JP2001260506A - 熱転写プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リボン切れを生じさせることなく、サーマル
ヘッドが待機位置と圧接位置との間を移動する移動量を
小さくすることでサーマルヘッドの移動時間を短くし、
印刷速度の高速化を図ることのできる熱転写プリンタを
提供すること。 【解決手段】 サーマルヘッド６が待機位置に位置した
際に、サーマルヘッド６とプラテン２との間に位置する
インクリボンＲを、サーマルヘッド６よりプラテン２側
に位置させるリボンヘッド部経路制御機構３５を設けた
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドの
発熱により所定の文字などの画像を用紙に印刷する熱転
写プリンタに係り、特に、印刷速度の高速化を容易に図
ることのできる熱転写プリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、普通紙、ＯＨＰ用紙などの多種
多様の用紙にインクリボンを用いて所望の文字や図形な
どの画像を印刷することのできる熱転写プリンタが、高
印刷品質、低騒音、低コスト、メンテナンスの容易性な
どの理由によりワードプロセッサあるいはコンピュータ
などの外部記録装置として多用されている。

【０００３】このような熱転写プリンタにおいては、プ
ラテンの前方に用紙と、インクリボンとをこの順に支持
しておき、複数の発熱素子を配列させたサーマルヘッド
をキャリッジとともにプラテンに沿って往復動させなが
ら前記インクリボンを繰り出すように走行させ、サーマ
ルヘッドに整列配置されている複数の発熱素子を印刷情
報に基づいて選択的に発熱させることにより、用紙上に
所望の画像の印刷を行うようになっている。

【０００４】前記サーマルヘッドは、ヘッド取付台に固
着されており、このヘッド取付台をヘッド接離機構によ
ってプラテンに対して接離するように移動させること
で、印刷時にはサーマルヘッドをプラテンに圧接したヘ
ッドダウン状態をなす圧接位置とし、キャリッジをホー
ムポジションに復帰させる場合などの非印刷時にはサー
マルヘッドをプラテンから離間したヘッドアップ状態を
なす待機位置とすることができるようになっている。す
なわち、サーマルヘッドは、ヘッド接離機構を駆動する
ことによって、圧接位置と、待機位置との２位置を選択
的に取り得るように構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、各種
の印刷装置の高性能化が常に図られており、熱転写プリ
ンタにおいても高性能化を図る一つの手段として、印刷
速度の高速化が求められている。そして、熱転写プリン
タによる印刷動作は、サーマルヘッドを圧接位置として
キャリッジとともにホームポジションからプラテンに沿
って一方向へ移動させることで行方向１ライン分の印刷
を実行し、行方向１ライン分の印刷が終了したら、サー
マルヘッドを待機位置としてキャリッジとともにプラテ
ンに沿って印刷時と逆方向へ移動させることでホームポ
ジションに復帰させるように構成されている。すなわ
ち、印刷動作を実行すると、サーマルヘッドは、待機位
置と圧接位置との間を繰り返し移動する。そこで、サー
マルヘッドが待機位置と圧接位置との間を移動する移動
量を小さくすることで、サーマルヘッドの移動時間を短
くし、全体としての印刷速度の高速化を図ることが容易
に考えられる。

【０００６】しかしながら、サーマルヘッドの移動量を
単に小さくすると、サーマルヘッドを圧接位置から待機
位置に位置させた場合、サーマルヘッドとインクリボン
とが当接し、サーマルヘッドの残留熱により、サーマル
ヘッドとインクリボンとの当接部位においてリボン切れ
が生じるなどの不都合が生じる。

【０００７】また、インクリボンをカートリッジに収納
した場合には、カートリッジをプラテンすれすれの位置
に配置しなければならず、それにともなってカートリッ
ジとプラテンとの干渉、および、サーマルヘッド近傍の
テープローラと用紙との干渉などの不都合が生じる。

【０００８】そこで、リボン切れを生じさせることな
く、サーマルヘッドが待機位置と圧接位置との間を移動
する移動量を小さくすることで、サーマルヘッドの移動
時間を短くし、印刷速度の高速化を図ることのできる熱
転写プリンタが求められている。また、インクリボンを
カートリッジに収納した場合のカートリッジとプラテン
との干渉、および、サーマルヘッド近傍のテープローラ
と用紙との干渉などを防止することのできる熱転写プリ
ンタも求められている。

【０００９】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、リボン切れを生じさせることなく、サーマルヘ
ッドが待機位置と圧接位置との間を移動する移動量を小
さくすることで、サーマルヘッドの移動時間を短くし、
印刷速度の高速化を図ることのできる熱転写プリンタを
提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明に係る熱転写プリンタの特徴は、サーマルヘ
ッドが待機位置に位置した際に、サーマルヘッドとプラ
テンとの間に位置するインクリボンを、サーマルヘッド
よりプラテン側に位置させるリボンヘッド部経路制御機
構を設けた点にある。そして、このような構成を採用し
たことにより、サーマルヘッドを待機位置に位置させる
と、リボンヘッド部経路制御機構は、サーマルヘッドに
当接しようとするインクリボンをサーマルヘッドよりプ
ラテン側に位置させるようにサーマルヘッドとプラテン
との間に位置するインクリボンのリボン経路を制御する
ため、リボン切れを生じさせることなく、サーマルヘッ
ドが待機位置と圧接位置との間を移動する移動量を小さ
くすることができる。したがって、サーマルヘッドの移
動時間を短くし、印刷速度の高速化を容易かつ確実に図
ることができる。

【００１１】そして、リボンヘッド部経路制御機構は、
サーマルヘッドとプラテンとの間に位置するインクリボ
ンのリボン経路を制御するリボン経路制御手段と、サー
マルヘッドのプラテンに対する接離動作に連動して駆動
され、リボン経路制御手段を自動的にインクリボンに対
して接離動作させる駆動手段とを具備し、これらのリボ
ン経路制御手段および駆動手段をサーマルヘッドを間に
おいて対称に配設する構成が好ましい。このような構成
を採用したことにより、サーマルヘッドのプラテンに対
する接離動作に連動してインクリボンに対するリボン経
路制御手段の接離動作を自動的に行うことができる。

【００１２】さらに、リボン経路制御手段は、インクリ
ボンのインクの塗工されていない背面と接離するように
リボン経路に臨むようにしてサーマルヘッドの近傍に配
設されたロッド体と、先端部にロッド体が配設され、基
端部がキャリッジに回転自在に支持されたロッド体支持
部材とを有し、駆動手段は、ロッド体支持部材に当接さ
れ、サーマルヘッドが圧接位置に位置した際にロッド体
がインクリボンから離間するようにロッド体支持部材の
位置を制御し、サーマルヘッドが待機位置に位置した際
にロッド体がインクリボンに当接するようにロッド体支
持部材の位置を制御するカムを具備するカム付きギア
と、カム付きギアのカムをサーマルヘッドのプラテンに
対する接離動作に連動して駆動するカム駆動手段とを有
し、カム駆動手段は、先端部にサーマルヘッドが固着さ
れるヘッド取付台の移動にともなって移動する駆動ピン
が配設され、基端部がキャリッジに回転自在に支持さ
れ、サーマルヘッドのプラテンに対する接離動作に連動
して回動動作するリンクアームを具備するアーム付きギ
アと、アーム付きギアの回動動作をカム付きギアに伝達
する伝達ギアとを有する構成が好ましい。このような構
成を採用したことにより、サーマルヘッドのプラテンに
対する接離動作に連動してアーム付きギアが回動し、こ
のアーム付きギアの回動動作は、伝達ギアを介してカム
付きギアを回動し、このカム付きギアの回動動作は、カ
ムを回動動作して駆動手段のロッド体支持部材を回動せ
しめてインクリボンに対するロッド体の接離動作を自動
的に行うことができる。

【００１３】また、本発明に係る熱転写プリンタの特徴
は、サーマルヘッドが待機位置に位置した際に、サーマ
ルヘッドとプラテンとの間に位置するインクリボンを、
サーマルヘッドよりプラテン側に位置させ、サーマルヘ
ッドが交換位置に位置した際に、サーマルヘッドとプラ
テンとの間に位置するインクリボンを、サーマルヘッド
が待機位置に位置した際の位置よりプラテンから離間す
るように位置させるリボンヘッド部経路制御機構を設け
た点にある。そして、このような構成を採用したことに
より、サーマルヘッドを待機位置に位置させると、リボ
ンヘッド部経路制御機構は、サーマルヘッドに当接しよ
うとするインクリボンをサーマルヘッドよりプラテン側
に位置させるようにサーマルヘッドとプラテンとの間に
位置するインクリボンのリボン経路を制御するため、リ
ボン切れを生じさせることなく、サーマルヘッドが待機
位置と圧接位置との間を移動する移動量を小さくするこ
とができる。したがって、サーマルヘッドの移動時間を
短くし、印刷速度の高速化を容易かつ確実に図ることが
できる。さらに、サーマルヘッドを交換位置に位置させ
ると、リボンヘッド部経路制御機構は、インクリボンを
プラテンから大きく離間させるので、カートリッジを交
換する際のサーマルヘッドとインクリボンとの干渉、イ
ンクリボンをカートリッジに収納した場合のカートリッ
ジとプラテンとの干渉、および、サーマルヘッド近傍の
テープローラと用紙との干渉などを容易かつ確実に防止
することができるため、カートリッジの交換動作をより
安易なものにできる。

【００１４】そして、リボンヘッド部経路制御機構は、
サーマルヘッドとプラテンとの間に位置するインクリボ
ンのリボン経路を制御するリボン経路制御手段と、サー
マルヘッドのプラテンに対する接離動作に連動して駆動
され、リボン経路制御手段を自動的にインクリボンに対
して接離動作させる駆動手段とを具備し、これらのリボ
ン経路制御手段および駆動手段をサーマルヘッドを間に
おいて対称に配設する構成が好ましい。このような構成
を採用したことにより、サーマルヘッドのプラテンに対
する接離動作に連動してインクリボンに対するリボン経
路制御手段の接離動作を自動的に行うことができる。

【００１５】さらに、リボン経路制御手段は、インクリ
ボンのインクの塗工されていない背面と接離するように
リボン経路に臨むようにしてサーマルヘッドの近傍に配
設されたロッド体と、先端部にロッド体が配設され、基
端部がキャリッジに回転自在に支持されたロッド体支持
部材とを有し、駆動手段は、ロッド体支持部材に当接さ
れ、サーマルヘッドが圧接位置に位置した際にロッド体
がインクリボンから離間するようにロッド体支持部材の
位置を制御し、サーマルヘッドが待機位置に位置した際
にロッド体がインクリボンに当接するようにロッド体支
持部材の位置を制御し、サーマルヘッドが交換位置に位
置した際にロッド体がインクリボンから離間するように
ロッド体支持部材の位置を制御するカムを具備するカム
付きギアと、カム付きギアのカムをサーマルヘッドのプ
ラテンに対する接離動作に連動して駆動するカム駆動手
段とを有し、カム駆動手段は、先端部にサーマルヘッド
が固着されるヘッド取付台の移動にともなって移動する
駆動ピンが配設され、基端部がキャリッジに回転自在に
支持され、サーマルヘッドのプラテンに対する接離動作
に連動して回動動作するリンクアームを具備するアーム
付きギアと、アーム付きギアの回動動作をカム付きギア
に伝達する伝達ギアとを有する構成が好ましい。このよ
うな構成を採用したことにより、サーマルヘッドのプラ
テンに対する接離動作に連動してアーム付きギアが回動
し、このアーム付きギアの回動動作は、伝達ギアを介し
てカム付きギアを回動し、このカム付きギアの回動動作
は、カムを回動動作して駆動手段のロッド体支持部材を
回動せしめてインクリボンに対するロッド体の接離動作
を自動的に行うことができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。

【００１７】図１から図３は本発明に係る熱転写プリン
タの実施形態を示すものであり、図１は全体構成の要部
を示す斜視図、図２はキャリッジ近傍をカートリッジの
ケースを除いて示す拡大斜視図、図３は図２の一部拡大
正面図である。

【００１８】本実施形態の熱転写プリンタは、インクリ
ボンをカートリッジに収納し、このカートリッジをキャ
リッジに搭載するようにしたものである。

【００１９】図１に示すように、本実施形態の熱転写プ
リンタ１の内部には、従来と同様の平板状のプラテン２
がその印刷面２ａが上方を指向するようにしてほぼ水平
となるように配設されている。このプラテン２の左斜め
上方には、ガイドレール３が前記プラテン２と平行に配
設されている。このガイドレール３の前面には、キャリ
ッジ４がガイドレール３の長手方向に沿って摺動自在に
取着されており、このキャリッジ４は、その上方に平行
に配設されたカートリッジ搭載板４ａを具備している。
そして、キャリッジ４を、ＡＣサーボモータなどからな
るキャリッジ駆動モータ（図示せず）の駆動力をもって
ガイドレール３の長手方向に沿って往復移動することに
より、キャリッジ４とともにカートリッジ搭載板４ａが
プラテン２に沿って往復移動可能に形成されている。な
お、キャリッジ駆動モータは、図示しない制御手段に電
気的に接続されており、制御手段から送出される制御指
令に基づいて駆動される。なお、ガイドレール３とキャ
リッジ４とは、直動機構を構成している。

【００２０】図２に示すように、キャリッジ４、詳しく
はキャリッジ４のカートリッジ搭載板４ａの表面の下方
中央部に示す先端部の上方には、プラテン２の印刷面２
ａに対向しうるサーマルヘッド６が配設されている。こ
のサーマルヘッド６には、ホストコンピュータ、イメー
ジリーダなど、あるいはキーボードなどの適宜な入力装
置（図示せず）により入力される所望の印刷情報たる印
刷データに基づいて選択的に発熱される複数の発熱素子
（図示せず）がキャリッジ４の移動方向たる主走査方向
に対して直交する方向に沿って整列配置されている。す
なわち、各発熱素子は、副走査方向などと称される図示
しない用紙の搬送方向に沿って整列配置されている。ま
た、サーマルヘッド６は、ヘッド取付台７の下端部に固
着されている。このヘッド取付台７は、ラックおよびピ
ニオン（共に図示せず）を用いたヘッド接離機構８に支
持されており、カートリッジ搭載板４ａのガイドレール
３と対向する裏面に配設されたＡＣサーボモータなどか
らなるヘッド駆動モータ９の駆動力をもってヘッド接離
機構８を駆動することにより、ヘッド取付台７とともに
サーマルヘッド６をプラテン２に対し接離することがで
きるように形成されている。そして、ヘッド駆動モータ
９は、図示しない制御手段に電気的に接続されており、
制御手段から送出される制御指令に基づいて、後述する
サーマルヘッド６がプラテン２に圧接したヘッドダウン
状態をなす圧接位置と、図２および図３に示すサーマル
ヘッド６がプラテン２から離間したヘッドアップ状態を
なす待機位置と、後述するサーマルヘッド６がプラテン
２から大きく離間したインクリボン交換状態をなす交換
位置との３位置を選択的に取り得るように形成されてい
る。

【００２１】図１に示すように、キャリッジ搭載板４ａ
の表面には、インクリボンＲ（図２）をケース１０ａの
内部に収納したカートリッジ１０が搭載されている。こ
のカートリッジ１０は、キャリッジ搭載板４ａの表面に
着脱自在とされている。

【００２２】図２に示すように、カートリッジ搭載板４
ａの表面上には、インクリボンＲを走行させるインクリ
ボンＲの走行機構たるインクリボン走行機構１１とし
て、カートリッジ搭載板４ａの右上角部近傍に回転自在
に突設されている巻取りコア１２を具備する巻取り機構
１３と、同様にカートリッジ搭載板４ａの左上角部近傍
に回転自在に突設されている送出しコア１４を具備する
送出し機構１５とが配設されている。

【００２３】前記巻取りコア１２は、カートリッジ１０
の内部に回転自在に配設されているインクリボンＲの一
端が巻回された巻取りリール１６が係合可能とされてお
り、送出しコア１４は、カートリッジ１０の内部に回転
自在に配設されているインクリボンＲの他端が巻回され
ている送出しリール１７が係合可能とされている。そし
て、各コア１２，１４は、カップリング１８（図２に一
方のみ図示）を介して接続された超音波モータからなる
リボン走行モータ２０（図１）の駆動力によりそれぞれ
個別に直接回転駆動可能とされている。また、各リボン
走行モータ２０は、図示しない制御手段にそれぞれ電気
的に接続されており、印刷時には、制御手段から送出さ
れる制御指令に基づいて、インクリボンＲを送出しリー
ル１７から繰り出して巻取りリール１６で巻き取るよう
に制御される。

【００２４】図３に示すように、キャリッジ搭載板４ａ
の右下角部近傍および左下角部近傍には、インクリボン
Ｒに対して所定のテンションを付与するためのテンショ
ン付与手段２３の一部を構成するリボン送りローラ２４
が回転自在にしてそれぞれ突設されている。これらのリ
ボン送りローラ２４のうちの送出しコア１４の図３下方
に位置する一方は、印刷時に、インクリボンＲに送り出
し用の送出しトルクたるバックテンションを付与する送
り出し用のリボン送りローラ２４ｂであり、このリボン
送りローラ２４ｂの外周の一部がインクリボンＲに所定
の巻き付け角度をもって当接するように配設されてい
る。また、リボン送りローラ２４のうちの巻取りコア１
６の図３下方に位置する他方は、印刷時に、インクリボ
ンＲに巻き取り用の巻取りトルクたるフロントテンショ
ンを付与する巻取り用のリボン送りローラ２４ａであ
り、リボン送りローラ２４ａの外周の一部がインクリボ
ンＲに所定の巻き付け角度をもって当接するように配設
されている。すなわち、本実施形態においては、巻取り
機構１３および送出し機構１５のそれぞれにテンション
付与手段２３が設けられている。

【００２５】また、本実施形態のテンション付与手段２
３は、巻取り用あるいは送出し用として用いられるリボ
ン送りローラ２４と、リボン送りローラ２４に接続され
るトルクリミッタ２５（図１に一方のみ図示）と、トル
クリミッタ２５を回転駆動するリミッタ駆動モータ２６
（図１、図２に一方のみ図示）とを有しており、リボン
送りローラ２４は、トルクリミッタ２５から出力される
駆動力により回転駆動されるようになっている。すなわ
ち、本実施形態のテンション付与手段２３は、印刷動作
を実行する際に、トルクリミッタ２５に接続されたリボ
ン送りローラ２４を、リミッタ駆動モータ２６によりト
ルクリミッタ２５を所定の回転速度たる回転数で回転さ
せた状態でインクリボンＲに当接するように構成されて
いる。これにより、インクリボンＲの走行速度に応じて
リボン送りローラ２４の回転速度を制御できるため、イ
ンクリボンＲに付与するテンションを容易に制御するこ
とができるので、インクリボンＲに付与するテンション
の値を確実に一定値に保持することができるようになっ
ている。

【００２６】なお、本実施形態においては、インクリボ
ンＲを走行させる巻取り機構１３および送出し機構１５
の両者にテンション付与手段２３を配設する構成とした
が、テンション付与手段２３を、巻取り機構１３および
送出し機構１５のうちの一方のみに配設する構成として
もよい。

【００２７】前記カートリッジ搭載板４ａの表面上の巻
取りコア１２と送出しコア１４との間には、リボン経路
に臨んでいる複数、本実施形態においては１０個のテー
プローラ２７ａ，２７ｂ，２７ｃ，２７ｄ，２７ｅ，２
７ｆ，２７ｇ，２７ｈ，２７ｉ，２７ｊが回転自在に配
設されており、２つのテープローラ２７ｅ，２７ｆの間
であるリボン経路の中間部分においてインクリボンＲが
外部に導出されてサーマルヘッド６と当接するように形
成されている。

【００２８】前記リボン経路に望んでいる送出し側の２
つのテープローラ２７ａ，２７ｂの間には、インクリボ
ンＲに対して付与する送出しトルクたるバックテンショ
ンの微調整に用いるトルク調整用ローラ２８ｂが回転自
在にして配設されている。このトルク調整用ローラ２８
ｂは、基端部がカートリッジ搭載板４ａの裏面に配設さ
れたポテンショメータ２９に接続された回動アーム３０
の先端部に回転自在にして取り付けられており、カート
リッジ搭載板４ａの裏面に配設された図示しない付勢ば
ねの付勢力により、図３左方に付勢されているととも
に、サーマルヘッド６が交換位置に位置した場合以外、
すなわち、サーマルヘッド６が待機位置および圧接位置
に位置した場合において、トルク調整用ローラ２８ｂの
外周の一部がインクリボンＲに所定の巻き付け角度をも
って当接するように配設されている。

【００２９】また、巻取りコア１２側の２つのテープロ
ーラ２７ｉ，２７ｊの間には、インクリボンＲに対して
付与する巻取りトルクたるフロントテンションの微調整
に用いるトルク調整用ローラ２８ａが回転自在にして配
設されている。このトルク調整用ローラ２８ａは、基端
部がカートリッジ搭載板４ａの裏面に配設されたポテン
ショメータ２９に接続された回動アーム３０の先端部に
回転自在にして取り付けられており、カートリッジ搭載
板４ａの裏面に配設された図示しない付勢ばねの付勢力
により、図３右方に付勢されているとともに、サーマル
ヘッド６が交換位置に位置した場合以外、すなわち、サ
ーマルヘッド６が待機位置および圧接位置に位置した場
合において、トルク調整用ローラ２８ａの外周の一部が
インクリボンＲに所定の巻き付け角度をもって当接する
ように配設されている。

【００３０】そして、各ポテンショメータ２９，２９
は、図示しない制御手段に電気的に接続されており、印
刷動作を実行する際に、回動アーム３０の角度の誤差を
制御手段に送出するように構成されている。

【００３１】さらに、各トルク調整用ローラ２８ａは、
サーマルヘッド６が交換位置に位置した場合以外、すな
わち、サーマルヘッド６が待機位置および圧接位置に位
置した場合において、一方のトルク調整用ローラ２８ａ
を支持する回動アーム３０が図３右方に回動した位置を
保持し、他方のトルク調整用ローラ２８ｂを支持する回
動アーム３０が図３左方に回動した位置を保持するよう
にされている。

【００３２】前記リボン経路に望んでいる送出し側の２
つのテープローラ２７ｄ，２７ｅの間には、テンション
検出ローラ３１ｂが回転自在に配設されている。このテ
ンション検出ローラ３１ｂは、ロードセルからなるテン
ションセンサ３２ｂに連結されて図３上下方向に移動可
能に形成されており、サーマルヘッド６が交換位置に位
置した場合以外、すなわち、サーマルヘッド６が待機位
置および圧接位置に位置した場合において、テンション
検出ローラ３１ｂの外周の一部がインクリボンＲに所定
の巻き付け角度をもって当接し、送出しトルクたるバッ
クテンションを検出することができるようになってい
る。そして、テンションセンサ３２ｂは、図示しない制
御手段に電気的に接続されており、印刷動作を実行する
際に、インクリボンＲに付与されている送出しトルクた
るバックテンションを検出して制御手段に送出するよう
にされている。

【００３３】また、前記リボン経路に臨んでいる巻取り
側の２つのローラ２２ｆ，２２ｇの間には、テンション
検出ローラ３１ａが回転自在に配設されている。このテ
ンション検出ローラ３１ａは、ロードセルからなるテン
ションセンサ３２ａに連結されて図３上下方向に移動可
能に形成されており、サーマルヘッド６が交換位置に位
置した場合以外、すなわち、サーマルヘッド６が待機位
置および圧接位置に位置した場合において、テンション
検出ローラ３１ａの外周の一部がインクリボンＲに所定
の巻き付け角度をもって当接し、巻取りトルクたるフロ
ントテンションを検出することができるようになってい
る。そして、テンションセンサ３２ａは、図示しない制
御手段に電気的に接続されており、印刷動作を実行する
際に、インクリボンＲに付与されている巻取りトルクた
るフロントテンションを検出して制御手段に送出するよ
うにされている。

【００３４】なお、各テンションセンサ３２ａ，３２ｂ
としては、印刷動作を実行する際にインクリボンＲのテ
ンションをリアルタイムで検出できるものであればよ
く、特に本実施形態のロードセルに限定されるものでは
ない。

【００３５】前記リボン経路に望んでいる送出し側のテ
ープローラ２７ｅとサーマルヘッド６の間、および、巻
取り側のテープローラ２７ｆとサーマルヘッド６の間に
は、サーマルヘッド６とプラテン２との間に位置するイ
ンクリボンＲのリボン経路を制御するリボンヘッド部経
路制御機構３５の一部を構成するロッド体３６がそれぞ
れ配設されている。これらのロッド体３６は、インクリ
ボンＲのインクの塗工されていない背面と接離するよう
にリボン経路に臨むようにサーマルヘッド６を間におい
て配設されている。

【００３６】ここで、本実施形態のリボンヘッド部経路
制御機構３５について図４および図５により詳しく説明
する。なお、リボンヘッド部経路制御機構３５は、サー
マルヘッド６を間において左右対称に形成されており、
送出し側に位置する一方のリボンヘッド部経路制御機構
３５についてのみ詳しく説明し、巻取り側のリボンヘッ
ド部経路制御機構３５の詳しい説明は省略する。、図４
はリボンヘッド部経路制御機構近傍の拡大斜視図、図５
はリボンヘッド部経路制御機構近傍をリボン経路ととも
に示す正面図である。

【００３７】図４および図５に示すように、本実施形態
のリボンヘッド部経路制御機構３５は、サーマルヘッド
６の近傍に配設されたロッド体３６を有しており、この
ロッド体３６のカートリッジ搭載板４ａと対向する端部
は、ロッド体支持部材３７の先端部に支持されている。
このロッド体支持部材３７の基端部は、カートリッジ搭
載板４ａに回転自在に支持されており、ロッド体支持部
材３７の上縁には、カートリッジ搭載板４ａに回転自在
に支持されたカム付きギア３８のカム３８ａが当接され
ている。なお、ロッド体支持部材３７は、図示しない付
勢ばねの付勢力によって先端部が常に上方、すなわち、
基端部を中心として図４反時計方向へ回転するように付
勢されており、その上縁が常にカム３８に当接した状態
を保持できるようにされている。

【００３８】そして、カム付きギア３８のギア３８ｂ
は、カートリッジ搭載板４ａに回転自在に支持された伝
達ギア３９の主ギア３９ａと噛合されており、伝達ギア
３９の主ギア３９ａと一体回転する副ギア３９ｂには、
カートリッジ搭載板４ａに回転自在に支持されたアーム
付きギア４０のギア４０ａが噛合されている。このアー
ム付きギア４０のリンクアーム４０ｂの先端部には、駆
動ピン４０ｃが突設されている。そして、駆動ピン４０
ｃの先端部分近傍は、サーマルヘッド６が固着されるヘ
ッド取付台７と一体になって上下動するピン駆動部材４
１のガイド孔４１ａに嵌合されている。このガイド孔４
１ａは、サーマルヘッド６の移動方向に対して直交する
ほぼ水平方向に長い長孔形状とされており、サーマルヘ
ッド６の上下方向への移動にともなって、駆動ピン４０
ｃを左右方向へ移動させつつ上下方向へ移動させて、リ
ンクアーム４０ｂを基端部を中心として回動させること
ができるようになっている。

【００３９】また、カム３８ａは、後述するようにサー
マルヘッド６が圧接位置に位置した際に、ロッド体３６
がインクリボンＲから離間するようにロッド体支持部材
３７の位置を制御し、サーマルヘッド６が待機位置に位
置した際にロッド体３６がインクリボンＲに当接するよ
うにロッド体支持部材３７の位置を制御し、サーマルヘ
ッド６が交換位置に位置した際にロッド体３６がインク
リボンＲから離間するようにロッド体支持部材３７の位
置を制御することができるように形成されている。

【００４０】前記ロッド体３６およびロッド体支持部材
３７により、本実施形態のサーマルヘッド６とプラテン
との間に位置するインクリボンＲのリボン経路を制御す
るリボン経路制御手段４２が構成されている。

【００４１】前記アーム付きギア４０および伝達ギア３
９により、本実施形態のカム付きギア３８のカム３８ａ
をサーマルヘッド６のプラテン２に対する接離動作に連
動して駆動するカム駆動手段４３が構成されている。

【００４２】前記カム付きギア３８およびカム駆動手段
４３により、本実施形態のサーマルヘッド６のプラテン
２に対する接離動作に連動して駆動され、リボン経路制
御手段４２を自動的にインクリボンＲに対して接離動作
させる駆動手段４４が構成されている。

【００４３】図１に戻って、プラテン２の図１左方に示
す奥側には、用紙を搬送する紙送りローラ４６がその軸
方向をプラテン２の長手方向に沿って平行にして配設さ
れている。この紙送りローラ４６は、図示しないＡＣサ
ーボモータなどからなる紙送りモータの駆動力をもって
回転駆動可能に形成されている。そして、紙送りモータ
は、図示しない制御手段に電気的に接続されており、制
御手段から送出される制御指令に基づいて駆動される。

【００４４】なお、本実施形態の熱転写プリンタ１は、
行方向の印刷幅が１ｍ程度の長尺の用紙に印刷を行うこ
とができるようになっている。

【００４５】また、熱転写プリンタ１としては、サーマ
ルヘッド６をプラテン２に圧接したヘッドダウン状態を
なす圧接位置と、プラテン２から離間したヘッドアップ
状態をなす待機位置との２位置を選択的に取り得るよう
に形成したものであってもよい。この場合、カム駆動手
段４３により駆動するカム付きギア３８のカム３８ａ
を、サーマルヘッド６が圧接位置に位置した際にロッド
体３６がインクリボンＲから離間するようにロッド体支
持部材３７の位置を制御し、サーマルヘッド６が待機位
置に位置した際にロッド体３６がインクリボンＲに当接
するようにロッド体支持部材３７の位置を制御する構成
とするとよい。

【００４６】さらに、熱転写プリンタ１としては、イン
クリボンＲをカートリッジ１０に収納せずに、パンケー
キと称されるインクリボンＲを巻回した１対のリール
を、インクリボン走行機構１１の巻取りコア１２および
送出しコア１４に直接装着する構成のものであってもよ
い。

【００４７】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。

【００４８】図２から図５はサーマルヘッドがプラテン
から離間したヘッドアップ状態をなす待機位置の状態を
示しており、図６はサーマルヘッドがプラテンに圧接し
たヘッドダウン状態をなす圧接位置の状態を説明する図
２と同様の図、図７は圧接位置の状態を説明する図３と
同様の図、図８は圧接位置の状態を説明する図４同様の
図、図９は圧接位置の状態を説明する図５と同様の図、
図１０はサーマルヘッドがプラテンから大きく離間した
カートリッジ交換状態をなす交換位置の状態を説明する
図２と同様の図、図１１は交換位置の状態を説明する図
３と同様の図、図１２は交換位置の状態を説明する図４
同様の図、図１３は交換位置の状態を説明する図５と同
様の図である。

【００４９】図２から図５に示すように、サーマルヘッ
ド６がプラテン２から離間したヘッドアップ状態におい
ては、巻取り側のトルク調整用ローラ２８ａを支持する
回動アーム３０が図３右方に回動した位置を保持し、送
出し側のトルク調整用ローラ２８ｂを支持する回動アー
ム３０が図３左方に回動した位置を保持ており、インク
リボンＲのインクの塗工されていない背面に当接してい
る。そして、巻取り側および送出し側の２つのテンショ
ン検出ローラ３１ａ，３１ｂは、下方に位置しており、
インクリボンＲのインクの塗工されていない背面に上方
から当接している。さらに、各ロッド体３６は、下方に
位置しており、インクリボンＲのインクの塗工されてい
ない背面に上方から当接している。

【００５０】すなわち、キャリッジに５に搭載されたカ
ートリッジに１０に収納されているインクリボンＲは、
送出しリール１７から繰り出され、テープローラ２７
ａ、トルク調整ローラ２８ｂ、テープローラ２７ｂ、テ
ープローラ２７ｃ、リボン送りローラ２４ｂ、テープロ
ーラ２７ｄ、テンション検出ローラ３１ｂ、テープロー
ラ２７ｅ、送出し側のロッド体３６、巻取り側のロッド
体３６、テープローラ２７ｆ、テンション検出ローラ３
１ａ、テープローラ２７ｇ、リボン送りローラ２４ａ、
テープローラ２７ｈ、テープローラ２７ｉ、トルク調整
ローラ２８ａおよびテープローラ２７ｊによって巻取り
リール１６に巻き取られるように走行位置が制御された
リボン経路を形成している。

【００５１】前記待機位置において、リボンヘッド部経
路制御機構３５は、駆動ピン４０ｃがアーム付きギア４
０の回転中心とほほ同一高さに位置しており、リンクア
ーム４０ｂがその長手方向をほぼ水平にした状態に保持
されている。さらに、アーム付きギア４０は、伝達ギア
３９を介してカム付きギア２８に接続されており、この
カム付きギア３８は、カム３８ａの回転中心からの距離
が最も長い部位をロッド体支持部材３７の上縁に当接さ
せて、ロッド体支持部材３７の先端に配設されたロッド
体３６を、ロッド体支持部材３７の回転中心の下方に位
置させてインクリボンＲのインクの塗工されていない背
面に上方から当接し、サーマルヘッド６に当接しようと
するインクリボンＲをサーマルヘッド６よりプラテン２
側に位置させている。これにより、インクリボンＲがサ
ーマルヘッド６に当接するのを防止している。

【００５２】つぎに、ヘッド駆動モータ９の駆動力をも
ってヘッド接離機構８を駆動することにより、図２から
図５に示す待機状態のサーマルヘッド６を、プラテン２
に向かって下降させ、サーマルヘッド６をプラテン２に
圧接したヘッドダウン状態をなす圧接位置にする。この
圧接位置においてサーマルヘッド６は、インクリボンＲ
および図示しない用紙を介してプラテン２に圧接する。

【００５３】また、ヘッド接離機構８を駆動してサーマ
ルヘッド６を待機位置から圧接位置に移動すると、リボ
ンヘッド部経路制御機構３５は、ヘッド取付台７の下降
とともにピン駆動部材４１が下降し、このピン駆動部材
４１の下降により駆動ピン４０ｃがアーム付きギア４０
の回転中心より下方に移動し、リンクアーム４０ｂは、
その先端部を回転中心より下方に位置させるように回動
する。そして、リンクアームの４０の回動動作は、伝達
ギア３９を介してカム付きギア２８に伝達され、カム付
きギア３８を１８０度程度回動し、カム３８ａの回転中
心からの距離が最も短い部位をロッド体支持部材３７の
上縁に当接させて、ロッド体支持部材３７の先端に配設
されたロッド体３６が上昇し、ロッド体３６がインクリ
ボンＲのリボン経路の上方へ退避し、各部は図６から図
９に示す状態（サーマルヘッド６のヘッドダウン状態）
になる。

【００５４】したがって、リボンヘッド部経路制御機構
３５は、サーマルヘッド６の待機位置から圧接位置への
動作に連動して、ロッド体３６をリボン経路の上方へ退
避させることで、ロッド体３６がインクリボンＲに干渉
するのを防止している。

【００５５】また、サーマルヘッド６とプラテン２との
間に位置するインクリボンＲは、テープローラ２７ｅ、
サーマルヘッド６、テープローラ２７ｆにより、そのリ
ボン経路が制御される。

【００５６】つぎに、サーマルヘッド６をホームポジシ
ョンに位置するカートリッジ搭載板４ａとともにプラテ
ン２に沿って移動させながら、インクリボンＲをリボン
経路に沿って繰り出すように走行させ、サーマルヘッド
６に整列配置されている複数の発熱素子を印刷情報に基
づいて選択的に発熱させることにより、用紙上に所望の
画像の印刷を行方向１ライン分だけ行う。

【００５７】つぎに、行方向１ライン分の印刷を終了し
たら、サーマルヘッド６を圧接位置から待機位置に移動
する。この時、リボンヘッド部経路制御機構３５は、ヘ
ッド取付台７の上昇とともにピン駆動部材４１が上昇
し、このピン駆動部材４１の上昇により駆動ピン４０ｃ
がアーム付きギア４０の回転中心とほぼ同一高さ位置ま
で上方に移動し、リンクアーム４０ｂは、その長手方向
をほぼ水平にした状態となように回動する。そして、リ
ンクアームの４０の回動動作は、伝達ギア３９を介して
カム付きギア２８に伝達され、カム付きギア３８を１８
０度程度回動し、カム３８ａの回転中心からの距離が最
も長い部位をロッド体支持部材３７の上縁に当接させ
て、ロッド体支持部材３７の先端に配設されたロッド体
３６が下降し、ロッド体３６を、ロッド体支持部材３７
の回転中心の下方に位置させてインクリボンＲのインク
の塗工されていない背面に上方から当接し、サーマルヘ
ッド６に当接しようとするインクリボンＲをサーマルヘ
ッド６よりプラテン２側に位置させ、図６から図９に示
す各部は、図２から図５に示す状態（サーマルヘッド６
のヘッドアップ状態）に復帰する。

【００５８】そして、サーマルヘッド６が圧接位置から
待機状態に復帰すると、キャリッジ６は、印刷終了位置
からホームポジションに移動し、サーマルヘッド６が待
機位置から圧接位置に移動し、つぎの行方向１ライン分
の印刷が行われる。

【００５９】すなわち、サーマルヘッド６は、行方向１
ライン分の印刷を繰り返す毎に、ヘッドアップ状態をな
す待機位置と、ヘッドダウン状態をなす圧接位置との間
を繰り返し移動する。

【００６０】そして、本実施形態においては、サーマル
ヘッド６がヘッドアップ状態をなす待機位置に位置した
際に、サーマルヘッド６とプラテン２との間に位置する
インクリボンＲを、リボンヘッド部経路制御機構３５に
よって、サーマルヘッド６よりプラテン２側に位置させ
ることが確実にできるため、ヘッド接離機構８によるサ
ーマルヘッド６が待機位置と圧接位置との間を移動する
移動量を、従来の半分程度と小さくすることができる。
したがって、ヘッド接離機構８によるサーマルヘッド６
の移動時間を短くし、全体としての印刷速度の高速化を
容易かつ確実に図ることができる。

【００６１】また、本実施形態においては、インクリボ
ンＲの交換のためにカートリッジ１０の交換を行う場
合、ヘッド駆動モータ９の駆動力をもってヘッド接離機
構８を駆動することにより、図２から図５に示す待機状
態のサーマルヘッド６を、プラテン２から離間する方向
へ上昇させ、サーマルヘッド６をプラテン２から大きく
離間したカートリッジ交換状態をなす交換位置にする。

【００６２】そして、サーマルヘッド６を待機位置から
交換位置に移動すると、リボンヘッド部経路制御機構３
５は、ヘッド取付台７の上昇とともにピン駆動部材４１
が上昇し、このピン駆動部材４１の上昇により駆動ピン
４０ｃがアーム付きギア４０の回転中心より上方に移動
し、リンクアーム４０ｂは、その先端部を回転中心より
上方に位置させるように回動する。そして、リンクアー
ムの４０の回動動作は、伝達ギア３９を介してカム付き
ギア２８に伝達され、カム付きギア３８を１８０度程度
回動し、カム３８ａの回転中心からの距離が最も短い部
位をロッド体支持部材３７の上縁に当接させて、ロッド
体支持部材３７の先端に配設されたロッド体３６が上昇
し、ロッド体３６がインクリボンＲのリボン経路の上方
へ退避し、各部は図１０から図１３に示す状態（サーマ
ルヘッド６のカートリッジ交換状態）になる。

【００６３】この時、巻取り側のトルク調整用ローラ２
８ａを支持する回動アーム３０が図３左方に回動し、送
出し側のトルク調整用ローラ２８ｂを支持する回動アー
ム３０が図３右方に回動してインクリボンＲから離間す
る。さらに、巻取り側および送出し側の２つのテンショ
ン検出ローラ３１ａ，３１ｂが上方に移動し、インクリ
ボンＲから離間する。

【００６４】そして、トルク調整用ローラ２８ａ，２７
ｂ、テンション検出ローラ３１ａ，３１ｂ、および各ロ
ッド体３６がインクリボンＲから離間すると、インクリ
ボンＲは、カートリッジ１０に回転自在に配設されてい
る複数、本実施形態においては６個のガイドローラ４８
に当接してリボン経路が形成される。さらに、本実施形
態におけるカートリッジ１０に配設された各ガイドロー
ラ４８は、サーマルヘッド６がカートリッジ交換状態か
らヘッドアップ状態になった際に、リボン経路に干渉し
ない位置に移動するように構成されている。

【００６５】したがって、リボンヘッド部経路制御機構
３５は、サーマルヘッド６の待機位置から交換位置への
動作に連動して、ロッド体３６をリボン経路の上方へ退
避させることで、インクリボンＲをサーマルヘッド６に
当接させることなくプラテン２から大きく離間させるこ
とができるので、カートリッジ１０を交換する際に、サ
ーマルヘッド６とインクリボンＲとの干渉、カートリッ
ジ１０とプラテン２との干渉、および、サーマルヘッド
６近傍のテープローラ２７ｅ，２７ｆと用紙との干渉な
どを容易か確実に防止することができるため、カートリ
ッジ１０の交換動作をより安易なものにできる。

【００６６】このように、本実施形態の熱転写プリンタ
１によれば、サーマルヘッド６を待機位置に位置させる
と、リボンヘッド部経路制御機構３５は、サーマルヘッ
ド６に当接しようとするインクリボンＲをサーマルヘッ
ドＲよりプラテン２側に位置させるようにサーマルヘッ
ド６とプラテン２との間に位置するインクリボンＲのリ
ボン経路を制御するため、サーマルヘッド６とインクリ
ボンＲとが当接した場合のサーマルヘッド６の残留熱に
より、サーマルヘッド６とインクリボンＲとの当接部位
においてリボン切れを生じるのを確実に防止することが
できるとともに、サーマルヘッド６が待機位置と圧接位
置との間を移動する移動量を小さくすることができる。

【００６７】したがって、本実施形態の熱転写プリンタ
１によれば、サーマルヘッド６の移動時間を短くし、印
刷速度の高速化を容易かつ確実に図ることができる。

【００６８】さらに、本実施形態の熱転写プリンタ１に
よれば、サーマルヘッド６を交換位置に位置させると、
リボンヘッド部経路制御機構３５は、インクリボンＲを
サーマルヘッドに当接させることなくプラテン２から大
きく離間させるので、インクリボンＲをカートリッジ１
０に収納し、このカートリッジ１０をプラテン２すれす
れの位置に配置した際のカートリッジ１０の交換時に、
サーマルヘッド６とインクリボンＲとの干渉、カートリ
ッジ１０とプラテン２との干渉、および、サーマルヘッ
ド近傍のテープローラと用紙との干渉などを容易かつ確
実に防止することができるため、カートリッジ１０の交
換動作をより安易なものにできる。

【００６９】また、本実施形態の熱転写プリンタ１のリ
ボンヘッド部経路制御機構３５によれば、サーマルヘッ
ド６のプラテン２に対する接離動作に連動してインクリ
ボンＲに対するリボン経路制御手段４２の接離動作を自
動的に行うことができる。

【００７０】またさらに、本実施形態の熱転写プリンタ
１のリボン経路制御手段４２によれば、サーマルヘッド
６のプラテン２に対する接離動作に連動してアーム付き
ギア４０が回動し、このアーム付きギア４０の回動動作
は、伝達ギア３９を介してカム付きギア３８を回動し、
このカム付きギア３８の回動動作は、カム３８ａを回動
動作して駆動手段４４のロッド体支持部材３７を回動せ
しめてインクリボンＲに対するロッド体３６の接離動作
を自動的に行うことができる。

【００７１】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて種々変更することができ
る。

【００７２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の熱転写プリ
ンタによれば、サーマルヘッドが待機位置に位置した際
に、サーマルヘッドとプラテンとの間に位置するインク
リボンを、サーマルヘッドよりプラテン側に位置させる
リボンヘッド部経路制御機構を設ける構成とすること
で、サーマルヘッドを待機位置に位置させると、リボン
ヘッド部経路制御機構は、サーマルヘッドに当接しよう
とするインクリボンをサーマルヘッドよりプラテン側に
位置させるようにサーマルヘッドとプラテンとの間に位
置するインクリボンのリボン経路を制御するため、リボ
ン切れを生じさせることなく、サーマルヘッドが待機位
置と圧接位置との間を移動する移動量を小さくすること
ができるなどの極めて優れた効果を奏する。したがっ
て、サーマルヘッドの移動時間を短くし、印刷速度の高
速化を容易かつ確実に図ることができるなどの極めて優
れた効果を奏する。

【００７３】そして、リボンヘッド部経路制御機構を、
サーマルヘッドとプラテンとの間に位置するインクリボ
ンのリボン経路を制御するリボン経路制御手段と、サー
マルヘッドのプラテンに対する接離動作に連動して駆動
され、リボン経路制御手段を自動的にインクリボンに対
して接離動作させる駆動手段とを具備し、これらのリボ
ン経路制御手段および駆動手段をサーマルヘッドを間に
おいて対称に配設する構成とすることで、サーマルヘッ
ドのプラテンに対する接離動作に連動してインクリボン
に対するリボン経路制御手段の接離動作を自動的に行う
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。

【００７４】さらに、リボン経路制御手段を、インクリ
ボンのインクの塗工されていない背面と接離するように
リボン経路に臨むようにしてサーマルヘッドの近傍に配
設されたロッド体と、先端部にロッド体が配設され、基
端部がキャリッジに回転自在に支持されたロッド体支持
部材とを有する構成とし、駆動手段を、ロッド体支持部
材に当接され、サーマルヘッドが圧接位置に位置した際
にロッド体がインクリボンから離間するようにロッド体
支持部材の位置を制御し、サーマルヘッドが待機位置に
位置した際にロッド体がインクリボンに当接するように
ロッド体支持部材の位置を制御するカムを具備するカム
付きギアと、カム付きギアのカムをサーマルヘッドのプ
ラテンに対する接離動作に連動して駆動するカム駆動手
段とを有する構成とし、カム駆動手段を、先端部にサー
マルヘッドが固着されるヘッド取付台の移動にともなっ
て移動する駆動ピンが配設され、基端部がキャリッジに
回転自在に支持され、サーマルヘッドのプラテンに対す
る接離動作に連動して回動動作するリンクアームを具備
するアーム付きギアと、アーム付きギアの回動動作をカ
ム付きギアに伝達する伝達ギアとを有する構成とするこ
とで、サーマルヘッドのプラテンに対する接離動作に連
動してアーム付きギアが回動し、このアーム付きギアの
回動動作は、伝達ギアを介してカム付きギアを回動し、
このカム付きギアの回動動作は、カムを回動動作して駆
動手段のロッド体支持部材を回動せしめてインクリボン
に対するロッド体の接離動作を自動的に行うことができ
るなどの極めて優れた効果を奏する。

【００７５】また、サーマルヘッドが待機位置に位置し
た際に、サーマルヘッドとプラテンとの間に位置するイ
ンクリボンを、サーマルヘッドよりプラテン側に位置さ
せ、サーマルヘッドが交換位置に位置した際に、サーマ
ルヘッドとプラテンとの間に位置するインクリボンを、
サーマルヘッドが待機位置に位置した際の位置よりプラ
テンから離間するように位置させるリボンヘッド部経路
制御機構を設ける構成とすることで、サーマルヘッドを
待機位置に位置させると、リボンヘッド部経路制御機構
は、サーマルヘッドに当接しようとするインクリボンを
サーマルヘッドよりプラテン側に位置させるようにサー
マルヘッドとプラテンとの間に位置するインクリボンの
リボン経路を制御するため、リボン切れを生じさせるこ
となく、サーマルヘッドが待機位置と圧接位置との間を
移動する移動量を小さくすることができるなどの極めて
優れた効果を奏する。したがって、サーマルヘッドの移
動時間を短くし、印刷速度の高速化を容易かつ確実に図
ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。さら
に、サーマルヘッドを交換位置に位置させると、リボン
ヘッド部経路制御機構は、インクリボンをプラテンから
大きく離間させるので、カートリッジを交換する際のサ
ーマルヘッドとインクリボンとの干渉、インクリボンを
カートリッジに収納した場合のカートリッジとプラテン
との干渉、および、サーマルヘッド近傍のテープローラ
と用紙との干渉などを容易かつ確実に防止することがで
きるため、カートリッジの交換動作をより安易なものに
できるなどの極めて優れた効果を奏する。

【００７６】またさらに、リボンヘッド部経路制御機構
を、サーマルヘッドとプラテンとの間に位置するインク
リボンのリボン経路を制御するリボン経路制御手段と、
サーマルヘッドのプラテンに対する接離動作に連動して
駆動され、リボン経路制御手段を自動的にインクリボン
に対して接離動作させる駆動手段とを具備し、これらの
リボン経路制御手段および駆動手段をサーマルヘッドを
間において対称に配設する構成とすることで、サーマル
ヘッドのプラテンに対する接離動作に連動してインクリ
ボンに対するリボン経路制御手段の接離動作を自動的に
行うことができるなどの極めて優れた効果を奏する。

【００７７】さらにまた、リボン経路制御手段を、イン
クリボンのインクの塗工されていない背面と接離するよ
うにリボン経路に臨むようにしてサーマルヘッドの近傍
に配設されたロッド体と、先端部にロッド体が配設さ
れ、基端部がキャリッジに回転自在に支持されたロッド
体支持部材とを有する構成とし、駆動手段を、ロッド体
支持部材に当接され、サーマルヘッドが圧接位置に位置
した際にロッド体がインクリボンから離間するようにロ
ッド体支持部材の位置を制御し、サーマルヘッドが待機
位置に位置した際にロッド体がインクリボンに当接する
ようにロッド体支持部材の位置を制御し、サーマルヘッ
ドが交換位置に位置した際にロッド体がインクリボンか
ら離間するようにロッド体支持部材の位置を制御するカ
ムを具備するカム付きギアと、カム付きギアのカムをサ
ーマルヘッドのプラテンに対する接離動作に連動して駆
動するカム駆動手段とを有する構成とし、カム駆動手段
を、先端部にサーマルヘッドが固着されるヘッド取付台
の移動にともなって移動する駆動ピンが配設され、基端
部がキャリッジに回転自在に支持され、サーマルヘッド
のプラテンに対する接離動作に連動して回動動作するリ
ンクアームを具備するアーム付きギアと、アーム付きギ
アの回動動作をカム付きギアに伝達する伝達ギアとを有
する構成とすることで、サーマルヘッドのプラテンに対
する接離動作に連動してアーム付きギアが回動し、この
アーム付きギアの回動動作は、伝達ギアを介してカム付
きギアを回動し、このカム付きギアの回動動作は、カム
を回動動作して駆動手段のロッド体支持部材を回動せし
めてインクリボンに対するロッド体の接離動作を自動的
に行うことができるなどの極めて優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る熱転写プリンタの実施形態の全
体構成の要部を示す斜視図

【図２】 本発明に係る熱転写プリンタのサーマルヘッ
ドのヘッドアップ状態をなす待機位置の状態のキャリッ
ジ近傍をカートリッジのケースを除いて示す拡大斜視図

【図３】 図２の一部拡大正面図

【図４】 図２のリボンヘッド部経路制御機構を示す拡
大斜視図

【図５】 図２のリボンヘッド部経路制御機構近傍をリ
ボン経路とともに示す正面図

【図６】 本発明に係る熱転写プリンタのサーマルヘッ
ドのヘッドダウン状態をなす圧接位置の状態のキャリッ
ジ近傍をカートリッジのケースを除いて示す図２と同様
の図

【図７】 図６のキャリッジ近傍をカートリッジのケー
スを除いて示す図３と同様の図

【図８】 図６のリボンヘッド部経路制御機構を示す図
４と同様の図

【図９】 図６のリボンヘッド部経路制御機構近傍をリ
ボン経路とともに示す図５と同様の図

【図１０】 本発明に係る熱転写プリンタのサーマルヘ
ッドのカートリッジ交換状態をなす交換位置の状態のキ
ャリッジ近傍をカートリッジのケースを除いて示す図２
と同様の

【図１１】 図１０のキャリッジ近傍をカートリッジの
ケースを除いて示す図３と同様の図

【図１２】 図１０のリボンヘッド部経路制御機構を示
す図４と同様の図

【図１３】 図１０のリボンヘッド部経路制御機構近傍
をリボン経路とともに示す図５と同様の図

【符号の説明】

１ 熱転写プリンタ ２ プラテン ４ キャリッジ ４ａ カートリッジ搭載板 ６ サーマルヘッド ７ ヘッド取付台 ８ ヘッド接離機構 １０ カートリッジ １１ インクリボン走行機構 ２３、２３Ａ、２３Ｂ テンション付与手段 ２４、２４ａ、２４ｂ リボン送りローラ ２７ａ、２７ｂ、２７ｃ、２７ｄ、２７ｅ、２７ｆ、２
７ｇ、２７ｈ、２７ｉ、２７ｊ テープローラ ３５ リボンヘッド部経路制御機構 ３６ ロッド体 ３７ ロッド支持部材 ３８ カム付きギア ３８ａ カム ３９ 伝達ギア ４０ アーム付きギア ４０ｃ 駆動ピン ４１ ピン駆動部材 ４２ リボン経路制御手段 ４３ カム駆動手段 ４４ 駆動手段 Ｒ インクリボン

【手続補正書】

【提出日】平成１２年３月１５日（２０００．３．１
５）

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】変更

【補正内容】

【図５】

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図７

【補正方法】変更

【補正内容】

【図７】

【手続補正４】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図８

【補正方法】変更

【補正内容】

【図８】

【手続補正５】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１１】

【手続補正６】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１２】

【手続補正７】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１３】

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンに沿って往復移動可能とされ、
   少なくとも前記プラテンに対し接離可能なサーマルヘッ
   ドおよびインクリボンの走行機構を具備し、前記サーマ
   ルヘッドが少なくとも前記プラテンに圧接したヘッドダ
   ウン状態をなす圧接位置と、前記プラテンから離間した
   ヘッドアップ状態をなす待機位置との２位置を選択的に
   取り得るように形成され、前記サーマルヘッドを圧接位
   置として前記インクリボンおよび用紙を介して前記プラ
   テンに圧接しつつ移動させるとともに、印刷情報に基づ
   いて前記サーマルヘッドの複数の発熱素子を選択的に発
   熱させて前記インクリボンのインクを用紙上に転写して
   用紙に所望の画像の印刷を行う熱転写プリンタであっ
   て、 前記サーマルヘッドが待機位置に位置した際に、前記サ
   ーマルヘッドと前記プラテンとの間に位置する前記イン
   クリボンを、前記サーマルヘッドより前記プラテン側に
   位置させるリボンヘッド部経路制御機構を設けたことを
   特徴とする熱転写プリンタ。
2. 【請求項２】 前記リボンヘッド部経路制御機構は、 前記サーマルヘッドと前記プラテンとの間に位置する前
   記インクリボンのリボン経路を制御するリボン経路制御
   手段と、 前記サーマルヘッドの前記プラテンに対する接離動作に
   連動して駆動され、前記リボン経路制御手段を自動的に
   前記インクリボンに対して接離動作させる駆動手段と、
   を有し、 前記リボン経路制御手段および前記駆動手段が前記サー
   マルヘッドを間において対称に配設されていることを特
   徴とする請求項１に記載の熱転写プリンタ。
3. 【請求項３】 前記リボン経路制御手段は、 前記インクリボンのインクの塗工されていない背面と接
   離するようにリボン経路に臨むようにして前記サーマル
   ヘッドの近傍に配設されたロッド体と、 先端部に前記ロッド体が配設され、基端部が前記キャリ
   ッジに回転自在に支持されたロッド体支持部材と、を有
   し、 前記駆動手段は、 前記ロッド体支持部材に当接され、前記サーマルヘッド
   が圧接位置に位置した際に前記ロッド体が前記インクリ
   ボンから離間するように前記ロッド体支持部材の位置を
   制御し、前記サーマルヘッドが待機位置に位置した際に
   前記ロッド体が前記インクリボンに当接するように前記
   ロッド体支持部材の位置を制御するカムを具備するカム
   付きギアと、 前記カム付きギアのカムを前記サーマルヘッドの前記プ
   ラテンに対する接離動作に連動して駆動するカム駆動手
   段と、を有し、 前記カム駆動手段は、 先端部に前記サーマルヘッドが固着されるヘッド取付台
   の移動にともなって移動する駆動ピンが配設され、基端
   部が前記キャリッジに回転自在に支持され、前記サーマ
   ルヘッドの前記プラテンに対する接離動作に連動して回
   動動作するリンクアームを具備するアーム付きギアと、 前記アーム付きギアの回動動作を前記カム付きギアに伝
   達する伝達ギアと、を有していることを特徴とする請求
   項２に記載の熱転写プリンタ。
4. 【請求項４】 プラテンに沿って往復移動可能とされ、
   少なくとも前記プラテンに対し接離可能なサーマルヘッ
   ドおよびインクリボンの走行機構を具備し、前記サーマ
   ルヘッドが少なくとも前記プラテンに圧接したヘッドダ
   ウン状態をなす圧接位置と、前記プラテンから離間した
   ヘッドアップ状態をなす待機位置と、前記プラテンから
   大きく離間したインクリボン交換状態をなす交換位置と
   の３位置を選択的に取り得るように形成され、前記サー
   マルヘッドを圧接位置として前記インクリボンおよび用
   紙を介して前記プラテンに圧接しつつ移動させるととも
   に、印刷情報に基づいて前記サーマルヘッドの複数の発
   熱素子を選択的に発熱させて前記インクリボンのインク
   を用紙上に転写して用紙に所望の画像の印刷を行う熱転
   写プリンタであって、 前記サーマルヘッドが待機位置に位置した際に、前記サ
   ーマルヘッドと前記プラテンとの間に位置する前記イン
   クリボンを、前記サーマルヘッドより前記プラテン側に
   位置させ、前記サーマルヘッドが交換位置に位置した際
   に、前記サーマルヘッドと前記プラテンとの間に位置す
   る前記インクリボンを、前記サーマルヘッドが待機位置
   に位置した際の位置より前記プラテンから離間するよう
   に位置させるリボンヘッド部経路制御機構を設けたこと
   を特徴とする熱転写プリンタ。
5. 【請求項５】 前記リボンヘッド部経路制御機構は、 前記サーマルヘッドと前記プラテンとの間に位置する前
   記インクリボンのリボン経路を制御するリボン経路制御
   手段と、 前記サーマルヘッドの前記プラテンに対する接離動作に
   連動して駆動され、前記リボン経路制御手段を自動的に
   前記インクリボンに対して接離動作させる駆動手段と、
   を有し、 前記リボン経路制御手段および前記駆動手段が前記サー
   マルヘッドを間において対称に配設されていることを特
   徴とする請求項４に記載の熱転写プリンタ。
6. 【請求項６】 前記リボン経路制御手段は、 前記インクリボンのインクの塗工されていない背面と接
   離するようにリボン経路に臨むようにして前記サーマル
   ヘッドの近傍に配設されたロッド体と、 先端部に前記ロッド体が配設され、基端部が前記キャリ
   ッジに回転自在に支持されたロッド体支持部材と、を有
   し、 前記駆動手段は、 前記ロッド体支持部材に当接され、前記サーマルヘッド
   が圧接位置に位置した際に前記ロッド体が前記インクリ
   ボンから離間するように前記ロッド体支持部材の位置を
   制御し、前記サーマルヘッドが待機位置に位置した際に
   前記ロッド体が前記インクリボンに当接するように前記
   ロッド体支持部材の位置を制御し、前記サーマルヘッド
   が交換位置に位置した際に前記ロッド体が前記インクリ
   ボンから離間するように前記ロッド体支持部材の位置を
   制御するカムを具備するカム付きギアと、 前記カム付きギアのカムを前記サーマルヘッドの前記プ
   ラテンに対する接離動作に連動して駆動するカム駆動手
   段と、を有し、 前記カム駆動手段は、 先端部に前記サーマルヘッドが固着されるヘッド取付台
   の移動にともなって移動する駆動ピンが配設され、基端
   部が前記キャリッジに回転自在に支持され、前記サーマ
   ルヘッドの前記プラテンに対する接離動作に連動して回
   動動作するリンクアームを具備するアーム付きギアと、 前記アーム付きギアの回動動作を前記カム付きギアに伝
   達する伝達ギアと、を有していることを特徴とする請求
   項５に記載の熱転写プリンタ。