JP3260841B2 - 水性被覆組成物 - Google Patents
水性被覆組成物Info
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Description
無機質基材を被覆する上で有用な水性被覆組成物および
その製造方法に関する。さらに詳細には、上塗り塗料と
無機質基材との密着性を改良する水性下地処理剤、例え
ば、無機質基材の表面に塗布し、弱い部分を補強し、上
塗り塗料と基材の密着性を向上させる用途や、壁材や屋
根材などの塗装剤として好適な水性被覆組成物およびそ
の製造方法に関する。
に伴なって、施工性及び製造コスト面の有利さから、セ
メントを主たる原料とする無機質成形基材からなる建築
基材の使用量が増大している。前記建築基材は、例え
ば、現場で打設されるコンクリート、軽量コンリート、
気泡コンクリート、石綿コンリート、非石綿コンクリー
ト、ケイ酸カルシウムなどで形成されている。また、建
築基材には、美観を高めると共に保護するため、高分子
材料を含む種々の塗料が塗布されている。
り、下塗り剤や中塗り剤を介して塗装されている。しか
し、建築基材は、多孔質であり、しかもアルカリ成分や
水を含んでいる。そのため、従来の塗料を塗布しても、
剥離、フクレ、変色、エフロレッセンスなどの塗膜欠陥
が生じ易い。一方、このような塗膜欠陥を改良すると、
塗膜の耐ブロッキング性、耐アルカリ性および耐候性
や、塗料の安定性が損われる。従って、従来の塗料で
は、これらの相反する特性を両立させることが困難であ
る。
において、軟質ポリマー粒子が硬質ポリマーにより被覆
された水性エマルジョンに、有機溶剤を添加したアスベ
スト飛散防止用塗料組成物について提案した。
でいるため、被膜の密着性、耐水性及び耐ブロッキング
性が劣る。特に、乳化剤の存在下、乳化重合により得ら
れた水性エマルジョンに界面活性剤をさらに添加する
と、密着性、耐水性及び耐ブロッキング性が著しく低下
する。そのため、建築基材に対する密着性、耐水性など
を高めるためには、ポリマー粒子に架橋性可能基を導入
する必要がある。
は、乳化剤を含み、かつ架橋性官能基を導入しなくて
も、密着性、耐水性、耐ブロッキング性、耐アルカリ性
および耐候性に優れた塗膜を形成できる水性被覆組成物
およびその製造方法を提供することにある。
含む多孔質基材に好適に適用される水性被覆組成物およ
びその製造方法を提供することにある。
マーを構成するモノマーを乳化重合した後、硬質ポリマ
ーを構成するモノマーを乳化重合した水性エマルジョン
に、シリコーン系化合物、老化防止剤及び有機溶剤を添
加すると、乳化剤を含むにも拘わらず、架橋性官能基を
導入しなくても、前記目的を達成できることを見いだ
し、本発明を完成した。
以下の軟質ポリマー相と、ガラス転移点30℃を超える
硬質ポリマー相とで構成されたポリマー粒子を含む水性
エマルジョンと、乳化剤とを含む組成物であって、更に
シリコーン系化合物、老化防止剤及び有機溶剤を含む水
性被覆組成物を提供する。
は、下記のトボルスキ(Tobolsky) の計算式により算出
される値を意味する。
はモノマーaのホモポリマーのガラス転移点(゜K)、
Tgbはモノマーbのホモポリマーのガラス転移点(゜
K)、Wa はモノマーaの重量分率、およびWb はモノ
マーbの重量分率を示す] 本発明の組成物に含まれる水性エマルジョンのポリマー
粒子は、軟質ポリマー相と硬質ポリマー相とで構成され
た異相構造を有している。ポリマー粒子の構造は、ミク
ロドメイン構造であってもよく、コア/シェル構造であ
ってもよい。ポリマー粒子において、軟質ポリマー粒子
は少なくとも部分的に硬質ポリマーで被覆されていても
よく、逆に、硬質ポリマー粒子は少なくとも部分的に軟
質ポリマーで被覆されていてもよい。
ー粒子が少なくとも部分的に硬質ポリマーで被覆された
ポリマー粒子、特に、軟質ポリマー粒子で構成されたコ
アと、このコアを被覆する少なくとも1つの層からなる
シェルとで構成され、前記シェルの少なくとも最外層が
硬質ポリマーで形成されているポリマー粒子を含んでい
る。このような水性エマルジョンは、軟質ポリマーにみ
られるように被膜成形能が高いにも拘らず、タックがな
く耐ブロッキング性が高いという特色がある。
のモノマー、例えば、アクリレート、メタクリレート;
スチレン系モノマー;酸性モノマー;その他のモノマー
を用いて調製できる。なお、以下、特に断りがない限
り、アクリレート及びメタクリレートを(メタ)アクリ
レートと総称する。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル
(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリ
レートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;フ
ェニル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)ア
クリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラ
ルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)
アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートな
どのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を
有する(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレ
ート;グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジ
ル基を有する(メタ)アクリレート;エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜12程度のアル
キル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが含まれ
る。ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートやグ
リシジル基を有する(メタ)アクリレートを併用する場
合も多い。
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが含まれ
る。スチレン系モノマーとしてスチレンが繁用される。
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン
酸半エステル、マレイン酸、マレイン酸半エステルなど
のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレンスル
ホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウムなどの
α,β−エチレン性不飽和スルホン酸などが挙げられ
る。好ましい酸性モノマーには、アクリル酸、メタクリ
ル酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸が含ま
れる。
ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニルや、バ
ーサチック酸ビニル等のVeoVaと称されるビニルエ
ステル;(メタ)アクリロニトリル;エチレン、ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレンなどのオレフィン;
(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリル
アミドなどのアミド基を有するα,β−エチレン性不飽
和化合物;アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル
基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物;N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)
アクリルアミドなどのN−メチロール基又はN−アルコ
キシメチル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合
物;メチルビニルケトンなどのビニルケトン;メチルビ
ニルエーテルなどのビニルエーテル;クロトンアルデヒ
ド;ジエチルフマレート、ジプロピルフマレート、ジブ
チルフマレート、ジ(2−エチルヘキシル)フマレート
などのフマル酸エステルやこれらに対応するマレイン酸
エステル;アリルアルコール;塩化ビニルなどのハロゲ
ン化ビニル;酢酸アリルなどのアリルエステルなどが例
示される。
用できる。水性エマルジョンのポリマー粒子は、(1)
ポリマー粒子のガラス転移温度を容易に調整できる(メ
タ)アクリル系単量体を主成分とする(メタ)アクリル
系ポリマー及びスチレン−アクリル系ポリマー、特に
(メタ)アクリル系ポリマーで構成されているのが好ま
しい。(メタ)アクリル系単量体の使用量は、例えば、
全単量体中、50重量%以上、好ましくは75〜100
重量%、さらに好ましくは90〜100重量%程度であ
る。
体は、水性エマルジョンの安定性を高めるため、酸性モ
ノマー、特にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含
んでいる。また、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
のカルボキシル基を、アンモニア、アミン類などの塩基
性物質で中和すると、水性エマルジョンの安定性をさら
に高めることができる。α,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸の使用量は、ラジカル重合性不飽和単量体の全量
中、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量
%程度である。
は、架橋性官能基を導入しなくてもよいが、被膜の密着
性、耐水性及び可撓性を高めるため、グリシジル基、N
−メチロール基またはN−アルコキシメチル基などの架
橋性官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体を使用
してもよい。架橋性官能基を有する単量体の量は、ラジ
カル重合性不飽和単量体の全量中、0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜15重量%程度である。
ーは、単独重合体であってもよいが、好ましくは共重合
体で構成されている。共重合体を形成するラジカル重合
性不飽和単量体は、例えば、ガラス転移温度50℃以
上、好ましくは70℃〜130℃程度の硬質ポリマーを
形成するハードモノマーと、ガラス転移温度20℃以
下、好ましくは−100℃〜0℃程度の軟質ポリマーを
形成するソフトモノマーとを組合せて使用される場合が
多い。
ば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、ス
チレンなどが挙げられ、代表的なソフトモノマーとして
は、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。ハー
ドモノマーとソフトモノマーとの割合は、モノマーの種
類、所望するポリマーのガラス転移温度に応じて、広い
範囲で選択でき、例えば、ハードモノマー/ソフトモノ
マー=10〜90/90〜10(重量比)、好ましくは
25〜75/75〜25(重量比)程度である。
ポリマーは、ガラス転移点30℃以下、好ましくは−8
0〜25℃、さらに好ましくは−30〜20℃程度のポ
リマーで形成されている。軟質ポリマーのガラス転移点
が30℃を超えると、被膜の柔軟性が乏しくなるととも
に、耐久性、密着性や耐水性が低下する。
以上、さらに好ましくは75℃〜120℃、特に80〜
110℃程度のポリマーで形成されている。硬質ポリマ
ーのガラス転移点が30℃以下であると、被膜の耐候性
及び耐ブロッキング性が低下し易い。
軟質ポリマー/硬質ポリマー=5〜95/95〜5(重
量%)、好ましくは25〜75/75〜25(重量%)
程度である。軟質ポリマーの割合が5重量%未満では、
被膜の柔軟性が乏しく、耐久性、密着性及び耐水性が低
下し、95重量%を越えると耐ブロッキング性が低下す
る。
分子量は、通常、5×104〜40×104、好ましくは
10×104〜20×104程度である。
ている場合、コアと、シェルの最外層との間に介在する
ポリマー層のガラス転移点は、特に制限されず、例え
ば、ガラス転移点−50〜110℃程度である。また、
シェルがこのような構造を有する場合、コアとシェルの
最外層との間に介在するポリマー層の組成は連続的に変
化していてもよく、シェルの最外層は、介在するポリマ
ー層から連続的に変化した組成のポリマーで形成されて
いてもよい。
は、水媒体中で、多段に乳化重合する方法において、ガ
ラス転移点が30℃以下のポリマーを構成する少なくと
も一種のモノマーを乳化重合し、得られた重合体エマル
ジョンの存在下、乳化重合の少なくとも最終段階で、ガ
ラス転移点が30℃を越えるポリマーを構成する少なく
とも一種のモノマーを乳化重合することにより調製でき
る。
からなるシェルとで構成された2層構造のポリマー粒子
を含むエマルジョンを製造する場合には、先ず、コアを
構成する少なくとも1種のモノマーを、水媒体中で乳化
重合し、得られた重合体エマルジョンの存在下、シェル
を構成する少なくとも1種のモノマーを添加して乳化重
合する二段重合法により調製できる。多層構造のポリマ
ー粒子を含むエマルジョンを製造する場合には、前記と
同様にしてコアを形成した後、得られた重合体エマルジ
ョンの存在下、組成の異なるモノマーを順次段階的にフ
ィードして乳化重合し、乳化重合の最終段階で、シェル
の最外層を構成する少なくとも1種のモノマーをフィー
ドして乳化重合するマルチステージ重合法により調製で
きる。さらに、連続層構造のポリマー粒子を含むエマル
ジョンは、例えば、前記と同様にしてコアを形成した
後、得られた重合体エマルジョンの存在下、最終的にシ
ェルの最外層を構成するモノマー組成となるように、モ
ノマー組成を連続的に変化させながらフィードして重合
するパワーフィード重合法により調製できる。
モノマーの種類、ソフトモノマーとハードモノマーとの
割合などを変化させることにより、コア/シェル構造に
限らず、ミクロドメイン構造などのポリマー粒子を生成
させることができる。
アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤、お
よび水溶性ポリマー、水溶性オリゴマー等の保護コロイ
ドから選択された少なくとも一種の乳化剤;緩衝剤;重
合開始剤;連鎖移動剤などが使用できる。好ましい乳化
剤には、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤
および保護コロイドからえらばれた少なくとも一種の成
分が含まれる。
ルジョンとシリコーン系化合物とを含んでいる。このよ
うな水性被覆組成物は、乳化剤を含んでいても、かつ架
橋性官能基を導入しなくても、密着性、耐水性、耐ブロ
ッキング性、耐アルカリ性および耐候性に優れた塗膜を
形成できるという特色がある。
カル重合性不飽和単量体に対して0.1〜2重量%程度
の乳化剤が使用されるが、このような乳化剤の存在下で
得られた水性エマルジョンにさらに界面活性剤を添加す
ると、通常、被膜の耐水性および密着性などが低下す
る。特に乳化重合時の乳化剤として界面活性剤を用いる
と、密着性及び耐水性の低下が大きい。これに対して、
本発明の水性被覆組成物によれば、水性エマルジョンの
樹脂固形分に対する乳化剤、特に耐水性などを低下させ
る界面活性剤の使用量を1〜15重量%程度としても、
被膜の密着性及び耐水性が低下しない。本発明において
は、界面活性剤を水性エマルジョンに添加すると、反っ
て、多孔質基材への浸透性、被膜の成膜性及び密着性が
向上する。
る乳化剤の含量は、水性エマルジョンの樹脂固形分に対
して1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%程度と
するのが好ましい。なお、乳化剤としては、前記種々の
乳化剤、好ましくはアニオン系界面活性剤及び/又はノ
ニオン系界面活性剤が添加される。
ガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン
などのジアルキルポリシロキサン、ポリジフェニルシロ
キサンなどのポリアリールシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサンなどのポリアルキルアリールシロキサン
からなるシリコーンオイルやシリコーン樹脂;アミノ変
性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル
変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエー
テル変性シリコーンなどの変性シリコーンオイル;アル
キルアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシ)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリメキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング
剤、ケイ酸ナトリウムなどのアルカリケイ酸塩、コロイ
ダルシリカなどの水溶性ケイ酸塩などが挙げられる。こ
れらのシリコーン系化合物は一種又は二種以上混合して
使用できる。
ーンオイル、変性シリコーンオイル(例えば、ポリエー
テル変性シリコーンなどの親水性基を有する変性シリコ
ーン)、シリコーン樹脂分散体やシランカップリング剤
が含まれる。
ルジョンの樹脂固形分に対して0.05〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%程度である。シリコーン系
化合物の使用量が0.05重量%未満では耐水性、密着
性、耐汚染性、耐ブロッキング性がさほど改善されず、
10重量%を越えると被膜形成能が低下すると共に、シ
リコーンオイルを用いる場合には塗装時にハジキに起因
するフィッシュアイなどの欠陥が生じ易い。なお、シラ
ンカップリング剤は、水性エマルジョンの樹脂固形分に
対して、0.1〜7.5重量%、好ましくは0.5〜5
重量%程度の範囲で使用してもよい。
よく、有機溶媒溶液又は水分散液として水性エマルジョ
ンに添加してもよい。
をバランスよく備えている。すなわち、高い成膜性及び
柔軟性を有しつつ耐ブロッキング性、密着性、耐水性が
高く、耐アルカリ性および耐候性も兼ね備ている。
を高めるため、老化防止剤を含んでいる。老化防止剤と
しては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒ
ンダードアミン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;ア
ミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾールなどのフェノール系酸化防止剤、ジミリスチルチ
オジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤、トリノニ
ルフェニルホスファイトなどのリン系酸化防止剤などの
酸化防止剤が挙げられる。好ましい老化防止剤には紫外
線吸収剤が含まれる。水性被覆組成物による被膜の劣化
を有効に防止するためには、紫外線吸収剤と酸化防止剤
とを併用してもよい。
ルジョンの樹脂固形分に対して0.01〜5重量%、好
ましくは0.1〜5重量部程度である。老化防止剤の使
用量が0.01重量%未満であると耐候性が低下し、5
重量%を越えると水性被覆組成物の安定性が低下する場
合がある。
水性エマルジョンに添加される場合が多い。
い。着色剤を含む水性被覆組成物は、被膜の耐ブロッキ
ング性及び耐候性を高めることができる。着色剤として
は、染料を使用してもよいが、耐候性を高めるため、顔
料を使用する場合が多い。
色顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの体質顔
料、クロムイエロー、カドミウムイエローなどの無機黄
色顔料、カドミウムレッド、ベンガラなどの無機赤色顔
料、紺青、群青などの無機青色顔料、カーボンブラック
などの無機黒色顔料、ハンザイエロー、ベンシジンイエ
ローなどの有機黄色顔料、ピラゾロンオレンジ、バルカ
ンオレンジなどの有機橙色顔料、ブリリアントファース
トスカーレット、ピラゾロンレッド、ウォッチャングレ
ッド、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6Bなど
の有機赤色顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーンなどの有機青色顔料、染料などが挙げられ
る。着色剤は一種又は二種以上併用することができる。
の着色剤のうち有色着色剤、特に耐候性の高い着色剤が
好ましい。
脂固形分に対して0.5〜40重量%、好ましくは2〜
30重量%程度である。着色剤の使用量が0.5重量%
未満であると隠蔽性、耐候性および耐ブロッキング性が
小さく、40重量%を越えると塗膜の密着性が低下する
場合がある。
て水性エマルジョンに添加される場合が多い。
剤を含んでいる。有機溶剤には、慣用の溶剤、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;シク
ロヘキサンなどの脂環族系溶剤;ヘキサンなどの脂肪族
系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、テキサノール等のアルコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、アセチレン
グリコール等の多価アルコール類;メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブなどのセロソルブ系溶剤;エチルセロソルブアセテ
ート、ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコ
ールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノ
ブチルアセテートなどのセロソルブアセテート類;酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類;これらの混合溶剤などが挙
げられる。
いポリマーを構成ポリマーとしているにも拘らず、成膜
性、ひいては耐水性及び可撓性を高めることができるだ
けでなく、多孔質基材に対する浸透性、塗膜の密着性を
高めることができる。有機溶剤の添加量は、水性エマル
ジョンの固形分に対して、1〜40重量%、好ましくは
5〜35重量%程度である。有機溶剤の量が1重量部未
満の場合には、基材に対する濡れ性がさほど向上せず皮
膜の均一性が低下し易く、40重量%を越えると、臭気
が強くなり安全性が損われたり、エマルジョンの安定性
が損われる場合がある。
前記有機溶剤の添加と同様な効果を達成することができ
る。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジオクチル等のフタル酸エステル、ジオクチルマレ
ートなどのマレイン酸やフマル酸エステル、トリクロル
フォスフェート等のリン酸エステル、2,2,4−トリ
メチルペンタンジオール−1等が用いられる。
様の範囲内で選択できるが、通常、水性エマルジョンの
固形分に対して0.5〜15重量%、好ましくは1〜1
0重量%程度である。
添加剤、例えば、防錆剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、中
和剤、防腐剤、凍結防止剤等を含んでいてもよい。
エマルジョンと、シリコーン系化合物とを含むので、多
量の乳化剤を含み、かつ架橋性官能基を導入しなくて
も、密着性、耐水性、耐ブロッキング性、耐アルカリ性
および耐候性に優れた塗膜を形成できる。
に適用しても、前記の如き優れた特性を有する被膜を形
成できる。
特性を有する水性被覆組成物を製造できる。
に説明する。
トル)に、蒸溜水1000重量部、ポリオキシエチレン
ノニルフェノールエーテル(HLB=14)10重量部
及びラウリル硫酸ナトリウム10重量部を仕込み、温度
30〜40℃、40〜60rpmで攪拌し、内容物を溶
解させ、85℃に昇温した。
硫酸カリウム3重量部を添加し、スチレン260重量
部、アクリル酸ブチル270重量部及びアクリル酸5重
量部からなるソフトモノマー混合物を2時間に亘って滴
下した後、85℃で1時間保持して重合させ、軟質ポリ
マー粒子を含むエマルジョンを作製した。
チル290重量部及びアクリル酸5重量部からなるハー
ドモノマー混合物を2時間に亘って滴下した後、85℃
で1時間保持し、エマルジョンを作製した。また、エマ
ルジョンを30℃まで冷却した後、25%アンモニア水
を用いてpH8〜9に調整し、水性エマルジョンを得
た。なお、ソフトモノマー混合物とハードモノマー混合
物との割合は64:36(重量%)である。
%、平均粒子径130nm、平均分子量約17×104
であり、軟質ポリマーのガラス転移点2℃、硬質ポリマ
ーのガラス転移点105℃である。
に、ポリエーテル変性シリコーンオイル50重量部を添
加混合し、固形分47重量%の水性被覆組成物を調製し
た。
に、ポリエーテル変性シリコーンオイル50重量部と、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の5重量%キシレン溶液
40重量部とを添加混合し、固形分47重量%の水性被
覆組成物を調製した。
部、アクリル酸エチル330重量部、メタクリル酸5重
量部とし、ハードモノマー混合物をスチレン290重量
部、メタクリル酸5重量部とする以外、実施例1と同様
にして水性エマルジョンを調製した。なお、得られた水
性エマルジョンの固形分濃度は38重量%、平均粒子径
170nm、平均分子量約17×104であり、軟質ポ
リマーのガラス転移点15℃、硬質ポリマーのガラス転
移点100℃である。
に、ビニルトリエトキシシラン30重量部、ベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤の5重量%キシレン溶液40重量
部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(酸化防
止剤)の5重量%キシレン溶液20重量部を添加混合
し、固形分46重量%の水性被覆組成物を調製した。
る以外、実施例1と同様にして、シリコーン系化合物を
含まない水性エマルジョンを調製した。
に、ポリエーテル変性シリコーンオイル50重量部を添
加混合し、固形分47重量%の水性被覆組成物を調製し
た。
覆組成物を、軽量コンリート板に塗布液として約200
g/m2スプレー塗布し、熱風乾燥機により100℃で
5分間乾燥し、試験片を作製した。得られた試験片を、
下記の試験に供した。評価項目と共に評価基準を下記に
示す。
基準で評価した。
4時間放置した後、粘着テープを引き剥し、基材からの
被膜の剥離状態を、下記の基準で評価した。
直に10℃以下の冷水に浸漬した。次いで、室温で1日
間乾燥した後、被膜表面の変色状態を、下記の基準で評
価した。
時間浸漬した後、取出して水洗し、室温で1日間乾燥し
た後、被膜表面の変色状態を、下記の基準で評価した。
性被覆組成物を流し込み、50℃で3日間乾燥した後、
被膜を60℃の温水中に2時間浸漬し、取出して乾燥し
た後、20℃の恒温槽内で、折曲げ試験を行ない、被膜
の屈曲性を下記の基準で評価した。
機を用いて2kg/cm2で1時間加圧した後、加圧を
解除し、被膜表面からガーゼを引き剥し、剥離抵抗に基
づいて、被膜の耐ブロッキング性を下記の基準で評価し
た。
パーUVテスターW型)を用い、40時間の照射試験を
行ない、被膜表面の変色の程度を下記の基準で評価し
た。
覆組成物は、柔軟性を有しているにも拘らず耐ブロッキ
ング性に優れると共に、密着性、耐水性、耐アルカリ性
および耐候性が大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス転移点30℃以下の軟質ポリマー
相と、ガラス転移点30℃を超える硬質ポリマー相とで
構成されたポリマー粒子を含む水性エマルジョンと、乳
化剤とを含む組成物であって、更にシリコーン系化合
物、老化防止剤及び有機溶剤を含む水性被覆組成物。
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