JP3648851B2 - コンクリート用塗装型枠合板用水系塗料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、コンクリート用塗装型枠合板用水系塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
コンクリート用型枠合板としては、コンクリートの硬化不良防止、合板を形成している木材からくるヤニの付着による着色防止、コンクリート面との剥離性向上および型枠合板自体の耐久性向上などの目的を達成するために、合板の表面を塗料で塗装した塗装型枠合板が用いられている。
【0003】
このための塗装方法としては、まず、アクリルラッカー、アクリル/ウレタン、ポリエステル/ウレタン、塩素化ポリオレフィンなどの溶剤型塗料を塗布、乾燥する方法が提案された。ついで、この塗装方法を改良するものとして、二層の塗膜を形成する方法や三層の塗膜を形成する方法が提案されている。
【0004】
従来、二層や三層の塗膜を形成する場合、下塗り層、あるいは中間層を形成するための塗料として水性エマルジョン塗膜が用いられている。
【0005】
これらの水性エマルジョン塗料としては、ゴム系水性ラテックスや水性ウレタンエマルジョンなどがあり、その関連技術としては特開平1−192958号、3−159702号、3−193302号、3−202556号、3−293472号公報が存在する。
【0006】
ゴム系水性ラテックスとしては、特開平1−192958号公報においては、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MBR)ラテックスのほか、活性水素を有する官能基を持つようにこれらのラテックスを変性したカルボキシル化ゴム水性ラテックス、自己架橋型ゴム水性ラテックス、クロロプレンゴム水性ラテックス、ブチルゴム水性ラテックス、ポリブタジエンゴム水性ラテックスなどを挙げている。そして前記カルボキシル化ゴム水性ラテックスとは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸を共重合したカルボキシル変性SBR、NBR、MBRなどのラテックスであると述べ、さらにこれらのラテックスには共重合性のカルボン酸の1種または2種を含むターポリマーまたはマルチポリマーを使用することができると述べている。
【0007】
しかしながら、前記特開平1−192958号公報におけるカルボキシル変性ゴムラテックスにおけるゴム質共重合体の構成成分として不飽和カルボン酸エステルを併用するという概念は存在しない。
【0008】
前記特開平3−202556号公報、3−293472号にもクロロプレン系ラテックス、スチレン、ブタジエン系ラテックスなどが例示されているにとどまり、前記特開平1−192958号公報の記載を上廻る記載はない。
【0009】
また、前記ゴム系水性ラテックスのかわりに水性ウレタンエマルジョンを用いる技術も、前記特開平1−192958号公報のほか、特開平3−159702号、3−193302号、3−202556号、3−293472号、6−154704号公報などがあるが、これらの水性ウレタンエマルジョンは、塗膜の性能においては優れているが、塗料の貯蔵安定性が低いためアクリルポリアルコールとアルキルジ(ポリ)イソシアネートの2液型にして塗膜塗布直前に塗料を新たに作成しなければならず、作業性が劣る。また、ウレタンエマルジョンが一般的な汎用エマルジョンに比較し非常に高価であるため、製品のコンクリート用塗装型枠合板を安価に製造するという点でも問題がある。
【0010】
また、ゴム系水性ラテックスのかわりにアクリル酸エステル系水性エマルジョンを用いる技術も前記特開平1−192958号公報に記載されているが、これはアクリル酸もしくはメタクリル酸およびそれらのエステルならびにスチレンなどからなるアクリル酸エステル系共重合体のエマルジョンであり、この共重合成分にゴム質を与えるような脂肪族共役ジエン単量体を併用するという概念は存在していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、水系ウレタンエマルジョン塗料と同等の性能を有し、1液型で貯蔵安定性に優れ、かつ、水系ウレタンエマルジョン塗料に比較して安価な新規ゴム系水性ラテックスを用いたコンクリート用塗装型枠合板用水系塗料組成物を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)(a)脂肪族共役ジエン単量体10〜89.5重量%(重量%は単量体混合物を基 準としたものである。以下同様)、
(b)エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体5〜60重量%、
(c)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、および
(d)これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体5〜84.5重量%
よりなる単量体混合物を重合して得られたラテックスおよび
(2)エポキシ基含有硬化剤
とを含有していることを特徴とするコンクリート用塗装型枠合板用水系塗料組成物に関する。
【0013】
前記ラテックスの最低成膜温度は、50℃以下が好ましく、とくに20℃以下であることが好ましい。なお、ラテックスに任意の成膜助剤、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどを添加することにより、成膜温度を50℃以下にしたものであってもよい。成膜温度が50℃を越えるようになると、塗膜の成膜がうまく進まず、乾燥工程でクラックが発生する。なお、この成膜温度は、水性のラテックスであるため水が凍ってしまう温度より高いものであることは当然である。
この成膜温度は、JIS K 6828−1996により測定したものである。
【0014】
前記ラテックスの粒子径は、50〜500nmが好ましく、とくに50〜300nmが好ましい。50nm未満ではラテックスの粘度が著しく増加し、ラテックスの固形分濃度を高くすることができなくなる。500nmを上廻るものは、製造するために長時間を要し、生産性が悪い。
前記ラテックスの粒子径は、光散乱型粒子径測定装置(NICOMP MODEL370:PACIFIC SCIENTIFIC社製)を用いて測定し、粒子径の体積平均値を求めたものである。
【0015】
前記ラテックスのゲル量(THF不溶分)は20〜90%、とくに40〜80%が好ましい。20%を下廻ると充分な塗膜強度が得られず、また90%を上廻ると塗膜の柔軟性が低下し、クラックが発生するので好ましくない。前記、ゲル量(THF不溶分)の測定は、つぎのようにして求めたものである。
すなわち、重合体ラテックスを枠付きガラス板に流延し、23℃、65%R.Hの雰囲気下に48時間放置してフィルムを得る。このフィルムを100メッシュの金網に入れ、これを20℃のテトラヒドロフランに24時間浸漬した後、金網に残った固形分の恒量を求め、最初に金網に入れたフィルムの重量に対する残存率で示したものである。
【0016】
前記ラテックスのpHは5〜9、とくに6〜8である。pHが5〜9の範囲外では、塗料としたとき、エポキシ基含有硬化剤と前記ラテックスとの架橋反応が急速に進行し、塗料の貯蔵安定性が悪くなり、好ましくない。
【0017】
前記脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等がある。これらの単量体は共重合体ラテックスを含む塗膜に柔軟性を与える役割を担うものであり、その使用量は下限が10重量%、好ましくは20重量%、より好ましくは30重量%、上限が89.5重量%、好ましくは70重量%、より好ましくは50重量%である。下限を下廻ると塗膜はゴム弾性を失い、柔軟性に欠け、塗膜にクラックが発生する原因となる。また上限を上廻ると、ポリマーの極性が低下し、トップコートとの密着性やコンクリート離型性が低下するうえ、耐候性も低下する。
【0018】
前記エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としてはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジエチルフマレート、ジメチルイタコネート等があり、とくにメチルメタクリレートのような高TgモノマーがポリマーのTgを制御するうえで好ましい。これらの単量体は塗膜に適度な極性を与え、トップコートとの密着性を向上させる。
その使用量は、下限が5重量%、好ましくは10重量%、上限が60重量%、好ましくは40重量%である。下限を下廻るとトップコートとの密着性が低下し、上限を上廻ると、塗膜とコンクリート離型性が低下する。
【0019】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸およびマレイン酸などの不飽和カルボン酸、イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステルおよびマレイン酸モノプロピルエステルなどの不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、スチレンスルホン酸などの不飽和スルホン酸およびこれらの塩たとえばアルカリ金属塩などがある。これらの単量体はエポキシ系架橋剤と反応し、塗膜の耐水性を向上させる役割を担うものである。その使用量は、下限が0.5重量%、好ましくは1重量%、上限が10重量%、好ましくは8重量%である。下限を下廻ると硬化剤との反応が不充分で耐水性が低下するとともに、塗膜の極性が低下し、トップコートとの密着性が悪くなり、また得られるエマルジョンの機械的安定性が悪く、作業性が低下する。上限を上廻ると、硬化剤と反応しきらないフリーのカルボン酸が増加し、塗膜の耐水性が悪化し、加えて塗料としての貯蔵安定性が低下する。
【0020】
前記共重合性のエチレン性不飽和単量体としては、スチレンなどの芳香族ビニルモノマー、アクリロニトリルのようなシアノ基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレートのような水酸基含有モノマー、アクリルアミドのようなアミド基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基含有モノマーなどを挙げることができる。その使用量は、下限が5重量%、上限が84.5重量%である。
【0021】
本発明のラテックスは通常の乳化重合法によって得られるが、その乳化重合法は特に限定されるものではなく、任意の乳化重合、例えば回分式乳化重合、半連続式乳化重合、連続式乳化重合のいずれでも良く、重合温度も適宜選択される。
【0022】
乳化重合の際に使用する乳化剤は特に限定されるものではなく、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどの高級アルコールの硫酸エステル;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸塩;脂肪族スルホン酸塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸ナトリウムのようなポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型またはアルキルエーテル型などのノニオン性界面活性剤などを挙げることができ、これらの乳化剤は単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】
本発明では乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して通常5重量部以下であり、好ましくは1.5重量部以下である。多すぎると塗膜の耐水性に影響がでることがある。また、下限は乳化重合が可能なかぎりいくら少なくてもよいが、余り少ないと重合時の安定性に問題を生じることがある。
【0024】
重合の際に使用する重合開始剤は特に限定されるものではなく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性開始剤;過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤;過酸化物を重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤と組み合わせたレドックス開始剤などが挙げられる。
【0025】
重合の際には、pH調整剤、連鎖移動剤、キレート剤、無機電解質、分散剤などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0026】
更に重合終了後のラテックスに公知のpH調整剤、分散剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0027】
また、重合されたラテックスから残留単量体を除去したり、濃縮したりする工程を含むこともできる。
【0028】
前記エポキシ基含有硬化剤は、ラテックスを形成しているポリマー中のカルボン酸またはその塩と反応して塗膜を硬化できるものであれば、とくに制限はないが、その1例を挙げれば、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタアクリトールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどがある。イソシアネート系硬化剤は貯蔵安定性に劣るのに較べて、エポキシ基含有硬化剤は塗膜の耐水性と塗料の貯蔵安定性のバランスがよく好ましい。
【0029】
前記エポキシ基含有硬化剤は前記ラテックス中のポリマー固形分100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは2.5〜7.5重量部を使用する。0.1重量部を下廻ると、充分な硬化が進まず、必要とする塗膜強度が得られず、また耐水性も劣る。10重量部を上廻ると、塗料の硬化反応が貯蔵中にも進行するようになり、貯蔵安定性に欠ける。
【0030】
本発明で用いる顔料には特別の制限はないが、1例を挙げればクレー、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、サチンホワイト、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどの無機顔料のほか、任意の有機顔料を使用することができる。
【0031】
前記顔料の使用量には格別の制限はないが、ラテックス中のポリマー固形分100重量部当り、通常200〜600重量部、好ましくは300〜500重量部使用する。200重量部を下廻ると塗膜の隠蔽性が低下するとともに、塗料中のポリマー量が相対的に増加し、コスト高をまねく。600重量部を上廻ると、塗膜の耐水性や光沢が低下する。
【0032】
また、本発明のコンクリート用塗装型枠合板用の水系塗料組成物は、必要に応じて成膜助剤、水溶性高分子、分散剤、増粘剤、消泡剤、塗料等を配合したものであってもよい。
【0033】
前記コンクリート用塗装型枠合板用の水系塗料組成物は、必要に応じて目止め塗料を塗布した合板に塗布して使用する。塗布の方法は、特に限定されず、例えば、ロールコート、ナイフコート、カーテンコートおよびスプレーガンによる塗装など公知の方法が利用できる。本発明の水系塗料組成物を塗布、乾燥後に更にその上に市販の溶剤型または非溶剤型のトップコート剤を塗布することによりコンクリート用塗装型枠合板が得られる。
【0034】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0035】
実施例1
ブタジエン42重量部、スチレン31重量部、メタクリル酸メチル20重量部、アクリロニトリル5重量部、メタクリル酸2重量部、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部、α−メチルスチレンダイマー(連鎖移動剤)1重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部を軟水50重量部に添加し、撹拌混合してモノマーエマルジョンを得た。
別に、撹拌機付オートクレーブに軟水34重量部、過硫酸カリウム0.5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部を仕込み、80℃に加熱した後、前記モノマーエマルジョンのうち10%をオートクレーブに添加し、1時間反応させた。次に、過硫酸カリウム1重量部および軟水20重量部をオートクレーブに添加した後、残りのモノマーエマルジョンを4時間かけてオートクレーブに添加した。この間オートクレーブは80℃に維持した。モノマーエマルジョン添加終了後、更に4時間80℃にて反応させ、室温に冷却し、28%のアンモニア水溶液を添加してpHを7.5に調整して固形分濃度50%の本発明のコンクリート用塗装型枠合成板用ラテックスAを得た。重合転化率は98%以上であった。
以下、重合体の仕込みモノマー比等を表1に示すように変えたほかは、同様にして重合し、ラテックスBおよびCを得た。
【0036】
比較例1
実施例1と同様にして、表1に示す単量体などを用いてラテックスDおよびEを得た。
【0037】
比較例2
エチルアクリレート78重量部、メチルメタクリレート15重量部、アクリロニトリル5重量部、メタクリル酸2重量部、エチレンジグリコールジメタクリレート(架橋剤)0.2重量部(t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマーは使用せず)のエマルジョンを得、これを実施例1と同様にして乳化重合し、ラテックスFを得た。
【0038】
【表1】
【0039】
得られたラテックスの物性は下記表2のとおりである。
【表2】
【0040】
実施例2
(水系塗料組成物の製造法)
実施例1で得られた重合体水分散液(固形分濃度50%、pH7.5)200重量部に対して、酸化チタン20重量部、炭酸カルシウム350重量部、カーボンディスパージョン4重量部、分散剤0.5重量部および消泡剤0.5重量部を加え、TKホモミキサーにて十分分散させた。その分散液に、増粘剤を適量加え塗料粘度を約40PSに調整し、更に、硬化剤としてデナコールEX−611(ナガセ化成工業社製 水溶性エポキシ架橋剤、ソルビトールポリグリシジルエーテル)を4重量部加えてコンクリート用塗装型枠合板用の水系塗料組成物とした。
【0041】
(コンクリート用塗装型枠合板の製造法)
厚さ12mmのJAS型枠合板の表面に、目止め塗料としてアクリル樹脂エマルジョン系塗料を塗布、乾燥した後、本発明の水系塗料組成物を100g/m2塗布、80℃〜90℃の温度で10分から12分乾燥し、更に、2液溶剤系ウレタン樹脂塗料を塗布、乾燥してコンクリート用塗装型枠合板を作成した。
各水系塗料組成物の評価結果を表3に示す。
【0042】
比較例3
実施例2と同様にして、ラテックスD〜Fを用いて水系塗料組成物を調整し、評価を行った。また、ラテックスとしてAを用い、硬化剤を用いない水系塗料組成物についても同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
*1 貯蔵安定性:作成した塗料を40℃で7日間放置し、その間の粘度変化率および凝固物発生の有無を観測した。
*2 常態密着性:作成したコンクリート用塗装型枠合板を40℃24時間養生した後、塗装面にナイフで碁盤目状にクロスカットを入れ、セロテープ剥離を行い塗膜の剥離度合いを観測した。
*3 硬化密着性:作成したコンクリート用塗装型枠合板を105℃2時間養生した後、塗装面にナイフで碁盤目状にクロスカットを入れ、セロテープ剥離を行い塗膜の剥離度合いを観測した。
*4 寒熱繰り返し性:コンクリート型枠合板日本農林規格に準ずる。
*5 耐候性 :南面45度の角度の架台の上で1ヶ月間屋外暴露し、塗装面に割れや剥離等の欠点が生じていないかを調べる。
*6 コンクリート離型性:試験用鉄製枠(厚み30cm、高さ1m、幅1.8m)を作成し、この鉄製枠の中に試験すべき塗装型枠合板をセットし、約0.5m3の生コンクリートを流し込み、2日後に鉄製枠を解体する際に、塗装型枠合板とコンクリート面との離型性および離型面を観察する。
【0046】
本発明の実施態様項を以下に列挙する。
(1)▲1▼脂肪族共役ジエン単量体10〜89.5重量%、
▲2▼エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体5〜60重量%、
▲3▼エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、および
▲4▼これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体5〜84.5重量%
よりなる単量体混合物を重合してなることを特徴とするコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(2)前記▲1▼脂肪族共役ジエン単量体が20〜70重量%である前項(1)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(3)前記▲1▼脂肪族共役ジエン単量体が30〜50重量%である前項(1)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(4)前記▲2▼エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が10〜40重量%である前項(1)、(2)または(3)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(5)前記▲2▼エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が1〜8重量%である前項(1)、(2)または(3)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(6)前記ラテックスの最低成膜温度が50℃以下である前項(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(7)前記ラテックスの粒子径が5〜500nmである前項(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(8)前記ラテックスのゲル含量が20〜90重量%である前項(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(9)前記ラテックスのpHが5〜9である前項(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)または(8)記載のコンクリート用塗装型枠合板用ラテックス。
(10)前項(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)または(9)記載のラテックスおよびエポキシ基含有硬化剤とを含有していることを特徴とするコンクリート用塗装型枠用水系塗料組成物。
(11)前記ラテックス中のポリマー固形分100重量部に対し、エポキシ基含有硬化剤が0.1〜10重量部である前項(10)記載のコンクリート用塗装型枠用水系塗料組成物。
(12)前記ラテックス中のポリマー固形分100重量部に対し、顔料が200〜600重量部である前項(10)または(11)記載のコンクリート用塗装型枠用水系塗料組成物。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の2液ウレタンエマルジョン型塗料と同等の物性を維持しながら、1液型で貯蔵安定性に優れ、かつ安価なコンクリート用塗装型枠合板用の水系共重合体塗料組成物を得ることができる。
Claims (1)
- (1)(a)脂肪族共役ジエン単量体10〜89.5重量%(重量%は単量体混合物を基 準としたものである。以下同様)、
(b)エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体5〜60重量%、
(c)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、および
(d)これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体5〜84.5重量%
よりなる単量体混合物を重合して得られたラテックスおよび
(2)エポキシ基含有硬化剤
とを含有していることを特徴とするコンクリート用塗装型枠合板用水系塗料組成物。
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