JPH0630451Y2

JPH0630451Y2 - リボンガイド付き印字装置

Info

Publication number: JPH0630451Y2
Application number: JP1986173797U
Authority: JP
Inventors: 晃志郎山口
Original assignee: Brother Industries Ltd
Current assignee: Brother Industries Ltd
Priority date: 1986-11-12
Filing date: 1986-11-12
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 2001-11-12
Also published as: JPS6377765U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は印字リボンの走行を案内するリボンガイド付
き印字装置に関するものである。

（従来の技術）一般に、印字装置としては、印字ヘッドをプラテンに近
接する印字位置へ移動することにより、リボンカセット
から露出するリボンの一部を印字ヘッドの先端で案内し
ながらプラテン上の印字用紙に近接させ、その状態で印
字ヘッドをプラテンに沿って移動しながら前記印字リボ
ンを介して印字を行うととともに、印字ヘッドをプラテ
ンから離間するリリース位置に配置した状態で、スペー
ス移動や紙送り動作等を行うようにしたものがある。そ
して、この印字装置において、印字ヘッドをリリース位
置へ移動させた時に生じる印字リボンのたるみはリボン
カセット内のばねのたわみを利用してリボンカセット内
に吸収されるようになっている。

（考案が解決しようとする問題点）ところが、この従来装置のたるみ取りばねを、印字リボ
ンの露出量が多いリボンカセットに適用すると、前述し
たたるみの吸収が充分に行われず、従ってたるみ取り動
作が不確実になり、その場合にはリボンが正規の走行路
から外れて蛇行したり、或いはいわゆるジャムを生じる
ことがあった。また、特に一印字行の左端から右端ま
で、印字ヘッドの先端でリボンをプラテンに押圧しなが
ら走行させる形式の印字装置において、その左端付近で
一旦リボンが蛇行すると、右端付近では正規の走行路か
ら大きくずれて、印字ヘッドとリボンとが正しく対向し
なくなり、印字不良を起こすおそれがあった。

（考案の目的）この考案は上記の事情に鑑みてなされたものであって、
その目的は簡単な構成で印字ヘッド近傍におけるリボン
のたるみ発生を未然に防止してリボンの安定した走行を
確保することができ、印字不良を起こすことのないリボ
ンガイド付き印字装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段）上記の目的を達成するために、この考案においては、プ
ラテンに沿って移動可能なキャリッジと、そのキャリッ
ジ上において供給部材から巻取り部材に給送される印字
リボンを前記キャリッジ上の所定位置で案内する一対の
固定リボンガイドと、その一対の固定リボンガイド間に
配置される印字ヘッドと、その印字ヘッドの両側に設け
られ、その印字ヘッドの移動とともに前記印字リボンを
移動案内可能な可動リボンガイドと、前記印字ヘッドを
プラテンに圧接する印字位置とプラテンから所定距離だ
け離間するリリース位置とに移動させる移動手段であっ
て、前記印字ヘッドが印字位置にあるときの可動リボン
ガイドと固定リボンガイド間の印字リボンの長さと、前
記印字ヘッドがリリース位置にあるときの前記長さが略
等しくなるように前記印字ヘッドを移動させる移動手段
とを設けている。

（作用）上記の構成においては、移動手段により印字ヘッドの移
動とともに可動リボンガイドの配置位置が切替えられ、
印字ヘッドが印字位置にある時の可動リボンガイドと固
定リボンガイドとの間の印字リボンの長さと、印字ヘッ
ドがリリース位置にあるときの前記長さとが略等しくな
る。従って、印字ヘッドの配置切替えにより印字ヘッド
近傍におけるリボンにたるみが生じることはない。

（実施例）以下、この考案を具体化した一実施例を第１図及び第２
図に基づいて詳細に説明する。

さて、この実施例における印字装置のフレーム（図示
略）には、プラテン１が取着され、その前方にはガイド
ロック２及び案内レール（図示略）が平行に延長配置さ
れている。キャリッジ３は前記ガイドロック２及び案内
レールの上に支持され、駆動源（図示略）によりプラテ
ン１に沿って往復移動されるようになっている。前記キ
ャリッジ３の後側部には切欠部３ａが設けられるととも
に、駆動源（図示略）により支軸４を中心に前後方向へ
回動される移動手段としての支持アーム５が設けられて
いる。そして、その支持アーム５の先端にはサーマルヘ
ッドよりなる印字ヘッド６が上方へ向かって突設される
とともに、その印字ヘッド６の両側近傍には一対の可動
リボンガイド７，８が上方へ向かって突設されており、
それら６〜７が前記切欠部３ａ内において移動可能に配
置されている。前記印字ヘッド６は支持アーム５の回動
に基づき、常には第１図に２点鎖線で示すようにプラテ
ン１から離間したリリース位置に配置され、印字時には
同図に実線で示すようにプラテン１に圧接した印字位置
に配置される。また、キャリッジ３上面には巻取り軸９
及び供給軸１０が突設されている。

リボンカセット１１は前記キャリッジ３上に着脱可能に
支持され、その後側には前記印字ヘッド６の進入可能な
切欠部１１ａが形成されている。また、その切欠部１１
ａの両側においてリボンカセット１１の内部には一対の
固定リボンガイド１２，１３が設けられている。さら
に、固定リボンガイド１２，１３の両側にはフェルト材
１４を先端部に貼着した板ばね１５がその基端にて取付
片１６により固定され、そのばね力に基づきフェルト材
１４を前記両固定リボンガイド１２，１３に圧接してい
る。また、リボンカセット１１の内部には未使用状態の
熱転写リボンよりなる印字リボン１７を巻回した供給部
材としての供給スプール１８及び使用済の前記印字リボ
ン１７を巻回するための巻取り部材としての巻取りスプ
ール１９がそれぞれ回転可能に収容配置されている。そ
して、供給スプール１８から巻取りスプール１９に供給
される印字リボン１７は前記フェルト材１４及び固定リ
ボンガイド１２，１３間で挾持案内されるとともに、そ
の一部が切欠部１１ａ内に走行可能に露出されている。

さらに、前記リボンカセット１１がキャリッジ３に装着
された状態において、印字リボン１７の露出部分は両可
動リボンガイド７，８及び印字ヘッド６に掛け渡され、
印字ヘッド６が第１図に実線で示す印字位置に配置され
る時、印字ヘッド６によりプラテン１上の印字用紙（図
示略）に圧接される。そして、印字ヘッド６の発熱によ
りこの印字リボン１７を介して印字用紙に印字を行い得
るようになっている。また、前記両スプール１８，１９
はリボンカセット１１がキャリッジ３に装着された状態
において、前記両軸９，１０にそれぞれ係合され、印字
動作に伴って巻取り軸９がリボン巻取り方向へ回転され
ることにより、使用済の印字リボン１７が巻取りスプー
ル１９に巻取られるようになっている。

そして、この実施例では、第１図に示すように、支承４
及び両固定リボンガイド１２，１３の中心点Ｏ，Ｐ，Ｑ
が同一直線Ｌ上に配置されているとともに支軸４及び両
可動リボンガイド７，８の中心点Ｏ，Ｒ１，Ｓ１も同一
直線上にくるよう配設されている。また、印字ヘッド６
が印字位置に配置された場合の可動リボンガイド７，８
の中心点Ｒ１，Ｓ１及び前記中心点Ｏを結ぶ直線Ｍ１と
前記直線Ｌとのなす角度θ１と、印字ヘッド６がリリー
ス位置に配置された場合の前記中心点Ｒ１，Ｓ１に対応
する中心点Ｒ２，Ｓ２及び前記中心点Ｏを結ぶ直線Ｍ２
と前記直線Ｌとのなす角度θ２とが同じになるように設
定されている。このため、両点Ｑ，Ｒ１間の距離及び両
点Ｑ，Ｒ２間の距離が等しくなるとともに、両点Ｐ，Ｓ
１間の距離及び両点Ｐ，Ｓ２間の距離も等しくなるよう
になっている。

次に、上記のように構成された印字装置の作用について
説明する。

まず、第１図に２点鎖線で示すように、印字ヘッド６が
リリース位置に配置された状態では、供給スプール１８
から導出される印字リボン１７の走行部分１７ａは、フ
エルト材１４及び固定リボンガイド１３間を通して可動
リボンガイド８に掛け渡され、切欠部１１ａ内において
印字ヘッド６の後面に配置された後、可動リボンガイド
７に掛け渡され、フェルト材１４及び固定リボンガイド
１２間を通して巻取りスプール１９に巻回されている。

この状態で、支持アーム５が第１図の時計方向へ所定角
度（θ１＋θ２）回動され、第１図に実線で示すよう
に、印字ヘッド６がプラテン１に圧接する印字位置へ移
動されると、印字リボン１７の走行部分１７ａは前記各
リボンガイド１３，８，７，１２に係合した状態で、そ
の一部が前記印字ヘッド６によりプラテン１上の印字用
紙に圧接される。この印字ヘッド６の配置切換え前後に
おいて、両点Ｑ，Ｒ２間及び両点Ｑ，Ｒ１間の距離、両
点Ｐ，Ｓ２間及び両点Ｐ，Ｓ１間の距離はそれぞれ変化
することはない。このため、両点Ｑ，Ｒ１直近において
両リボンガイド７，１２間に係合した印字リボン１７の
長さは、両点Ｑ，Ｒ２直近において両リボンガイド７，
１２間に係合した印字リボン１７の長さと略等しくな
る。同様に、両点Ｐ，Ｓ１直近において両リボンガイド
１３，８間に係合した印字リボン１７の長さは、両点
Ｐ，Ｓ２直近において両リボンガイド１３，８間に係合
した印字リボン１７の長さと略等しくなる。さらに、両
可動リボンガイド７，８間において印字ヘッド６に係合
した印字リボン１７の長さは、印字ヘッド６の移動に伴
って変化することはほとんどない。従って、印字ヘッド
６のリリース位置から印字位置への配置切換えにより、
両位置における印字リボン１７の走行部分１７ａの長さ
はほとんど変化することがなく、両位置における印字リ
ボン１７にはほとんどたるみの生じることはない。

この状態で、キャリッジ３が右方へ移動されるととも
に、印字ヘッド６が作動されると、たるみのない印字リ
ボン１７は印字ヘッド６及びプラテン１間において安定
して走行され、印字不良のない確実な印字を行うことが
できる。一方、使用済の印字リボン１７は巻取り軸９の
作動に基づき巻取りスプール１９に確実に巻取られる。

そして、一行分の印字動作が終了してキャリッジ３が所
定位置で停止された後、支持アーム５が所定角度（θ１
＋θ２）復帰回動され、印字ヘッド６がリリース位置へ
復帰移動されると、その印字ヘッド６とともに印字リボ
ン１７の走行部分１７ａが前記各リボンガイド１３，
８，７，１２及び印字ヘッド６に係合した状態で復帰移
動される。この場合も、前記と同様に印字リボン１７に
たるみが生じることはない。

（別の実施例）次に、この考案を具体化した別の実施例を第３図及び第
４図に基づいて説明する。なお、この別の実施例では前
記実施例と次のような点において構成が異なる。

すなわち、キャリッジ２０は前記実施例のキャリッジ３
よりもプラテン１に近接して配設され、そのキャリッジ
２０の後側部には切欠部２０ａが設けられている。第４
図に示すように、前記切欠部２０ａの前側においてキャ
リッジ２０の上側壁内面には電磁ソレノイド２１が固着
されている。前記電磁ソレノイド２１は切欠部２０ａ内
において前後に移動し得る作動ロッド２１ａを備え、そ
の先端には移動手段としての支持片２２が固着されてい
る。また、支持片２２と電磁ソレノイド２１との間にお
いて前記作動ロッド２１ａ上には、コイルばね２３が装
着され、そのばね力により支持片２２が後方へ付勢され
ている。前記支持片２２の両側部には係合部２２ａが突
設され、それら係合部２２ａが前記切欠部２０ａの両側
縁に形成された係合溝２０ｂに摺動可能に嵌入されてい
る。また、前記支持片２２上には印字ヘッド６が突設さ
れるとともに、その印字ヘッド６の両側には可動リボン
ガイド７，８が突設されている。そして、前記支持片２
２が電磁ソレノイド２１の作動ロッド２１ａと一体に切
欠部２０ａ内において前後動されるようになっている。
また、前記印字ヘッド６は支持片２２の前後動に基づ
き、常には第３図に２点鎖線で示すようにプラテン１か
ら離間したリリース位置に配置され、印字時には同図に
実線で示すようにプラテン１に圧接した印字位置に配置
される。

そして、この実施例では、第３図に示すように、印字ヘ
ッド６が印字位置へ移動された場合と、リリース位置に
移動された場合とで、リボンカセット１１の両固定リボ
ンガイド１２，１３の中心点Ｐ，Ｑを結ぶ基準線Ｎに対
し、両可動リボンガイド７，８がその基準線Ｎに直交し
て前後に等距離移動するように設定されている。このた
め、両点Ｑ，Ｒ１間の距離及び両点Ｑ，Ｒ２間の距離が
等しくなるとともに、両点Ｐ，Ｓ１間の距離及び両点
Ｐ，Ｓ２間の距離も等しくなるようになっている。

従って、この実施例でも、印字ヘッド６のリリース位置
と印字位置との間の配置切換え前後において、両リボン
ガイド７，１２間に係合した印字リボン１７の長さ及び
両リボンガイド１３，８間に係合した印字リボン１７の
長さは、印字ヘッド６の移動に伴って変化することはほ
とんどない。この結果、印字リボン１７の走行部分１７
ａの長さは、印字ヘッド６の配置切換えによりほとんど
変化することがなく、印字リボン１７にはほとんどたる
みが生じることはない。そして、たるみの生じることの
ない印字リボン１７により印字不良を起こすことなく確
実な印字を行うことができる。

（考案の効果）以上詳述したように、この考案によれば印字位置及びリ
リース位置に配置切換えされた場合の印字リボンのたる
み発生を未然に防止でき、印字リボンの安定した走行を
確保して印字不良を防止できるという優れた効果を発揮
する。

【図面の簡単な説明】

第１，２図はこの考案を具体化した一実施例を示す図面
であって、第１図は印字装置の部分破断平面図、第２図
は第１図のＸ−Ｘ線断面図である。第３，４図はこの考
案を具体化した別の実施例を示す図面であって、第３図
は印字装置の部分破断平面図、第４図は第３図のＹ−Ｙ
線断面図である。１……プラテン、３，２０……キャリッジ、５……支持
アーム、２２……支持片（５，２２はそれぞれ移動手段
を構成している）、６……印字ヘッド、７，８……可動
リボンガイド、１２，１３……固定リボンガイド、１７
……印字リボン、１８……供給部材としての供給スプー
ル、１９……巻取り部材としての巻取りスプール。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】プラテン（１）に沿って移動可能なキャリ
ッジ（３，２０）と、そのキャリッジ（３，２０）上において供給部材（１
８）から巻取り部材（１９）に給送される印字リボン
（１７）を前記キャリッジ（３，２０）上の所定位置で
案内する一対の固定リボンガイド（１２，１３）と、その一対の固定リボンガイド（１２，１３）間に配置さ
れる印字ヘッド（６）と、その印字ヘッド（６）の両側に設けられ、その印字ヘッ
ド（６）の移動とともに前記印字リボン（１７）を移動
案内可能な可動リボンガイド（７，８）と、前記印字ヘッド（６）をプラテン（１）に圧接する印字
位置とプラテン（１）から所定距離だけ離間するリリー
ス位置とに移動させる移動手段（５，２２）であって、
前記印字ヘッド（６）が印字位置にあるときの可動リボ
ンガイド（７，８）と固定リボンガイド（１２，１３）
間の印字リボン（１７）の長さと、前記印字ヘッド
（６）がリリース位置にあるときの前記長さが略等しく
なるように前記印字ヘッド（６）を移動させる移動手段
（５，２２）とを備えることを特徴とするリボンガイド付き印字装置。