JP2691225B2 - 焼き付け可能な水性塗料用組成物 - Google Patents

焼き付け可能な水性塗料用組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カルボキシル基含有中空ポリマー粒子を配
合してなる、軽量化が可能で美装性に優れ、塗装用とし
て有用な焼き付け可能な水性塗料用組成物に関する。
〔従来の技術〕 従来、金属もしくはプラスチック表面の保護、または
美装性を目的として、各種合成樹脂の油性または溶剤系
塗料、あるいはプラスチックゾルなどの加熱溶融性塗料
が用いられてきた。
しかしながら、近年、溶剤系塗料では、環境衛生上も
しくは溶剤損失による省資源の問題があり、また加熱溶
融型塗料では、細部の塗工が難しいなどの問題があっ
た。
このような問題点の解決策として、近年、エマルジョ
ン系もしくは水溶性ポリマーを使用する水系塗料が使用
されており、使用用途も着実に広がっている。
一方、社会的ニーズとして、美装性の向上および輸送
費の低減を企図し、塗工層の軽量化が望まれている。こ
れらの時代的背景から、水系でしかも不透明性、光沢、
レベリング性に起因する美装性に優れた、軽量塗料が要
求されるようになった。
ところで、美装性の良い無機顔料、例えば酸化チタ
ン、炭酸カルシウムなどを多く配合すると、水系の場
合、塗料の粘性がチキソトロピックになり、塗工時にレ
ベリング不良となり、美しい塗工面が得られ難いほか
に、無機顔料自身が高比重のため、得られる塗料の軽量
化が不可能である。
このように、従来技術では、水系塗料において美装性
の向上にも限界があり、また軽量化と両立させることは
至難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたも
ので、軽量化が可能でかつ美装性に優れた焼き付け可能
な水性塗料用組成物を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、トルエン不溶分が50%以上でガラス転移温
度が60℃以上のカルボキシル基含有中ポリマー粒子(以
下、単に「中空ポリマー粒子」ということがある)を、
カルボキシル基含有アクリル系重合体100重量部に対
し、1〜200重量部配合した焼き付け可能な水性塗料用
組成物を提供するものである。
本発明に使用される中空ポリマー粒子は、トルエン不
溶分が50%以上でガラス転移温度(Tg)が60℃以上のカ
ルボキシル基含有中空ポリマー粒子であることが必要で
あり、それ以外の中空粒子では本発明の目的とする断熱
性、保温性、軽量性などの効果が得られない。
本発明で使用される中空ポリマー粒子は、トルエン不
溶分が50%以上、好ましくは70%以上であり、かつガラ
ス転移温度が60℃以上、好ましくは80℃以上、さらに好
ましくは150℃以上であり、トルエン不溶分が50%未満
あるいはガラス転移温度が60℃未満では、本発明の目的
とする軽量化、美装性の効果が得られない。
ここで、トルエン不溶分とは、25℃で充分乾燥したポ
リマー粒子10gに、100ccのトルエンを加え、24時間後の
ポリマー粒子の不溶分を重量で測定して、不溶分を計算
した値である。
さらに、本発明で使用される中空ポリマー粒子は、軽
量でしかも不透明性、光沢、レベリング性、美装性の良
好な塗膜を得るためには、カルボキシル基を含有してい
ることが必要である。
すなわち、中空ポリマー粒子にカルボキシル基を含有
していない場合には、塗料が不安定となりミクロ的な凝
集を起こして、粘性に悪影響を与えてレベリング不良と
なり、また得られる塗膜は、空隙が多い構造となり、光
沢も悪いと同時に耐水性も劣る結果となる。仮に、カル
ボキシル基を含有させない中空ポリマー粒子を用いて、
この代わりにミクロ凝集を抑えるために界面活性剤を添
加しても、得られる塗膜の光沢および耐水性が低下する
ことになる。
本発明に使用される中空ポリマー粒子に含有されるカ
ルボキシル基の量は、例えば該中空ポリマー粒子を構成
するエチレン性不飽和カルボン酸の組成を0.5〜30重量
%、好ましくは3〜10重量%程度になせばよく、0.5重
量%未満では得られる塗料が不安定となり、塗工性が悪
く、一方30重量%を超えるとレベリング性がやや劣る傾
向となる。
なお、中空ポリマー粒子の粒径は、外径が0.05〜50μ
m、好ましくは0.07〜5μm、さらに好ましくは0.1〜
1.0μmであり、0.05μm未満では塗膜が割れやすくな
り、一方50μmを超えると、塗面の平滑性が悪くなり、
光沢が劣ると同時に、塗工層が経時的汚染を受けやすく
なる。
また、中空ポリマー粒子は、軽量化、美装性のバラン
スを考慮すると、内径が外径の0.2〜0.8倍、好ましくは
0.4〜0.7倍であり、0.2未満では不透明性、軽量化が劣
り、一方0.8倍を超えると硬度不良となる傾向がある。
このような中空ポリマー粒子は、種々の方法により製
造することができ、例えば (I)ポリマー粒子中に発泡剤を含有させ、その後この
発泡剤を発泡させる方法、 (II)ポリマーにブタンなどの揮発性物質を封入し、そ
の後この揮発性物質をガス化膨潤させる方法、 (III)ポリマーを溶融させ、これに空気などの気体ジ
エットを吹きつけ、気泡を封入する方法、 (IV)ポリマー粒子の内部にアルカリ膨潤性の物質を浸
透させて、アルカリ膨潤性の物質を膨潤させる方法、 (V)W/O/W型モノマーエマルジョンを作製し、重合を
行う方法、 (VI)不飽和ポリエステル溶液中に顔料を懸濁させた懸
濁溶液中でモノマーを重合する方法、 (VII)架橋ポリマー粒子をシードとし、相溶性の異な
るポリマーをそのシード上に重合、架橋する2段階架橋
方法、 (VIII)ポリマーの重合収縮により製造する方法、 などがあり、好ましい態様としては、(VIII)ポリマー
の重合収納により製造する方法である。
例えば、(a)架橋性モノマー1〜50重量%、(b)
エチレン性不飽和カルボン酸1〜40重量%および/また
はその他の親水性モノマー5〜99重量%からなる親水性
モノマー(以下「(b)親水性モノマー」という)1〜
99重量%および(c)前記(a)架橋性モノマーあるい
は(b)親水性モノマーと共重合可能なその他の重合性
モノマー(以下「(c)その他の重合性モノマー」とい
う)0〜85重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=
100重量%)よりなる重合性モノマー成分(イ)100重量
部を、該重合性モノマー成分(イ)のポリマーとは異な
る組成の異種ポリマー(ロ)1〜100重量部の存在下に
おいて水中に分散し、次いで前記重合性モノマー成分
(イ)を重合させることによって内孔を有する中空ポリ
マー粒子(A)を得ることができる(特開昭62−127336
号公報参照、以下「中空ポリマー粒子(A)」とい
う)。
ここで、前記(a)架橋性モノマーとしては、ジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレー
トなどのジビニル系モノマーあるいはトリビニル系モノ
マーが挙げられ、特にジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパン
トリメタクリレートが好ましい。
また、(b)親水性モノマー中のエチレン性不飽和カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、フマル酸などが挙げられる。
さらに、(b)親水性モノマー中のその他の親水性モ
ノマーとしては、ビニルピリジン、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド、スチレンス
ルホン酸ナトリウム、酢酸ビニル、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、(c)その他の重合性モノマーとしては、ラ
ジカル重合性を有するものであれば特に制限されず、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハ
ロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル単量体、プロピオ
ン酸ビニルなどのビニルエステル類、エチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタクリレートなどのエチレン
性不飽和カルボン酸アルキルエステル、ブタジエン、イ
ソプレンなどの脂肪族共役ジエンなどが挙げられ、好ま
しくはスチレンである。
本発明で使用される中空ポリマー粒子を製造するに
は、重合時におけるポリマー粒子内部での内孔の形成を
より促進させるために、重合時にあらかじめ水性分散体
中に異種ポリマー(ロ)を共存させる必要がある。この
異種ポリマー(ロ)は、少なくとも前記重合性モノマー
成分(イ)が重合されて得られるポリマーとは異なる種
類あるいは組成のポリマーであること、および重合性モ
ノマー成分(イ)に溶解し易いものであること、が必要
とされる。
このような異種ポリマー(ロ)としては、例えばポリ
スチレン、カルボキシ変性ポリスチレン、カルボキシ変
性スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジ
エンコポリマー、スチレン−アクリル酸エステルコポリ
マー、スチレン−メタクリル酸エステルコポリマー、ア
クリル酸エステルコポリマー、メタクリル酸エステルコ
ポリマー、カルボキシ変性スチレン−アクリル酸エステ
ルコポリマー、カルボキシ変性スチレン−メタクリル酸
エステルコポリマー、カルボキシ変性メタクリル酸エス
テルコポリマーなどが挙げられる。
これらのうち、特にポリスチレンまたはスチレン成分
を50重量%以上含むスチレンコポリマーが好ましい。
異種ポリマー(ロ)の使用量は、重合性モノマー成分
(イ)100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは2
〜50重量部、さらに好ましくは5〜20重量部であり、1
重量部未満では内孔を形成する効果が小さく、一方100
重量部を超えると多くなりすぎかえって内孔の形成が抑
制される傾向を生ずる。
異種ポリマー(ロ)を水性分散体中に存在させて重合
を行う場合、 (I)異種ポリマー(ロ)を固体微粒子の状態で用い、
この微粒子を水性媒体中に分散させ、重合性モノマー成
分(イ)および必要とあれば油性物質を吸収させて後重
合させる方法、 (II)異種ポリマー(ロ)を重合性モノマー成分(イ)
および必要とあれば油性物質に溶解して溶液状態とし、
この油性溶液を水性媒体中に分散させて後重合する方
法、などが挙げられる。
かくして、重合工程においては、異種ポリマー(ロ)
の相分離による核が発生し、この核を中心に重合性モノ
マー成分(イ)のポリマーの重合収縮が生じて内孔が形
成され、さらにポリマーの外壁をとおして水が内孔に入
り込み、あるいは油性物質が存在する場合には、該油性
物質が内孔に集中して内孔が拡大する。
本発明に使用される中空ポリマー粒子としては、前記
中空ポリマー粒子(A)のほかに、該粒子(A)の表面
にさらに(d)エチレン性不飽和カルボン酸0〜80重量
%と(e)他の共重合可能なモノマー100〜20重量%か
らなるモノマーまたはモノマー混合物の重合体被膜を形
成させた第2の中空ポリマー粒子(B)であってもよい
(特願昭63−76437号明細書参照)。
ここで、(d)エチレン性不飽和カルボン酸として
は、前記(b)親水性モノマー中のエチレン性不飽和カ
ルボン酸を挙げることができる。
また、(e)他の共重合可能なモノマーとしては、例
えば芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物、アクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステル、脂肪族共役ジエ
ン、有機酸ビニル化合物、α−オレフィン類、ビニルエ
ーテル類、ハロゲン化ビニリデン類、ヒドロキシル基含
有モノマー、アミノ基含有モノマー、グリシジル基含有
モノマー、アミド系モノマーおよび架橋性モノマーなど
が好ましく用いられる。以上の中空ポリマー粒子(B)
の詳細については、特願昭63−76437号明細書において
詳述されている。
以上の本発明に使用される中空ポリマー粒子は、乾燥
して中空にした粒子であってもよいし、粒子中に水を含
有し、乾燥後に中空になるものであってもよい。
次に、本発明の水性塗料用組成物に用いられるバイン
ダーは、カルボキシル基を含有するアクリル系重合体で
あれば特に制限されない。
このカルボキシル基含有アクリル系重合体としては、
例えば(f)エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜30重量
%、(g)エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル70〜99.5重量%、および(h)前記(f)〜(g)と
共重合可能な他の単量体0〜30重量%(ただし、(f)
+(g)+(h)=100重量%)からなる共重合体を挙
げることができる。
ここで、(f)エチレン性不飽和カルボン酸、(g)
エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル、および
(h)共重合可能な他の単量体としては、これに対応す
る前記の各種単量体を挙げることができる。
バインダーとして使用されるカルボキシル基含有アク
リル性重合体中のエチレン性不飽和カルボン酸の使用量
が0.5重量%未満では、水性塗料用組成物が不安定とな
り、塗工時にやや凝集物が発生しやすくなり、一方30重
量%を超えるとやや耐水性が悪くなる傾向がある。
このカルボキシル基含有アクリル系重合体の形態とし
ては、水溶性、超微粒子、エマルジョンのいずれの形態
でもよいが、水溶性もしくは平均粒子径が800Å以下で
あって、しかもガラス転移温度が40℃以上および平均分
子量が1,000〜50,000のものが好ましい。
すなわち、前記カルボキシル基含有アクリル系重合体
の平均粒子径が800Åを超えると、得られる水性塗料用
組成物のレベリング性が悪化する傾向にあり、またガラ
ス転移温度が40℃未満では硬度のある塗膜ができない。
さらに、該アクリル系重合体の平均分子量が1,000未満
では架橋剤を加えても得られる塗膜の硬度が低くなり、
塗膜に傷が付きやすくなり、一方50,000を超えると水性
塗料用組成物の粘度が高くなり、塗工作業性が劣る傾向
となる。
なお、本発明に使用されるカルボキシル基含有アクリ
ル系重合体には、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの架
橋剤を該重合体100重量部に対し3〜50重量部程度併用
することにより、得られる塗膜の硬度をさらに高めるこ
ともできる。
本発明の水性塗料用組成物における中空ポリマー粒子
とカルボキシル基含有アクリル系重合体との配合割合
は、該アクリル系重合体100重量部に対し、中空ポリマ
ー粒子を1〜200重量部、好ましくは10〜100重量部配合
することが必要であり、1重量部未満では本願の目的と
する軽量化、不透明性、レベリング性が達成できず、一
方200重量部を超えると密着性、塗膜の耐割れ性が低下
する。
本発明のカルボキシル基含有中空ポリマー粒子を含有
する水性塗料用組成物には、前記したバインダーとして
のカルボキシル基含有アクリル系重合体のほかに、他の
バインダー、無機顔料、有機顔料、可塑剤、造膜助剤、
架橋剤、増粘剤、消泡剤、凍結防止剤、分散剤、溶剤、
防腐剤、水混和用有機溶剤、pH調整剤などの添加剤を加
えることができる。
なお、本発明の水性塗料用組成物の固形分濃度は、通
常、20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%程度であ
る。
本発明の水性塗料用組成物は、塗工後、80〜250℃、
好ましくは120〜200℃の温度で乾燥、焼き付けすること
ができ、このような温度で焼き付けすることによってカ
ルボキシル基含有アクリル系重合体の造膜性、架橋性に
好ましい結果を与えると同時に、中空ポリマー粒子の若
干の軟化による融着により、美装性を持ち、硬度のある
塗膜が得られる。この焼き付け温度が80℃未満である
と、カルボキシル基含有アクリル系重合体の造膜性や架
橋の効果が出にくく、一方250℃を超えると、中空ポリ
マー粒子が熱により潰れを生じて、軽量化効果と不透明
性が得られなくなる。
なお、本発明の水性塗料用組成物を用いて塗装される
基材としては、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、
亜鉛、亜鉛メッキ鋼、ジュラルミン、PCM鋼などの金属
類、ABS、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、アセタール樹脂、ポリエステル、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリイミド、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂などのプラスチック類、ゴム、ガラス、木、各種繊
維、各種フィルム、コンクリート、各種テープ、タイ
ル、皮革などが挙げられ、特に金属類に塗装した場合、
本発明の目的とする効果が一段と発揮することができ
る。
本発明の水性塗料用組成物は、良好な美装性と軽量化
を利用して、航空機、船、自動車、自転車、電車、産業
機械、家庭電気製品、建材、屋根材、包装材、電子材
料、各種容器、木工家具、包装容器、瓦などの多くの家
庭用品、工業用品に用いることができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明す
る。
なお、実施例中における部および%は特に断らない限
り、重量基準である。
実施例1〜6、比較例1〜5 中空ポリマー粒子Aの製造 スチレン100部、t−ドデシルメルカプタン10部を、
水200部にラウリル硫酸ナトリウム0.5部および過硫酸カ
リウム1.0部に溶かした水溶液に入れ、撹拌しながら70
℃で8時間重合してポリマー粒子を得た。このポリマー
粒子は、平均粒子径0.22μm、トルエン不溶分3%、GP
Cによる数平均分子量4,100、重量平均分子量と数平均分
子量との比であるMw/Mn=2.4であった。
次いで、このポリマー粒子を種粒子として用い、この
ポリマー粒子を固形分で20部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル0.1部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3
部および過硫酸カリウム0.5部を、水900部に分散した。
これに、メチルメタクリレート80部、ジビニルベンゼ
ン(純品換算)4部、メタクリル酸6部、スチレン10部
およびトルエン20部の混合物を加えて70℃で5時間重合
したところ、重合収率98%でトルエンを粒子内部に含む
カプセル粒子の分散液が得られた。
このようにして得られた分散液をスチームストリッピ
ングしたのち、ポリマー粒子を透過型電子顕微鏡で観察
したところ、このポリマー粒子は中央部が透けており、
完全な球形のカプセル粒子であることが分かった。この
カプセルポリマー粒子は、外径が0.51μm、内径が0.3
μm、トルエン不溶分80%、ガラス転移温度が130℃で
あった。
各種ポリマー粒子B〜Lの製造 単量体組成および乳化剤を変更する以外は、中空ポリ
マー粒子Aとほぼ同様の方法で、第1表に示す組成の各
種中空ポリマー粒子B〜Lを製造した。これらの中空ポ
リマー粒子は、外径がすべて0.3〜40μmの範囲で、内
径が外径の0.54〜0.72倍であった。
カルボキシル基含有アクリル系重合体の製造 第1表に示す単量体組成を用い、分子量調整剤(t−
ドデシルメルカプタン)を用い、インクレメント重合法
による以外は、通常の乳化重合法により、各種カルボキ
シル基含有アクリル系重合体を製造した。
水性塗料用組成物の調製 このようにして製造した各種の中空ポリマー粒子、カ
ルボキシル基含有アクリル系重合体、および無機顔料
(二酸化チタン)を所定量配合し、その後、該アクリル
系重合体100部に対してメチロールメラミン5部、ポリ
アクリル酸ナトリウム1部、可塑剤(大八化学(株)
製、テキサノール)2部、消泡剤(サンノプコNXZ)0.1
部を添加して各種水性塗料用組成物を作製した。
塗工板の製造 各種の水性塗料用組成物を、アルミニウム板、あるい
は鉄板に、塗布直後10μmの厚さになるようにスプレー
塗装し、第1表に示す乾燥、焼き付け処理を行い、塗工
板を製造した。
品質の評価 このようにして製造されたこの塗工板を用いて不透明
性、光沢、レベリング性、軽量化、硬度、耐割れ性を評
価した。
ここで、不透明性、光沢、レベリング性は、目視評価
により行い、相対評価した。
◎;極めて優れている。
○;良好である。
△;市販レベルである。
×;かなり劣る。
軽量化は、乾燥塗工面の重量に基づき、次のように判
定した。
◎;軽量化が極めて良好である。
○;軽量化が良好である。
△;やや軽量化されている。
×;ほとんど軽量化されていない。
さらに、硬度は、3Hを超えるものを◎、3〜2Hを○、
1H以下を△と評価した。
さらに、耐割れ性は、塗工板を120゜に折り曲げてク
ラック状態を目視評価を行い、相対評価した。
◎;全く割れが発生しない。
○;ほとんど割れが発生しない。
△;やや割れが発生する。
×;多く割れが発生する。
第1表から明らかなように、トルエン不溶分が50%以
上でかつガラス転移温度が60℃以上のカルボキシル基含
有中空ポリマー粒子を、バインダー100部に対し、1〜2
00部配合した本発明の水性塗料用組成物は、80〜250℃
の温度で焼き付け可能であり、軽量でしかも不透明性、
光沢、レベリング性の良い、美装性に優れた塗工材が得
られることが分かる。
*)MMA=メチルメタクリレート、DVB=ジビニルベンゼ
ン、MAA=メタクリル酸、ST=スチレン、2EHA=2−エ
チルヘキシルアクリレート、EDMA=エチレングリコール
ジメタクリレート、AN=アクリロニトリル、EMA=エチ
ルメタクリレート、BA=ブチルアクリレート、AA=アク
リル酸、を示す。
〔発明の効果〕
本発明の水性塗料用組成物は、軽量化が可能でかつ美
装性に優れた焼き付け可能であり、この良好な美装性と
軽量化を利用して、航空機、船、自動車、自転車、電
車、産業機械、家庭電気製品、建材、屋根材、包装材、
電子材料、各種容器、木工家具、包装容器、瓦などの多
くの家庭用品、工業用品に有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルエン不溶分が50%以上でガラス転移温
    度が60℃以上のカルボキシル基含有中空ポリマー粒子
    を、カルボキシル基含有アクリル系重合体100重量部に
    対し、1〜200重量部配合した焼き付け可能な水性塗料
    用組成物。
  2. 【請求項2】中空ポリマー粒子の外径が50μm以下で、
    内径が外径の0.2〜0.8倍である請求項1記載の焼き付け
    可能な水性塗料用組成物。
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