JPH06287246A - 乳化重合体エマルジョンの製造方法及びそれを用いた無機質材料 - Google Patents

乳化重合体エマルジョンの製造方法及びそれを用いた無機質材料

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JPH06287246A
JPH06287246A JP7346493A JP7346493A JPH06287246A JP H06287246 A JPH06287246 A JP H06287246A JP 7346493 A JP7346493 A JP 7346493A JP 7346493 A JP7346493 A JP 7346493A JP H06287246 A JPH06287246 A JP H06287246A
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emulsion
ethylenically unsaturated
unsaturated monomer
polymer
amino group
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JP7346493A
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Masaharu Kajikawa
正治 梶川
Toshio Shimomura
利夫 下村
Masaki Watanabe
正樹 渡辺
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(1)アミノ基を分子中に含まないエチレン性
不飽和単量体(a)とグリシジル基を含むエチレン性不
飽和単量体(b)とを乳化重合させて種粒子たる乳化重
合体を製造する工程、及び(2)工程(1)で得られた
乳化重合体の存在下でアミノ基を含有するエチレン性不
飽和単量体(c)とこれと共重合可能な他のエチレン性
不飽和単量体(d)とを乳化重合させる工程からなる乳
化重合体エマルジョンの製造法及びそれを用いた無機質
材料。 【効果】本発明の乳化重合体エマルジョンの製造方法
は、従来のエポキシ樹脂を原料とする場合に比べて特殊
な分散工程が不要であり、得られるエマルジョンは低分
子量で耐水性、耐アルカリ性等の耐久性に優れる。窯業
系無機質基材への塗装に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリシジル基を粒子内部
に含み、且つ粒子外層にこのグリシジル基と架橋促進機
能のあるアミノ基を含む乳化重合体エマルジョンの製造
方法、並びにそのエマルジョンを窯業系無機基材へ塗布
した無機質材料に関する。
【0002】又この種の窯業系無機基材の化粧仕上げに
は、窯業系無機基材に養生後に行なわれる方法と、未硬
化基材に塗装し、セメントの養生と、化粧仕上げとが同
時に行なわれるという方法とがあるが、本発明は未硬化
の窯業系無機基材に対し密着性、耐候性の良好な水分散
性樹脂組成物からなる塗装剤を用いて養生して得られる
窯業系無機基材に関するものである。
【0003】
【従来技術】現在、種々の重合体エマルジョンが窯業系
基材のビヒクルとして使用されているが、このビヒクル
として用いられる重合体エマルジョンを架橋剤で架橋す
ることによって、塗膜の耐久性を向上させると同時に基
材と付着性のよいエチレン性不飽和単量体を共重合させ
基材との付着性を向上させる方法は周知で一部実用化さ
れている。
【0004】例えばエポキシ化合物の存在下に、特にエ
チレンと酢酸ビニルを乳化共重合してエポキシ樹脂含有
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンを製造し、
これに顔料分散液を配合し、ついで使用前に有機アミノ
化合物を加えた塗料が開示されている(特公昭59ー5
2188号公報)。
【0005】しかし、この方法は硬化促進剤たる架橋剤
を使用前に添加しなければならないという、いわゆる二
液型塗料となるので、塗装現場での二液の混合という作
業の煩雑さがあり、又、水不溶性のアミノ樹脂を水分散
型とした硬化促進剤を用いた場合、特にエポキシ樹脂含
有重合体エマルジョンと水分散型硬化促進剤との粒子状
態での混合となるため、重合体と硬化促進剤との相溶性
が充分でないと塗膜性能が不充分となる可能性があり、
さらに水溶性である低分子量アミノ化合物の硬化促進剤
を用いた場合は、セメントモルタル、コンクリートなど
の窯業系基材へ塗料を塗装した場合に水の基材への浸透
に伴い、水に溶解している硬化剤も一緒に浸透してしま
ったり、低分子量のものであれば乾燥時に蒸発して失わ
れることもあり、充分な性能を発揮し得ない欠点があ
る。
【0006】この欠点を解決するため、エチレン性不飽
和単量体を水不溶性のエポキシ樹脂の存在下で、乳化重
合させて乳化重合体を製造し、この乳化重合体の存在下
で、アミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体を乳化
重合して乳化重合体エマルジョンを製造する方法が開示
されている(特開昭63−223018号公報、特開平
1−149864号公報)。
【0007】しかしながらこの方法は架橋モノマーを重
合反応前に分散安定化させる為に特殊な分散工程を必要
とし、この工程なしに重合反応を行なうとエマルジョン
粒子の凝集等が起こり目的を満足させるエマルジョンは
得られなかった。
【0008】またこのエマルジョンを用いた養生前の未
硬化セメント系形成体の化粧仕上げ方法としては、スプ
レー、シャワー、フロー、ローラー等の方法で塗装され
ているが、これらに使用する塗装剤は耐久性、特に耐水
性、耐アルカリ性、耐透水性、並びに耐候性の向上を図
るべく分子量を高める必要がある。しかし分子量が高い
とセメント形成体深部への浸透が少なく、硬化が低下す
るので、耐久性を犠牲にして、分子量を低くしているの
が現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窯業系無機
基材に塗装することにより、低分子量のエマルジョン
で、耐水性、耐アルカリ性等の諸物性を向上させた乳化
重合体エマルジョンの製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意研究した結果、上記のエポキシ樹脂
の代わりにグリシジル基を含むエチレン性不飽和単量体
を用いることにより、上記課題が達成されることを発見
することによって本発明を完成するに至った。
【0011】即ち本発明は(1)アミノ基を分子中に含
まないエチレン性不飽和単量体(a)とグリシジル基を
含むエチレン性不飽和単量体(b)とを乳化重合させて
種粒子たる乳化重合体を製造する工程、及び(2)工程
(1)で得られた乳化重合体の存在下でアミノ基を含有
するエチレン性不飽和単量体(c)とこれと共重合可能
な他のエチレン性不飽和単量体(d)とを乳化重合させ
る工程からなる乳化重合体エマルジョンの製造方法及び
それを用いた無機質材料を提供するものである。
【0012】本発明において用いる重合体エマルジョン
は上記の(1)及び(2)の工程によって得られること
から、同一の乳化微粒子内に、架橋剤であるグリシジル
基を含有するエチレン性不飽和単量体を構成単位として
含有する部分と、架橋促進剤あるいは架橋点ともなり得
るアミノ基含有エチレン性不飽和単量体を構成単位とし
て含有する部分とを層構造として含むことを特徴とする
ものであり、この層構造によって一液型で使用可能で、
かつ安定な乳化重合体が提供される。
【0013】またこのエマルジョンを窯業系無機基材の
塗装に用いることにより、従来の低分子量のエマルジョ
ンの欠点であった耐水性、耐アルカリ性等の耐久性が向
上した無機質材料を得ることができる。
【0014】以下に本発明で使用される乳化重合体エマ
ルジョンの構成を更に詳細に説明する。まず工程(1)
で重合体エマルジョンの製造において種粒子として用い
られる乳化重合体は、グリシジル基を含有するエチレン
性不飽和単量体とアミノ基を分子中に含まないエチレン
性不飽和単量体を混合した後、公知の方法で乳化重合す
ることにより容易に得られる。
【0015】グリシジル基を含有するむエチレン性不飽
和単量体としては,グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレートが最も有用であるが、グリシジル基を
含有するエチレン性不飽和単量体であれば何でも使用す
ることができる。
【0016】ここで、エチレン性不飽和単量体とグリシ
ジル基を含有するエチレン性不飽和単量体の重量比率は
35:1〜35:20が望ましく、グリシジル基を含有
するエチレン性不飽和単量体がこれ以上多くなると、生
成した乳化重合体の安定性が低下し、また乳化重合中の
凝集物の発生も多くなるという問題も生ずる。一方グリ
シジル基を含有するエチレン性不飽和単量体の比率が低
くなると、最終エマルジョン中のエポキシ含有量も当然
少なくなるので、充分な架橋効果が得られなくなる。
【0017】次に工程(2)の乳化重合で用いられるア
ミノ基含有エチレン性不飽和単量体としては、N−メチ
ルアミノアクリレートまたはメタクリレート、ジメチル
アミノエチルアクリレートまたはメタクリレート等のア
クリル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノエステル
類、ビニルピリジンの如きモノビニルピリジン類、ジメ
チルアミノエチルビニルエーテルの如きアルキルアミノ
基を有するビニルエーテル類、N−(2ージメチルアミ
ノエステル)アクリルアミドまたはメタクリルアミドの
如きアルキルアミノ基を有する不飽和アミド類などが挙
げられ、これらのうち、特にジメチルアミノエチルアク
リレートまたはメタクリレートが、他のエチレン性不飽
和単量体との共重合には有用である。
【0018】これらのアミノ基含有エチレン性不飽和単
量体は、工程(2)において用いられるエチレン性不飽
和単量体との重量比で0.5:65〜20:65の割合
で用いられるが、これより少ない共重合量では、架橋促
進剤としての作用が不充分であり、一方これより多い使
用量では、これらのアミノ基含有エチレン性不飽和単量
体が親水性が強いため、共重合体の親水性も大となり、
得られる乳化共重合体皮膜の耐水性が低下するという欠
点を生ずる。
【0019】エチレン性不飽和単量体の一部としてエチ
レン性不飽和カルボン酸を用いて共重合することは後述
する理由からも重要であるが、エチレン性不飽和カルボ
ン酸はこの種粒子製造の段階(1)で用いてもよいし、
次の乳化重合の段階(2)で用いてもよく、さらに両方
に用いてもよい。
【0020】このように工程(1)及び/又は工程
(2)のエチレン性不飽和単量体中に重要成分として用
いられるエチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸の如きエチレン性不飽
和一塩基性カルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸の如きエチレン性不飽和二塩基性カルボン酸があ
り、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。ま
た、エチレン性不飽和二塩基性カルボン酸のモノアルキ
ルエステルも使用することができる。
【0021】これらのエチレン性不飽和カルボン酸の使
用はグリシジル基を含有するエチレン性不飽和単量体と
の架橋点となる他、周知の如く乳化重合体の機械的安定
性の向上にも効果があり、一方、前記のアミノ基も一部
グリシジル基を含有するエチレン性不飽和単量体との架
橋点ともなり得るので、使用量は必ずしも反応基である
グリシジル基と等量関係になる必要はないが、種粒子の
乳化重合工程(1)および次段階の乳化重合工程(2)
におけるエチレン性不飽和単量体の合計量の1〜10重
量%であり、これより少ない量では、良好な架橋効果が
得られず、またこれより多くなると生成乳化重合体皮膜
の耐水性、耐アルカリ性が低下するので好ましくない。
又、これらのエチレン性不飽和カルボン酸は本発明では
種粒子の乳化重合時または次段階の乳化重合時あるいは
その両方で用いられる。
【0022】本発明の重合体エマルジョンに用いられる
その他のエチレン性不飽和単量体としてはアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリ
ル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸の各エステル類;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル等のビニルエステ
ル類;スチレン、ビニルトルエンの如き芳香族ビニル化
合物;ビニルピロリドンの如き芳香族ビニル化合物;塩
化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニル
ケトン、ビニルアミド等;塩化ビニリデン、フッ化ビニ
リデン等ハロゲン化ビニリデン化合物;エチレン、プロ
ピレン等のαーオレフィン類;ブタジエンの如きジエン
類があり、又、所望によりアクリルアミド、メタクリル
アミド、マレイン酸アミド等のα、βーエチレン性不飽
和酸のアミド類;Nーメチロールアクリルアミドまたは
メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽
和カルボン酸の置換アミド、ジアリルフタレート、ジビ
ニルベンゼン、アリルアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレートの如き1分子中に2個以上の
不飽和結合を有する単量体なども用いることが出来る。
さらに、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリ
ルアルキルイタコネート硫酸エステルなどの不飽和基と
スルホン酸基、サルフェート基を有するもの及びこれら
のアルカリ塩も使用することができる。
【0023】次に本発明に用いられる乳化重合体エマル
ジョンの乳化重合方法について述べる。まず工程(1)
において種粒子となるアミノ基含有しないエチレン性不
飽和単量体を含む乳化重合体は水中で乳化剤の存在下、
ラジカル生成開始剤を用いて公知の乳化重合方法で製造
する。またこの時、従来エポキシ樹脂を用いた乳化重合
に必要であったミキサー等を用いた強制分散の工程は、
本発明では全く必要ない。
【0024】次いで、工程(2)として工程(1)で得
られた乳化重合体を水相に加え、同時にエチレン性不飽
和単量体混合物及びラジカル生成開始剤を加えて公知の
方法で乳化重合することにより、乳化重合体エマルジョ
ンが製造される。この場合、乳化重合中の凝集物の生成
の防止など、重合系の安定化の為に種粒子の乳化重合体
に加えて乳化剤をさらに追加して加えてもよい。
【0025】上記は種粒子を別途製造し、それを用いて
次段階に乳化重合する方法であるが、この他、同一反応
釜内で種粒子に相当する乳化重合体を製造し、続けて、
その系内へ次段階の乳化重合で用いるエチレン性不飽和
単量体及びラジカル生成開始剤を加えて乳化重合する方
法で製造することもできる。すなわち、乳化剤を溶解し
た水相中で、種粒子となるエチレン性不飽和単量体混合
物をグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体の存在
下、ラジカル生成開始剤を用いて乳化重合した後、次段
階のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体混合物及びラ
ジカル生成開始剤を加えて乳化重合して本発明に用いら
れる乳化重合体エマルジョンが得られる。
【0026】グリシジル基含有エチレン性不飽和単量
体:種粒子の製造工程(1)及び後段乳化重合工程
(2)における全エチレン性不飽和単量体の重合比率は
2:100〜50:100とする必要がある。グリシジ
ル基含有エチレン性不飽和単量体が2:100より少な
いと充分な架橋効果が得られず、また、50:100よ
り多くなると生成乳化重合体の安定性が低下したりす
る。
【0027】本発明で用いる乳化重合体エマルジョンの
製造時に乳化剤として用いられるものとしては、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ、ラウリル硫酸ソーダ、ナ
トリウムジオクチルスルホサクシネート、アルキルフェ
ニルポリオキシエチレンサルフェートソーダ塩またはア
ンモニウム塩等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンーポリオキシプロピ
レンブロック共重合体など通常乳化重合に用いられてい
るものが挙げられる。乳化剤の使用量は、種粒子となる
乳化重合工程(1)においてはグリシジル基含有エチレ
ン性不飽和単量体とエチレン性不飽和単量体の合計量に
対して0.5〜15重量%の範囲で使用するのが好まし
い。乳化剤量がこれより多くなると最終重合体エマルジ
ョンの耐水性の低下をもたらす場合があるので好ましく
なく、またこれより少ない乳化剤量では乳化重合時の安
定性、生成乳化重合体の安定性が低下する場合がある。
さらに、次段の乳化重合工程(2)における乳化剤の追
加使用量は、種粒子の乳化重合体固形分重量に対し10
重量%以下にすることが、新たな別種粒子の生成を少な
くする点から望ましい。
【0028】また乳化重合体エマルジョンを得るための
乳化重合において用いられるラジカル生成開始剤として
は、通常の乳化重合に用いられているものが使用される
が、これらとしては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、アゾビスイソブチルニトリル及びその塩酸塩などが
挙げられ、またクメンハイドロパーオキサイド、tert-
ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物も必
要に応じて使用することができる。さらに、これらの過
硫酸塩または過酸化物と鉄イオン等の金属イオンおよび
ナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ
亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸等の還元剤を組み合
わせて用いる公知のレドックス系開始剤も用いることが
できる。
【0029】乳化重合時の濃度は、実用的な観点より、
25〜65重量%の有機固形分となるようにするのがよ
く、また反応系へのエチレン性不飽和単量体およびラジ
カル生成開始剤は一括仕込み、連続滴下、分割添加など
公知のいずれかの方法でも行なうことができる。
【0030】乳化重合時の温度も、公知の乳化重合で行
なわれている範囲でよく、また乳化重合は常圧下、また
はガス状のエチレン性不飽和単量体を使用するときは加
圧下で行なわれる。
【0031】本発明の乳化重合体エマルジョンをビヒク
ルとして通常のエマルジョン塗料の製造と全く同様にし
て常温硬化性エマルジョン塗料が製造される。すなわ
ち、顔料、充填剤、骨剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤及び
/またはレオロジーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、
造膜助剤、有機溶剤、防腐剤、防バイ剤、pH調節剤、防
錆剤などそれぞれの目的に応じて選択、組み合わされ、
通常の方法で塗料とされる。
【0032】このようにして得られた塗料は、貯蔵安定
性が良好で、ライン塗装作業時のポット・ライフの心配
がなく、従来のエマルジョン塗料と同時に塗装し、常温
乾燥のみでも優れた耐久性を有する塗膜をもたらす。
【0033】また本発明の無機質材料に使用する無機基
材とは、例えばセメントモルタル、石綿スレート板、ガ
ラス繊維補強コンクリートのようにセメントによって補
強された成形体をいう。
【0034】無機基材の主たる原料としては、セメント
とケイ砂、川砂や海砂の如き、いわゆる細粒骨剤とを、
水比が40〜80%となるように調整したモルタルが挙
げられるが、場合によっては結合助材として、アスベス
ト、繊維屑、パルプ・フロックなども使用することが可
能である。さらに減水剤類や合成樹脂エマルジョン、さ
らには着色剤として顔料類や消泡剤類の添加剤等が使用
目的に応じて添加される。
【0035】本発明の無機質材料は、さらに上述したよ
うなセメント形成体基材の上に、さらに凹凸の模様や着
色層等を形成するため、セメント、ケイ砂、減水剤、合
成樹脂エマルジョンまたは顔料の使用によってスラリー
層を形成せしめ、養生したものも含む。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明をより詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。なお、以下の部および%はいずれも重量に基づ
く値である。
【0037】[実施例1]攪拌機、還流コンデンサー、
滴下ロートおよび温度計をとりつけた1.5Lの反応容
器に下記の原料を仕込み溶解した。 脱イオン水 61.42部 エマルゲン950 2.44部 [(株)花王製品、ノニオン乳化剤) エマルゲン920 1.80部 [(株)花王製品、ノニオン乳化剤) レベノールWZ 2.00部 [(株)花王製品、アニオン乳化剤) 次いで、下記の混合物を、滴下漏斗に入れた。
【0038】 メタクリル酸メチル 21部 アクリル酸ブチル 24部 グリシジルメタアクリレート 4.0部 アクリル酸 1.0部 窒素ガスを送入しつつ、攪拌下に、反応釜内温度を70
℃に昇温し、脱イオン水に溶解した5%濃度の過硫酸ソ
ーダ水溶液を4部添加し、次いで滴下漏斗に入れた単量
体混合物20%を加えた。重合熱による温度上昇をウォ
ーター・バスにより制御し、内温を80℃に保ちつつ、
続いて単量体混合物の残りと5%濃度の過硫酸ソーダ水
溶液4部を2時間かけて滴下し、重合させた。さらに8
0℃で2時間保持した後、室温まで冷却して200メッ
シュ濾布で濾過し、取り出して種粒子となる乳化重合体
を得た。このものは不揮発分44%であった。
【0039】同様な1.5Lの反応装置に上記で得た乳
化重合体125.66部及び水28.94部を仕込ん
だ。次に下記のエチレン性不飽和単量体混合液を調整し
滴下漏斗に入れた。
【0040】 メタクリル酸メチル 21部 アクリル酸ブチル 24部 ジメチルアミノエチルメタクリレート 4.0部 アクリル酸 1.0部 窒素ガスを送入しつつ、攪拌しながら反応装置内温を7
0℃に昇温し、別の滴下漏斗に準備した5%過硫酸ソー
ダ6部及び上記単量体混合物を滴下して重合させた。こ
れらの滴下は内温を70℃に保ちつつ2時間で行なっ
た。更に、同温度で2時間保持後、室温に冷却して20
0メッシュ濾布で濾過し、本発明に用いる重合体エマル
ジョン(E−1)を得た。得られた重合体エマルジョン
(E−1)は不揮発分濃度50.2%、pH9.1、粘
度255cps(BM型回転粘度計、ロータNo.2、
回転数60rpmで25℃にて測定。)であった。次
に、このエマルジョンをそのまま、50℃で1ヶ月間保
存したところ、凝集などの変化もなく、安定であった。
【0041】[比較例1]一方、上記実施例1の前半の
合成でのモノマー組成のグリシジルメタクリレート4.
0部をメタクリル酸メチルに代えた以外は実施例1と同
様にして乳化重合体エマルジョンを得た。得られた重合
体エマルジョンは不揮発分濃度49.7%、pH8.
8、粘度167cps、(回転粘度計、ロータNo.
2、回転数60rpmで25℃にて測定)であった。次
に、このエマルジョンをそのまま、50℃で1ヵ月間保
存したところ、凝集などの変化もなく、安定であった。
【0042】[比較例2]又、上記実施例1の後半の合
成でのモノマー組成のジメチルアミノエチルメタクリレ
ート4.0部をメタクリル酸メチルに代えた以外は実施
例1と同様にして重合体エマルジョンを得た。得られた
重合体エマルジョンは不揮発分濃度49.9%、pH
8.9、粘度201cps、(回転粘度計、ロータN
o.2、回転数60rpmで25℃にて測定)であっ
た。次に、このエマルジョンをそのまま、50℃で1ヵ
月間保存したところ、凝集などの変化もなく、安定であ
った。
【0043】[比較例3]更に実施例1の前半の合成で
のモノマー組成のグリシジルメタクリレート4.0部を
エピクロン850(エポキシ樹脂;大日本インキ化学工
業株式会社製)に代えて、前半のモノマープレミックス
に強制分散(ホモミキサー使用)工程を加えたものを合
成し、重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマ
ルジョンは不揮発分濃度50.2%、pH9.0、粘度
140cps(回転粘度計、ロータNo.2、回転数6
0rpmで25℃にて測定)であった。次に、この重合
体エマルジョンをそのまま、50℃で1ヶ月間保存した
ところ、凝集などの変化もなく、安定であった。
【0044】[比較例4]比較例3のモノマープレミッ
クスの強制分散工程(ホモミキサー)をせずに合成をお
こなったところ、多量の凝集物が発生し、安定なエマル
ジョンは得られなかった。
【0045】上記で得られた乳化重合体エマルジョンを
用いて、下記の配合によりエマルジョン塗料を製造し
た。 〔配合〕 水 100部 ノイゲンEA−120 3部 (湿潤剤7:第一工業製薬KK製品) タモール731 5部 (分散剤:ロームアンドハース社製造) 水分散性大豆レシチン(分散剤) 3部 エチレングリコール(凍結防止剤) 20部 タイペークR−550 225部 (酸化チタン顔料:石原産業株式会社製品) 炭カルNS−100 200部 (充填剤:日東粉化株式会社製品) マイカM−101 25部 (充填剤:タカラマイカ株式会社製品) ベストサイドFX 2部 (防腐剤:大日本インキ化学工業株式会社製造) ノプコ8034 3部 (消泡剤:サンノプコ株式会社製造) (上記をディスパーにて分散し、次いで下記を加え混合した) セロサイズQP−440 140部 (増粘剤:ユニオンカーバイド株式会社製品) ブチルカルビトールアセテート 11部 (造膜助剤:ユニオンカーバイド株式会社製品) ジブチルフタレート(可塑剤) 11部 重合体エマルジョン 320部 ───────────────────────────────── 合 計 1068部 各々の塗料粘度及び塗膜性能のテスト結果は下表の通り
であった。
【0046】
【表1】 〔試験方法〕 無機基材 :市販セメントアスベスト板 塗料配合方法 :刷毛2度塗り 塗布量 :200g/m2 乾燥 :23℃、60%RHで7日間 塗料粘度 :ストマー型粘度計による。測定温度2
5℃ 耐水性 :水中に2週間浸漬(約20℃) 耐アルカリ性 :2%NaOH、Ca(OH)2飽和水
溶液に2週間浸漬(約20℃) 耐溶剤性 :トルエンを含浸させた脱脂綿を用い
て、手で100回塗装面を摩擦 耐候性 :サンシャイン・ウェザーメーターで1
000時間暴露 付着性 :10mm×10mmの広さに1mm間隔でナ
イフでゴバン目をいれ、市販セロハン粘着テープによ
り、セロハン粘着テープ剥離テスト
【0047】
【発明の効果】本発明の乳化重合体エマルジョンの製造
方法は、従来のエポキシ樹脂を原料とする場合に比べて
特殊な分散工程が不要であり、得られるエマルジョンは
低分子量で耐水性、耐アルカリ性等の耐久性に優れる。
窯業系無機基材への塗装に特に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)アミノ基を分子中に含まないエチレ
    ン性不飽和単量体(a)とグリシジル基を含むエチレン
    性不飽和単量体(b)とを乳化重合させて種粒子たる乳
    化重合体を製造する工程、及び(2)工程(1)で得ら
    れた乳化重合体の存在下でアミノ基を含有するエチレン
    性不飽和単量体(c)とこれと共重合可能な他のエチレ
    ン性不飽和単量体(d)とを乳化重合させる工程からな
    ることを特徴とする乳化重合体エマルジョンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】工程(1)においてエチレン性不飽和単量
    体(a)、(b)の重量比が35:1〜35:20であ
    ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】工程(2)においてエチレン性不飽和単量
    体(c)、(d)の重量比が0.5:65〜20:65
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の乳化重
    合体エマルジョンを無機基材に塗布してなる無機質材
    料。
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