JP3980128B2 - 作業機の旋回制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクレーンや油圧ショベルなどの作業機の旋回制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、例えば実開平3−49291号公報に開示されているように、原動機により駆動される可変容量型油圧ポンプ(以下可変ポンプと言う)の吐出流量を原動機の回転数の変化に影響されず一定に保つようにした従来のクレーン旋回油圧回路を示す。
【0003】
この旋回油圧回路は、図8に示すように、原動機1と、この原動機1によって駆動される可変ポンプ2と、可変ポンプ2から吐出される圧油によって駆動される旋回モータ3と、可変ポンプ2から旋回モータ3に供給される圧油の流れを制御する旋回用方向制御弁4と、この旋回用方向制御弁4をオペレータが手動操作する操作レバー5と、可変ポンプ2の傾転量を制御する傾転制御装置6とからなる。7は旋回以外の例えばウインチ等に使用される可変ポンプである。傾転制御装置6は、原動機1の回転数を検出する回転検出器6aと、可変ポンプ2の傾転量を制御するパイロット操作部6bと、このパイロット操作部6bを駆動するパイロット圧力を発生させる電磁比例減圧弁6cと、この電磁比例減圧弁6cに接続されるパイロット油圧源6dと、電磁比例減圧弁6cの指令信号量を演算して、出力する定電流アンプ6eとを備えている。
【0004】
この従来技術では、回転検出器6aによって検出された原動機1の回転数信号が定電流アンプ6eに入力され、定電流アンプ6eは回転数信号に応じた電流信号を電磁比例減圧弁6cに出力する。電磁比例減圧弁6cは、この電流信号に応じてスプール(不図示)を変位させ、パイロット回路6fのパイロット圧力が制御される。したがって、この従来技術によれば、可変ポンプ2の傾転量は、原動機1の回転数に応じて制御され、可変ポンプ2から吐出される流量は、原動機1の回転数によらず、ほぼ一定に保つことができる。つまり、旋回モータ3の回転は、旋回用方向制御弁4の開口面積を一定とすると原動機1の変動に関わらず等速運動となる。
【0005】
また、クレーンのように作業半径が著しく変化する作業機において、上記の旋回制御に加えて、作業半径に応じて旋回体の旋回速度を自動的に制限することでクレーンの操作性を高める旋回制御が知られている。例えば、作業半径が大きいときは微小な速度制御性が要求される一方、作業半径が小さいときは比較的大きい旋回速度で作業するため高速域までの制御性が要求される。このとき、操作レバー5の同一操作量において、微小な速度制御性の場合は可変ポンプ2からの吐出流量を低く抑えることによって旋回モータ3の速度を抑え、高速制御性が求められる場合は可変ポンプ2からの吐出流量を大きくすることによって旋回モータ3の速度を上げるように制御する。すなわち、作業半径に応じた旋回モータ3の速度特性を得るために、可変ポンプ2からの吐出流量を作業半径に応じた流量に制限する。この制限された吐出流量を前記の従来技術により原動機の回転数の変化によって変動しないように制御する。
【0006】
しかし、作業半径に応じて旋回モータ3の流量特性を変えるために、可変ポンプ2の吐出流量を大きくしたり小さくしたりすると、操作レバーの応答性や操作範囲などの操作フィーリングが作業半径に応じて変化するという問題が生じる。以下にその内容を説明する。
【0007】
一般に、絞りの流量をQ、絞り前後の圧力差をp、開口面積をA、流体密度をρ、流量係数をCdとすると、
【数1】
Q=Cd×A×(2p/ρ)1/2…(1)
で表される。図8において、旋回モータ3に流れる流量は式(1)の絞りの流量Qに相当し、旋回用方向制御弁4のスプールの開口面積は開口面積Aに相当し、旋回モータ3の作動圧力は絞り前後の圧力差pに相当する。操作レバー5の操作量すなわちスプールの開口面積Aを一定にして、可変ポンプ2の吐出流量を小さくすると、作動圧力pが低下する。そのため式(1)より旋回体モータ3に流れる流量Qは小さくなる。しかし、この作動圧力は、小さくなればなるほど油圧回路に分布する抵抗等の影響により一般に圧力が立ちづらくなり、例えば図9のような特性を示すようになる。
【0008】
図9は、操作レバー5の操作量に対して旋回モータ3に流れる流量特性を示すグラフである、可変ポンプ2の吐出流量を大流量QREF1、中流量QREF2、小流量QREF3にそれぞれ設定した場合について示している。点線はそれぞれの可変ポンプ2の吐出流量に対する理論値上の特性を示す。吐出流量大のQREF1では操作レバー5の操作量に対する旋回モータ3の流量特性はそれほど応答性が悪くはないが、吐出流量中のQREF2から吐出流量小のQREF3にいくほど操作レバー5の操作量に対する旋回モータ3の流量の応答性が悪くなることを示している。そして、吐出流量小のQREF3では操作レバー5をかなり大きな位置に操作しないと旋回モータ3に流れる流量が立ち上がり始めないことを示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上記従来技術では、可変ポンプ2の吐出流量を作業半径に見合った吐出流量に制限すると、制限された流量では原動機1の回転数の変動に影響されず操作性を高めることができるが、図9に示すとおり、作業半径に応じて可変ポンプ2の吐出流量を小さくしていくと、操作レバー5の操作量に対する旋回モータ3に流れる流量の立ち上がり特性が悪くなり、操作レバー5の操作可能範囲が制限され、異なる作業半径間の流量特性の違いによって操作レバー5の応答性や操作範囲等の操作フィーリングが変化するという問題が生じる
【0010】
本発明の目的は、旋回モータの流量にかかわらず操作レバーの応答性や範囲等の操作フィーリングの変化を少なくすることができる作業機の旋回制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
実施の形態の図1および図3に対応づけて本発明を説明する。
(1)請求項1の発明は、旋回指令信号を出力する旋回指令部材31と、旋回指令信号に応じた開口面積とされ、可変容量油圧ポンプ21から吐出される圧油を制御して旋回モータ23の速度と方向を調節する制御弁22とを備える作業機の旋回制御装置に適用される。そして、上述した目的は、作業状態に応じた旋回速度に要求されるモータ流量を算出する流量算出手段26bと、算出されたモータ流量に応じて可変容量油圧ポンプ21の傾転量を制御する傾転量制御手段24〜26と、算出されたモータ流量にかかわらず旋回モータ23が始動する旋回指令部材31の変位量が一定となるよう(以下、この変位量を移動開始変位量と呼ぶ)に、算出されたモータ流量が小さくなるほど旋回指令信号に対する制御弁22の開口面積を大きくするとともに、移動開始変位量を超える範囲では、算出されたモータ流量にかかわらず制御弁22の開口面積が最大となる旋回指令部材31の変位量が一定となるように、旋回指令部材31の変位量の増加に伴い制御弁22の開口面積を大きくするメータリング特性制御手段とを備えることにより達成される。
(2)請求項2の発明は、メータリング特性制御手段は、旋回指令部材31の操作量を検出する操作量検出手段40a,40bと、算出されたモータ流量にかかわらず旋回モータ23が始動する旋回指令部材31の変位量が一定となるとともに、算出されたモータ流量にかかわらず制御弁22の開口面積が最大となる旋回指令部材31の変位量が一定となるように、操作量検出手段40a,40bで検出された旋回指令部材31の操作量に対する制御弁22のストローク量を、算出されたモータ流量に基づいて可変とするストローク可変手段26g,26hとを有するものである。
(3)請求項3の発明は、旋回指令信号を出力する旋回指令部材31と、旋回指令信号に応じた開口面積とされ、可変容量油圧ポンプ21から吐出される圧油を制御して旋回モータ23の速度と方向を調節する制御弁22とを備える作業機の旋回制御装置に適用される。そして上述した目的は、作業状態を検出する作業状態検出手段27と、検出された作業状態に応じた旋回速度を演算する旋回速度演算手段26aと演算された旋回速度に基づいて、その旋回速度に要求されるモータ流量を算出する流量算出手段26bと、算出されたモータ流量に応じて可変容量油圧ポンプ21の傾転量を制御する傾転量制御手段24〜26と、算出されたモータ流量が小さくなるほど旋回指令信号に対する制御弁22の開口面積が大きくなり、算出されたモータ流量にかかわらず旋回モータ23が始動する旋回指令部材31の変位量が一定となるように(以下、この変位量を移動開始変位量と呼ぶ)、旋回指令信号を補正するとともに、移動開始変位量を超える範囲では、旋回指令部材31の変位量の増加に伴い制御弁22の開口面積が大きくなり、算出されたモータ流量にかかわらず制御弁22の開口面積が最大となる旋回指令部材31の変位量が一定となるように、旋回指令信号を補正する指令信号補正手段26hとを備えたことにより達成される。
(4)請求項4の発明は、指令信号補正手段は、移動開始変位量を超える範囲では、算出されたモータ流量が小さいほど、旋回指令部材31の変位量の増加に対する制御弁22の開口面積の増加の割合が小さくなるように、旋回指令信号を補正するものである。
【0012】
なお、本発明の構成を説明している上記課題を解決するための手段の項では、分かりやすく説明するため実施の形態の図に対応づけて説明したが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1〜図5により説明する。図1において、エンジン20で駆動される可変容量油圧ポンプ21からの吐出油の方向,流量は油圧パイロット式制御弁22で制御されて旋回モータ23へ供給される。可変容量油圧ポンプ21の傾転量は、レギュレータ24に作用するパイロット圧によって調節される。そのパイロット圧力は電磁比例減圧弁25から出力され、電磁比例減圧弁25はコントローラ26から入力される制御電流I1の大きさによってその出力圧力(作用圧力)を制御する。この制御電流I1については後述する。
【0014】
制御弁22のパイロットポートには、旋回指令装置31からのパイロット圧PSと、比例減圧弁32a,32bからのパイロット圧力Pmのいずれか一方がシャトル弁33a,33bを介して導かれる。旋回指令装置31は、操作レバー31aと、この操作レバー31aの操作量に比例したパイロット圧力を出力する一対のパイロット弁31b、31cと、油圧源31dとを備えている。
【0015】
電磁比例減圧弁32a、32bの比例ソレノイドにはコントローラ26から制御電流I2が供給され、電磁比例減圧弁32a、32bは、制御電流I2に応じて油圧源34a,34bの1次圧力を減圧し、2次圧力を出力する。電磁比例減圧弁32a,32bへ供給される制御電流I2については後述する。シャトル弁33a,33bは電磁比例減圧弁32a,32bからのパイロット圧力Pmとパイロット弁31b,31cからのパイロット圧力Psの高い方を選択して、制御弁22のパイロットポートにパイロット圧力を供給する。パイロット弁31b、31cのパイロット圧力Psは、図2に示すように、操作レバー31aの操作量であるレバー変位に比例する。圧力検出器40a,40bはパイロット弁31b,31cのパイロット圧力を検出して操作レバー31aのレバー変位を検出する。
【0016】
コントローラ26には、過負荷防止装置27で演算された作業半径Rと、エンジン回転数検出器28で検出されたエンジン回転数に応じた回転パルスSと、圧力検出器40a,40bで検出したパイロット圧力PSが入力される。
【0017】
過負荷防止装置27には、図示しない角度計、荷重計、入力部などからブーム仰角β,ブーム長L,吊り荷重W等が入力され、作業半径や、吊り荷の荷重等から転倒に対する作業機の安定,不安定状態を演算して表示,警報する。この過負荷防止装置27は、例えばクレーンの転倒防止のための警報装置として取付が義務付けられているものである。コントローラ26は、エンジン20の回転数と、作業半径と、レバー変位とに基づいて電磁比例減圧弁25と32a,32bを制御する。なお、図示は省略するが、可変容量油圧ポンプ21以外にも、エンジン20によって駆動される旋回以外のアクチュエータ、例えば巻き上げウインチ等のアクチュエータの駆動源となる油圧ポンプが設けられる。
【0018】
上述のコントローラ26は、図3に示すように、過負荷防止装置27によって演算された作業半径Rに基づいて旋回速度Vを演算する第1の関数発生器26aと、この旋回速度Vを得るために必要なモータ流量Qを算出する流量演算器26bとを備える。旋回速度Vは、たとえば旋回動作による吊り荷の遠心力でクレーンが転倒するのを防止できる値、あるいは荷振れを抑制するような値に基づいて設定される。モータ流量Qは、旋回速度Vと旋回モータ23の1回転当たりの押除け容積qと旋回駆動系の減速比α1とを乗算することにより求まる。
【0019】
コントローラ26はまた、エンジン回転数検出器28によって検出されるパルス列信号Sからエンジン回転数Nを演算する第2の関数発生器26cと、流量演算器26bで算出されたモータ流量Qに減速比α2を乗じた値をエンジン回転数Nで除することによりポンプ傾転量θを演算するポンプ傾転量演算器26dと、演算されたポンプ傾転量θに設定するための電磁比例減圧弁25の作用圧力Pを演算する第3の関数発生器26eと、演算された作用圧力Pに対応した電磁比例減圧弁25の制御電流I1を演算する第4の関数発生器26fとを有する。
【0020】
コントローラ26はさらに、圧力検出器40aまたは40bで検出したパイロット圧力PSからレバー変位lを算出する第5の関数発生器26gと、このレバー変位lとモータ流量Qとから制御弁22のメータリング特性変更用のパイロット圧力Pmを算出する第6の関数発生器26hと、演算されたパイロット圧力Pに対応した電磁比例減圧弁32a,32bの制御電流I2を演算する第7の関数発生器26iとを有する。第6の関数発生器26hは、電磁比例減圧弁32aまたは32bから図4に示すような特性のメータリング特性変更用のパイロット圧力Pmを出力するように設定される。すなわち、図4からわかるとおり、モータ流量Qが大流量の場合と、中流量の場合と、小流量の場合とにそれぞれ応じた特性となるように、レバー変位−パイロット圧力Pmの特性が設定される。もちろん、大、中、小流量の間にも連続的に特性が設定されている。
【0021】
図4において、レバー変位SSは、可変容量油圧ポンプ21の吐出流量を最大としたときに操作レバー31aを操作してモータが回転し始める値であり、レバー変位SEは、制御弁22の開口面積が最大になる値である。レバー変位SSにおけるパイロット圧力は、算出されたモータ流量にかかわらずレバー変位SSにおいて必ずモータが始動するような値に設定される。すなわち、算出されたモータ流量が小さいほど制御弁22の開口面積が大きくなるように、大流量Q1ではパイロット圧力PmはPS1に、中流量Q2ではパイロット圧力PmはPS2に、小流量Q3ではパイロット圧力PmはPS3にそれぞれ設定される。レバー変位SEにおいては、流量Qにかかわらずパイロット圧力がPSEとなるように定められる。
【0022】
ここで、図2、図4および図9に基づいて、レバー変位SSにおけるパイロット圧力PS1,PS2,PS3について説明する。図9に示すように、ポンプ吐出流量Qが大のときにはレバー変位S1で旋回モータは始動し、ポンプ吐出流量Qが中のときにはレバー変位S2で旋回モータは始動し、ポンプ吐出流量Qが小のときにはレバー変位S3で旋回モータは始動する。図2において、各レバー変位S1〜S3のときにパイロット弁31b,31cからそれそれ出力されるパイロット圧力PSは、それぞれPS1,PS2,PS3である。したがって、大流量のときはパイロット圧力PSがPS1で旋回モータは始動し、中流量のときはパイロット圧力PSがPS2で旋回モータは始動し、小流量のときはパイロット圧力PSがPS1で旋回モータは始動することになる。そこで、この実施の形態では、図4に示すように、レバー変位SSにおけるパイロット圧力Pmを大流量ではPS1、中流量ではPS2、小流量ではPS3となるようにそれぞれ設定することにより、モータ流量が異なってもレバー変位SSで旋回モータが始動するようにする
【0023】
図4の各特性を出力する図3の第6の関数発生器26hは次のようにしてパイロット圧力Pmを演算する。すなわち、レバー変位lがSS未満の場合には次式(2)で、レバー変位lがSS以上の場合には次式(3)でPmが表される。
【数2】
Pm=Pn×(l/SS)…(2)
【数3】
Pm=Pn+(l−SS)×{(PSE−Pn)/(SE−SS)}…(3)
ただし、Pnは次式(4)式で表される。
【数4】
Pn=PS3−{(Q−Q小)×(PS−PS1)/(Q大−Q小)}…(4)
ただし、Qは算出されたモータ流量、Q大、Q小は予め定められる最大モータ流量、最小モータ流量、PSは検出されたパイロット圧力である。
【0024】
コントローラ26による旋回制御を説明する。
過負荷防止装置27は、検出されたブーム仰角βの余弦値とブーム長Lとを乗じて作業半径Rを演算して出力し、エンジン回転数検出器28は、エンジン20の回転数に反比例する間隔のパルス列信号Sを出力し、これらの出力信号はそれぞれコントローラ26に入力される。作業半径Rが第1の関数発生器26aに入力されると作業半径Rに応じた最適な旋回速度Vが決定される。そしてその旋回速度Vが流量演算器26bに入力されると、
【数5】
Q=V×q×α1・・・(5)
の演算が行われ、旋回速度Vを得るために必要なモータ流量Qが算出される。ここで、α1は旋回モータ23と旋回体(図示しない)との間に介在される減速機の減速比に応じた流量演算係数である。
【0025】
エンジン20のパルス列信号Sが第2の関数発生器26cに入力されるとエンジン回転数Nが決定される。ポンプ傾転量演算器26dでは、流量演算器26bによって演算されたモータ流量Qとエンジン回転数N(rpm)とに基づいて、
【数6】
θ=Q×α2/N・・・(6)
の演算を行ない、検出されたエンジン回転数Nにおいてモータ流量Qを得るために必要なポンプ傾転量θが算出される。
【0026】
ここで、α2はポンプ21とエンジン20との間に介在される減速機の減速比に応じた流量演算係数である。
【0027】
ポンプ傾転量演算器26dで演算されたポンプ傾転量θは第3の関数発生器26eに入力され、第3の関数発生器26eは、ポンプ21の傾転量を演算されたポンプ傾転量θに変更するために電磁比例減圧弁25に作用させる作用圧力Pθを算出する。そして、この作用圧力Pθを得るために電磁比例減圧弁25に印加すべき制御電流I1が第4の関数発生器26fで算出され、電磁比例減圧弁25に出力される。したがって電磁比例減圧弁25は、作業半径Rに適した旋回速度が得られるポンプ傾転量とすべく圧力を出力し、これによりポンプ21は、作業半径Rに適した流量の圧油を吐出する。
【0028】
一方、第5の関数発生器26gは、圧力検出器40aまたは40bで検出したパイロット圧力PSからレバー変位lを算出し、第6の関数発生器26hは、レバー変位lとモータ流量Qとから制御弁22のメータリング特性変更用のパイロット圧力Pmを算出する。そして、第7の関数発生器26iは、演算されたメータリング特性変更用のパイロット圧力Pmに対応した電磁比例減圧弁32a,32bの制御電流I2を演算する。この制御電流I2は、電磁比例減圧弁32aまたは32bに供給され、電磁比例減圧弁32aまたは32bは図4に示すような特性のメータリング特性変更用のパイロット圧力Pmを出力する。
【0029】
したがって、電磁比例減圧弁32a,32bから出力されるパイロット圧力Pmはパイロット弁31b,31cから出力されるパイロット圧力PSよりも高くなり、制御弁22は電磁比例減圧弁32a,32bのパイロット圧力Pmでストロークする。したがって、操作レバー31aの操作量を同一とすれば、算出されたモータ流量が小流量のときには大流量に比べて制御弁22のストローク、換言すると開口面積が大きくなり、モータ流量が小さい場合も大きい場合も同一のレバー変位SSから旋回モータ23を始動することができる。
【0030】
またこのような一実施の形態によれば、ポンプ21から吐出される圧油の流量が、エンジン回転数にかかわらず制御弁25が全開の状態で作業半径Rに適した旋回速度Vが得られるモータ流量Qに制御されるため、旋回半径が大きくなっても吊り荷の移動速度が所定内に収まりかつエンジン回転数に影響を受けることがなく、その結果、荷振れの発生を防止できるとともに、旋回速度の調整が容易となるため、作業者の負担が軽減できる。
【0031】
なお、以上の説明では、常時、コントローラ26から電磁比例減圧弁32a,32bに制御電流I2が出力され、制御弁22は実質上、パイロット弁31b,31cのパイロット圧力でストロークすることがないようにしたが、クラムシェル作業などの常時大流量で行なう作業を考慮して、掘削モードでは制御電流I2が出力されず、操作レバー31aの操作量に比例したパイロット圧力で制御弁22をストロークするようにすることが望ましい。
【0032】
以上では操作レバー31aの操作量を圧力検出器40a,40bでパイロット圧力信号に変換したが、図6に示すように、操作レバー31aの操作量を電気信号に変換してもよい。すなわち、ポテンショメータ51a,51bにより操作レバー31aの操作量を電気信号に変換してコントローラ26Aに入力する。図7に示すように、コントローラ26Aは第7の関数発生器26gを省略するとともに、第8の関数発生器26hに代えて関数発生器126hを用いる以外、図3のコントローラ26と同様である。関数発生器126hは、ポテンショメータ51a,51bで検出されたレバー変位信号lと、流量演算器26bで演算されたモータ流量Qとに基づいて、図4と同様なパイロット圧力信号Pmを出力する。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、モータ流量が小さくなるほど操作レバー変位に対する制御弁の開口面積を大きくするようにしたので、流量特性が異なる作業状態間で操作レバーの応答性や操作範囲等の操作フィーリングの変化を少なくすることができる。また、請求項3の発明によれば、旋回速度等を作業状態に見合った速度に制限する場合でも、請求項1と同様な作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の油圧回路の構成図
【図2】図1のパイロット弁のレバー変位とパイロット圧力の特性線図
【図3】図1のコントローラの詳細ブロック図
【図4】レバー変位とメータリング特性変更用のパイロット圧力の特性線図
【図5】レバー変位とモータ流量の特性線図
【図6】他の実施の形態における旋回油圧回路図
【図7】他の実施の形態のコントローラの詳細ブロック図
【図8】従来技術の油圧回路の構成図
【図9】従来技術におけるレバー変位−モータ流量の特性線図
【符号の説明】
20 エンジン
21 可変容量型油圧ポンプ
22 制御弁
23 旋回モータ
25,32a,32b 電磁比例減圧弁
26,26A コントローラ
28 回転数検出器
31a 操作レバー
31b,31c パイロット弁
40a,40b 圧力検出器

Claims (4)

  1. 旋回指令信号を出力する旋回指令部材と、
    前記旋回指令信号に応じた開口面積とされ、可変容量油圧ポンプから吐出される圧油を制御して旋回モータの速度と方向を調節する制御弁とを備える作業機の旋回制御装置において、
    作業状態に応じた旋回速度に要求されるモータ流量を算出する流量算出手段と、
    前記算出されたモータ流量に応じて前記可変容量油圧ポンプの傾転量を制御する傾転量制御手段と、
    前記算出されたモータ流量にかかわらず前記旋回モータが始動する前記旋回指令部材の変位量が一定となるように(以下、この変位量を移動開始変位量と呼ぶ)、前記算出されたモータ流量が小さくなるほど前記旋回指令信号に対する前記制御弁の開口面積を大きくするとともに、前記移動開始変位量を超える範囲では、前記算出されたモータ流量にかかわらず前記制御弁の開口面積が最大となる前記旋回指令部材の変位量が一定となるように、前記旋回指令部材の変位量の増加に伴い前記制御弁の開口面積を大きくするメータリング特性制御手段とを備えたことを特徴とする作業機の旋回制御装置。
  2. 前記メータリング特性制御手段は、
    前記旋回指令部材の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記算出されたモータ流量にかかわらず前記旋回モータが始動する前記旋回指令部材の変位量が一定となるとともに、前記算出されたモータ流量にかかわらず前記制御弁の開口面積が最大となる前記旋回指令部材の変位量が一定となるように、前記操作量検出手段で検出された前記旋回指令部材の操作量に対する前記制御弁のストローク量を、前記算出されたモータ流量に基づいて可変とするストローク可変手段とを有することを特徴とする請求項1記載の作業機の旋回制御装置。
  3. 旋回指令信号を出力する旋回指令部材と、
    前記旋回指令信号に応じた開口面積とされ、可変容量油圧ポンプから吐出される圧油を制御して旋回モータの速度と方向を調節する制御弁とを備える作業機の旋回制御装置において、
    作業状態を検出する作業状態検出手段と、
    検出された作業状態に応じた旋回速度を演算する旋回速度演算手段と
    記演算された旋回速度に基づいて、その旋回速度に要求されるモータ流量を算出する流量算出手段と、
    前記算出されたモータ流量に応じて前記可変容量油圧ポンプの傾転量を制御する傾転量制御手段と、
    前記算出されたモータ流量が小さくなるほど前記旋回指令信号に対する前記制御弁の開口面積が大きくなり、前記算出されたモータ流量にかかわらず前記旋回モータが始動する前記旋回指令部材の変位量が一定となるように(以下、この変位量を移動開始変位量と呼ぶ)、前記旋回指令信号を補正するとともに、前記移動開始変位量を超える範囲では、前記旋回指令部材の変位量の増加に伴い前記制御弁の開口面積が大きくなり、前記算出されたモータ流量にかかわらず前記制御弁の開口面積が最大となる前記旋回指令部材の変位量が一定となるように、前記旋回指令信号を補正する指令信号補正手段とを備えたことを特徴とする作業機の旋回制御装置。
  4. 前記指令信号補正手段は、前記始動開始変位量を超える範囲では、前記算出されたモータ流量が小さいほど、前記旋回指令部材の変位量の増加に対する前記制御弁の開口面積の増加の割合が小さくなるように、前記旋回指令信号を補正することを特徴とする請求項3に記載の作業機の旋回制御装置。
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