JPH06340179A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH06340179A
JPH06340179A JP5132039A JP13203993A JPH06340179A JP H06340179 A JPH06340179 A JP H06340179A JP 5132039 A JP5132039 A JP 5132039A JP 13203993 A JP13203993 A JP 13203993A JP H06340179 A JPH06340179 A JP H06340179A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子供与性染料前駆体を含有するマイクロカ
プセルと顕色剤の乳化物からなる発色層を有する透明性
に優れた感熱記録材料において、サーマルヘッド適性を
改良することを目的とする。 【構成】 支持体上に、電子供与性染料前駆体を含むマ
イクロカプセルと、この電子供与性染料前駆体を発色さ
せる顕色剤乳化物を含む感熱記録層を設け、この上に保
護層を設けた感熱記録材料において、保護層中に高級脂
肪酸もしくはその金属塩で表面処理された顔料を含むこ
とを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性に優れた感熱記
録層を有する感熱記録材料に関し、特にサーマルヘッド
適性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方法は、1)現像が不要であ
る、2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、3)
取扱が容易である、4)発色濃度が高い、5)記録装置
が簡単であり安価である、6)記録時の騒音が無い等の
利点があるためファクシミリやプリンターの分野で近年
急速に普及し、POS等に於けるラベル分野等、感熱記
録の用途も拡大している。 このような背景の基に、近
年に於いては、多色化に適応するため、或はオーバーヘ
ッドプロジェクター(OHPと略す)に使用するため
に、サーマルヘッドで直接記録することの出来る透明な
感熱記録材料が開発されるに至り、最近では支持体上
に、無色又は淡色の電子供与性染料前駆体を含有するマ
イクロカプセル、及び、水に難溶又は不溶の有機溶剤に
溶解せしめた顕色剤とを乳化分散した乳化分散物からな
る塗布液を塗布乾燥した透明な感熱記録材料も開発され
ている(例えば、特開昭63−45084号、特開昭6
3−265682号)。
【0003】しかしながら、前記透明感熱記録材料は、
その透明性維持の観点から、感熱層はもとより保護層中
に含有せしめることのできる無機質充てん剤の量や粒子
径に、通常の感熱記録材料を作製する場合より限度があ
るため、サーマルヘッドとのマッチングが必ずしも十分
でなくスティッキングを起こしやすいという欠点があっ
た。
【0004】本発明者等は、前記欠点を解決すべく鋭意
検討した結果、高級脂肪酸金属塩で顔料に表面処理した
ものを含有した保護層を設けることにより良好な結果を
得ることを見いだし本発明に到達した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性に優れかつ、サーマルヘッド適性(スティッキング、
印字音)にも優れた感熱記録材料を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に、電子供与性染料前駆体を含むマイクロカプ
セルと、この電子供与性染料前駆体を発色させる顕色剤
乳化物を含む感熱記録層を設け、この上に保護層を設け
た感熱記録材料において、保護層中に高級脂肪酸もしく
はその金属塩で表面処理された顔料を含むことを特徴と
する感熱記録材料によって達成された。
【0007】本発明で使用する電子供与性染料前駆体と
しては、電子を供与して、又は酸等のプロトンを受容し
て発色する公知の化合物のの中から無色又は単色の物を
適宜選ばれる。このような化合物は、ラクトン、ラクタ
ム、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有
し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開環もしくは
開裂するものであり、好ましい化合物としては、例えば
トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合
物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピ
ラン系化合物等を挙げることが出来る。特に好ましい化
合物は、次の一般式(I)で表される化合物である。一
般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキ
ル基、R2 は炭素原子数4〜18のアルキシル基又は
アルコキシル基もしくはテトラヒドロフルフリル基、R
3 は水素原子又は炭素原子数1〜15のアルキル基も
しくはハロゲン原子、R4 は炭素数6〜20の置換又
は無置換のアリール基を表す。R4 の置換基として
は、炭素原子数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン化アルキル基及びハロゲン原子が望ましい。
【0010】本発明においては、前記の電子供与性染料
前駆体をマイクロカプセル中に内包せしめることによ
り、感熱材料製造時のカブリを防止すると同時に、感熱
材料の生保存性を良好なものとすることが出来る。この
場合マイクロカプセルの壁材料及び製造方法を選択する
ことにより記録時の画像濃度を高くすることが出来る。
電子供与性染料前駆体の使用量は、0.05〜5.0g
/m2であることが好ましい。
【0011】マイクロカプセルの壁剤としては、ポリウ
レタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メランミ
ン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合
体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール等が挙げられる。本発明においてはこれらの高分
子物質を2種以上併用することもできる。
【0012】本発明においては、上記の高分子物質のう
ちポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート等が好ましく、特にポリウレタン
及びポリウレアが好ましい。
【0013】本発明で使用するマイクロカプセルは、電
子供与性染料前駆体等の反応物質を含有した芯物質を乳
化した後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成して
マイクロカプセル化することが好ましく、この場合高分
子物質を形成するリアクタントを油滴の内部及び/又は
油滴の外部に添加する。マイクロカプセルの好ましい製
造方法等、本発明で好ましく使用することのできるマイ
クロカプセルについての詳細は、例えば特開昭59−2
22716号に記載されている。また、有機溶剤を実質
的に内包していないマイクロカプセルを使用することも
できる。
【0014】ここで、油滴を形成するための有機溶剤と
しては、一般に感圧オイルとして用いられるものの中か
ら適宜選択することができる。中でも好ましいオイルと
しては、エステル類の他、下記一般式(II)〜(I
V)で表される化合物及びトリアリルメタン(例えば、
トリトルイルメタン、トルイルジフェニールメタン)、
ターフェニル化合物(例えばターフェニル)、アルキル
化ジフェニルエーテル(例えば、プロピルジフェニール
エーテル、水添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロタ
ーフェニル)、ジフェニルエーテル、塩素化パラフィン
等が挙げられる。一般式(II)
【0015】
【化2】
【0016】式中、R1は水素原子又は炭素数1〜18
のアルキル基を、R2は炭素数1〜18のアルキル基を
表す。p1、q1は0〜4の整数を表し、かつアルキル基
の総和は4個以内である。なお、R1、R2のアルキル基
は炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。一般式(II
I)
【0017】
【化3】
【00018】式中、R3は水素原子又は炭素数1〜1
2のアルキル基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、
nは1又は2を表す。p2、q2は1〜4の整数を表す。
n=1の場合には、アルキル基の総和は4個以内であ
り、n=2のときアルキル基の総和は6個以内である。
一般式(IV)
【0019】
【化4】
【0020】式中、R5及びR6は水素原子又は炭素数1
〜18の互いに同種もしくは異種のアルキル基を表し、
mは1〜13の整数を表す。p3、q3は1〜3の整数を
表し、かつアルキル基の総和は3個以内である。なお、
5及びR6のアルキル基は炭素数2〜4のアルキル基が
特に好ましい。
【0021】一般式(II)で表される化合物例として
は、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソ
プロピルナフタレン等が挙げられる。一般式(III)
で表される化合物例としては、ジメチルビフェニル、ジ
エチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソ
ブチルビフェニル等が挙げられる。一般式(IV)で表
される化合物例としては、1−メチル−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルメタン、1−エチル−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルメタン、1−プロピル−ジメチルフェ
ニル−1−フェニルメタン、等が挙げられる。上記のオ
イル同志、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0022】本発明においては、マイクロカプセルの平
均粒子径は、たとえば特開昭60−214990号に記
載されている測定法による体積平均粒子径んで、4ミク
ロン以下であることが好ましい。
【0023】製造される好ましいマイクロカプセルは、
従来の記録材料に用いられているような熱や圧力によっ
て破壊するものではなく、マイクロカプセルの芯及び外
に含有されている反応性物質は、マイクロカプセル壁を
透過して反応することが出来る。
【0024】本発明に於ては、マイクロカプセルの壁剤
を選択し必要に応じてガラス転移点調整剤(例えば、特
開昭61−277490号に記載の可塑剤)を添加する
ことによって、ガラス転移点の異なる壁からなるマイク
ロカプセルを調整し、色相の異なる電子供与性染料前駆
体とその顕色剤の組合せを選択することにより多色の中
間色を実現することが出来る。従って、本発明は、単色
の感熱記録材料に限定されるものではなく、2色或は多
色に適した感熱記録材料にも応用することが出来る。
又、必要に応じて、例えば、特開昭61−283589
号、同61ー283590号、同61ー283591号
に記載された光退色防止剤を適宜加えることが出来る。
【0025】本発明で使用する電子供与性染料前駆体と
の溶融において発色反応を起こす顕色剤は、公知のもの
の中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、
フェノール化合物、トリフェニルメタン系化合物、含硫
フェノール系化合物、カルボン酸系化合物、サリチル酸
誘導体、スルホン系化合物、尿素又はチオ尿素系化合物
等が挙げられ、その詳細は、例えば、紙パルプ技術タイ
ムス(1985年)49−54頁及び65−70頁に記
載されている。これらの中でも、特に融点が50℃〜2
50℃のものが好ましく、中でも60℃〜200℃の、
水に難溶性のフェノール及び有機酸が望ましい。顕色剤
を2種以上併用した場合には溶解性が増加するので望ま
しい。顕色剤の使用量は通常電子供与性染料前駆体1重
量部に対して0.3〜160重量部、好ましくは0.3
〜80重量部である。
【0026】本発明で使用する顕色剤のうち特に好まし
いものは、下記一般式(V)〜(VIII)で表され
る。
【0027】一般式(V)
【0028】
【化5】
【0029】m=0〜2、n=2〜11
【0030】一般式(VI)
【0031】
【化6】
【0032】R1はアルキル基、アリール基又はアラル
キル基であり特にメチル基、エチル基及びブチル基が好
ましい。
【0033】一般式(VII)
【0034】
【化7】
【0035】R2はアルキル基であり、特にブチル基、
ペンチル基、ヘプチル基及びオクチル基が好ましい。一
般式(VIII)
【0036】
【化8】
【0037】R3はアルキル基又はアラルキル基であ
る。
【0038】本発明においては、顕色剤の有機溶剤溶液
を界面活性剤と水溶性高分子を含む水相と混合して乳化
した乳化物を使用する。
【0039】顕色剤を溶解する有機溶剤は、水に難溶又
は不溶の有機溶剤の中から適宜選択することが出来る。
特に、沸点150°C以下の有機溶剤を使用した場合に
は熱感度が良好であり好ましい。これらの有機溶剤とし
ては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チル、及びメチレンクロライド等を挙げることができ
る。
【0040】本発明においては、これらの有機溶剤に適
宜高沸点のエステル類や、前記感圧オイルを混合して用
いることができるが、特に、顕色剤乳化分散物の安定の
観点からエステル類を用いることが好ましい。
【0041】エステル類としては、燐酸エステル類(例
えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチ
ル、燐酸オクチル、燐酸クレジルジフェニル)、フタル
酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチル
ヘキシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル
酸ブチルベンジル)テトラヒドロフタル酸ジオクチル、
安息香酸エステル(安息香酸エステル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル)、アビエチン
酸エステル(アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジ
ル)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ア
ゼライン酸ジオクチル、シュウ酸エステル(シュウ酸ジ
ブチル、シュウ酸ペンチル)、マロン酸ジエチル、マレ
イン酸エステル(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエ
チル、マレイン酸ジブチル)、クエン酸トリブチル、ソ
ルビン酸エステル、(ソルビン酸メチル、ソルビン酸エ
チル、ソルビン酸ブチル)、セバシン酸ジブチル、セバ
シン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類
(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル
及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステ
ル、バルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステア
リン酸酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノ
エステル及びジエステル、トリアセチン炭酸ジエチル、
炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホウ
酸エステル(ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル)
等が挙げられる。これらの中でも、燐酸トリクレジルを
単独または混合して使用した場合には顕色剤の乳化分散
安定性が特に良好であり好ましい。
【0042】顕色剤を溶解した油相と混合する水相に、
用いる水溶性高分子は、公知のアニオン性高分子、ノニ
オン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することが
出来るが、ポリビニールアルコール、ゼラチン、セルロ
ース誘導体等が好ましい。
【0043】また、水相に用いる界面活性剤としては、
アニオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤の中か
ら、上記保護コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさな
いものを適宜選択して使用することができる。好ましい
界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム)、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジ
オクチルナトリウム塩、ポリアルキルグリコール(例え
ば、ポリオキシエチレンノニフェニルエーテル)等を挙
げることができる。
【0044】本発明における顕色剤の乳化分散物は、顕
色剤を含む油相と水溶性高分子及び界面活性剤を含む水
相を、高速撹伴、超音波分散等、通常の微粒子乳化に用
いられる手段を使用して混合分散し容易に得ることがで
きる。
【0045】この乳化分散物には、適宜顕色剤の融点降
下剤を添加することもできる。このような融点降下剤
は、前期カプセル壁のガラス転移点転移点調節剤の機能
も有する。このような化合物としては、例えば、ヒドロ
キシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、スルホンア
ミド化合物、芳香族メトキシ化合物等があり、それらの
詳細は、例えば特開昭59−244190号に記載され
ている。 これらの融点降下剤は、顕色剤1重量部に
対し0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜1重量部の
範囲で適宜使用することができるが、融点降下剤と顕色
剤は、同一の箇所に使用することが好ましい。異なった
箇所に使用する場合には、上記の添加量の1〜3倍量を
添加することが好ましい。
【0046】本発明の感熱記録材料は適当なバインダー
を用いて塗工することができる。本発明におけるバイン
ダーとしてはポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、アラビヤゴム、ゼラチン、ポリビニルピロ
リドン、カゼイン等の水溶性高分子化合物、スチレンブ
タジエンラテックス、アクリロニトリルーブタジエンラ
テックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマルジョンを
用いることができる。使用量は固形分として0.5〜5
g/m2である。感熱記録材料層の塗布量は2.5〜2
5g/m2が好ましい。
【0047】本発明において感熱記録層にはサーマルヘ
ッドに対するスティッキングの防止や筆記性を改良する
目的で、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の顔料や、ス
チレンビーズ、尿素ーメラミン樹脂等の微粉末を添加す
ることができるが、感熱層の透明化を維持するために、
感熱層の上に主として保存性とサーマルヘッド適性を目
的とする保護層を公知の方法により設け、この保護層に
添加することが好ましい。
【0048】保護層についての詳細は、例えば「紙パル
プ技術タイムス」(1985、9月号)2〜4頁に記載
されている。
【0049】本発明においては、従来から使用されてい
る前記保護層中に、高級脂肪酸もしくはその金属塩表面
処理された顔料が含有されている。これによって、感熱
記録層の透明性を損なうことなくサーマルヘッドに対す
る適性を著しく改善することができる。
【0050】前記保護層で使用する高級脂肪酸もしくは
その金属塩で表面処理された顔料において、好ましい顔
料としてはカオリン、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等
を挙げることができるが、特に好ましいものは水酸化ア
ルミニウムである。高級脂肪酸としてはパルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等
を挙げることができるが、特に好ましいものはステアリ
ン酸である。また前記高級脂肪酸の金属塩の金属として
は、Zn,Al,K,Ca,Na,等を挙げることがで
きるが、特に好ましいものはZnである。高級脂肪酸も
しくはその金属塩による表面処理量としては顔料の0.
01重量%〜30重量%であり、好ましくは0.1重量
%〜5重量%である。これらの添加量は、保護層中のポ
リマーの総重量の0.005〜3倍、特に好ましくは
0.01〜1.5倍の量である。
【0051】本発明の保護層に用いるポリマーの具体例
としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、澱粉類、ゼラチ
ン、アラビヤゴム、カゼイン、スチレンー無水マレイン
酸共重合体加水分解物、スチレンー無水マレイン酸共重
合体ハーフエステル加水分解物、ポリビニールアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン
スルホン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の水溶
性高分子及びスチレンーブタジエンゴムラッテクス、ア
クリロニトリルーブタジエンゴムラッテクス、アクリル
酸メチルーブタジエンゴムラッテクス、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン等の水不溶性ポリマー等が挙げられる。
【0052】保護層中には、感熱記録時のサーマルヘッ
ドとのマッチング性の向上、スティッキング防止、保護
層の耐水性の向上等の目的で、前記以外の顔料、金属石
鹸、ワックス、架橋剤等が添加されてもよい。
【0053】前記以外の顔料には、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リトポン、タル
ク、蝋石、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリ
カ、コロイダルシリカ等がある。
【0054】金属石鹸には、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の高級
脂肪酸金属塩のエマルジョン等があり、保護層全重量の
0.5〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の割合
の量で添加される。
【0055】本発明で使用するワックスとしては、融点
が40〜60°Cのものを使用する。このようなワック
スとして例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス等がある。ワッ
クスの使用量は、保護層全重量の0.5〜40重量%、
好ましくは1〜20重量%の割合で添加される。
【0056】又、感熱記録層上に均一に保護層を形成さ
せるために、保護層形成用塗布液には界面活性剤が添加
される。界面活性剤にはスルホコハク酸系のアルカリ金
属塩、アルキルベンゼンスルホン酸系のアルカリ金属
塩、フッ素含有界面活性剤があり、具体的にはジー(2
ーエチルヘキシル)スルホコハク酸、ジー(nーヘキシ
ル)スルホコハク酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の
ナトリウム塩又はアンモニウム塩等がある。
【0057】又、保護層の中には、感熱記録材料の帯電
を防止するための界面活性剤、高分子電解質等を添加し
ても良い。保護層の固形分塗布量は0.2〜5g/m2
更に好ましくは1〜3g/m2である。
【0058】本発明の感熱記録材料記録材料は、電子供
与性染料前駆体を内包したマイクロカプセル及び少なく
とも顕色剤を乳化分散した分散物、バインダー等その他
の添加物を含有した塗布液を作り、紙や合成樹脂フィル
ム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗布、エアナイ
フ塗布、グラビア塗布、ロールコーティング塗布、ディ
ップ塗布等の塗布方法により塗布乾燥することで製造さ
れる。このようにして製造した感熱材料の感熱層は、き
わめて良好な透明性を有する。
【0059】本発明の感熱記録材料の支持体には、目
的、用途に応じて、透明支持体、紙等の不透明支持体の
双方が用いられるが、本発明の透明感熱記録材料には透
明支持体を使用することが好ましい。この透明支持体を
使用することにより、熱記録後の記録物をOHPシート
等に用いることができるのみならず、シャーカステン上
で透明画像として見ることもできる。透明支持体の両面
に、それぞれ相異なる色相に発色する感熱記録層を設け
ることにより、多色化も容易となる。ここで言う透明支
持体とは、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレート等のポリエステルのフィルム、三酢酸セ
ルロースフィルム等のセルロース誘導体のフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエ
チレン等のポリオレフィンのフィルム等があり、これら
を単体で或は貼り合わせて用いることができる。透明支
持体の厚みとしては20〜200μmのものが用いら
れ、特に50〜100μmのものが好ましい。
【0060】本発明においては、透明支持体と感熱層の
接着を高めるために両層の間に下塗層を設けることがで
きる。下塗層の素材としては、ゼラチンや合成高分子ラ
テックス、ニトロセルロース等が用いられる。下塗層の
塗布量は0.1g/m2〜2.0g/m2の範囲にあるこ
とが好ましい。0.1g/m2より少ないと支持体と感
熱層との接着が充分でなく、また2.0g/m2以上に
増やしても支持体と感熱層との接着力は飽和に達してい
るのでコスト的に不利になる。下塗層は、感熱層がその
上に塗布された時に感熱層中に含まれる水により下塗層
が膨潤する場合には感熱層の画質が悪化することがある
ので、硬膜剤を用いて硬化させることが望ましい。又、
界面活性剤、帯電防止剤、消泡剤等を必要に応じて適宜
添加することは、特性を損なわない限り何ら差し支えな
い。
【0061】更に、下塗層を塗布する前には、支持体の
表面を公知の方法により活性化処理することが望まし
い。活性化処理の方法としては、酸によるエッチング処
理、ガスバーナーによる火焔処理、あるいはコロナ放電
処理、グロー放電処理等が用いられるが、コストの面あ
るいは簡便さの点から、米国特許第2,715,075
号、同第2,846,727号、同第3,549,40
6号、同3,590,107号等に記載されたコロナ放
電処理が最も好んで用いられる。
【0062】本発明の感熱記録材料は、上述した実質的
に透明な感熱層が支持体の少なくとも片面に形成されて
いれば良く、透明又は不透明支持体の片面に前記感熱記
録層を一層設ける以外にも、例えば不透明支持体の両面
に同一構成の前記感熱記録層をそれぞれ一層づつ設けて
両面感熱記録材料を作成することもでき、また、透明支
持体の両面に相異なる色彩に発色する透明な感熱記録層
を設けることもでき、さらには公知の感熱記録層とを積
層することができるなど、用途、目的に応じて様々な態
様が可能である。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0064】実施例1 (マイクロカプセル液の調製)電子供与性染料前駆体と
して2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−
sec−ブチルアミノフルオラン14g、紫外線吸収剤
としてチヌビンP(チバガイギ社製)0.6g及びカプ
セル壁剤としてタケネートD−110N(武田薬品
(株)製)を1−フェニル−1−キシリルエタン15g
と酢酸エチル20gの混合溶媒に溶解した。この溶液を
6重量%のポリビニルアルコール水溶液112gに混合
し、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)で1
0,000rpmで5分間乳化し、更に水142gを加
えて、40°Cで3時間反応させてカプセルサイズ0.
7μmのカプセル液を作製した。 (顕色剤乳化分散物の調製)下記の構造式で表される顕
色剤(a)7g、同(b)7g、同(c)16g、同
(d)11gとりん酸トリクレジル1.7g、マレイン
酸ジエチル0.8gとを酢酸エチル38gに溶解した。
得られた顕色剤の溶液を、8重量%のポリビニルアルコ
ール水溶液100gと水150g,及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5gの水溶液に混合し、エ
ースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて、1
0,000rpm常温で5分間乳化し、平均粒子径1.
0μmの乳化物を得た。
【0065】顕色剤(a)
【0066】
【化9】
【0067】顕色剤(b)
【0068】
【化10】
【0069】顕色剤(c)
【0070】
【化11】
【0071】(感熱材料の作製)上記カプセル液5.0
g、顕色剤乳化物10.0g、及び水5.0gを撹拌混
合して塗液を調製し、厚さ75μmの透明なポリエチレ
ンテレフタレート支持体の片面に、固形分が10g/m
2になるように塗布し乾燥して感熱記録層を形成した。 (保護層の作製)水60g、10%のポリビニルアルコ
ール5g、2%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム2gにステアリン酸Zn処理水酸化アルミニウム(昭
和電工(株)製ハイジライトH42S)15gを添加
し、平均粒径が0.7ミクロンになるように分散した。
感熱記録層の上に、下記の固形分組成となるように保護
層を2.5g/m2形成した。 ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA124) 7重量部 前記顔料分散物 12重量部 パラフィンワックスのエマルジョン(中京油脂(株)製セロゾール428) 0.9重量部 ステアリン酸亜鉛エマルジョン(中京油脂(株)製ハイドリンZ−7) 0.2重量部
【0072】実施例2.実施例1で使用した顔料をステ
アリン酸処理水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製ハ
イジライトH43S)にかえ、平均粒径が0.5ミクロ
ンになるように分散した。その他は実施例1と同様の方
法で感熱記録材料を作製した。
【0073】実施例3.実施例1で使用した顔料をステ
アリン酸処理カオリンにかえ、平均粒径が1.5ミクロ
ンになるように分散した。その他は実施例1と同様の方
法で感熱記録材料を作製した。
【0074】比較例1.実施例1で使用した顔料を表面
処理のない水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製H4
2)にかえ、その他は実施例1と同様の方法で感熱記録
材料を作製した。
【0075】比較例2.実施例3で使用した顔料を表面
処理のないカオリン(白石工業(製)カオグロス)にか
え、その他は実施例1と同様の方法で感熱記録材料を作
製した。
【0076】このようにして作製した各試料を、サーマ
ルイメージャーFTI210(富士写真フイルム(株)
製)で印字し、印字音、スティッキング性能、透明性を
評価した。結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】実施例から、本発明の透明感熱記録材料
は透明性を損なうことなく、スティッキング等を改善す
ることができることが実証された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性染料前駆体を含
    むマイクロカプセルと、この電子供与性染料前駆体を発
    色させる顕色剤乳化物を含む感熱記録層を設け、この上
    に保護層を設けた感熱記録材料において、保護層中に高
    級脂肪酸もしくはその金属塩で表面処理された顔料を含
    むことを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 顔料が水酸化アルミニウムであることを
    特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 高級脂肪酸もしくはその金属塩がステア
    リン酸もしくはステアリン酸亜鉛であることを特徴とす
    る請求項1に記載の感熱記録材料。
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