JPH06294405A - 油圧アクチュエータの同調制御装置 - Google Patents

油圧アクチュエータの同調制御装置

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JPH06294405A
JPH06294405A JP5077118A JP7711893A JPH06294405A JP H06294405 A JPH06294405 A JP H06294405A JP 5077118 A JP5077118 A JP 5077118A JP 7711893 A JP7711893 A JP 7711893A JP H06294405 A JPH06294405 A JP H06294405A
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load
actuator
rope
hydraulic
tuning
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Tadakazu Nishikino
宰一 錦野
Hideo Arimitsu
秀雄 有光
Yutaka Kobayashi
豊 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共通の負荷に使用される複数の油圧アクチュ
エータを簡単な操作で正確に同調させる。 【構成】 ウィンチドラム1,2を駆動する油圧モータ
5,6の実負荷を検出しコントローラ16により、実負
荷と、予め設定された設定負荷配分によって決まる目標
負荷との偏差を求め、この偏差が0となるように操作レ
バー14による基準速度指令に補正を加えて両モータ
5,6の目標速度を求め、この目標速度に見合った制御
信号を電磁比例弁21〜24経由でモータ制御弁7,8
に出力するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はたとえばクレーンにおい
て、一つの荷を主巻ロープと補巻ロープ(主巻ウィンチ
と補巻ウィンチ)とで同調して上げ下げするするための
油圧アクチュエータの同調制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術を図6によって説明する。ここ
では、二つのウィンチドラム(たとえばクレーンの主巻
ウィンチドラムと補巻ウィンチドラム、以下、第1ドラ
ム、第2ドラムという)1,2から引出した2本のロー
プ3,4で共通の荷(負荷W)を上げ下げする場合を例
にとっている。
【0003】両ドラム1,2を回転駆動する油圧モータ
(以下、第1モータ、第2モータという)5,6は、そ
れぞれ独立した油圧パイロット式のモータ制御弁(以
下、第1モータ制御弁、第2モータ制御弁という)7,
8によって回転方向と速度とが制御される。
【0004】両モータ5,6は互いのモータ制御弁7,
8を介してシリーズ接続され、一つのポンプ9からの圧
油によってこれら両モータ5,6が駆動される。
【0005】また、両モータ制御弁7,8のパイロット
ラインには、それぞれパイロット弁10,11が接続さ
れ、この両パイロット弁10,11がレバー12,13
で独立して操作されることにより、その操作方向と操作
量に対応して両制御弁7,8がストローク作動し、両モ
ータ5,6(両ドラム1,2)が回転して巻上、巻下作
用が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
おいては、理論的には、両レバー12,13を同方向に
同量ずつ操作することによって両モータ5,6を同調さ
せることができる。
【0007】しかし、現実には、両レバー12,13の
操作量を正確に同一とすることは困難で、実際には細か
な調整が必要となるため、同調操作が煩雑となり、かつ
正確な同調制御ができなかった。
【0008】また、一つのレバーおよびパイロット弁で
両モータ5,6を同時操作する方式も提案されている
が、両モータ5,6の容量、効率、両制御弁7,8の洩
れ量に差があること等から、依然、正確な同調は不可能
であった。
【0009】このため、調整手段として、たとえばモー
タ5,6からドラム1,2への回転力伝達作用をオン・
オフするクラッチ機構等を設けなければならず、この調
整手段の操作のため、結果的に操作が煩雑となる。
【0010】一方、二つのウィンチモータの同調制御方
式として、特開平4−327497号公報に示されるよ
うに、両油圧モータの入口圧力を検出し、このモータ入
口圧力が等しくなるように(たとえば巻上時に張力の大
きい側のモータ速度を低下させるように)モータ制御弁
を制御する方式が提案された。
【0011】しかし、このように両モータの入口圧を常
に等しく揃える方式では、荷の重心がロープ間の中心に
ない場合等、両モータの負荷配分が1:1にならない場
合には、荷が傾いてしまう等の問題があった。
【0012】そこで本発明は、各アクチュエータを簡単
な操作で正確に同調制御することができる油圧アクチュ
エータの同調制御装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、共通
の負荷に使用される複数の油圧アクチュエータと、この
各アクチュエータを個別に制御するアクチュエータ制御
弁と、各アクチュエータに対し一括して基準速度の指令
を出す操作手段と、各アクチュエータに作用する実負荷
を検出する負荷検出手段と、上記操作手段による基準速
度指令を受けて各アクチュエータ制御弁に対する制御信
号を出力する制御手段とを具備し、この制御手段は、上
記負荷検出手段によって検出された実負荷と、上記各ア
クチュエータについて予め設定された負荷配分によって
決まる目標負荷との偏差を求め、この偏差が0となるよ
うに上記操作手段からの基準速度指令に補正を加えてア
クチュエータの目標速度を求め、この目標速度に見合っ
た制御信号を上記アクチュエータ制御弁に出力するよう
に構成されたものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、各アクチュエータが互いのアクチュエータ制御弁を
介してシリーズ接続されたものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成において、各アクチュエータの負荷配分を設定する手
段として、負荷配分の設定値が調整可能でこの設定値を
制御手段に送る負荷配分設定器が設けられたものであ
る。
【0016】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかの構成において、負荷検出手段として、各アクチュ
エータの入口圧と出口圧の差である有効圧を検出する手
段が用いられたものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れかの構成において、各油圧アクチュエータとして、複
数のウィンチドラムを駆動する複数の油圧モータが使用
されたものである。
【0018】請求項6の発明は、請求項5の構成におい
て、各ウィンチドラムに巻取られたロープの層数を検出
するロープ層数検出手段が設けられ、制御手段が、この
各ロープ巻層数検出手段によって検出されるロープ巻層
数を一つのパラメータとして油圧モータの目標速度を演
算するように構成されたものである。
【0019】請求項7の発明は、請求項5または6の構
成において、各ウィンチドラムと負荷との間でシーブ間
に掛け渡されたロープ掛け数を入力するロープ掛けけ数
入力手段が設けられ、制御手段が、このロープ掛け数入
力手段によって入力されたロープ掛け数を一つのパラメ
ータとして油圧モータの目標速度を演算するように構成
されたものである。
【0020】
【作用】上記構成によると、設定された負荷配分に応じ
て各アクチュエータの目標負荷が演算され、この目標負
荷と実負荷の偏差が0となるように各アクチュエータの
速度が制御される。これにより、各アクチュエータが、
設定された負荷配分通りの負荷状態に保持される。すな
わち、一つの操作手段の操作のみにより、各アクチュエ
ータを正確に同調制御することができる。
【0021】また、二本のロープで一つの荷を上げ下げ
する作業において、荷の重心がロープ間の中心にない場
合等、各アクチュエータの負荷配分が1:1とならない
場合も、負荷配分をこれに対応して設定することによ
り、荷の傾き等を防止することができる。
【0022】また、請求項3の構成によると、負荷配分
設定器により、荷の種類や作業条件等に応じて負荷配分
を任意に調整することができる。
【0023】さらに、請求項4の構成によると、アクチ
ュエータの有効圧を負荷として検出するため、たとえば
モータの入口圧を検出する場合と比較して、負荷を正確
に検出することができる。
【0024】とくに、各アクチュエータがシリーズに接
続された構成では、下流側の負荷が上流側アクチュエー
タの負荷に加算されるが、この場合でも有効圧を検出す
ることで負荷を正確に検出し、正確な同調制御が可能と
なる。
【0025】一方、巻上機械において、各ウィンチドラ
ムの巻層数が異なる場合(たとえば二つのドラムの一方
が三層、他方が四層の場合)に、各ロープの張力そのも
のは負荷配分通りであるにもかかわらず、モータ負荷に
差が生じ、これに基づいて誤った負荷配分一定制御が行
われてしまう。
【0026】この場合、請求項6の構成によると、この
ロープ巻層数をモータ速度制御のための検出要素に加え
るため、上記のような誤った制御が行われるおそれがな
く、負荷配分通りの正確な制御を行うことができる。
【0027】また、巻上機械において、ウィンチドラム
と負荷との間でシーブ間に掛け渡されるロープの掛け数
によってロープ張力が変化する。従って、ロープ掛け数
が各ウィンチドラム間で異なる場合(たとえば二つのド
ラムの一方が四本掛け、他方が二本掛けの場合)に、各
ロープの張力の違いをモータ負荷の差と見て誤った負荷
配分一定制御が行われてしまい、荷が傾いてしまうこと
となる。
【0028】この場合、請求項7の構成によると、ロー
プ掛け数を制御手段に入力し、これを同調制御のための
演算パラメータとするため、上記のような誤った制御が
行われるおそれがない。
【0029】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図5によって説明す
る。なお、以下の実施例では、従来説明に合せて、二つ
のウィンチドラム1,2から引出した2本のロープ3,
4で共通の荷(負荷W)を上げ下げする場合を例にとっ
ている。
【0030】また、以下の実施例において、図6と同一
部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略す
る。
【0031】第1実施例(図1,2参照) 図1において、14は第1および第2両モータ5,6の
回転方向と速度を指令する操作手段としての操作レバー
で、この操作レバー14の操作方向と操作量がポテンシ
ョメータ15で検出され、このポテンショメータ15か
らコントローラ16に基準速度の指令信号が入力され
る。
【0032】また、第1および第2両モータ5,6のモ
ータ回路には、それぞれモータ5,6の出入口圧を検出
する圧力センサ17,18,19,20が設けられ、こ
れら圧力センサ17〜20からの圧力信号もまたコント
ローラ16に入力される。
【0033】このコントローラ16には、予め両モータ
5,6の負荷配分が設定され、この設定負荷配分によっ
て決まる両モータ5,6の目標負荷と実負荷との偏差が
0となるように上記基準速度指令に補正が加えられる。
【0034】詳述すると、図1に示す作業状態におい
て、負荷Wの重心が両ロープ3,4間の中心にあれば、
両ロープ3,4の張力は1:1となる。
【0035】従って、巻上、巻下時に、両モータ5,6
にそれぞれW/2の負荷がかかっていれば両モータ5,
6は同調し、負荷Wが水平姿勢で上下することとなる。
【0036】また、両モータ5,6に作用する負荷は、
両ドラム1,2の直径と巻層数が同じであれば、モータ
5,6の出入口圧の差である有効圧に比例する。これを
数式で示すと次のようになる。
【0037】第1モータ5側の圧力センサ17,18で
検出された圧力をPa1,Pa2、第2モータ6側の圧力セ
ンサ19,20で検出された圧力をPb1,Pb2とする
と、両モータ5,6の有効圧(実負荷)Pa,Pbは、
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】となり、バケット1を支えるのに必要な有
効圧Ptは、
【0041】
【数3】
【0042】となる。
【0043】また、同調条件が成立するための両モータ
5,6それぞれの目標有効圧(目標負荷)をPa0,Pb0
とすると、
【0044】
【数4】
【0045】
【数5】
【0046】となる。
【0047】一方、操作レバー14の操作量によって決
まる基準指令速度をSwとすると、目標有効圧Pa0,P
b0と実際有効圧Pa,Pbとの偏差に応じた補正を加えた
目標速度(補正指令速度)Swa,Swaは次式で求められ
る。
【0048】
【数6】
【0049】
【数7】
【0050】Kp:補正用比例ゲイン コントローラ16は以上の計算を行い、求められたこの
目標速度に見合った制御信号(電流)がコントローラ1
6から電磁比例弁21,22,23,24に送られ、こ
の電磁比例弁21〜24の二次圧が両モータ制御弁7,
8にパイロット圧、すなわち目標速度指令信号として送
られる。
【0051】これにより、負荷配分が1:1での巻上・
巻下作業中、両モータ5,6の実負荷と目標負荷とに偏
差が生じ、両ロープ3,4の張力がアンバランスになっ
た場合、巻上中は大張力側のモータ速度が落され、ある
いは小張力側のモータ速度が速められることにより、ま
た巻下中は大張力側のモータ速度が速められ、あるいは
小張力側のモータ速度が落されることにより、両モータ
5,6の同調がとられて両ロープ3,4の張力が均等に
保たれ、負荷Wが一定姿勢で上げ下げされる。
【0052】このコントローラ16の作用を図2に示す
フローチャートによって整理すると、制御開始ととも
に、操作量が読み込まれて(ステップS1)、基準指令
速度が演算される(ステップS2)。
【0053】また、圧力センサ17〜20からの圧力信
号が読み込まれ(ステップS3)、この圧力に基づいて
両モータ5,6に作用する実負荷の演算(ステップS
4)、および目標負荷の演算(ステップS5)が行われ
る。
【0054】そして、これら実負荷と目標負荷の偏差が
求められ(ステップS6)、この偏差を0とするための
目標速度が演算され(ステップS7)、この目標速度に
見合った制御信号が電磁比例弁21〜24に出力される
(ステップS8)。
【0055】一方、負荷Wの重心が両ロープ3,4間の
中心にない場合等、両モータ5,6の負荷配分の比率が
異なる(1:1でない)場合には、以下のように制御す
ればよい。
【0056】両ロープ3,4にかかる張力の比率がm:
nの場合、第1モータ5に{m/(m+n)}×W、第
2モータ6に{n/(m+n)}×Wの負荷がかかれば
両モータ5,6が同調していることになる。
【0057】従って、同調条件が成立するための両モー
タ5,6の目標有効圧をPa0,Pb0とすると、
【0058】
【数8】
【0059】
【数9】
【0060】となる。
【0061】すなわち、負荷配分が異なる場合には、こ
れらを目標値として数6,7によりそれぞれの目標速度
を演算すればよい。
【0062】第2実施例(図3参照) 第1実施例との相違点のみを説明すると、第1実施例に
おいては、両モータ5,6の負荷配分が予めコントロー
ラ16内で一定不変に設定されているのに対し、第2実
施例においては、設定値を任意に調整しうる負荷配分設
定器25がコントローラ外部に設けられ、同設定器25
による設定値がコントローラ16に入力されるように構
成されている。
【0063】この構成によると、たとえば重心位置が異
なる複数種類の負荷を順次扱う場合に、これら各負荷ご
とに負荷配分を適正に調整することにより、負荷Wの変
化に関係なく両モータ5,6の同調を保つことができ
る。
【0064】第3実施例(図4参照) 上記実施例では、両ドラム1,2に対するロープ3,4
の巻層数が等しいことを前提としたが、このロープ巻層
数が両者異なる場合には、両ロープ3,4に作用する張
力が等しくても、このロープ3,4からドラム1,2に
作用するトルクに差が生じ、これがモータ負荷の相違と
して表れる。
【0065】従って、このまま放置すると、負荷配分が
1:1の場合に、ロープ張力がその負荷配分通りである
にもかかわらず、たとえば大負荷側のモータ速度が落さ
れて荷が傾く等のトラブルが生じる。
【0066】そこで、この第3実施例においては、両ド
ラム1,2のロープ巻層数を検出する巻層数検出器2
6,27が設けられ、同検出器26,27によって検出
されたロープ巻層数信号がコントローラ16に演算パラ
メータとして取り込まれるように構成されている。
【0067】なお、巻層数検出器26,27としては、
たとえばドラム1,2に巻取られたロープ3,4に接触
するローラのドラム半径方向の動きを検出するもの等、
種々公知のものを用いることができる。
【0068】ロープ巻層数をパラメータとする演算処理
の仕方を説明すると、負荷Wと、負荷Wを支えるのに必
要なモータ有効圧Ptと、ロープ巻層数によって決まる
ピッチ円径Pcdとの間には、
【0069】
【数10】
【0070】の関係が成立する(ただし、ドラム径は同
じとする)。
【0071】また、両モータ5,6の目標有効圧Pa0,
Pb0と、必要有効圧Ptと両ドラム1,2のピッチ円径
Pcda,Pcdbにおいて、同調条件が成立するためには、
【0072】
【数11】
【0073】
【数12】
【0074】となる。
【0075】そこで、レバー操作量から求められる基準
指令速度をSwとすると、目標有効圧との偏差に応じた
補正を加えた両モータ5,6それぞれの目標速度Swa,
Swaは次式で求められる。
【0076】
【数13】
【0077】
【数14】
【0078】Kp:補正用比例ゲイン 以上により、ロープ巻層数をパラメータとする目標速度
が求められ、これに見合った制御信号がコントローラ1
6から電磁比例弁比例弁21,22,23,24に送ら
れる。
【0079】なお、両モータ5,6の負荷配分m,nの
比率が異なる場合には、数11にm/(m+n)、数1
2にn/m+nの要素を加味すればよい。
【0080】また、この第3実施例においても、第2実
施例のように負荷配分設定器25を設け、同設定器25
によって負荷配分を任意に調整可能に構成することがで
きる。これは次の第3実施例についても同じである。
【0081】第3実施例(図5参照) 第3実施例では、ロープ3,4の掛け数を演算パラメー
タとして加えている。
【0082】クレーンの主巻ロープと補巻ロープで一つ
の荷を上げ下げする場合を例にとると、図5に示すよう
に主巻ロープ3は、ブーム先端の主巻シーブ28…とフ
ックシーブ29…との間に複数回に亘って掛け回される
のに対し、補巻ロープ4は、ブーム先端の補巻シーブ3
0とフック31との間に1本掛けされる。
【0083】従って、理論上、動滑車の原理により、両
ロープ3,4の掛け数をX,Yとすると、これらの張力
比はY:Xとなとなる。
【0084】このため、この張力配分を加味しないで両
モータ5,6の負荷配分を1:1に設定すると、第1モ
ータ5の実負荷が小さくなることに基づいて、同モータ
5の速度を速める制御が行われ、荷が傾くこととなる。
【0085】なお、第2実施例の負荷配分設定器25を
用いればこの点の調整が可能であるが、一旦、荷を吊
り、その傾き具合を見て調整することになるため、安全
上問題がある。
【0086】そこで、第3実施例では、ロープ掛け数設
定器31を設け、両ロープ3,4の掛け数(X,Y)を
同設定器31で設定し、コントローラ16に入力する構
成としている。
【0087】この構成において、主巻、補巻両ロープ
3,4の掛け数の関係から同期条件が成立するための両
モータ5,6の目標有効圧をPa0,Pb0とすると、
【0088】
【数15】
【0089】
【数16】
【0090】そして、この式から求められた目標有効圧
Pa0,Pb0を用いて、数13、数14から補正指令速度
Swa,Swbを求め、これに見合った駆動電流を電磁比例
弁21〜24に送ることにより、両モータ5,6を同調
させることができる。
【0091】また、負荷Wの重心位置が両ロープ3,4
の先端間の中心にない場合等、両ロープ先端にかかる張
力比(m:n)が異なる場合には、
【0092】
【数17】
【0093】
【数18】
【0094】から、数13、数14を用いて目標速度S
wa,Swbを求めることができる。
【0095】ところで、上記実施例では、両モータ5,
6の有効圧を負荷として検出する構成としたが、これに
代えてロープ張力、ウィンチ駆動系のトルク等をモータ
負荷として検出するようにしてもよい。
【0096】また、上記各実施例では、巻上機械におけ
る二つのウィンチドラム1,2を駆動する二つの油圧モ
ータ5,6を同調制御する場合を例にとったが、本発明
は、三つ以上の油圧モータを同調制御する場合にも、ま
た複数の油圧シリンダを同調制御する場合にも適用する
ことができる。
【0097】
【発明の効果】上記のように本発明によるときは、設定
された負荷配分に応じて各アクチュエータの目標負荷を
演算し、この目標負荷と、検出された実負荷との偏差が
0となるように各アクチュエータの速度を制御する構成
としたから、複数のアクチュエータの同調制御を一つの
操作手段の操作のみによって簡単に、しかも正確に行う
ことができる。
【0098】また、二本のロープで一つの荷を上げ下げ
する作業において、荷の重心がロープ間の中心にない場
合等、各アクチュエータの負荷配分が1:1とならない
場合も、負荷配分をこれに対応して設定することによ
り、荷の傾き等を防止することができる。
【0099】また、請求項3の発明によると、負荷配分
設定器により、荷の種類や作業条件等に応じて負荷配分
を任意に調整することができる。
【0100】さらに、請求項4の発明によると、アクチ
ュエータの有効圧を負荷として検出するため、たとえば
モータの入口圧を検出する場合と比較して、とくに各ア
クチュエータがシリーズに接続された構成において負荷
を正確に検出し、正確な同調制御を行うことができる。
【0101】一方、請求項6の発明によると、ウィンチ
ドラムのロープ巻層数をモータ速度制御のための検出要
素に加えるため、この巻層数が各ドラムで異なる場合で
も誤った制御が行われるおそれがなく、負荷配分通りの
正確な制御を行うことができる。
【0102】また、請求項7の構成によると、ロープ掛
け数を制御手段に入力し、これを同調制御のための演算
パラメータとするため、このロープ掛け数が各ドラムで
異なる場合でも正確な同調制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体構成図である。
【図2】同実施例の作用を説明するためのフローチャー
トである。
【図3】本発明の第2実施例を示す全体構成図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す全体構成図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す全体構成図である。
【図6】従来技術を説明するための全体構成図である。
【符号の説明】
1,2 ウィンチドラム 3,4 ロープ 5,6 油圧アクチュエータとしての油圧モータ 7,8 アクチュエータ制御弁としてのモータ制御弁 14 操作手段を構成する操作レバー 15 同ポテンショメータ 16 制御手段と負荷検出手段とを兼ねるコントローラ 17,18,19,20 負荷検出手段を構成する圧力
センサ 21,22,23,24 モータ制御弁を駆動する電磁
比例弁 25 負荷配分設定器 26,27 ロープ巻層数検出器 31 ロープ掛け数入力手段としてのロープ掛け数設定
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B66D 1/40 A 7633−3F 1/44 L 7633−3F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通の負荷に使用される複数の油圧アク
    チュエータと、この各アクチュエータを個別に制御する
    アクチュエータ制御弁と、各アクチュエータに対し一括
    して基準速度の指令を出す操作手段と、各アクチュエー
    タに作用する実負荷を検出する負荷検出手段と、上記操
    作手段による基準速度指令を受けて各アクチュエータ制
    御弁に対する制御信号を出力する制御手段とを具備し、
    この制御手段は、上記負荷検出手段によって検出された
    実負荷と、上記各アクチュエータについて予め設定され
    た負荷配分によって決まる目標負荷との偏差を求め、こ
    の偏差が0となるように上記操作手段からの基準速度指
    令に補正を加えてアクチュエータの目標速度を求め、こ
    の目標速度に見合った制御信号を上記アクチュエータ制
    御弁に出力するように構成されたことを特徴とする油圧
    アクチュエータの同調制御装置。
  2. 【請求項2】 各アクチュエータが互いのアクチュエー
    タ制御弁を介してシリーズ接続されたことを特徴とする
    請求項1記載の油圧アクチュエータの同調制御装置。
  3. 【請求項3】 各アクチュエータの負荷配分を設定する
    手段として、負荷配分の設定値が調整可能でこの設定値
    を制御手段に送る負荷配分設定器が設けられたことを特
    徴とする請求項1または2記載の油圧アクチュエータの
    同調制御装置。
  4. 【請求項4】 負荷検出手段が、各アクチュエータの入
    口圧と出口圧の差である有効圧を検出するものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の油圧
    アクチュエータの同調制御装置。
  5. 【請求項5】 複数の油圧アクチュエータとして、複数
    のウィンチドラムを駆動する複数の油圧モータが使用さ
    れたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の油圧アクチュエータの同調制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の油圧アクチュエータの同
    調制御装置において、各ウィンチドラムに巻取られたロ
    ープの層数を検出するロープ巻層数検出手段が設けら
    れ、制御手段が、このロープ巻層数検出手段によって検
    出されるロープ巻層数を一つのパラメータとして油圧モ
    ータの目標速度を演算するように構成されたことを特徴
    とする油圧アクチュエータの同調制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の油圧アクチュエ
    ータの同調制御装置において、各ウィンチドラムと負荷
    との間でシーブ間に掛け渡されたロープ掛け数を入力す
    るロープ掛け数入力手段が設けられ、コントローラの演
    算部が、このロープ掛け数入力手段によって入力された
    ロープ掛け数を一つのパラメータとしてウィンチモータ
    の目標速度を演算するように構成されたことを特徴とす
    る油圧アクチュエータの同調制御装置。
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