JPH06316259A - 過負荷機能を有する押出し装置を備えた懸吊搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トロリーが元のレールから出るときに動かな
くなっても、搬送車両または懸吊装置が損傷しないよう
に、懸吊搬送装置を改良する。 【構成】 懸吊搬送装置はレール上を案内されて転動す
る搬送車両を備えている。搬送車両をレールから外すた
めの押出し装置８は爪２を備えている。この爪は搬送方
向Ｔと反対方向に第３の位置へ揺動可能である。それに
よって、押出し装置８が転轍器１４の範囲で動かなくな
った搬送車両を通過する。上方へ揺動した爪２によって
同時に、フラップ１３が側方へ移動する。これによっ
て、搬送装置の停止を即時開始することができる。外方
へ揺動したフラップにより、保守人は故障した転轍器１
４を見つけることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、走行レールと駆動チェ
ーンによって形成された搬送レーンを具備し、この駆動
チェーンが走行レールの上方を走行レールと平行に水平
に無端回転し、更に他のレーンへの少なくとも一つの分
岐部を備え、搬送車両が搬送チェーンに固定された、各
々の搬送車両の後側で作用する押出し装置によって、前
記の他のレーンへ移動可能であり、押出し装置が担持装
置と、ピンによって垂直平面内で揺動可能に担持装置に
取付けられた爪とを備え、爪が第１の位置と、搬送方向
へ揺動した第２の位置を占めることができる、特にハン
ガーに懸吊された衣類を搬送するための、レール上を案
内されて転動する搬送車両を備えた懸吊搬送装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】特に衣服産業において、洋服ハンガーに
懸吊される衣類は、検査または搬出のために、懸吊搬送
装置の単線搬送車両、いわゆるトロリーの担持棒に掛け
られる。レール上を走行するトロリーは、それぞれ前側
の走行ローラに作用する連行体を介して押される。この
連行体は駆動要素に形成されている。この駆動要素は走
行レールの上方に設けた駆動チェーンに固定されてい
る。

【０００３】このような懸吊搬送装置は転轍器を介して
互いに接続された異なるレールレーンを備えている。こ
の転轍器で、トロリーはそれぞれ実際の搬送レーンから
分岐する搬送レーンへ移動することができる。そのため
に、押出し要素が同様に駆動チェーンに固定され、トロ
リーの後側で働くように設けられている。トロリーが新
しい搬送レーンに移動する際に、前側の走行ローラが実
際のレールレーンから出るときに、駆動要素は前側の走
行ローラとの係合を解除する。そして転動移動するトロ
リーは減速し、駆動チェーンの変わらぬ回転速度で更に
駆動される、トロリーの後側に設けられた押出し装置
が、実際の搬送レーンにあるトロリーの後側の走行ロー
ラに作用する。それによって、トロリーは元の駆動速度
で新しい搬送レーンへ押し出される。

【０００４】トロリーが確実に押し出されるようにする
ために、押出し装置の爪は搬送方向と反対方向に動かな
いようにしなければならない。しかし、個々の押出し装
置の間でトロリーをレールに載せることができるように
するために、爪は搬送方向に揺動可能に押出し装置に設
けられている。それによって、爪は後側から来るトロリ
ーによって持上げられる。

【０００５】更に、連行体の端部を水平にかつ偏心して
通過する、合成樹脂で作られたチェーンを、押出し要素
に固定することが知られている。元のレーンから新しい
レーンに移動するときに、搬送運転に後まで影響を与え
る二つの衝突事故が考えられる。第１の事故では、搬送
車両の前側の走行ローラが転轍器を通過した後で、転轍
器が後退する。それによって、前側の走行ローラが新し
い搬送レーンに移動し、後側のローラが元の搬送レーン
に留まる。搬送車両の担持湾曲部材が走行ローラを支持
する担持アングル部材に回転可能に支承されているの
で、前側のローラと後側のローラの平行間隔が担持湾曲
部材の長さに達するまで、押出し装置は横向きのトロリ
ーを更に押す。それ以上の搬送運動は不可能である。搬
送チェーンが停止しないと、材料の破壊が生じる。第２
の事故では、搬送車両が通常のごとくレーンから出て、
新しい搬送レーンが塞がっているときに、トロリーが障
害物に当たる。障害物が実際の搬送レーンにあり、トロ
リーが新しい搬送レーンに完全に走入できないときに
は、トロリーは押出し装置によって搬送できず、駆動装
置が直ちに停止するときにも、必ず材料の破壊が生じ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の根底
をなす課題は、トロリーが元のレールから出るときに動
かなくなっても、搬送車両の損傷あるい搬送車両の個々
の部品の損傷が回避されるように、懸吊搬送装置を改良
することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題は冒頭に述べた
種類の懸吊搬送装置において、爪が、搬送方向と反対方
向に揺動した第３の位置を占めることが可能であること
によって解決される。

【０００８】本発明の有利な実施形は従属請求項に記載
してある。押出し装置の爪が、搬送方向と反対方向に揺
動した第３の位置を占めることにより、爪はそれ以上の
移動を阻止されるトロリーによって直接、離れるように
揺動し、押出し装置が動かなくなったトロリーを通過す
る。ばねの力に逆らって第３の位置へ揺動が行われると
きに、ばねを適当に選定することにより、動かなくなっ
たトロリーによって生じるような力の作用によって初め
て、爪が離れるように揺動することが達成される。

【０００９】上方へ揺動した爪を見えるようにするため
の、請求項３による機械的な装置により、操作人は元の
レールから出るときにどの場所で問題が起きたかを直接
知ることができる。更に、外方へ揺動したフラップによ
って、非常用停止スイッチを操作し、搬送車両が動かな
くなったすぐ後で搬送装置を停止できるようにすること
ができる。外方へ揺動したフラップによって、保守人は
故障した転轍器を簡単に見つけることができる。

【００１０】転轍器の近くにおいて光学式監視装置が搬
送レーンに対して平行に配置され、外がへ揺動した押出
し装置のフラップが監視装置の光線を遮断すると、自動
信号が搬送装置の制御ユニットに供給される。この信号
は駆動チェーンを停止するために使用可能である。

【００１１】

【実施例】次に、図に基づいて本発明を詳しく説明す
る。図１は懸吊搬送装置の原理的な構造を示している。
搬送車両１は実質的にＵ字形に曲げられた担持棒３３か
らなっている。この担持棒はその両端で、走行ローラ担
持体３４に回転可能に支承されている。走行ローラ担持
体３４はそれぞれ、前側と後側の走行ローラ３０の軸３
１を支持している。走行ローラ３０を取り囲んで衝突キ
ャップ３２が設けられている。この衝突キャップには、
特に合成樹脂で作られた、駆動要素２１の連行体１８が
作用する。走行ローラ支持体３４、走行ローラ３０およ
び衝突キャップ３２は、搬送車両の前側と後側の端部に
同一に形成され、従って図では同じ番号が付けてある。

【００１２】懸吊搬送装置は実質的に、チェーン通路６
と、詳しく示していないプロフィルを有する走行レール
４からなっている。チェーン通路は、図示していない減
速機付モータによってその中を連続的に回転駆動される
駆動チェーン５を備えている。走行ローラ３０は中央の
周溝（図示していない）を備えているので、公知のごと
く、走行レール４のプロフィルによって案内されて転動
する。走行レール４、駆動チェーン５およびチェーン通
路６は搬送レーンを形成する。モータＭによって連続的
に回転駆動される駆動チェーン５が空間的（三次元的）
に動くことができるので、搬送車両１と共に上り走行も
下り走行も行うことができ、搬送レーンは弧状に延長可
能である。駆動チェーン５は担持兼支持ローラ３５，３
６によってチェーン通路６内を案内されている。隣接す
る２個の担持ローラ３５の範囲において、駆動要素２１
または押出し装置８が、チェーン通路６から下方へ突出
する担持アングル部材３７を介して駆動チェーン５に固
定されている。駆動要素２１と押出し装置８は駆動チェ
ーン５に交互に連結されている。この場合、駆動要素２
１に設けられた連行体１８は、搬送方向Ｔに見て前側の
搬送車両１の走行ローラ３０の衝突キャップ３２に作用
し、この搬送車両を回転する駆動チェーン５の速度で押
す。

【００１３】搬送車両１の後側の走行ローラ３０に対し
て水平方向に離して、押出し装置８が設けられている。
この押出し装置８は実質的に、ピン１０の回りに揺動可
能に支承された爪２、桁要素２２、ばね１２の力に抗し
て揺動可能に桁要素２２に固定された薄板９、および上
方へ揺動する爪２によって外方へ揺動可能な薄板１１か
らなっている。この薄板１１にはフラップ１３が固定さ
れている。

【００１４】担持要素２２は横断面がＵ字状のプロフィ
ルを有する（図５）。側壁２２ａ，２２ｂに設けられた
穴２３には、ピン１０を介して爪２が揺動可能に枢着さ
れている。担持要素２２の背面２２ｃは爪２の上方に、
全幅に達する凹部１４を備えている。この凹部の長さ
は、連行体２の幅ｂよりも幾分長い。押出し装置８の背
面２２ｃの上方において、前側と後側の担持アングル部
材３７，３７ａの間に、薄板９が揺動可能に固定されて
いる。そのために、薄板９はその前端部に、下方へ曲が
った舌片９ａを備えている。この舌片は背面２２ｃに設
けた穴２４に係合している。薄板９の前端部は中央にス
リット９ｂを備えている。凹部１４の後方（図で右側）
において、背面２２ｃの中央には穴２５が設けられてい
る。この穴には、ボルト１５が下側から挿通されてい
る。このボルトは薄板９のスリット９ｂに係合してい
る。薄板９の上方において、ボルト１５には２個のワッ
シャ２６ａ，２６ｂが設けられている。このワッシャの
間には圧縮ばね１２が設けられている。圧縮ばねはボル
ト１５にねじ込まれたナット１５ａを介して予圧縮され
ている。この圧縮ばね１２の力に抗して、薄板９は上方
へ揺動可能である。その際、揺動点は舌片９ａの高さに
ある。凹部１４の前において、フラップ１３を支持する
薄板１１が、ボルト連結部１６，１６ａを介して担持要
素２２の背面２２ｃに水平方向に揺動可能に固定されて
いる。薄板１１は図７に示すように角のある形をしてい
る。薄板１１の水平方向で働く角には、突起１７が形成
されている。この突起は図４に示した、薄板１１または
フラップ１３の接触位置では、凹部１４から突出してい
る。

【００１５】薄板９はばね１２によって付勢されて爪２
を押し、爪２の中心からはずれた位置における枢着によ
って、爪２が搬送方向Ｔと反対方向に揺動しないように
する。爪２に作用し、反時計回りのモーメントを加える
力が、てこの働きで作用するばね１２の押圧力よりも大
きいと、爪２は搬送方向Ｔと反対方向に揺動し、その後
側の端部２ａが薄板９を上方へ押す。この揺動運動の際
に、爪２は薄板１１の突起１７に係合し、突起１７の湾
曲した形に補助されて、薄板１１を揺動揺動させ、それ
に固定されたフラップ１３を外側へ揺動させる。

【００１６】爪２の後側の縁部２ａは丸められ、かつ後
側の面２６から突出している。これにより、縁部２ａが
ピン１０の回りに作用する回転点の前に達するように
（図６）、爪２が上方に揺動するときに、同様に反時計
回りに回転させようとする力が薄板９に作用する。この
モーメントは爪２を第３の位置に保持し、爪２の重力に
よる元の位置への揺動を防止する。

【００１７】揺動運動を引き起こす力は、転轍器１９の
範囲において走行を阻止された搬送車両１によって生じ
る。従って、押出し装置８は搬送車両１の後側のローラ
３０を越えて移動する。その際、押出し装置は損傷する
ことがない。

【００１８】転轍器１９の範囲には、光学式の監視装置
３が搬送レーン６に設けられている。この監視装置３は
例えばレーザーあるいは従来の光バリヤ（光学式通過セ
ンサ）である。図２には、投光器と受光器からなる光バ
リヤ３が略示してある。この監視装置３は、駆動要素２
１と押出し装置８のそばを通過させて光を放射するよう
配置されている。搬送車両の停止によって爪２が上方へ
揺動し、その際フラップ１３が外側へ揺動するときに、
監視装置３の光線は遮られ、それによって搬送車両１が
転轍器１９の範囲でそれ以上搬送されないことが判る。
監視装置３は懸吊搬送装置の制御ユニット２０に接続さ
れている。光線の遮断によって、搬送チェーン５の駆動
を即刻停止するための信号が制御ユニット２０に供給さ
れる。それによって、搬送装置の損傷が効果的に回避さ
れる。

【００１９】外方へ揺動したフラップ１３は、保守人が
後で信号を発した転轍器１９を見つけ出す助けとなる。
光学式監視装置３の代わりに、外方へ揺動したフラップ
１３によって操作されるよう、マイクロスイッチを転轍
器１９の近くに取付けることができる。その際、搬送装
置の停止は機械−電気的に行われる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明による懸吊搬
送装置は、トロリーが元のレールから出るときに動かな
くなっても、搬送車両の損傷あるい搬送車両の個々の部
品の損傷が回避されるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】懸吊搬送装置の原理を示す部分図である。

【図２】転轍器によって連結された主搬送レーンと副搬
送レーンを示す図である。

【図３】押出し装置の部分断面図である。

【図４】図３の押出し装置の平面図である。

【図５】図３の押出し装置の側面図である。

【図６】上方へ揺動した爪を備えた図３の押出し装置を
示す図である。

【図７】上方へ揺動した爪を備えた図４の押出し装置を
示す図である。

【図８】上方へ揺動した爪を備えた図５の押出し装置を
示す図である。

【図９】図４の部品の斜視図である。

【符号の説明】

１ 搬送車両 ２ 爪 ２ａ 後端部 ３ 監視装置 ４ 走行レール ５ 駆動チェーン ６ 搬送レーン ７ レーン ８ 押出し装置 ９ 薄板 ９ａ 舌片 ９ｂ スリット １０ ピン １１ 薄板 １２ ばね １３ フラップ １４ 凹部 １５ ボルト １５ａ ナット １６ ボルト １６ａ ナット １７ 突起 １８ 連行体 １９ 転轍器 ２０ 制御ユニット ２１ 駆動要素 ２２ 桁要素 ２２ａ，２２ｂ 側面 ２２ｃ 背面 ２３ 穴 ２４ 穴 ２５ 穴 ２６ａ，２６ｂ ワッシャ ３０ 走行ローラ ３１ 軸 ３２ 衝突キャップ ３３ 担持棒 ３４ 走行ローラ担持体 ３５ 担持ローラ ３６ 支持ローラ ３７，３７ａ 担持用アングル部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲルハルト・シリング ドイツ連邦共和国、ビーレフエルト、フル トヴエングラーシユトラーセ、33

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行レール（４）と駆動チェーン（５）
   によって形成された搬送レーン（６）を具備し、この駆
   動チェーンが走行レールの上方を走行レールと平行に水
   平に無端回転し、更に他のレーン（７）への少なくとも
   一つの分岐部を備え、搬送車両（１）が搬送チェーン
   （５）に固定された、各々の搬送車両（１）の後側で作
   用する押出し装置（８）によって、前記の他のレーンへ
   移動可能であり、押出し装置（８）が担持装置（９）
   と、ピン（１０）によって垂直平面内で揺動可能に担持
   装置に取付けられた爪（２）とを備え、爪（２）が第１
   の位置と、搬送方向（Ｔ）へ揺動した第２の位置を占め
   ることができる、特にハンガーに懸吊された衣類を搬送
   するための、レール上を案内されて転動する搬送車両
   （１）を備えた懸吊搬送装置において、爪（２）が、搬
   送方向（Ｔ）と反対方向に揺動した第３の位置を占める
   ことが可能であることを特徴とする懸吊搬送装置。
2. 【請求項２】 ばね（１２）の力に抗して第３の位置を
   占めることが可能であることを特徴とする請求項１の懸
   吊搬送装置。
3. 【請求項３】 担持装置（９）が、第３の位置へ揺動し
   た爪（２）を非作用位置から作用位置へもたらすことが
   できる機械的な装置（１３）を備え、作用位置が第３の
   位置へ揺動した爪（２）を見えるようにする働きを有す
   ることを特徴とする請求項１または２の懸吊搬送装置。
4. 【請求項４】 担持装置（９）が爪（２）の枢着点の上
   方に凹部（１４）を備え、この凹部が爪（２）の第１と
   第２の位置で、ばね付勢された薄板（９）によって覆わ
   れ、薄板（９）が第３の位置へ揺動する爪（２）によっ
   て揺動可能であることを特徴とする請求項１〜３のいず
   れか一つの懸吊搬送装置。
5. 【請求項５】 爪（２）の作用位置で凹部（１４）から
   突出する、フラップ（１３）を担持する薄板（１１）
   が、凹部（１４）の前端部で押出し装置（８）に水平方
   向に揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項
   １〜４のいずれか一つの懸吊搬送装置。
6. 【請求項６】 薄板（１１）が突起（１７）を備え、こ
   の突起が第３の位置へ揺動する爪（２）と協働すること
   を特徴とする請求項５の懸吊搬送装置。
7. 【請求項７】 搬送レーン（６）と平行に作用する光学
   式監視装置（３）が設けられ、かつ外へ揺動したフラッ
   プ（１３）を検出するよう配向されていることを特徴と
   する請求項１〜５のいずれか一つの懸吊搬送装置。
8. 【請求項８】 監視装置（３）が制御ユニット（２０）
   に作用連結され、外へ揺動したフラップ（１３）を検出
   するときに、搬送チェーン（５）を停止するために、制
   御ユニット（２０）が信号を得ることを特徴とする請求
   項７の懸吊搬送装置。