JP2013543039A - ビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1種のエポキシ含有モノマーおよび任意選択により少なくとも1種のコモノマーの水性エマルジョンラジカル重合によるエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法を開示する。また、本発明に係る方法により得られたエポキシ含有ポリマーシードラテックスの存在下でビニリデンクロリドおよび任意選択により少なくとも1種のコモノマーを水性エマルジョンラジカル重合するか、またはエポキシ含有ポリマーシードラテックスを水性エマルジョンラジカル重合により個別に得られたビニリデンクロリドポリマーラテックスと混合するか、のいずれれかによるビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法を開示する。

Description

本出願は、2010年11月18日出願の欧州特許出願第10191788.8号および2011年6月17日出願の欧州特許出願第11305758.2号(これらの出願のそれぞれの全内容は、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)に基づく優先権を主張する。
本発明は、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法に関する。さらに、本発明は、前記エポキシ含有ポリマーシードラテックスからのポリビニリデンクロリドラテックスの調製方法に関する。さらにまた、本発明は、ポリビニリデンクロリドポリマーとエポキシ含有ポリマーとを含むラテックスに関する。
ビニリデンクロリド(VDC)のポリマーであるポリビニリデンクロリド(PVDC)は、産業に広く使用される。ビニリデンクロリドポリマーは、耐性材料であるという利点を有するとともに、食品産業および医療産業の用途に好適な性質を有する。とくに、ビニリデンクロリドポリマーは、ガスおよび臭気の透過性に関して顕著な性質を有することで知られる。したがって、それは、食品包装および医療包装に使用される物品、特定的にはフィルムの製造に頻繁に使用される。
先行技術で公知のビニリデンクロリドポリマーの欠点の1つは、熱の作用下で分解する傾向を有することである。したがって、この欠点を回避するために、その熱安定性を考慮することが必要である。その滑性が好適な添加剤の添加により改良されるのであれば、その加工はさらに容易になる。それにもかかわらず、特定の添加剤がこのポリマーのバリヤー性に影響を及ぼす可能性があるかぎり、添加剤添加後、ガスおよび臭気、特定的には、酸素、水、および二酸化炭素の透過性に関して所要の特性を有することを確認することが重要である。
したがって、ビニリデンクロリドポリマーをさらに開発する必要性が依然として存在する。このたび、温度および/または湿度変動および/または空気暴露などの外的因子に対してより耐性のあるポリマーを得るという目的が、エポキシ含有ポリマーシードを含むビニリデンクロリドポリマーにより達成可能であることを見いだした。
本発明の第1の目的は、高いコロイド安定性と目標粒子サイズ分布とを有するエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法を提供すること、したがって、これらの性質を有するエポキシ含有シードラテックスポリマーを提供することである。
本発明の他の目的は、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの使用を含むビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法を提供することである。
本発明の目的はまた、エポキシ含有ポリマーシードラテックスを用いて調製される、かつ向上した熱安定性を呈する、または温度および/もしくは湿度変動および/もしくは好適な酸素透過性を呈することにより空気暴露などの外的条件に対して耐性を呈する、ビニリデンクロリドポリマーラテックス組成物を提供することである。
このポリマーラテックスは、ビニリデンクロリドポリマーが典型的に使用される任意の用途で使用される、かつ以上に挙げた性質を呈する、したがって、先行技術により製作されたフィルムと比較して、より良好な熱安定性と、食品包装および医療包装にとくに好適であるかつ食品包装および医療包装で公知の酸素透過性と少なくとも同程度である酸素透過性と、を有するより平滑なフィルムなどの改良を提供する、フィルムの作製に利用可能である。
したがって、以上に挙げた目的は、以下のもの、すなわち、
・(A)エポキシ含有モノマーならびに任意選択によりビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または一般式(I):CH=CR〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、Rはまた、−NR基(ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーと、
・(B)少なくとも1種のラジカル発生剤と、
・(C)少なくとも1種の乳化剤と、
・(D)水と、
を使用することを特徴とする、エポキシ含有モノマーおよび任意選択により少なくとも1種のコモノマーの水性エマルジョンラジカル重合により、シードラテックスを調製することを特徴とする、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法を用いて、本発明により達成される。ここで、前記方法は、以下の工程、すなわち、
・(1)任意選択により(B)の少なくとも一部と、(C)の少なくとも一部と、(D)の少なくとも一部と、任意選択により(A)の少なくとも一部と、を反応器内に導入する工程と、次いで、
・(2)(A)、(B)、(C)、および(D)の残部を連続的に導入しながら、2〜8の範囲内のpHで反応器の内容物を反応させる工程と、そして
・(3)エポキシ含有ポリマーシードラテックスを取得する工程と、
を含む。
ポリ(GMA−co−BMA)/ポリ(VDC−co−MA)複合ラテックスの透過型電子顕微鏡写真である。
「ポリマー」という用語は、ホモポリマー(同一のモノマーの繰返しを含むポリマー)またはコポリマー(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上などの少なくとも2つの異なるモノマーの繰返しを含む)とみなされるものとする。
「水性エマルジョンラジカル重合」という表現は、少なくとも1種の乳化剤および少なくとも1種のラジカル発生剤の存在下、水性媒体中で行われる任意のラジカル重合プロセスを意味するとみなされる。この定義は、特定的には、次の3つの重合、すなわち、水溶性ラジカル発生剤が使用される、いわゆる「従来型」水性エマルジョン重合と、油溶性または水溶性のラジカル発生剤が使用されるかつモノマードロップレットのエマルジョンが強力な機械撹拌および乳化剤の存在により調製される、均一化水性ディスパージョン重合とも呼ばれるミニエマルジョン重合と、少なくとも1種のラジカル発生剤と少なくとも1種のラジカル制御剤とを組み合わせて行われる重合、たとえば、限定されるものではないが、制御ラジカル重合(CRP)と称される重合、すなわち、ヨウ素移動重合(ITP)、逆ヨウ素移動重合(RITP)、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド媒介重合(NMP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)と、を包含する。ラジカル発生剤は、重合を開始させる分子である。制御剤は、重合時にポリマー鎖の成長を制御する。ラジカル発生剤および制御剤は、同一の分子または異なる分子でありうる。
本発明は、当業者に公知の条件下で行われる、いわゆる「従来型」水性エマルジョン重合にとくに好適である。この方法によれば、重合は、当業者に公知の量で存在する乳化剤および水溶性ラジカル発生剤を介在させて行われる。
「ポリマーラテックス」という用語は、水性エマルジョンラジカル重合後に得られる、水中のポリマーの水性ディスパージョンを意味するとみなされる。
「シードラテックス」という用語は、少なくとも1種の他のラテックスを製造するためのベースとして使用可能であるという特徴を有するラテックスを意味するとみなされる。
エポキシ含有ポリマーシードラテックスは、有利には少なくとも約15wt%、好ましくは少なくとも20wt%の固形分濃度により特徴付けられる。エポキシ含有ポリマーシードラテックスは、有利には多くとも約40wt%、好ましくは多くとも35wt%の固形分濃度により特徴付けられる。
「エポキシ含有」ポリマーという用語は、エポキシドとも称されるエポキシ基を含有するポリマーとみなされるものとする。エポキシ基は、3個の環原子(2個の炭素原子および1個の酸素原子により構成される)を有する環状エーテルである。本発明に係るエポキシ含有ポリマーは、エポキシ含有ホモポリマーまたはエポキシ含有コポリマーである。コポリマーは、主モノマーであるエポキシ含有モノマーと、それが共重合可能な、コモノマーと称される少なくとも1種の他のモノマーと、を含む。コモノマーは、エポキシ基を含有していても含有していなくてもよい。
エポキシ含有ポリマーに対する「主モノマー」という表現は、モノマーブレンドの少なくとも100/n wt%の量で存在する、かつ得られるポリマーのモノマー単位の少なくとも100/n wt%を形成することになる、モノマーを意味するとみなされる。ここで、nは、モノマーブレンドのモノマー種の数を意味する。
「エポキシ含有モノマー」という用語は、少なくとも1個のエポキシ基を含むエチレン性不飽和モノマーとみなされる。好ましくは、本発明に係る方法では、エポキシ含有モノマーは、エポキシ−アルキルアクリレート、エポキシ−アルキルメタクリレート、エポキシ−アルキルジアクリレート、エポキシ−アルキルジメタクリレート、エポキシ−アルキルトリアクリレート、エポキシ−アルキルトリメタクリレート、エポキシ−ブテン、エポキシ−アルキルブテン、エポキシ−ペンテン、エポキシ−アルキルペンテン、エポキシ−ヘキセン、エポキシ−アルキルヘキセン、エポキシ−アルキルスチレン、およびアリルグリシジルモノマーからなる群から選択される。
エポキシ含有モノマーの例は、グリシジルアクリレート(2,3−エポキシプロピルアクリレートとも称される)、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(2,3−エポキシ−プロピルメタクリレートとも称される)、メチルグリシジルメタクリレート、2,3−エポキシ−ブチルアクリレート、2,3−エポキシ−ブチルメタクリレート、3,4−エポキシ−ブチルアクリレート、3,4−エポキシ−ブチルメタクリレート、1,2−エポキシ−ブテンたとえば1,2−エポキシ−ブテン−3など、1,2−エポキシ−アルキルブテンたとえば1,2−エポキシ−メチルブテン−3など、1,2−エポキシ−ペンテン、1,2−エポキシ−ヘキセン、アリルグリシジルエーテル(アリル2,3−エポキシプロピルエーテルとも称される)、2−メチルアリルグリシジルエーテル、アリルフェノールグリシジルエーテル、たとえば、o−アリルフェノールグリシジルエーテル、m−アリルフェノールグリシジルエーテル、p−アリルフェノールグリシジルエーテルなど、グリシジルスチレン、α−メチルグリシジルスチレン、グリシジルm−メチルスチレン、グリシジルp−メチルスチレン、グリシジルp−クロロスチレン、およびグリシジルp−スチリルカルボキシレートである。
好ましくは、本発明に係るエポキシ含有モノマーは、エポキシアルキルアクリレート、エポキシアルキルメタクリレート、エポキシアルキルジアクリレート、エポキシジメタクリレート、エポキシアルキルトリアクリレート、エポキシアルキルトリメタクリレート、エポキシ−アルキルスチレン、およびアリルグリシジルモノマーからなる群から選択される。
より好ましくは、本発明に係るエポキシ含有モノマーは、エポキシアルキルアクリレート、エポキシアルキルメタクリレート、エポキシアルキルジアクリレート、エポキシジメタクリレート、エポキシアルキルトリアクリレート、エポキシアルキルトリメタクリレート、およびエポキシ−アルキルスチレンからなる群から選択される。
さらにより好ましくは、本発明に係るエポキシ含有モノマーは、グリシジルアクリレート(2,3−エポキシプロピルアクリレートとも称される)、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(2,3−エポキシプロピルメタクリレートとも称される)、およびメチルグリシジルメタクリレートからなる群から選択される。
最も好ましくは、本発明に係るエポキシ含有モノマーは、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートから選択される。
エポキシ含有モノマーに加えて、エポキシ含有ポリマーは、エポキシ含有モノマーと共重合可能な少なくとも1種のコモノマーをオプションして含んでいてもよく、前記少なくとも1種のコモノマーは、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または一般式(I):
CH=CR (I)
〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、Rはまた、−NR基(ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕
に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される。
好ましくは、エポキシ含有ポリマーのコモノマーは、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または一般式(I):CH=CR〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択される}である〕に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される。
より好ましくは、エポキシ含有モノマーのコモノマーは、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、および/または一般式(I):CH=CR〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択される}である〕に対応する(メタ)アクリル系モノマーである。
エポキシ含有モノマーの最も好ましいコモノマーは、一般式(I):CH=CR〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択される}である〕に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される。
式(I)で示される好適な(メタ)アクリル系モノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、およびN−メチロールアクリルアミドであるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ含有モノマーの最も好ましいコモノマーは、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、および/またはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートからなる群から選択される(メタ)アクリル系モノマーである。
本発明との関連では、エポキシ含有ポリマーは、有利には、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはメチルグリシジルメタクリレートのホモポリマーまたはコポリマーとして調製される。グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはメチルグリシジルメタクリレートのコポリマーが好ましい。より好ましくは、エポキシ含有ポリマーは、グリシジルメタクリレートのコポリマーである。
エポキシ含有ポリマーが、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはメチルグリシジルメタクリレートのコポリマー、好ましくはグリシジルメタクリレートのコポリマーである場合、コモノマーは、とくに好ましくは、以上に述べた式(I)で示される(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される。
さらにとくに好ましくは、エポキシ含有ポリマーは、グリシジルメタクリレートと、n−ブチルアクリレートおよびn−ブチルメタクリレートから選択されるコモノマーと、のコポリマーである。
エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法の工程(1)によれば、任意選択により(A)の少なくとも一部を反応器内に導入する。
(A)の少なくとも一部を工程(1)で導入する場合、重量基準で(A)の全体の好ましくは少なくとも1%、とくに好ましくは少なくとも2.5%、さらにとくに好ましくは少なくとも5%、なかでもとくに好ましくは少なくとも8%を工程(1)で導入する。
(A)の少なくとも一部を工程(1)で導入する場合、重量基準で(A)の全体の好ましくは多くとも30%、とくに好ましくは多くとも25%、さらにとくに好ましくは多くとも20%、なかでもとくに好ましくは多くとも15%を工程(1)で導入する。
工程(1)で(A)の一部を導入せずに工程(2)で(A)の全体を連続的に導入することにより、または重量基準で(A)の全体の約10%を工程(1)でかつ残部を工程(2)で導入することにより、好結果が得られた。
本発明に係るエポキシ含有シードラテックスの調製方法では、(B)少なくとも1種のラジカル発生剤が使用される。
「少なくとも1種のラジカル発生剤」という表現は、エポキシ含有シードラテックスの調製方法で1種以上のラジカル発生剤を使用可能であることを意味するとみなされる。
本文の残りの部分では、単数形または複数形で用いられる「ラジカル発生剤」という表現は、とくに明示されている場合を除いて、1種以上のラジカル発生剤を意味するとみなされるものとする。
ラジカル発生剤は、有利には水溶性である。「水溶性ラジカル発生剤」という表現は、水に可溶なラジカル発生剤を意味するとみなされる。
ラジカル発生剤は、有利には、水溶性ジアゾ化合物および水溶性過酸化物から選択される。
水溶性ジアゾ化合物の例としては、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、アンモニウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ナトリウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、カリウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、および2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物が挙げられうる。
好ましい水溶性ジアゾ化合物は、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、アンモニウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ナトリウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、およびカリウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)である。
水溶性過酸化物の例としては、無機過酸化物、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど、tert−ブチルヒドロペルオキシド、酸化水素、およびペルボレートが挙げられうる。
水溶性過酸化物が好ましい。これらのうち、過硫酸ナトリウムや過硫酸カリウムなどのアルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、さらには過酸化水素が、とくに好ましい。アルカリ金属過硫酸塩および過硫酸アンモニウムが、さらにとくに好ましい。
ラジカル発生剤はまた、有利には、酸化剤、好ましくは水溶性過酸化物と、還元剤と、を組み合わせたレドックス系でありうる。
レドックス系を構成する水溶性過酸化物の例としては、以上に挙げた水溶性過酸化物が挙げられうる。レドックス系を構成する還元剤としては、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属メタ重亜硫酸塩、およびアスコルビン酸が挙げられうる。好ましいレドックス系は、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アルカリ金属亜硫酸塩系、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アルカリ金属メタ重亜硫酸塩系、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アスコルビン酸系、過酸化水素/アスコルビン酸系、過酸化水素/硫酸第一鉄系、およびt−ブチルヒドロペルオキシド/スルホキシレート系である。亜硫酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムは、それぞれ、アルカリ金属亜硫酸塩およびアルカリ金属メタ重亜硫酸塩のなかでもとくに好ましい。
とくに好ましい方式によれば、本発明に係る方法では、アルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、およびレドックス系から選択される1種または2種のラジカル発生剤(B)が使用される。アルカリ金属過硫酸塩は、有利には、それぞれNaまたはKとも称される過硫酸ナトリウム(NaPS)または過硫酸カリウム(KPS)でありうる。レドックス系は、好ましくは、メタ重亜硫酸ナトリウム/過硫酸カリウム系である。
エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法の工程(1)では、任意選択により(B)の少なくとも一部を反応器内に導入する。「(B)の少なくとも一部」とは、「1種のラジカル発生剤の量の少なくとも一部」、または「すべてのラジカル発生剤の全量の少なくとも一部」(2種以上のラジカル発生剤が存在する場合)、または「レドックス系の全量の少なくとも一部」((B)が以上に述べた酸化剤と還元剤との組合せである場合)を意味する。制御剤が使用され、かつラジカル発生剤と異なる分子である場合、それは、単独でまたはラジカル発生剤と一緒に導入可能である。
本方法の一実施形態では、前記反応器の内容物の反応時に、すなわち、工程(2)の開始時に、ラジカル発生剤(B)を反応器内に導入する。
しかしながら、一般的には、重量基準で(B)の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、さらにより好ましくは少なくとも70%を工程(1)で導入する。ラジカル発生剤がレドックス系である場合、酸化剤および還元剤は、別々に導入可能である。
本発明に係るエポキシ含有シードラテックスの調製方法では、(C)少なくとも1種の乳化剤が使用される。
「少なくとも1種の乳化剤」という表現は、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法で1種以上の乳化剤を使用可能であることを意味するとみなされる。
好ましくは、本発明に係る方法によれば、単一の乳化剤が使用される。本文の残りの部分では、単数形または複数形で用いられる「乳化剤」という表現は、とくに明示されている場合を除いて、1種以上の乳化剤を意味するとみなされるものとする。
乳化剤は、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、または陽イオン性乳化剤でありうる。
陰イオン性乳化剤のなかでは、アルキルスルフェート、たとえば、ナトリウムラウリルスルフェートなど、アルキルスルホネート、たとえば、パラフィンスルホネートとしても知られるC12〜C20アルキルスルホネートの純粋形または混合形のナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウム1−ヘキサデカンスルホネートなど、アルキルアリールモノスルホネートまたはアルキルアリールジスルホネート、およびジアルキルスルホスクシネート、たとえば、ナトリウムジエチルヘキシルスルホスクシネート、ナトリウムジヘキシルスルホスクシネートなどが挙げられうるが、これらに限定されるものではない。
非イオン性乳化剤のなかでは、アルキルエトキシル化誘導体またはアルキルアリールエトキシル化誘導体、アルキルプロポキシル化誘導体またはアルキルアリールプロポキシル化誘導体、および糖エステルまたは糖エーテルが挙げられうるが、これらに限定されるものではない。
陽イオン性乳化剤のなかでは、エトキシル化アルキルアミンおよびプロポキシル化アルキルアミンが挙げられうる。
乳化剤は、好ましくは、任意選択により1種以上の非イオン性乳化剤との混合物であってもよい陰イオン性乳化剤である。陰イオン性乳化剤がとくに好ましい。
本発明に係るエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法の工程(1)によれば、(C)の少なくとも一部を反応器内に導入する。
好ましくは(C)の少なくとも70重量%、とくに好ましくは(C)の少なくとも75重量%、さらにとくに好ましくは(C)の少なくとも80重量%を工程(1)で導入する。
本発明に係るエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法の工程(1)によれば、(D)の少なくとも一部を反応器内に導入する。
好ましくは(D)の少なくとも70重量%、とくに好ましくは(D)の少なくとも75重量%、さらにとくに好ましくは(D)の少なくとも80重量%を工程(1)で導入する。
したがって、工程(1)の間、有利には反応は起こらない。
エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法の工程(2)によれば、反応器の内容物を反応させる。
「反応器の内容物を反応させる」という表現は、重合反応を開始するのが工程(2)であることを意味するとみなされる。工程(2)により反応器の内容物を反応させるために、その内部でラジカルを発生させる手段を使用する。この目的のために、特定的には、反応器の内容物を加熱したり、それを強い光線に暴露したり、またはレドックス系を使用する場合にはその時点でレドックス系の第2の成分を添加したりすることが可能である。好ましくは、工程(2)で反応器の内容物を加熱するかまたはレドックス系の第2の成分を添加する。
反応器の内容物を反応させる温度は、有利には少なくとも15℃に等しく、好ましくは少なくとも20℃に等しく、より好ましくは少なくとも25℃に等しく、最も好ましくは少なくとも30℃に等しい。それに加えて、それは、有利には高くても100℃に等しく、好ましくは高くても90℃に等しく、より好ましくは高くても80℃に等しく、最も好ましくは高くても55℃に等しい。
本発明によれば、工程(2)の温度は、有利には15℃〜60℃、好ましくは15℃〜55℃、より好ましくは20℃〜40℃、最も好ましくは25℃〜35℃に含まれる。
本発明に係る方法は、有利には連続プロセスである。「連続プロセス」という表現は、(A)、(B)、(C)、および(D)のすべてを工程(1)で導入するバッチプロセスまたは不連続プロセスとは対照的に、(A)、(B)、(C)、または(D)の1つの少なくとも一部を工程(2)の間に導入することを意味するとみなされる。
工程(2)によれば、(A)、(B)、(C)、および(D)の残部を前記反応器内に連続導入しながら、反応器の内容物を反応させる。「連続導入」という表現は、導入を所定の時間に1回の注入で行うのではなく特定の時間にわたり行うことを意味するとみなされる。好ましくは特定の速度で、とくに好ましくは一定した特定の速度で行う。
(A)、(B)、(C)、および(D)の残部は、単独でまたは混合物として導入可能である。好ましくは、(A)の残部を単独でまたは(C)および(D)との混合物として導入する。「残部」という用語は、工程(1)で導入されなかった各個別成分の全量の残量とみなされる。
本方法の他の変形形態は、工程(1)で(B)の少なくとも一部(任意選択により(D)の一部と共に)を導入し、工程(2)で(B)の残部をC)および(D)の残部との混合物として導入することである。
有利には、エポキシ含有モノマーおよび任意選択により他のコモノマーを反応させて所望の転化度に達するまで、工程(2)を継続する。好ましくは、エポキシ含有モノマーおよび任意選択によりコモノマーの転化度が少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、かつ多くとも100%または100%に等しくになるまで、工程(2)を行う。
工程(2)のpHは、2〜8の範囲内、たとえば、この範囲内の任意の値、たとえば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8などのpH値である(「約」という単語は、これとの関連では、±0.5pH単位とみなされるものとする)。
pHは、有利には2以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、最も好ましくは6.5以上である。pHは、有利には8以下、好ましくは7.5以下である。
工程(2)のpHは、有利には3〜8、より有利には5〜7.5、最も有利には6.5〜7.5の範囲内である。
pH値は、有利には、水に可溶な任意の好適な塩基を利用して所望の値に調整される。アルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩または炭酸塩が挙げられうる。好適な塩基の例は、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムであるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係るエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法の工程(3)によれば、エポキシ含有ポリマーシードラテックスを取得する。本発明に係るエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法は、有利には、ex situプロセス、すなわち、最後にシードラテックスを単離するプロセス、またはシードラテックスを反応器内で合成してからそこでそれを後続の重合に使用するin situプロセスでありうる。好ましくは、本発明に係る方法は、ex situプロセスである。
有利には、工程(2)の反応のpHを工程(3)で維持する。
次いで、シードラテックスを残留モノマーのストリッピングに付してからまたは付さずにその後続使用に供しうる。ストリッピングを行う場合、減圧下でストリッピングすることにより、さもなければ減圧下でストリッピングすると同時にラテックス中にスチームを注入することにより、行いうる。好ましくは、それを行う場合、減圧下でストリッピングすることにより行う。
本発明の他の態様は、エポキシ含有ポリマーシードラテックスに関する。
前記ラテックス中のエポキシ含有ポリマーは、少なくとも50%、さらには少なくとも60%で、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%のインタクトなエポキシ基のパーセントにより特徴付けられる。
「インタクトなエポキシ基のパーセント」という表現は、本明細書では、エポキシ含有率の実験値と理論値とを比較することにより得られる、重合プロセス時に加水分解から保護されたエポキシ基のパーセントを示すべく用いられる。
典型的には、前記エポキシ含有ポリマーラテックスの粒子は、90nm以下の、動的光散乱により測定される平均粒子サイズを有する。
好ましくは、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの粒子は、80nm以下、より好ましくは75nm以下の、動的光散乱により測定される平均粒子サイズを有する。その平均粒子サイズは、有利には30nm以上、好ましくは35nm以上、より好ましくは40nm以上である。その平均粒子サイズは、有利には30nm〜90nm、好ましくは35〜75nmである。
動的光散乱により決定される平均粒子サイズとみなされるものが何であるかは、実験の節に定義される。
前記エポキシ含有ポリマーシードラテックスは、有利には、以上で説明した本発明に係る方法に従って調製される。したがって、エポキシ含有ポリマーラテックスの調製方法に関連する範囲内で以上に規定された定義および優先性は、本発明に係るエポキシ含有ポリマーラテックスに適用される。
他の態様では、本発明は、以上に定義されたエポキシ含有ポリマーシードラテックスの存在下で重合を行うことおよび3〜7のpHでプロセスを行うことを特徴とする、ビニリデンクロリドおよび任意選択により少なくとも1種のコモノマーの水性エマルジョンラジカル重合によるビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法に関する。
本発明のこの態様では、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法に関連する範囲内で以上に規定された定義および優先性は、本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法に適用される。
有利には、ビニリデンクロリドポリマーラテックスは、少なくとも約40重量%、好ましくは少なくとも45重量%、より好ましくは少なくとも50重量%の固形分濃度により特徴付けられる。有利には、ビニリデンクロリドポリマーラテックスは、多くとも約75重量%、好ましくは多くとも約70重量%、より好ましくは多くとも約65重量%、最も好ましくは多くとも約60重量%の固形分濃度により特徴付けられる。
有利には、ビニリデンクロリドポリマーラテックス中の個別ポリマー粒子は、少なくとも90nm、好ましくは少なくとも100nm、より好ましくは少なくとも110nmの、動的光散乱により測定される平均粒子サイズを有する。有利には、それは、多くとも300nm、好ましくは多くとも200nm、より好ましくは多くとも150nmの平均粒子サイズを有する。粒子の平均粒子サイズは、これらの範囲内の任意の値を有する(ナノメートル単位の±標準偏差は、多くとも±1nmである)。
動的光散乱により決定される平均粒子サイズとみなされるものが何であるかは、実験の節に定義される。
ビニリデンクロリドは、本発明に係る方法で使用される主モノマーである。
「主モノマー」という表現は、モノマーブレンドの少なくとも100/n wt%の量で存在する、かつ得られるポリマーのモノマー単位の少なくとも100/n wt%を形成することになる、モノマーを意味するとみなされる。ここで、nは、モノマーブレンド中のモノマー種の数である。
「ビニリデンクロリドポリマー」という表現は、ビニリデンクロリドコポリマーを意味するとみなされる。
「ビニリデンクロリドコポリマー」という表現は、主モノマーであるビニリデンクロリドと、それが共重合可能な1種以上のモノマー(「コモノマー」と呼ばれる)と、のコポリマーを意味するとみなされる。
ビニリデンクロリドと共重合可能なモノマーのなかでは、ビニルクロリド、ビニルエステル、たとえば、ビニルアセテートなど、ビニルエーテル、アクリル酸、アクリル酸エステル、およびアクリル酸アミド、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、およびメタクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、オレフィン、たとえば、エチレン、プロピレンなど、イタコン酸、ならびに無水マレイン酸、さらには、共重合性乳化剤、たとえば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩など、2−スルホエチルメタクリル酸(2−SEM)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩など、およびメタクリレート末端ポリプロピレングリコールのホスフェートエステル(たとえば、Rhodia製の製品SIPOMER PAM−200など)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩などが挙げられうる。
好ましいビニリデンクロリドコポリマーは、主モノマーとして、たとえば、少なくとも50wt%の量で、ビニリデンクロリドと、共重合性モノマーとして、ビニルクロリド、ならびに/あるいは無水マレイン酸、イタコン酸、および一般式(II):
CH=CR (II)
〔式中、
は、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R10基{ここで、R10は、−OH基、−O−R11基(ここで、R11は、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、R10はまた、−NR1213基(ここで、R12およびR13は、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕
に対応する(メタ)アクリル系モノマー、以上に挙げた共重合性界面活性剤、およびメタクリレート末端ポリプロピレングリコールのホスフェートエステルまたはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩などから選択される少なくとも1種のモノマーと、を含有するものである。
さらにとくに好ましいビニリデンクロリドコポリマーは、共重合性モノマーとして、ビニルクロリド、ならびに/あるいは無水マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル系モノマー、すなわち、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩など、2−スルホエチルメタクリル酸(2−SEM)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩など、およびメタクリレート末端ポリプロピレングリコールのホスフェートエステルまたはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩などから選択される少なくとも1種のモノマー、を含有するものである。
なかでもとくに好ましいビニリデンクロリドコポリマーは、共重合性モノマーとして、無水マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル系モノマー、すなわち、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩など、2−スルホエチルメタクリル酸(2−SEM)またはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩など、およびメタクリレート末端ポリプロピレングリコールのホスフェートエステルまたはその塩の1つ、たとえば、ナトリウム塩などから選択される少なくとも1種のモノマーを含有するものである。
有利には、ビニリデンクロリドコポリマーは、メチルアクリレートを含有するものである。
典型的には、ビニリデンクロリドコポリマー中のビニリデンクロリドの量は、50〜95重量%、好ましくは60〜95重量%、とくに好ましくは70〜95重量%のさまざまな値をとる。
有利には、ビニリデンクロリドコポリマー中のビニルクロリドの量は、0.5〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%、とくに好ましくは0.5〜30重量%のさまざまな値をとる。
有利には、ビニリデンクロリドコポリマー中のイタコン酸および/または(メタ)アクリル系モノマーの量は、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、とくに好ましくは2〜30重量%のさまざまな値をとる。
本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法によれば、本発明に係る方法により得られるエポキシ含有ポリマーシードラテックスの存在下で重合を行う。
「存在下」という表現は、この重合を行うときに重合媒体中にシードラテックスが存在することを意味するとみなされる。より後の時点で少量のシードラテックスを添加しうることを除外するものではないが、シードラテックスはすべて、反応器の内容物を反応させるときに存在することが好ましい。とくに好ましくは、シードラテックスはすべて、開始時に導入され、したがって、反応器の内容物を反応させるときに存在する。
「開始時」という表現は、初期仕込み物と一緒を意味するとみなされる。「より後の時点」という表現は、初期仕込み物を導入して重合反応を開始した後で導入を開始することを意味するとみなされる。
本発明に係るビニリデンポリマーラテックスの調製方法では、有利には、少なくとも1種のラジカル発生剤および少なくとも1種の乳化剤を使用する。
「少なくとも1種のラジカル発生剤」という表現は、ビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法で1種以上のラジカル発生剤を使用可能であることを意味するとみなされる。
本文の残りの部分では、単数形または複数形で用いられる「ラジカル発生剤」という表現は、とくに明示されている場合を除いて、1種以上のラジカル発生剤を意味するとみなされるものとする。
ラジカル発生剤は、有利には水溶性である。それは、有利には、水溶性ジアゾ化合物、水溶性過酸化物、および水溶性過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系から選択される。
水溶性ジアゾ化合物の例としては、本発明に係るシードラテックスの調製方法で以上に挙げたものが挙げられうる。
4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、アンモニウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、ナトリウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)、およびカリウム4,4’−アゾビス(4−シアノバレレート)が好ましい。
水溶性過酸化物の例としては、本発明に係るシードラテックスの調製方法で以上に挙げたものが挙げられうる。
水溶性過酸化物が好ましい。これらのうち、過硫酸ナトリウムや過硫酸カリウムなどのアルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、さらには過酸化水素が、とくに好ましい。アルカリ金属過硫酸塩および過硫酸アンモニウムが、さらにとくに好ましい。
水溶性ジアゾ化合物、水溶性過酸化物、および還元剤の例としては、本発明に係るエポキシ含有ポリマーラテックスの調製方法で以上に挙げたものが挙げられうる。
レドックス系を構成する水溶性過酸化物の例としては、以上に挙げた水溶性過酸化物が挙げられうる。レドックス系を構成する還元剤としては、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属メタ重亜硫酸塩、およびアスコルビン酸が挙げられうる。好ましいレドックス系は、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アルカリ金属亜硫酸塩系、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アルカリ金属メタ重亜硫酸塩系、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アスコルビン酸系、過酸化水素/アスコルビン酸系、過酸化水素/硫酸第一鉄系、およびt−ブチルヒドロペルオキシド/スルホキシレート系である。亜硫酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムは、それぞれ、アルカリ金属亜硫酸塩およびアルカリ金属メタ重亜硫酸塩のなかでもとくに好ましい。
とくに好ましくは、本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法では、アルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、およびアルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/亜硫酸ナトリウムレドックス系、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/メタ重亜硫酸ナトリウムレドックス系、アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム/アスコルビン酸レドックス系、および過酸化水素/アスコルビン酸レドックス系から選択される水溶性ラジカル発生剤を使用する。
任意選択により、重合の終了時、油溶性ラジカル発生剤(モノマーに可溶)をさらに添加してもよい。
好ましくは、開始時にラジカル発生剤の一部を導入し、より後の時点で他方の一部を導入する。
より後の時点で導入を行う場合、連続的にまたは1回の注入として行うことが可能である。連続導入とみなされるものが何であるかは、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法で以上に定義した。
「少なくとも1種の乳化剤」という表現は、ビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法で1種以上の乳化剤を使用可能であることを意味するとみなされる。
本文の残りの部分では、単数形または複数形で用いられる「乳化剤」という表現は、とくに明示されている場合を除いて、1種以上の乳化剤を意味するとみなされるものとする。
乳化剤は、本発明に係るエポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法で以上に定義した、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、または陽イオン性乳化剤でありうる。
乳化剤は、好ましくは、任意選択により1種以上の非イオン性乳化剤との混合物であってもよい陰イオン性乳化剤である。陰イオン性乳化剤がとくに好ましい。
好ましくは、開始時に乳化剤の一部を導入し、より後の時点で他方の一部を導入する。より後の時点で導入を行う場合、好ましくは連続的に行う。
本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法によれば、いくつかの異なる方法および異なる形態でモノマーを重合媒体中に導入することが可能である。
したがって、第1の変形形態によれば、プロセスの開始時にいくつかのモノマーを1バッチで導入し、より後の時点で他のモノマーを1バッチまたは連続的のいずれかで導入する。
第2の変形形態によれば、プロセスの開始時にモノマーをすべて1バッチで導入する。
第3の変形形態によれば、より後の時点でモノマーをすべて連続導入する。
第4の変形形態によれば、プロセスの開始時にモノマー全体の一部を導入し、より後の時点で残部を1バッチまたは連続的のいずれかで導入する。
モノマーは、個別に(純粋状態でもしくはエマルジョンの形態で)またはブレンドした後で(ブレンドは、そのままもしくはエマルジョンの形態で導入される)、導入可能である。
エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法で挙げたのと類似の手段を用いて、好ましくは、モノマーの転化度が有利には少なくとも82%かつ好ましくは多くとも100%になるまで反応器の内容物を加熱することにより、反応器の内容物を反応させた後、有利には、ビニリデンクロリドポリマーラテックスを取得する。
反応器の内容物を反応させる温度は、有利には少なくとも15℃に等しく、好ましくは少なくとも20℃に等しく、より好ましくは少なくとも30℃に等しい。それに加えて、それは、有利には高くても100℃、好ましくは高くても90℃、より好ましくは高くても80℃に等しい。温度は、有利には15℃〜100℃、好ましくは30℃〜80℃である。
ビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法は、3〜7のpH、たとえば、この範囲内の任意の値、たとえば、約3、約4、約5、約6、約7などのpHで、行われる(「約」という単語は、これとの関連では、±0.5pH単位とみなされる)。pHは、有利には7以下で、より有利には6.5以下である。pHは、有利には3以上、より有利には4以上である。
pHは、任意の公知の手段により調整可能である。有利には、pHは、少なくとも1種の水溶性塩基の添加により調整される。好適な塩基の例は、たとえば、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、および炭酸カルシウムであるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、塩基は、ピロリン酸四ナトリウムである。
次いで、得られたラテックスを有利には残留モノマーのストリッピングに付してからその後続使用に供する。ストリッピングは、減圧下でストリッピングすることにより、さもなければ減圧下でストリッピングすると同時にラテックス中にスチームを注入することにより、行いうる。好ましくは、ストリッピングは、減圧下でストリッピングすると同時にラテックス中にスチームを注入することにより、行われる。
本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法の代替実施形態は、本発明に従って得られるエポキシ含有ポリマーシードラテックスを、水性エマルジョンラジカル重合により個別に得られるビニリデンクロリドポリマーラテックスと、混合することを含む。
本発明のこの代替実施形態では、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法およびラジカル重合によるビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法に関連する範囲内で以上に規定された定義および優先性は、ビニリデンクロリドポリマーラテックスのこの調製方法に適用される。
水性エマルジョンラジカル重合または混合のいずれかによるビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法で使用されるエポキシ含有ポリマーシードラテックスの乾物量は、ビニリデンクロリドポリマーの全重量を基準にして、有利には少なくとも1重量%である。
ビニリデンクロリドポリマーラテックスの全重量を基準にして表されるエポキシ含有ポリマーシードラテックスのこの乾物量は、有利には多くとも10%、好ましくは多くとも8.5%、より好ましくは多くとも5重量%である。
他の態様では、本発明は、エポキシ含有モノマー、ならびに任意選択により、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または以上に定義された一般式(I):CH=CRに対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマー、を含むエポキシ含有ポリマーと、ビニリデンクロリドポリマーと、を含むビニリデンクロリドポリマーラテックスに関する。
エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法およびラジカル重合によるビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法に関連する範囲内で以上に規定された定義および優先性は、ビニリデンクロリドポリマーラテックスに適用される。
有利には、前記ビニリデンクロリドポリマーラテックス中のエポキシ含有ポリマーは、少なくとも50%、より有利には少なくとも60%のインタクトなエポキシ基のパーセントにより特徴付けられる。好ましくは、前記ビニリデンクロリドポリマーラテックス中のエポキシ含有ポリマーは、少なくとも80%のインタクトなエポキシ基のパーセントにより特徴付けられる。
典型的には、ラテックスは、ポリマー分散媒体として水を含む。
典型的には、ビニリデンクロリドポリマーラテックス中のエポキシ含有ポリマーの乾物量は、ビニリデンクロリドポリマーの全重量を基準にして、少なくとも1重量%、かつ多くとも10重量%、好ましくは多くとも8.5%、より好ましくは多くとも5重量%である。
ビニリデンクロリドポリマーラテックスは、有利には、以上で説明した本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法の1つに従って調製される。
第1の実施形態では、前記ラテックスは、ビニリデンクロリドポリマーのシェルにより少なくとも部分的に覆われた前記エポキシ含有ポリマーの粒子を含む。前記粒子は、好ましくは水中に分散される。
前記ラテックスは、有利には、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの存在下でビニリデンクロリドおよび任意選択により少なくとも1種の他のモノマーのラジカル重合により調製可能である。
前記第1の実施形態では、ビニリデンクロリドラテックスは、シェルがコアを少なくとも部分的にキャッピングするコア/シェル構造により特徴付けられる。コア/シェル粒子は、コア成分と、化学組成が異なるシェル成分と、を含む。本発明に係るコア/シェル粒子は、エポキシ含有ポリマーで作製されたコアと、ビニリデンクロリドポリマーで作製されたシェルと、を有する。シェルは、コアを少なくとも部分的にキャッピングする。「コアをキャッピングする」という表現は、コアの「エンベロープ」を形成するとみなされるものとする。「コアを少なくとも部分的にキャッピングする」という表現は、シェルがコア全体を均一にまたは不均一に覆いうるまたはシェルがコアの一部のみを覆いうるとみなされるものとする。本発明との関連では、ビニリデンクロリドポリマーラテックス粒子は、1つ超のコアを有しうる。コア/シェル粒子という用語は、限定されるものではないが、いくつかの構造を含みうる。したがって、コア/シェル粒子は、基本的には粒子の外壁を形成するシェル層により少なくとも部分的にキャッピングされた1つまたは複数のコアで構成されうる。コアとシェルとの間には、コアとシェルとが直接接触しないように分離する中間層が存在しうるが、全体的には、シェルは、中間層を少なくとも部分的に含むコア部を包囲する。そのような中間層は、コアとシェルとの間に界面相を形成してもよく、任意の組成を有しうる。好ましくは、この中間層は、存在するのであれば、中間組成(組成がコアとシェルとの中間)を有してもよく、界面相全体にわたり均一でありうるか、またはコアの組成からシェルの組成まで徐々に変化する組成勾配を形成しうる。好ましくは、本発明では、コアは、シェルにより部分的に覆われる。
コア−シェル粒子としてのビニリデンクロリドポリマーラテックスの構造は、好適な技術により、たとえば、透過型電子顕微鏡法(TEM)により、決定可能である。
動的光散乱により測定されるビニリデンクロリドポリマーラテックス粒子の平均粒子サイズは、有利には90nm〜300nm、好ましくは100nm〜250nm、より好ましくは110nm〜200nm、より好ましくは110nm〜150nmである。粒子の平均粒子サイズは、これらの範囲内の任意の値を有する。さらに、エポキシ含有ポリマーシードラテックスのナノスケールのサイズにより、ビニリデンクロリドポリマーラテックス粒子の粒子サイズを制御することが可能である。
動的光散乱により決定される平均粒子サイズとみなされるものが何であるかは、実験の節に定義される。
第2の実施形態では、ビニリデンクロリドラテックスは、エポキシ含有ポリマーの粒子とビニリデンクロリドポリマーの粒子とを含む。
この第2の実施形態に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスは、有利には、エポキシ含有ポリマーシードラテックスを個別に得られたビニリデンクロリドポリマーラテックスと混合することにより、調製可能である。
本発明に係る方法により、他のラテックスよりも良好な熱安定性により特徴付けられるビニリデンクロリドポリマーラテックスを得ることが可能である。
さらにまた、本方法により、目的の用途に必要とされるバリヤー性、特定的には、酸素透過性および水蒸気透過性を有する高品質フィルムの形成をもたらしうるビニリデンクロリドポリマーラテックスを得ることが可能である。
したがって、本発明のさらなる目的は、フィルムを作製するための本発明に係るビニリデンクロリドポリマーラテックスの使用、さらにはビニリデンクロリドポリマーと以上に定義されたエポキシ含有ポリマーとを含むフィルムである。
以下の実施例および図は、本発明を例示することを意図したものであるが、その範囲を限定するものではない。
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、および出版物のいずれかの開示が、用語が不明確になるほど本出願の説明と矛盾する場合、本明細書の説明が優先するものとする。
材料
グリシジルメタクリレート(GMA、Aldrich、97%)、n−ブチルメタクリレート(BMA、Acros、99%)、ビニリデンクロリド(VDCまたはVC、Aldrich、99%)、およびメチルアクリレート(MA、Aldrich、99%)は、阻害剤を除去するために減圧下で蒸留した。過硫酸カリウム(KPS、Aldrich、99%)、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na、Aldrich、99%)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO、Aldrich、)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP、Alfa Aesar、98%)、Dowfax2A1(Dow、水中42wt%溶液)は、入手したままの状態で使用した。水は、イオン交換樹脂に通して脱イオン化した(1μS/cm未満の伝導率)。
キャラクタリゼーション
モノマー転化率測定
モノマー転化率を重量測定により決定した。わずかなグラム数のラテックスのサンプルをヒドロキノンの小結晶の入った秤量済みアルミニウムカップに添加した。揮発性生成物をカップから逃散させるために数箇所穿刺されたアルミニウム紙によりカップを覆い、次いで、減圧下60℃のオーブンに入れて放置し、一晩乾燥させた。揮発性生成物をすべて気化させた後、残渣の質量をメモした。次いで、次式により転化率を計算した。

式中、
分子質量測定
コポリマーの分子質量をゲル浸透クロマトグラフィー(Varian製のPL−GPC50)により決定した。凍結乾燥サンプルをTHF中に溶解させて0.2μmフィルターで濾過し、その後、装置内に注入した。
装置により測定された溶出時間からモル質量を計算するために、ポリスチレン標準(K=14.1×10−5dL/gおよびα=0.7、THF溶液中25℃)に基づく校正を利用した。汎用校正曲線を活用するために、Revillon(J.Polym.Sci:Part A−Polym.Chem.1976,14,2263)により決定されたポリ(VDC−co−MA)(質量比80:20)のMark−Houwinkパラメーター(K=35.1×10−5dL/gおよびα=0.57、THF溶液中25℃)を利用した。
粒子サイズ測定
Nanotrac粒子サイズ分析器(Microtrac Inc.)を用いて動的光散乱(DLS)によりラテックスの粒子サイズ分布を決定した。
流体中に分散された粒子は、流体の熱励起分子とランダム衝突を起こしてブラウン運動を生じる。長時間にわたる多数の単一サイズ粒子の平均速度は、粒子サイズ分布に関連付けられる関数形に近づく。Nanotrac測定技術は、動的光散乱技術である。高濃度で起こりうる粒子間干渉を回避するために、DLS実験用としてポリ(グリシジルメタクリレート−ブチルメタクリレート(ポリ(GMA−co−BMA))ラテックスから採取したサンプルを脱イオン水中に約10倍希釈した。同一の理由で、ポリ(GMA−co−BMA)/ポリ(ビニリデンクロリド−co−メチルアクリレート)(ポリ(VDC−co−MA))複合ラテックスから採取したサンプルを約1000倍希釈した。
Nanotrac粒子サイズ分析器により提供される「強度分布の平均直径(MI)」をラテックス中の粒子の平均サイズとして報告する。
ゲル含有率
ジクロロメタンを用いて可溶部を抽出することにより、ポリ(GMA−co−BMA)コポリマー中に存在するゲルのパーセントを決定した。乾燥ポリマー(wpolymer)のサンプルを既知の質量のセルロース円筒濾紙(Whatman)中に秤量し、ソックスレー内に配置し、72時間還流させてジクロロメタンで抽出した。抽出の終了時、円筒濾紙中に残存するポリマーの未溶解部を乾燥させて秤量した(wundissolved part)。次いで、次式によりゲル含有率を計算した。
ゲル含有率(%)=wundissolved part×100/wpolymer
ポリマー乾燥
実施例で使用される乾燥ポリマーラテックスを以下の手順に従って凍結乾燥した。
ラテックスのサンプルをプラスチック溶血チューブ中に注加して、液体窒素中に5分間浸漬した。ラテックスを凍結した後、凍結乾燥プロセス時にチューブから水を逃散させるべく、チューブを薄紙シートおよびテープで密閉した。次いで、凍結チューブを500mL丸底フラスコ中に入れて、凍結乾燥器に接続した。凍結乾燥プロセスに利用した条件は、−80℃の温度および0.10〜0.20mbarの圧力であった。
ポリ(GMA−co−BMA)/ポリ(VDC−co−MA)複合ラテックスの構造−透過型電子顕微鏡法(TEM)
複合ラテックスを次のように希釈した。すなわち、2個のドロップレットを100mLの水中に希釈した。FORMAR(ポリビニルホルマール)の層により覆われた銅グリッド上に溶液を堆積させ、次いで、室温および空気雰囲気下で乾燥させた。
図1は、Zeiss EM910(80kV)顕微鏡を用いて得られた。
エポキシ基の滴定
ポリマー中のエポキシ含有率の測定は、テトラエチルアンモニウムブロミドと過塩素酸との反応によりin situで発生させたHBrによるエポキシ基の開環に基づく。既知質量の乾燥ポリマー(典型的には、シードポリマーが0.1gかつPVDCが1gの複合サンプル)をビーカー中に入れて、80℃で60mLのジオキサン中に5分間かけて溶解させ、その後、60mLの酢酸を添加した。ビーカーを室温に戻した後、酢酸中のテトラエチルアンモニウムブロミドの0.1N溶液10mLを添加した。酢酸中の0.1N過塩素酸溶液による滴定に続いてpH測定を行った。エポキシ含有率の実験値と理論値とを比較することにより、重合時に加水分解から保護されたエポキシ基のパーセントを決定することが可能であった。
熱安定性測定
TGA装置Q50(TA Instruments)を用いて熱重量分析(TGA)により、PVDC粉末(複合ラテックスの凍結乾燥により得られた)の熱分解を分析した。等温実験で構成された分析を空気雰囲気下160℃で120分間にわたり行った。
2つの測定により、すなわち、1)重量損失を測定して0.3%未満に維持される時間(分)、および2)120分間の160℃暴露後の残留材料(初期ポリマー重量に対する%)により、本発明に係るポリマーラテックスの熱安定性を評価した。
実施例1(本発明に係る): グリシジルメタクリレート−co−ブチルメタクリレートのシードラテックス
一般的手順(サンプル1A〜1E):
機械的ガラスアンカープロペラを備えた250mL二重壁ガラス容器内で、グリシジルメタクリレートとブチルメタクリレートとのエマルジョン共重合を行った。メタ重亜硫酸ナトリウム、Dowfax2A1、および炭酸水素ナトリウムの水性溶液を反応器内に仕込み、30℃まで加熱し、そして200rpmの速度で撹拌した。反応の開始時、KPSの10g/L水性溶液9mLを反応器内に一度に注入し、続いて、この溶液を4.5mL/hの速度で4時間かけて連続添加した。同時に、モノマー溶液(90wt%のGMA、10wt%のBMA)の連続供給を開始して、3時間維持した。2台のPerfusor Compactシリンジポンプ(Braun)を用いて連続添加を行った。反応を合計5時間継続させた。
サンプル1Fおよび1Gの調製
以下の変更を加えて一般的手順に従った。
・1F: メタ重亜硫酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムを反応混合物に添加せず、重合プロセス温度=60℃
・1G: 炭酸水素ナトリウムを反応混合物に添加せず。
以上で説明したように調製された7種の異なるポリ(GMA−co−BMA)シードラテックス(実施例1A、1B、1C、1D、1E、1F、および1Gと称される)のプロセスパラメーターおよび性質を表1に報告する。
実施例2(本発明に係る): ポリ(ビニリデンクロリド−co−メチルアクリレート)の重量を基準にして2.5重量%、1.7重量%、1.5重量%、および1.0重量%の実施例1で調製されたシードラテックスを含有するポリ(グリシジルメタクリレート−co−ブチルメタクリレート)/ポリ(ビニリデンクロリド−co−メチルアクリレート)複合ラテックス
ステンレス鋼4ブレード機械撹拌機ならびに内圧センサーおよび温度センサーを備えた300mLステンレス鋼反応器(Parr Instrument Company)内で、ビニリデンクロリドとメチルアクリレートとのシードエマルジョン共重合を行った。窒素で解除される3サイクルの真空(10−2mbar)を介してパージすることにより、酸素をオートクレーブから除去した。反応器内の真空を回復した後、実施例1で得られたポリ(GMA−co−BMA)シードラテックスとメタ重亜硫酸ナトリウムとを含有する水性溶液を仕込んだ。次いで、容器内を4barの窒素過剰圧力に設定した。撹拌速度を250rpmに設定して、温度を55℃まで上昇させた。次いで、SeriesIIIディジタルHPLCポンプ(LabAlliance)を介して24mL/hの速度で5時間かけて、ピロリン酸四ナトリウム、KPS、Dowfax2A1、VDC、およびMAを含有する撹拌プレエマルションを反応器内に連続的にポンプ注入した。全反応を6時間継続させた。減圧下(0.2〜0.4バール)でラテックスを60℃に1時間加熱することにより、残留モノマーをストリッピングした。表2は、実施例1で調製したポリ(GMA−co−BMA)シードラテックスを用いるポリ(GMA−co−BMA)/ポリ(VDC−co−MA)複合ラテックスの調製を示している。
以上に挙げた複合ラテックスの構造を図1に示す。この構造は、PVDCシェルがGMA−BMAポリマーのコアを部分的にのみ包囲する雪だるま状構造と称することが可能である。
比較例3(比較): pH<3におけるポリ(ビニリデンクロリド−co−メチルアクリレート)の重量を基準にして2.5重量%、1.7重量%、および1.0重量%の実施例1で調製されたシードラテックスを含有するポリ(グリシジルメタクリレート−co−ブチルメタクリレート)/ポリ(ビニリデンクロリド−co−メチルアクリレート)複合ラテックスの調製
実施例1で得られたラテックスシードを用いて実施例2と同一の手順を行ったが(表3参照)、pHを調整するためにピロリン酸四ナトリウム(TSPP)塩基を使用しなかった。
比較例4(比較): 実施例1で調製されたシードラテックスを用いないポリ(ビニリデンクロリド−co−メチルアクリレート)ラテックスの調製。
一般的手順
6個の個別容器内に以下の溶液を調製した。
・還元剤を含有する水性溶液
・KPSの水性溶液(10g/L)
・KPSの水性溶液(30g/L)
・界面活性剤とピロリン酸四ナトリウム(TSPP)とを含有する水性溶液
・ビニリデンクロリドとメチルアクリレートとの溶液
・脱イオン水
ステンレス鋼4ブレード機械撹拌機ならびに内圧センサーおよび温度センサーを備えたステンレス鋼反応器(Parr Instrument Company)内で、ポリ(VDC−co−MA)の調製を行った。窒素で解除される3サイクルの真空(10−2mbar)を介してパージすることにより、酸素をオートクレーブから除去した。反応器内の真空を回復した後、仕込みを行った。
機械撹拌しながら窒素雰囲気下で、還元剤を含有する溶液を反応器(オートクレーブとも称される)内に導入した。加熱系の温度を55℃に設定し、撹拌速度を250rpmに設定した。
隔壁を備えた丸底フラスコ内で、ビニリデンクロリドおよびメチルアクリレートコモノマーを、界面活性剤とTSPPとの水性溶液と混合し、得られたプレエマルションの撹拌を開始した。
オートクレーブが55℃の温度に達した後、プレエマルションを2.00mL/分の速度で9分間注入し、続いてただちに10g/L KPS溶液を2.00mL/分の速度で5分間添加した(プレエマルションおよびKPS溶液の初期体積は、それぞれ、18および10 mLであった)。
この時点で、反応を30分間継続させながら、10mLの30g/L KPS溶液をプレエマルションに添加した。1時間おきに圧力をチェックしながら、連続プレエマルション供給を0.40mL/分の速度で5時間維持した。
最後に、KPS溶液(5g/L)を2.00mL/分の速度で反応器内に5分間添加し、反応をさらに1時間維持した。
反応器を室温に冷却し、ラテックスを丸底フラスコ内に注加し、次いで、痕跡量のビニリデンクロリドおよびメチルアクリレートを除去するために、栓をして60℃の温度で加熱しながら真空(0.2〜0.4bar)を1時間適用した。
以上で説明したように調製された2つの異なるポリ(VDC−co−MA)ラテックス(比較例4Aおよび4Bと称される)のプロセスパラメーターを表4に報告する。
実施例5(本発明に係る): 実施例1で調製されたポリ(GMA−co−BMA)シードラテックスと比較例4で調製されたポリ(VDC−co−MA)ラテックスとのポリマーブレンドの調製
実施例1で調製されたシードラテックスと比較例4のポリビニリデンクロリドラテックスとを用いて、ラテックスブレンドを調製した。
以下の割合でポリ(GMA−co−BMA)ラテックスとポリ(VDC−co−MA)ラテックスとを混合することにより、ポリマーのブレンドを行った。
・5A:実施例1Cで調製されたラテックスシード0.2629gおよび比較例4Aで調製された参照PVDCラテックス4.7682g(乾燥サンプル中2.5wt%のポリ(GMA−co−BMA)含有率)。
・5B:例1Aで調製されたラテックスシード0.1584gおよび比較例4Aで調製された参照PVDCラテックス4.8402g(乾燥サンプル中1.5wt%のポリ(GMA−co−BMA)含有率)。
次いで、ラテックスの2種のブレンドを凍結乾燥した。
例6: 例2〜5で調製されたラテックスの物理的性質。
表5は、例2〜5で調製されたPVDC複合ラテックスとも称されるビニリデンクロリドポリマーラテックスのデータおよび性質を示している。
空気雰囲気下160℃で行われる熱重量分析により、サンプルを分析した。サンプルがこの条件下で低劣化(重量損失<0.3%)を呈した時間から、ポリ(GMA−co−BMA)シード粒子の存在がより高い熱安定性のPVDC複合ラテックスを提供するが明確に示された。すなわち、劣化は、実施例2の複合サンプルの場合、比較例4で調製された、ポリ(GMA−co−BMA)シード粒子を含有しないサンプルと比較して、より緩徐である。したがって、TSPPを使用せずに比較例3で調製された複合ラテックスは、実施例2で調製された複合ラテックスよりも多くの劣化を呈した。
実施例5で調製されたラテックスブレンドを凍結乾燥に付して、得られた粉末を熱重量測定により分析した。ブレンドは、比較例4で調製された、シードラテックスを含有しないPVDCよりも緩徐な劣化を呈したが、実施例2のサンプルよりも0.3%未満の材料の重量損失範囲内のより短い時間を示した。
結論として、例2、3、4、および5で調製されたサンプルの熱重量測定から、本発明に従って調製されたビニリデンクロリドラテックス(実施例2および5)が比較例3および4に従って調製されたラテックスよりも良好な熱安定性を有することが示された。
本発明に従って調製されたPVDCラテックスを用いて作製されたフィルムは、目的の用途に必要とされる酸素透過性による特徴付けられる。

Claims (15)

  1. 以下のもの、すなわち、
    ・(A)エポキシ含有モノマーならびに任意選択によりビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または一般式(I):CH=CR〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、Rはまた、−NR基(ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーと、
    ・(B)少なくとも1種のラジカル発生剤と、
    ・(C)少なくとも1種の乳化剤と、
    ・(D)水と、
    を使用することを特徴とする、エポキシ含有モノマーおよび任意選択により少なくとも1種のコモノマーの水性エマルジョンラジカル重合により、シードラテックスを調製することを特徴とする、エポキシ含有ポリマーシードラテックスの調製方法であって、
    以下の工程、すなわち、
    ・(1)任意選択により(B)の少なくとも一部と、(C)の少なくとも一部と、(D)の少なくとも一部と、任意選択により(A)の少なくとも一部と、を反応器内に導入する工程と、次いで、
    ・(2)(A)、(B)、(C)、および(D)の残部を連続的に導入しながら、2〜8の範囲内のpHで前記反応器の内容物を反応させる工程と、そして
    ・(3)エポキシ含有ポリマーシードラテックスを取得する工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記エポキシ含有モノマーが、エポキシ−アルキルアクリレート、エポキシ−アルキルメタクリレート、エポキシ−アルキルジアクリレート、エポキシ−アルキルジメタクリレート、エポキシ−アルキルトリアクリレート、エポキシ−アルキルトリメタクリレート、エポキシ−ブテン、エポキシ−アルキルブテン、エポキシ−ペンテン、エポキシ−アルキルペンテン、エポキシ−ヘキセン、エポキシ−アルキルヘキセン、エポキシ−アルキルスチレン、およびアリルグリシジルモノマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エポキシ含有ポリマーが、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、またはメチルグリシジルメタクリレートのコポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 工程2)の温度が15℃〜60℃に含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程2)のpHが3〜8の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 3〜7のpHで、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により得られたエポキシ含有ポリマーシードラテックスの存在下で、重合を行うことを特徴とする、ビニリデンクロリドおよび任意選択により少なくとも1種のコモノマーの水性エマルジョンラジカル重合によるビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により得られたエポキシ含有ポリマーシードラテックスを、水性エマルジョンラジカル重合により個別に得られたビニリデンクロリドポリマーラテックスと、混合することによる、ビニリデンクロリドポリマーラテックスの調製方法。
  8. エポキシ含有ポリマーシードラテックスの乾物量が、前記ビニリデンクロリドポリマーの全重量を基準にして少なくとも1重量%であることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
  9. エポキシ含有ポリマーとビニリデンクロリドポリマーとを含むビニリデンクロリドポリマーラテックスであって、前記エポキシ含有ポリマーが、エポキシ含有モノマーならびに任意選択によりビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または一般式(I):
    CH=CR (I)
    〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、Rはまた、−NR基(ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕
    に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーを含み、かつ前記エポキシ含有ポリマーが、少なくとも50%のインタクトなエポキシ基のパーセントにより特徴付けられる、ビニリデンクロリドポリマーラテックス。
  10. ビニリデンクロリドポリマーのシェルにより少なくとも部分的に覆われた、前記エポキシ含有ポリマーの粒子を含む、請求項9に記載のビニリデンクロリドポリマーラテックス。
  11. 前記エポキシ含有ポリマーの粒子と前記ビニリデンクロリドポリマーの粒子とを含む、請求項9に記載のビニリデンクロリドポリマーラテックス。
  12. エポキシ含有ポリマーの乾物量が、前記ビニリデンクロリドポリマーの全重量を基準にして少なくとも1重量%かつ多くとも10重量%である、請求項9〜11のいずれか一項に記載のビニリデンクロリドポリマーラテックス。
  13. 前記ビニリデンクロリドポリマーが、少なくとも50wt%の量のビニリデンクロリドと、共重合性モノマーとして、ビニルクロリド、ならびに/あるいは無水マレイン酸、イタコン酸、および一般式(II):
    CH=CR (II)
    〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R10基{ここで、R10は、−OH基および−O−R11基(ここで、R11は、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、R10はまた、−NR1213基(ここで、R12およびR13は、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕
    に対応する(メタ)アクリル系モノマー、以上に挙げた共重合性界面活性剤、およびメタクリレート末端ポリプロピレングリコールのホスフェートエステルまたはその塩の1つから選択される少なくとも1種のモノマーと、を含有するコポリマーであることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法または請求項9〜12のいずれか一項に記載のビニリデンクロリドポリマーラテックス。
  14. フィルムおよびコーティングの作製のための、請求項9〜13のいずれか一項に記載のビニリデンクロリドポリマーラテックスの使用。
  15. エポキシ含有ポリマーとビニリデンクロリドポリマーとを含む物品であって、前記エポキシ含有ポリマーが、エポキシ含有モノマーならびに任意選択によりビニルクロリド、ビニリデンクロリド、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニルアセテート、および/または一般式(I):CH=CR〔式中、Rは、水素およびメチル基から選択され、かつRは、−CN基および−CO−R基{ここで、Rは、−OH基、−O−R基(ここで、Rは、1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい2〜18個の炭素原子を含有する線状または分岐状のアルキル基、2〜10個の炭素原子を含有するエポキシアルキル基、および合計で2〜10個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基から選択される)から選択され、最後に、Rはまた、−NR基(ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、水素および1個以上の−OH基を任意選択により有していてもよい1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される)から選択される}から選択される〕に対応する(メタ)アクリル系モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーを含み、かつ前記エポキシ含有ポリマーが、少なくとも50%のインタクトなエポキシ基のパーセントにより特徴付けられる、物品。
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