JPH0633479B2 - アルカリ金属塩水溶液の電解方法 - Google Patents

アルカリ金属塩水溶液の電解方法

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JPH0633479B2
JPH0633479B2 JP61191624A JP19162486A JPH0633479B2 JP H0633479 B2 JPH0633479 B2 JP H0633479B2 JP 61191624 A JP61191624 A JP 61191624A JP 19162486 A JP19162486 A JP 19162486A JP H0633479 B2 JPH0633479 B2 JP H0633479B2
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邦章 高田
裕二 井関
正広 武末
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルカリ金属塩水溶液の電解方法に関する。詳
しくは、特定の陽イオン交換膜を角膜として用いる、特
に高濃度のアルカリ金属水酸化物溶液を高い電流効率で
生成せしめるために好適な電解方法を提供するものであ
る。
[従来技術およびその問題点] 従来、アルカリ金属塩水溶液の電解技術は、特にイオン
交換膜を隔膜とする電解槽において塩化ナトリウム水溶
液を電解して塩素と水酸化ナトリウムとを得る方法の開
発が進み、ますます高い電流効率と低い槽電圧による電
力原単位の向上が図られている。これらイオン交換膜法
電解の技術動向のうち、電流効率の向上は主として含フ
ッ素系イオン交換膜の改良が検討され、すでに種々の提
案がなされている。
特に工業的なイオン交換膜法電解においては、高濃度の
水酸化ナトリウムを高い電流効率で得るために、一般に
含フッ素系樹脂よりなる少なくとも陰極側にカルボン酸
型の膜層を有するイオン交換膜の使用が推奨されてい
る。したがって、このような含フッ素系カルボン酸型イ
オン交換膜は、一般に含フッ素系スルホン酸型イオン交
換膜の少なくとも片面を酸化処理または還元処理によっ
て、該スルホン酸型をカルボン酸型に変換したり、ある
いは含フッ素系スルホン酸型膜と含フッ素系カルボン酸
型膜とを積層する方法で製造されている。しかしなが
ら、含フッ素系カルボン酸型イオン交換膜は、電解にお
いて生成する高濃度かつ高温の水酸化アルカリのような
苛酷な雰囲気下で長期間の安定性に難点があり、また上
記したように含フッ素系スルホン酸型イオン交換膜の製
造を経て多段の合成工程を要するため煩雑である。
他方、含フッ素系スルホン酸型イオン交換膜は、上記し
は含フッ素系カルボン酸型イオン交換膜に比べて化学的
に安定であるとされているが、電解の使用中において膨
潤収縮により寸法変化を起こし易く、経時的に膜性能の
低下を招くため、ひいては高濃度の水酸化アルカリを高
い電流効率で得ることが出来ないとされている。例え
ば、特開昭49−1497号公報には、テトラフルオロ
エチレンと とを共重合して得られる非架橋構造のパーフルオロスル
ホン酸型のイオン交換膜を用いて、37%の水酸化ナト
リウムを電流効率80%で収得することが記載されてい
る。また、特開昭55−160030号公報において
も、テトラフルオロエチレンとCF=CFOCF
CFSOFより合成された陽イオン交換膜を用
いて35%の水酸化ナトリウムを65%の電流効率で取
得している。また、特開昭57−25332号公報に
は、テトラフルオロエチレン,CF=CFOCF
SOF及びCF=CFCFClを重合させて
得られる陽イオン交換膜を用いて12%の水酸化ナトリ
ウムを91%の電流効率、20%の水酸化ナトリウムを
83%の電流効率及び32%の水酸化ナトリウムを74
%の電流効率でそれぞれ取得することが記載されてい
る。そのため、例えば特開昭60−243292号公報
には、陰極側に−0(CFn−A(nは1〜3の整
数,Aはスルホン酸型イオン交換基)なる特定された短
側鎖型イオン交換基を有し且つイオン交換容量が0.5
〜1.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂である表面層を有す
る含フッ素系スルホン酸型イオン交換膜を用いて、生成
する水酸化アルカリの濃度を40重量%以上に保護して
90%以上の高い電流効率で電解する製法が提案されて
いる。
本発明の目的も、比較的合成の容易な原料よりなる含フ
ッ素系スルホン酸型イオン交換膜を用い、且つ高濃度の
アルカリ金属水酸化物を高い電流密度、例えば30%以
上の水酸化ナトリウムを90%以上の電流効率且つ低槽
電圧で収得する電解方法を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究の
結果、少なくとも陰極側に架橋構造を有するスルホン酸
型含フッ素系イオン交換膜層を有する陽イオン交換膜を
用いることにより、高濃度の水酸化アルカリが高い電流
効率で得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
即ち、陽極と陰極との間に陽イオン交換膜を配して構成
された電解槽を用いてアルカリ金属塩水溶液を電解して
アルカリ金属水酸化物を生成せしめる方法において、該
陽イオン交換膜として、該膜を構成するモノマーのうち
パーフルオロジビニル化合物とスルホン酸基またはスル
ホン酸基に転換しうる官能基を有するパーフルオロビニ
ルモノマーの合計に対して、該ジビニル化合物が30重量
%乃至90重量%存在するモノマー混合物を重合して得
た、スルホン酸型イオン交換樹脂層が、少なくとも陰極
側に存在するパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜を
用いることを特徴とするアルカリ金属塩水溶液の電解方
法である。
本発明においては、パーフルオロジビニル化合物単位と
スルホン酸基を有するパーフルオロビニルモノマー単位
とを有するスルホン酸型パーフルオロカーボン系陽イオ
ン交換膜層(以下単に架橋構造を有するスルホン酸型含
フッ素系イオン交換膜層という)を有する特定した陽イ
オン交換膜を用いることが重要であり、該陽イオン交換
膜としては、少なくとも陰極側に上記した架橋構造を有
するスルホン酸型含フッ素系イオン交換膜層を有すれば
その構成は特に制限されるものではない。例えば、架橋
構造を有するスルホン酸型含フッ素系イオン交換膜層の
みで膜全体を構成することや、架橋構造を有するスルホ
ン酸型含フッ素系イオン交換膜層(陰極側表面層)以外
の膜層を(必要により中間層を介して)他のパーフルオ
ロカーボン系のイオン交換膜層で構成することなどであ
る。この際、架橋構造を有するスルホン酸型含フッ素系
イオン交換膜層は、30重量%以上の水酸化ナトリウム
を90%以上の電流効率で得るためには、イオン交換容
量が0.4〜1.3ミリ当量/g・乾燥樹脂で、純水中
での固定イオン濃度が3.0ミリ当量/g・HO以上
であることが好ましい。
本発明に用いる陽イオン交換膜の製造方法は特に制限さ
れるものではない。例えば含フッ素系ジビニル化合物
とスルホン酸基またはスルホン酸基に転換しうる官能基
を有する含フッ素系ビニル化合物とを重合し、必要によ
りスルホン酸基を導入する方法、イオン交換基あるい
はイオン交換基に転換可能な官能基を有する非架橋性の
膜状重合体上に、スルホン酸基あるいはスルホン酸基に
転換可能な官能基を有する含フッ素系ビニルモノマー,
含フッ素系ジビニルモノマー及び重合開始剤から成る混
合物を流延し重合する方法、スルホン酸基あるいはス
ルホン酸基に転換可能な官能基を有する架橋重合膜上
に、イオン交換基またはイオン交換基に転換可能な含フ
ッ素系ビニルモノマーを含む非架橋重合膜を形成するモ
ノマー混合物を流延して重合する、等の方法で、特に
の方法が込ましく用いられる。
上記した陽イオン交換膜の架橋構造を有する含フッ素系
重合体を構成する含フッ素系ジビニル化合物としては、
例えば CF2=CF2(CF20 10CF=CF2 等で表される少なくとも1種の化合物で、特に重合容易
なCF=CFO(CF2 5OCF=CFが好ま
しい。
また、スルホン酸基またはスルホン酸基に転換しうる官
能基を有する含フッ素系ビニル化合物としては、例えば (Xは、Cl,F,OH,OCH,OC,ON
a,OK,NH,NHCHCHNH,NHCH
CH(CHClの一種である), CF=CFSOF,CF=CFSOCH, CF=CFO(CFCF1 3Iで表される少な
くとも一種の化合物である。
架橋構造を有する所望のイオン交換膜を得るために、含
フッ素系ジビニル化合物及びスルホン酸基またはスルホ
ン酸基に転換しうる官能基を有する含フッ素系ビニル化
合物の種類により異なるが、それらモノマー全体に対し
て該フッ素系ジビニル化合物を一般に30重量%以上の
割合に維持することが望ましい。すなわち、スルホン酸
基またはスルホン酸基に添加しうる官能基を有する含フ
ッ素系化合物と含フッ素系ジビニル化合物とのモノマー
混合液において、該含フッ素系ジビニル化合物の仕込み
割合を30重量%以上で増加するほど、重合速度を早く
できて、高重合率で三次元架橋構造の重合体を得ること
ができる。これに対して上記した含フッ素系ジビニル化
合物の仕込み割合が30重量%より少ない場合には、重
合率が低く、所望の架橋構造を有するイオン交換樹脂を
得ることができない。なお、含フッ素系ジビニル化合物
の仕込み割合は、30重量%以上で増加させるに従い、
得られるイオン交換膜の交換容量が低下するため、該交
換容量を勘案して一般に90重量%以下にとどめること
が好ましい。一方、全単量体中における含フッ素系ジビ
ニル化合物の含量が増加すると、含フッ素系イオン交換
膜のイオン交換容量が減少して膜抵抗が増大するため、
その仕込割合は90%以下であることが好ましい。さら
に、上記した含フッ素系ビニル化合物のほかに、必要に
より (Yは、−CN,−COF,−COOH,−COO
,−COOM,−CONR,−CONHCH
CHNH及び−CONHCHCH(CH
Clの一つであり、ここにRは炭素数1〜1
0、好ましくは1〜3のアルキル基であり、各々R
びRは水素あるいはRの1つであり、そしてMはナ
トリウム,カリウムまたはセシウムである), CF=CFCOOCH,CF=CFCOF, CF=CFOCF(CFCF1 3H, (Rは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基),
CF=CF,CFCF=CF,等の含フッ素モ
ノマーやポリテトラフルオロエチレン,テトラフルオロ
エチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テト
ラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルの共重合体等の微粉末,オリゴマーあるいはパーフ
ルオロヘキサン,パーフルオロヘプタン,ポリフルオロ
エーテル,トリクロロトリフルオロエタン,パーフルオ
ロポリエーテル等の溶媒を添加して溶液の粘度を調節し
たり、得られる膜の可焼性を調節したりできる。
含フッ素系ジビニル化合物とスルホン酸基またはスルホ
ン酸基に転換しうる官能基を有する含フッ素ビニル化合
物を共重合させる開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、イソブチリイルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド,t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド等のハイドロパーオキサイド,ジクミルパーオキサイ
ド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,トリクロルアセチ
ルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド,t−
ブチルパーオキシネオデカノエイト,t−ブチルパーオ
キシビブレート等のアルキルパーエステル,ビス(4−
tブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートジ
イソプロピイルパーオキシジンカーボネート等のパーカ
ーボネイト,アゾビスイソブチロニトリル,アゾビスイ
ソクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ系開始剤,スク
シニツクアシドパーオキサイド,一般式 (ただし、Bは水素またはフッ素原子,mは1〜24,
nは1〜10)で表されるジペンタフルオロプロピオニ
ルパーオキサイド,ジテトラフルオロプロピオニルパー
オキサイド,ジヘプタフルオロブチリルパーオキサイ
ド,ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パー
オキサイド,ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタ
ノイル)パーオキサイド,ジパーフルオロ−2−n−プ
ロポオキシプロピオニルパーオキサイド,ジパーフルオ
ロ−2−イソプロポキシプロピオニイルパーオキサイド
等の含フッ素系ジアシルパーオキサイド,NF,N
,N, CFC(NF)=C(NF)CF, CFCF(NF)C(NF)CF等の含フッ素系
窒素化合物,過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム等の
開始剤、あるいは紫外線,電離性放射線を利用すること
が可能である。これらの重合開始剤のなかで、前記モノ
マー混合溶液に溶解可能で重合開始剤の半減期の温度が
使用するモノマーの常圧下での沸点以下であり、しかも
高重合率で架橋樹脂ができる開始剤が必要である。これ
らの条件を満たす開示剤として、含フッ素系ジアルシル
パーオキサイド,パーオキシジカーボネート, CFC(NF)=C(NF)CF, CFC(NF)C(NF)CF等の重合開始剤を
一種以上使用することが好ましい。これらの開始剤の添
加量は、モノマーに対し0.1〜10重合%,好ましく
は0.5〜5重合%である。なお、これらの開始剤を有
機溶媒で希釈して使用することも可能である。重合温度
は−80℃〜400℃,好ましくは−10℃〜150℃
であり、重合を完結するために重合温度を段階的に昇温
させて重合することもよい。また重合は窒素等の不活性
ガスの存在下で、−70mmHg〜20kg/cmの圧力下
で行うことが好ましい。重合の形態として、高重合率に
達する塊状重合が奨められる。
上記の、塊状重合樹脂に、ポリテトラフルオロエチレ
ン,エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体,テ
トラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエ
ーテルの共重合体,テトラフルオロエチレンとパーフル
オロビニルスルホニルフルオライドの共重合体,テトラ
フルオロエチレンとパーフルオロビニルカルオン酸エス
テルの共重合体,ポリフッ化ビニリデン,ポリ塩化ビニ
ル,ポリプロピレン等からなる布,ネット等の織物,不
織布,網,フイルム,多孔性フイルム,チューブ等を支
持体として重合時に使用することが好ましい。
さらに、上記のテトラフルオロエチレンからなる繊維を
金属ナトリウムで処理した物あるいはテトラフルオロエ
チレンからなる繊維にテトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロアルキルビニルエーテル、テトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロビニルスルホニルフルオライド,テト
ラフルオロエチレンとパーフルオロビニルカルボン酸エ
ステル等の1種をラジカル重合開始剤あるいは放射線等
の存在下に含浸重合あるいはグラフト重合した織物を使
用することもできる。あるいはステンレス,チタン,ニ
ッケル,白金等からなる金網,パンチドメタル,焼結板
等の金属を支持体として用いることができる。
さらに、イオン交換膜を得るためには、 (1) 円柱状に重合した塊状重合物を切削する。
(2) モノマーの混合液を平板に流延して重合する。
(3) スリットの間にモノマーの混合液を入れて重合す
る。
(4) モノマー混合液をある程度重合した粘稠なモノマー
混合液をポリテトラフルオロエチレン製の補強材に塗布
し、両側をテトラフルオロエチレン,ステンレス,ポリ
エステル,ポリビニルアルコール,ポリエチレン等のフ
イルムに挟んで重合する。更に、このような剥離フイル
ムにプラスト処理あるいは研削処理を施すことによって
粗面化した剥離フイルムを使用して重合することによ
り、重合膜表面を粗面化する。
(5) モノマー混合液をある程度重合した低重合物をテラ
フルオロエチレン製の支持体にドクターナイフ等を使用
してコーティングした後、剥離フイルムに挟んで重合す
る。
(6) テトラフルオロエチレン製の支持体と剥離フイルム
を同心円的に巻き込んだドラムをオートクレーブに入
れ、真空にした後、脱気したモノマー混合液をオートク
レーブ中に注入し重合する。
(7) モノマー混合液を重合させて得られた膜状物の上
に、同種類あるいは異種類のモノマー混合液あるいはそ
れらを部分的に重合させたモノマー混合液を存在させる
あるいはこれらモノマー混合液を含浸したフイルムを重
ね合わせた後重合すること等により、多層構造を有する
膜状物を得る。
(8) 含フッ素系イオン交換膜あるいは含フッ素系母体イ
オン交換膜をモノマー混合液中に浸漬した後、ポリテト
ラフルオロエチレン等のフイルムに挟んで含浸重合す
る。
なお、モノマー混合液とは、含フッ素系ジビニル化合
物,イオン交換基あるいはイオン交換基に転換可能な官
能基を有する含フッ素系ビニル化合物及び重合開始剤を
含有する溶液のことである。
このようにして得られた共重合体にスルホン酸基を導入
するためには、KOH,NaOHのアルカリ溶液等を用
いて加水分解処理を行うことにより陽イオン交換膜が得
られる。
このようにして得られたイオン交換膜に対し、膜表面を
研削,粗面加することもできる。またTiO−ZrO
−ポリテトロフルオロエチレン等からなる薄膜,Ru
−In−ポリテトラフルオロエチレン,Ni
−ポリテトラフルオロエチレン等からなる薄膜,金属の
蒸着膜等を膜の片面あるいは両面に接合することができ
る。
本発明は、上記した特定の陽イオン交換膜を用いること
が特徴であり、それ以外は特に制限されるものではな
い。例えば本発明に使用する電解槽自体は、従来公知の
ものがそのまま使用し得るものであって特に限定されな
い。陽極は、一般に寸法安定性電極(DSE)として知
られるもので、チタン等の多孔板、例えばパンチドメタ
ル,エキスパンドメタル,あるいは金網であって、1辺
0.5〜10mm程度の多数の孔を持つ開孔率30%以上
の多孔板上に酸化ルテチウム,酸化白金,酸化パラジウ
ム,あるいは白金,イリジウム,パラジウム等の白金族
金属またはその酸化物をコーティングするか、またはこ
れらの金属またはその酸化物と酸化チタン,酸化ジルコ
ニウムなどとの混合物をコーティングした電極であり、
陰極は軟鋼,ニッケルなどで、上記陽極と同じ形状範囲
の多孔板をそのまま、またはこれに活性物質、例えば含
硫ニッケル化合物の浴を用いたニッケルメッキあるいは
焼結物コーティングを行って用いる。更に、電解槽の陽
極室内は、一般にチタン材製となっており、陰極室内は
鉄製であるが必要によりニッケルメッキまたはライニン
グ製とすることも有利となる。電解槽のその多の構造及
び材料は、従来公知のものが何等制限されることなく使
用し得る。
電解は、陽極室内のアルカリ金属塩水溶液の濃度3.0
〜5規定,特に塩化ナトリウム水溶液では3.5〜4.
5Nに保って行なうことにより陰極室では苛性ソーダ等
のアルカリ金属水酸化物が生成する。この場合、イオン
交換膜を通して陽極室から陰極室内に移動するイオンに
同伴する水の分子のみによって高い濃度の苛性アルカリ
は得られるが、電流効率が低下するなどの蔽害を生ずる
おそれもあるので、一般には電解槽の陰極室に水または
希苛性アルカリを供給し、適当な濃度を保って電解を行
うのが好ましい。勿論、陰極室内液を一部抜き出し再度
供給する再循環方式を用いることもできる。本発明にあ
つては、一般に30乃至48%濃度の苛性アルカリを得
るのが好ましい。
電解における他の条件、例えば電解時の塩水及び苛性ア
ルカリの温度は、通常60乃至100℃、好ましくは8
0乃至90℃程度で、電流密度は50A/dm程度ま
で、電解時の槽内圧は通常1気圧(ゲージ)以下で、陰
極室内圧を陽極室内圧よりわずかに高く保って電解を行
う。
[効果] 本発明の架橋構造を有するスルホン酸型のイオン交換膜
を用いてアルカリ金属塩水溶液を電解する方法は、従来
のテトラフルオロエチレンを主成分として合成されたス
ルホン酸型膜よりも、高濃度のアルカリ金属水酸化物を
高電流効率でしかも低い槽電圧で取得することが可能で
ある。また、架橋構造を有するために電解中の膜の寸法
変化が少ないという特質も有する。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は
以下の実施例に特に限定されるものではない。
実施例1 ポリテトラフルオロエチレン製の厚さ150μで平均孔
径10μの多孔膜と、両表面を400番の研磨紙で粗面
化したテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレ
ン共重合体からなるFEP製の100μの剥離フイルム
をガラス棒にスパイラル状に巻いた後、ステンレス製の
オートクレーブに入れ、減圧下にCF=CFOCF
CFOCF=CF 7.0重量部,CF=CFO 3.0重量部,(CFCFCOO)0.2重量部
からなるモノマー混合液を導入し、6kg/cmの窒素加
圧下で30℃,2日間重合した。重合後、剥離フイルム
を取り去り、得られた膜状高分子をNaOH15重量
部,ジメチルスルホキシド30重量部,水55重量部か
らなる加水分解反応液中に85℃で8時間浸漬してスル
ホニルフルオライド基をスルホン酸ナトリウム基に転換
した。なお、このイオン交換膜のイオン交換容量は、
0.65ミリ当量/g・乾燥樹脂であった。
この陽イオン交換膜を用い、2室型電解槽(有効面積:
50cm,陽極:酸化ルテニウム被露チタン電極,陰
極:鉄,膜と陰極の距離:4mm,膜と陽極は密着,電解
温度:90℃,電流密度:30A/dm)を使用し
て、陽極室に5N−NaCl水溶液を供給し、33%の水
酸化ナトリウム水溶液を製造した。この結果、電解電圧
は3.51V,電流効率は93%であった。
実施例2 ポリテトラフルオロエチレン製の厚さ100μで平均孔
径5μの多孔膜と、ポリテトラフルオロエチレン製の厚
さ50μの剥離フイルムとを、ガラス棒にスパイラル状
に巻いた後、ステンレス製のオートクレーブに入れ、減
圧下にCF=CFOCFCFOCF=CF
7.2重量部,CF=CFOCFCFSO
2.8重量部,(CFCFCFCOO)0.3
重量部からなるモノマー混合液を導入し、6kg/cm
窒素加圧下で20℃,2日間重合した。重合後、得られ
た膜状高分子を実施例1の方法で加水分解し、2室型電
解槽で実施例1と同様に33%の水酸化ナトリウム溶液
を製造して電解評価した結果、電解電圧は3.32V、
電流効率は95%であった。この膜を純水で煮沸した
後、IN塩酸水溶液でイオン交換基をスルホン酸型にし
た後、イオン交換容量を測定し、更に水洗した後含水率
を測定する事により固定イオン濃度を測定したところ、
5ミリ当量/g・HOであった。なお、イオン交換容
量は0.95ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
実施例3 ポリテトラフルオロエチレン製の200デニールの糸を
タテ、ヨコ50本/インチ織った布と同じくポリテトラ
フルオロエチレン製の厚さ50μ平均孔径30μの多孔
膜を重ね合わせ、剥離フイルムとして1500番の研磨
紙で両面を粗面化したFEPのフイルムを使用し、これ
らをスパイラル状にガラス棒に巻き取り、ステンレス製
のオートクレーブに入れた後、減圧下にCF=CFO
CFCFOCF=CF 6重量部,CF=CF
O(CFOCF=CF 1重量部,CF=C
FOCFCFCFSOF 3重量部,(CF
CFCFCOO)0.3重量部からなるモノマー
混合液を導入し、25℃2日間、窒素6kg/cmの加圧
下で重合した。重合後、膜状高分子を取り出し、実施例
1の方法で加水分解しポリテトラフルオロエチレン製の
多孔膜側が陰極に向く様にして電解評価した。その結果
NaOH33%で槽電圧3.35V,電流効率94%で
あった。
実施例4 CF=CFOCFCFOCF=CF 6重量
部, 4重量部,(CFCFCOO) 0.2重量部か
らなるモノマーを10℃,4時間部分重合した後、ポリ
テトラフルオロエチレン製の200デニールの糸をタ
テ、ヨコ60本/インチに織った布に塗布し、両側をF
EPの剥離フイルムで覆って、更にガラス板で両側を挟
んで30℃で2日間窒素加圧下で重合した。重合後、膜
状高分子を取り出し、ステンレス製の型枠に張り付け片
方の膜状高分子上に、CF=CFOCFCFOC
F=CF 0.75重量部、 0.25重量%,(CFCFCOO)0.03
重量部を10℃,8時間部分重合した後、流延し、6kg
/cmの窒素加圧下で30℃,1日間ラミネート重合し
た。重合後、実施例1の方法で加水分解し、ラミネート
重合した側を陰極側に向けて実施例1と同様に電解を行
った。その結果、NaOH33%で槽電圧3.44V,
電流効率95%であった。
実施例5 9重量部及び(CFCFCO1重量部の混合
物を底面を水平にしたオートクレーブ中に流し込みCF
=CFガスを導入し、4kg/cmまで加圧し30℃
で非架橋樹脂層を重合した。CF=CF10重量部
吸収したところで、残余のCF=CFを放出し、窒
素で置換した。こののちCF=CFOCFCF
CF=CF10重量部, 5重量部及び(CFCFCO0.5重量部よ
りなるモノマー混合液を上記非架橋樹脂層上に流延し、
6kg/cmの窒素圧力下で30℃で2日間、第2層目の
架橋樹脂層の重合をおこなった。重合後、得られた膜状
高分子を実施例1の方法で加水分解し、第2層目の架橋
樹脂層を陰極側に向けて電解評価した。その結果、Na
OH33%で電解電圧は3.30V,電流効率は94%
であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極との間に陽イオン交換膜を配し
    て構成された電解槽を用いてアルカリ金属塩水溶液を電
    解してアルカリ金属水酸化物を生成せしめる方法におい
    て、該陽イオン交換膜として、該膜を構成するモノマー
    のうちパーフルオロジビニル化合物とスルホン酸基また
    はスルホン酸基に転換しうる官能基を有するパーフルオ
    ロビニルモノマーの合計に対して、該ジビニル化合物が
    30重量%乃至90重量%存在するモノマーを重合して得
    た、スルホン酸型イオン交換樹脂層が、少なくとも陰極
    側に存在するパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜を
    用いることを特徴とするアルカリ金属塩水溶液の電解方
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