JPS6221074B2 - - Google Patents

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JPS6221074B2
JPS6221074B2 JP57109828A JP10982882A JPS6221074B2 JP S6221074 B2 JPS6221074 B2 JP S6221074B2 JP 57109828 A JP57109828 A JP 57109828A JP 10982882 A JP10982882 A JP 10982882A JP S6221074 B2 JPS6221074 B2 JP S6221074B2
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anode
porous layer
exchange membrane
membrane
ion exchange
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JP57109828A
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Yoshio Oda
Takeshi Morimoto
Koji Suzuki
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は水酸化アルカリの製造方法、特に低電
圧で塩化アルカリ水溶液を電解して水酸化アルカ
リを得る方法に係るものである。 塩化アルカリ水溶液を電解して水酸化アルカリ
を得る方法は、近年公害防止の見地から水銀法に
代り、隔膜法が主流になりつつある。 隔膜法は、隔膜としてアスベストを用いる方法
に代り、より高純度、高濃度の水酸化アルカリを
得る目的でイオン交換膜を用いる方法がいくつか
提案されている。 他方、近年省エネルギーが世界的に進行しつつ
あり、この観点からこの種技術においては、電解
電圧を極力低くすることが望まれる。 電解電圧の低下手段としては、従来陽極や陰極
の材質、組成及び形状を考慮したり、或は用いる
イオン交換膜の組成やイオン交換基の種類を特定
化する等種々の手段が提案されている。 これら方法は、何れもそれなりの効果はあるも
のの、大多数のものは得られる水酸化アルカリの
濃度がそれ程高くないところに上限を有し、これ
を超えると急激に電解電圧の上昇や電流効率の低
下を来たしたり、或は電解電圧低下現象の持続
性、耐久性等が劣る等必ずしも工業的に十分に満
足し得るものばかりではなかつた。 最近、含弗素陽イオン交換膜の表面に、ガス及
び液透過性の多孔質層からなる陽極や陰極を密着
せしめた電解槽を使用して塩化アルカリ水溶液を
電解し、水酸化アルカリを製造する所謂SPE電解
が提案されている。(特開昭54−112398号公報参
照)かかるSPE電解は、従来この種技術において
は避け難いと考えられていた被電解液による電気
抵抗や、発生する水素や塩素ガスに基く泡による
電気抵抗を極力減らせるため、従来より一層低電
圧で電解しうる手段として優れた方法である。 SPE電解における陽極や陰極は、イオン交換膜
の表面に結合し、埋込むように設けられ、そして
膜と電極との接触界面で電解により発生したガス
は電極から容易に離脱し、且つ電解液が浸透しう
るようにガス及び液透過性にされている。このよ
うな多孔質の電極は、通常陽極や陰極としての活
性粒子と、これを結合する物質、更に好ましくは
黒鉛その他の導電材料が均一に混合され、薄層状
に成形された多孔質体からなつている。 しかしながら、本発明者の検討によると、この
ような電極層を直接イオン交換膜に結合せしめた
SPE電解の場合、電解槽における例えば陽極層
は、陰極室から逆拡散する水酸イオンと接触する
ため、従来の耐塩素性とともに耐アルカリ性が要
求され必然的に特殊、高価な材質を選ばなければ
ならない。また、かかる高価な陽極材質を用いた
場合も通常電極とイオン交換膜の寿命は、大きく
異なるため一方の寿命の到来により両者とも廃棄
せざるを得なくその経済的損失は大きい。 また、SPE電解においてはイオン交換膜に密着
した電極多孔質層と膜との界面でも電解反応が起
り、ガスが発生するのでかかる発生期のガスの圧
力により膜界面で膨れなどの現象を起し、イオン
交換膜の損傷を招くおそれがある。 更に、SPE電解ではイオン交換膜面に結合した
電極層に電圧を印加する場合、電極層に対して集
電体を圧力をもつて押接しなければ所期の低電圧
は得られない。かかる場合、大きな膜面積を有す
る工業的電解槽においては、集電体と電極層とを
膜面全体にわたつて均一に押接することは実質上
困難であり、所期の低電圧は必ずしも達成し難
い。 本発明者は、これらの難点を有さなく、一方で
は可及的に槽電圧の小さい電解方法について研究
を続けたところ、陽イオン交換膜の陽極側表面の
みに電極活性を有しない無機物の粉末粒子を付着
して形成した、膜よりも厚みが小さい粒子層から
なるガス及び液透過性の多孔質層を形成し、該多
孔質層に接触して陽極を配置せしめた電解槽にて
塩化アルカリ水溶液を電解した場合、予想外に低
電圧で水酸化アルカリ及び塩素が得られるととも
に、前記目的が実質的に達成しうることが見出さ
れた。 かかる本発明によれば、陽極は上記ガス及び液
透過性の多孔質層を介して配置されるので、膜と
直接に接触することがない。従つて、陽極には大
きい耐アルカリ性は要求されなく、従来広く使用
される耐塩素性のみを有する電極が使用でき、同
時に電極は膜又は多孔質層と結合される必要はな
いので、膜の寿命によつて膜とともに廃棄される
こともない。 更に、本発明の場合にはイオン交換膜に付着し
た多孔質層内では、電解反応は起らないので上記
したSPE電解の如く膜と電極層との界面でガスが
発生し、それにより膜が損傷を受けることもな
い。そして、SPE電解に比べて工業的電解槽の場
合に重要なことはイオン交換膜に接触して配置さ
れる陽極体は、イオン膜に必ずしも圧力をもつて
押接しなくとも十分低い槽電圧が得られることで
ある。 かくして達成される本発明による電解槽電圧
は、予想外に低く、例えば、上記多孔質層を介さ
ないで、陽極を直接陽イオン交換膜に接触せしめ
た電解槽で塩化アルカリを電解する場合に比べて
槽電圧は極めて小さい。更に多孔質層が、実質的
に非導電性粒子層から形成される場合にも得られ
ることからして予想外の効果といわざるを得な
い。 以下に本発明を更に詳しく説明すると、本発明
において、陽イオン交換膜の陽極表面に形成され
る多孔質層は、電極活性を有しない無機物の粉末
粒子を膜表面に付着して形成した膜よりも厚みが
小さい粒子層からなる多孔質層でなければならな
い。この点、例えば、有機ポリマーや無機物から
なる多孔質層であつても、予め自己支持性をもつ
ように予めシート状に成型し、これを陽イオン交
換膜と複合させてなる場合には、後記比較例に示
されるように、本発明の槽電圧の低減効果は達成
されない。 また、本発明の粉末粒子を膜面に付着して形成
した粒子層からなる多孔質層の場合、多孔質層の
厚みが重要であり、その厚みが増大したときに
は、それにつれて槽電圧が増大してしまい、本発
明の本来の目的が低減してしまうと同時に、膜表
面から多孔質層を形成する粒子が脱落してしま
う。更に、本発明の多孔質層の場合には、それに
より槽電圧の低下が図れるものであるが、その場
合の電流効率を上昇させる効果はない。これは、
本発明による槽電圧の低減効果は、陽極で発生し
た塩素ガスが、本発明の多孔質層の存在により、
膜表面に付着、滞留が防止されることによるもの
と思われる。 本発明において多孔質層を形成する材料は、陽
極としての電極活性を有しなく、且つ耐触性を有
する材料から選ばれる。即ち、多孔質層を介して
配置される陽極よりも塩素過電圧が大きい材質、
例えば非導電性材料から形成される。例えばチタ
ン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウ
ム、マンガン、モリブデン、スズ、アンチモン、
タングステン、ビスマス、インジウム、コバル
ト、ニツケル、ベリリウム、アルミニウム、クロ
ム、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、イツ
トリウム、銀、ランタン、セリウム、ハフニウ
ム、セリウム、鉛、希土類元素等の酸化物、窒化
物、炭化物の単独又は混合物等が挙げられる。こ
のうちでも好ましくは、チタン、ジルコニウム、
ニオブ、タンタル、バナジウム、マンガン、モリ
ブデン、スズ、アンチモン、タングステン、ビス
マス等の酸化物、窒化物、炭化物の単独又は混合
物等が好ましい。 これらの材質から本発明の多孔質層を形成する
場合、上記材料は粉末乃至粒子状で使用し、好ま
しくはポリテトラフルオロエチレンなどの含フツ
素重合体が懸濁液の形態で結合剤として使用され
る。この際必要ならば両者の混合を均一にするた
め界面活性剤を使用して多孔質層を形成する。こ
れらの混合物は、適宜層状に成形した後、イオン
交換膜表面に圧力及び熱を作用させることによ
り、好ましくは埋込むように付着される。 又、これら多孔質層の物性としては、陰極、陽
極側共にほぼ同一であり、平均細孔径0.01〜2000
μ、多孔率10〜99%、そして好ましくは空気透過
係数1×10-5〜10モル/cm2・min・cmHgを有する
のが適当である。これら多孔質層の物性は上記多
孔質層の形成材料である粉末乃至粒子の形状、大
きさ、使用量、更には必要に応じて使用される結
合剤である含フツ素重合体の使用量などに左右さ
れ、逆にこれらを変えることにより、上記物性を
制御することができる。 これら物性が何れも前記範囲を逸脱する場合に
は、所期の低い電解電圧を期待し得なかつたり、
電解電圧の低下現象が不安定となるおそれがある
ので何れも好ましくない。そして上記諸物性のう
ち、平均細孔径0.1〜1000μ、多孔率20〜98%、
そして好ましくは空気透過係数1×10-4〜1モ
ル/cm2・min・cmHgを採用する場合には、特に
低電圧で安定した電解操業をし得るので好まし
い。又、かかる多孔質層の厚さは、厳密には用い
られる材質や物性などにより決められるが、好ま
しくは0.1〜300μ、特に好ましくは、0.5〜100μ
を採用するのが適当であり、当然のことながらイ
オン交換膜よりも小さくせしめられる。 厚さが前記範囲を逸脱する場合には、電気抵抗
が高くなつたり、ガスの離脱が困難になつたり電
解液の移動が困難になるので好ましくない。 本発明において、上記多孔質層を介して配置さ
れる陽極は、該多孔質層面に接触して配置され
る。多孔質層を介して配置される電極は陽極だけ
でもよいが、好ましくは、陽イオン交換膜の陽極
側及び陰極側の両面に設けた場合には、電解槽電
圧をより低下させるうえで特に好ましい。 また、陽極を本発明の多孔質層を介して接触し
て設けた場合、その対電極は通常の塩化アルカリ
水溶液を電解する場合と同様の組成及び形状、極
間距離が採用される。 実際、これら電極を多孔質層を介してイオン交
換膜に接触して配置せしめる場合には、例えば多
孔質層を形成する粉末をスクリーン印刷法等でイ
オン交換膜に塗布後、加熱圧着する等の手段を用
いて、イオン交換膜の表面に多孔質層を密着して
形成させ多孔質層の表面に電極を押しあてること
などが用いられる。 本発明において、上記ガス及び液透過性の多孔
質層を介して配置される陽極は、既知の、例えば
チタンやタンタル等のエキスパンデツドメタルに
ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金等の
白金族金属やその合金及びそれらの酸化物を被覆
せしめたり、或は白金、イリジウム、ロジウム等
の白金族金属やその合金、これらの酸化物から成
る多孔板、網状体等適宜公知の陽極が用いられ
る。そして、これらの陽極のうち、白金族金属や
その合金及びこれら金属や合金の酸化物でチタン
等のエキスパンデツドメタルを被覆した陽極を採
用する場合には、特に低電圧での電解が可能とな
るので好ましい。 一方、陰極としては、例えば鉄などの基体に白
金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属やこれ
らの合金を被覆したものや、軟鋼、ニツケル、ス
テンレス等であり、これらは多孔板、金網、エキ
スパンデツドメタル等の形態で使用される。そし
て、これらの陰極のうち白金族金属又は、これら
の合金やニツケルを活性成分とする陰極を採用す
る場合には、特に低電圧での電解を期待し得るの
で好ましい。 本発明に用いられるイオン交換膜としては、例
えばカルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、フ
エノール性水酸基等の陽イオン交換基を含有する
重合体から成り、かかる重合体としては、含弗素
重合体を採用するのが特に好ましい。イオン交換
基含有の含弗素重合体としては、例えばテトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等
のビニルモノマーとスルホン酸、カルボン酸、燐
酸基等のイオン交換基に転化し得る反応性基を有
するパーフルオロのビニルモノマーとスルホン
酸、カルボン酸、燐酸基等のイオン交換基を有す
るパーフルオロのビニルモノマーとの共重合体が
好適に使用される。 又、トリフルオロスチレンの膜状重合体にスル
ホン酸基等のイオン交換基を導入したものやスチ
レンジビニルベンゼンにスルホン酸基を導入した
もの等も使用できる。 そして、これらのうち夫々以下の(イ)、(ロ)の重合
単位を形成し得る単量体を用いる場合には、比較
的高い電流効率で高純度の苛性アルカリを得るこ
とができるので特に好ましい。 (イ) (―CF2−CXX′―)、(ロ)
【式】 ここでXは弗素、塩素、水素又は−CF3であ
り、X′はX又はCF3(CF2nであり、mは1〜5
であり、Yは次のものから選ばれる。 −P−A、−O−(CF2―)n―(P、Q、R―)A ここでPは(―CF2―)a―(CXX′―)c―(CF2―)c
であ
り、Qは(―CF2−O−CXX′―)dであり、Rは(―
CXX′−O−CF2―)eであり、(P、Q、R)は
P、Q、Rの少なくとも一つを任意の順序で配列
することを表わす。X、X′は上記と同じであ
り、n=0〜1、a、b、c、d、eは0〜6で
ある。Aは−COOH、又は−CN、−COF、−
COOR、−COOM、−CONR2R3等の加水分解若し
くは中和により、−COOHに転換し得る官能基を
表わす。R1は炭素数1〜10のアルキル基、Mは
アルカリ金属又は第四級アンモニウム基であり、
R2、R3は水素又は炭素数1〜10のアルキル基を
示す。 上記Yの好ましい代表例としては、Aが弗素を
有する炭素と結合された構造を有する例えば次の
如きものが挙げられる。 (―CF2―)xA、−O(―CF2―)xA、
【式】
x、y、zは共に1〜10であり、Z、Rfは−
F又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基か
ら選ばれた基であり、Aは上記と同様である。 そして、これら共重合体から成る乾燥樹脂1g
当りの膜内カルボン酸基濃度が0.5〜2.0ミリ当量
である含弗素陽イオン交換膜を用いる場合には、
例えば苛性ソーダの濃度が40%以上であつても、
その電流効率は90%以上にも達する。そして、上
記乾燥樹脂1g当りの膜内カルボン酸基濃度が
1.1〜1.7ミリ当量の場合には、前述の如き高濃度
の苛性ソーダを高電流効率で長期にわたり安定し
て得ることができるので特に好ましい。そして、
かかるイオン交換容量を達成するには、上記(イ)及
び(ロ)の重合単位から成る共重合体の場合、好まし
くは(ロ)の重合単位が1〜40モル%、特に3〜25モ
ル%であるのが適当である。 本発明に用いられる好ましいイオン交換膜は、
上記の様な弗素化オレフイン単量体とカルボン酸
基若しくはカルボン酸基に転換しうる官能基を有
する重合能ある単量体との共重合体によつて得ら
れる非架橋性の共重合体から構成されるが、その
分子量は、好ましくは約10万〜200万、特に15万
〜100万が適当である。又、かかる共重合体を製
造するには前記各単量体の一種以上を用い、さら
に第三の単量体を共重合することにより得られる
膜を改質することもできる。例えば、CF2
CFORf(Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアル
キル基)を併用することにより得られる膜に可撓
性を付与したり、或はCF2=CF−CF=CF2
CF2=CFO(CF21〜3CF=CF2等のジビニルモ
ノマーを併用することにより、得られる共重合体
を架橋せしめ、膜に機械的強度を付与することも
できる。弗素化オレフイン単量体とカルボン酸基
若しくは該基に転換し得る官能基を有する重合能
ある単量体、さらには第三の単量体との共重合
は、既知の任意の手段で行なわれる。即ち、必要
に応じ例えばハロゲン化炭化水素等の溶媒を用
い、触媒重合、熱重合、放射線重合等により重合
し得る。又、得られた共重合体からイオン交換膜
に製膜する手段も特に制限はなく、例えばプレス
成形、ロール成形、押出し成形、溶液流延法、デ
イスパージヨン成形、粉末成形等適宜公知の手段
を採用し得る。 かくして得られる膜は、その厚さが20〜500
μ、好ましくは50〜400μにせしめるのが適当で
ある。 又、共重合体の製膜工程に相前後し、好ましく
は製膜後に共重合体がカルボン酸基そのものでは
なく、該基に転換し得る官能基の場合には、それ
に応じた適宜な処理により、これらの官能基がカ
ルボン酸基に転換される。例えば、−CN、−
COF、−COOR1、−COOM、−CONR2R3(M、R1
〜R3は上記と同様)の場合には、酸又はアルカ
リのアルコール溶液により加水分解又は中和せし
めてカルボン酸基に転換し、又官能基が二重結合
の場合には−COF2と反応せしめてカルボン酸基
に転換される。さらに、本発明に用いられる陽イ
オン交換膜は、必要に応じ、製膜時にポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフインの重合体、好
ましくはポリテトラフルオロエチレン、エチレン
とテトラフルオロエチレンとの共重合体等の含弗
素重合体を混合して成形することもでき、或はこ
れらの重合体からなる布、網等の織物、不織布又
は多孔質フイルム等を支持体としたり、金属製の
線や網、多孔体を支持体として用いて膜を補強す
ることも可能である。又、電解に供せられる塩化
アルカリとしては、塩化ナトリウムが一般的であ
るが、その他、塩化カリウム、塩化リチウム等の
アルカリ金属の塩化物である。次に本発明を実施
例により説明する。 実施例 1 粒径44μ以下の酸化スズの粉末73mgを水50c.c.中
に懸濁させ、これにポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)懸濁液(デユポン社、商品名テフロン
30J)を、PTFEが7.3mgになるように加え、これ
に非イオン系界面活性剤(ロームアンドハース
社、商品名トライトンX−100)を一滴滴下後、
氷冷下で超音波撹拌機を用いて撹拌後、多孔性
PTFE膜上に吸引過し、多孔性の酸化スズ薄層
を得た。 該薄層は、厚さ30μ、多孔率75%を有し酸化ス
ズが5mg/cm2含まれていた。 次いで、上記PTFEに担持された薄層をイオン
交換容量が、1.45meq/g樹脂、厚さ250μを有
する、テトラフルオロエチレンとCF2=CFO
(CF23COOCH3との共重合体からなる陽イオン
交換膜の陽極側表面に、PTFE膜がイオン交換膜
に対して外側になるように積層し、温度160℃、
圧力60Kg/cm2にて押圧した。その後PTFE膜を取
り除き、イオン交換膜の陽極側面に酸化スズ粒子
からなる多孔質層が密着したイオン交換膜を得
た。 該イオン交換膜を、90℃、25重量%の苛性ソー
ダ水溶液中で、16時間浸漬して、前記イオン交換
膜を加水分解した。 その後、40メツシユの白金金網を上記多孔質層
面に、20メツシユのニツケル金網を陽イオン交換
膜の反対側面に、0.1Kg/cm2の圧力で加圧接触さ
せた後、白金金網を陽極、ニツケル金網を陰極と
して電解槽を組立てた。 そして、電解槽の陽極室の食塩水溶液を4Nの
濃度に保ち、また陰極室に水を供給して、陰極液
中の苛性ソーダ濃度を35重量%に保ちつつ90℃で
電解し、以下の結果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 10 2.74 20 3.01 30 3.21 40 3.36 また、20A/dm2の電流密度で電解を続けたと
ころ苛性ソーダ生成の電流効率は91%であつた。 比較例 1 実施例1において、多孔質層を介することなく
イオン交換膜の陽極面及び陰極面にそれぞれ実施
例1で用いたと同じ白金金網及びニツケル金網を
接触させたほかは、実施例1と全く同様にして電
解したところ以下の結果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 10 2.90 20 3.30 30 3.65 40 3.91 また、20A/dm2の電流密度で電解を続けたと
ころ苛性ソーダ生成の電流効率は93%であつた。 比較例 2 実施例1において使用したのと同じ陽イオン交
換膜の陽極側の表面に、厚さ110μ、開口率76%
のポリテトラフルオロエチレン製の不織布を、
140℃、30Kg/cm2の条件で、加熱圧着した陽イオ
ン交換膜を用いた以外は、実施例1と同様にして
塩化アルカリ水溶液の電解を行い、以下の結果を
得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 20 3.06 40 3.46 また、電流密度20A/dm2にて電解を続けたと
ころ苛性ソーダ生成の電流効率は93%であつた。 比較例 3 比較例2において、PTFE製不織布の代りに、
厚さ120μ、開口率60%のエチレン―テトラフル
オロエチレン共重合体(旭硝子社製、商品名アフ
ロンCOP)製織布を、同様な条件で、陽イオン
交換膜の陽極側面に加熱、圧着した膜を用いた以
外は、実施例1と同様にして塩化アルカリ水溶液
の電解を行い、以下の結果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 20 3.19 40 3.71 また、電流密度20A/dm2で電解を続けたとこ
ろ、苛性ソーダ生成の電流効率は、93.5%であつ
た。 実施例 2 実施例1において、多孔性酸化スズ薄層の代り
に、厚さ28μ、多孔率78%の物性を有して、酸化
チタンを5mg/cm2を含む多孔性薄層を用いた以外
は全く実施例1と同様にして電解を行ない、以下
の結果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 10 2.73 20 3.00 30 3.19 40 3.34 また、20A/dm2の電流密度で電解を続けたと
ころ苛性ソーダ生成の電流効率は91.5%であつ
た。 実施例 3 実施例1において、陽イオン交換膜として、テ
トラフルオロエチレン CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF22SO2Fとの
共重合体からなるイオン交換容量0.67meq/g乾
燥樹脂の膜を用い、多孔質層を表面に付着した後
に実施例1と同様にして加水分解して使用した。
これ以外は、実施例1と同様にして電解を行なつ
て以下の結果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 10 2.91 20 3.13 30 3.36 40 3.51 実施例 4 実施例1において、イオン交換膜の陽極側に酸
化スズの代りに、粒径5μ以下の酸化鉄粒子から
なる多孔率90%、厚さ30μの多孔性薄層(付着量
1mg/cm2)を付着させ、イオン交換膜の陰極側に
はなにも付着させない膜を使用したほかは実施例
2と全く同様な方法及び条件で電解し、以下の結
果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 10 2.70 20 3.04 30 3.20 40 3.33 また、20A/dm2の電流密度で電解を続けたと
ころ苛性ソーダ生成の電流効率は93%であつた。 実施例 5〜18 実施例1で用いたのと同じ陽イオン交換膜の陽
極側及び陰極側に、それぞれ以下第1表に示され
る粒径25μ以下の粉末を用いて多孔率40〜90%、
厚さ3〜30μの多孔質層を実施例1と同様な方法
で付着させた膜を使用したほかは、実施例1と同
様な方法及び条件で電解を行ない第1表の如き結
果を得た。なお、表中において例えば実施例14の
「Fe2O3−SnO2(1:1)」は、Fe2O3とSnO2
モル比で1:1の混合物からなることを示し、ま
た「−」は、何も付着させないことを示す。
【表】
【表】 実施例 19 酸化ジルコニウム粉末(平均粒径5μ)20部、
メチルセルロース1部、水50部、シクロヘキサノ
ール6部、シクロヘキサノン2部を含む混合物を
混練し、ペーストを得た。このペーストをメツシ
ユ数200、厚さ75μmのテトロン製スクリーン、
その下に厚さ30μmのスクリーンマスクを施した
印刷板、およびウレタンゴム製のスキージを用い
て、被印刷基材である表面平滑なマイラーフイル
ム(厚さ160(μ))の片面に20cm×25cmの大きさ
にスクリーン印刷し空気中で乾燥し、ペーストを
固化させた。得られた印刷層をイオン交換基容量
が1.44meq/g乾燥樹脂、厚さ210μを有するポ
リテトラフルオロエチレンとCF2=CFO
(CF23COOCH3の共重合体から成るイオン交換
膜の陽極面にマイラーフイルムがイオン交換膜に
対して外側になるように積層し、温度140℃、圧
力30Kg/cm2の条件で加熱圧着させ、その後にマイ
ラーフイルムを取り除くことにより、イオン交換
膜の陽極面に酸化ジルコニウムが膜面1cm2当り
1.0mg付着した多孔率82%、厚さ10μの多孔質層
を形成させた。 一方、酸化ニツケル(平均粒径4μ)を用いた
他は前記と同様に前記イオン交換膜の陰極面に酸
化ニツケルが膜面1cm2当り2.0mg付着した多孔率
81%、厚さ15μの多孔質層を形成させた。 この後、90℃、25重量%の苛性ソーダ水溶液に
16時間浸漬して前記イオン膜を加水分解した。 該イオン交換膜の酸化ジルコニウム層側にチタ
ンのエキスパンデツトメタル(短径2.5mm、長径
5.0mm)に酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸
化チタンの固溶体を被覆した低い塩素過電圧を有
する陽極を、また酸化ニツケル層側にSUS304エ
キスパンデツトメタル(短径2.5mm、長径5.0mm)
を52重量%の苛性ソーダ水溶液中で150℃で52時
間エツチング処理して低い水素過電圧を有するよ
うにした陰極を加圧接触させ、陽極室に5規定の
塩化ナトリウム水溶液を、陰極室に水を供給し、
陽極室の塩化ナトリウム水溶液濃度を4規定に、
陰極室の苛性ソーダ水溶液濃度を35重量%に保ち
つつ90℃で電解を行い、以下の結果を得た。 電流密度(A/dm2) 槽電圧(V) 10 2.56 20 2.75 30 2.93 40 3.10 また、電流密度20A/dm2で電解を継続したと
ころ、苛性ソーダ生成の電流効率は92%であつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陽極及び陰極間を陽イオン交換膜で区画した
    電解槽であつて、陽イオン交換膜は、その陽極側
    表面のみに、陽極活性を有しない無機物の粉末粒
    子を付着して形成した、膜よりも厚みが小さい
    0.1〜300μの厚みを有する、粒子層からなるガス
    及び液透過性の多孔質層をもち、陽極が、該多孔
    質層に接触して配置された電解槽にて塩化アルカ
    リ水溶液を電解することを特徴とする水酸化アル
    カリの製造方法。 2 ガス及び液透過性の多孔質層が、平均細孔径
    0.01〜2000μ及び多孔率が、10〜99%を有する特
    許請求の範囲1の方法。 3 多孔質材料が、チタン、ジルコニウム、ニオ
    ブ、タンタル、ハフニウム、スズ、バナジウム、
    マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニ
    ウム、クロム、ガリウム、セリウム、トリウム、
    セレン、鉄、イツトリウム、希土類、インジウ
    ム、ニツケル、銀、コバルト、ベリウムの酸化
    物、窒化物、炭化物およびそれらの混合物から選
    択される特許請求の範囲1又は2の方法。 4 ガス透過性の多孔質層を介して配置される陽
    極が、多孔板、金属網又はエキスパンデツトメタ
    ルである特許請求の範囲1、2又は3の方法。 5 陽極が、白金族金属、その合金又はそれらの
    酸化物でチタン等のエキスパンデツドメタルを被
    覆した電極である特許請求の範囲4の方法。 6 陰極が、軟鋼、ニツケル又はステンレスから
    なるエキスパンデツドメタルである特許請求の範
    囲4の方法。
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