JPH0711177A - 塗 料 - Google Patents

塗 料

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JPH0711177A
JPH0711177A JP15187293A JP15187293A JPH0711177A JP H0711177 A JPH0711177 A JP H0711177A JP 15187293 A JP15187293 A JP 15187293A JP 15187293 A JP15187293 A JP 15187293A JP H0711177 A JPH0711177 A JP H0711177A
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JP
Japan
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polyvinyl alcohol
emulsion
polymerization
mol
modified polyvinyl
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Application number
JP15187293A
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English (en)
Inventor
Masato Nakamae
昌人 仲前
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0711177A publication Critical patent/JPH0711177A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料や無機質充填材との混和性に優れ、かつ
耐水性、耐汚染性、厚塗り性などの特性に優れる塗料を
提供すること。 【構成】 分散剤として、カルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコール、例えばイタコン酸変性ポリビニルアルコ
ールを用いて、酢酸ビニルなどのエチレン性不飽和単量
体を乳化重合して得られた水性エマルジョン(A)およ
びポリアミドエピクロルヒドリンなどのポリアミド系樹
脂(B)を含有する塗料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗料に関し、さらに詳し
くは、フラット状仕上げ塗料、立体模様仕上げ塗料、砂
壁状仕上げ塗料などとして優れた適性を有する塗料に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築物壁面などの保護、美装
を目的とした外装材としては、化粧トタン,プリント合
板,各種無機質板,金属パネルなどの乾式外装材の他、
モルタル仕上げ,タイル貼り,各種塗装などの湿式外装
材が主に用いられてきた。しかし、近年、作業性,経済
性,美観などが重視されるようになり、湿式工法の普及
は目覚ましいものがある。この湿式工法は、吹付,ロー
ル塗工などの比較的簡単な作業で広い面積を効率よく塗
装できること、防水性および耐久性に優れ、美観的にも
多種材料に比べて好ましいため、広汎に使用されてい
る。湿式外装材のうち、モルタル,タイル貼り,無機質
吹付材などは、壁面からの剥離、脱落などによる事故防
止のため、次第に有機系ポリマーをバインダーとする塗
料系吹付外装材に変わりつつある。該有機系ポリマーと
しては、エポキシ系,ウレタン系,酢酸ビニル系,アク
リル酸エステル系,合成ゴム系などのポリマーが用いら
れているが、近年の公害問題を契機として水系バインダ
ー類が主流になりつつあり、とりわけ、これらの重合体
のエマルジョンが賞用されている。外装材の機能として
は、壁面の美装および保護が主なものであるが、基材が
コンクリートなどの場合における下地クラックに起因す
る塗膜表面への亀裂波及び防止(下地にクラックが生じ
ても、塗膜にはクラックを生じないこと)、防水性の付
与なども重要な性質と考えられるようになってきてい
る。
【0003】そのほか、塗料バインダーとしての水性エ
マルジョンに要求される特性として、耐水性,耐汚染
性,厚塗り性などがある。すなわち、従来より、上記各
性能を有する塗料バインダーが望まれている。防水性や
耐水性という観点からは、一般にはポリビニルアルコー
ルを分散剤とする水性エマルジョンの場合、吸水性が大
きいために、吸水による塗膜の白化,柔軟化,ふくれな
どが起こり、また塗膜からのポリビニルアルコールなど
の溶出も多いために、塗料の本来の目的である塗装面の
保護や美装という点で不満足である。したがって、従来
の塗料用バインダーとしての水性エマルジョンは、特に
外装用などの場合は、各種界面活性剤(乳化剤)を分散
剤として乳化重合して得られた水性エマルジョンが主流
であった。
【0004】しかしながら、この乳化剤系水性エマルジ
ョンの場合、上記防水性や耐水性などについては比較的
良好なものが得られるが、塗膜表面の亀裂防止のために
塗膜を柔軟化しようとすると、粘着性の増大をもたら
し、耐汚染性が低下する問題点があり、また、一般に乳
化剤系水性エマルジョンは粒子径が小さく、そのための
塗膜が厚い場合には、乾燥過程で水の移行方向に粒子も
移行(マイグレーション)し、結果的に塗装表面と内部
の造膜速度に差を生じて塗膜がひび割れしやすいという
欠点を有している。さらには、各種顔料との混和安定
性,混和時の機械的安定性の向上や、塗装時のレベリン
グ性に関する流動特性などを改良することも要請されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、各種顔料との混和安定性や混和時の機械
的安定性に優れ、しかも、耐水性,耐汚染性,厚塗り性
などの特性に優れる塗料を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する塗料を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、分散剤としてカルボキシル基変性ポリビニルアル
コールを用いて、エチレン性不飽和単量体を乳化重合し
て得られた水性エマルジョンおよびポリアミド系樹脂を
含有してなる塗料がその目的に適合しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、エチレン性不飽和単量体を、
分散剤としてのカルボキシル基変性ポリビニルアルコー
ルの存在下に乳化重合して得られる水性エマルジョン
(A)およびポリアミド系樹脂(B)を含有することを
特徴とする塗料を提供するものである。
【0007】本発明の塗料は、特定の水性エマルジョン
(A)とポリアミド系樹脂(B)とを含有するものであ
って、該水性エマルジョン(A)は、分散剤としてカル
ボキシル基変性ポリビニルアルコールを、エチレン性不
飽和単量体の乳化重合時に用いるものである。この分散
剤であるカルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、
分子内にカルボキシル基を有する変性ポリビニルアルコ
ールであれば特に制限はないが、通常は、酢酸ビニルに
代表されるビニルエステル系単量体を、アクリル酸,メ
タクリル酸,(無水)フタル酸,(無水)マレイン酸,
(無水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸
と共重合した後、けん化したもの(ランダム共重合体)
か、末端にチオール基を有するポリビニルアルコール系
重合体の存在下、上記エチレン性不飽和カルボン酸をラ
ジカル重合したもの(ブロック共重合体)が好適に用い
られる。なお、上記のビニルエステル系単量体として
は、酢酸ビニル以外に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニ
ル,バーサチック酸ビニル,ピバリン酸ビニルなどを用
いることも可能である。
【0008】本発明におけるカルボキシル基変性ポリビ
ニルアルコールの重合度については特に制限はないが、
50〜3000の範囲が好ましく、100〜2000の
範囲がより好ましい。また、該カルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコールのけん化度についても特に制限はない
が、70〜100モル%の範囲が好ましく、80〜98
モル%の範囲がより好ましい。さらに、カルボキシル基
変性量についても特に制限はないが、0.1〜50モル%
の範囲が好ましく、0.5〜10モル%の範囲がより好ま
しく、0.5〜5モル%の範囲が特に好ましい。カルボキ
シル基変性量が0.1モル%未満では、充分な架橋密度が
得られず耐水性が向上しない。一方、カルボキシル基変
性量が50モル%を超えると、安定なエマルジョンを得
ることが難しくなり、また、安定なエマルジョンが得ら
れても、耐水性などが充分に発現しにくくなる。
【0009】また、本発明におけるカルボキシル基変性
ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範
囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合す
ることもできる。このようなエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、エチレン,イソブチレン,アクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド,メタク
リルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−
ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチルビ
ニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロ
リドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化
ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレ
ン,ビニルスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸,メル
カプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢
酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレン性
不飽和カルボン酸と共重合し、それをけん化することに
よって得られる末端変性物も用いることができる。
【0010】次に、(A)成分の水性エマルジョンにお
ける分散質であるエチレン性不飽和単量体の重合体は、
各種のものがあるが、この重合体の原料であるエチレン
性不飽和単量体の好ましい例としては、エチレン,プロ
ピレン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,
フッ化ビニル,ビニリデンクロリド,ビニリデンフルオ
リドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル,酢酸ビ
ニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,ア
クリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ドデシル,ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタ
クリル酸ドデシル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
などのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの四級化物、さらには、アクリルアミド,メタクリ
ルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジ
メチルアクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリ
ルアミド系単量体、スチレン,α−メチルスチレン,p
−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム,カリウム
塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリド
ンなど、また、ブタジエン,イソプレン,クロロプレン
などのジエン系単量体が挙げられ、これらは単独あるい
は、二種以上混合して用いられる。
【0011】上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビ
ニルエステル,(メタ)アクリル酸エステル,スチレン
およびジエン系単量体が好ましく、特にビニルエステ
ル,エチレンとビニルエステルとの併用および(メタ)
アクリル酸エステルが好適である。上記(A)成分であ
る水性エマルジョンは、前述したカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールの水溶液を分散剤に用いて、重合開
始剤の存在下に、上記エチレン性不飽和単量体を一時又
は連続的に添加して、該エチレン性不飽和単量体を乳化
重合することにより得られる。また、エチレン性不飽和
単量体を、予めカルボキシル基変性ポリビニルアルコー
ル水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系
に添加する乳化重合法も採用できる。該カルボキシル基
変性ポリビニルアルコールの使用量については特に制限
はないが、エチレン性不飽和単量体の重合体100重量
部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましく
は2〜20重量部の範囲である。該使用量が1重量部よ
り少ない場合および30重量部を超える場合、重合安定
性が低下したり、耐水性が低下することがあり、好まし
くない。なお、本発明の塗料において、(A)成分とし
て用いられる水性エマルジョンにおける分散剤として
は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールが用いら
れるが、必要に応じて、従来公知のアニオン性、ノニオ
ン性あるいはカチオン性の界面活性剤や、ポリビニルア
ルコール系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなどを
併用することもできる。本発明の塗料に用いられる該水
性エマルジョンは、上記の方法で得られる水性エマルジ
ョンをそのまま用いてもよいが、必要があれば、従来の
公知の各種エマルジョンを本発明の効果を損なわない範
囲で添加することができる。
【0012】本発明の塗料において、(B)成分として
用いられるポリアミド系樹脂としては、(A)成分であ
る水性エマルジョンと架橋反応を起こすものが好まし
く、水性エマルジョンの分散剤であるカルボキシル基変
性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と反応する官
能基を有するものがより好ましい。(B)成分の具体例
としては、ポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応
物が好ましく、ポリアミドとグリシジル基含有化合物と
の反応物がさらに好ましく、ポリアミドとエピクロルヒ
ドリンとの反応物であるポリアミドエピクロルヒドリン
が特に好ましい。
【0013】ここでポリアミドエピクロルヒドリンと
は、アルキルポリアミン化合物とアルキルジカルボン酸
との縮合反応で得られるポリアミド樹脂にエピクロルヒ
ドリンを作用させて、第四級化した水溶性樹脂であり、
例えばアジピン酸とジエチレントリアミンとから得られ
たポリアミドにエピクロルヒドリンを作用させたものな
どが挙げられる。上記(B)成分であるポリアミド系樹
脂の重合度については、特に制限はないが、濃度10重
量%水溶液の温度25℃におけるブルックフィールド型
粘度(B型粘度)が、好ましくは5〜10,000mPa
s・s(ミリパスカル秒)、より好ましくは10〜5,0
00mPas・s、さらに好ましくは10〜1,000m
Pas・sの範囲にあるのがよい。該ポリアミド系樹脂
の官能基含有量については、特に制限はないが、0.01
〜1モル/100gの範囲が好ましく、0.05〜0.5モ
ル/100gの範囲がより好ましい。
【0014】本発明の塗料を調製するには、各種の方法
があるが、一般には上記(B)成分であるポリアミド系
樹脂をそのまま、または水溶液として、あるいは適当な
水溶性溶剤に溶解させてから、(A)成分である水性エ
マルジョンに添加,混合することによって調製する。な
お、その際の(B)成分の添加量は、該エマルジョンの
固形分100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲
が好ましく、0.2〜15重量部の範囲がより好ましい。
該(B)成分の添加量が0.1重量部未満では、塗膜の耐
水性が不充分となりやすく、また30重量部を超えると
(A)成分のエマルジョンとの混和安定性の低下や、耐
水性の低下が起こる場合があり、好ましくない。
【0015】本発明の塗料は、上記(A)成分である水
性エマルジョンと(B)成分であるポリアミド系樹脂と
を含有するが、さらに必要に応じて顔料を配合すること
ができる。ここで顔料としては、特に制限はなく、各種
の天然顔料,合成無機顔料および合成有機顔料を使用す
ることができる。さらに具体的には、着色顔料(チタン
白,鉄黄,群青,カドミウムエロー,ベンガラ,クロム
エロー,カーボンブラック,シアニン系顔料,アゾ系顔
料,トリフェニルメタン系顔料,キノリン系顔料,アン
トラキノン系顔料,フタロシアニン系顔料など),体質
顔料(硫酸バリウム,炭酸カルシウム,カオリン,タル
ク,シリカ,アルミナ,パーライト,硅砂など),特殊
顔料(錆止め顔料,発光顔料,示温顔料など),繊維状
またはりん片状の特殊無機質顔料(アスベスト,ロック
ウール,マイカなど)などが挙げられ、これらの顔料は
単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて使用し
てもよい。
【0016】該顔料の配合量は、特に制限はないが、水
性エマルジョンの固形物100重量部に対して40〜4
00重量部が好ましく、60〜300重量部がより好ま
しい。顔料の添加量が40重量部未満では塗膜にふくれ
が発生するなどの問題があり、一方400重量部を超え
ると塗膜の柔軟性や弾性を失うなどの問題が生じること
がある。本発明の塗料には、本発明の目的を損なわない
範囲で、所望により通常の水性エマルジョン型塗料を調
製する際に用いられる各種の添加成分、例えばメチルセ
ルロース,カルボキシメチルセルロース,ポリビニルア
ルコール,ポリアクリル酸塩,ポリアクリルアミド,ポ
リビニルピロリドンなどの増粘剤、トリポリリン酸塩,
ヘキサメタリン酸塩などの縮合リン酸塩、アニオン性,
ノニオン性,カチオン性などの界面活性剤、スチレン−
無水マレイン酸半エステル塩共重合体,ジイソブチレン
−無水マレイン酸半エステル塩共重合体などの分散剤、
さらには消泡剤,防ばい剤,防腐剤,造膜助剤,老化防
止剤,凍結防止剤などを添加することができる。
【0017】本発明の塗料は、ロール,コテ,刷毛,ス
プレーガンなどを用いて一般的方法で塗工される。そし
て、コンクリート,モルタル,ALC板,フレキシブル
板,金属板,合板などからなる壁面,床面,天井面など
の様々な面に対して好適に使用することができる。この
際、下地との密着性,防水性,耐候性,美観などの改良
を目的として、下地処理剤,上塗り剤などを使用するこ
ともできる。
【0018】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、塗料の性能、すなわち顔料・無
機充填材混和性,厚塗り性,粘着性(耐汚染性)および
耐水性を下記要領で測定した。 (1)顔料・無機充填材混和性 水性エマルジョンとポリアミド系樹脂との混合物に、顔
料および無機充填材を添加した場合の分散状態を下記の
基準で3段階評価した。 ○ : 良好な分散状態 △ : 粘度が上昇 × : ザラザラした感じで凝固物発生 (2)厚塗り性 塗料を石綿スレート板に吹付ガン(ノズル径6.5mm、
吹付圧力3kg/cm 2 の重量)を用いて約2.0kg/
cm2 の重量になるように吹付け、20℃で7間乾燥さ
せた。この塗料吹付け板の塗膜表面の状態を観察し、下
記の基準で3段階評価した。 ○ : 平滑な塗膜形成 △ : やや凹凸のある塗膜形成 × : 塗膜に亀裂発生 (3)粘着性(耐汚染性) 泡抜きした塗料をガラス板上に乾燥後の膜厚が2mmに
なるように塗工したのち、常温にて3日間乾燥後、ガラ
ス板より剥がし、裏返してさらに4日間乾燥した。この
ようにして得た試験体の表面のタックを指触法により下
記の基準で判定した。 ○ : 粘着ほとんどなし × : 粘着性大 (4)耐水性 泡抜きした塗料をガラス板上に乾燥後の膜厚が2mmに
なるように塗工したのち、常温にて3日間乾燥後、ガラ
ス板より剥がし、裏返してさらに4日間乾燥した。この
ようにして得た試験体を20℃の流水中に24時間浸漬
した際の状態を観察し、下記基準で判定した。 ○ : ほとんど変化なし △ : 塗膜が膨潤する × : 塗膜が膨潤し、再乳化、破断する
【0019】実施例1 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、水400g,カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコール(重合度1750,け
ん化度87.5モル%,イタコン酸1モル%ランダム共重
合変性)24gを仕込み、95℃で完全に溶解した。次
に、このポリビニルアルコール水溶液を冷却、窒素置換
後、140rpmで攪拌しながら酢酸ビニル400gを
仕込み、60℃に上昇したのち、過酸化水素/ロンガリ
ットのレドックス開始剤系の存在下で重合を行った。2
時間で重合は終了し、重合率99.8%,固形分濃度50.
4%,粘度2900mPas・sの安定なポリ酢酸ビニ
ルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの固形分
100部に対して、ジブチルフタレート10部,ポリア
ミドエピクロルヒドリン(WS−525,日本PMC社
製)1部,ヘキサメタリン酸ナトリウム3%水溶液3
部,メトローズ15000(信越化学社製,メチルセル
ロース)3%水溶液2部およびノプコ8034(サンノ
プコ社製,消泡剤)0.5部を添加し、さらに重質炭酸カ
ルシウム(白石工業社製,ホワイトンP−40)56
部,ルチル型酸化チタン16.5部およびタルク37.5部
を添加し、均一に混合した。このようにして得られた塗
料について、その性能を評価した。結果を第1表に示
す。
【0020】比較例1 実施例1において、ポリアミドエピクロルヒドリンを添
加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして塗料を
調製し、その性能を評価した。結果を第1表に示す。
【0021】比較例2 実施例1において、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コールの代わりに無変性部分けん化ポリビニルアルコー
ル(重合度1700,けん化度88モル%)を用いた以
外は、実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジョ
ンを作成した。重合率99.8%、固形分濃度50.4%、
粘度2800mPas・sであり、安定なポリ酢酸ビニ
ルエマルジョンであった。このエマルジョンを用い、実
施例1と同様にして塗料を調製し、その性能を評価し
た。結果を第1表に示す。
【0022】実施例2 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、水400g,末端にチ
オール基を有するカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ール(重合度500,けん化度88.2モル%,イタコン
酸1モル%ランダム共重合変性,〔SH〕濃度:5×1
-5モル/g−ポリビニルアルコール)28gを仕込
み、95℃で完全に溶解した。次に、このポリビニルア
ルコール水溶液を冷却後、希硫酸でpHを4.0に調整
し、窒素置換を行い、140rpmで攪拌しながら、メ
タクリル酸メチル80gとアクリル酸n−ブチル80g
を仕込み、70℃に上昇したのち、5%過硫酸アンモニ
ウム水溶液5gを添加して重合を開始した。その後、メ
タクリル酸メチル120gとアクリル酸n−ブチル12
0gを2時間かけて逐次添加した。4時間で重合は完了
し、重合率99.9%,固形分濃度51.5%,粘度900
mPas・sの安定なポリ(メタクリル酸メチル/アク
リル酸ブチル)共重合体エマルジョンが得られた。この
エマルジョンの固形分100重量部に対して、ポリアミ
ドエピクロルヒドリン(WS−525,日本PMC社
製)1部,ヘキサメタリン酸ナトリウム3%水溶液3
部,メトローズ15000(信越化学社製,メチルセル
ロース)3%水溶液2部およびノプコ8034(サンノ
プコ社製,消泡剤)0.5部を添加し、さらに重質炭酸カ
ルシウム(白石工業社製,ホワイトンP−40)56
部,ルチル型酸化チタン16.5部およびタルク37.5部
を添加し、均一に混合した。このようにして調製した塗
料についてその性能を評価した。結果を第1表に示す。
【0023】比較例3 実施例2において、ポリアミドエピクロルヒドリンを添
加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして塗料を
調製し、その性能を評価した。結果を第1表に示す。
【0024】比較例4 実施例2において、末端にチオール基を有するカルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールの代わりに非イオン性
乳化剤(ノニポール200,三洋化成社製)16gを用
いた以外は、実施例2と同様にして水性エマルジョンを
得た。このエマルジョンは、重合率99.9%,固形分濃
度51.4%,粘度25mPas・sの安定なものであっ
た。このエマルジョンを用いて実施例2と同様にして塗
料を調製し、その性能を評価した。結果を第1表に示
す。
【0025】比較例5 比較例4のエマルジョンの固形分100部に対して、実
施例2の末端にチオール基を有するカルボキシル基変性
ポリビニルアルコール7部を添加したものを用い、以下
実施例2と同様にして塗料を調製し、その性能を評価し
た。結果を第1表に示す。
【0026】比較例6 実施例2において、末端にチオール基を有するカルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールの代わりに末端にチオ
ール基を有するポリビニルアルコール(重合度500,
けん化度88.2モル%,〔SH〕濃度:5×10-5モル
/g−ポリビニルアルコール)28gを用いた以外は、
実施例2と同様にしてポリ(メタクリル酸メチル/アク
リル酸n−ブチル)共重合体エマルジョンを得た。この
エマルジョンを用い、実施例2と同様にして塗料を調製
し、その性能を評価した。結果を第1表に示す。
【0027】実施例3 末端にチオール基を有するカルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコール(重合度300,けん化度96.0モル%,
イタコン酸1モル%ランダム共重合変性,〔SH〕濃
度:7×10-5モル/g−ポリビニルアルコール)12
gをイオン交換水290g中で加熱溶解し、それを窒素
吹込口および温度計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕
込んだ。希硫酸でpH4.0に調整した後、スチレン16
5gを仕込み、次いで耐圧計量器よりブタジエン135
gを仕込み、70℃に昇温後、2%過硫酸カリウム水溶
液10gを圧入して重合を開始した。内圧は4.8kg/
cm 2 Gから重合の進行とともに低下し、15時間後に
0.4kg/cm2 Gに低下した。重合率を測定したとこ
ろ99.2%であった。得られたエマルジョンをアンモニ
ア水でpH6.0とし、固形分濃度49.0%および粘度2
000mPas・sの安定なポリ(スチレン−ブタジエ
ン)共重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンを
用いて実施例2と同様にして塗料を調製し、その性能を
評価した。結果を第1表に示す。
【0028】実施例4 カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(重合度17
50,けん化度86.5モル%,イタコン酸2モル%ラン
ダム共重合変性)12gをイオン交換水290gに加熱
溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オ
ートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に調整
後、酢酸ビニル300gを仕込み、次いで、エチレンを
45kg/cm2 Gまで昇圧した(エチレンの仕込量は
60gに相当する)。温度を60℃まで昇温後、過酸化
水素−ロンガリット系レドックス開始剤で重合を開始し
た。2時間後、残存酢酸ビニル濃度が0.7%となったと
ころで重合を終了した。固形分濃度52.5%,粘度32
00mPas・sの安定なポリ(酢酸ビニル−エチレ
ン)共重合体エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンを用い、実施例2と同様にして塗料を調製し、その性
能を評価した。結果を第1表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】注1)IA−PVA:イタコン酸(1モル
%)ランダム共重合変性ポリビニルアルコール,重合度
1750,けん化度87.5モル% 2)無変性PVA:重合度1700,けん化度88.0モ
ル% 3)IA−SH−PVA:末端にチオール基を有し、イ
タコン酸(1モル%)ランダム共重合変性ポリビニルア
ルコール,重合度500,けん化度88.2モル%,〔S
H〕5×10-5モル/g−PVA 4)SH−PVA:末端チオール基変性ポリビニルアル
コール,重合度500,けん化度88.2モル%,〔S
H〕5.0×10-5モル/g−PVA 5)IA−SH−PVA:末端にチオール基を有し、イ
タコン酸(1モル%)ランダム共重合変性ポリビニルア
ルコール,重合度300,けん化度96.0モル%,〔S
H〕7×10-5モル/g−PVA 6)IA−PVA:イタコン酸(2モル%)ランダム共
重合変性ポリビニルアルコール,重合度1750,けん
化度86.5モル% モノマーの記号の意味 VAc : 酢酸ビニル MMA : メタクリル酸メチル n−BA: アクリル酸n−ブチル St : スチレン Bu : ブタジエン Et : エチレン
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の塗料は、顔料や無機質充填材と
の混和性に優れ、かつ耐水性,耐汚染性,厚塗り性など
の特性に優れており、例えばフラット状仕上げ塗料,立
体模様仕上げ塗料,砂壁状仕上げ塗料などとして好適に
用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体を、分散剤とし
    てのカルボキシル基変性ポリビニルアルコールの存在下
    に乳化重合して得られる水性エマルジョン(A)および
    ポリアミド系樹脂(B)を含有することを特徴とする塗
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102814462A (zh) * 2012-08-10 2012-12-12 三棵树涂料股份有限公司 一种铸铁脱模用耐高温水性涂料
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