸に関する。
(従来の技術) 絹様のポリエステルフィラメントを得る手段として異
収縮混繊糸が有効であり、また特公昭44−18933号公報
に見られる様に、異収縮混繊糸に加えポリエステルの屈
折率に近い添加剤を入れ、繊維表面を改良して、触感、
光沢効果、弾発性の改善を計る方法が提案されている
が、これら従来法では触感、光沢効果、弾発性のすべて
を満足するものは得られない。また触感や深色性を改善
する目的で繊維表面に微細な凹凸を多数付与する方法が
特開昭54−120728号公報で提案されており、触感や深色
効果は認められるが、どちらかといえばくすんだ光沢と
なる。
また特開昭59−228014号公報では繊維表面微細孔形成
剤として、カオリナイトをポリエステルに添加し、フィ
ラメント糸編織物をアルカリ減量処理を施し、繊維表面
を改良し、絹様の光沢と曲げ回復能、及び触感を改良す
る方法が提案されているが、触感、光沢効果、弾発性の
点をすべて満足するものではない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来方法によれば触感、光沢効果、弾
発特性のうち1〜2特性を満足し得るものが得られるも
のの、すべての特性を同時に満足するものを得ることが
出来なかった点を解決し、編織物となした時点で新規な
光沢効果とドライな触感、曲げ弾発性にすぐれ且つ、軽
量感をすべて兼ね備えたポリエステル系フィラメント糸
を提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 即ち、本発明は、 (1) アルカリ減量処理により、繊維表面に繊維軸方
向にたて長の微細孔を有し、該微細孔は、(イ)最大幅
の度数分布の最大値が0.7μm以下であり、(ロ)長さ
/最大幅の平均値が3以下であり、(ハ)その数は繊維
表面の100μm2当り平均30個以下存在し、かつ(ニ)そ
の深さは、全体の60%以上が0.1μm以下であるポリエ
ステル系フィラメント糸であり、0.1重量%以下の艶消
剤を含んでおり、フィラメント横断面形状が中空率5〜
30%の中空横断面であり、且つ、カオリナイトを0.5〜
5.0重量%含有していることを特徴とするポリエステル
系フィラメント糸である。
本発明でいうポリエステル系とは、テレフタル酸、ま
たはそのエステル形成性誘導体を主たるジカルボン酸成
分とし、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールか
ら選ばれるグリコール、またはそのエステル形成性誘導
体を主たるグリコール成分とするポリエステルを対象と
する。
このジカルボン酸成分の一部をたとえ5−スルホイソ
フタル酸のモノアルカリ金属塩、イソフタル酸、ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、P−オキ
シ安息香酸等で置きかえてもよく、また前記グリコール
成分の一部をジエチレングリコール、1,4−ヒドロキシ
メチルシクロヘキサン等の2価アルコールで置きかえて
もよい。
又、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレン
オキサイド系の化合物を生成ポリエステルに対し7重量
%以下共重合させて、制電性を付与してもよく、特にポ
リエステルに対して1〜10重量%の割合で下記一般式で
示されるグリコールを共重合させることにより、易染性
にするのが好ましい。
HO(CkH2kO)mR−O(ClH2lO)nH (上式中Rは炭素原子数4〜20の2価の脂肪族炭化水
素、K、lは同一または異なる2〜4の整数、m、nは
同一または異なる整数で、1≦(m+n)≦10であ
る)。
また他のポリマーを少量ブレンドして改善ポリエステ
ルとしてもよく、更に当業界周知の着色防止剤、触媒、
等を適宜使用することができる。
本発明のフィラメント糸における0.1重量%以下の艶
消剤を含むポリエステル系フィラメント糸とは、艶消剤
を全く含まないか、または含む場合その含有量が0.1重
量%以下であることを意味する。また艶消剤としては例
えば酸化チタンで代表されるような高屈折率(特に屈折
率2以上)のものを指す。艶消剤の存在は後述する光沢
効果の面で重要であり、0.1重量%を越えて含んでいる
場合は、単にくすみを生じるので、深みのある光沢が得
られなくなる。
本発明のフィラメント糸の構成において、フィラメン
ト横断面形状が中空率5〜30%の中空横断面であること
と微細孔形成剤を0.5〜5.0重量%含有していることの組
合せ要件が以下の如く本発明の課題を達成する上で特に
重要である。
本発明のフィラメント糸の構成要件であるフィラメン
ト横断面が中空率5%以下30%以下の中空横断面であ
り、かつ微細孔形成剤を0.5〜5.0重量%含むことの組合
せによれば中空部及びポリエステル中内部粒子により、
反射光と透過光が複雑に組み合わさり深みのある新規な
光沢効果を得ることができる。
ここで言う光沢効果とは、主として材質感によるもの
で、艶、イラツキ、ギラツキを評価するものである。
ここで言う新規な光沢効果とは、パール調に上品でに
ぶく、深みのある輝きを有することであり、ギラツキと
は表面(平面)的な単にギラギラした光沢であり、イラ
ツキとは織物としたときの光沢が平面的に見て不均一で
あり杢調に近い光沢を言うものである。
本発明のフィラメント糸は、中空断面にすることによ
り繊維の曲げ特性が変わると考えられるが、曲げ弾発性
にすぐれたものが得られ、かつ、中空断面により、同一
デニールの中空部のない断面のものよりバルキーにな
る。これは逆に、断面の外形状合わせの中空部のないも
のより中空断面の方が同じバルキーさでも編織物が軽く
なることを意味する。
本発明のフィラメント糸に規定する微細孔形成剤とし
ては、繊維を形成するポリマーの屈折率に対して±0.15
の範囲内にあることが必須であり、かかる微細孔形成剤
を添加し繊維化された後のアルカリ減量処理により、繊
維表面に(イ)最大幅の度数分布の最大値が0.7μm以
下であり、(ロ)長さ/最大幅の平均値が3以下であ
り、(ハ)その数は繊維表面の100μm2当り平均30個以
下存在し、かつ(ニ)その深さは、全体の60%以上が0.
1μm以下の微細孔を形成し得ることが必要であり、タ
ルク、シリカ、炭酸カルシウム等を用いることができる
が、特有の粒子色からカオリナイトを用いることがより
好ましい。
特にポリエチレンテレフタレートは、繊維断面方向屈
折率1.537繊維軸方向屈折率1.725で屈折率1.56のカオリ
ナイト添加した時編織物を見る方向により、微妙な深み
のある光沢が得られる。
本発明のフィラメント糸に規定する上記微細孔形成剤
の添加量において、添加量が0.5重量%未満では深みの
ある染色性能が得られず通常のブライト糸と呼ばれるも
のと同様ギラツキの強いものになる。5.0重量%を越え
る場合は紡糸延伸工程での製糸性の低下や、フィラメン
ト糸の強力が低下し好ましくない。
かかる微細孔形成剤の添加は、繊維化された後、アル
カリ減量処理により繊維表面に微細孔を得ることがで
き、微細孔形成剤としての働きも有する。
本発明のフィラメント糸の深みのある新規な光沢と、
曲げ弾発生、及び軽さは、中空部の存在と、微細孔形成
剤であるカオリン、もしくはメタカオリン等内部粒子の
存在を同時に満足することが必要である。
この場合でも中空率は5%以上30%以下とし、微細孔
形成剤であるカオリナイトを0.5〜5.0重量%とすること
が必要である。
ここでいう、中空率は、フィラメント横断面で断面外
周長を(l1)、内周長を(l2)とした時(l2/l1×1
00(%) で表示される数値をもって中空率という。
中空率が30%を越えると、紡糸延伸が不均一になり易
く、バーストしたり、中空部形成さ困難になるとともに
フィラメントの強度(引張強度)が低下したり、ストリ
ークが発生し易くなり、工業的には、満足しうるもので
はない。
フィラメント横断面、外周形状は丸断面でも多葉断面
等いずれの場合にも適用可能である。
中空率が5%未満では深みのある光沢は得られるが曲
げ弾発性から来る風合いが満足しうるものではない。
本発明のフィラメント糸をアルカリ減量処理すること
によって発現する繊維表面微細孔は、繊維軸方向にたて
長であり(イ)最大幅の数度分布の最大値が0.7μm以
下であり、(ロ)長さ/最大幅の比の平均値が3以下で
あり、(ハ)その数は繊維表面の100μm2当り平均30個
以下存在し、かつ(ニ)その深さは全体の60%以上が0.
1μm以下となる。
該微細孔の長さ(繊維軸方向の長さ)および幅(繊維
軸に直角な方向の長さ)は5000倍の倍率の走査型電子顕
微鏡側面写真より100コ以上の微細孔の測定値から求め
る。また微細孔の深さはアクリル系樹脂で包理した試料
フィラメント4μの厚さの多数の切片に切断し酢酸イソ
アルミで該切片からアクリル系樹脂を溶出した後、1000
倍の倍率の電子顕微鏡写真より隣接する凸間に接線を引
き該接線と凹部最低面との距離を測定して100個以上の
平均値として求める。
かかる方法で微細孔の大きさを測定した場合に、前記
(イ),(ロ),(ハ)および(ニ)の4要件を満足す
る微細孔が存在することが本発明のフィラメント糸の微
細孔の特徴である。
かかる微細孔の最大幅に関しては0.7μm以下にその
度数最大値が存在する。望ましくは0.2〜0.7μmの範囲
に存在することが望ましい。
この最大値が0.7μmを越えると触感に対する効果が
半減し、特に深色した場合白っぽく見えるパステル調が
つよくなりすぎる。
微細孔の(長さ/最大幅)の比の平均値が3より大き
くなると繊維軸に直角な方向から見た場合と繊維軸に平
行の方向から見た場合、光沢差が生じ経緯直交する織物
にした場合、光沢にイラツキが生じる。逆に(長さ/最
大幅)の比の平均値が3以下の場合イラツキが少なく品
の良い光沢になる。
また微細孔の数が繊維表面に100μm2当り平均30個以
下であることが必要であり、好ましくは10〜30個の範囲
がより好ましい。30個を越える場合は光沢が白っぽくパ
ステル調がつよくなりすぎる。微細孔の深さが0.1μm
を越えるものが全体の40%を越えると、光沢がくすみ、
深みのある輝き、光沢が失われる。
なお、微細孔の深さの最大値が0.4μmを越えるもの
が存在すると、染色物のパステル調が強調されるばかり
か、フィラメント糸の強力が低下し、編織物の実用性能
が低下するので、この値が、0.4μmを越えるものが実
質的に存在しない方がよい。
カオリナイトの粒子径は延伸沈降法等で測定される等
価球径の粒度分布で表わした球直径が1μm以上の粒子
の総和が10%以下である粒径分布を持つものか特に好ま
しい。1μmの粒子が10%を越えるとポリマー中の粗大
粒子が紡糸中フィルターにつまり、紡糸ノズルの背圧の
上昇率が高く、紡糸操業効率が低下し好ましくない。そ
のため1μm以上の粒子が10%を越えるカオリナイトを
用いる場合は遠心分離等で1mm以上の粗大粒子を極力分
離して使用する。
また、本発明のフィラメント糸は単糸デニール0.5〜
2.5デニールであることが好ましく、0.5デニールである
ことがより好ましく0.5デニール未満では曲げ弾発性に
おいて、効果が認められず、2.5デニールを越えると粗
硬な風合いになる。
本発明の第1発明であるポリエステル系フィラメント
糸は、例えば微細孔形成剤が繊維化された時点で0.5〜
5.0重量%含有するように所定量の微細孔形成剤を予め
エチレングリコールに分散させた液をポリエステル重合
時に添加し、常法に従ってポリエステル重合体を得る。
得られたポリエステル重合体を紡糸機に供給し、中空糸
形成用紡糸口金、例えばC字型スリットを有する紡糸口
金を用いて、溶融紡糸し、吐出糸条を冷却固化せしめ、
オイリングをして未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を
該未延伸糸の破断伸度の20〜40%の範囲で延伸すること
により得られる。
本発明の第2発明であるポリエステル系フィラメント
糸は、例えば前記の如くして得られた第1発明のポリエ
ステルフィラメント糸をアルカリ減量処理することによ
り得られる。アルカリ減量処理の条件は、たとえば、水
酸化ナトリウム5〜100g/の水溶液中、溶比1:100、常
温〜100℃で10〜100分間処理する。
(実施例) 以下実施例にて詳細に説明するが本発明はもとよりこ
れらの実施例に限定されるものではない。
(実施例−1,2、比較例−1,2,3) カオリナイト(Engelhard社製ASP−072:粗粒子を遠心
分離で10%除去、屈折率1.56、平均粒子径0.3μm、1
μm粒子6重量%(TiO2が不純物としてカオリン中に1.
5重量%含有))を2重量%配合した、実質的にエチレ
ンテレフタレート単体のみの繰り返しからなるポリエス
テル重合体を紡糸速度1500m/minで種々のC型形状の紡
糸ノズルおよび円形状の紡糸ノズルを使用し、かつポリ
エステル重合体、吐出量を使用し、単糸フィラメント外
周長が通常中実糸75デニール/36フィラメントの単糸フ
ィラメント外周長が一致する様に紡糸、延伸を常法によ
り行い、第1表に示すデニールの36フィラメントのポリ
エチレンテレフタレートフィラメント糸を得た。
このフィラメント糸を経糸、緯糸に使用し平織にし、
通常の方法で染色、セットを行い、経糸密度160本/in、
緯糸密度88本/inの仕上がり布帛とした。仕上りの布帛
の評価として、経験豊かな10名の判定者により、官能的
に触感、弾発性、色相を、判定した。また、該布帛より
抜き出した糸をテンシロンにて糸強力を、織物目付とし
て該布帛1m2の重量を測定した。
以上の評価結果も合わせて第1表に示す。
実施例−1,2は本発明のものであり、弾発性、色相、
光沢にすぐれ、かつ織物も軽いものであった。
比較例−1,2,3は、フィラメント横断面中空率が本発
明外であり、比較例−1は、該中空率が低く弾発性、色
相光沢特性が満足するものではなく、比較例−2は、該
中空率が高く中空部が形成が不安定となり、イラツキが
生じ、かつ、糸強力も低くなる。比較例−3は中実断面
糸であり、弾発性に欠け、色相、光沢もギラツキのため
満足するものではなかった。
(比較例−4) カオリナイトを全く含まず、酸化チタンを0.6重量%
含む、実質的にポリエチレンテレフタレート単体のみの
繰り返しからなるポリエステル重量体を使用する以外は
すべて実施例−1と同様にしてフィラメント糸を得て、
織物にして評価を行なった。結果を第1表に示す。
この例のフィラメントはカオリナイトを含まないた
め、触感、光沢において満足しうるものではなかった。
(比較例−5) 実施例−1に対してカオリナイトを6重量%に配合し
たポリエステル重合体を使用する以外はすべて実施例−
1と同様にしてフィラメントを得て、織物評価を行なっ
た。
この場合、紡糸延伸工程の安定性に欠け、毛羽、糸切
れのための布帛の作成まで到らなかった。
(実施例−3,4、比較例−6) 実施例−1の61.5デニール36フィラメント酸化チタン
含有量0.03%、カオリナイト含有量2.0%、フィラメン
ト横断面中空率18%のフィラメント糸を、たて糸、よこ
糸に用いて平織にし、通常の精錬後、180℃で仮セット
し、50g/のNaOH水溶液で90℃温度下で第2表に示す減
量率となるような処理時間でアルカリ減量処理後、160
℃で最終セットして仕上り布帛とした。
該布帛をカーボンと金で蒸着後、走査型の電子顕微鏡
にて5000倍の糸側面の写真を撮り、微細孔の最大幅、長
さおよび数を計測した。また布帛中の原糸を取り出し、
アクリル樹脂に包理後、4μm厚さの数枚の小片に切断
後、酢酸イソアミルにてアクリル樹脂を溶出し、同上手
法で電子顕微鏡にて10000倍の写真を得、更にその写真
をプロジェクターで10倍に拡大して微細孔の深さを測定
した。
また実施例−1,2と同様に触感、弾発性、光沢を判定
した。
また、最終セット前の布帛を三菱化成工業社のDianix
Green3G−Eを2%owf用いて、130℃で45分間染色し、
還元洗條後、乾燥して、160℃で最終セットした布帛で
色相を判定した。
本布帛から抜き出した糸をテシロンにて糸強力を測定
した。
上記判定及び測定結果を第2表に示した。
実施例−3,4は本発明のものであり、触感、弾発性、
色相、光沢に非常にすぐれたものであった。
比較例−6は繊維表面微細孔が本発明外であり、微細
孔の数、最大幅、深さ0.1μm以上の割合いが高く、特
に色相がパステル調が強くなり、光沢もクスミが強く、
かつ糸強力も低下し満足しうるものではなかった。
(比較例−7) 比較例−3のフィラメント糸を用いて実施例−3と同
様に減量処理最終セットを行い、仕上り布とし、微細孔
の測定と、触感、弾発性、色相、光沢を判定した。結果
を第3表に示す。
(比較例−8) 実施例−1のポリエステル重合体を用いて紡糸孔数36
のY字型スリット孔を有する紡糸ノズルを用い、紡糸速
度1500m/minで紡糸し常法により延伸を行い、75デニー
ル36フィラメントの三葉断面延伸フィラメント糸を得
た。
該フィラメント糸を用いて実施例−3と同法により、
仕上り布帛とし、微細孔の測定と触感、弾発性、色相、
光沢を判定した。結果を第3表に示す。
(比較例−9) 比較例−4のフィラメント糸を用いて実施例3と同法
により仕上り布帛として微細孔の測定と触感、弾発性、
色相、光沢を判定した。結果を第3表に示す。
比較例10 3−カルボメトキシ・ベンゼンスルホン酸ナトリウム
5−カルボン酸ナトリウム4部添加のポリエチレンテレ
フタレートのC型ノズル(NZ中空率25%)を使用して常
法で紡糸し、182d−36fの未延伸糸を得た。次いで延伸
機でDR2.95倍HR80℃ホットプレート190℃で延伸し中空
率15%の61.5d−36fの延伸糸を得た。この延伸糸を用い
て実施例1の場合と同じ工程・規格の製品を得て、実施
例1と同様の評価を実施した。減量率は25%であった。
微細孔は一部中空部に達しその1部は微細孔どうしが連
通していた。このためハリ・コシ弾発性にやや劣り、且
つフィブリル化はしていないが実質的に細フィラメント
部が淡色に見える為かトーン・トーンがイラツキ気味で
あった。又、全体的に実施例1に比べて鮮明性に劣った
物であった。
比較例11 比較例10の織物を実施例1の場合と同じ工程で、染料
の濃度のみを10%owfとして染色した。微細孔は一部中
空部に達し、その一部は微細孔どうしで連通しており、
比較例10と同様ハリ・コシ弾発性が劣り、且つ、フィブ
リル化はしていないが実質的に細フィラメントが淡色に
見えるためか、トーン・トーンがイラツキ気味であっ
た。又、全体的に見かけ濃度は高いが、スレ・あたりが
多く、製品品位として問題があるものであった。
比較例12 比較例11の工程のうち染色した後、減量加工した。濃
度にかかわらずスレ・アタリは減少したが比較例10と同
じように微細孔は一部中空部に達し、その一部は微細孔
どうしで連通しているので、実質的に細フィラメント部
が淡色に見えるためかイラツキ気味で且つハリ・コシ弾
発性が劣るものであった。
(発明の効果) 本発明によれば、従来方法では達成し得ない、新規な
光沢効果とドライな感触とすぐれた曲げ弾発性を同時に
兼ね備えたポリエステル系フィラメント糸を提供するこ
とができ、特にこれらの特性の生かされるあらゆる衣料
分野への展開が大きく期待され得る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ減量処理により、繊維表面に繊維
    軸方向にたて長の微細孔を有し、該微細孔は、(イ)最
    大幅の度数分布の最大値が0.7μm以下であり、(ロ)
    長さ/最大幅の平均値が3以下であり、(ハ)その数は
    繊維表面の100μm2当り平均30個以下存在し、かつ
    (ニ)その深さは、全体の60%以上が0.1μm以下であ
    るポリエステル系フィラメント糸であり、0.1重量%以
    下の艶消剤を含んでおり、フィラメント横断面形状が中
    空率5〜30%の中空横断面であり、且つ、カオリナイト
    を0.5〜5.0重量%含有していることを特徴とするポリエ
    ステル系フィラメント糸。
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