JP2505387B2 - エマルション塗膜形成方法 - Google Patents

エマルション塗膜形成方法

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JP2505387B2 JP5129767A JP12976793A JP2505387B2 JP 2505387 B2 JP2505387 B2 JP 2505387B2 JP 5129767 A JP5129767 A JP 5129767A JP 12976793 A JP12976793 A JP 12976793A JP 2505387 B2 JP2505387 B2 JP 2505387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエマルション塗膜形成方
法にかかり、さらに詳しくは特定の溶剤封入型アクリル
樹脂エマルションを樹脂成分としたエマルション塗料に
より素材に対し密着性の優れたエマルション塗膜形成方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築用素材例えばモルタル、コンクリ−
ト、スレ−ト等の塗装に於ては通常下地調整および素材
と上塗双方に対する密着性改善の目的でシ−ラ−やプラ
イマ−が適用され、次に防水目的の塗料、さらに塗膜粘
着性を消滅させ、耐汚染性を良好ならしめるためのトッ
プコ−トが順次適用されている。しかしながらこのよう
な方法では多数の塗料が必要であり、工数、工程が繁雑
となる。そこで必要な塗膜層を可及的に少なくし、経済
的な防水処理を可能ならしめるための提案が多数なされ
ている。それらの内注目すべき技術の一つに、特開昭5
2−136229号記載の発明がある。同発明では、
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸0.1〜10
重量%、炭素数2〜10個のアルキルアクリレ−ト20
〜99.5重量%、その他の共重合可能なビニルモノマ
−70重量%以下からなるモノマ−混合物100重量部
に対し、沸点が100℃以上の有機溶剤および/または
可塑剤3〜50重量部を混合したものを乳化重合して得
られた合成樹脂エマルション100重量部に対し、無機
充填剤10〜150重量部、短繊維1〜50重量部を加
えた粘度が500cps以上である塗膜防水用組成物を
適用し、トップコ−トがなくても塗膜表面の粘着性がな
く、強伸度バランスがとれ、防水性、美装仕上効果を発
揮する防水層を与えようとするものである。素材に対す
るプライマ−塗装のことについては何ら言及しておら
ず、実施例でも上記組成物をスレ−ト板にスプレ−塗装
して塗膜評価を行なっているにすぎない。しかしながら
同特許には合成樹脂エマルションを用いる先行技術とし
て、素材に合成樹脂の溶液またはエマルションを塗布し
てプライマ−層を形成し、その上に合成樹脂エマルショ
ンに基づく防水用塗料組成物を塗装し、さらにその皮膜
の表面粘着性をなくす必要から、Tgの高いトップコ−
トを塗布して仕上げる技術があったこと、このトップコ
−ト層の形成を必要とする従来の防水施行法の欠点を改
良するために発明がなされたこと等、トップコ−トの有
無のみに力点を置いており、プライマ−層は実際の防水
施工に於ては依然必要である。事実同特許に示された塗
膜の伸度300〜400%のものでは傷をひろげ、且つ
低い抗張力で伸びが生じ、素材に対する密着性が充分な
ものではなく、その改善目的にはプライマ−層が必須で
あることを本発明者らは見出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、トップコ−ト
のみならず、シ−ラ−やプライマ−層をも必要としない
建築用素材の塗料組成物が得られるならば工数、工程の
簡易化とあいまって経済的に極めて有利であり、また特
につや感のある塗膜形成が美装目的からも望まれてお
り、かかる要望に応えることが本発明目的である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば上記目的
は(a)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び/又
は炭素数2〜8のアルキルアクリレ−ト、(b)メチル
メタアクリレ−ト及び(c)他の共重合可能なビニルモ
ノマ−を(a)/(b)/(c)が1〜14/0〜32
/54〜99(重量比)の比率の重合性単量体100重
量部と有機溶剤10〜80重量部の混液を乳化して得ら
れるTgが30〜100℃で数平均分子量20,000
以上の有機溶剤封入型アクリル系樹脂エマルションであ
り、且つ塗膜伸び率200%以下、抗張力40kg/c
2以上の塗膜を与えうる、有機溶剤封入型アクリル系
樹脂エマルションを樹脂ビヒクルとして含むエマルショ
ン塗料を無機質素材に直接塗布・乾燥することによって
達成される。
【0005】本発明で用いられる合成樹脂エマルション
のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は構成モノマ
−のα,β−エチレン性不飽和単量体の種類および量を
変えることにより制御可能であるが、通常Tgは低いほ
ど低温時の伸びが良く、Tgが高くなると硬くなり、ま
た最低成膜温度(MFT)も高くなるため造膜不良をお
こし均一な膜にならず、通常の塗料には30℃よりかな
り低いTg値のアクリル樹脂が用いられている。
【0006】前述の特開昭52−136229号発明に
於ても、Tg値は−30℃以上としているが、実施例に
示されている樹脂のTgは−13℃〜12℃の範囲内で
あり、伸度の極めて良好なものが選択されている。同特
許ではこのように低温伸び率の良いアクリル樹脂を用い
ながら高温強度を得るため、無機充填剤および短繊維の
特定量を組合せ、それにより強伸度のバランスを得てい
るのである。しかも既に述べた如く、抗張力も20℃
で、たかだか38kg/cm2程度のものであるから、
素材密着性は充分でなく、プライマ−層を必要とする。
【0007】本発明者らは素材密着性につき検討した結
果、抗張力と伸び率が重要であり、抗張力が低いと塗膜
の凝集破壊をおこしてもろい塗膜になるし、伸び率が高
すぎると素材面からはがれ易くなること、また樹脂のT
gおよび数平均分子量も重要な役割をはたし、Tgが3
0℃未満では塗膜が軟かく凝集力が低いため付着力が低
下するし、数平均分子量が20,000より小さくても
凝集力が低くなり付着力の低下をきたし、さらには耐候
性、耐水性等塗膜性能上も好ましくないことを知った。
さらにTgが30〜100℃といった樹脂は、通常、伸
びが低く、硬すぎるし、MFTが高すぎて常温下では造
膜不可と考えられているが、有機溶剤を含有することに
より造膜性を付与し、且つ素材への浸透効果もあり均一
な膜になしうることを知り、それら知見に基づき本発明
が完成されたものである。
【0008】即ち、本発明の合成樹脂エマルションの樹
脂はTgが30°〜100℃の範囲内で、数平均分子量
は20,000以上のものである。より好ましい範囲と
してはTg50°〜80℃で数平均分子量は約30,0
00以上である。このように高いTg値にかかわらず、
溶剤が造膜助剤効果をもつため造膜性が良く、素材への
浸透効果もあり、耐汚染性、付着性、初期耐水性に優れ
た塗膜を与えることができる。また重合度が高いため、
膜が強く、膜凝集力に優れていて素材密着性、耐水性、
耐候性が良好である。
【0009】さらに、かかる樹脂エマルションは、塗膜
伸び率が200%以下、好ましくは100%以下、抗張
力が40kg/cm2以上、好ましくは50kg/cm2
以上の塗膜を与えることができる特徴をもつ。このよう
な特徴はTgが高く、且つ高分子量の樹脂を溶剤封入の
形で作ることにより達成せられ、素材密着性と共に建築
用素材に対し、極めて良好な強伸度のバランスを与える
ものである。
【0010】本発明において使用する合成樹脂エマルシ
ョンを構成するモノマ−として成分(a)は、α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸及び/又は炭素数2〜8のアル
キルアクリレ−トである。α,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸等を用いることができる。炭素数2〜8の
アルキルアクリレ−トの例としては、エチルアクリレ−
ト、プロピルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、エチ
ルヘキシルアクリレ−ト等を用いることができる。成分
(b)はメチルメタアクリレ−トである。
【0011】成分(c)は、成分(a)及び(b)と共重合可能
なビニルモノマ−であり、下記の単量体の単独もしく
は、複数組み合せて用いることができる。 1)ヒドロキシル基含有単量体 例えば2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシ
プロピルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレ−ト、ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、ヒドロ
キシブチルアクリレ−ト、ヒドロキシブチルメタクリレ
−ト、アリルアルコ−ル、メタアリルアルコ−ル等 2)重合性アミド 例えばアクリル酸アミド、メタクリル酸アミド等 3)重合性ニトリル 例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等 4)炭素数2以上のアルキルメタアクリレ−ト 例えばエチルメタクリレ−ト、n−ブチルメタクリレ−
ト、2−エチルヘキシルメタアクリレ−ト等 5)重合性芳香族化合物 例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、t−ブチルスチレン等 6)α−オレフィン 例えばエチレン、プロピレン等 7)ビニル化合物 例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等 8)ジエン化合物 例えばブタジエン、イソプレン等 これらは所望Tg値をうるため適宜選択される。
【0012】本発明の(a)、(b)及び(c)の比率は重量比
で1〜14/0〜32/54〜99でなければならず、
成分(a)が1未満ではエマルションの安定性が低下す
る。14を越えると、耐水性、耐候性が低下する。(b)
が32を越えると、付着性、耐水性が低下する。(c)が
54未満では、耐水性が低下する。99を越えるとエマ
ルションの安定性が低下する。
【0013】この重合体は所望により、架橋重合体とす
ることもできる。その場合には、前記のエチレン性不飽
和単量体に、相互に反応性の基、例えば、エポキシとカ
ルボキシル;アミンとカルボキシル;エポキシとカルボ
ン酸無水物;アミンと酸塩化物;アルキレンイミンとカ
ルボニル;オルガノアルコキシシランとカルボキシル;
ヒドロキシルとイソシアナ−ト等を担持せしめるか、あ
るいは、前記の重合性単量体以外に、分子内に2コ以上
のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合
物(以下架橋性単量体と称す)を共重合せしめる。かか
る架橋性単量体としては、多価アルコ−ルの重合性不飽
和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和ア
ルコ−ルエステル、および2コ以上のビニル基で置換さ
れた芳香族化合物などがあり、具体例としてはエチレン
グリコ−ルジアクリレ−ト、エチレングリコ−ルジメタ
クリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジメタクリレ−
ト、テトラエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,
3−ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ
−ルプロパントリアクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパ
ントリメタクリレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルジアク
リレ−ト、ネオペンチルグルコ−ルジアクリレ−ト、
1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト、ペンタエリ
スリト−ルジアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ
アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−
ト、ペンタエリスリト−ルトリメタアクリレ−ト、ペン
タエリスリト−ルテトラメタクリレ−ト、グリセロ−ル
ジメタクリレ−ト、グリセロ−ルジアクリレ−ト、グリ
セロ−ルアリロキシジメタクリレ−ト、1,1,1−ト
リスヒドロキシメチルエタンジアクリレ−ト、1,1,
1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレ−ト、
1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリ
レ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタント
リメタクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチ
ルプロパンジアクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロ
キシメチルプロパントリアクリレ−ト、1,1,1−ト
リスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレ−ト、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタクリ
レ−ト、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソシア
ヌレ−ト、トリアリルトリメリテ−ト、ジアリルテレフ
タレ−ト、ジアリルフタレ−ト、ジビニルベンゼン等が
あげられる。これらは所望Tg値をうるため適宜選択せ
られる。
【0014】また有機溶剤としては、アクリル樹脂の溶
剤となり得るものであればよく、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化
水素、ケトン、アルコ−ル、エステル等さらに溶剤便覧
(槙書店発行)で例示される沸点300℃付近またはそれ以
上の可塑剤および軟化剤も有機溶剤として使用せられ
る。 重合性単量体と有機溶剤の混合比は単量体100
重量部に対し、有機溶剤10〜80重量部の範囲で選択
せられる。というのは溶剤量が10重量部未満ではエマ
ルションの造膜性が悪く、クラックが発生するし、また
80重量部をこえると乳化重合安定性が低下する。
【0015】乳化重合は通常の重合手法に準じ実施する
ことができる。このようにして得られる本発明の樹脂エ
マルションを樹脂ビヒクルとして含む塗料組成物は素材
密着性が良好であるからそのままクリヤ−塗料として、
あるいはこのものに顔料および充填剤を配合し、1コ−
ト用塗料として使用する。先行技術の如く、塗膜の強度
をこういった顔料、充填剤にたよる必要はなく、また表
面粘着性もないため、顔料、充填剤は任意割合で使用す
ることができ、またトップコ−トも不必要である。さら
にまた強度をもたせるために短繊維を配合する必要もな
く、塗装作業性にも優れている。
【0016】顔料として例えば二酸化チタンのルチル
型、アナタ−ゼ型、リトポン、酸化鉄、酸化クロ−ムな
どの無機質顔料、その他有機顔料など通常の塗料用顔料
が用いられ、またフィラ−としてはバライタ、マイカ、
炭酸カルシウム、硅砂など通常の塗料用充填剤が好適に
使用せられる。また所望により、酸化ポリエチレン系、
アマイド系、三次元架橋を有するアクリル系、シリカ系
などのチクソトロピック付与効果のある任意の増粘材を
加えることも可能である。このように無機質充填剤の量
にあまり影響されずに強度が保たれるため、PVCを3
5%以下といった低い値に保持でき、艶有塗料となし、
且つ所望の塗膜強度が維持せられる。また、本発明に於
いて被塗装物とは建築用素材、例えばモルタル、コンク
リ−ト、スレ−ト等の無機質素材である。塗料塗装面、
例えばセメント系の無機系塗料、アクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂等の有機系塗装面、無機系塗料塗装面にも直接塗
装できる。また、本発明の塗膜形成方法は公知の方法で
行うことができる。すなわち、エアスプレ−塗装、エア
レススプレ−塗装、ロ−ラ−塗装等いずれの方法によっ
ても良い。本発明で直接塗布とはシ−ラ−及びプライマ
−を必要としない事である。塗布量は塗料組成物の固形
分、比重にもよるが、均一に厚みを付け防水層となしう
るため、塗料粘度50〜250psで、およそ0.5〜
1.0kg/m2が適当である。この際、このベ−スコ
−ト層のみでも耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、且つ
被塗装物密着性にも優れた強じんな塗膜の形成が可能で
あるが、ベ−スコ−ト層の乾燥後、再度上記塗料組成物
を塗装することが出来るので模様状塗膜の形成も可能で
ある。なお、模様状塗膜は、例えば玉吹き模様、凹凸模
様はタイルガンやリシンガン等の吹付ガンが好適で、塗
布量の目安は塗料組成物の固形分や比重にもよるが、塗
料粘度200〜400psで、およそ0.4〜0.8k
g/m2が適当である。また、波状模様は多孔質ロ−ラ
−、ウ−ロ−ラ−等が好適で、その際の塗布量の目安は
塗料成分の固形分、比重にもよるが塗料粘度100〜2
50psで、およそ0.4〜0.8kg/m2が適当で
ある。以上述べたように、本発明では建築用素材に対
し、シ−ラ−やプライマ−もトップコ−トも必要とせ
ず、1コ−トにより耐水性、耐候性、耐薬品性等に優
れ、耐汚染性にも優れた強じんな塗膜を与えることがで
き、素材密着性の上でも申し分のない塗膜形成が可能と
なる。以下実施例により本発明を説明する。
【0017】
【実施例及び比較例】
参考例1 5つ口フラスコに、温度計、撹拌器、窒素導入管、滴下
ロ−トを2つ備え、イオン交換水60部を仕込み、内温
を80℃に保つ。キシレン40部、スチレンモノマ−4
6部、イソブチルメタクリレ−ト53部、メタクリル酸
1部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム3部、
イオン交換水40部をステンレスビ−カ−に仕込み、高
速撹拌して乳化物を生成する。この乳化物と過硫酸アン
モニウム水溶液(濃度10%)10部を別々に滴下ロ−
トで同時に2時間かけて仕込む。滴下中は、窒素を導入
し撹拌しながら80℃で反応を行なった。滴下終了後、
さらに80℃で2時間撹拌して反応を終了した。20℃
に冷却した後、アンモニア水を加えてpH=8に調製し
てエマルションを得た。このエマルションをエマルショ
ン−1とする。エマルション−1の特数値は不揮発分4
1%、数平均分子量40,000、Tg(Calc
d.)=70℃
【0018】参考例2〜8、10 参考例1と同様の方法で行い、モノマ−、有機溶剤の組
成を表1の如く変更して、エマルションを得た。これら
のエマルションをエマルション2〜8、10とする。エ
マルション4は、架橋性単量体としてエチレングリコ−
ルジメタクリレ−トを使用したので、三次元架橋した、
分子量測定のできない高分子量物エマルジョンを得た。 参考例9 参考例2と同様の方法で行い、過硫酸アンモニウム水溶
液(濃度10%)20部に変更して分子量を調製してエ
マルションを得た。このエマルションをエマルション9
とする。
【0019】
【表1】
【0020】分散ペ−ストの調製 SMA−1440(アルコケミカル社製、スチレンマレ
イン酸エステル分散剤)15部、二酸化チタン100
部、炭酸カルシウム(ルミナス丸尾カルシウム社製)1
00部、水70部を混合分散して、分散ペ−ストを得
た。
【0021】実施例1 分散ペ−スト30部、エマルション−1 100部、消
泡剤1部、増粘剤2部を混合撹拌して、塗料組成物Aを
得た。この塗料組成物はPVC=12、粘度300P
(ポイズ)であった。塗料組成物Aを180PS(ポイ
ズ)に調整し、スレ−ト板上に吹付ガンで乾燥膜厚50
0μになる様に塗装し、塗膜を形成させた。室温で2週
間乾燥後の光沢は60°グロスで70、伸び率5%、抗
張力70kg/cm2、アドヒ−ジョンテスタ−で付着
力を測定したところ20kg/cm2であった。またこ
の塗膜のピ−リング付着性評価は、素材から剥離し、密
着性は良好であった。更に塗膜硬度は鉛筆硬度でHBで
あった。また、この塗料組成物Aをベ−スコ−トとし、
およそ一日乾燥後、この上に240PSに調整した塗料
組成物Aをタイルガンで0.6kg/m2塗装し、凹凸
模様塗膜を形成させた。これを室温で2週間乾燥後、2
0℃水中に1週間浸漬した後塗膜状態をASTM法で判
定したところ、塗膜のふくれは全く見られなかった。
【0022】実施例2〜6 実施例1と同様の方法で塗料組成物B〜Fを得た。配合
は表2に示す通りである。物性評価は表3の結果を得
た。
【0023】
【表2】
【0024】比較例1〜4 実施例1と同様の方法で塗料組成物G〜Jの塗膜形成を
行った。物性評価は表3の結果を得た。 比較例5 市販の合成樹脂エマルション系複層仕上塗材の一例とし
て、「ダイヤEタイル主材(恒和化学工業株式会社
製)」を150PS(ポイズ)に調整し、アクリル系シ
−ラ−を入れスレ−ト板に吹付ガンで乾燥膜厚500μ
になる様に塗装し塗膜を形成させ、実施例1と同様に物
性評価を実施した。また更に、この塗膜上に210PS
に調整した「ダイヤEタイル主材」をタイルガンで1.
0kg/m2塗装し、凹凸模様塗膜を形成させた。物性
評価は表3の結果を得た。 比較例6 市販の合成樹脂エマルション単層弾性仕上材の一例とし
て、「アレスゴムテックス(関西ペイント株式会社
製)」を160PSに調整し、塩ゴム系シ−ラ−を入れ
スレ−ト板に多孔質ロ−ラ−で乾燥膜厚400μになる
様に塗装し塗膜を形成させ、実施例1と同様に物性評価
を実施した。また更に、この塗膜上に60PSに調整し
た「アレスゴムタイル」を中毛ウ−ロ−ラ−で0.25
kg/m2塗装し、さざ波模様塗膜を形成させた。物性
評価は表3の結果を得た。
【0025】
【表3】
【0026】試験方法 1.伸び率、抗張力の測定 JIS A 6910に準拠して塗料を2mmに塗布
し、14日間室温で2週間乾燥した後、ダンベル状2号
形に成形したものを試験片とした。 2.付着力の測定 塗料をスレ−ト板にドクタ−ブレ−ドで2mmに塗布
し、室温で2週間乾燥後、アドヒ−ジョンテスタ−で付
着力を測定した。 3.ピ−リング付着性の測定 塗膜を巾5cm、長さ10mmにカッティングしてカッ
タ−で塗膜の剥れ具合を判定する。 ○……素材から剥離するもの ×……素材と塗膜の界面で剥離するもの 4.鉛筆硬度 塗料をスレ−ト板にドクタ−ブレ−ドで2mmに塗布
し、室温で2週間乾燥後、JIS−K−5400−8−
4法に準じて測定した。 5.耐水性 スレ−ト板上にベ−スコ−トを形成し更に模様塗膜を形
成させた試験片を室温で2週間乾燥後、20℃水中に7
日間浸漬し、取出し後の塗膜状態をASTM法で測定し
た。ただし比較例5及び6は、前記比較例で述べた事件
で塗布した。
【0027】
【発明の効果】以上の通り本発明により形成される塗膜
はシ−ラ−やプライマ−もトップコ−トも必要とせず、
1種類の塗料で耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、且つ
被塗物への密着性にも優れ、その結果、塗膜が被塗物の
保護と美装性を保持することが可能となる。また、水で
希釈して粘度を調整することにより、ロ−ラ−塗り、ス
プレ−塗り、ハケ塗り等の使用が可能で、下地調整材、
建築内外装仕上げ材となり、1つの塗料で単層仕上げ、
複層仕上げが可能となった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)α,β−エチレン性不飽和カルボ
    ン酸及び/又は炭素数2〜8のアルキルアクリレ−ト、
    (b)メチルメタアクリレ−ト及び(c)他の共重合可
    能なビニルモノマ−を(a)/(b)/(c)が1〜1
    4/0〜32/54〜99(重量比)の比率の重合性単
    量体100重量部と有機溶剤10〜80重量部の混液を
    乳化して得られるTgが30〜100℃で数平均分子量
    20,000以上の有機溶剤封入型アクリル系樹脂エマ
    ルションであり、且つ塗膜伸び率200%以下、抗張力
    40kg/cm2以上の塗膜を与えうる、有機溶剤封入
    型アクリル系樹脂エマルションを樹脂ビヒクルとして含
    むエマルション塗料を無機質素材に直接塗布・乾燥する
    ことを特徴とするエマルション塗膜形成方法。
JP5129767A 1986-03-05 1993-05-31 エマルション塗膜形成方法 Expired - Lifetime JP2505387B2 (ja)

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